孔形成装置および画像形成装置
【課題】媒体に孔を形成する孔形成部材と孔形成時に孔形成部材が通過する開口との干渉を低減すること。
【解決手段】空間を空けて対向して配置され媒体(S)を案内する案内部材(27)との間で伝熱可能に接続され且つ放熱可能な放熱部(HB,HB′)と搬送路(SH5)を搬送される媒体(S)の厚み方向に貫通して孔を形成する貫通位置と媒体(S)から離間する離間位置との間を移動する複数の孔形成部材(51)と案内部材(27)に形成され且つ貫通位置に移動する各孔形成部材(51)が貫通する複数の開口(27a〜27d)であって放熱部(HB,HB′)から最も遠い位置に配置された開口(27d,27b′)が他の開口(27a〜27c,27a,27c,27d′)に比べて大きく形成された複数の開口(27a〜27d,27a〜27d′)とを備えたことを特徴とする孔形成装置(PU)。
【解決手段】空間を空けて対向して配置され媒体(S)を案内する案内部材(27)との間で伝熱可能に接続され且つ放熱可能な放熱部(HB,HB′)と搬送路(SH5)を搬送される媒体(S)の厚み方向に貫通して孔を形成する貫通位置と媒体(S)から離間する離間位置との間を移動する複数の孔形成部材(51)と案内部材(27)に形成され且つ貫通位置に移動する各孔形成部材(51)が貫通する複数の開口(27a〜27d)であって放熱部(HB,HB′)から最も遠い位置に配置された開口(27d,27b′)が他の開口(27a〜27c,27a,27c,27d′)に比べて大きく形成された複数の開口(27a〜27d,27a〜27d′)とを備えたことを特徴とする孔形成装置(PU)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、孔形成装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置本体で画像記録された媒体に対して、綴じ用の孔いわゆるパンチ孔をあけるための孔形成装置、いわゆるパンチユニットを備えた画像形成装置として、例えば、下記の特許文献1、2に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開平11−263527号公報には、画像形成装置本体(B)から排出される用紙を用紙後処理装置(A)に搬入する中間装置(C)にパンチユニット(100)を設けた画像形成装置が記載されており、前記画像形成装置(B)の定着装置でトナー像が定着される際に定着装置から熱を付与された用紙が、前記中間装置(C)に搬送されて、パンチユニット(100)を通過する構成が記載されている。
【0004】
特許文献2としての特開2002−3045号公報には、複写機本体(101)から排出されたシートをシート処理装置(102)に設けられたパンチユニット(40)に搬入する複写機(100)が記載されており、トナー像を転写されたシートが複写機本体(101)の発熱体としての定着手段(6)で加熱加圧された後、前記シート処理装置(102)に送り込まれ、パンチユニット(40)の押圧部材(40h)によって、上フレーム(40j)に押圧され、前記上フレーム(40j)を擦りながら前記パンチユニット(40)内を通過する構成が記録されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−263527号公報(「0012」〜「0016」、「0020」、「0021」、「0029」、「0034」、「0035」図1、図2、図6、図7、図11)
【特許文献2】特開2002−3045号公報(「0005」〜「0007」、「0020」、「0025」、図1、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、媒体に孔を形成する孔形成部材と孔形成時に前記孔形成部材が通過する開口との干渉を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の孔形成装置は、
媒体が搬送される搬送路を構成する空間を空けて対向して配置され、媒体を案内する案内部材と、
前記案内部材との間で伝熱可能に接続され且つ放熱可能な放熱部と、
前記搬送路を搬送される媒体の厚み方向に貫通して、媒体に孔を形成する貫通位置と、媒体から離間する離間位置との間を移動する複数の孔形成部材と、
前記案内部材に形成され且つ前記貫通位置に移動する各孔形成部材が貫通する複数の開口であって、前記放熱部から最も遠い位置に配置された開口が他の開口に比べて大きく形成された前記複数の開口と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の孔形成装置において、
前記案内部材の媒体幅方向両端部に配置された前記放熱部と、
媒体幅方向に沿って間隔を空けて形成された前記複数の開口であって、前記放熱部から最も遠い位置である媒体幅方向の中央部に配置された開口が、他の開口と比べて大きく形成された前記複数の開口と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の孔形成装置において、
前記案内部材の媒体幅方向の一端部に配置された前記放熱部と、
媒体幅方向に沿って間隔を空けて形成された前記複数の開口であって、前記放熱部から最も遠い位置である媒体幅方向の他端側に配置された開口が、他の開口に比べて大きく形成された前記複数の開口と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
前記技術的課題を解決するために、請求項4に記載の画像形成装置は、
回転する像保持体と、
前記像保持体表面を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する現像器と、
前記像保持体表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
媒体表面の可視像を加熱定着する定着装置と、
前記定着装置の媒体搬送方向下流側に配置され、加熱定着後の媒体に孔を形成する請求項1ないし3のいずれかに記載の孔形成装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1,4に記載の発明によれば、複数の開口が全て同じ大きさに形成された構成と比べて、媒体に孔を形成する孔形成部材と孔形成時に前記孔形成部材が通過する開口との干渉を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、複数の開口が全て同じ大きさに形成された従来の構成と比べて、放熱部から最も遠く熱変形しやすい媒体方向の中央部において、孔形成部材と開口との干渉を低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、複数の開口が全て同じ大きさに形成された従来の構成と比べて、放熱部から最も遠く熱変形しやすい媒体方向の他端部において、孔形成部材と開口との干渉を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
【図3】図3は実施例1のパンチユニットの上方から見た説明図であり、図3Aは、パンチユニットを上方から見た説明図、図3Bは、パンチユニットの温度分布図である。
【図4】図4は実施例1のパンチユニットの斜視説明図である。
【図5】図5は図4の矢印V方向から見た図である。
【図6】図6は実施例1のパンチユニットの部分断面図である。
【図7】図7はパンチユニットの説明図であり、図7Aは図4のパンチユニットから上側枠体取り外した状態の説明図、図7Bはスライダの要部説明図である。
【図8】図8は孔形成部材の要部説明図である。
【図9】図9は図8の矢印IX方向から見た図である。
【図10】図10は実施例1のパンチユニットの駆動伝達部材の要部説明図である。
【図11】図11は実施例1のパンチユニットの案内部材の説明図であり、下方からみた説明図である。
【図12】図12は図11に示す状態から下側案内部材を取り外した状態の説明図である。
【図13】図13は図12に示す状態から上側媒体案内部材を取り外した状態の説明図である。
【図14】図14は実施例1のパンチユニットの孔形成部材が初期位置に移動した状態の説明図である。
【図15】図15は実施例1のパンチユニットの孔形成部材が四孔形成位置に移動した状態の説明図である。
【図16】図16は実施例1のパンチユニットの孔形成部材が二孔形成位置に移動した状態の説明図である。
【図17】図17は実施例2のパンチユニットの上方から見た説明図であり、図17Aは、パンチユニットを上方から見た説明図、図17Bは、パンチユニットの温度分布図である。
【図18】図18は実施例2のパンチユニットの部分断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な構成や部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0014】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例であるプリンタUは、画像形成装置本体U1を備えている。前記プリンタUに電気的に接続された画像情報送信装置の一例としての情報処理装置PCから送信された画像情報は、制御部Cに入力される。前記制御部Cに入力された画像情報は、所定の時期に潜像形成用の黄色Y、マゼンタM、シアンC、黒Kの画像情報に変換され、潜像形成装置駆動回路DLに出力される。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒Kのみの画像情報が潜像形成装置駆動回路DLに入力される。
前記潜像形成装置駆動回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を所定の時期に、各色毎に配置された潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHkに出力する。
【0015】
図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
図1、図2において、前記プリンタUの重力方向中央部に配置された可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukはそれぞれ、Y,M,C、およびKの各色の可視像を形成する装置である。
潜像形成装置LHy〜LHkの各潜像書込光源から出射したY,M,C,Kの潜像書込光Ly,Lm,Lc,Lkは、それぞれ、回転する像保持体PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。なお、実施例1では、前記潜像形成装置LHy〜LHkは、いわゆる、LEDアレイにより構成されている。
前記Yの可視像形成装置Uyは、回転する像保持体PRy、帯電装置の一例としての帯電器CRy、潜像形成装置LHy、現像器Gy、1次転写器T1y、像保持体清掃器CLyを有している。なお、実施例1では、前記像保持体PRy、帯電器CRy、像保持体清掃器CLyが、画像形成装置本体U1に対して一体的に着脱可能な像保持体ユニットとして構成されている。
前記可視像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記Yの可視像形成装置Uyと同様に構成されている。
【0016】
図1,図2において、前記各像保持体PRy,PRm,PRc,PRkはそれぞれの帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより帯電された後、画像書込位置Q1y,Q1m,Q1c,Q1kにおいて、前記潜像書込光Ly,Lm,Lc,Lkにより、その表面に静電潜像が形成される。前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤保持体の一例としての現像ロールGRy,GRm,GRc,GRkに保持された現像剤により可視像の一例としてのトナー像に現像される。前記現像器Gy,Gm,Gc,Gkで現像剤が消費されると、現像剤補給容器Ky,Km,Kc,Kkから、それぞれ現像剤が補給される。
その現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定の時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
【0017】
前記各像保持体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留物、付着物は、像保持体清掃器CLy,CLm,CLc,CLkにより清掃される。清掃された前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面は、帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。
【0018】
前記像保持体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能な中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、中間転写体駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、中間転写体張架部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRfおよび2次転写領域対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは、前記各ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより構成される中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより回転移動可能に支持されている。
【0019】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されており、前記各ロールT2a,T2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域には2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
前記1次転写器T1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび2次転写器T2等により、実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。また、前記可視像形成装置Uy〜Ukおよび転写装置T1+T2+Bとにより、実施例1の画像記録部Uy〜Uk+T1+T2+Bが構成されている。
【0020】
前記可視像形成装置Uy〜Ukの下方には、ガイド部材の一例としての左右一対のガイドレールGRが4段設けられており、前記ガイドレールGRには、給紙容器の一例としての給紙トレイTR1〜TR4が前後方向に出入可能に支持されている。給紙トレイTR1〜TR4に収容された媒体の一例としての記録シートSは、搬送部材の一例であって、送り出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。そして、記録シートSは、媒体の搬送路の一例である給紙路SH1に沿って、搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送され、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側に配置された転写領域搬送時期調節部材の一例としてのレジロールRrに送られる。
前記ピックアップロールRp、さばきロールRs等により、実施例1の給紙装置Rp+Rsが構成されている。
また、前記最上段の給紙トレイTR1の左方には、手差し給紙部の一例としての手差しトレイTR0が設置されている。前記手差しトレイTR0に支持された記録シートSは、手差し給紙部材の一例としての手差し給紙ロールRp0により給紙され、手差し搬送路SH0を搬送され、レジロールRrに送られる。
【0021】
レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて、前記記録シートSを前記給紙路SH1の下流側の搬送路の一例としての主搬送路SH2に搬送し、記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。記録シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地され、2次転写器T2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のトナー像は、前記2次転写器T2により記録シートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
【0022】
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着装置Fの加熱用定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧用定着部材の一例としての加圧ロールFpの圧接領域である定着領域Q5に搬送され、前記定着領域を通過する際に加熱定着される。なお、前記加熱ロールFh表面には、記録シートSの前記加熱ロールからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
前記定着装置Fの搬送方向下流側である上方には、記録シートSを排出媒体積載部の一例としての排紙トレイTRhに向けて搬送する搬送路の一例としての排紙路SH3が配置されている。したがって、排紙トレイTRhに向けて搬送される場合には、定着された記録シートSが排紙路SH3を搬送され、媒体排出口の一例としてのシート排出口SH3aから排紙ロールRhにより搬送される。
【0023】
図1において、前記給紙路SH1には、媒体検知部材の一例として、各給紙トレイTR1〜TR4から給紙された記録シートSを検出するための第1給紙路センサSN1、第2給紙路センサSN2、第3給紙路センサSN3、第4給紙路センサSN4が配置されている。
前記各搬送路SH1〜SH3により実施例1の搬送路SHが構成されており、前記搬送路SH、給紙装置Rp+Rs、シート搬送ロールRa、レジロールRr、排紙ロールRh等により媒体搬送装置SH+Ra〜Rhが構成されている。
【0024】
図1において、実施例1では、下側の3段分の給紙トレイTR2〜TR4の左方には、上流側開放部材の一例としての下カバーU1aが、図1の実線で示す通常位置と、図1の破線で示す開放位置との間で開閉可能に支持されている。前記下カバーU1aには、給紙トレイTR2〜TR4の左方の給紙路SH1の左側の案内、いわゆるガイドや、一対の搬送ロールRaの外側が支持されている。したがって、下カバーU1aを開放位置に移動させることで、給紙路SH1の下部、すなわち、搬送方向上流側の上流側給紙路SH1aが開放される。
【0025】
(シート搬送ユニットU2の説明)
図1において、実施例1の前記プリンタUは、前記排紙トレイTRhに着脱可能に装着された記録済み媒体搬送装置の一例としてのシート搬送ユニットU2を有する。前記シート搬送ユニットU2は、前記画像形成装置本体U1のシート排出口SH3aに接続する一側面に、前記排紙ロールRhから排出された記録シートSが搬入される搬送装置搬入口の一例としてのシート搬入口U2aが設けられている。前記シート搬入口U2aから搬入された前記記録シートSは、前記シート搬送ユニットU2内部に配置された記録済媒体搬送部材の一例としての記録済媒体搬送ロールRa2により、媒体搬送路の一例としての連絡用搬送路SH5を搬送される。前記連絡用搬送路SH5を搬送された記録シートSは、シート搬送ユニットU2の他側面に形成された搬送装置排出口の一例としてのシート排出口U2bから排出される。
【0026】
図1において、実施例1のシート搬送ユニットU2は、媒体搬送方向の長さである左右方向の長さが、排紙トレイTRhの媒体搬送方向の長さに比べて短く形成されている。したがって、プリンタUは、前記シート搬送ユニットU2の右端部と画像形成装置本体U1の右端部とにより右上端部が段差状に構成され、前記排紙トレイTRhの上方且つシート排出口U2bの排出方向下流側には、後処理装置連結空間U2cが形成されている。
図1において、前記シート搬送ユニットU2の連絡用搬送路SH5上には、孔形成装置の一例として、記録シートに綴じ孔、いわゆるパンチ孔をあけるパンチユニットPUが配置されている。なお、パンチユニットPUの構成については、後で詳述する図3〜図16で説明する。
【0027】
(後処理装置U3の説明)
また、図1において、実施例1のプリンタUは、前記シート搬送ユニットU2に接続され、前記シート排出口U2bから排出された前記記録シートSに、後処理を行う後処理装置U3を有する。実施例1の後処理装置U3は、画像形成装置本体U1の右側壁に対向して配置される左側壁H1と、左側壁H1の上端部に配置され且つ左側壁H1に対して画像形成装置本体U1側に突出して形成された後処理装置搬入部の一例としての搬入凸部H2とを有する。
前記搬入凸部H2には、シート排出口U2bに接続される後処理装置搬入口の一例としてのシート搬入口U3aが形成されており、後処理装置U3が画像形成装置本体U1に連結される際に、前記後処理装置連結空間U2cに食い込むように配置される。したがって、食い込むように配置されていない場合に比べて、後処理装置U3装着後の画像形成装置U全体の大きさが小型化される。
【0028】
また、前記搬入凸部H2の内部には、前記シート搬入口U3aから搬入された記録シートSが搬送される媒体搬送路の一例としての折り筋形成搬送路SH6が形成されている。前記折り筋形成搬送路SH6の搬送方向上流端のシート搬入口U3a近傍には、搬入される記録シートSを下流側に搬送したり、所定の位置で一時停止させる等の搬送の制御が行われる媒体搬送制御部材の一例としての後処理レジロールU3bが配置されている。実施例1の後処理レジロールU3bは、駆動や駆動停止可能に構成されており、記録シートSの下流側への搬送の時期を制御すると共に、記録シートSの前端を突き当てて湾曲させることで、記録シートSの姿勢、いわゆる用紙アライメントが補正可能に構成されている。
前記折り筋形成搬送路SH6において、後処理レジロールU3bの媒体搬送方向下流側には、折り筋形成装置U4が配置されている。前記折り筋形成装置U4は、回転軸U4aを中心に回転する偏心カムU4bと、偏心カムU4bの回転に伴って上下動する折り筋形成部材U4cを有し、折り筋形成搬送路SH6で停止された記録シートSに折り筋形成装置U4が押し当てられることで前後方向に沿った折り筋が形成される。なお、実施例1では、折り筋形成装置U4と後処理レジロールU3bが共に後処理装置U3に支持されており、後処理レジロールU3bがシート搬送装置U2に設けられている場合に比べて、シート搬送装置U2や後処理装置U3を画像形成装置U1に装着する際の公差や取り付け誤差等によるズレが少なくなっている。
【0029】
前記折り筋形成搬送路SH6の下流側に搬送された記録シートSは、第1切替部材U3dの切替えにより、右上に延びる上端排出路SH7または下方に延びる第1後処理搬送路SH8のいずれかに搬送される。また、第1後処理搬送路SH8には第2後処理搬送路SH9が接続されており、その接続部に配置された第2切替部材U3eにより記録シートSは第1後処理搬送路SH8または第2後処理搬送路SH9のいずれかに搬送される。
【0030】
前記上端排出路SH7に搬送された記録紙Sはそのまま、後処理を行われることなく、上端排出口P0から上端排出部TH0に排出される。
第1後処理搬送路SH8の下流側には、端綴じ装置HTSが配置されている。前記端綴じ装置HTSは、複数の記録紙Sを積載して揃え、記録紙束の端部にコの字形の針を記録紙束に打ち込んで綴じたり、綴じずに揃えて端綴じ排出部TH1に排出する端綴じ処理を実行する。
第2後処理搬送路SH9の下流側には、中綴じ装置NTSが配置されている。前記中綴じ装置NTSは、複数の記録紙Sを積載して揃え、記録紙束の中央部をコの字形の針で綴じた後2つ折りにして中綴じ排出部TH2に排出したり、あるいは綴じずに二つ折りにして排出する中綴じ処理を実行する。
なお、前記端綴じ装置HTSや中綴じ装置NTSは、従来公知であり、例えば、特開2003−89462号公報、特開2003−89463号公報等に記載されているため、詳細な説明は省略する。
【0031】
(パンチユニットの説明)
図1において、実施例1のパンチユニットPUは、パンチユニット本体PU1と、パンチユニット本体PU1により記録シートSに孔が形成された際に発生する孔屑を受ける屑受け容器PU2とを有する。
【0032】
(上側フレームの説明)
図3は実施例1のパンチユニットの上方から見た説明図であり、図3Aは、パンチユニットを上方から見た説明図、図3Bは、パンチユニットの温度分布図である。
図4は実施例1のパンチユニットの斜視説明図である。
図5は図4の矢印V方向から見た図である。
図6は実施例1のパンチユニットの部分断面図である。
図7はパンチユニットの説明図であり、図7Aは図4のパンチユニットから上側枠体取り外した状態の説明図、図7Bはスライダの要部説明図である。
図8は孔形成部材の要部説明図である。
図9は図8の矢印IX方向から見た図である。
図10は実施例1のパンチユニットの駆動伝達部材の要部説明図である。
図3〜図10において、パンチユニット本体PU1は、枠体の一例として、前後方向に延びる上側フレーム21を有する。図3〜図8において、前記上側フレーム21は、搬送路形成部の一例としての底壁部22と、前記底壁部22のシート搬送方向上流端から上方に延びる上流端壁部23と、前記上流端壁部23の上端からシート搬送方向下流側に延びる頂壁部24とを有する。なお、実施例1の上側フレーム21は、強度を持たせるために金属、いわゆる板金により構成されている。
【0033】
図6において、前記底壁部22には、開口の一例として、前後方向に沿って予め定めた間隔をあけて4つの上側パンチ通過孔22a,22b,22c,22dが前方から順番に同径で形成されている。
図4、図5において、前記上流端壁部23には、前記上側パンチ通過孔22a〜22dに対応して、歯車軸回転支持部23aが4つ形成されている。また、前記歯車軸回転支持部23aの上方には、孔形成部材移動案内部の一例として、上下方向に延びる長孔により構成されたパンチガイド長孔23bが4つ形成されている。
図8において、前記頂壁部24には、孔形成部材保護部材の一例として、前記上側パンチ通過孔22a〜22dに対応する位置にパンチカバー装着孔24aが形成されている。
【0034】
(下側フレームの説明)
図11は実施例1のパンチユニットの案内部材の説明図であり、下方からみた説明図である。
図4、図5において、前記上側フレーム21の下側には、下側フレーム26が両端部で固定支持されている。図5、図11において、前記下側フレーム26は、搬送路形成部材の一例として、上側フレーム21の底壁部22に間隔をあけて対向して配置された案内部材の一例としての下側ガイド壁27と、前記下側ガイド壁27のシート搬送方向上流端から下方に折れ曲がって形成された下側搬入部材支持部の一例としてのシュート取付部28とを有する。図6において、前記下側ガイド壁27には、複数の開口の一例、および、下側孔形成部材通過孔の一例として、前記上側パンチ通過孔22a,22b,22c,22dに対応する位置に、前後方向に沿って予め定められた間隔をあけて4つの下側パンチ通過孔27a,27b,27c,27dが前方から順に形成されている。前記下側パンチ通過孔27a〜27dのうち、前側の3つの前記下側パンチ通過孔27a〜27cの径は同径に形成されており、開口の一例として、最も後側に形成された下側パンチ通過孔27dの径は、前記下側パンチ通過孔27a〜27cよりも大径に形成されている。
【0035】
前記下側パンチ通過孔27a〜27dには、鋭利部材であるパンチ部材の先端に利用者等が誤って触れないようにしてけがを防止するための安全保護部材の一例としての円筒状のキャップ27eが設けられている。なお、実施例1の下側フレーム26は、上側フレーム21と同様に板金で構成されている。
図4、図5、図11において、前記下側フレーム26のシュート取付部28には、記録シートSをパンチユニット本体PU1内部に案内する下側シュート29が固定支持されている。なお、実施例1の下側シュート29は、樹脂により構成されている。
【0036】
(上側シュートの説明)
図12は図11に示す状態から下側案内部材を取り外した状態の説明図である。
図13は図12に示す状態から上側媒体案内部材を取り外した状態の説明図である。
図4、図5、図13において、前記上側フレーム21の上流端壁部23には、下側シュート29に対応して配置され、記録シートSをパンチユニット本体PU1内部に案内する上側シュート31が固定支持されている。前記上側シュート31は、シート搬送方向上流側に配置されたシュート本体31aと、補強部の一例として前記シュート本体31aに連続して形成され且つ上側フレーム21の底壁部22の外周および前記上側パンチ通過孔22a〜22dを縁取るように形成されたリブ部31bとを有する。
【0037】
(マイラーの説明)
図8、図9、図12において、前記リブ部31bの下面には、媒体案内部材の一例として、薄膜状のマイラー32が固定支持されている。したがって、実施例1のマイラー32は、リブ部31bの厚みに対応する距離だけ、上側フレーム21の底壁部22との間に空間をあけて支持されている。図12において、前記マイラー32には、案内部孔形成部材通過部の一例として、前記上側パンチ通過孔22a,22b,22c,22dに対応する位置に、前後方向に沿って予め定められた間隔をあけて4つのマイラー側パンチ通過孔32a,32b,32c,32dが前方から順に同径で形成されている。
【0038】
また、実施例1のマイラー32は、上側フレーム21の底壁部22を構成する板金よりも熱伝導率が小さな樹脂材料により構成されている。したがって、リブ部31bを介して上側フレーム21に支持されたマイラー32と、下側フレーム26の下側ガイド壁27と間の隙間により、連絡用搬送路SH5の一部が形成されている。
図4〜図7、図10において、前記上側フレーム21および下側フレーム26のシート送方向下流側には、下流側案内部材の一例としての下流側ガイド34が支持されている。
【0039】
(モータユニットの説明)
図3、図7、図10〜図13において、前記上側フレーム21および下側フレーム26の前端部には、駆動源支持部の一例としてのモータ支持フレーム36が支持されている。
前記モータ支持フレーム36には孔形成用駆動源の一例としてのパンチ駆動モータユニット37が支持されている。前記パンチ駆動モータユニット37には、制御信号や電源を供給する接続部材の一例としてのケーブル37aが接続され、駆動の制御が行われる。図7、図10において、前記パンチ駆動モータユニット37には駆動歯車の一例としての駆動ギア37bが支持されている。前記駆動ギア37bの後方には、駆動伝達部材の一例として、駆動ギア37bに噛み合って駆動が伝達される中間ギア38がモータ支持フレーム36に回転可能に支持されている。前記中間ギア38の左端面の外周側には、移動方向変換部材の一例として、スライダ移動突起38aが突出して形成されている。
【0040】
また、前記モータ支持フレーム36の前端には、放熱部の一例として、放熱板HBが固定支持されている。すなわち、前記放熱板HBは、前記上側フレーム21に前後方向に沿って形成された4つの前記上側パンチ通過孔22a〜22dのうち、最も後側に形成された前記上側パンチ通過孔22dに対して最も離れた位置に配置されている。なお、実施例1の放熱板HBは、板金により構成されている。
【0041】
(スライダの説明)
図7、図9において、前記上側フレーム21の内側には、前後方向に延びる孔形成部材移動伝達部材の一例としてのスライダ41が、前後方向に沿って移動可能に支持されている。前記スライダ41は、前後方向に延びるスライダ本体42と、スライダ本体42の前端部に一体的に形成された移動力被付与部の一例としてのギア連結部43とを有する。
図7において、前記スライダ本体42には、移動時孔形成部材被案内部の一例として上側パンチ通過孔に対応する位置に、前後方向に延びる4つのスライド時パンチ通過長孔42aが形成されている。また、図9において、前記スライダ本体42の下面には、前記スライド時パンチ通過長孔42aそれぞれの左側に対応する位置に前後方向に沿って駆動伝達部の一例としてのラック歯42bが形成されている。
図7Bにおいて、前記ギア連結部43の右側面には、移動方向被変換部の一例として、中間ギア38側に突出する上下方向に沿って延びる一対の突起連動部43aが形成されており、一対の突起連動部43aの間に挟まれるように前記中間ギア38のスライダ移動突起38aが収容されている。
【0042】
(作動ギアの説明)
図4、図7〜図9において、前記上側フレーム21の歯車軸回転支持部23aには、歯車回転軸の一例としてのギア軸46が支持されており、前記ギア軸46には前記ラック歯42bに対応して、孔形成部材作動部材の一例としてのパンチ作動ギア47が回転可能に支持されている。図7において、実施例1の4つのパンチ作動ギア47は、扇形に形成されており、前後両端部に配置された2つの四孔用作動ギア48と、中央側に配置された2つの二孔用作動ギア49とを有する。
【0043】
図7、図10において、前記四孔用作動ギア48は、扇形の外周部に形成されて前記ラック歯42bに噛み合うギア歯48aを有する。また、四孔用作動ギア48には、ギア歯48aのギア軸46側に形成された孔形成部材作動部の一例としてのパンチ作動溝48bを有する。図10において、前記パンチ作動溝48bは、後側に形成され且つ扇形の円弧に沿って形成された非作動溝部48b1と、非作動溝部48b1の前側に連続して形成され且つ扇形の円弧よりもギア軸46側に向かう曲線状に形成された作動溝部48b2とを有する。
図7、図10において、前記二孔用作動ギア49は、四孔用作動ギア48と同様に、ラック歯42bに噛み合うギア歯49aと、パンチ作動溝49bとを有する。前記二孔用作動ギア49のパンチ作動溝49bは、前記作動溝部48b2と同様に形成された四孔時作動溝部49b2と、前記四孔時作動溝部49b2の後側に連続して形成され且つ前記四孔時作動溝部49b2と前後対称な形状に形成された二孔時作動溝部49b1とを有する。
【0044】
(パンチ部材の説明)
図8〜図10において、前記上側フレーム21の上側パンチ通過孔22a〜22dに対応する位置には、孔形成部材の一例として、上下方向に延びるパンチ部材51が配置されている。前記パンチ部材51には、孔形成被作動部材の一例として、パンチ部材51を左右方向に貫通するパンチ部材被作動軸52が連結されている。前記パンチ部材被作動軸52は、各作動ギア47のパンチ作動溝48b,49bを貫通し、上側フレーム21のパンチガイド長孔23bを貫通している。したがって、前記パンチ部材51は、パンチ部材被作動軸52がパンチガイド長孔23bにより案内されて、上下方向に移動可能に支持されている。よって、前記パンチ部材51は上部が、スライダ41のスライド時パンチ通過長孔42aを貫通して配置されており、パンチ部材51が上下方向に移動する際に、上側パンチ通過孔22a〜22dやマイラー側パンチ通過孔32a〜32d、下側パンチ通過孔27a〜27dを通過するように設定されている。
【0045】
図12、図13において、パンチ部材51の下端には記録シートSにパンチ孔を形成するために二又状に形成された先端部51aが形成されている。
図3〜図5、図7において、前記パンチ部材51の上端部には、保護部材の一例として、パンチカバー53が配置されており、パンチカバー53の爪部53aによりパンチカバー装着孔24aに固定されている。
【0046】
図14は実施例1のパンチユニットの孔形成部材が初期位置に移動した状態の説明図である。
図15は実施例1のパンチユニットの孔形成部材が四孔形成位置に移動した状態の説明図である。
図16は実施例1のパンチユニットの孔形成部材が二孔形成位置に移動した状態の説明図である。
図7、図10、図14において、実施例1のパンチユニットPU1では、パンチ孔を形成する後処理が実行されない状態では、初期位置である図14に示す位置に保持される。前記初期位置では、パンチ部材被作動軸52がギア軸46から最も離れた作動溝部48b、49bの中央部に接触しており、パンチ部材51が連絡用搬送路SH5から上方に退避し、搬送される記録シートSから離隔した離隔位置に保持される。
【0047】
図15において、記録シートSに4つのパンチ孔を形成する後処理が行われる場合、前記パンチ駆動モータユニット37が正回転駆動する。前記パンチ駆動モータユニット37が正回転駆動すると、スライダ移動突起38aが中間ギア38の回転に伴って後方に移動する。これにより、スライダ移動突起38aが突起連動部43aを後方に押し、スライダ41が後方にスライド移動する。なお、このとき、スライダ41は、スライド時パンチ通過長孔42aによりパンチ部材51により移動が妨げられることなく前後方向に移動可能に構成されている。
前記スライダ41が後方に移動すると、ラック歯42aも後方に移動し、噛み合う作動ギア47が後方に向けて回転する。前記作動ギア47が後方に回転すると、上下方向に移動可能に支持された4つのパンチ部材作動軸52が、それぞれ作動溝部48b2および四孔時作動溝部49b2に沿ってガイドされ、ギア軸46に近づく。これにより、前記パンチ部材作動軸52が連結された4つのパンチ部材51は、下方に降下して、連絡用搬送路SH5の記録シートSを貫通する貫通位置に移動する。前記パンチ部材51が記録シートSを貫通して4つのパンチ孔が形成されると、孔屑は下方の屑受け容器PU2に回収され、その後、パンチ駆動モータユニット37を逆回転駆動することで、図14に示す初期位置に戻る。
【0048】
図16において、記録シートSに2つのパンチ孔を形成する後処理が行われる場合、前記パンチ駆動モータユニット37が逆回転駆動する。前記パンチ駆動モータユニット37が逆回転駆動すると、スライダ移動突起38aが中間ギア38の回転に伴って前方に移動する。これにより、スライダ移動突起38aが突起連動部43aを前方に押し、スライダ41が前方にスライド移動する。前記スライダ41が前方に移動すると、ラック歯42aも前方に移動し、作動ギア47が図16に示すように前方に回転する。
【0049】
前記作動ギア47が前方に回転すると、前後両端に配置された四孔用作動ギア48を貫通するパンチ部材作動軸52は、円弧状の非作動溝部48b1に案内される。前記非作動溝48b1は、円弧状に形成されており、非作動溝部48b1とギア軸46との距離、すなわち、扇形の半径が一定であるため、パンチ部材作動軸52が上下方向に移動しない。すなわち、前後両側のパンチ部材51は離隔位置に保持されたままであり、記録シートSにパンチ孔を形成しない。
一方、前後方向中央側に配置された二孔用作動ギア49を貫通するパンチ部材作動軸52は、二孔時作動溝部49b1に案内され、下方に降下する。したがって、内側の2つのパンチ部材51は、貫通位置に移動し、記録シートSにパンチ孔を形成する。
よって、パンチ駆動モータユニット37が逆回転駆動することにより、記録シートSには、2つのパンチ孔が形成され、その後、パンチ駆動モータユニット37が正回転駆動することにより、図14に示す初期位置に戻る。
【0050】
また、前記符号21〜52を付した部材等により実施例1のパンチユニット本体PU1が構成されており、前記パンチユニット本体PU1と屑受け容器PU2とにより実施例1のパンチユニットPUが構成されている。
なお、実施例1では、前記パンチユニットPUは、いわゆるサービスエンジニアのような作業者がシート搬送ユニットU2に対して着脱することが可能なユニットとして構成されている。そして、前記パンチユニットPUが作動する際に、二孔形成または四孔形成に応じて、屑受け容器PU2に回収される孔屑を計数手段、いわゆるカウンタで計数しており、計数された孔屑の量で前記屑受け容器PU2が満杯になったか否かを判別することで、前記屑受け容器PU2の屑捨て時期をユーザーに報知している。また、前記パンチユニットPUは前記屑受け容器PU2と一体で構成されているため、パンチユニットの故障による交換、またはパンチユニットの種類変更による交換等で、前記パンチユニットPUの交換が検出されると、前記屑受け容器PU2は空になったと判断し、前記カウンタはリセットされるように設定されている。
前記スライダ移動突起38aや突起連動部43a、スライダ41、ラック歯42b、作動ギア47、パンチ部材被作動軸52等により、パンチ部材52を作動させる孔形成部材作動系の一例としてのパンチ作動系38a+41+42b+43a+47+52が構成されている。
【0051】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、画像記録部Uy〜Uk+T1+T2+Bで記録シートSに記録されたトナー像は、定着装置Fで加熱されて定着される。画像が定着された記録シートSは、パンチ孔が形成される場合には、連絡用搬送路SH5を搬送され、所定の位置で一時停止し、パンチユニットPUでパンチ孔が形成されて、下流側の後処理装置U3に搬送される。パンチ孔が形成された記録シートSに、端綴じや中綴じ、あるいは綴じずに整合するといった後処理が実行される場合には、後処理装置U3で後処置が実行される。パンチ孔が形成されず、そのほかの後処理が実行される場合には、記録シートSは、パンチユニットPUを通過して、後処理装置U3に搬送され、後処理が実行される。
【0052】
図1において、実施例1のパンチユニットPUは、連絡用搬送路SH5に配置されており、後処理装置U3に配置される場合に比べて、定着装置Fからの距離が近く、記録シートSが十分に冷却される前に前記パンチユニットPUを通過しやすい。したがって、前記連絡用搬送路SH5を搬送され、前記パンチユニットPU内に搬入された記録シートSによって、パンチユニットPUが加熱される。
加熱された前記パンチユニットPUでは、下側の下側ガイド壁27が受ける熱と、上側の底壁部22やパンチ部材51等が受ける熱に差があったり、前記下側ガイド壁27と、前記底壁部22等との熱膨張率に差があったりする場合がある。したがって、下側の前記下側ガイド壁27と、上側の前記底壁部22等とで熱膨張に差が生じることがあり、上側の前記パンチ部材51と下側パンチ通過孔27a〜27dの相対的位置が、予め定められた位置に対してずれることがある。
【0053】
ここで、実施例1のパンチユニットPUのモータ支持フレーム36の前方には、放熱板HBが固定支持されており、前記パンチユニットPUの受けた熱が、前記放熱板HBを介して、前記パンチユニットPUの外部に放熱される。
しかしながら、前記放熱板HBに近い前側と、後側とで熱の分布に隔たりが発生し、図3Bに示すように、前記放熱板HBから遠い後側ほど高温になり易い。
したがって、前記パンチユニットPUの下側ガイド壁27の後側において、熱膨張に差が生じるおそれがある。
【0054】
これに対して、図6において、実施例1のパンチユニットPUでは、下側パンチ通過孔27dの径が大径に形成されており、熱膨張の差が発生しやすい後側で、パンチ部材51と下側パンチ通過孔27dとの相対的位置がずれた場合にも、前記パンチ部材51と前記下側パンチ通過孔27dの縁との接触が回避される。
したがって、前記パンチユニットPU内に搬送された記録シートSに対して、前記パンチ部材51がパンチ孔を形成する後処理を行う際に、上下方向に移動する前記パンチ部材51と前記下側パンチ通過孔27dの縁との干渉、いわゆる、かじりの発生が低減される。
【0055】
また、実施例1では、かじりが発生するおそれのある下側パンチ通過孔27dのみが、他の下側パンチ通過孔27a〜27cよりも大径に形成されている。仮に全ての下側パンチ通過孔27a〜27dを大径にした場合、下側パンチ通過孔27a〜27dを通じて外部に音が漏れ易くなり、騒音の心配があるが、下側パンチ通過孔27dのみが大径の実施例1では、音漏れも最小限となっている。
また、全ての下側パンチ通過孔27a〜27dを大径にすると、記録シートSに後処理を行う場合に、下側パンチ通過孔27a〜27dと、パンチ部材51との隙間が大きくなり、記録シートSに形成されたパンチ孔の穴径に不良が生じるおそれがある。
しかしながら、下側パンチ通過孔27dのみが大径の実施例1では、記録シートSに形成されるパンチ孔の穴径に生じる不良のおそれが最小限となっている。
【実施例2】
【0056】
(パンチユニットの説明)
図17は実施例2のパンチユニットの上方から見た説明図であり、図17Aは、パンチユニットを上方から見た説明図、図17Bは、パンチユニットの温度分布図である。
図18は実施例2のパンチユニットの部分断面図である。
次に、本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
また、実施例2では、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0057】
図17において、実施例2のパンチユニット本体PU1の後端には、放熱部の一例として、放熱板HBと対をなす放熱板HB′が固定支持されている。なお、実施例2の放熱板HB′は、前記放熱板HBと同様に、板金により構成されている。
図18において、実施例2では、実施例1と異なり、複数の開口の一例としての4つの下側パンチ通過孔27a,27b′,27c,27d′のうち、前後一対の前記放熱板HB,HB′の両方から一番遠い位置に形成された開口の一例としての前から2番目の下側パンチ通過孔27b′のみが、他の3つの下側パンチ通過孔27a′,27c,27d′よりも大径に形成されている。すなわち、3つの下側パンチ通過孔27a,27c,27d′が同径に形成されている。
【0058】
(実施例2の作用)
図17において、実施例2のパンチユニットPUでは、放熱板HB,HB′に近い前後両端部と、前記放熱板HB,HB′の両方から遠い中央部とで熱分布に隔たりが発生し、図17Bに示すように、前記放熱板HB,HB′の両方から遠い中央部ほど高温になり易い。
これに対して、図18に示す、実施例2のパンチユニットPUでは、前記下側パンチ通過孔27a〜27d′のうち、高温になりやすい前記下側パンチ通過孔27b′の径が、大径に形成されており、熱による変形で、パンチ部材51と、前記下側パンチ通過孔27b′との相対位置がずれた場合にも、前記パンチ部材51と、前記下側パンチ孔27b′の縁との接触が回避され、かじりの発生が低減される。
また、かじりが発生するおそれがある前記下側パンチ通過孔27b′のみを大径にする実施例2の構成では、実施例1の下側パンチ通過孔27dのみを大径にする構成と同様に、4つの下側パンチ通過孔27a〜27dの全てを大径に形成する構成よりも、音漏れや、記録シートSに形成されるパンチ穴の穴径に生じる不良のおそれが最小限となっている。
【0059】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H08)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタUを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式やサーマルヘッド方式などをはじめリソグラフ等の印刷機等任意の画像形成方式の画像形成装置に適用可能である。さらに、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能であり、いわゆるタンデム式の画像形成装置に限定されず、ロータリ式等の画像形成装置にも適用可能である。
【0060】
(H02)前記実施例において、パンチユニットPUの前端に放熱板HBのみ、または、前後両端に前記放熱板HBと放熱板HB′の両方を固定支持し、前記放熱板HB、または、前記放熱板HB,HB′の両方から最も遠い位置に形成された下側パンチ通過孔27d、または、下側パンチ通過孔27b′を大径にする構成を2つ例示したが、これに限定されず、3つ以上の放熱板を固定支持する構成も可能である。
この場合、下側ガイド壁27上に発生する熱分布の隔たりに応じて、最も高温となる位置に対応するパンチ通過孔のみを大径とすることが考えられる。
すなわち、全ての放熱板から最も遠い位置に形成されたパンチ通過孔のみを大径とする構成が可能である。
【0061】
(H03)前記実施例において、全ての放熱板から最も遠い位置に形成されたパンチ通過孔のみを大径とし、他の3つのパンチ通過孔を同径とする構成を例示したが、これに限定されず、かじりの発生するおそれのある程度まで昇温するパンチ通過孔が2つ以上ある場合、全ての放熱板から最も遠い位置に加え、その他のパンチ通過孔も大径とする構成も可能である。
また、熱分布の隔たりに応じて、温度が低い位置のパンチ通過孔を小径にして、温度が上昇していくにつれて順に径を大きくしていく構成も可能である。
【0062】
(H04)前記実施例において、前記下側ガイド壁27に形成されたパンチ通過孔のみではなく、下側ガイド壁27上に形成されたパンチ通過孔に対応する底壁部22や、マイラー32に形成されたパンチ通過孔において、かじりが発生する程度まで昇温するパンチ通過孔が存在する場合に、かじりの発生のおそれがあるパンチ通過孔を大径に形成する構成も可能である。
(H05)前記実施例において、二孔または四孔を形成するパンチユニットPUの構成を例示したが、これに限定されず、二孔のみや、四孔のみのパンチ孔を形成したり、形成されるパンチ孔の間隔を変更したり、あるいは、三孔または五孔以上のパンチ孔を形成するパンチユニットを構成することも可能である。すなわち、使用用途や、使用地域等の規格に応じたパンチ孔を形成するパンチユニットにおいて、かじりの発生するおそれのあるパンチ通過孔を大径に形成する構成も可能である。
【0063】
(H06)前記実施例において、パンチユニットPU内に結露が発生した場合に、結露が記録シートSを濡らし、記録シートS上の画像を劣化させることを低減するマイラー32を有する構成が望ましいが、前記マイラー32を省略した構成も可能である。
(H07)前記実施例において、パンチユニットPUをシート搬送装置U2に設ける構成を例示したが、これに限定されず、パンチユニットPUを画像形成装置本体U1または後処理装置U3に設ける構成も可能である。
【0064】
(H08)前記実施例において、端綴じ装置HTS、中綴じ装置NTS、および、折り筋形成装置U4を設けた後処理装置U3を例示したが、これに限定されず、例えば、後処理装置U3に対して、特開2006−052033号公報記載の従来技術であるカール補正装置等を設けたり、また、前記端綴じ装置HTS、前記中綴じ装置NTS、および、前記折り筋形成装置U4を省略したり等、任意の構成も可能である。
【符号の説明】
【0065】
27…案内部材、
27a〜27d,27a〜27d′…複数の開口、
27d,27b′…開口、
B+T1+T2…転写装置、
CRk〜CRy…帯電装置、
F…定着装置、Gk〜Gy…現像器、
LHk〜LHy…潜像形成装置、
PRk〜PRy…像保持体、
PU…孔形成装置、
S…媒体、SH5…搬送路、U…画像形成装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、孔形成装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置本体で画像記録された媒体に対して、綴じ用の孔いわゆるパンチ孔をあけるための孔形成装置、いわゆるパンチユニットを備えた画像形成装置として、例えば、下記の特許文献1、2に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開平11−263527号公報には、画像形成装置本体(B)から排出される用紙を用紙後処理装置(A)に搬入する中間装置(C)にパンチユニット(100)を設けた画像形成装置が記載されており、前記画像形成装置(B)の定着装置でトナー像が定着される際に定着装置から熱を付与された用紙が、前記中間装置(C)に搬送されて、パンチユニット(100)を通過する構成が記載されている。
【0004】
特許文献2としての特開2002−3045号公報には、複写機本体(101)から排出されたシートをシート処理装置(102)に設けられたパンチユニット(40)に搬入する複写機(100)が記載されており、トナー像を転写されたシートが複写機本体(101)の発熱体としての定着手段(6)で加熱加圧された後、前記シート処理装置(102)に送り込まれ、パンチユニット(40)の押圧部材(40h)によって、上フレーム(40j)に押圧され、前記上フレーム(40j)を擦りながら前記パンチユニット(40)内を通過する構成が記録されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−263527号公報(「0012」〜「0016」、「0020」、「0021」、「0029」、「0034」、「0035」図1、図2、図6、図7、図11)
【特許文献2】特開2002−3045号公報(「0005」〜「0007」、「0020」、「0025」、図1、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、媒体に孔を形成する孔形成部材と孔形成時に前記孔形成部材が通過する開口との干渉を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の孔形成装置は、
媒体が搬送される搬送路を構成する空間を空けて対向して配置され、媒体を案内する案内部材と、
前記案内部材との間で伝熱可能に接続され且つ放熱可能な放熱部と、
前記搬送路を搬送される媒体の厚み方向に貫通して、媒体に孔を形成する貫通位置と、媒体から離間する離間位置との間を移動する複数の孔形成部材と、
前記案内部材に形成され且つ前記貫通位置に移動する各孔形成部材が貫通する複数の開口であって、前記放熱部から最も遠い位置に配置された開口が他の開口に比べて大きく形成された前記複数の開口と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の孔形成装置において、
前記案内部材の媒体幅方向両端部に配置された前記放熱部と、
媒体幅方向に沿って間隔を空けて形成された前記複数の開口であって、前記放熱部から最も遠い位置である媒体幅方向の中央部に配置された開口が、他の開口と比べて大きく形成された前記複数の開口と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の孔形成装置において、
前記案内部材の媒体幅方向の一端部に配置された前記放熱部と、
媒体幅方向に沿って間隔を空けて形成された前記複数の開口であって、前記放熱部から最も遠い位置である媒体幅方向の他端側に配置された開口が、他の開口に比べて大きく形成された前記複数の開口と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
前記技術的課題を解決するために、請求項4に記載の画像形成装置は、
回転する像保持体と、
前記像保持体表面を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する現像器と、
前記像保持体表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
媒体表面の可視像を加熱定着する定着装置と、
前記定着装置の媒体搬送方向下流側に配置され、加熱定着後の媒体に孔を形成する請求項1ないし3のいずれかに記載の孔形成装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1,4に記載の発明によれば、複数の開口が全て同じ大きさに形成された構成と比べて、媒体に孔を形成する孔形成部材と孔形成時に前記孔形成部材が通過する開口との干渉を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、複数の開口が全て同じ大きさに形成された従来の構成と比べて、放熱部から最も遠く熱変形しやすい媒体方向の中央部において、孔形成部材と開口との干渉を低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、複数の開口が全て同じ大きさに形成された従来の構成と比べて、放熱部から最も遠く熱変形しやすい媒体方向の他端部において、孔形成部材と開口との干渉を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
【図3】図3は実施例1のパンチユニットの上方から見た説明図であり、図3Aは、パンチユニットを上方から見た説明図、図3Bは、パンチユニットの温度分布図である。
【図4】図4は実施例1のパンチユニットの斜視説明図である。
【図5】図5は図4の矢印V方向から見た図である。
【図6】図6は実施例1のパンチユニットの部分断面図である。
【図7】図7はパンチユニットの説明図であり、図7Aは図4のパンチユニットから上側枠体取り外した状態の説明図、図7Bはスライダの要部説明図である。
【図8】図8は孔形成部材の要部説明図である。
【図9】図9は図8の矢印IX方向から見た図である。
【図10】図10は実施例1のパンチユニットの駆動伝達部材の要部説明図である。
【図11】図11は実施例1のパンチユニットの案内部材の説明図であり、下方からみた説明図である。
【図12】図12は図11に示す状態から下側案内部材を取り外した状態の説明図である。
【図13】図13は図12に示す状態から上側媒体案内部材を取り外した状態の説明図である。
【図14】図14は実施例1のパンチユニットの孔形成部材が初期位置に移動した状態の説明図である。
【図15】図15は実施例1のパンチユニットの孔形成部材が四孔形成位置に移動した状態の説明図である。
【図16】図16は実施例1のパンチユニットの孔形成部材が二孔形成位置に移動した状態の説明図である。
【図17】図17は実施例2のパンチユニットの上方から見た説明図であり、図17Aは、パンチユニットを上方から見た説明図、図17Bは、パンチユニットの温度分布図である。
【図18】図18は実施例2のパンチユニットの部分断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な構成や部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0014】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例であるプリンタUは、画像形成装置本体U1を備えている。前記プリンタUに電気的に接続された画像情報送信装置の一例としての情報処理装置PCから送信された画像情報は、制御部Cに入力される。前記制御部Cに入力された画像情報は、所定の時期に潜像形成用の黄色Y、マゼンタM、シアンC、黒Kの画像情報に変換され、潜像形成装置駆動回路DLに出力される。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒Kのみの画像情報が潜像形成装置駆動回路DLに入力される。
前記潜像形成装置駆動回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を所定の時期に、各色毎に配置された潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHkに出力する。
【0015】
図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
図1、図2において、前記プリンタUの重力方向中央部に配置された可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukはそれぞれ、Y,M,C、およびKの各色の可視像を形成する装置である。
潜像形成装置LHy〜LHkの各潜像書込光源から出射したY,M,C,Kの潜像書込光Ly,Lm,Lc,Lkは、それぞれ、回転する像保持体PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。なお、実施例1では、前記潜像形成装置LHy〜LHkは、いわゆる、LEDアレイにより構成されている。
前記Yの可視像形成装置Uyは、回転する像保持体PRy、帯電装置の一例としての帯電器CRy、潜像形成装置LHy、現像器Gy、1次転写器T1y、像保持体清掃器CLyを有している。なお、実施例1では、前記像保持体PRy、帯電器CRy、像保持体清掃器CLyが、画像形成装置本体U1に対して一体的に着脱可能な像保持体ユニットとして構成されている。
前記可視像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記Yの可視像形成装置Uyと同様に構成されている。
【0016】
図1,図2において、前記各像保持体PRy,PRm,PRc,PRkはそれぞれの帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより帯電された後、画像書込位置Q1y,Q1m,Q1c,Q1kにおいて、前記潜像書込光Ly,Lm,Lc,Lkにより、その表面に静電潜像が形成される。前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤保持体の一例としての現像ロールGRy,GRm,GRc,GRkに保持された現像剤により可視像の一例としてのトナー像に現像される。前記現像器Gy,Gm,Gc,Gkで現像剤が消費されると、現像剤補給容器Ky,Km,Kc,Kkから、それぞれ現像剤が補給される。
その現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定の時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
【0017】
前記各像保持体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留物、付着物は、像保持体清掃器CLy,CLm,CLc,CLkにより清掃される。清掃された前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面は、帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。
【0018】
前記像保持体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能な中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、中間転写体駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、中間転写体張架部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRfおよび2次転写領域対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは、前記各ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより構成される中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより回転移動可能に支持されている。
【0019】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されており、前記各ロールT2a,T2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域には2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
前記1次転写器T1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび2次転写器T2等により、実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。また、前記可視像形成装置Uy〜Ukおよび転写装置T1+T2+Bとにより、実施例1の画像記録部Uy〜Uk+T1+T2+Bが構成されている。
【0020】
前記可視像形成装置Uy〜Ukの下方には、ガイド部材の一例としての左右一対のガイドレールGRが4段設けられており、前記ガイドレールGRには、給紙容器の一例としての給紙トレイTR1〜TR4が前後方向に出入可能に支持されている。給紙トレイTR1〜TR4に収容された媒体の一例としての記録シートSは、搬送部材の一例であって、送り出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。そして、記録シートSは、媒体の搬送路の一例である給紙路SH1に沿って、搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送され、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側に配置された転写領域搬送時期調節部材の一例としてのレジロールRrに送られる。
前記ピックアップロールRp、さばきロールRs等により、実施例1の給紙装置Rp+Rsが構成されている。
また、前記最上段の給紙トレイTR1の左方には、手差し給紙部の一例としての手差しトレイTR0が設置されている。前記手差しトレイTR0に支持された記録シートSは、手差し給紙部材の一例としての手差し給紙ロールRp0により給紙され、手差し搬送路SH0を搬送され、レジロールRrに送られる。
【0021】
レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて、前記記録シートSを前記給紙路SH1の下流側の搬送路の一例としての主搬送路SH2に搬送し、記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。記録シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地され、2次転写器T2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のトナー像は、前記2次転写器T2により記録シートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
【0022】
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着装置Fの加熱用定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧用定着部材の一例としての加圧ロールFpの圧接領域である定着領域Q5に搬送され、前記定着領域を通過する際に加熱定着される。なお、前記加熱ロールFh表面には、記録シートSの前記加熱ロールからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
前記定着装置Fの搬送方向下流側である上方には、記録シートSを排出媒体積載部の一例としての排紙トレイTRhに向けて搬送する搬送路の一例としての排紙路SH3が配置されている。したがって、排紙トレイTRhに向けて搬送される場合には、定着された記録シートSが排紙路SH3を搬送され、媒体排出口の一例としてのシート排出口SH3aから排紙ロールRhにより搬送される。
【0023】
図1において、前記給紙路SH1には、媒体検知部材の一例として、各給紙トレイTR1〜TR4から給紙された記録シートSを検出するための第1給紙路センサSN1、第2給紙路センサSN2、第3給紙路センサSN3、第4給紙路センサSN4が配置されている。
前記各搬送路SH1〜SH3により実施例1の搬送路SHが構成されており、前記搬送路SH、給紙装置Rp+Rs、シート搬送ロールRa、レジロールRr、排紙ロールRh等により媒体搬送装置SH+Ra〜Rhが構成されている。
【0024】
図1において、実施例1では、下側の3段分の給紙トレイTR2〜TR4の左方には、上流側開放部材の一例としての下カバーU1aが、図1の実線で示す通常位置と、図1の破線で示す開放位置との間で開閉可能に支持されている。前記下カバーU1aには、給紙トレイTR2〜TR4の左方の給紙路SH1の左側の案内、いわゆるガイドや、一対の搬送ロールRaの外側が支持されている。したがって、下カバーU1aを開放位置に移動させることで、給紙路SH1の下部、すなわち、搬送方向上流側の上流側給紙路SH1aが開放される。
【0025】
(シート搬送ユニットU2の説明)
図1において、実施例1の前記プリンタUは、前記排紙トレイTRhに着脱可能に装着された記録済み媒体搬送装置の一例としてのシート搬送ユニットU2を有する。前記シート搬送ユニットU2は、前記画像形成装置本体U1のシート排出口SH3aに接続する一側面に、前記排紙ロールRhから排出された記録シートSが搬入される搬送装置搬入口の一例としてのシート搬入口U2aが設けられている。前記シート搬入口U2aから搬入された前記記録シートSは、前記シート搬送ユニットU2内部に配置された記録済媒体搬送部材の一例としての記録済媒体搬送ロールRa2により、媒体搬送路の一例としての連絡用搬送路SH5を搬送される。前記連絡用搬送路SH5を搬送された記録シートSは、シート搬送ユニットU2の他側面に形成された搬送装置排出口の一例としてのシート排出口U2bから排出される。
【0026】
図1において、実施例1のシート搬送ユニットU2は、媒体搬送方向の長さである左右方向の長さが、排紙トレイTRhの媒体搬送方向の長さに比べて短く形成されている。したがって、プリンタUは、前記シート搬送ユニットU2の右端部と画像形成装置本体U1の右端部とにより右上端部が段差状に構成され、前記排紙トレイTRhの上方且つシート排出口U2bの排出方向下流側には、後処理装置連結空間U2cが形成されている。
図1において、前記シート搬送ユニットU2の連絡用搬送路SH5上には、孔形成装置の一例として、記録シートに綴じ孔、いわゆるパンチ孔をあけるパンチユニットPUが配置されている。なお、パンチユニットPUの構成については、後で詳述する図3〜図16で説明する。
【0027】
(後処理装置U3の説明)
また、図1において、実施例1のプリンタUは、前記シート搬送ユニットU2に接続され、前記シート排出口U2bから排出された前記記録シートSに、後処理を行う後処理装置U3を有する。実施例1の後処理装置U3は、画像形成装置本体U1の右側壁に対向して配置される左側壁H1と、左側壁H1の上端部に配置され且つ左側壁H1に対して画像形成装置本体U1側に突出して形成された後処理装置搬入部の一例としての搬入凸部H2とを有する。
前記搬入凸部H2には、シート排出口U2bに接続される後処理装置搬入口の一例としてのシート搬入口U3aが形成されており、後処理装置U3が画像形成装置本体U1に連結される際に、前記後処理装置連結空間U2cに食い込むように配置される。したがって、食い込むように配置されていない場合に比べて、後処理装置U3装着後の画像形成装置U全体の大きさが小型化される。
【0028】
また、前記搬入凸部H2の内部には、前記シート搬入口U3aから搬入された記録シートSが搬送される媒体搬送路の一例としての折り筋形成搬送路SH6が形成されている。前記折り筋形成搬送路SH6の搬送方向上流端のシート搬入口U3a近傍には、搬入される記録シートSを下流側に搬送したり、所定の位置で一時停止させる等の搬送の制御が行われる媒体搬送制御部材の一例としての後処理レジロールU3bが配置されている。実施例1の後処理レジロールU3bは、駆動や駆動停止可能に構成されており、記録シートSの下流側への搬送の時期を制御すると共に、記録シートSの前端を突き当てて湾曲させることで、記録シートSの姿勢、いわゆる用紙アライメントが補正可能に構成されている。
前記折り筋形成搬送路SH6において、後処理レジロールU3bの媒体搬送方向下流側には、折り筋形成装置U4が配置されている。前記折り筋形成装置U4は、回転軸U4aを中心に回転する偏心カムU4bと、偏心カムU4bの回転に伴って上下動する折り筋形成部材U4cを有し、折り筋形成搬送路SH6で停止された記録シートSに折り筋形成装置U4が押し当てられることで前後方向に沿った折り筋が形成される。なお、実施例1では、折り筋形成装置U4と後処理レジロールU3bが共に後処理装置U3に支持されており、後処理レジロールU3bがシート搬送装置U2に設けられている場合に比べて、シート搬送装置U2や後処理装置U3を画像形成装置U1に装着する際の公差や取り付け誤差等によるズレが少なくなっている。
【0029】
前記折り筋形成搬送路SH6の下流側に搬送された記録シートSは、第1切替部材U3dの切替えにより、右上に延びる上端排出路SH7または下方に延びる第1後処理搬送路SH8のいずれかに搬送される。また、第1後処理搬送路SH8には第2後処理搬送路SH9が接続されており、その接続部に配置された第2切替部材U3eにより記録シートSは第1後処理搬送路SH8または第2後処理搬送路SH9のいずれかに搬送される。
【0030】
前記上端排出路SH7に搬送された記録紙Sはそのまま、後処理を行われることなく、上端排出口P0から上端排出部TH0に排出される。
第1後処理搬送路SH8の下流側には、端綴じ装置HTSが配置されている。前記端綴じ装置HTSは、複数の記録紙Sを積載して揃え、記録紙束の端部にコの字形の針を記録紙束に打ち込んで綴じたり、綴じずに揃えて端綴じ排出部TH1に排出する端綴じ処理を実行する。
第2後処理搬送路SH9の下流側には、中綴じ装置NTSが配置されている。前記中綴じ装置NTSは、複数の記録紙Sを積載して揃え、記録紙束の中央部をコの字形の針で綴じた後2つ折りにして中綴じ排出部TH2に排出したり、あるいは綴じずに二つ折りにして排出する中綴じ処理を実行する。
なお、前記端綴じ装置HTSや中綴じ装置NTSは、従来公知であり、例えば、特開2003−89462号公報、特開2003−89463号公報等に記載されているため、詳細な説明は省略する。
【0031】
(パンチユニットの説明)
図1において、実施例1のパンチユニットPUは、パンチユニット本体PU1と、パンチユニット本体PU1により記録シートSに孔が形成された際に発生する孔屑を受ける屑受け容器PU2とを有する。
【0032】
(上側フレームの説明)
図3は実施例1のパンチユニットの上方から見た説明図であり、図3Aは、パンチユニットを上方から見た説明図、図3Bは、パンチユニットの温度分布図である。
図4は実施例1のパンチユニットの斜視説明図である。
図5は図4の矢印V方向から見た図である。
図6は実施例1のパンチユニットの部分断面図である。
図7はパンチユニットの説明図であり、図7Aは図4のパンチユニットから上側枠体取り外した状態の説明図、図7Bはスライダの要部説明図である。
図8は孔形成部材の要部説明図である。
図9は図8の矢印IX方向から見た図である。
図10は実施例1のパンチユニットの駆動伝達部材の要部説明図である。
図3〜図10において、パンチユニット本体PU1は、枠体の一例として、前後方向に延びる上側フレーム21を有する。図3〜図8において、前記上側フレーム21は、搬送路形成部の一例としての底壁部22と、前記底壁部22のシート搬送方向上流端から上方に延びる上流端壁部23と、前記上流端壁部23の上端からシート搬送方向下流側に延びる頂壁部24とを有する。なお、実施例1の上側フレーム21は、強度を持たせるために金属、いわゆる板金により構成されている。
【0033】
図6において、前記底壁部22には、開口の一例として、前後方向に沿って予め定めた間隔をあけて4つの上側パンチ通過孔22a,22b,22c,22dが前方から順番に同径で形成されている。
図4、図5において、前記上流端壁部23には、前記上側パンチ通過孔22a〜22dに対応して、歯車軸回転支持部23aが4つ形成されている。また、前記歯車軸回転支持部23aの上方には、孔形成部材移動案内部の一例として、上下方向に延びる長孔により構成されたパンチガイド長孔23bが4つ形成されている。
図8において、前記頂壁部24には、孔形成部材保護部材の一例として、前記上側パンチ通過孔22a〜22dに対応する位置にパンチカバー装着孔24aが形成されている。
【0034】
(下側フレームの説明)
図11は実施例1のパンチユニットの案内部材の説明図であり、下方からみた説明図である。
図4、図5において、前記上側フレーム21の下側には、下側フレーム26が両端部で固定支持されている。図5、図11において、前記下側フレーム26は、搬送路形成部材の一例として、上側フレーム21の底壁部22に間隔をあけて対向して配置された案内部材の一例としての下側ガイド壁27と、前記下側ガイド壁27のシート搬送方向上流端から下方に折れ曲がって形成された下側搬入部材支持部の一例としてのシュート取付部28とを有する。図6において、前記下側ガイド壁27には、複数の開口の一例、および、下側孔形成部材通過孔の一例として、前記上側パンチ通過孔22a,22b,22c,22dに対応する位置に、前後方向に沿って予め定められた間隔をあけて4つの下側パンチ通過孔27a,27b,27c,27dが前方から順に形成されている。前記下側パンチ通過孔27a〜27dのうち、前側の3つの前記下側パンチ通過孔27a〜27cの径は同径に形成されており、開口の一例として、最も後側に形成された下側パンチ通過孔27dの径は、前記下側パンチ通過孔27a〜27cよりも大径に形成されている。
【0035】
前記下側パンチ通過孔27a〜27dには、鋭利部材であるパンチ部材の先端に利用者等が誤って触れないようにしてけがを防止するための安全保護部材の一例としての円筒状のキャップ27eが設けられている。なお、実施例1の下側フレーム26は、上側フレーム21と同様に板金で構成されている。
図4、図5、図11において、前記下側フレーム26のシュート取付部28には、記録シートSをパンチユニット本体PU1内部に案内する下側シュート29が固定支持されている。なお、実施例1の下側シュート29は、樹脂により構成されている。
【0036】
(上側シュートの説明)
図12は図11に示す状態から下側案内部材を取り外した状態の説明図である。
図13は図12に示す状態から上側媒体案内部材を取り外した状態の説明図である。
図4、図5、図13において、前記上側フレーム21の上流端壁部23には、下側シュート29に対応して配置され、記録シートSをパンチユニット本体PU1内部に案内する上側シュート31が固定支持されている。前記上側シュート31は、シート搬送方向上流側に配置されたシュート本体31aと、補強部の一例として前記シュート本体31aに連続して形成され且つ上側フレーム21の底壁部22の外周および前記上側パンチ通過孔22a〜22dを縁取るように形成されたリブ部31bとを有する。
【0037】
(マイラーの説明)
図8、図9、図12において、前記リブ部31bの下面には、媒体案内部材の一例として、薄膜状のマイラー32が固定支持されている。したがって、実施例1のマイラー32は、リブ部31bの厚みに対応する距離だけ、上側フレーム21の底壁部22との間に空間をあけて支持されている。図12において、前記マイラー32には、案内部孔形成部材通過部の一例として、前記上側パンチ通過孔22a,22b,22c,22dに対応する位置に、前後方向に沿って予め定められた間隔をあけて4つのマイラー側パンチ通過孔32a,32b,32c,32dが前方から順に同径で形成されている。
【0038】
また、実施例1のマイラー32は、上側フレーム21の底壁部22を構成する板金よりも熱伝導率が小さな樹脂材料により構成されている。したがって、リブ部31bを介して上側フレーム21に支持されたマイラー32と、下側フレーム26の下側ガイド壁27と間の隙間により、連絡用搬送路SH5の一部が形成されている。
図4〜図7、図10において、前記上側フレーム21および下側フレーム26のシート送方向下流側には、下流側案内部材の一例としての下流側ガイド34が支持されている。
【0039】
(モータユニットの説明)
図3、図7、図10〜図13において、前記上側フレーム21および下側フレーム26の前端部には、駆動源支持部の一例としてのモータ支持フレーム36が支持されている。
前記モータ支持フレーム36には孔形成用駆動源の一例としてのパンチ駆動モータユニット37が支持されている。前記パンチ駆動モータユニット37には、制御信号や電源を供給する接続部材の一例としてのケーブル37aが接続され、駆動の制御が行われる。図7、図10において、前記パンチ駆動モータユニット37には駆動歯車の一例としての駆動ギア37bが支持されている。前記駆動ギア37bの後方には、駆動伝達部材の一例として、駆動ギア37bに噛み合って駆動が伝達される中間ギア38がモータ支持フレーム36に回転可能に支持されている。前記中間ギア38の左端面の外周側には、移動方向変換部材の一例として、スライダ移動突起38aが突出して形成されている。
【0040】
また、前記モータ支持フレーム36の前端には、放熱部の一例として、放熱板HBが固定支持されている。すなわち、前記放熱板HBは、前記上側フレーム21に前後方向に沿って形成された4つの前記上側パンチ通過孔22a〜22dのうち、最も後側に形成された前記上側パンチ通過孔22dに対して最も離れた位置に配置されている。なお、実施例1の放熱板HBは、板金により構成されている。
【0041】
(スライダの説明)
図7、図9において、前記上側フレーム21の内側には、前後方向に延びる孔形成部材移動伝達部材の一例としてのスライダ41が、前後方向に沿って移動可能に支持されている。前記スライダ41は、前後方向に延びるスライダ本体42と、スライダ本体42の前端部に一体的に形成された移動力被付与部の一例としてのギア連結部43とを有する。
図7において、前記スライダ本体42には、移動時孔形成部材被案内部の一例として上側パンチ通過孔に対応する位置に、前後方向に延びる4つのスライド時パンチ通過長孔42aが形成されている。また、図9において、前記スライダ本体42の下面には、前記スライド時パンチ通過長孔42aそれぞれの左側に対応する位置に前後方向に沿って駆動伝達部の一例としてのラック歯42bが形成されている。
図7Bにおいて、前記ギア連結部43の右側面には、移動方向被変換部の一例として、中間ギア38側に突出する上下方向に沿って延びる一対の突起連動部43aが形成されており、一対の突起連動部43aの間に挟まれるように前記中間ギア38のスライダ移動突起38aが収容されている。
【0042】
(作動ギアの説明)
図4、図7〜図9において、前記上側フレーム21の歯車軸回転支持部23aには、歯車回転軸の一例としてのギア軸46が支持されており、前記ギア軸46には前記ラック歯42bに対応して、孔形成部材作動部材の一例としてのパンチ作動ギア47が回転可能に支持されている。図7において、実施例1の4つのパンチ作動ギア47は、扇形に形成されており、前後両端部に配置された2つの四孔用作動ギア48と、中央側に配置された2つの二孔用作動ギア49とを有する。
【0043】
図7、図10において、前記四孔用作動ギア48は、扇形の外周部に形成されて前記ラック歯42bに噛み合うギア歯48aを有する。また、四孔用作動ギア48には、ギア歯48aのギア軸46側に形成された孔形成部材作動部の一例としてのパンチ作動溝48bを有する。図10において、前記パンチ作動溝48bは、後側に形成され且つ扇形の円弧に沿って形成された非作動溝部48b1と、非作動溝部48b1の前側に連続して形成され且つ扇形の円弧よりもギア軸46側に向かう曲線状に形成された作動溝部48b2とを有する。
図7、図10において、前記二孔用作動ギア49は、四孔用作動ギア48と同様に、ラック歯42bに噛み合うギア歯49aと、パンチ作動溝49bとを有する。前記二孔用作動ギア49のパンチ作動溝49bは、前記作動溝部48b2と同様に形成された四孔時作動溝部49b2と、前記四孔時作動溝部49b2の後側に連続して形成され且つ前記四孔時作動溝部49b2と前後対称な形状に形成された二孔時作動溝部49b1とを有する。
【0044】
(パンチ部材の説明)
図8〜図10において、前記上側フレーム21の上側パンチ通過孔22a〜22dに対応する位置には、孔形成部材の一例として、上下方向に延びるパンチ部材51が配置されている。前記パンチ部材51には、孔形成被作動部材の一例として、パンチ部材51を左右方向に貫通するパンチ部材被作動軸52が連結されている。前記パンチ部材被作動軸52は、各作動ギア47のパンチ作動溝48b,49bを貫通し、上側フレーム21のパンチガイド長孔23bを貫通している。したがって、前記パンチ部材51は、パンチ部材被作動軸52がパンチガイド長孔23bにより案内されて、上下方向に移動可能に支持されている。よって、前記パンチ部材51は上部が、スライダ41のスライド時パンチ通過長孔42aを貫通して配置されており、パンチ部材51が上下方向に移動する際に、上側パンチ通過孔22a〜22dやマイラー側パンチ通過孔32a〜32d、下側パンチ通過孔27a〜27dを通過するように設定されている。
【0045】
図12、図13において、パンチ部材51の下端には記録シートSにパンチ孔を形成するために二又状に形成された先端部51aが形成されている。
図3〜図5、図7において、前記パンチ部材51の上端部には、保護部材の一例として、パンチカバー53が配置されており、パンチカバー53の爪部53aによりパンチカバー装着孔24aに固定されている。
【0046】
図14は実施例1のパンチユニットの孔形成部材が初期位置に移動した状態の説明図である。
図15は実施例1のパンチユニットの孔形成部材が四孔形成位置に移動した状態の説明図である。
図16は実施例1のパンチユニットの孔形成部材が二孔形成位置に移動した状態の説明図である。
図7、図10、図14において、実施例1のパンチユニットPU1では、パンチ孔を形成する後処理が実行されない状態では、初期位置である図14に示す位置に保持される。前記初期位置では、パンチ部材被作動軸52がギア軸46から最も離れた作動溝部48b、49bの中央部に接触しており、パンチ部材51が連絡用搬送路SH5から上方に退避し、搬送される記録シートSから離隔した離隔位置に保持される。
【0047】
図15において、記録シートSに4つのパンチ孔を形成する後処理が行われる場合、前記パンチ駆動モータユニット37が正回転駆動する。前記パンチ駆動モータユニット37が正回転駆動すると、スライダ移動突起38aが中間ギア38の回転に伴って後方に移動する。これにより、スライダ移動突起38aが突起連動部43aを後方に押し、スライダ41が後方にスライド移動する。なお、このとき、スライダ41は、スライド時パンチ通過長孔42aによりパンチ部材51により移動が妨げられることなく前後方向に移動可能に構成されている。
前記スライダ41が後方に移動すると、ラック歯42aも後方に移動し、噛み合う作動ギア47が後方に向けて回転する。前記作動ギア47が後方に回転すると、上下方向に移動可能に支持された4つのパンチ部材作動軸52が、それぞれ作動溝部48b2および四孔時作動溝部49b2に沿ってガイドされ、ギア軸46に近づく。これにより、前記パンチ部材作動軸52が連結された4つのパンチ部材51は、下方に降下して、連絡用搬送路SH5の記録シートSを貫通する貫通位置に移動する。前記パンチ部材51が記録シートSを貫通して4つのパンチ孔が形成されると、孔屑は下方の屑受け容器PU2に回収され、その後、パンチ駆動モータユニット37を逆回転駆動することで、図14に示す初期位置に戻る。
【0048】
図16において、記録シートSに2つのパンチ孔を形成する後処理が行われる場合、前記パンチ駆動モータユニット37が逆回転駆動する。前記パンチ駆動モータユニット37が逆回転駆動すると、スライダ移動突起38aが中間ギア38の回転に伴って前方に移動する。これにより、スライダ移動突起38aが突起連動部43aを前方に押し、スライダ41が前方にスライド移動する。前記スライダ41が前方に移動すると、ラック歯42aも前方に移動し、作動ギア47が図16に示すように前方に回転する。
【0049】
前記作動ギア47が前方に回転すると、前後両端に配置された四孔用作動ギア48を貫通するパンチ部材作動軸52は、円弧状の非作動溝部48b1に案内される。前記非作動溝48b1は、円弧状に形成されており、非作動溝部48b1とギア軸46との距離、すなわち、扇形の半径が一定であるため、パンチ部材作動軸52が上下方向に移動しない。すなわち、前後両側のパンチ部材51は離隔位置に保持されたままであり、記録シートSにパンチ孔を形成しない。
一方、前後方向中央側に配置された二孔用作動ギア49を貫通するパンチ部材作動軸52は、二孔時作動溝部49b1に案内され、下方に降下する。したがって、内側の2つのパンチ部材51は、貫通位置に移動し、記録シートSにパンチ孔を形成する。
よって、パンチ駆動モータユニット37が逆回転駆動することにより、記録シートSには、2つのパンチ孔が形成され、その後、パンチ駆動モータユニット37が正回転駆動することにより、図14に示す初期位置に戻る。
【0050】
また、前記符号21〜52を付した部材等により実施例1のパンチユニット本体PU1が構成されており、前記パンチユニット本体PU1と屑受け容器PU2とにより実施例1のパンチユニットPUが構成されている。
なお、実施例1では、前記パンチユニットPUは、いわゆるサービスエンジニアのような作業者がシート搬送ユニットU2に対して着脱することが可能なユニットとして構成されている。そして、前記パンチユニットPUが作動する際に、二孔形成または四孔形成に応じて、屑受け容器PU2に回収される孔屑を計数手段、いわゆるカウンタで計数しており、計数された孔屑の量で前記屑受け容器PU2が満杯になったか否かを判別することで、前記屑受け容器PU2の屑捨て時期をユーザーに報知している。また、前記パンチユニットPUは前記屑受け容器PU2と一体で構成されているため、パンチユニットの故障による交換、またはパンチユニットの種類変更による交換等で、前記パンチユニットPUの交換が検出されると、前記屑受け容器PU2は空になったと判断し、前記カウンタはリセットされるように設定されている。
前記スライダ移動突起38aや突起連動部43a、スライダ41、ラック歯42b、作動ギア47、パンチ部材被作動軸52等により、パンチ部材52を作動させる孔形成部材作動系の一例としてのパンチ作動系38a+41+42b+43a+47+52が構成されている。
【0051】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、画像記録部Uy〜Uk+T1+T2+Bで記録シートSに記録されたトナー像は、定着装置Fで加熱されて定着される。画像が定着された記録シートSは、パンチ孔が形成される場合には、連絡用搬送路SH5を搬送され、所定の位置で一時停止し、パンチユニットPUでパンチ孔が形成されて、下流側の後処理装置U3に搬送される。パンチ孔が形成された記録シートSに、端綴じや中綴じ、あるいは綴じずに整合するといった後処理が実行される場合には、後処理装置U3で後処置が実行される。パンチ孔が形成されず、そのほかの後処理が実行される場合には、記録シートSは、パンチユニットPUを通過して、後処理装置U3に搬送され、後処理が実行される。
【0052】
図1において、実施例1のパンチユニットPUは、連絡用搬送路SH5に配置されており、後処理装置U3に配置される場合に比べて、定着装置Fからの距離が近く、記録シートSが十分に冷却される前に前記パンチユニットPUを通過しやすい。したがって、前記連絡用搬送路SH5を搬送され、前記パンチユニットPU内に搬入された記録シートSによって、パンチユニットPUが加熱される。
加熱された前記パンチユニットPUでは、下側の下側ガイド壁27が受ける熱と、上側の底壁部22やパンチ部材51等が受ける熱に差があったり、前記下側ガイド壁27と、前記底壁部22等との熱膨張率に差があったりする場合がある。したがって、下側の前記下側ガイド壁27と、上側の前記底壁部22等とで熱膨張に差が生じることがあり、上側の前記パンチ部材51と下側パンチ通過孔27a〜27dの相対的位置が、予め定められた位置に対してずれることがある。
【0053】
ここで、実施例1のパンチユニットPUのモータ支持フレーム36の前方には、放熱板HBが固定支持されており、前記パンチユニットPUの受けた熱が、前記放熱板HBを介して、前記パンチユニットPUの外部に放熱される。
しかしながら、前記放熱板HBに近い前側と、後側とで熱の分布に隔たりが発生し、図3Bに示すように、前記放熱板HBから遠い後側ほど高温になり易い。
したがって、前記パンチユニットPUの下側ガイド壁27の後側において、熱膨張に差が生じるおそれがある。
【0054】
これに対して、図6において、実施例1のパンチユニットPUでは、下側パンチ通過孔27dの径が大径に形成されており、熱膨張の差が発生しやすい後側で、パンチ部材51と下側パンチ通過孔27dとの相対的位置がずれた場合にも、前記パンチ部材51と前記下側パンチ通過孔27dの縁との接触が回避される。
したがって、前記パンチユニットPU内に搬送された記録シートSに対して、前記パンチ部材51がパンチ孔を形成する後処理を行う際に、上下方向に移動する前記パンチ部材51と前記下側パンチ通過孔27dの縁との干渉、いわゆる、かじりの発生が低減される。
【0055】
また、実施例1では、かじりが発生するおそれのある下側パンチ通過孔27dのみが、他の下側パンチ通過孔27a〜27cよりも大径に形成されている。仮に全ての下側パンチ通過孔27a〜27dを大径にした場合、下側パンチ通過孔27a〜27dを通じて外部に音が漏れ易くなり、騒音の心配があるが、下側パンチ通過孔27dのみが大径の実施例1では、音漏れも最小限となっている。
また、全ての下側パンチ通過孔27a〜27dを大径にすると、記録シートSに後処理を行う場合に、下側パンチ通過孔27a〜27dと、パンチ部材51との隙間が大きくなり、記録シートSに形成されたパンチ孔の穴径に不良が生じるおそれがある。
しかしながら、下側パンチ通過孔27dのみが大径の実施例1では、記録シートSに形成されるパンチ孔の穴径に生じる不良のおそれが最小限となっている。
【実施例2】
【0056】
(パンチユニットの説明)
図17は実施例2のパンチユニットの上方から見た説明図であり、図17Aは、パンチユニットを上方から見た説明図、図17Bは、パンチユニットの温度分布図である。
図18は実施例2のパンチユニットの部分断面図である。
次に、本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
また、実施例2では、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0057】
図17において、実施例2のパンチユニット本体PU1の後端には、放熱部の一例として、放熱板HBと対をなす放熱板HB′が固定支持されている。なお、実施例2の放熱板HB′は、前記放熱板HBと同様に、板金により構成されている。
図18において、実施例2では、実施例1と異なり、複数の開口の一例としての4つの下側パンチ通過孔27a,27b′,27c,27d′のうち、前後一対の前記放熱板HB,HB′の両方から一番遠い位置に形成された開口の一例としての前から2番目の下側パンチ通過孔27b′のみが、他の3つの下側パンチ通過孔27a′,27c,27d′よりも大径に形成されている。すなわち、3つの下側パンチ通過孔27a,27c,27d′が同径に形成されている。
【0058】
(実施例2の作用)
図17において、実施例2のパンチユニットPUでは、放熱板HB,HB′に近い前後両端部と、前記放熱板HB,HB′の両方から遠い中央部とで熱分布に隔たりが発生し、図17Bに示すように、前記放熱板HB,HB′の両方から遠い中央部ほど高温になり易い。
これに対して、図18に示す、実施例2のパンチユニットPUでは、前記下側パンチ通過孔27a〜27d′のうち、高温になりやすい前記下側パンチ通過孔27b′の径が、大径に形成されており、熱による変形で、パンチ部材51と、前記下側パンチ通過孔27b′との相対位置がずれた場合にも、前記パンチ部材51と、前記下側パンチ孔27b′の縁との接触が回避され、かじりの発生が低減される。
また、かじりが発生するおそれがある前記下側パンチ通過孔27b′のみを大径にする実施例2の構成では、実施例1の下側パンチ通過孔27dのみを大径にする構成と同様に、4つの下側パンチ通過孔27a〜27dの全てを大径に形成する構成よりも、音漏れや、記録シートSに形成されるパンチ穴の穴径に生じる不良のおそれが最小限となっている。
【0059】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H08)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタUを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式やサーマルヘッド方式などをはじめリソグラフ等の印刷機等任意の画像形成方式の画像形成装置に適用可能である。さらに、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能であり、いわゆるタンデム式の画像形成装置に限定されず、ロータリ式等の画像形成装置にも適用可能である。
【0060】
(H02)前記実施例において、パンチユニットPUの前端に放熱板HBのみ、または、前後両端に前記放熱板HBと放熱板HB′の両方を固定支持し、前記放熱板HB、または、前記放熱板HB,HB′の両方から最も遠い位置に形成された下側パンチ通過孔27d、または、下側パンチ通過孔27b′を大径にする構成を2つ例示したが、これに限定されず、3つ以上の放熱板を固定支持する構成も可能である。
この場合、下側ガイド壁27上に発生する熱分布の隔たりに応じて、最も高温となる位置に対応するパンチ通過孔のみを大径とすることが考えられる。
すなわち、全ての放熱板から最も遠い位置に形成されたパンチ通過孔のみを大径とする構成が可能である。
【0061】
(H03)前記実施例において、全ての放熱板から最も遠い位置に形成されたパンチ通過孔のみを大径とし、他の3つのパンチ通過孔を同径とする構成を例示したが、これに限定されず、かじりの発生するおそれのある程度まで昇温するパンチ通過孔が2つ以上ある場合、全ての放熱板から最も遠い位置に加え、その他のパンチ通過孔も大径とする構成も可能である。
また、熱分布の隔たりに応じて、温度が低い位置のパンチ通過孔を小径にして、温度が上昇していくにつれて順に径を大きくしていく構成も可能である。
【0062】
(H04)前記実施例において、前記下側ガイド壁27に形成されたパンチ通過孔のみではなく、下側ガイド壁27上に形成されたパンチ通過孔に対応する底壁部22や、マイラー32に形成されたパンチ通過孔において、かじりが発生する程度まで昇温するパンチ通過孔が存在する場合に、かじりの発生のおそれがあるパンチ通過孔を大径に形成する構成も可能である。
(H05)前記実施例において、二孔または四孔を形成するパンチユニットPUの構成を例示したが、これに限定されず、二孔のみや、四孔のみのパンチ孔を形成したり、形成されるパンチ孔の間隔を変更したり、あるいは、三孔または五孔以上のパンチ孔を形成するパンチユニットを構成することも可能である。すなわち、使用用途や、使用地域等の規格に応じたパンチ孔を形成するパンチユニットにおいて、かじりの発生するおそれのあるパンチ通過孔を大径に形成する構成も可能である。
【0063】
(H06)前記実施例において、パンチユニットPU内に結露が発生した場合に、結露が記録シートSを濡らし、記録シートS上の画像を劣化させることを低減するマイラー32を有する構成が望ましいが、前記マイラー32を省略した構成も可能である。
(H07)前記実施例において、パンチユニットPUをシート搬送装置U2に設ける構成を例示したが、これに限定されず、パンチユニットPUを画像形成装置本体U1または後処理装置U3に設ける構成も可能である。
【0064】
(H08)前記実施例において、端綴じ装置HTS、中綴じ装置NTS、および、折り筋形成装置U4を設けた後処理装置U3を例示したが、これに限定されず、例えば、後処理装置U3に対して、特開2006−052033号公報記載の従来技術であるカール補正装置等を設けたり、また、前記端綴じ装置HTS、前記中綴じ装置NTS、および、前記折り筋形成装置U4を省略したり等、任意の構成も可能である。
【符号の説明】
【0065】
27…案内部材、
27a〜27d,27a〜27d′…複数の開口、
27d,27b′…開口、
B+T1+T2…転写装置、
CRk〜CRy…帯電装置、
F…定着装置、Gk〜Gy…現像器、
LHk〜LHy…潜像形成装置、
PRk〜PRy…像保持体、
PU…孔形成装置、
S…媒体、SH5…搬送路、U…画像形成装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体が搬送される搬送路を構成する空間を空けて対向して配置され、媒体を案内する案内部材と、
前記案内部材との間で伝熱可能に接続され且つ放熱可能な放熱部と、
前記搬送路を搬送される媒体の厚み方向に貫通して、媒体に孔を形成する貫通位置と、媒体から離間する離間位置との間を移動する複数の孔形成部材と、
前記案内部材に形成され且つ前記貫通位置に移動する各孔形成部材が貫通する複数の開口であって、前記放熱部から最も遠い位置に配置された開口が他の開口に比べて大きく形成された前記複数の開口と、
を備えたことを特徴とする孔形成装置。
【請求項2】
前記案内部材の媒体幅方向両端部に配置された前記放熱部と、
媒体幅方向に沿って間隔を空けて形成された前記複数の開口であって、前記放熱部から最も遠い位置である媒体幅方向の中央部に配置された開口が、他の開口と比べて大きく形成された前記複数の開口と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の孔形成装置。
【請求項3】
前記案内部材の媒体幅方向の一端部に配置された前記放熱部と、
媒体幅方向に沿って間隔を空けて形成された前記複数の開口であって、前記放熱部から最も遠い位置である媒体幅方向の他端側に配置された開口が、他の開口に比べて大きく形成された前記複数の開口と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の孔形成装置。
【請求項4】
回転する像保持体と、
前記像保持体表面を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する現像器と、
前記像保持体表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
媒体表面の可視像を加熱定着する定着装置と、
前記定着装置の媒体搬送方向下流側に配置され、加熱定着後の媒体に孔を形成する請求項1ないし3のいずれかに記載の孔形成装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
媒体が搬送される搬送路を構成する空間を空けて対向して配置され、媒体を案内する案内部材と、
前記案内部材との間で伝熱可能に接続され且つ放熱可能な放熱部と、
前記搬送路を搬送される媒体の厚み方向に貫通して、媒体に孔を形成する貫通位置と、媒体から離間する離間位置との間を移動する複数の孔形成部材と、
前記案内部材に形成され且つ前記貫通位置に移動する各孔形成部材が貫通する複数の開口であって、前記放熱部から最も遠い位置に配置された開口が他の開口に比べて大きく形成された前記複数の開口と、
を備えたことを特徴とする孔形成装置。
【請求項2】
前記案内部材の媒体幅方向両端部に配置された前記放熱部と、
媒体幅方向に沿って間隔を空けて形成された前記複数の開口であって、前記放熱部から最も遠い位置である媒体幅方向の中央部に配置された開口が、他の開口と比べて大きく形成された前記複数の開口と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の孔形成装置。
【請求項3】
前記案内部材の媒体幅方向の一端部に配置された前記放熱部と、
媒体幅方向に沿って間隔を空けて形成された前記複数の開口であって、前記放熱部から最も遠い位置である媒体幅方向の他端側に配置された開口が、他の開口に比べて大きく形成された前記複数の開口と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の孔形成装置。
【請求項4】
回転する像保持体と、
前記像保持体表面を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する現像器と、
前記像保持体表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
媒体表面の可視像を加熱定着する定着装置と、
前記定着装置の媒体搬送方向下流側に配置され、加熱定着後の媒体に孔を形成する請求項1ないし3のいずれかに記載の孔形成装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−13489(P2011−13489A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158041(P2009−158041)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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