説明

媒体輸送システム用のエッジガイド

エッジガイドが提供される。構成は湾曲表面を含み、プリント媒体は湾曲媒体の上を進行し得る。プリント媒体は、第一縁部と、第一縁部の反対側にある第二縁部とを含む。第一媒体ガイド(106)がプリント媒体の第一縁部と接触可能である。第二媒体ガイド(108)がプリント媒体の第二縁部と接触可能である。第二媒体ガイド(108)は第一媒体ガイド(106)から離間する。第一媒体ガイド(106)と第二媒体ガイド(108)との間の距離が可変であるよう、第二媒体ガイド(108)と第一媒体ガイド(106)との間の相対的な間隔は調節可能である。第二媒体ガイド(108)は、プリント媒体の第二縁部にネスティング力を適用し、プリント媒体の第一縁部を第一媒体ガイド(106)に向かって移動させ且つ第一媒体ガイド(106)と接触させる機構を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、ウェブ媒体のための印刷装置に関し、より具体的には、供給源から1つ又はそれよりも多くの印刷区画に媒体の連続的なウェブを送るための運動学的なウェブ取扱いを支持するウェブ媒体輸送装置のためのエッジガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
連続的なウェブ印刷は、経済的で、高速で、高容量のプリント生成を可能にする。この種類の印刷では、連続的なウェブの紙又は他の被印刷材料が、1つ又はそれよりも多くの印刷サブシステムを越えて送られ、印刷サブシステムは、1つ又はそれよりも多くの着色剤を被印刷物表面の上に塗布することによって画像を形成する。例えば、従来的なウェブ送り回転プレスでは、ウェブ被印刷物が、1つ又はそれよりも多くの圧胴を通じて送られ、圧胴は、接触印刷を行い、連続的な方法で画像化ローラからウェブの上にインクを移転する。
【0003】
印刷装置への被印刷物の適切な位置合わせは、特に4色印刷又は類似用途において多色が使用される場合、プリント生成において相当な重要性を有する。今日の商業的なオフセットプリンタにおける従来的なウェブ輸送システムは、機械素子の高精度な整列を用いてウェブ位置合わせの問題に対処している。従来的なウェブ取扱いサブシステムの典型は、重いフレーム構造、精密設計構成部品、及び、構成部品とサブシステムとの間の被印刷物輸送を精密に調節するための複雑で高価な整列処理である。
【0004】
精密で反復可能なウェブ位置合わせ及び輸送を維持することの問題は、高容量インクジェット印刷のような高解像度の非接触印刷の発展に伴い、より一層重大になっている。この種類の印刷システムを用いるならば、精細に制御されたインクのドットが、プリントヘッドから移動する媒体の表面の上に急速且つ正確に噴射され、ウェブ被印刷物は、毎分数百フィートの測定速度でプリントヘッドを越えて巡ることが多い。圧胴は使用されない。移動する媒体への着色剤の塗布の順番を決定するために、同期及びタイミングが利用される。毎インチ600ドット(DPI)以上のドット解像度で、高度の位置合わせ精度が必要とされる。印刷中、急速に移動するウェブの異なる部分に可変量のインクを塗布可能であり、乾燥機構が各プリントヘッド又は一揃いのプリントヘッドの後に利用されるのが典型的である。インク又は他の液体の量及び種類における並びに乾燥時間における可変性は、異なる種類の被印刷物のための範囲に亘って、被印刷物の剛性及び張力特性を劇的に変化させ、被印刷物の取扱い及び位置合わせの挑戦の全体的な複雑性に寄与し得る。
【0005】
位置合わせ問題に対する1つのアプローチは、厳格に制御されたプリント経路に沿ってウェブ媒体を押し付けるプリントモジュールを提供することである。これはRay at al.による「Web Flow Path」という名称の米国特許出願公開第2009/0122126号において例示されているアプローチである。そのようなシステムには、ウェブ媒体が1つ又はそれよりも多くのインク塗布プリントヘッドを越えて移動するときにウェブ媒体を固定し且つ制約する多数の駆動ローラがある。
【0006】
そのような従来的なアプローチに伴う問題は、設計、組立て、及び、媒体経路に沿うウェブ取扱いシステムの調節及び整列の有意なコストを含む。そのような従来的なアプローチは、ある程度のモジュール性を許容するが、この種の設計を備えるシステムを拡張又は改修することは困難且つ高価である。そのようなシステムのための各「モジュール」は、それ自体が完全な印刷装置であるか、或いは、紙輸送のために完全で自蔵式のサブアセンブリを必要とし、例えば、1つ又はそれよりも多くの追加的な色又は処理ステップを追加するために、印刷作業を改修又は拡張するのを高価にする。
【0007】
ウェブ追跡に対する様々なアプローチが多様な印刷技術に適する。例えば、Joseph et al.に発効した「Web Tracking Apparatus」という名称の同一譲受人による米国特許第4,572,417号において電子写真複製ウェブ(画像が移転されるベルトと呼ばれることが多い)に関して教示されるような活性整列ステアリング(active alignment steering)は、連続的なウェブ印刷のために、随伴する同期制御装置と共に多数のステアリングステーションを必要とする。上述のように、その剛性及び張力が印刷中に変化するプリント媒体と共にそのような解決策を利用することは、困難且つ高価である。ウェブ(又は上述のようなベルト)ステアリングのための他の解決策は、電子写真機器における無端ウェブのために同様に意図されるが、紙媒体との使用のために直ちに採用可能でない。低速写真プリンタのために有用であり且つBlanding et al.に発効した同一譲受人による「Web Tracking Apparatus」という名称の米国特許第4,795,070号において教示される表面接触ローラを使用するステアリングは、インクで可変に湿らされる表面には不適であり、トラック横断(cross-track)方向において不均一な張力を導入しがちでもある。Blandingに発効した同一譲受人による「Web Guiding Apparatus」という名称の米国特許第4,901,903号において教示されるような他の解決策は、低速から中速で移動する写真媒体に適しているが、各々が異なる特性を備える広範な媒体に適合させ且つ各媒体種類を毎分数百フィートの速度で輸送する必要があるシステムには不適である。
【0008】
高速非接触プリンタが商業印刷市場において前述の種類の装置と競争するために、高コストのウェブ輸送が大いに低減されなければならない。有意なダウンタイムのコスト、複雑な調節、並びに、ウェブ媒体の材料及び種類に対する制約を伴わずに加工し且つ構成し得る、採用可能な非接触印刷システムの必要がある。
【0009】
そのようなシステムの1つの特徴は、連続的なウェブ被印刷物を印刷システム内に送り、且つ、後続の輸送及び印刷のためにウェブ媒体を適切なトラック横断位置に案内する構成部品に関する。移動するウェブの位置を制御するための従来的な解決策は、データ記憶装置のために使用される磁気テープ媒体を取り扱うために使用されるアプローチを含む。例えば、Archに発効した「Tape Handling Element」という名称の米国特許第3,443,273号は、移動するテープの縁部をローラ上のエッジガイドキャップと連続的に整列させる力を加えることによってテープ位置を案内するローラ機構を記載している。Nettlesに発効した「Continuous Compliant Guide for Moving Web」という名称の米国特許第3,850,358号は、移動する磁気テープの片面又は両面を位置合わせする長い連続的なコンプライアントガイド(compliant guide)の配置を記載している。Albrecht et al.による「Flexible Moving Web Guide」という名称の欧州特許出願EP0491475は、移動する磁気テープを案内するためにフランジ付きローラを利用するジンバルド(gimbaled)コンプライアントテープガイド(compliant tape guide)を記載している。これらのような従来的な解決策は、磁気テープには成功裏に働き得る。しかしながら、これらのアプローチは、プリント媒体取扱いシステムの必要を満足しない。磁気テープは、紙及び他の被印刷物と異なり、一定の大きさ及び限定的な剛性範囲を有する。よって、磁気テープが読取り/書込み構成部品を越えて移動するとき、磁気テープは、一定の張力及び精密な位置合わせを維持するために、より単純な機械的タスクを提示する。エッジガイドの間の近接した空間が磁気テープを用いて可能であり、高い輸送速度で精密な位置合わせを可能にする。しかしながら、紙及び他の被印刷物では、近接して離間するエッジガイドを使用して、寸法要求がそのような厳密な制御を作動不能にする。
【0010】
連続的なウェブプリント媒体を取り扱うための従来的な解決策は、高速の非接触式の印刷用途に十分に適さないことも分かった。例えば、Entz et al.に発効した同一譲受人による「Gimballed Roller for Web Material」という名称の米国特許第5,397,289号は、移動するウェブに対してそれ自体を自動的に位置付けるが、両方の縁部にエッジガイドを適用することで、運動力学的なウェブ取扱いシステムに望ましくない過剰制約をもたらす、ジンバルドローラを記載している。前述のBlandingの第903号特許は、旋回ヨークを備えるコンプライアントローラ、及び、写真プリント紙のウェブが供給ローラから送られるときに、エッジガイドに対する写真プリント紙の移動するウェブの縁部(エッジ)を推進するローラの使用を記載している。この種の解決策は、比較的高いトラック横断剛性及び比較的狭い範囲の幅を有する写真紙に良好に作用するが、写真紙の数倍の幅であり得るプリント媒体には直ちに採用可能でなく、写真媒体と異なり、広い範囲の剛性及び厚み特性を有し得る。
【0011】
プリンタ内の位置にウェブを案内するタスクは、サーボウェブガイド又はニップ付きエッジガイドアセンブリで従来的に行われている。これらの種類の従来的なウェブガイドに伴う問題の中には、高い部品点数、組立てコスト、複雑な機械的制約プロファイル、局所的なニップ圧力に起因する媒体取扱い問題、及び、比較的高いコストがある。用途に依存して、文献中に前述されたような従来的なエッジガイドは、他の欠点も有し得る。多くの従来的なエッジガイド装置は、紙をエッジガイドに対して推進する「推進」ローラ(“urging” roller)を用いて、紙又は他の被印刷物の頂面と接触する。これは紙を通じてウェブ支持手段の上に力を伝達し、ウェブを潜在的に損ない、或いは、ウェブ表面の上に既に刷り込み得た如何なる着色剤又は他の塗膜をも汚し得る。従来的な推進ローラは、エッジとニップ力との間の不均衡の力に起因して、不均一なドラグを紙の上に置き得る。このアプローチを用いるならば、中心整版(center justification)を維持しながら紙幅の大きな変動に適合することも困難であり得る。
【0012】
ウェブ案内のための入力サブシステムの望ましい特性の中には、以下のものがある。
【0013】
(i)ある範囲の媒体幅、並びに、異なる剛性、厚み、表面光沢及び他の特性を有する媒体に適合すること。
【0014】
(ii)媒体ウェブが輸送システムを通じて移動するとき、媒体ウェブの中心位置調整を維持することであり、運動力学的なウェブ取扱いのために中心整版(center justification)が必要とされる。
【0015】
(iii)部品点数、機械的な複雑性、及び、コストを最小限化すること。
【0016】
(iv)媒体ウェブの被印刷表面に対して力を加える推進ローラの必要を排除すること。
【0017】
(v)ウェブの縁部に対する点接触を排除すること。
【0018】
(vi)緩みループ(slack loop)からの入力媒体を受け入れ可能であること、及び、印刷装置内へのように下流に送られる媒体が、より高容量の横断ウェブ剛性を備え得ることであり、入力後の媒体は極めて僅かの横断ウェブ剛性を有する。
【0019】
(vii)ウェブに対する機械的制約を可能な限り最小限化すること。
【0020】
残念なことに、ウェブ輸送速度の増大に伴い、様々な種類の従来的なウェブ媒体エッジガイドに固有である並びに一部の種類のシステムに影響を及ぼし得ない性能問題が益々より顕著になってきている。より遅く移動するウェブ輸送システムを用いて不均一なドラグや中心整版から逸れる傾向のような問題をある程度まで矯正し得るが、高いウェブ輸送速度が毎分100フィートを越える場合、これらの問題は更に悪化される。システム要件が、様々な剛性、厚み、表面の円滑さ、及び、他の特性を有する、ある範囲の媒体の幅及び種類を許容するとき、並びに、これらの特性の一部が、例えば、塗布されるインク又は他の流体の量に伴い、劇的に変化し得るとき、この種類の困難は、より一層複雑になる。その場合には、非接触印刷用途のための高速媒体輸送の厳格な要求に適するウェブエッジガイドの必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
連続的なウェブ媒体取扱いの技術を前進させることが本発明の目的である。この目的を念頭に置いて、本発明は連続的なウェブプリント媒体の運動力学的な取扱い及び輸送を支持するエッジガイドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の1つの特徴によれば、エッジガイドが提供される。構成が湾曲表面を含み、プリント媒体が湾曲表面の上を進行し得る。プリント媒体は、第一縁部と、第一縁部の反対側にある第二縁部とを含む。第一媒体ガイドがプリント媒体の第一縁部と接触可能である。第二媒体ガイドがプリント媒体の第二縁部と接触可能である。第二媒体ガイドは、第一媒体ガイドから離間する。第一媒体ガイドと第二媒体ガイドとの間の距離が可変であるよう、第二媒体ガイドと第一媒体ガイドとの間の相対的な間隔は調節可能である。第二媒体ガイドは、プリント媒体の第二縁部にネスティング力を適用し、プリント媒体の第一縁部を第一媒体ガイドに向かって移動させ且つ第一媒体ガイドと接触させる機構を含む。
【0023】
本発明の他の特徴によれば、プリント媒体の連続的なウェブの上に印刷する方法が、エッジガイド構成を提供することを含み、エッジガイド構成は、湾曲表面を含み、プリント媒体は湾曲表面の上を進行可能であり、プリント媒体は、第一縁部と、第一縁部の反対側にある第二縁部とを含み、エッジガイド構成は、更に、プリント媒体の第一縁部と接触可能である第一媒体ガイドと、プリント媒体の第二縁部と接触可能である第二媒体ガイドとを含み、第二媒体ガイドは、第一媒体ガイドから離間し、第一媒体ガイドと第二媒体ガイドとの間の相対的な間隔は可変であり、当該方法は、プリント媒体に適合させるために、第二媒体ガイドと第一媒体ガイドとの間の相対的な間隔を調節することを選択的に含み、更に、エッジガイド構成を通じてプリント媒体を進行させること、及び、プリント媒体の第二縁部にネスティング力を適用し、プリント媒体がエッジガイド構成を通じて進行するときに第二媒体ガイドと関連付けられる機構を使用して、プリント媒体の第一縁部を第一媒体ガイドに向かって移動させ且つ第一媒体ガイドと接触させることを含む。
【0024】
本発明の実施態様は、ある範囲の媒体の幅、厚み、剛性、及び、他の特性に適合するエッジガイドを有利に提供する。本発明のエッジガイドは、移動するウェブに対する機械的な制約を最小限化し、トラック横断方向における中心整版を維持し、輸送中の媒体の縁部の連続的な整列を伴う。
【0025】
本発明の他の利点は、印刷媒体の位置合わせを維持するために、本発明が連続的に移動するウェブに対するウェブ媒体輸送構成部品の自動整列を支持することである。本発明は、媒体を不利に損傷し、画像の位置ずれを引き起こし、或いは、さもなければ、塗布されるインク及び他の流体の適切な乾燥又は硬化を妨げ得る過剰な制約力又は圧力を適用することなく、非接触印刷、或いは、より一般的には、媒体表面の上に高速で流体を塗布することも可能にする。
【0026】
本発明、並びに、その目的及び利点は、以下に提示する例示的な実施態様の詳細な記載においてより明らかになるであろう。本発明は請求項によって定められる。
【0027】
以下の提示する本発明の好適実施態様の詳細な記載において、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の例示的な実施態様に従ったデジタル印刷システムを概略的に示す側面図である。
【図2A】ウェブ媒体制約を特徴付けるために使用される直交座標システムを示す斜視図である。
【図2B】連続的に移動するウェブに対して加えられる角度制約及び横方向制約を概略的に示す上面図である。
【図3】図1に示されるデジタル印刷システムの媒体輸送構成部品を拡大して概略的に示す側面図である。
【図4】図3に示されるデジタル印刷システムのウェブ輸送経路を示すウェブ平面図である。
【図5】1つの例示的な実施態様における反転モジュール内のローラ及び表面の配置を示す上面図である。
【図6】図5の反転モジュールを示すウェブ平面図である。
【図7】本発明の他の例示的な実施態様に従った両面デジタル印刷システムを概略的に拡大縮尺で示す側面図である。
【図8】図7に示されるデジタル印刷システムのウェブ輸送経路を示すウェブ平面図である。
【図9】本発明の他の例示的な実施態様に従った印刷装置を示す斜視図であり、より良好な視認性のために、カバーと、プリントヘッドと、支持構成部品とが取り外されている。
【図10】本発明の他の例示的な実施態様に従ったデジタル印刷システムを概略的に示す側面図である。
【図11】図10に示されるデジタル印刷システムのウェブ輸送経路を示すウェブ平面図である。
【図12】本発明の他の例示的な実施態様に従ったデジタル印刷システムを概略的に示す側面図である。
【図13】図12に示されるデジタル印刷システムのウェブ輸送経路を示すウェブ平面図である。
【図14】エッジガイドの後続の記載において使用される用語及び相対座標を示す概略図である。
【図15A】1つの実施態様におけるウェブ媒体の位置を示すエッジガイドの斜視図である。
【図15B】ウェブ媒体のない状態の図15Aの斜視図である。
【図15C】より狭い媒体幅のために調節される図15A及び図15Bのエッジガイドを示す斜視図である。
【図16A】1つの実施態様に従ったエッジガイドを示す側面図である。
【図16B】固定媒体縁部の側から図16Aのエッジガイドを示す斜視図である。
【図16C】コンプライアント媒体縁部の側から図16Aのエッジガイドを示す斜視図である。
【図16D】コンプライアント媒体縁部の側から図16Aのエッジガイドを示す斜視図であり、エッジガイドの長さに亘る湾曲支持構造の位置を示している。
【図17A】固定媒体縁部の旋回作用を示す上面図と共に、固定媒体縁部を示す斜視図である。
【図17B】コンプライアント媒体縁部の旋回作用を示す上面図と共に、コンプライアント媒体縁部を示す斜視図である。
【図18】1つの実施態様におけるエッジガイドのための制御ループを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本記載は、本発明に従った装置の一部を形成し、或いは、本発明に従った装置とより直接的に協働する素子に特に向けられている。具体的に示されず或いは記載されない素子は、当業者に周知の様々な形態を取り得ることが理解されるべきである。
【0030】
本発明の方法及び装置は、デジタル印刷システムの設計に対するモジュラ式のアプローチを提供し、連続的に移動するウェブプリント媒体をインクジェットプリントヘッドのような1つ又はそれよりも多くのデジタルプリントヘッドを越えて輸送するために的確な制約の機能及び原理を利用する。本発明の装置及び方法は、連続的に移動する媒体の上へのインク又は他の着色剤の非接触塗布をもたらす印刷装置に特に適している。本発明のプリントヘッドは、プリントヘッドが印刷システムを巡るときに、媒体の少なくとも一部を選択的に湿らせるが、プリント媒体と接触させる必要はない。
【0031】
本開示の脈絡において、「プリント媒体の連続的なウェブ」という用語は、プリント媒体が印刷システムの入口から出口まで印刷システムを通るときに連続的な一片の媒体の形態にあるプリント媒体に関する。プリント媒体の連続的なウェブ自体は、1つ又はそれよりも多くのインク又は他の塗工液が非接触式に塗布される受取りプリント媒体として働く。これは、受取りプリント媒体というよりもむしろ実際には輸送システム構成部品であり且つ電子写真又は他の印刷システムにおいて切断シート媒体を輸送するために使用されるのが典型的である様々な種類の「連続ウェブ」又は「ベルト」から区別される。「上流」及び「下流」という用語は、移動するウェブの輸送経路に沿う相対的な位置を指す技術用語である。ウェブ上の地点は上流から下流に移動する。「第一」、「第二」等の用語は、それらが使用される場合、必ずしも如何なる順序関係又は優先関係をも示さず、単に1つの素子を他の素子からより明確に区別するために使用される。
【0032】
運動力学的なウェブ取扱いは、連続的に移動するウェブ媒体が1つのモジュールから他のモジュールに進むとき、本発明のシステムの各モジュール内のみならず、モジュール間の相互接続部でも提供される。多数の従来的な連続的なウェブ画像化システムとは異なり、本発明のシステムはモジュール間の緩みループ(slack loop)を必要とせず、入力端で供給ロールから除去されたばかりの媒体のためにだけ緩みループを使用するのが典型的である。モジュール間の或いはモジュール内の緩みループの必要を除去することは、媒体経路構成部品の自動位置決め及び自動矯正設計を活用して、連続的に移動するウェブに沿う任意の地点でモジュールを追加することを可能にする。
【0033】
本発明の装置及び方法は、多数の的確な制約原理をウェブ取扱いの問題に適合させる。この適合の一部として、本発明は、ウェブ整列のための自動矯正の手段を用いて、移動するウェブが適切なクロストラック(cross-track)位置合わせを維持することを「受動的」に可能にする方法を特定した。絶対的に必要でない限り、ウェブのステアリング(steering)は回避される。その代わり、輸送平面内のウェブの横方向位置及び角位置が正確に制約される。その上、ウェブを輸送するときに使用される他のウェブ支持装置は、非回転表面又はウェブを正確に制約するために意図的に使用される装置以外、ウェブと自動整列されることが許容される。この発明に従ったデジタル印刷システムは、プリント媒体のウェブが少なくとも1つの非接触デジタルプリントヘッドを通るときに、プリント媒体のウェブを案内する1つ又はそれよりも多くのモジュールを含む。例えば、プリント品質を監視し且つ制御するよう媒体を検査するために、並びに、他の様々な機能のために、デジタル印刷システムは、媒体上の印刷流体を乾燥させ或いは硬化させるための構成部品も含み得る。デジタル印刷システムは、媒体源からプリント媒体を受け取り、プリント媒体に対して作用した後、それを媒体受取りユニットに運ぶ。プリント媒体がデジタル印刷システムを通過するとき、プリント媒体は張力下に維持されるが、プリント媒体が媒体源から受け取られるとき、プリント媒体は張力下にない。
【0034】
図1の概略的な側面図を参照すると、1つの実施態様に従った連続的ウェブ印刷のためのデジタル印刷システム10が示されている。第一モジュール20及び第二モジュール40は、供給源ローラ12に由来する連続的なウェブ媒体を案内するために提供されている。初期的な緩みループ52に続き、供給ローラから送られる媒体は、次に、1つ又はそれよりも多くのデジタルプリントヘッド16及び支持印刷システム10構成部品を越えて、デジタル印刷システム10を通じて方向付けられる。第一モジュール20は、引き続き詳細に示される支持構造を有し、支持構造は、進行の平面内で、トラック横断(cross-track)方向、即ち、進行方向に対して直行する方向において、印刷媒体の連続的に移動するウェブを位置決めするためのクロストラック位置決め機構22を含む。1つの実施態様において、クロストラック位置決め機構22は、移動する媒体の縁部(エッジ)を位置合わせするエッジガイドである。第一モジュール20の支持構造に固定される張力機構24は、プリント媒体の張力を設定する構造を含む。
【0035】
連続的なウェブ媒体の経路に沿う第一モジュール20からの下流に、第二モジュール40も、第一モジュール20のための支持構造に類似する支持構造を有する。第一モジュール20又は第二モジュールの一方又は両方の支持構造に固定されるのは、第一モジュール20から第二モジュール40への進行においてプリント媒体の連続的なウェブの運動力学を維持する運動力学的接続機構である。第一モジュール20又は第二モジュール40の一方の支持構造に固定されるのは、ウェブ媒体の角度軌道を設定するための1つ又はそれよりも多くの角度制約構造26である。
【0036】
依然として図1を参照すると、印刷システム10は、媒体を反転するよう構成される反転機構30も選択的に含み、裏面印刷を可能にするために、媒体を反転して裏面を上にする。次に、プリント媒体は、デジタル印刷システム10を離れ、媒体受取りユニット、この場合には、巻取りロール18まで進行する。次に、巻取りロール18が形成される、即ち、被印刷ウェブ媒体から巻き戻される。デジタル印刷システムは、例えば、引き続き詳細に記載されるような多数のプリントヘッド及び乾燥器を含む、多数の他の構成部品を含み得る。システム構成部品の他の実施例は、ウェブカレンダ、ウェブ張力センサ、及び、品質制御センサを含む。
【0037】
図2Aは、ウェブ制約の原理を記載するためにここで使用される直交座標を備えるウェブ経路の一部の斜視図を示している。移動するウェブ60は、x方向において制約されないと考えられる。トラック横断y方向は、x方向に対して直交すると考えられる。角度軌道が、Θz、直交x軸についての回転に関して記載される。
【0038】
図2Bは、連続的に移動するウェブに適用され且つ本発明の装置及び方法のために使用される的確な制約原理のための記号(symbol)を概略的な上面図で示している。この種類の図面を一般的にウェブ平面図と呼ぶ。移動するウェブ60は、ウェブ支持構造62に対して意図的に斜めに示されている。横方向の制約は、64で示されるように、移動するウェブの縁部に接触するウェブ支持構造62からの矢印によって示されている。角度制約が、ウェブに亘り且つ66で示されるウェブに対して垂直である、ウェブ支持構造62からの実線によって示されている。その上を通るウェブに対する横方向制約又は角度制約をももたらさない支持体が、68で示されるような非垂直角度でウェブを横断する、ウェブ支持構造62からの破線によって示されている。この図面は、安定的な制約条件をもたらすのに有用な、上流の横方向制約64と下流の角度制約66との組み合わせを示している。多数の関連する原理が的確な制約を維持するのに有用であることも分かった。これらは以下を含む。
【0039】
(i)ウェブ60は、角度制約66でウェブ60の縁部に沿う直交記号によって図2Bに示されるように、90度の角度でローラに接近しがちである。
【0040】
(ii)静止湾曲表面は、その上を通る移動ウェブに測定可能なクロストラック力を付与せず、68で示されるように、静止湾曲表面を破線によって示し得る。
【0041】
(iii)キャスタードローラ(castered roller)は、接近するウェブに対して90度の角度であるようにローラが回転するのを可能にする。これらを、68で示されるように、ウェブ平面図内に破線として示し得る。
【0042】
(iv)ジンバルドローラ(gimbaled roller)は、ウェブがウェブ経路に沿う次の下流のローラに対してその好適な90度角の接近及び向きを維持するのを可能にする。これはウェブが捩りに対して相当な可撓性を示すからである。ジンバルドローラはウェブが後続のローラと整列するのに必要な可撓性をもたらすので、それらは隣接するスパンがウェブ支持構造に対して異なる角度を有するのを可能にする旋回軸としてウェブ平面図内に例示されている。同時に、ウェブが90度の角度でジンバルドローラに接近するときに、ジンバルドローラを使用し得る。
【0043】
(v)移動するウェブに対して横方向制約又は角度制約を付与するのが望ましくない場合にキャスタードローラを使用し得る。
【0044】
(vi)同じウェブスパン内の2つのエッジガイドは、横方向制約及び角度制約の両方をもたらす。
【0045】
本発明の印刷装置内で、ウェブは多数のローラ及び湾曲表面を通じるその輸送経路に沿って案内される。各ウェブスパンのために、横方向制約64及び角度制約66の両方が必要である。しかしながら、横方向制約又は角度制約を達成するために追加的な機構を追加することは、過制約状況を容易に引き起こし得る。よって、ウェブ経路に沿う初期的な横方向制約に続く各ウェブスパンのために、発明者によって利用される制約方法は、ウェブが先行するウェブスパンから受け取られるときに、ウェブの所与のクロストラック位置を、その横方向「制約」として使用することを試みる。
【0046】
次に、引き続きより詳細に記載されるように、各ウェブスパンに亘って、ローラ機構によって角度制約がもたらされる。ウェブ経路に沿うあらゆるローラが角度制約を適用するのではない。多くの場合には、ゼロ制約をもたらすよう配置されるキャスタードローラ又は静止湾曲表面を設けるのが有利である。
【0047】
発明者は、これらのような原理に従って、外部ステアリング又は他の適用される力を用いずに、ウェブ60自体が横方向位置を維持するよう、各ウェブスパンに亘って図2Bに関して記載された安定的な制約配置を生む機構の配置を設け得ることを発見した。加えて、1つのウェブスパンから次のウェブスパンの界面で動作可能なこれらの同じ機構が、ウェブが1つのモジュールと次のモジュールとの間を通るときの界面でも当て嵌まる。
【0048】
図3の概略的な側面図は、図1の側面図からの拡大尺度で、1つの実施態様におけるモジュール20及び40を通じる媒体経路指定経路を示している。プリントゾーン54における各モジュール20及び40内で、各プリントヘッドの後に乾燥器34が続く。
【0049】
後続する表1は、ウェブ媒体輸送のために使用される図3に示される文字付き構成部品を特定している。エッジガイドがAに設けられ、エッジガイドでは、媒体の縁部が止め具(stop)と接触するよう、媒体が横方向に押される。エッジガイドに進入する緩みウェブは、干渉されずに、過剰に制約されずに、印刷媒体が横方向にシフトされるのを可能にする。S巻付け(S-wrap)装置SWは、静止湾曲表面をもたらし、連続的なウェブは輸送中にその上を摺動する。紙がこれらの表面の上に引っ張られるとき、これらの表面を横断する紙の摩擦はプリント媒体内に張力を生む。1つの実施態様において、この装置は、巻付け角度を制御し且つウェブ張力の調節を可能にするために、表面間の位置関係の調節を可能にする。
【0050】
【表1】

【0051】
第一の角度制約は、送込みローラBによってもたらされる。これは固定ローラであり、固定ローラは、移動方向(x方向)において適切な張力を伴って印刷システムを通じてウェブを移動するために、反転区画内の駆動ローラと協働し、且つ、第二モジュール40内の送出駆動ローラNと協働する。先行するS巻付けによってもたらされる張力は、送込み駆動ローラに対して紙を保持する働きをするので、駆動ローラでニップローラは必要とされない。ウェブに沿う下流の後続の場所での角度制約は、次の下流のウェブスパンに角度制約を課さないようジンバルで支えられるローラによってもたらされることが多い。
【0052】
図4のウェブ平面図は、様々な制約が図3の側面図に示される媒体経路に沿ってどこで課されるかを概略的に示している。以下の備考は、図4の図面を解釈し且つこの概略的な表示を図3に示される構成部品配置に関連付けるのを助ける。
【0053】
(i)Aで使用される単一の横方向制約機構がある。ここでは、媒体経路の開始に、単一のエッジガイドが、媒体経路に沿うプリント媒体の連続的なウェブを位置合わせのための十分な横方向制約をもたらす。たった1つの横方向制約が、ここではエッジガイドとして、媒体経路を通じて積極的に加えられるのは有意である。しかしながら、この横方向制約及び後続の角度制約を考慮すれば、各後続のウェブスパンのための横方向制約を固定し得る。1つの実施態様において、媒体縁部をAでエッジガイドに対して押し付けるための補助として、緩やかな追加的な力がトラック横断方向に沿って加えられる。この力は媒体の縁部をエッジガイドの側部に沿って入れ子状に収めさせる(nest)のに役立つので、この力を頻繁にネスティング力(nesting force)と呼ぶ。
【0054】
(ii)ウェブ平面図中にウェブに亘って示される実線がある場所ではどこでも、角度制約がウェブ経路に課される。ウェブが移動するとき、各角度制約はウェブの角度軌道を設定する。しかしながら、図示の実施態様において、ウェブはその他の方法ではステアリング(操縦)されない。
【0055】
(iii)F及びLにある固定ローラは、各モジュール用のプリントヘッドに先行し、プリントゾーン内のウェブに所望の角度制約をもたらす。これらのローラは、印刷システムを通じる媒体の動作を監視するためのエンコーダを取り付ける適切な場所をもたらす。
【0056】
(iv)プリントヘッドの下で、プリント媒体は固定の非回転支持体によって支持される。これらの支持体はウェブにゼロ制約をもたらす。
【0057】
(v)ローラGは、キャスタード及びジンバルドローラであり、ゼロ制約をもたらす。図4において、破線は、静止湾曲表面又はキャスタードローラが使用される場所のような、ゼロ制約をもたらす機構を示している。
【0058】
(vi)ローラFとローラGとの間のスパンが十分に長いならば、連続的なウェブは、キャスタードローラGをウェブと適切に整列させるのに十分な剛性を欠き得る。ローラFとローラGとの間のセグメント内の媒体の相対的な長さ対幅の比の故に、そのセグメント内の連続的なウェブは非剛性であると考えられ、トラック横断方向において、ある程度のコンプライアンス(順応性)を示す。結果的に、そのウェブセグメントを的確に制約するために、追加的な制約を含め得る。
【0059】
(vii)ウェブ平面図の旋回軸間の各別個の区画は、ウェブスパンを表している。付記したように、的確制約ウェブ取扱い設計のために推奨される実施において、もし制約が正に1つの横方向制約又は角度制約であるならば、各ウェブスパンは適切に整列しなければならない。大部分のウェブスパンのために、前の又は直近の上流ウェブスパンの出口横方向位置は、次のウェブスパンへの入口でウェブの横方向位置を設定する。必要な場合には、理想的な的確な制約があらゆるウェブスパンに亘って適合するのは困難であるので、横方向制約を決定するために活性ステアリング機構を使用し得る。
【0060】
(viii)キャスタードローラ及びジンバルドローラは、ウェブ経路に沿ってゼロ制約をもたらす。これらの機構は、例えば、各モジュールへの入力付近で使用され、各モジュールを前の機構からの角度制約と無関係にする。
【0061】
(ix)クロストラック制約が望ましくない場合には、軸方向コンプライアントローラを代替的に使用し得る。
【0062】
後続の表2は、図10に示されるウェブ媒体輸送の代替的な実施態様のために使用される文字付き構成部品を特定している。図11のウェブ平面図は、様々な制約が媒体経路に沿ってどこで課されるかを示しており、図10に示される実施態様に対応している。
【0063】
【表2】

【0064】
この実施態様では、角度制約固定ローラは、第一実施態様におけるようにプリントヘッドの直ぐ前ではなく、むしろプリントヘッド16及び乾燥器34を収容するプリントゾーンの直ぐ後で、Gに配置されている。ローラFからGへのスパン内の過剰制約状況を排除するために、前の構成の固定ローラFは、ジンバルドローラと交換されている。同様に、角度制約固定ローラは、場所Lから場所Mに移動されている。これはプリントヘッド16の直ぐ後のプリントゾーン内のプリント媒体に対して角度制約を置く。この構成における固定ローラMと固定駆動ローラOとの間の過剰制約状況を排除するために、ゼロ制約キャスタード及びジンバルドローラNが、それらの2つの固定ローラの間に配置されている。
【0065】
第一実施態様又は第二実施態様のいずれかにおいて、1つ又はそれよりも多くのプリントヘッドを収容し、場合によっては、1つ又はそれよりも多くの乾燥器も収容するプリントゾーン内のプリント媒体の角度向きは、プリントゾーンの直ぐ前又は直ぐ後に配置されるローラによって制御される。これは多数のプリントヘッドからのプリントの位置合わせを保証するために重要である。ウェブがプリントゾーン内で過剰制約されないことも重要である。これは各場合においてプリントゾーンの反対端部に制約解放ローラ、第一実施態様におけるプリントゾーンに続くキャスタードローラ及び第二実施態様におけるプリントゾーンに先行するジンバルドローラを配置することによって行われる。噴射モジュールからプリント媒体へのプリント液滴の移行時間、プリントヘッドの一方の側から他方の側へのプリントヘッドからプリント媒体への間隔における変動の結果、プリントヘッドをプリント媒体と平行に向けるのが望ましい。プリントヘッドとプリント媒体との間のこの間隔の均一性を維持するために、プリントゾーンの一端に配置される制約開放ローラは、プリントヘッドからプリント媒体への間隔を変更する方法で旋回自由でないのが好ましい。従って、第二実施態様におけるプリントゾーンに先行するジンバルドローラは、キャスタ旋回軸を有してもならない。同様に、好ましくは、第一実施態様におけるプリントゾーンに続くキャスタードローラは、ジンバル旋回軸を含んではならない。この設計上の制約を解消するために、図10及び図11に示されるようなプリントゾーン内の媒体の下の非回転支持体の使用を利用し得る。
【0066】
図5の上面図及び図6のウェブ平面図は、第二モジュール40の一部として示される、反転機構(TB)30のための配置及び制約パターンをそれぞれ示している。選択的に反転機構TBを別個のモジュールとして構成可能であり、そのウェブ媒体取扱いは第二モジュール40のウェブ媒体取扱いに適合する。反転機構TBの位置は、媒体の両側のためのプリントゾーン54の概ね間にある。ここで、この装置の固定駆動ローラ32は、単一の角度制約をもたらす。静止回転バー34の上流の移動するウェブの位置によって、横方向制約がもたらされる。静止回転バー34及び36は、入力経路及び出力経路に対して対角線方向に位置付けられ、ウェブがそれらの上を摺動するときに、ウェブに対して制約を課さない。駆動ローラB及びNと無関係に駆動し得る反転機構における駆動ローラの使用は、後述するように、ウェブ内の張力が反転機構の上流及び下流において別個に維持されるのを可能にする。
【0067】
本発明のシステムは、可変の大きさの印刷システムに適合可能であり、モジュールが組み合わせられるときにローラ及び関連ハードウェアの精密な調節及び整列を必要とせずに、システムの簡単な再構成を可能にする。的確な制約機構の使用は、フレーム内の機械的な配置及び配列に適度の注意を払って機器フレーム又は構造内にローラを取り付け得るが、従来的な紙案内機構を使用するときに必要とされるように経路に沿って各ローラを個別に整列及び調節する必要がないことを意味する。即ち、媒体経路又は上流若しくは下流に配置される他のローラのいずれかに対するローラ整列は不要である。
【0068】
図7に概略的に示され且つそのウェブ平面図が図8に示されるデジタル印刷システム50は、図3に示されるプリント経路よりもかなり長いプリント経路を有するが、同じ全体的な順序の角度制約をもたらし、同じ全体的な一連のジンバルドローラ、キャスタードローラ、及び、固定ローラを備える。表3は、1つの実施態様における図7のシステムと共に使用されるローラ構成を列挙している。図7及び図8においてローラFとローラGとの間及びローラLとローラMとの間に示されるブラシバーは、非回転表面であり、よって、横方向及び角度方向の制約力を適用しない。
【0069】
【表3】

【0070】
システム内の1つ又はそれよりも多くの位置でウェブ張力を感知するために荷重セルが設けられる。図3(表1)、図7(表3)、及び、図10(表2)の実施態様において、荷重セルはジンバルドローラD及びJに設けられる。それぞれのデジタル印刷システム50の制御論理は、各場所で荷重セル信号を監視し、応答して、システムを通じて適切なレベルの張力を維持するために、モータトルクにおける如何なる所要の調節をも行う。図3、7及び10の実施態様のために、印刷装置の歩調合わせ駆動構成部品(pacing drive component)は、反転モジュールTBである。2つの張力設定機構があり、1つは反転モジュールTBに先行し、1つは反転モジュールTBに続く。入力側で、ローラDでの荷重セル信号は、反転モジュールTBに先行するウェブの張力を示す。同様に、ローラJでの荷重セル信号は、反転モジュールTBと巻取りロール18との間で、出力側でのウェブ張力を示す。B及びNでの適切な送込み及び送出し駆動ローラのための制御論理を、本出願の図面中に図示されていない外部コンピュータ又はプロセッサによってそれぞれ提供し得る。選択的に、各張力設定機構内のウェブ張力の制御を維持するために、並びに、他の機械操作及び操作者インターフェース機能を制御するために、専用マイクロプロセッサ又は他の論理回路のような実装制御論理プロセッサ90が設けられる。記載したように、回転バーに先行するモジュール及び反転モジュールTBに続くモジュールにおける張力を互いに独立して制御可能であり、印刷システムの柔軟性を更に強化する。この例示的な実施態様において、駆動モータは反転モジュールTB内に含められる。他の例示的な実施態様において、駆動モータは反転機構内に含められる必要はない。その代わり、1つのモジュール内の張力を他のモジュール内の張力に対して独立して制御し得るよう、駆動モータをウェブ経路に沿って適切に配置し得る。
【0071】
2つのモジュール20及び40を含むものとして図1、3及び10の構成を記載した。図1の構成において、各モジュールは完全な印刷装置を提供している。しかしながら、「モジュール」の着想が完全なプリンタに適用されることに限定される必要はない。その代わり、以下のように、図7の構成を7個もの数のモジュールから成るものと考え得る。
【0072】
(1)入口モジュール70が配列中の最初のモジュールであり、図1を参照して前に示したように、媒体供給ロールが続く。入口モジュール70は、エッジガイドAを提供し、エッジガイドAは、トラック横断方向において媒体を位置付け、S巻取りSW又は他の適切なウェブ張力機構を提供する。図7の実施態様において、入口モジュール70は、送込み駆動ローラBを提供し、送込み駆動ローラBは、SW及び他の下流駆動ローラと協働し、前述のように、ウェブに沿って適切な張力を維持する。ローラC、D及びEも、図7の実施態様における入口モジュール70の一部である。
【0073】
(2)第一プリントヘッドモジュール72は、所与の縁部制約を伴って、入口モジュール70からウェブ媒体を受け入れ、固定ローラFを用いて角度制約を適用する。次に、一連の静止ブラシバーが、或いは、選択的に、最少巻付けローラが、それらの支持乾燥器及び他の構成部品を備える第一の一連のプリントヘッド16を越えて、ウェブを輸送する。ここでは、ローラFによってもたらされる角度制約を超えるウェブセグメントにおける相当なウェブ長さ(即ち、ローラFとローラGとの間の距離)の故に、そのセグメントは、制約されるべき追加的な自由度であるトラック横断方向において柔軟性を示し得る。ローラGの予期されるキャスタを排除することは、そのスパンにおいて必要とされる追加的な制約をもたらす。
【0074】
(3)端部送りモジュール74は、ジンバルドローラHを用いてプリントヘッドモジュール72から入って来る媒体に角度制約をもたらす。
【0075】
(4)反転モジュールTBは、端部送りモジュール74から入って来る媒体を受け入れ、前述したように、その駆動ローラで角度制約をもたらす。
【0076】
(5)先送りモジュール76は、そのジンバルドローラJ及びKの各々に対応するウェブスパンをもたらす。これらのローラは再び角度制約のみをもたらす。モジュール76内のウェブスパンのための横方向制約は、入って来る媒体自体の縁部から得られる。
【0077】
(6)第二プリントヘッドモジュール78は、所与の縁部制約を伴って、先送りモジュール76からウェブ媒体を受け入れ、固定ローラLで角度制約を適用する。次に、一連の静止ブラシバーが、或いは、選択的に、最少巻付けローラが、それらの支持乾燥器及び他の構成部品を備える第二の一連のプリントヘッド16を越えてウェブを送る。ここでも、ウェブセグメントにおける(即ち、ローラLとローラMとの間の距離に亘る)相当なウェブ長さの故に、そのセグメントは、制約されるべき追加的な自由度であるトラック横断方向における柔軟性を示し、そのスパンにおいて必要とされる追加的な制約をもたらすローラMの予期されるキャスタを排除する。ウェブスパン内に張り出される(即ち、ローラLとローラMとの間の距離だけ延在する)ならば、的確な制約原理を成功裏に適用させるのは困難である。ジンバルドローラMは、この長いウェブスパンの上に追加的な制約をもたらす。
【0078】
(7)送出しモジュール80が送出し駆動ローラNを提供し、送出し駆動ローラNは、入って来るウェブにとっての角度制約として働き、所望のウェブ速度及び張力を維持する媒体経路に沿って他の駆動ローラ及びセンサと協働する。印刷済みウェブ媒体を外部蓄積器又は巻取りロールに向けるために、選択的なローラO及びP(図7には示されていない)も設け得る。
【0079】
図8中の注釈は、このモジュールの細分化を示している。
【0080】
この配列中の各モジュールは、支持構造と、上流モジュール又は下流モジュールとの運動力学的な接続のための入力及び出力インターフェースとをもたらす。Aでエッジガイドをもたらす配列内の第一モジュールを例外として、各モジュールは、入って来るウェブ媒体の1つの縁部を、その「所与の」横方向制約として利用する。その場合、ウェブ媒体輸送の所要の的確な制約又は運動力学的な接続をもたらすために、モジュールは入って来る媒体のための所要の角度制約をもたらす。この実施例から、本発明の装置及び方法を使用して、多数のモジュールを共に連結し得ることが分かる。例えば、代替的に、印刷プロセスのための有用な機能をもたらすために、これらのモジュールの任意の他のモジュールの間に追加的なモジュールを加え得る。
【0081】
本発明の装置及び方法を使用するならば、完全な印刷システムの構成にモジュール機能を適合し得る。多くの場合、モジュール間の界面にあるローラを含めて、ローラ及び構成部品は交換可能であり得るし、プリンタ構成に最適であるよう、ローラ及び構成部品を1つのモジュールから他のモジュールに移動し得る。異なるモジュールのためのフレーム及び他の支持構造は標準的な設計及び寸法を使用可能であり、或いは、想定される用途に応じて、異なるモジュールのためのフレーム及び他の支持構造を別に設計可能である。これは改良状況を単純化するのも助ける。
【0082】
図9の斜視図は、1つの実施態様における2つの相互接続されたモジュール20及び40を示している。内部構成部品の可視性のためにカバーなしで並びにプリントヘッド及び支持乾燥器なしで示される支持構造28は、構成部品をモジュール20内に取り付けるための支持フレームを提供する。同様に、支持構造48は、モジュール40内に構成部品を取り付けるための支持フレームを提供する。
【0083】
媒体の上に作成されるインクドット又は他の印を位置付け且つ位置決めるためにウェブ位置を追跡する数多くの方法がある。この目的のために、制御論理プロセッサ90によって提供される或いは何らかの他の専用の内部又は外部プロセッサ又はコンピュータワークステーションによって提供される所要のタイミング及び同期論理と共に、様々な符号化装置(エンコーダ)及び感知装置を使用し得る。そのような符号化装置及び感知装置は、1つ又はそれよりも多くのプリントヘッドを収容するプリントゾーンの直ぐ上流に配置されるのが典型的であり、好ましくは、キャスタードローラ又はジンバルドローラの自動整列特性と干渉するのを避けるために、固定ローラの上に配置される。
【0084】
プリント媒体の連続的なウェブの上への非接触印刷のためのデジタル印刷システムを高い輸送速度でもたらすために、本発明の装置及び方法は、以下を含む数多くの的確な制約原理をウェブ取扱いの問題に適用する。
【0085】
(a)各ウェブスパンの上に、横方向制約及び角度制約の対を利用することであり、角度制約は横方向制約の下流にある。システム内の第一ウェブスパンに続く各ウェブスパンの上で、本方法はウェブの所与の横方向位置を所与の縁部制約として使用する。
【0086】
(b)制約を伴わずに媒体を案内することが必要な場所で、ゼロ制約キャスタードローラ、非回転表面、又は、低い巻取り角のローラを使用すること。例えば、ウェブスパン内のある長さのウェブがそのウェブスパンのための角度制約を超えて延びる場合、これが当て嵌まる。
【0087】
(c)角度制約をもたらすことが必要な場所で、ウェブが過剰制約なしに捩れる能力を活用して、ジンバルドローラを使用すること。直ぐ上流のウェブスパンにおいて角度制約をもたらすことが必要な場所で、ジンバルドのみローラを使用することであるが、そのローラの直ぐ下流のウェブスパン内で角度制約を課さない。
【0088】
例えば、張出し(overhang)のウェブスパン長さがその幅を超えるので、ウェブが的確な制約技法のための十分な機械的な剛性をもはや有さない場合、ウェブスパン内で活性ステアリング機構を使用し得る。例えば、ウェブスパンに沿ってかなりの張出しがある、即ち、ウェブの長さがスパンのための角度制約を超える場合に、これが起こり得る。これは図7に関して記載される実施態様中のモジュール72及び78のための場合である。そのような場合、ウェブの張出し区画内のキャスタードローラは、もはやゼロ制約として挙動し得ない。何故ならば、キャスタードローラ機構をウェブスパンの角度に整列させるために、ウェブからのある量の横方向の力が必要とされるからである。追加的な制約の適用によって、この長尺のウェブスパンに沿う張出しの長さに起因するこの制約不足状況を矯正し得る。
【0089】
モジュール20とモジュール40との間の運動力学的な接続は、各ウェブスパン内で的確な制約のために使用される同じ基本原理に従う。即ち、クロストラック又は縁部整列は、先行するモジュールから取られる。媒体が次のモジュールに入るときに媒体縁部を再位置合わせする如何なる試みも、過剰制約状況を引き起こす。剛的で潜在的に過剰制約される輸送システムを通じて連続的に移動する媒体をステアリング(操縦)することを試みるよりもむしろ、本発明の媒体輸送構成部品は媒体を自動整列し、それによって、高い輸送速度で良好な位置合わせを可能にし、媒体の損傷又は媒体に塗布されるインク又は他の着色剤の位置ずれの可能性を低減する。
【0090】
図7に示される実施態様を参照して記載されたように、多数のモジュールが使用される場合には、システムがウェブ輸送速度を支配する主駆動ローラを有することが重要である。多数の駆動ローラを使用し得るし、多数の駆動ローラは、例えば、適切なレベルのトルクを適用することによって、ウェブ輸送(x)方向において適切な張力をもたらすのに役立ち得る。1つの実施態様において、反転モジュールTB駆動ローラは、主駆動ローラとして作用する。モジュール20内のBにある送込み駆動ローラは、駆動ローラと送込みローラとの間のウェブ張力を感知する荷重感知機構又は荷重セルに従って、そのトルクを調節する。同様に、第二モジュール40内で所望のウェブ張力を維持するために、送込み駆動ローラNを制御し得る。
【0091】
図12は、本発明の他の実施態様を示している。各ローラによってもたらされる制約は表4に列挙され、且つ、図13のウェブ平面図に例示されている。この実施態様において、プリントヘッド16及び乾燥器14を収容するスパン内のウェブ位置は、プリントゾーンの直ぐ前に配置されるエッジガイドFの形態の横方向制約、及び、プリントゾーンの直ぐ後に配置される角度制約、非旋回ローラMによって定められる。エッジガイドFのシューの周りに巻き取られるときに張力下にある媒体を用いるならば、旋回自由であるシューを有することが必要である。これは媒体がプリントゾーン内でその幅に亘って均一な張力を有することを保証する。この実施態様において、シューは、その中心で、FからMのウェブセグメントの平面に対して垂直に、その軸について回転することが許容される。この回転向きは、シューFが旋回するときの媒体とプリントヘッド16との間の間隔における如何なる変動をも排除する。(エッジガイドの上を越えるときに張力下にない媒体を用いるならば、エッジガイドシューは、旋回自由である必要はない。)この実施態様は、印刷システムに進入する媒体の第一スパン内の媒体のための初期経路を構築するエッジガイドA及び非旋回駆動ローラBも有する。キャスタード及びジンバルドローラC及びEとジンバルドローラDとの組み合わせは、第一媒体スパンとプリントゾーンに亘るスパンとの間に存在した過剰制約状況を排除する。エッジガイドAは、ウェブの横方向位置の小さな移動のみがエッジガイドFで必要とされることを保証するのに役立つ。これは媒体を縁部止め具(edge stop)まで移動するのに必要とされる付勢力が最少に維持されるのを可能にする。(エッジガイドFを通るときに張力下にある媒体を用いるならば、媒体を移動するのに必要とされる付勢力は、仮に媒体が張力下にない場合よりも大きい。)
【0092】
【表4】

【0093】
図12の実施態様において、印刷システムは多数のモジュールを含まない。全ての媒体輸送構成部品は単一の支持構造に固定される。ウェブと整列するローラの使用を通じて、このシステムでは、ローラを互いに精密に整列させることは不要である。これはシステムのための組立てコストを大いに削減する。精密な整列は必要とされないので、様々なローラ及びウェブガイドが取り付ける支持構造は、従来技術のフレームのように剛的である必要はない。これは支持構造の質量を大いに削減することを可能にし、それは運送コスト及び組立てコストを削減する。
【0094】
図4、8、11及び13のウェブ平面図に示されるように、エッジガイドAは、印刷システム10内の一連のウェブスパンにおける第一のウェブスパンのための初期的な縁部制約をもたらす。他のエッジガイドが、例えば、図13中のFのような、ウェブスパンに沿う様々な他の地点に記載される。後続する引き続きの記載及び図面において、エッジガイドAに対する言及は、その様々な実施態様における本発明の理解を助ける参照をもたらすために提供される。しかしながら、後続の記載はエッジガイドAに適用可能であるのみならず、より一般的に、ウェブ輸送経路に沿う任意の適切な地点に配置されるエッジガイドにも適用可能であることが付記されなければならない。
【0095】
運動力学的なウェブ取扱いのためのエッジガイドAのための要件の中にあるのは、エッジガイドが媒体ウェブの中心製版を維持すること、及び、エッジガイドが異なる媒体幅の範囲に亘って中心製版をもたらすことである。エッジガイドは、ウェブ縁部又は表面と点接触せずに或いは過剰制約をもたらさずに、移動するウェブのための所要の横方向制約をもたらさなければならない。エッジガイドは、一定のクロストラック剛性を、緩みループ52(図1)からエッジガイドに送られるウェブ媒体に導入し得なければならない。
【0096】
図14の概略図は、上面図から、後続する記載において使用される用語を示している。連続的なウェブ被印刷物102が、図14の概略図中に左から右に示される+x座標方向において、上流から下流に移動する。ウェブ被印刷物102は整列縁部E1を有し、整列縁部E1はウェブの基準縁部をもたらし、ウェブ被印刷物102が移動するとき、エッジガイドの固定媒体ガイド106に対して整列させられる。固定媒体ガイド106は、横方向制約をもたらす。図4、8、11及び13に示される例示的な実施態様及び注釈に関して、この横方向制約は、表示されるように、Aでもたらされる。エッジガイドのコンプライアント媒体ガイド108が、反対縁部O1に対してネスティング力Qを付与し、それは整列縁部E1を固定媒体ガイド106と並んで所定位置に維持するのを助ける。ネスティング力Qは、選択可能な大きさを有し、実質的にトラック横断方向又はy座標方向に方向付けられる。引き続き与えられる例示的な実施態様において、これらの用語、座標、及び、注釈は、本発明のエッジガイドの様々な構成部品がどのように協働し且つ相互作用するかを示すのを助けるために使用される。
【0097】
図15A、15B、及び、15Cは、1つの実施態様における連続的なウェブ被印刷物102のためのエッジガイドの斜視図を示している。これらの図面における参照のために、図4、8、11及び13中のAに示される対応する横方向制約の位置は、後続のエッジガイド100の各図のために示されている。横方向制約Aへの上記の言及は、非限定的であることが意図され、エッジガイド100が1つの実施態様においてどのように効果的に使用されるか、エッジガイド100がどこで運動力学的なウェブ輸送システムへの入力に配置されるかを示している。前述の通り、エッジガイド100が有用である媒体入力での位置以外のウェブに沿う他の地点があり得る。
【0098】
図15Aは、上流の緩みループ52から印刷システム10内に送られるときの連続的なウェブ被印刷物102を示しており、下に位置する構成部品は仮想形態で描かれている。図15Bは、下に位置する構成部品に対するより良好な可視性をもたらすために、図示される幅にあるウェブ被印刷物102のために調節されたような、ウェブ被印刷物102が取り除かれた状態のエッジガイド100を示している。図15Cは、より狭い幅のウェブ媒体のために調節されたエッジガイド100を示している。
【0099】
エッジガイド100は、ウェブ媒体の整列縁部E1に沿って連続的な接触をもたらすために固定媒体ガイド106を支持する取付け構造104と、ウェブ媒体の反対縁部O1と並んで位置付けられ且つ反対縁部O1に対して接触可能であるコンプライアント媒体ガイド108とを有する。固定媒体ガイド106とコンプライアント媒体ガイド108との間には、リブとして示される多数の湾曲部分又はセグメントがあり、それらは媒体進行のための湾曲した非回転の固定表面をもたらす。リブとガイド106,108との間の間隔を変更し、異なるウェブ媒体幅の使用を可能にし得るよう、コンプライアント媒体ガイド108及び湾曲リブ110は、湾曲支持ビーム112、リブ110の背後に位置し且つ媒体ガイド106及び108の接触縁部の間の距離に亘る第二表面に沿ってトラック横断方向に移動可能である。調節装置116は、異なる幅のウェブ被印刷物102に適合させるために、固定媒体ガイド106とコンプライアント媒体ガイド108との間の間隔が変更されるのを可能にする。図15A乃至15Cの実施態様では、モータ114が調節装置116の一部として含められ、(引き続き記載する)制御コンソールへの操作者指令入力に応答して、或いは、何らかの他の信号に応答して、媒体幅の自動調節を可能にする。代替的に、操作者がウェブ媒体幅の調節を行うのを可能にするために、手動制御をもたらし得る。固定媒体ガイド106とコンプライアント媒体ガイド108との間の相対的な間隔を調節することで、これらの縁部の間の中心線CLは実質的に一定のままである。この関係は図15B及び図15Cを比較して示されている。このセグメント化された配置を用いるならば、中心部分は、媒体幅に拘わらず一定のままであり且つ中心線に沿って配置される。固定媒体ガイド106とコンプライアント媒体ガイド108との間の間隔距離を変更するために、外側部分又は端部分は、中心部分及び中心線CLに向かう方向に或いは中心部分及び中心線CLから離れる方向に移動する。
【0100】
プリント媒体が進行し得る固定表面をもたらすために、図15A乃至15Cの実施態様では、3つのリブ110が設けられている。中央リブ110は静止的である。外側リブ110はガイド106及び108に結合されているが、外側リブ110をガイド106及び108から分離してもよい。図15Cは、極めて狭い幅の媒体のために調節されたエッジガイド100を示している。親ネジ並進機構120が、リブ110及びガイド106,108間隔の自動調節を可能にする。
【0101】
図15Aを再び参照すると、エッジガイド100は、初期的には緩く有意な剛性を具備しないウェブ被印刷物102を、湾曲した円筒形の形態に成形して、トラック横断方向におけるビーム剛性を増大する。これは移動するウェブ媒体が変形してリブ110間の間隙内に入るのを防止するのに役立つ。図15A乃至15Cから分かるように、エッジガイド100構成部品によってもたらされる曲率半径は、プリント媒体の進行方向に対して垂直である。
【0102】
ウェブ被印刷物の摩耗を最小限化するために、プリント媒体の縁部と接触するガイド106及び108が、何らかの方法で低い摩擦係数、即ち、好ましくは、0.1から約0.2未満の範囲内にある摩擦係数をもたらすよう形成され且つ処理されるのが有利である。1つの実施態様では、エッジガイド106及び108の一方又は両方の表面が硬化され且つ研磨される。1つの実施態様では、摩擦係数を減少するために、媒体ガイド106及び108のために、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE又はTeflon)含浸ニッケル塗膜が使用される。加えて、媒体ガイド表面のために、約18未満のテーバー摩耗指数値を示す高い摩耗抵抗が有利である。低い摩擦係数及び高い摩耗抵抗の組み合わせは、装置の耐用年数を延長し、且つ、材料又は破片蓄積を減少するのに役立つ。
【0103】
(図4、8、11及び13中のAでの)横方向制約のために、固定媒体ガイド106に並んだ移動するウェブ媒体の1つの縁部の連続的な接触が要求される。本発明の実施態様は、エッジガイド100からもたらされる追加的なクロストラック剛性を活用し、それはトラック横断方向にネスティング力Qが加えられるのを可能にし、ウェブを損傷したり過剰に制約したりしない。動作中、コンプライアント媒体ガイド108は、ウェブ媒体付近の縁部に対してネスティング力Qを加え、それによって、ウェブ媒体の反対縁部O1を固定媒体ガイド106に向かって移動させ、且つ、ウェブ媒体の反対縁部O1を固定媒体ガイド106と並んで接触させる推進機構を含む。
【0104】
数多くの方法においてネスティング力Qを加え得る。1つの実施態様では、一定の大きさのネスティング力Qが加えられ、例えば、異なる媒体の種類又は厚みに適合するよう、その大きさを調節し或いは選択し得る。これを達成するために、1つの実施態様では、媒体を固定媒体ガイド106に対して推進するための所要のネスティング力Qをもたらすバネが使用される。より大きな又はより少ない量の一定の大きさの力をもたらすために、操作者による自動調節又は手動調節のいずれかを使用することによって、バネ張力を調節し得る。同様に、他の実施態様は、適用される一定の大きさの力の量を必要に応じて異なるレベルに調節し得る他の機構を使用する。例えば、1つの代替的な実施態様では、必要に応じて大きさが異なり得る緩やかで連続的なネスティング力をもたらすために、圧縮空気、又は、例えば、水圧流体のような圧力下の他の流体が利用される。
【0105】
引き続き記載するように、操作者調節又は指令に基づき、プリントジョブの開始に、主としてトラック横断方向に向けられるネスティング力Qを選択的な一定レベルに設定し得る。代替的に、力の量が、プリント媒体の感知した接触、圧力、位置、又は、他の測定可能なパラメータ又は特性の差に応じて異なるよう、ネスティング力Qの大きさは、ある範囲に亘って動的に調節可能であり得る。引き続きより詳細に記載するように、動的に可変なネスティング力Qは制御ループを使用して達成され、制御ループは適切な操作者パラメータを測定し、相応して必要な調節を行う。
【0106】
図16A乃至16Dは、エッジガイド130の代替的な実施態様を示しており、コンプライアント媒体ガイド108がどのように動作するかについての追加的な詳細をもたらす。参考までに、これらの図面において、図4、8、11及び13中のAに示される対応する横方向制約の位置は、エッジガイド130の各図のためにも示されている。前述の図15A乃至15Cに示される実施態様に類似して、ウェブ媒体の1つの縁部、整列縁部E1、ウェブ媒体の反対縁部O1に沿って位置付けられ且つこの反対縁部に接触可能であるコンプライアント媒体ガイド108に沿う連続的な接触をもたらすために、エッジガイド130は、固定媒体ガイド106を支持する取付け構造136を有する。固定媒体ガイド106とコンプライアント媒体ガイド108との間には、リブ110として示される多数の湾曲部分又はセグメントがあり、それらは媒体進行のための湾曲した円筒形の表面をもたらす。コンプライアント媒体ガイド108及び湾曲リブ110は、湾曲支持ビーム112(エッジガイド130の他の部分のより良好な視認性のために、図16Aには示されていないが、図16Cには示されている)に沿ってトラック横断方向において移動可能である。異なる幅のウェブ被印刷物102に適合させるために、調節装置116は、固定媒体ガイド106とコンプライアント媒体ガイド108との間の間隔が変更されるのを可能にする。図示の実施態様では、モータ114及び親ネジ134も調節装置116の一部であり、制御コンソール(図示せず)の操作者指令の入力又は他の信号に応答して、媒体の幅の自動調節を可能にする。代替的に、ウェブ媒体幅の操作者調節を可能にするために、調節ノブ又は他の手動装置のような手動制御を提供し得る。
【0107】
図16A乃至16Dの実施態様において、ウェブ媒体を移動するためのネスティング力Qは、推進機構132、低摩擦エアシリンダによってもたらされる。このエアシリンダ構造は、ある種類の板バネとして作用し、ウェブの反対縁部O1に対して連続的なネスティング力Qを加える。1つの実施態様において、適用される圧力は動的に制御可能であり、それによって、可変な力が必要に応じて加えられることを可能にする。選択的に、プリント運転の開始に、一定の大きさのネスティング力Qを選択し、その一定の大きさを維持し得る。
【0108】
旋回取付け
固定媒体ガイド106及びコンプライアント媒体ガイド108の一方又は両方を如何なる旋回運動をも伴わない固定フランジとして動作するよう実施し得るが、これらの素子の各々のために特定の回転の自由度(DOF)を許容することに利点がある。図17Aを参照すると、固定媒体ガイド106のために許容される2つの回転の自由度が、1つの実施態様において、概略的な形態において示されている。座標xyz軸が示されている。ここでは、固定媒体ガイド106の機械的な配置は、質量中心C1にある旋回地点に対するΘx及びΘz回転を可能にする。媒体幅の調節が一旦行われると、x方向、y方向及びz方向のいずれかにおける並進は制約され、y軸についての回転も制約される。図17Aの右側に沿うグラフは、一定のy並進制約(太字の垂直線)及び質量中心C1に対するこれらのDOFを考慮するならば、どの並進又は回転運動が許容されるかを示している。ここに示されるように、Θx回転は、媒体ガイド106が、エッジガイドにおける進行の円弧全体に沿って整列縁部Eと接触することを可能にする。Θz回転は、再び質量中心C1の位置を基準にして、整列縁部E1がその角度向きをある範囲に亘って僅かに瞬間的に変更することを可能にする。質量中心C1は、その位置が固定媒体ガイド106の配置及び形状特性によって並びに整列縁部E1が固定媒体ガイド106及び支持構成部品に対して進行するときの整列縁部E1によって決定された状態で、許容される回転の自由度DOFに対する座標xyz軸の交点に実質的に位置する。質量中心C1は、湾曲する整列縁部E1の質量中心に対応する。これは媒体の整列縁部E1が固定媒体ガイド106と並んで進行する接触の円弧の質量中心と考えられ得る。
【0109】
図17Bの概略図は、1つの実施態様においてコンプライアント媒体ガイド108に適用される制約パターンを示している。ここでは、機械的な配置は、コンプライアント媒体ガイド108のための質量中心C2での旋回地点に対するΘx及びΘz回転を許容する。適用されなければならないネスティング力Qに従って、y方向における並進が許容される。x方向及びz方向に沿う動作は制約される。図17Bの左側に沿うグラフは、移動するウェブ被印刷物の反対縁部(垂直線)及び質量中心C2に対するこれらの自由道DOFを考慮して、どの動作が許容されるかを示している。ここに示されるように、Θx回転は、ウェブ媒体の進行の円弧全体に沿って、媒体ガイド108がウェブ媒体の反対縁部O1と接触することを可能にする。Θz回転は、再び質量中心C2の位置を基準にして、反対縁部O1がある範囲に亘って僅かにその角度向きを瞬間的に変更することを可能にする。質量中心C2は、その位置がコンプライアント媒体ガイド108の配置及び形状特性によって並びに反対縁部O1がコンプライアント媒体ガイド108の表面に対して移動するときの反対縁部O1によって決定された状態で、許容される回転の自由度DOFに対する座標xyz軸の交点に実質的に位置し、媒体の反対縁部Q1がコンプライアント媒体ガイド108と並んで進行する接触の円弧の質量中心に対応する。ネスティング力Qは質量中心C2の位置に適用されるのが好ましい。
【0110】
制御ループ
図18の概略図は、1つの実施態様において、エッジガイド130の調節及び動作を自動化するのを助ける制御ループ150を示している。制御論理プロセッサ140によって記憶され且つ実行されるプログラム化された指示に従って、制御論理機能が提供される。これらは、例えば、制御パネル142に入力される操作者指示を含み得る。制御パネル142への操作者入力に従って媒体幅を設定するために、制御論理プロセッサ140は、調節装置116のモータ114を制御し、配置センサ122からのフィードバック信号を読み取る。センサ122は、固定媒体ガイド106とコンプライアント媒体ガイド108との間の距離を示す信号をもたらす。代替的に、媒体幅を設定するために、ステップモータ又は他の較正位置決め装置を使用し得る。
【0111】
制御論理プロセッサ140は、受信される入力信号に従って、制御ループ150の制御のために事前プログラムされて記憶された指示を実行する多数の種類のコンピュータ、マイクロプロセッサ、又は、専用論理処理装置のいずれであってもよい。1つの実施態様において、制御論理プロセッサ140は、制御論理プロセッサ90を参照して前述したように、ウェブ張力、モータ速度、及び、他のプリンタの可変部分も制御する。
【0112】
図18を更に参照すると、コンプライアント媒体ガイド108付近に位置付けられて示される第二センサ124が、整列縁部E1がどのように良好に固定媒体ガイド106の縁部と並んで整列され且つ接触するかを示す信号をもたらす。第二センサ124は、力センサ、圧力センサ、変位センサ、又は、縁部整列を表示するための何らかの他の適切な種類のセンサであり得る。第二センサ124を固定媒体ガイド106又はコンプライアント媒体ガイド108のいずれかに或いはその付近に配置し得る。位置決め又は方向付けを案内する付勢があるか否かを表示するために、第二センサ124を配置し得る。例えば、推進機構132での空気圧力又は他の選択可能な大きさの力の設定を制御するために、第二センサ124からの信号を使用し得る。
【0113】
制御ループ150において自動的に制御される調節機能の一方又は両方を手動で制御し得ることも付記されなければならない。例えば、媒体幅に適する操作者による手動調節のために、モータ114の代わりに制御ノブ又は他の手動制御素子を使用し得る。選択的に、操作者の制御の下で媒体幅の調節を行うために、モータが設けられる。1つの実施態様では、操作者が固定媒体ガイド106に対する縁部整列を維持するためにもたらされるネスティング力を調節又は微調整するよう、推進機構132によってもたらされるネスティング力Qの量を手動でも調節し得る。1つの実施態様において、制御ループ150は、ウェブ媒体の整列縁部E1を固定媒体ガイド106の表面に対して入れ子状に収める(nest)ために加えられるネスティング力(nesting force)Qの大きさを動的に調節するために使用され、プリント運転の間に必要に応じてネスティング力Qの大きさを変更する。例えば、1つ又はそれよりも多くのセンサ122及び124からの信号に基づき、ネスティング力Qを調節し得る。
【0114】
制御パネル142の設定は様々な種類の情報をもたらし、次に、それらは媒体幅又は適用されるネスティング力の自動設定を行うために使用され、適用されるネスティング力は一定の大きさであり得る。例えば、1つの実施態様において、操作者入力は媒体の種類を特定することを含み、それはエッジガイド130で媒体幅及びネスティング力Qの変動を自動的に設定する。製造業者データは、ロール寸法、被印刷物剛性及び厚み、重量、水分、材料組成、塗工されているか否か、表面仕上げ又は光沢、性能、及び、エッジガイド130の調節可能な構成部品を制御するための他の有用な情報を含み得る。選択的に、操作者は、媒体剛性、光沢、厚み、重量、又は、どの程度のネスティング力Qが加えられるべきかを決定し或いはネスティング力の値のための範囲を決定するために使用し得る他のパラメータのような、プリント媒体の1つ又はそれよりも多くの特性を入力する。異なるパラメータを入力する能力は、例えば、印刷装置が異なる重量の同じプリント媒体に適合することを可能にする。適用されるネスティング力の量は、媒体輸送速度の要因でもあり得る。
【0115】
ロール状のウェブ媒体から或いは媒体包装から媒体の種類又は特性を感知するために、バーコードスキャナ若しくは他の光学感知装置、超音波若しくは電気センサ、又は、制御パネル142と通信するRF IDトランスポンダのような選択的なセンサ144を代替的に使用し得る。これは、更なる操作者介入を必要とせずに、印刷装置のための媒体輸送システム変動の完全に自動化された構成を可能にする。
【0116】
1つの実施態様では、媒体幅のために固定媒体ガイド106とコンプライアント媒体ガイド108との間の適切な距離を設定すること、及び、ネスティング力の設定を決定する媒体特性を感知することを含めて、媒体装填操作を完全に自動化するために、センサ及びアクチュエータが設けられる。操作者は、中心整版されたウェブ媒体の新しいロールをエッジガイド130内に単に送り込み、次に、エッジガイド130と関連付けられるセンサ及びアクチュエータが媒体ガイド106及び108を位置付け、所要の大きさのネスティング力を適用することを可能にする。
【0117】
的確な制約技法を適用する1つ、2つ、3つ、又は、それよりも多くのモジュール内又は間の連続的なウェブ媒体輸送を取り扱うために、本発明の方法を適用し得ることが分かる。この柔軟性は、高速で良好な位置合わせ及び反復可能な性能をもたらすウェブ輸送構成が高速カラーインクジェット印刷の要件と釣り合うことを可能にする。既に示したように、2つのモジュールの回転でのローラ又は他の媒体取扱い構成部品の整列を要求せずに、多数のモジュールを統合して印刷システムを形成し得る。
【0118】
上述のようなウェブ輸送システムは、プリント媒体の選択的な部分が印刷プロセス中に湿らされるデジタルプリントシステムの脈絡において、プリント媒体の効果的な制御を維持することが分かった。水性インクによって湿らされるセルロース系のプリント媒体のためのように、プリント媒体の長さ及び幅が膨張し且つ湿らされるときに剛性がより少なくなる傾向を有するときでさえ、上記は当て嵌まる。これは多色文書の個々の色平面が互いに対する良好な位置合わせを伴って印刷されることを可能にする。
【0119】
上述したようなプリント媒体の少なくとも一部を選択的に湿らせる1つ又はそれよりも多くのプリントヘッドを有するデジタル印刷システムは、プリント媒体の連続的なウェブを案内する支持構造として作用する媒体輸送システムを含む。支持構造は、トラック横断方向においてプリント媒体を位置付けるエッジガイド又は機構を含む。この第一機構は、デジタル印刷システムのプリントヘッドの上流に配置される。プリント媒体は、プリントヘッドの下流に配置される被駆動ローラによって、デジタル印刷システムを通じて引っ張られる。システムは、プリント媒体の張力を構築し且つ設定するために、印刷システムのプリントヘッドの上流に配置される機構も含む。典型的には、それはトラック横断方向においてプリント媒体を位置付けるために使用される第一機構の下流にも配置される。輸送システムは、プリント媒体の角度軌跡を設定する第三機構も含む。これは固定ローラ(例えば、非旋回ローラ)又は第二エッジガイドであり得る。印刷システムは、支持構造に固定されるローラも含み、該ローラは、該ローラに対して上流又は下流に配置される他のローラに必ずしも整列されることを必要とせずに、印刷システムを通じて案内されるプリント媒体に整列されるよう構成される。キャスタードローラ、ジンバルドローラ、及び、キャスタード及びジンバルドローラは、このように作用する。
【符号の説明】
【0120】
10 印刷システム (printing system)
12 供給ローラ (source roller)
14 乾燥器 (dryer)
16 デジタルプリントヘッド (digital printhead)
18 巻取りロール (take-up roll)
20 モジュール (module)
22 クロストラック位置決め機構 (cross-track positioning mechanism)
24 張力機構 (tensioning mechanism)
26 制約構造 (constraint structure)
28 支持構造 (support structure)
30 反転機構 (turnover mechanism)
32 駆動ローラ (drive roller)
34 回転バー (turn bar)
36 回転バー (turn bar)
40 モジュール (module)
48 支持構造 (support structure)
50 デジタル印刷システム (digital printing system)
52 緩みループ (slack loop)
54 プリントゾーン (print zone)
60 ウェブ (web)
62 縁部(支持構造)(edge(support structure))
64 横方向制約 (lateral constraint)
66 角度制約 (angular constraint)
68 ゼロ制約 (zero constraint)
70 入口モジュール (entrance module)
72 プリントヘッドモジュール (printhead module)
74 端部送りモジュール (end feed module)
76 先送りモジュール (forward feed module)
78 プリントヘッドモジュール (printhead module)
80 送出しモジュール (out-feed module)
90 制御論理プロセッサ (control logic processor)
100 エッジガイド (edge guide)
102 ウェブ被印刷物 (web substrate)
104 取付け構造 (mounting structure)
106 固定媒体ガイド (fixed media guide)
108 コンプライアント媒体ガイド (compliant media guide)
110 リブ (rib)
112 支持ビーム (support beam)
114 モータ (motor)
116 調節装置 (adjustment apparatus)
120 親ネジ並進機構 (lead-screw translation mechanism)
122 センサ (sensor)
124 センサ (sensor)
130 エッジガイド (edge guide)
132 推進機構 (urging mechanism)
134 親ネジ (lead-screw)
136 取付け構造 (mounting structure)
140 制御論理プロセッサ (control logic processor)
142 制御パネル (control panel)
144 センサ (sensor)
150 制御ループ (control loop)
A エッジガイド (edge guide)
CL 中心線 (center line)
C1 質量中心 (centroid)
C2 質量中心 (centroid)
E1 整列縁部 (aligning edge)
Q ネスティング力 (nesting force)
O1 反対縁部 (opposite edge)
B ローラ (roller)
C ローラ (roller)
D ローラ (roller)
E ローラ (roller)
F ローラ (roller)
G ローラ (roller)
H ローラ (roller)
I ローラ (roller)
J ローラ (roller)
K ローラ (roller)
L ローラ (roller)
M ローラ (roller)
N ローラ (roller)
O ローラ (roller)
P ローラ (roller)
SW S巻付け (S-wrap)
TB 反転モジュール (turnover module)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲表面を含む構成であって、プリント媒体が前記湾曲表面の上を進行可能であり、前記プリント媒体は、第一縁部と、該第一縁部の反対側にある第二縁部とを含む構成と、
前記プリント媒体の前記第一縁部と接触可能である第一媒体ガイドと、
前記プリント媒体の前記第二縁部と接触可能である第二媒体ガイドとを含み、該第二媒体ガイドは、前記第一媒体ガイドから離間し、前記第一媒体ガイドと前記第二媒体ガイドとの間の距離が可変であるよう、前記第二媒体ガイドと前記第一媒体ガイドとの間の相対的な間隔は調節可能であり、前記第二媒体ガイドは、前記プリント媒体の前記第二縁部にネスティング力を適用し、前記プリント媒体の前記第一縁部を前記第一媒体ガイドに向かって移動させ且つ前記第一媒体ガイドと接触させる機構を含む、
エッジガイド。
【請求項2】
前記第一媒体ガイドは、前記湾曲表面に対して旋回的に取り付けられる、請求項1に記載のエッジガイド。
【請求項3】
前記第一媒体ガイドは、2つの自由度を許容する旋回地点で前記湾曲表面に対して取り付けられる、請求項2に記載のエッジガイド。
【請求項4】
前記旋回地点は、前記第一媒体ガイドと接触可能な前記プリント媒体の縁部の質量中心に実質的に配置される、請求項3に記載のエッジガイド。
【請求項5】
前記第一媒体ガイドは、前記第一媒体ガイドと接触可能な前記プリント媒体の縁部の質量中心に実質的に配置される旋回軸で、前記湾曲表面に対して旋回的に取り付けられる、請求項2に記載のエッジガイド。
【請求項6】
前記第二媒体ガイドは、前記湾曲表面に対して旋回的に取り付けられる、請求項1に記載のエッジガイド。
【請求項7】
前記第二媒体ガイドは、3つの自由度を許容する旋回地点で、前記湾曲表面に対して旋回的に取り付けられる、請求項6に記載のエッジガイド。
【請求項8】
前記旋回地点は、前記第二媒体ガイドと接触可能な前記プリント媒体の縁部の質量中心に実質的に配置される、請求項7に記載のエッジガイド。
【請求項9】
前記ネスティング力は、前記旋回地点に加えられる、請求項7に記載のエッジガイド。
【請求項10】
前記第二媒体ガイドは、前記第二媒体ガイドと接触可能な前記プリント媒体の縁部の質量中心に実質的に配置される旋回軸で前記湾曲表面に対して旋回的に取り付けられる、請求項6に記載のエッジガイド。
【請求項11】
前記第二媒体ガイドと前記第一媒体ガイドとの間の前記間隔は、中心線を含み、前記第二媒体ガイドと前記第一媒体ガイドとの間の前記相対的な間隔の調節は、前記第一媒体ガイドと前記第二媒体ガイドとの間の前記中心線が実質的に固定されたままであるように達成される、請求項1に記載のエッジガイド。
【請求項12】
前記湾曲表面を含む前記エッジガイド構成は、複数のセグメントを含む、請求項1に記載のエッジガイド。
【請求項13】
前記複数のセグメントは、第一端部分と、中央部分と、第二端部分とを含み、前記中央部分は固定され、前記第一端部分及び前記第二端部分は、前記固定される中央部分に対して移動可能である、請求項12に記載のエッジガイド。
【請求項14】
前記複数のセグメントのうちの少なくとも1つの位置は、調節可能である、請求項12に記載のエッジガイド。
【請求項15】
前記湾曲表面の背後に位置付けられる第二表面を更に含み、該第二表面は、前記第一媒体ガイドと前記第二媒体ガイドとの間の前記距離に亘る、請求項12に記載のエッジガイド。
【請求項16】
前記第一媒体ガイド及び前記第二媒体ガイドの少なくとも一方は、前記第一媒体ガイドと前記プリント媒体との接触を感知するよう構成されるセンサを含む、請求項1に記載のエッジガイド。
【請求項17】
前記第一媒体ガイド及び前記第二媒体ガイドの少なくとも一方は、前記第一媒体ガイドと前記第二媒体ガイドとの間の前記相対的な間隔を感知するよう構成されるセンサを含む、請求項1に記載のエッジガイド。
【請求項18】
前記プリント媒体の前記第二縁部に前記ネスティング力を加える前記機構は、前記プリント媒体の前記第二縁部の前記縁部に一定の力を加える、請求項1に記載のエッジガイド。
【請求項19】
前記プリント媒体の前記第二縁部に前記ネスティング力を加える前記機構は、前記プリント媒体の前記第二縁部の前記縁部に選択的な大きさの一定の力を加える、請求項1に記載のエッジガイド。
【請求項20】
前記選択可能な大きさの一定の力は、手動で調節可能である、請求項19に記載のエッジガイド。
【請求項21】
前記選択可能な大きさの一定の力は、操作者入力に応答して自動的に調節される、請求項19に記載のエッジガイド。
【請求項22】
操作者入力は、前記プリント媒体の特性を含む、請求項21に記載のエッジガイド。
【請求項23】
前記選択可能な大きさの一定の力は、少なくとも部分的に前記プリント媒体の感知される特性に基づき、自動的に調節可能である、請求項19に記載のエッジガイド。
【請求項24】
前記第二媒体ガイドと前記第一媒体ガイドとの間の前記相対的な間隔は、手動で調節可能である、請求項1に記載のエッジガイド。
【請求項25】
前記第二媒体ガイドと前記第一媒体ガイドとの間の前記相対的な間隔は、操作者入力に応答して自動的に調節される、請求項1に記載のエッジガイド。
【請求項26】
操作者入力は、前記プリント媒体の特性を含む、請求項25に記載のエッジガイド。
【請求項27】
前記第二媒体ガイドと前記第一媒体ガイドとの間の前記相対的な間隔は、少なくとも部分的に前記プリント媒体の感知される特性に基づき自動的に調節される、請求項1に記載のエッジガイド。
【請求項28】
前記第一媒体ガイド及び前記第二媒体ガイドの少なくとも一方は、低い摩擦係数と高い摩耗抵抗とを有する表面を含む、請求項1に記載のエッジガイド。
【請求項29】
前記表面は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)含浸ニッケル塗膜を含む、請求項28に記載のエッジガイド。
【請求項30】
プリント媒体の連続的なウェブの上に印刷する方法であって、
a)エッジガイド構成を提供することを含み、
該エッジガイド構成は、
湾曲表面であって、プリント媒体が前記湾曲表面の上を進行可能であり、前記プリント媒体は、第一縁部と、該第一縁部の反対側にある第二縁部とをむ湾曲表面と、
前記プリント媒体の前記第一縁部と接触可能である第一媒体ガイドと、
前記プリント媒体の前記第二縁部と接触可能である第二媒体ガイドとを含み、該第二媒体ガイドは、前記第一媒体ガイドから離間し、前記第一媒体ガイドと前記第二媒体ガイドとの間の相対的な間隔は可変であり、
b)選択的に、前記プリント媒体に適合させるために、前記第二媒体ガイドと前記第一媒体ガイドとの間の前記相対的な間隔を調節すること、
c)前記エッジガイド構成を通じて前記プリント媒体を進行させること、及び、
d)前記プリント媒体の前記第二縁部にネスティング力を適用し、前記プリント媒体が前記エッジガイド構成を通じて進行するときに前記第二媒体ガイドと関連付けられる機構を使用して、前記プリント媒体の前記第一縁部を前記第一媒体ガイドに向かって移動させ且つ前記第一媒体ガイドと接触させることを含む、
方法。
【請求項31】
前記プリント媒体が前記エッジガイド構成を通じて進行した後、前記第一モジュール及び前記第二モジュールの少なくとも一方に配置されるデジタルプリントヘッドを使用して、前記プリント媒体の上に印を選択的に配置することを更に含む、請求項30に記載のエッジガイド。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【公表番号】特表2013−512160(P2013−512160A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541182(P2012−541182)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/057945
【国際公開番号】WO2011/066346
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】