嫌気性廃水処理用のリアクタとプロセス
嫌気性廃水処理用のリアクタ(10)は、中央流路(20)を備えて成るループタイプ塔リアクタとして構成される。中央流路(20)とリアクタ壁の間の環状空間(40)で、微生物を固定するための担体要素(50)が配置され、流路は、隣接する担体要素(50)の間に設けられる。担体要素の下のリアクタの下部分(30)は、リアクタ(10)の稼動中、その中で浮遊する微生物を有する廃水を受けるために意図される空間として構成される。稼動中、浮遊する微生物と担体要素に固定される微生物の両方が設けられる。処理される廃水は、中央では、下方に流れ、微生物によるガス発生によって部分的に発生させられる流れで、担体要素(40)に沿って再び上へ流れる。リアクタは、嫌気性廃水処理用のプロセスを実行するために用いられ、リアクタは食品加工産業及び飼料産業に加えて、製紙産業及び繊維産業における廃水処理に適している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、嫌気性廃水処理用のリアクタとプロセスとに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】DE43 33 176
【特許文献2】DE43 09 779
【0003】
有機的に汚染された廃水の処理用に、嫌気性方式で運転される嫌気性のプロセスと廃水処理システムとをそれぞれ利用することが周知である。嫌気性技術の利用の際に、廃水に含まれる汚染物質負荷は、対応する微生物の助けを借りて、獲得エネルギーを蓄えておくことを可能とする再生エネルギー担体生物ガス(regenerative energy carrier biogas)へ変えられる。したがって、用いられるプロセスは、生物量濃縮乃至強化なしの簡単なプロセスだけでなく、概して内部の生物量強化を用いる高性能プロセスの両方を備えて成る。
【0004】
都市廃水は、およそ500mg/リットルの化学的酸素要求量(COD)を有する比較的低い汚染物質負荷を含み、概して好気性活性汚泥プロセスによって処理される。食品加工産業においては、1000mg/リットル以上で100000mg/リットルまでの、またそれ以上のCODを有する著しく高い有機汚染物質負荷を有する廃水が存在する。そのような廃水をきれいにするために、高性能プロセスが利用される。
【0005】
最も一般的なプロセスは、いわゆるUASBプロセス(上向流嫌気性汚泥床プロセス)である。UASBリアクタで、内部の生物量強化は、非常に良好な造粒特性を有し、形成するスラッジの形態でもたらされる。微生物は、いわゆるペレットを形成するためにまとまる。これらは、およそ1〜3mmのサイズを有する集団である。リアクタは、上向流方式で運転され、すなわち、廃水が下方からリアクタを通って上向きに流れる。有機汚染物質の代謝的にもたらされる分解に起因して、気泡の形態でペレットに付着するガスが作り出される。したがって、ペレットは、上方に上昇し、システム内での十分な混合をもたらす。リアクタ内にペレットを保持するために用いられる分離システムが、UASBリアクタの上部に設けられる。これらのリアクタの長所は、例えば、ループタイプ塔リアクタ(loop-type column reactor)の形態で、比較的簡単な構造を有しうることにある。そのようなリアクタは、特許文献1に記述される。この技術の短所は、約20g/リットルから始まり30g/リットルまでの高いCOD濃度では、ガス発生が非常に強いので、ペレットは上方に非常に素早く上昇し、分離システムにもかかわらず、生物量のかなりの損失が生じることである。これは、流出効果と呼ばれる。さらに、これらシステムは、中毒に比較的敏感(いわゆる毒影響に対して敏感)であるという事実がある。リアクタの不具合の後で、これらのシステムは、用いている新しい生物量を接種することによって比較的に手早く再始動されるが、これはコスト要因となる。このプロセスの別の短所は、ペレットを形成するような微生物だけが用いられ、それが、微生物の選択に大いに制限をかけることである。概して、主にメタンを作り出すメタノトリックス(Methanotrix)類のバクテリアが利用される。
【0006】
別の高性能プロセスは、固定床リアクタを使用し、当該固定床リアクタにおいて、バルク材料、パッケージ又は固定担体材料の形態の不活性担体材料、例えば、プレート状の担体要素の形態の不活性担体材料に、微生物が住み着く。そのようなリアクタは、同出願人の特許文献2に記載される。固定床リアクタは、80g/リットル以上のCOD濃度を有する非常に激しく汚染された廃水を処理するために適している。固定床リアクタの短所は、高性能担体材料を用いるときに、特にコストが高くなることである。
【0007】
そのことに加えて、流動床リアクタも周知であり、当該流動床リアクタにおいて、生物量は、流動固定床、例えば、リアクタ内でかきまぜられる活性炭又は砂に固定される。これは、流動床を維持するための高エネルギー要求を必要とし、同時に、リアクタにかけられる高負荷の結果となる。したがって、流動床リアクタの構造は、技術的に複雑で且つ精巧である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、高い汚染負荷を有する廃水に適合し、ほとんどトラブル無しで運転され、比較的安価である嫌気性廃水処理用のリアクタとプロセスとを利用可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、以下の特徴を備えてなる嫌気性廃水処理用のリアクタによって達成される。
(a)下向き方向に上部から延びる中央流路であって、上側リアクタ境界から第一間隔を有して上部で終端し、且つ下側リアクタ境界から第二間隔を有して底部で終端する中央流路
(b)中央流路とリアクタ壁との間の環状空間に、流路の全高に対して又は流路の部分的な高さに対して、構造化され、整列させられた固定床の形態で微生物を固定化するための担体要素が置かれ、隣接する担体要素の間に流れ経路が設けられること
(c)リアクタの下側境界と担体要素との間のリアクタ下部分は、リアクタの運転中に、その中で浮遊する微生物を有する廃水を受けるために意図された空間形状であること
(d)リアクタの上側境界と担体要素との間のリアクタの上部分、
(e)リアクタの内部の流れに関しては、リアクタは、その中に含まれる廃水が下向き方向で中央流路を通り、その後、下部分で前記空間を通り、その後上向き方向で担体要素に沿い、最後に再び中央流路へ循環させることができるようなループタイプ塔リアクタの形態であること
(f)処理される廃水及び初めてリアクタへ導入される廃水のための供給ライン
(g)リアクタから処理された廃水を最終的に放出するための放出システム
【0010】
本発明では、固定床リアクタとUASBリアクタとの長所を合わせ持つハイブリッドリアクタ(及びハイブリッドプロセスそれぞれ)を提供する。
【0011】
リアクタは、円筒形状であるが、他のリアクタ構造、例えば、楕円形の又は多角形の基礎を有する円柱形のような配置又は立方体様の配置もまた可能である。
【0012】
下部分の空間は、その中で浮遊する微生物ペレットを有する廃水を受けるのに適合させられる。微生物の代謝に起因して、微生物は泡の形態でペレットに付着するガスを発生させ、こうしてペレットを上方に運ぶ。使用される微生物は、好ましくはメタノトリックス属のバクテリアである。
【0013】
好ましくは、上部分に分離システムが配置され、当該分離システムが、リアクタ内の廃水に浮遊する微生物を保持する。
【0014】
さらに、リアクタは、好ましくは、中央流路へ流れ送出しのための廃水用供給手段と廃水用抜取り手段とを有する再循環システムを備えて成る。
【0015】
抜取り手段は、好ましくは、二つのプレート形状要素の間に設けられる中間空間と上記中間空間で始まる導管とを有する。
【0016】
再循環システムの抜取り手段の幾分上方の位置で、処理された廃水の最終放出のための放出システムを配置することが特に好ましい。
【0017】
リアクタの上部分に上昇してくる微生物ペレットは、分離システムによって保持され、そこで、付着した気泡を放し、それらのより高い密度のために再び下方へ沈む。分離システムは、発生したガスを分離すること及び生物量を保持することの両方のために用いられる。
【0018】
分離システムは、好ましくは、中央流路上端部の上方に間隔を開けて離れて設けられる隔壁を有し、リアクタ断面領域の大部分を覆う一方で、外側の環状領域を解放状態にする。
【0019】
再循環システムの抜取り手段は、好ましくは、隔壁の上側に置かれる。再循環システムの抜取り手段上方の空間で、減少させられた流れを伴う区間が、こうして作り出され、特に、(先に記述のように)再循環システムの抜取り手段の上方に多少離れて、処理された廃水の最終放出用の放出手段を配置することが好ましいので、生物量の放出無しで処理された廃水の放出を強める。
【0020】
既述の再循環システムに加えて、既述の再循環システムの抜取り手段と放出システムとの分離は、一方では開示された発明の好ましい展開を構成するが、しかし他方では請求項1の特徴無しでも(又は特徴の一部分だけで)技術的には実現可能であることも重要視される。典型例は、本願の意味におけるハイブリッドリアクタではないUASBリアクタで実現する。
【0021】
分離システムの隔壁は、好ましくは、水平方向に広がらず、且つ、最も高い部分でガス収集空間を形成する部分を有する。
【0022】
さらに、隔壁は、(おおよそ)最も高い部分から外側へ下方に傾斜した方向で広がり、且つ最も高い部分から内側へ下方に傾斜した方向で広がる。
【0023】
好ましくは、リアクタで形成されたガス用の第一放出ラインは、リアクタの上部分で始まる。
【0024】
リアクタで形成されたガス用の第二放出ラインは、隔壁の領域で始まるのが更に好ましい。
【0025】
リアクタは、その中に設けられた担体要素を有する。担体要素は、プレート形状でありえる。担体要素は、好ましくは、互いに平行に配置される。プレートは、パッケージに配置され、パッケージ内部のプレートは、リアクタの接線方向に配置される。担体要素は、下部分における空間の上方に配置されるので、上方に浮遊していくペレットは、プレートの間を通過する。リアクタの運転の間、微生物の成長は、担体要素で形成される。担体要素間で3〜6cmの間隔、好ましくは3.5〜5.5cmの間隔を有するのが好ましい。
【0026】
担体要素は、大きな表面を有する不活性材料から作られる。担体要素は、好ましくは、それを通して流れを可能とする多孔質の材料からなる。特に好ましい様式では、担体要素は、互いに一体化されたプラスチック粒子と発泡粘土粒子とから実質的になる。ポリエチレン粒子が好ましく、別のプラスチック材料もまた可能である。微生物は、発泡粘土粒子の小孔及び粒子間の小孔に堆積するか又は接種され、担体要素で皮膜状成長又は芝状成長を形成する。リアクタの不具合、例えば、毒影響に起因する不具合の場合には、微生物被膜は、確かに破壊される。しかしながら、微生物は、多孔質の担体材料の小孔から急激に再成長し、プレート上に被膜を再生する。担体要素のプレートは、様々な種類の微生物、例えばバクテリアに住み着かれるか又は接種される。一度に異なった種類を担体要素に接種することが可能である。担体要素は、自由に浮遊する集団又はペレットを形成するのと同じ種類で接種されえる。ペレットを形成するこれらと異なった他の種類を、担体要素に接種することもまたまさに可能である。したがって、UASBプロセスの長所は、使用に適した様々な種類の微生物の長所を併せ持つ。
【0027】
担体要素に固着性の微生物を接種することができる。特に、それらは、シトロフォバクター(Sytrophobacter)、シトロフォマス(Sytrophomas)、メタノトリックス(Methanotrix)、メタノサルシーナ(Mehtanosarcina)及びメタノコックス(Methanococcus)類で接種される。
【0028】
発明者は、今までに、固定床リアクタとUASBリアクタの組み合わせの相乗効果(安定稼動で高性能)が、リアクタ容積に対して担体プレートの比較的低い比率で起こることを見出した。したがって、担体プレートによって占められるリアクタ容積の比率は、15〜40%であることが好ましい。特に好ましいのは、比率が、20〜30%である。
【0029】
好ましくは、リアクタの下部分は、その壁に置かれる流れ偏向手段を有する。この流れ偏向手段は、リアクタ壁から廃水流れを分離する機能と均一に担体要素に対して同じく通過する機能とを有する。
【0030】
好ましくは、リアクタは、中央流路の下端部の下方で終端する少なくとも一つの駆動噴出放出口を有する。この放出口は、リアクタの底に堆積する微生物をかきまぜるために用いられる。放出口は、その端部にノズルを有する。
【0031】
更に、本発明にしたがう目的は、リアクタ内の嫌気性廃水処理用プロセスによって達成され、当該リアクタで、処理される廃水は、
(a)上方から下方に中央で流れ、
(b)その後、リアクタの下部分における空間で、廃水中に浮遊する微生物と接触し、
(c)その後、その上に配置されたリアクタの空間で微生物に沿って流れ、当該微生物は、構造化され、整列させられた固定床の形態で担体要素に配置され、
(d)最終的に、上方から下方への中央の流れに再び合流する、
ように循環する。
【0032】
担体要素の微生物を通り過ぎて流れる際に、廃水の一部は、好ましくは、分岐し、中央流路に送り込まれる。これは、循環における廃水の再循環を向上させる。
【0033】
本発明にしたがうプロセスにおいて、処理空間に浮遊する微生物は、好ましくは、ペレットの形態である。廃水中に浮遊する微生物は、分離システムによって保持される。プロセスは、異なった種類の微生物を、一方では担体要素に固定化した微生物として、他方では浮遊する微生物として使用しうる。担体要素に異なった種類の微生物を設けることもありえる。
【0034】
本発明にしたがうリアクタとプロセスとを、廃水の処理用に、特に廃水の嫌気性処理用に用いることができる。
【0035】
本発明にしたがって、飲料産業、飼料産業又は食品加工産業からの有機的に汚染された廃水、例えば、でんぷん加工工場及び設備、飲料工場、醸造所、アルコール蒸留所、酪農場からの廃水、食肉加工工場及び水産加工工場からの廃水が、特に処理される。本発明にしたがうプロセスと本発明にしたがうリアクタとは、製紙産業及び繊維産業からの廃水を処理するためにも同様に適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の実施形態が、図面を経て例示的な方法で以下に説明される。
【0037】
本発明にしたがうリアクタの実施形態が、醸造所における廃水の処理のために建設され、利用された。
【0038】
図1にリアクタ10の概略的な構造を示す。リアクタは、ループタイプ塔リアクタの形態で構成される。円筒形リアクタの寸法は、高さが2.0〜5.0mの間で、直径が1.5〜2.5mの間のようになる。処理される廃水量は、10〜20m3/dの間である。他のリアクタ構成要素の寸法は、図1から全体寸法に関して見て取ることができる。このリアクタは、試験運転のために構成される。大規模リアクタ用の技術的な構成は、明らかにより大きな寸法、例えば5〜9mの直径と8〜12mの高さとを有する。他のリアクタの形状は、例えば、楕円形又は多角形の基礎を有する円柱形状の配置又は立方体様の配置もまた可能である。
【0039】
リアクタケース11は、従来技術から知られているようにステンレス鋼板から実質的になる。
【0040】
リアクタ10で、リアクタの上端部から離れて始まり且つ下部分30で開口する中央管20が、軸方向に形成される。中央管20は、断面では六角形状である。この六角形状は、製作の点から好都合であり、担体要素50を有するパッケージは、六角形状に対応して配置される。他の形状、例えば、円形又は違う角数の多角形も可能である。下部分30は、区画又は空間の形態であり、その中に、浮遊する微生物が運転中に存在する。下部分30の上方で、流れ経路がこれら担体要素の間で垂直方向に存在するように、その中で平行に配置されたプレート形状の担体要素50を有する中間部分40が設けられる。担体要素のこの配置は、微生物を接種するための固定床の役割をする。
【0041】
担体要素は、それを通して流れを可能にするために多孔質であり、一体化されたプラスチック粒子と発泡粘土粒子とから実質的に形成された材料からなる。そのような材料は、同出願人の前述の特許文献2に記述される。
【0042】
プレートは、好ましくは、3〜6cmの間隔だけ、特に好ましくは3.5〜5.5cmの間隔で離れて配置される。リアクタ断面の平面図に見られるように、担体要素は、六角形の線分を構成するパッケージで接線方向に配置される。他の配置、例えば、長方形のパッケージ配置、多角形の基礎形状を有するパッケージ配置、又は曲げられたプレートを有する配置もまた考えられる。
【0043】
十分な生物量の維持を確実にするために、リアクタには、傾斜した案内要素91、92、93、94から形成される分離システム90が設けられる。これらの案内要素は、固体粒子、例えば、気泡を伴うペレットの放出を防止する。考えられる案内要素の他の配置も存在する。
【0044】
案内要素91、92、93、94は、六角形又は多角形の固定床形状の平面図を模倣するか又は円形の構成になる。
【0045】
流れ経路は、矢印k、l、m、n、o、p、q及びrを用いて図解される。処理される廃水は、実質的に供給ライン60を経て供給され、外側空間40から液体を吸い込み、運転中、浮遊する微生物がペレットの形態で存在する下部分30へ中央管20を通って流れる。リアクタの下部分30で付加的な混合効果をもたらすために、一部分の流れが、管80を経て任意で供給される。内部リアクタ壁に沿って外周に伸び、リアクタの下部分30に配置される流れ障害120が、流れを分離するために用いられるので、処理される廃水は、好ましくは、容器壁に沿って上昇することができない。用いられる微生物は、メタノトリックス属に属する。これらのバクテリアは、それらの代謝に起因して、小さな泡の形態でペレットに付着するガスを作り出す。こうして、ペレットは上昇し、廃水の付加的な流れ運動を引き起こす。そうすることで、処理される廃水は、担体要素上の微生物を通り過ぎて流され、同様に接触させられる。案内要素91、92、93で形成された隔壁で、ペレットは保持され、案内要素で作られた撹拌乃至振動に起因して気泡を放し、その後、廃水と比べてペレットのより高い密度のために、下部分30へ中央管20を通って再び落ちていく。隔壁は、ガス収集の区画又は空間96を形成し、そこで、ガスを収集することができ、第一ガス放出手段98を経て放出することができる。
【0046】
案内要素91、92、93で形成されたこの隔壁は、リアクタ断面領域の大部分を覆い、その外縁とリアクタ壁との間の環状領域を解放状態にする。担体要素に沿った流れの一部が、隔壁91、92、93の外縁で分岐し、当該流れは、隔壁91、92、93の上方で且つ案内要素94の下方の上部分から、廃水抜取り手段100、101を用いて抜取られ、再循環システム130を経由してリアクタへ再び再循環させられる。
【0047】
隔壁91、92、93の上方で且つ再循環システムの抜取り手段の上方のリアクタ上部分で、案内要素94は沈殿区域を形成し、そこから、処理された廃水を放出システム70を経てリアクタから放出することができる。
【0048】
形成されたガスは、リアクタの上端で、第二ガス放出ライン110を経て放出される。
【0049】
再循環システムの好適な抜取り手段が、図2A、2B及び2Cに図解される。
【0050】
図2Aは、いわゆるダブルプレート排出手段を図解する。それは、それらの間に40〜70mmの間隔で、上に重ねて配置された二枚の円板からなり、液体は、前記プレートの間の中心で排出させられる。この配置は、プレートの外周で低い流量での排出を確実にする。
【0051】
図2Bは、孔を有する環状の導管を図解する。均一な液体排出を確実にするために、孔は図2に見られるように異なったサイズである。
【0052】
図2Cは、液体が6位置で排出されることを可能にする星形状管排出手段を図解する。管端部が、T片(点線で示される)で設けられる場合は、液体は12位置で排出させられる。
【0053】
図2Dは、放出孔を伴う浸水放出路を有する放出システムを図解する。孔サイズと孔の数とは、処理された廃水の均一な放出を確実にするために選ばれる。
【0054】
数字60で示される供給ライン用の循環水の所要量は、再循環システム130を経て提供される。最初にリアクタに供給される廃水を、ライン132を経てシステムに導入することが可能である。必要に応じて又は定期的な間隔で、導入される廃水又は循環している廃水の一部は、下部分にある生物量(微生物ペレット)をかきまぜるために、駆動噴出の形でリアクタの下部分へ管80を経て通過させられる。より大きなリアクタでは、生物量のかきまぜを得るためにいくつかの駆動噴出放出口が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明にしたがう廃水処理用のリアクタの実施形態の概略図である。
【図2A】本発明にしたがうリアクタの廃水用の抜取り手段の実施形態の概略図である。
【図2B】本発明にしたがうリアクタの廃水用の抜取り手段の別の実施形態の概略図である。
【図2C】本発明にしたがうリアクタの廃水用の抜取り手段の更なる代わりの実施形態の概略図である。
【図2D】本発明にしたがうリアクタの放出システムの概略図である。
【符号の説明】
【0056】
10 リアクタ
20 中央流路
30 下部分
40 中間部分
50 担体要素
60 供給ライン
70 放出システム
80 管
90 分離システム
91 案内要素
92 案内要素
93 案内要素
94 案内要素
96 ガス収集区画
98 第一ガス放出手段
100 抜取り手段
101 抜取り手段
110 第二ガス放出ライン
120 流れ障害
130 再循環システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、嫌気性廃水処理用のリアクタとプロセスとに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】DE43 33 176
【特許文献2】DE43 09 779
【0003】
有機的に汚染された廃水の処理用に、嫌気性方式で運転される嫌気性のプロセスと廃水処理システムとをそれぞれ利用することが周知である。嫌気性技術の利用の際に、廃水に含まれる汚染物質負荷は、対応する微生物の助けを借りて、獲得エネルギーを蓄えておくことを可能とする再生エネルギー担体生物ガス(regenerative energy carrier biogas)へ変えられる。したがって、用いられるプロセスは、生物量濃縮乃至強化なしの簡単なプロセスだけでなく、概して内部の生物量強化を用いる高性能プロセスの両方を備えて成る。
【0004】
都市廃水は、およそ500mg/リットルの化学的酸素要求量(COD)を有する比較的低い汚染物質負荷を含み、概して好気性活性汚泥プロセスによって処理される。食品加工産業においては、1000mg/リットル以上で100000mg/リットルまでの、またそれ以上のCODを有する著しく高い有機汚染物質負荷を有する廃水が存在する。そのような廃水をきれいにするために、高性能プロセスが利用される。
【0005】
最も一般的なプロセスは、いわゆるUASBプロセス(上向流嫌気性汚泥床プロセス)である。UASBリアクタで、内部の生物量強化は、非常に良好な造粒特性を有し、形成するスラッジの形態でもたらされる。微生物は、いわゆるペレットを形成するためにまとまる。これらは、およそ1〜3mmのサイズを有する集団である。リアクタは、上向流方式で運転され、すなわち、廃水が下方からリアクタを通って上向きに流れる。有機汚染物質の代謝的にもたらされる分解に起因して、気泡の形態でペレットに付着するガスが作り出される。したがって、ペレットは、上方に上昇し、システム内での十分な混合をもたらす。リアクタ内にペレットを保持するために用いられる分離システムが、UASBリアクタの上部に設けられる。これらのリアクタの長所は、例えば、ループタイプ塔リアクタ(loop-type column reactor)の形態で、比較的簡単な構造を有しうることにある。そのようなリアクタは、特許文献1に記述される。この技術の短所は、約20g/リットルから始まり30g/リットルまでの高いCOD濃度では、ガス発生が非常に強いので、ペレットは上方に非常に素早く上昇し、分離システムにもかかわらず、生物量のかなりの損失が生じることである。これは、流出効果と呼ばれる。さらに、これらシステムは、中毒に比較的敏感(いわゆる毒影響に対して敏感)であるという事実がある。リアクタの不具合の後で、これらのシステムは、用いている新しい生物量を接種することによって比較的に手早く再始動されるが、これはコスト要因となる。このプロセスの別の短所は、ペレットを形成するような微生物だけが用いられ、それが、微生物の選択に大いに制限をかけることである。概して、主にメタンを作り出すメタノトリックス(Methanotrix)類のバクテリアが利用される。
【0006】
別の高性能プロセスは、固定床リアクタを使用し、当該固定床リアクタにおいて、バルク材料、パッケージ又は固定担体材料の形態の不活性担体材料、例えば、プレート状の担体要素の形態の不活性担体材料に、微生物が住み着く。そのようなリアクタは、同出願人の特許文献2に記載される。固定床リアクタは、80g/リットル以上のCOD濃度を有する非常に激しく汚染された廃水を処理するために適している。固定床リアクタの短所は、高性能担体材料を用いるときに、特にコストが高くなることである。
【0007】
そのことに加えて、流動床リアクタも周知であり、当該流動床リアクタにおいて、生物量は、流動固定床、例えば、リアクタ内でかきまぜられる活性炭又は砂に固定される。これは、流動床を維持するための高エネルギー要求を必要とし、同時に、リアクタにかけられる高負荷の結果となる。したがって、流動床リアクタの構造は、技術的に複雑で且つ精巧である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、高い汚染負荷を有する廃水に適合し、ほとんどトラブル無しで運転され、比較的安価である嫌気性廃水処理用のリアクタとプロセスとを利用可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、以下の特徴を備えてなる嫌気性廃水処理用のリアクタによって達成される。
(a)下向き方向に上部から延びる中央流路であって、上側リアクタ境界から第一間隔を有して上部で終端し、且つ下側リアクタ境界から第二間隔を有して底部で終端する中央流路
(b)中央流路とリアクタ壁との間の環状空間に、流路の全高に対して又は流路の部分的な高さに対して、構造化され、整列させられた固定床の形態で微生物を固定化するための担体要素が置かれ、隣接する担体要素の間に流れ経路が設けられること
(c)リアクタの下側境界と担体要素との間のリアクタ下部分は、リアクタの運転中に、その中で浮遊する微生物を有する廃水を受けるために意図された空間形状であること
(d)リアクタの上側境界と担体要素との間のリアクタの上部分、
(e)リアクタの内部の流れに関しては、リアクタは、その中に含まれる廃水が下向き方向で中央流路を通り、その後、下部分で前記空間を通り、その後上向き方向で担体要素に沿い、最後に再び中央流路へ循環させることができるようなループタイプ塔リアクタの形態であること
(f)処理される廃水及び初めてリアクタへ導入される廃水のための供給ライン
(g)リアクタから処理された廃水を最終的に放出するための放出システム
【0010】
本発明では、固定床リアクタとUASBリアクタとの長所を合わせ持つハイブリッドリアクタ(及びハイブリッドプロセスそれぞれ)を提供する。
【0011】
リアクタは、円筒形状であるが、他のリアクタ構造、例えば、楕円形の又は多角形の基礎を有する円柱形のような配置又は立方体様の配置もまた可能である。
【0012】
下部分の空間は、その中で浮遊する微生物ペレットを有する廃水を受けるのに適合させられる。微生物の代謝に起因して、微生物は泡の形態でペレットに付着するガスを発生させ、こうしてペレットを上方に運ぶ。使用される微生物は、好ましくはメタノトリックス属のバクテリアである。
【0013】
好ましくは、上部分に分離システムが配置され、当該分離システムが、リアクタ内の廃水に浮遊する微生物を保持する。
【0014】
さらに、リアクタは、好ましくは、中央流路へ流れ送出しのための廃水用供給手段と廃水用抜取り手段とを有する再循環システムを備えて成る。
【0015】
抜取り手段は、好ましくは、二つのプレート形状要素の間に設けられる中間空間と上記中間空間で始まる導管とを有する。
【0016】
再循環システムの抜取り手段の幾分上方の位置で、処理された廃水の最終放出のための放出システムを配置することが特に好ましい。
【0017】
リアクタの上部分に上昇してくる微生物ペレットは、分離システムによって保持され、そこで、付着した気泡を放し、それらのより高い密度のために再び下方へ沈む。分離システムは、発生したガスを分離すること及び生物量を保持することの両方のために用いられる。
【0018】
分離システムは、好ましくは、中央流路上端部の上方に間隔を開けて離れて設けられる隔壁を有し、リアクタ断面領域の大部分を覆う一方で、外側の環状領域を解放状態にする。
【0019】
再循環システムの抜取り手段は、好ましくは、隔壁の上側に置かれる。再循環システムの抜取り手段上方の空間で、減少させられた流れを伴う区間が、こうして作り出され、特に、(先に記述のように)再循環システムの抜取り手段の上方に多少離れて、処理された廃水の最終放出用の放出手段を配置することが好ましいので、生物量の放出無しで処理された廃水の放出を強める。
【0020】
既述の再循環システムに加えて、既述の再循環システムの抜取り手段と放出システムとの分離は、一方では開示された発明の好ましい展開を構成するが、しかし他方では請求項1の特徴無しでも(又は特徴の一部分だけで)技術的には実現可能であることも重要視される。典型例は、本願の意味におけるハイブリッドリアクタではないUASBリアクタで実現する。
【0021】
分離システムの隔壁は、好ましくは、水平方向に広がらず、且つ、最も高い部分でガス収集空間を形成する部分を有する。
【0022】
さらに、隔壁は、(おおよそ)最も高い部分から外側へ下方に傾斜した方向で広がり、且つ最も高い部分から内側へ下方に傾斜した方向で広がる。
【0023】
好ましくは、リアクタで形成されたガス用の第一放出ラインは、リアクタの上部分で始まる。
【0024】
リアクタで形成されたガス用の第二放出ラインは、隔壁の領域で始まるのが更に好ましい。
【0025】
リアクタは、その中に設けられた担体要素を有する。担体要素は、プレート形状でありえる。担体要素は、好ましくは、互いに平行に配置される。プレートは、パッケージに配置され、パッケージ内部のプレートは、リアクタの接線方向に配置される。担体要素は、下部分における空間の上方に配置されるので、上方に浮遊していくペレットは、プレートの間を通過する。リアクタの運転の間、微生物の成長は、担体要素で形成される。担体要素間で3〜6cmの間隔、好ましくは3.5〜5.5cmの間隔を有するのが好ましい。
【0026】
担体要素は、大きな表面を有する不活性材料から作られる。担体要素は、好ましくは、それを通して流れを可能とする多孔質の材料からなる。特に好ましい様式では、担体要素は、互いに一体化されたプラスチック粒子と発泡粘土粒子とから実質的になる。ポリエチレン粒子が好ましく、別のプラスチック材料もまた可能である。微生物は、発泡粘土粒子の小孔及び粒子間の小孔に堆積するか又は接種され、担体要素で皮膜状成長又は芝状成長を形成する。リアクタの不具合、例えば、毒影響に起因する不具合の場合には、微生物被膜は、確かに破壊される。しかしながら、微生物は、多孔質の担体材料の小孔から急激に再成長し、プレート上に被膜を再生する。担体要素のプレートは、様々な種類の微生物、例えばバクテリアに住み着かれるか又は接種される。一度に異なった種類を担体要素に接種することが可能である。担体要素は、自由に浮遊する集団又はペレットを形成するのと同じ種類で接種されえる。ペレットを形成するこれらと異なった他の種類を、担体要素に接種することもまたまさに可能である。したがって、UASBプロセスの長所は、使用に適した様々な種類の微生物の長所を併せ持つ。
【0027】
担体要素に固着性の微生物を接種することができる。特に、それらは、シトロフォバクター(Sytrophobacter)、シトロフォマス(Sytrophomas)、メタノトリックス(Methanotrix)、メタノサルシーナ(Mehtanosarcina)及びメタノコックス(Methanococcus)類で接種される。
【0028】
発明者は、今までに、固定床リアクタとUASBリアクタの組み合わせの相乗効果(安定稼動で高性能)が、リアクタ容積に対して担体プレートの比較的低い比率で起こることを見出した。したがって、担体プレートによって占められるリアクタ容積の比率は、15〜40%であることが好ましい。特に好ましいのは、比率が、20〜30%である。
【0029】
好ましくは、リアクタの下部分は、その壁に置かれる流れ偏向手段を有する。この流れ偏向手段は、リアクタ壁から廃水流れを分離する機能と均一に担体要素に対して同じく通過する機能とを有する。
【0030】
好ましくは、リアクタは、中央流路の下端部の下方で終端する少なくとも一つの駆動噴出放出口を有する。この放出口は、リアクタの底に堆積する微生物をかきまぜるために用いられる。放出口は、その端部にノズルを有する。
【0031】
更に、本発明にしたがう目的は、リアクタ内の嫌気性廃水処理用プロセスによって達成され、当該リアクタで、処理される廃水は、
(a)上方から下方に中央で流れ、
(b)その後、リアクタの下部分における空間で、廃水中に浮遊する微生物と接触し、
(c)その後、その上に配置されたリアクタの空間で微生物に沿って流れ、当該微生物は、構造化され、整列させられた固定床の形態で担体要素に配置され、
(d)最終的に、上方から下方への中央の流れに再び合流する、
ように循環する。
【0032】
担体要素の微生物を通り過ぎて流れる際に、廃水の一部は、好ましくは、分岐し、中央流路に送り込まれる。これは、循環における廃水の再循環を向上させる。
【0033】
本発明にしたがうプロセスにおいて、処理空間に浮遊する微生物は、好ましくは、ペレットの形態である。廃水中に浮遊する微生物は、分離システムによって保持される。プロセスは、異なった種類の微生物を、一方では担体要素に固定化した微生物として、他方では浮遊する微生物として使用しうる。担体要素に異なった種類の微生物を設けることもありえる。
【0034】
本発明にしたがうリアクタとプロセスとを、廃水の処理用に、特に廃水の嫌気性処理用に用いることができる。
【0035】
本発明にしたがって、飲料産業、飼料産業又は食品加工産業からの有機的に汚染された廃水、例えば、でんぷん加工工場及び設備、飲料工場、醸造所、アルコール蒸留所、酪農場からの廃水、食肉加工工場及び水産加工工場からの廃水が、特に処理される。本発明にしたがうプロセスと本発明にしたがうリアクタとは、製紙産業及び繊維産業からの廃水を処理するためにも同様に適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の実施形態が、図面を経て例示的な方法で以下に説明される。
【0037】
本発明にしたがうリアクタの実施形態が、醸造所における廃水の処理のために建設され、利用された。
【0038】
図1にリアクタ10の概略的な構造を示す。リアクタは、ループタイプ塔リアクタの形態で構成される。円筒形リアクタの寸法は、高さが2.0〜5.0mの間で、直径が1.5〜2.5mの間のようになる。処理される廃水量は、10〜20m3/dの間である。他のリアクタ構成要素の寸法は、図1から全体寸法に関して見て取ることができる。このリアクタは、試験運転のために構成される。大規模リアクタ用の技術的な構成は、明らかにより大きな寸法、例えば5〜9mの直径と8〜12mの高さとを有する。他のリアクタの形状は、例えば、楕円形又は多角形の基礎を有する円柱形状の配置又は立方体様の配置もまた可能である。
【0039】
リアクタケース11は、従来技術から知られているようにステンレス鋼板から実質的になる。
【0040】
リアクタ10で、リアクタの上端部から離れて始まり且つ下部分30で開口する中央管20が、軸方向に形成される。中央管20は、断面では六角形状である。この六角形状は、製作の点から好都合であり、担体要素50を有するパッケージは、六角形状に対応して配置される。他の形状、例えば、円形又は違う角数の多角形も可能である。下部分30は、区画又は空間の形態であり、その中に、浮遊する微生物が運転中に存在する。下部分30の上方で、流れ経路がこれら担体要素の間で垂直方向に存在するように、その中で平行に配置されたプレート形状の担体要素50を有する中間部分40が設けられる。担体要素のこの配置は、微生物を接種するための固定床の役割をする。
【0041】
担体要素は、それを通して流れを可能にするために多孔質であり、一体化されたプラスチック粒子と発泡粘土粒子とから実質的に形成された材料からなる。そのような材料は、同出願人の前述の特許文献2に記述される。
【0042】
プレートは、好ましくは、3〜6cmの間隔だけ、特に好ましくは3.5〜5.5cmの間隔で離れて配置される。リアクタ断面の平面図に見られるように、担体要素は、六角形の線分を構成するパッケージで接線方向に配置される。他の配置、例えば、長方形のパッケージ配置、多角形の基礎形状を有するパッケージ配置、又は曲げられたプレートを有する配置もまた考えられる。
【0043】
十分な生物量の維持を確実にするために、リアクタには、傾斜した案内要素91、92、93、94から形成される分離システム90が設けられる。これらの案内要素は、固体粒子、例えば、気泡を伴うペレットの放出を防止する。考えられる案内要素の他の配置も存在する。
【0044】
案内要素91、92、93、94は、六角形又は多角形の固定床形状の平面図を模倣するか又は円形の構成になる。
【0045】
流れ経路は、矢印k、l、m、n、o、p、q及びrを用いて図解される。処理される廃水は、実質的に供給ライン60を経て供給され、外側空間40から液体を吸い込み、運転中、浮遊する微生物がペレットの形態で存在する下部分30へ中央管20を通って流れる。リアクタの下部分30で付加的な混合効果をもたらすために、一部分の流れが、管80を経て任意で供給される。内部リアクタ壁に沿って外周に伸び、リアクタの下部分30に配置される流れ障害120が、流れを分離するために用いられるので、処理される廃水は、好ましくは、容器壁に沿って上昇することができない。用いられる微生物は、メタノトリックス属に属する。これらのバクテリアは、それらの代謝に起因して、小さな泡の形態でペレットに付着するガスを作り出す。こうして、ペレットは上昇し、廃水の付加的な流れ運動を引き起こす。そうすることで、処理される廃水は、担体要素上の微生物を通り過ぎて流され、同様に接触させられる。案内要素91、92、93で形成された隔壁で、ペレットは保持され、案内要素で作られた撹拌乃至振動に起因して気泡を放し、その後、廃水と比べてペレットのより高い密度のために、下部分30へ中央管20を通って再び落ちていく。隔壁は、ガス収集の区画又は空間96を形成し、そこで、ガスを収集することができ、第一ガス放出手段98を経て放出することができる。
【0046】
案内要素91、92、93で形成されたこの隔壁は、リアクタ断面領域の大部分を覆い、その外縁とリアクタ壁との間の環状領域を解放状態にする。担体要素に沿った流れの一部が、隔壁91、92、93の外縁で分岐し、当該流れは、隔壁91、92、93の上方で且つ案内要素94の下方の上部分から、廃水抜取り手段100、101を用いて抜取られ、再循環システム130を経由してリアクタへ再び再循環させられる。
【0047】
隔壁91、92、93の上方で且つ再循環システムの抜取り手段の上方のリアクタ上部分で、案内要素94は沈殿区域を形成し、そこから、処理された廃水を放出システム70を経てリアクタから放出することができる。
【0048】
形成されたガスは、リアクタの上端で、第二ガス放出ライン110を経て放出される。
【0049】
再循環システムの好適な抜取り手段が、図2A、2B及び2Cに図解される。
【0050】
図2Aは、いわゆるダブルプレート排出手段を図解する。それは、それらの間に40〜70mmの間隔で、上に重ねて配置された二枚の円板からなり、液体は、前記プレートの間の中心で排出させられる。この配置は、プレートの外周で低い流量での排出を確実にする。
【0051】
図2Bは、孔を有する環状の導管を図解する。均一な液体排出を確実にするために、孔は図2に見られるように異なったサイズである。
【0052】
図2Cは、液体が6位置で排出されることを可能にする星形状管排出手段を図解する。管端部が、T片(点線で示される)で設けられる場合は、液体は12位置で排出させられる。
【0053】
図2Dは、放出孔を伴う浸水放出路を有する放出システムを図解する。孔サイズと孔の数とは、処理された廃水の均一な放出を確実にするために選ばれる。
【0054】
数字60で示される供給ライン用の循環水の所要量は、再循環システム130を経て提供される。最初にリアクタに供給される廃水を、ライン132を経てシステムに導入することが可能である。必要に応じて又は定期的な間隔で、導入される廃水又は循環している廃水の一部は、下部分にある生物量(微生物ペレット)をかきまぜるために、駆動噴出の形でリアクタの下部分へ管80を経て通過させられる。より大きなリアクタでは、生物量のかきまぜを得るためにいくつかの駆動噴出放出口が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明にしたがう廃水処理用のリアクタの実施形態の概略図である。
【図2A】本発明にしたがうリアクタの廃水用の抜取り手段の実施形態の概略図である。
【図2B】本発明にしたがうリアクタの廃水用の抜取り手段の別の実施形態の概略図である。
【図2C】本発明にしたがうリアクタの廃水用の抜取り手段の更なる代わりの実施形態の概略図である。
【図2D】本発明にしたがうリアクタの放出システムの概略図である。
【符号の説明】
【0056】
10 リアクタ
20 中央流路
30 下部分
40 中間部分
50 担体要素
60 供給ライン
70 放出システム
80 管
90 分離システム
91 案内要素
92 案内要素
93 案内要素
94 案内要素
96 ガス収集区画
98 第一ガス放出手段
100 抜取り手段
101 抜取り手段
110 第二ガス放出ライン
120 流れ障害
130 再循環システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
嫌気性廃水処理用のリアクタにして、以下の特徴、
(a)下向き方向に上部から延びる中央流路であって、上側リアクタ境界から第一間隔を有して上部で終端し、且つ下側リアクタ境界から第二間隔を有して底部で終端する中央流路、
(b)中央流路とリアクタ壁との間の環状空間に、流路の全高に対して又は流路の部分的な高さに対して、構造化され、整列させられた固定床の形態で微生物を固定化するための担体要素が置かれ、隣接する担体要素の間に流れ経路が設けられること、
(c)リアクタの下側境界と担体要素との間のリアクタ下部分は、リアクタの運転中に、その中で浮遊する微生物を有する廃水を受けるために意図された空間形状であること、
(d)リアクタの上側境界と担体要素との間のリアクタの上部分、
(e)リアクタの内部の流れに関しては、リアクタは、その中に含まれる廃水が下向き方向で中央流路を通り、その後、下部分で前記空間を通り、その後上向き方向で担体要素に沿い、最後に再び中央流路へ循環させることができるようなループタイプ塔リアクタの形態であること、
(f)処理される廃水及び初めてリアクタへ導入される廃水のための供給ライン、
(g)リアクタから処理された廃水を最終的に放出するための放出システム、
を備えて成る嫌気性廃水処理用のリアクタ。
【請求項2】
下部分での空間が、その中で浮遊する微生物ペレットを有する廃水を受けるために意図されることを特徴とする請求項1に記載のリアクタ。
【請求項3】
プレート形状の担体要素が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクタ。
【請求項4】
複数の担体要素のパッケージが、リアクターの外周に亘って分配され、それぞれのパッケージ内部のプレート形状の担体要素は、互いに平行で、且つリアクターの接線方向に配置されることを特徴とする請求項3に記載のリアクタ。
【請求項5】
隣接する担体要素の間の流れ経路が、3〜6cmの幅、好ましくは3.5〜5.5cmの幅を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項6】
担体要素を通り抜けて流れることを可能とする多孔質の担体要素を設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項7】
互いに一体化されたプラスチック粒子と発泡粘土粒子とから実質的になる担体要素を設けることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項8】
廃水用の抜取り手段と中央流路へ流れ送出しのための供給手段とを備えて成る再循環システムによって特徴付けられる請求項1〜7のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項9】
抜取り手段は、二つのプレート状要素の間の中間空間に加えて、前記中間空間で始まる導管を備えて成ることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項10】
放出システムが、再循環システムの抜取り手段上方で距離を置くことを特徴とする請求項8〜9のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項11】
リアクタの廃水中に浮遊する微生物を保持するために利用される分離システムが、リアクタの上部分における放出システムの下方に設けられることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項12】
分離システムが、中央流路の上端部の上方に間隔をあけて離れて設けられる隔壁を備えて成り、リアクタ断面領域の大部分を覆う一方で外側の環状領域を解放状態にすることを特徴とする請求項11に記載のリアクタ。
【請求項13】
隔壁が水平方向に広がらず、且つ、最も高い部分でガス収集空間を形成する部分を有することを特徴とする請求項12に記載のリアクタ。
【請求項14】
隔壁が、おおよそ、最も高い部分から外側へ下方に傾斜して広がり、且つ内側へ下方に傾斜して広がることを特徴とする請求項13に記載のリアクタ。
【請求項15】
再循環システムの抜取り手段が、隔壁の上側に置かれることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項16】
リアクタで形成されたガス用の第一放出ラインが、リアクタの上部分で始まることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項17】
リアクタで形成されたガス用の第二放出ラインが、隔壁の領域で始まることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項18】
担体プレートが、リアクタ容積の15〜40%、好ましくは20〜30%で置かれることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項19】
リアクタの下部分が、その壁に置かれる流れ偏向手段を有することを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項20】
中央流路の下端部の下方で終端する少なくとも一つの駆動噴出放出口によって特徴付けられる請求項1〜19のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項21】
異なった種類の微生物が、一方では固定化微生物として、他方では浮遊する微生物として設けられるように構成されることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項22】
リアクタでの嫌気性廃水処理用のプロセスにして、廃水が、
(a)上方から下方に中央で流れ、
(b)その後、リアクタ下部分での空間で、廃水中に浮遊する微生物と接触し、
(c)その後、その上方に配置されるリアクタ空間で微生物に沿って流れ、微生物は、構造化され、整列させられた固定床の形態で担体要素に配置され、
(d)最終的に、上方から下方への中央の流れに再び合流する
ように、処理される廃水が循環するリアクタでの嫌気性廃水処理用のプロセス。
【請求項23】
担体要素の微生物を通り過ぎて流れる際に、廃水の一部が分岐され、中央流路へ送り込まれることを特徴とする請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
浮遊する微生物ペレットが、処理空間に存在することを特徴とする請求項22〜23のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項25】
廃水中に浮遊する微生物が、分離システムによってリアクタ内に保持されることを特徴とする請求項22〜24のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項26】
異なった種類の微生物が、一方では固定化微生物として、他方では浮遊する微生物として設けられることを特徴とする請求項20〜25のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項27】
飲料産業、飼料産業又は食品加工産業の設備の嫌気性廃水処理用の請求項1〜21のいずれか一項に記載のリアクタ、又は、請求項22〜26のいずれか一項に記載のプロセスの使用。
【請求項28】
製紙産業又は繊維産業の設備の嫌気性廃水処理用の請求項1〜21のいずれか一項に記載のリアクタ、又は、請求項22〜26のいずれか一項に記載のプロセスの使用。
【請求項1】
嫌気性廃水処理用のリアクタにして、以下の特徴、
(a)下向き方向に上部から延びる中央流路であって、上側リアクタ境界から第一間隔を有して上部で終端し、且つ下側リアクタ境界から第二間隔を有して底部で終端する中央流路、
(b)中央流路とリアクタ壁との間の環状空間に、流路の全高に対して又は流路の部分的な高さに対して、構造化され、整列させられた固定床の形態で微生物を固定化するための担体要素が置かれ、隣接する担体要素の間に流れ経路が設けられること、
(c)リアクタの下側境界と担体要素との間のリアクタ下部分は、リアクタの運転中に、その中で浮遊する微生物を有する廃水を受けるために意図された空間形状であること、
(d)リアクタの上側境界と担体要素との間のリアクタの上部分、
(e)リアクタの内部の流れに関しては、リアクタは、その中に含まれる廃水が下向き方向で中央流路を通り、その後、下部分で前記空間を通り、その後上向き方向で担体要素に沿い、最後に再び中央流路へ循環させることができるようなループタイプ塔リアクタの形態であること、
(f)処理される廃水及び初めてリアクタへ導入される廃水のための供給ライン、
(g)リアクタから処理された廃水を最終的に放出するための放出システム、
を備えて成る嫌気性廃水処理用のリアクタ。
【請求項2】
下部分での空間が、その中で浮遊する微生物ペレットを有する廃水を受けるために意図されることを特徴とする請求項1に記載のリアクタ。
【請求項3】
プレート形状の担体要素が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクタ。
【請求項4】
複数の担体要素のパッケージが、リアクターの外周に亘って分配され、それぞれのパッケージ内部のプレート形状の担体要素は、互いに平行で、且つリアクターの接線方向に配置されることを特徴とする請求項3に記載のリアクタ。
【請求項5】
隣接する担体要素の間の流れ経路が、3〜6cmの幅、好ましくは3.5〜5.5cmの幅を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項6】
担体要素を通り抜けて流れることを可能とする多孔質の担体要素を設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項7】
互いに一体化されたプラスチック粒子と発泡粘土粒子とから実質的になる担体要素を設けることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項8】
廃水用の抜取り手段と中央流路へ流れ送出しのための供給手段とを備えて成る再循環システムによって特徴付けられる請求項1〜7のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項9】
抜取り手段は、二つのプレート状要素の間の中間空間に加えて、前記中間空間で始まる導管を備えて成ることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項10】
放出システムが、再循環システムの抜取り手段上方で距離を置くことを特徴とする請求項8〜9のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項11】
リアクタの廃水中に浮遊する微生物を保持するために利用される分離システムが、リアクタの上部分における放出システムの下方に設けられることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項12】
分離システムが、中央流路の上端部の上方に間隔をあけて離れて設けられる隔壁を備えて成り、リアクタ断面領域の大部分を覆う一方で外側の環状領域を解放状態にすることを特徴とする請求項11に記載のリアクタ。
【請求項13】
隔壁が水平方向に広がらず、且つ、最も高い部分でガス収集空間を形成する部分を有することを特徴とする請求項12に記載のリアクタ。
【請求項14】
隔壁が、おおよそ、最も高い部分から外側へ下方に傾斜して広がり、且つ内側へ下方に傾斜して広がることを特徴とする請求項13に記載のリアクタ。
【請求項15】
再循環システムの抜取り手段が、隔壁の上側に置かれることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項16】
リアクタで形成されたガス用の第一放出ラインが、リアクタの上部分で始まることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項17】
リアクタで形成されたガス用の第二放出ラインが、隔壁の領域で始まることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項18】
担体プレートが、リアクタ容積の15〜40%、好ましくは20〜30%で置かれることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項19】
リアクタの下部分が、その壁に置かれる流れ偏向手段を有することを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項20】
中央流路の下端部の下方で終端する少なくとも一つの駆動噴出放出口によって特徴付けられる請求項1〜19のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項21】
異なった種類の微生物が、一方では固定化微生物として、他方では浮遊する微生物として設けられるように構成されることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載のリアクタ。
【請求項22】
リアクタでの嫌気性廃水処理用のプロセスにして、廃水が、
(a)上方から下方に中央で流れ、
(b)その後、リアクタ下部分での空間で、廃水中に浮遊する微生物と接触し、
(c)その後、その上方に配置されるリアクタ空間で微生物に沿って流れ、微生物は、構造化され、整列させられた固定床の形態で担体要素に配置され、
(d)最終的に、上方から下方への中央の流れに再び合流する
ように、処理される廃水が循環するリアクタでの嫌気性廃水処理用のプロセス。
【請求項23】
担体要素の微生物を通り過ぎて流れる際に、廃水の一部が分岐され、中央流路へ送り込まれることを特徴とする請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
浮遊する微生物ペレットが、処理空間に存在することを特徴とする請求項22〜23のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項25】
廃水中に浮遊する微生物が、分離システムによってリアクタ内に保持されることを特徴とする請求項22〜24のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項26】
異なった種類の微生物が、一方では固定化微生物として、他方では浮遊する微生物として設けられることを特徴とする請求項20〜25のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項27】
飲料産業、飼料産業又は食品加工産業の設備の嫌気性廃水処理用の請求項1〜21のいずれか一項に記載のリアクタ、又は、請求項22〜26のいずれか一項に記載のプロセスの使用。
【請求項28】
製紙産業又は繊維産業の設備の嫌気性廃水処理用の請求項1〜21のいずれか一項に記載のリアクタ、又は、請求項22〜26のいずれか一項に記載のプロセスの使用。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【公表番号】特表2007−506542(P2007−506542A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527380(P2006−527380)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012299
【国際公開番号】WO2005/042418
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(500468489)ヘルディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング フィルターテヒニク (2)
【出願人】(506101964)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012299
【国際公開番号】WO2005/042418
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(500468489)ヘルディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング フィルターテヒニク (2)
【出願人】(506101964)
【Fターム(参考)】
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