説明

孵化装置

【課題】 1基の孵化槽で多種少量の魚卵を安定且つ効率的に発眼可能とし、増殖管理の負担を大幅に軽減できる上、製造コストを格段に削減することができる魚類の増殖技術を提供する。
【解決手段】 定常的な流水環境を維持可能にした孵化槽2と、該孵化槽2内仕切り底板3への設置口5を兼用する流入口5、上昇水拡散セル6、魚卵受網7を介してその直上に連続し、適所に魚卵流失阻止網81付き切欠き口80を設けた育卵セル8を有する小分け容器4との組合せからなり、当該孵化槽2内仕切り底板3には、これら小分け容器4の複数個の、個々の流入口5が密着状で嵌脱自在に装着可能となるソケット30を、小分け容器4の数分だけ同仕切り底板3の上下貫通状に配設、一体化してなるものとしたこの発明の孵化装置1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、魚類の人工孵化技術に関連するものであり、特に、改良部品類を組み込んだ孵化槽類、または、その改良部品類を製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
一般に民間養殖業者が利用する従来型の増収型アトキンス式孵化槽は、1区画(1基2区画)当たり最大約50万粒の魚卵を収容可能であり、新鮮な水流を与えて一度に大量の卵を孵化させることができ、生産性に秀れているという特徴を有しているが、ニジマスやイワナ、ヒメマス、イトウ等といった多品種の卵を1基の孵化槽で区画管理することができないという欠点があり、また、大量の卵の中に水カビ病などの感染症が発生してしまうと、薬剤処理など手間と費用とを掛けての処理を余儀なくされ、ある程度の対策とすることはできても、その構造上、広範囲に亘って感染を広めてしまうことにも繋がってしまう場合も少なくなく、その結果、発眼率を大幅に低下させる要因となっていた。
【0003】
また、増収型アトキンス式孵化槽は、数十万粒の卵を収容し、それらの卵の重みで水の流れを均一化するよう工夫されたものとなっているため、卵量が数万粒程度と極端に少ない場合は、水の流れに偏りが生じてしまい、本来静置状態でなければならない卵が過剰に動いてしまうこと(軽少衝撃)によって死んだり、流れが悪い箇所の卵については酸欠で死に至るケースも見られ、特に、新魚種開発研究や一部販売用に供する系統保存を目的としている場合には、採卵量が数千〜十数万ないし数百粒〜数千粒程度となり、上記の理由から発眼率を大きく低下させてしまう虞があり、さらに、バイオテクノロジー技術を用いた研究を目的とする場合には、染色体倍数化処理など遺伝子処理して異なる魚卵が1粒も他の種類の魚卵に混入することが許されず、こうした高精度な管理を行おうとするときには、複数基の孵化槽を準備しなければ研究を効率的に進めることができなくなるため、長時間と多大な経費とを要することになると問題があった。
【0004】
(従来の技術)
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、上下方向に延びる筒状の装置本体の内部に網部材と流体排出機構とを備え、当該流体排出機構はスリーブ管、エア供給ユニットに接続され、該スリーブ管の内部へ延びて同スリーブ管の中へ空気を導くエア流入管とから成り、装置本体内の水を循環、攪拌し、当該網部材がフィルタとなり、水の中に空気(とりわけ酸素)を供給して新鮮な水に変えて、常時良好な水環境を確保できるようにしたものや、同特許文献1(2)に見られるような、仕切り板で画成された給水溝と孵化槽本体との間にヘッド差を設けると共に、排水面に種卵浮遊防止網を設け、給水溝内に給水を上方に誘導する図略の泡混入防止機構部を設け、勢いのある均一の水流が得られ、種卵へ十分な酸素を供給することができるようにした増水量型孵化槽や、同特許文献1(3)のような、多数の魚卵を収容した水槽内に孵化用水を順次流入させるようにし、孵化用水を水槽内に導く給水パイプの下流側端部を水槽内の水面よりも低い位置に開口させ、その給水パイプから水槽内に供給された孵化用水を水槽内の水面を乗り越えて再び水槽内に導く案内部材を設け、水槽中に供給される用水中の気泡を可及的に低減することができ、魚卵に気泡が付着して孵化の進行が妨げられたり、魚卵が窒息して死滅するのを良好に防止できるようにしたりするものなどが散見される。
【0005】
しかし、特許文献1(1)および(2)に示されているような魚卵用孵化槽などは、1基の槽内に一まとめにした魚卵を収容するものとなっていて、水カビ病などの感染症が発生してしまった場合に、へい死した魚卵発見の遅延や感染した魚卵の見失いなど招き、感染が槽内の多数の魚卵に無制限に汚染されてしまう虞があったり、また、前者特許文献1(3)に示されているような魚卵用孵化装置などは、筒状装置本体を複数個利用しようとすると、一基毎に設けられたエア流入管にエアポンプを接続しなければならず、接続管理の作業性に難があり、筒状装置本体内に感染症が発生してしまった場合などに、筒状装置本体を槽内から取り出して魚卵や稚魚などが漏出しないよう分解、開封しなければならず、増殖・管理に手間が掛かり過ぎて大変不便であるという致命的な欠点が残されたままであった。
【特許文献1】(1)実開平7−25756号公報 (2)実開平7−30048号公報 (3)実用新案登録第3158034号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種魚卵用孵化装置などは、何れも孵化槽内に、一度に単一種の魚卵を大量に収容、孵化するものでなければ使用に適さないだけではなく、感染症の大量発生を防止するのが構造上から困難な上に、少量多種の魚卵を収容できないという欠点があり、また、筒状カプセル型の装置本体を水槽内に没し、内部にエアを強制的に供給可能となるようにしたものは、水槽内に複数本の装置本体を設置して利用する場合に、個々の装置本体の脱着や開閉作業などに多大な労力を要するばかりでなく、1個々々の装置本体を形成する部品点数が多くなるため、経済的な負担を強いられてしまうという課題を残すものであり、永年、様々な孵化実験および研究を行い、増殖技術の開発、多種多様な稚魚や成魚の提供に携わり続けてきている中で、それら経験から得られた様々な知見、および民間養殖業者からの情報などに基づき、孵化装置の機能上からは勿論のこと、製造工程上からも、多種少量の魚卵を安定的且つ効率的に発眼可能とするための構成につき、更なる改善の必要性を痛感するに至ったものである。
【0007】
(発明の目的)
そこで、この発明は、1基の孵化槽で多種少量の魚卵を安定且つ効率的に発眼可能とし、増殖管理の負担を大幅に軽減できる上、製造コストを格段に削減することができる新たな魚類の増殖技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の孵化装置を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の孵化装置は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、仕切り壁板と仕切り底板とで仕切られた孵化室を設け、送水口からの注水を該孵化室経由で排水口方向へ誘導し、定常的な流水環境を維持可能にした孵化槽と、該孵化槽内仕切り底板への設置口を兼用するよう最下端に設けた流入口、その直上で所定範囲上方に設けた上昇水拡散セル、該上昇水拡散セルとは、魚卵受網を介してその直上に連続するようにし、孵化槽内仕切り底板上へ嵌脱自在に設置した状態で、孵化室内に流入した水の表面から突出して孵化槽周縁の高さに略相当する高さ範囲にまで達しさせ、その上方流水所望方向には魚卵流失阻止網付きで孵化室に連通する切欠き口を設けた寸胴型の育卵セルを有する小分け容器との組合せからなり、当該孵化槽内仕切り底板には、これら小分け容器の複数個を、平面配置状で相互間に脱着操作用に必要な小間隙を置いて整然と林立し得るよう規制した配置具合としたときの、それら小分け容器の各流入口位置に合致させた位置に、個々の流入口が密着状で嵌脱自在に装着可能となるソケットを、小分け容器の数分だけ同仕切り底板の上下貫通状に配設、一体化してなるものとした構成を要旨とする孵化装置である。
【0009】
この基本的な構成からなる孵化装置を、より具体的なものとして示すならば、仕切り壁板と仕切り底板とで仕切られた孵化室を、1室または連続して複数室設け、送水口からの注水を該孵化室経由で排水口方向へ誘導し、定常的な流水環境を維持可能にした孵化槽と、該孵化槽内仕切り底板への設置口を兼用するよう最下端に設けた流入口、その直上で所定範囲上方に設けた上昇水拡散セル、該上昇水拡散セルとは、魚卵受網を介してその直上に連続するようにし、孵化槽内仕切り底板上へ嵌脱自在に設置した状態で、孵化室内に流入した水の表面から突出して孵化槽周縁の高さに略相当する高さ範囲にまで達しさせ、その上方流水所望方向には魚卵流失阻止網付きで孵化室に連通する切欠き口を設けた寸胴型の育卵セルを有する小分け容器との組合せからなり、当該孵化槽内仕切り底板は、複数個を一群とした小分け容器用に応じた平面形を有し、該仕切り底板には、これら一群の小分け容器を、平面配置状で相互間に脱着操作用に必要な小間隙を置いて整然と林立し得るよう規制した配置具合としたときの、それら小分け容器の各流入口位置に合致させた位置に、個々の流入口が密着状で嵌脱自在に装着可能となるソケットを、小分け容器の数分だけ同仕切り底板の上下貫通状に配設、一体化してなるものとした構成からなる孵化装置となる。
【発明の効果】
【0010】
以上のとおり、この発明の孵化装置によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、従前までであれば、1基の孵化槽内に一まとめの魚卵を収容し、感染症の発生などの影響を大きく被るものとなっていたものを、1基の孵化槽内に複数の小分け容器を着脱自在に設置可能としてあるから、感染症が発生した場合にも、個々の小分け容器単位で孵化槽から取り出して処理することが可能となり、へい死魚卵を早期発見・除去可能とし、周囲の小分け容器への感染を効率的に予防し得るものとなって発眼率を格段に高めることができる上、アトキンス式孵化槽(商品名)など従来型の孵化槽に比較して増殖・管理の作業負担を大幅に軽減することができ、しかも、1基の孵化槽内に、夫々異なる種の魚卵を収容した複数の小分け容器を設置可能であるから、従来品に比較して多品種少量の魚卵を格段に効率的に増殖することができるようになるという、これまでのものには到底期待をすることができなかった秀れた特徴が得られるものである。
【0011】
加えて、孵化室を1室か、特には連続して複数室設け、複数個を一群とした小分け容器用に応じた平面形を有する仕切り底板を、当該孵化槽内の各孵化室に組み込んだものの場合には、単一の孵化室のみの場合に比較して、より多品種の魚卵をより多く収容可能とする上に、水流の滞りを極力なくして平均化することができ、へい死する魚卵を減少させる効果が大いに期待できると共に、へい死魚卵の早期発見・除去にも繋がることとなって生産効率を飛躍的に向上する上、バイオテクノロジー技術の実験や研究などに要する時間と経費を大幅に節減できるという大きな効果を奏することになる。
【0012】
そして、各小分け容器には、夫々上昇水拡散セルが組込まれていて、孵化槽の全体的流れを、各セル内で強制的に拡散できるよう構成してあり、そのため、育卵セル内に収容されている漁卵に継続して万遍なく清水が何時でも行き渡って酸欠現象を確実に防止可能とするだけではなく、同セル内に装填する拡散用玉に素焼き玉(例えば、商品名クリストバライトとして市販の浄化・滅菌機能を有する玉)を採用するなどして浄化・殺菌作用を付加するようにもできる上、この上昇水拡散セルを、その流入口の直上で所定範囲上方まで漏斗状に形成したものを使用すると、各小分け容器の流入口(設置口)、および、仕切り底板の各ソケットの直径を小さくし、全長に渡って寸胴形状の場合に比較して各ソケット間の間隔をより大きく確保し、各ソケットを製造し易く、しかも仕切り底板の耐久強度を高めることができる上、各小分け容器の着脱操作を格段に容易なものとすることができ、魚卵の飼育・管理作業の効率を一段と高めることができ、上昇水拡散セルへの流入水を減圧して育卵セルに上昇可能とする効果が得られるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
孵化槽は、孵化室に定常的な流水環境を維持可能とし、各孵化室に収容した魚卵を孵化するに適した環境を維持可能とする機能を担うものであり、より具体的には、アトキンス式孵化器、増収型アトキンス式孵化器、ボックス式孵化器または浮上槽などの各種孵化器を、市販型そのままか、または、一部に改良を加えるなどして利用することが可能であり、後述する実施例に示すように、増収型アトキンス式孵化器を利用すれば、無加工で仕切り壁板を組み込むことができるから、装置組立て作業上からも極めて有利となって経済的に秀れたものとすることができる。
【0014】
仕切り壁板は、各孵化室を通水可能に区画する機能を担い、注水が各孵化室の底がわから上方に向けて上昇、排水されるよう淀みなく誘導可能とするものとしなければならず、例えば、仕切り壁板が各孵化室を区画し、それとは別に配管された送水路を配するなどして水回路を形成し、水流の先頭に位置する孵化室の底面付近に注水を供給し、同孵化室の上方から隣接する次の孵化室の底面付近に順次注水可能とし、最後尾に配した孵化室の上方から排水可能としたものとすることが可能である外、後述する実施例にも示すように、仕切り壁板の上端縁を流水面より高く、しかも同下端縁を孵化室の底面よりも僅かに高く設定し、底面上に通水口を開口し、送水口からの注水を先頭に位置する孵化室の底面付近に供給し、同孵化室の下流がわ端に配し、その上端縁を流水面より僅かに低く設定し、同下端縁を孵化室の底面に一致させた中間仕切り板、および、該中間仕切り板との間に流路を確保する如く対峙し、その上端縁を流水面より高く、しかも同下端縁を孵化室の底面よりも僅かに高く設定し、底面上に通水口を開口した仕切り壁板を設け、先頭の孵化室の上端がわから排出された水を、隣接する次の孵化室の底面付近に供給し、同孵化室の下流がわに配した中間仕切り板、およびそれに対峙する仕切り壁板間を通じて、さらに下流がわに隣接する孵化室の底面付近に順次注水可能とし、下流がわ最後尾に位置する孵化室の上端付近から排水口に送水するよう誘導可能とする形状に規制されたものとすることができる。
【0015】
仕切り底板は、複数の小分け容器を孵化槽の孵化室内に着脱自在に設置可能とする機能を担うものであり、孵化槽の孵化室底面付近に供給される注水を、同孵化室底面がわ(通水口より下がわ)と、複数の小分け容器を設置したがわの空間(通水口より上がわ)とに各区する隔壁状をなす機能を兼ねるものとし、各小分け容器を密着状に接続可能とする複数のソケットを適宜間隔毎に配し、各ソケットを通過する注水の上昇圧力が、各小分け容器内に(魚卵飼育に適切な水圧の)上昇水流を発生可能とする形状としなければならず、後述する実施例に示すように、注水用の床上位置を維持可能とするよう、下駄歯状の支持脚を形成してなるものとすることができる。
【0016】
ソケットは、仕切り底板の適所に、同仕切り底板の上下を貫通する通水部分を形成し、その通水部分に小分け容器の設置口(流入口)を着脱自在に密着状で嵌脱自在に装着可能であると共に、小分け容器を立設状に支持可能とする機能を果たし、仕切り底板上に、小分け容器の複数個を、平面配置状で相互間に脱着操作用に必要な小間隙を置いて整然と林立し得るよう規制した配置具合としたときの、それら小分け容器の各流入口位置に合致させた位置に設けたものとしなければならず、着脱操作性を考慮すると、後述する実施例に示すように、小分け容器の設置口(流入口)としたパイプ形状部分の外径が、密着状に嵌脱可能な内径の筒型に設定したものとするのが良い。
【0017】
小分け容器は、孵化槽内の孵化室をさらに小さな魚卵収容区画に仕切ると共に、個別に孵化室から取り出し、各種作業を行った上で、再度装着して飼育・管理できるようにする機能を担い、孵化室内に平面配置状で相互間に脱着操作用に必要な小間隙を置いて整然と林立し得るよう規制した配置具合に装着可能なものとし、仕切り底板への設置口を兼用するよう最下端に設けた流入口、その直上で所定範囲上方に設けた上昇水拡散セル、該上昇水拡散セルとは、魚卵受網を介してその直上に連続するようにし、孵化槽内仕切り底板上へ嵌脱自在に設置した状態で、孵化室内に流入した水の表面から突出して孵化槽周縁の高さに略相当する高さ範囲にまで達しさせ、その上方流水所望方向には魚卵流失阻止網付きで孵化室に連通する切欠き口を設けた寸胴型の育卵セルを有するものとしなければならず、設置口(流入口)から上昇水拡散セル、そして育卵セルまでを同形の寸胴型のものとする外、後述の実施例のもののように、廃棄ペットボトルなどを活用したものの場合のようにそれら形の異なるものとすることもできるなど、水流に不都合を生じない限り、それら形状に制約は特に無く、自由に選択可能である。
【0018】
後述の実施例のもののように、ペットボトルを利用する場合、それが廃棄ペットボトルであれば充分に洗浄した上で、その底部を切除するなどの加工を加えて上下反転した容器に、容器の口のキャップ螺子部に螺合または嵌合可能な塩ビ管などによるソケットやそれらを所定どおりの配置で固定する厚板など各種必要部品類を組み合わせて製作するようにしたものとすることができ、この場合には、例えば、500ml、900ml、1000ml、2000mlなどの市販のペットボトルの何れか、使用目的に最も適した容量のペットボトルを適宜選択して利用することができる。
【0019】
小分け容器の設置口(流入口)は、仕切り底板の各ソケットの任意選択した何れか1個に、互換性をもって密着状に着脱自在とするよう嵌合可能なものとし、小分け容器の上昇水拡散セルから育卵セルへと流水を供給可能とすると共に、小分け容器をソケットに対して自立するよう装着可能とする機能を担うものであり、ソケットとの嵌合を密とする形状、寸法に設定したものとしなければならず、後述する実施例に示すように、必要に応じてアダプターのような中間パイプ部品を組み込んだものとすることが可能であり、特に、ペットボトル製の小分け容器とした場合には、各種容量の異なるペットボトルであっても、設置口(流入口)の口栓部形状が飲料包装容器業界による任意規格で揃えられているものが多いことから、容量の異なる小分け容器を互換性をもって組み込み可能なものとするのが容易となって好都合のものとなる。
【0020】
上昇水拡散セルは、小分け容器の設置口(流入口)から育卵セルへと流入する注水を拡散状に緩衝、圧力分散、減圧化して噴出圧力を緩和する機能を担うものであり、拡散作用が得られる障害物状部材や迷路状の配管路、または、多孔質部材などを装着したものとすべきであり、滅菌作用や浄化作用などが得られる濾過材などを内蔵したものとするのが望ましく、例えば、フィルターやメッシュ、所定量の粒状体や粉状体などを収容したものとすることが可能であり、より具体的には、ガラス玉、プラスチック玉、小石、砂、焼成ゼオライト、後述する実施例に示す、クリストバライトを含むような素焼き玉、または、それらを混合したものなどとすることができ、こうした粒状体を収容する場合には、云うまでもないが、設置口(流入口)がわ、および育卵セルがわへ漏出しないよう堰き止め構造部分を形成したものとしなければならない。
【0021】
魚卵受網は、育卵セルに収容した魚卵が上昇水拡散セルがわに落下しないよう保持可能とすると共に、設置口(流入口)上昇水拡散セルからの流水を育卵セルに通過可能とする機能を分担するものであり、魚卵を脱落しないよう保持可能な網目寸法、形状および強度を有するものとしなければならず、不用意に脱落しない程度に充分な強度で保持されたものとすべきであり、メンテナンスの際には容易に着脱できる形状、素材製のものとするのが望ましく、後述する実施例に示すように、小分け容器をペットボトル製のものとした場合には、ペットボトルの凹凸形状部分の内側に向かって突出する凸条部に嵌脱自在に嵌合装着可能な形状に設定した合成樹脂製ネットとするのが良い。
【0022】
育卵セルは、小分け容器内に魚卵収容部分を形成し、設置口(流入口)上昇水拡散セルからの流水を上向きに通過、排出可能に維持可能とすると共に、魚卵を確実に留めて上方適所から水のみを排水可能とする機能を分担するものであり、上端を開放状とした筒型のものとすべきであり、後述する実施例に示すように、上端開口縁付近の適所に、排水用となる切欠き口を形成し、その切欠き口に魚卵よりも小さな網目に設定した合成樹脂製の魚卵流失阻止網を装着してなるものとすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【実施例1】
【0023】
図1の断面化した孵化装置の側面図、図2の孵化装置の平面図、図3の分解した小分け容器の正面図、図4の仕切り底板の三面図、図5の仕切り底板の底面図、図6の断面化した2連型孵化装置の側面図、および、図7の区画毎の発眼率とその分布の説明図、に示す事例は、定常的な流水環境を維持可能にした孵化槽2と、該孵化槽2内仕切り底板3への設置口5を兼用する流入口5、上昇水拡散セル6、魚卵受網7を介してその直上に連続し、適所に魚卵流失阻止網81付き切欠き口80を設けた育卵セル8を有する小分け容器4との組合せからなり、当該孵化槽2内仕切り底板3には、これら小分け容器4の複数個の、個々の流入口5が密着状で嵌脱自在に装着可能となるソケット30を、小分け容器4の数分だけ同仕切り底板3の上下貫通状に配設、一体化してなるものとしたこの発明の孵化装置における代表的な一実施例を示すものである。
【0024】
各図からも明確に把握できるとおり、この発明の孵化装置1は、市販型の増収型アトキンス式孵化槽を無加工で利用した孵化槽2を有し、該孵化槽2には、送水口23を形成する上流がわ端配置の仕切り壁板21、および、排水口25を形成する下流がわ端配置の中間仕切り板22で仕切られた孵化室20を形成し、当該仕切り壁板21は、その左右端縁を孵化槽2内壁に連結し、その上端縁を流水面WL上に突出するよう設定し、同下端縁を孵化槽2底面より僅かに高く設定し、該孵化槽2底面直上に通水口24を開口したものとし、当該中間仕切り板22は、その左右端縁を孵化槽2内壁に連結し、その上端縁を流水面WLより僅かに低く設定し、同下端縁を孵化槽2底面に連結したものとしてある。
【0025】
図1に示すように、仕切り底板3は、孵化槽2孵化室20底面上の通水口24よりも僅かに高い位置に水平状且つ着脱可能に設置したものであり、複数個の小分け容器4,4,……を、平面配置状で相互間に脱着操作用に必要な小間隙を置いて整然と林立し得るよう規制した配置具合としたときの、それら小分け容器4,4,……の各流入口5,5,……位置に合致させた位置に、個々の流入口5,5,……が密着状で嵌脱自在に装着可能となるソケット30,30,……を、小分け容器4,4,……の数分だけ同仕切り底板30の上下貫通状に配設、一体化してなるものであり、当該仕切り底板30を市販の塩化ビニール製の板と配管パイプ素材との組み合わせ連結品とし、各部の寸法は、市販型の孵化槽2孵化室20の室内寸法に合わせて、例えば、図4および図5に示すように、A=308mm、B=31mm、C=85mm、D=76mm、E=36mm、F=77mm、G=41mm、H=30mm、J=5mm、K=Φ29mmとし、各ソケット30,30,……を塩化ビニール製パイプ配管用のVP16ソケットから形成し、同仕切り底板30の下面には、通水可能な充分な大きさの切り欠きを有する下駄歯状であって、高さ41mm、厚さ5mmの複数枚の支持脚31,31,……を均衡配置するよう形成したものとしてある。
【0026】
図1および図3に示すように、小分け容器4は、仕切り底板3への設置口5を兼用するよう最下端に設けた流入口5、その直上で所定範囲上方に設けた上昇水拡散セル6、該上昇水拡散セル6とは、魚卵受網7を介してその直上に連続するようにし、孵化槽2内仕切り底板3上へ嵌脱自在に設置した状態で、孵化室20内に流入した水の表面から突出して孵化槽2周縁の高さに略相当する高さ範囲にまで達しさせ、その上方流水所望方向には魚卵流失阻止網81付きで孵化室20に連通する切欠き口80を設けた寸胴型の育卵セル8を有するものであり、例えば1000mlのペットボトル4の底部40を水平に切断除去し、上下を反転させ、ペットボトル4のキャップ(図示せず)を取り外し、塩化ビニール製配管用のVP16パイプを長さ40mmの短筒状に切断したアダプターパイプ50を、接続パイプとするよう、先端露出状に装着し、複数本のステンレス製タッピングネジ51,51(長さ12mm)を外がわから中心に向けて肉厚を貫通するよう螺着、連結して設置口5(流入口)5を形成し、設置口5(流入口)5の直上で漏斗状(ボトルネックの倒立部分)をなす部分に、滅菌性能を有する拡散材をなす、直径10mmのクリストバライト玉60,60,……の複数個(例えば50個)を収容し、タッピングネジ51,51が、クリストバライト玉60,60,……を堰き止めて落下、漏出を阻止するものとして上昇水拡散セル6を形成してある。
【0027】
ペットボトル4の漏斗状(ボトルネックの倒立部分)をなす部分と、それよりも上がわとなる寸胴部分との境目となる位置に、上昇水拡散セル6と、その直上に配する育卵セル8とを魚卵よりも小さな網目の合成樹脂製の魚卵受網7(例えば、商品名:ネトロンネットN−11)で仕切るよう、同魚卵受網7の外周縁が、ペットボトル4の内周壁の内向き凸状成型部分(図示せず)に嵌合するよう、着脱可能に装着したものとし、さらに、該育卵セル8の上端周縁の一角には、上方流水を育卵セル8外(孵化室20内)へ流出可能な適宜形状の切欠き口80を形成し、同切欠き口80の全面に魚卵よりも小さな網目の合成樹脂製魚卵流失阻止網81を固着してなるものとしてある。
【0028】
図1、図3ないし図5に示すように、以上の如く形成した仕切り底板3は、孵化槽2の各孵化室20底部に着脱自在に載置状設置可能であり、当該仕切り底板3の各ソケット30,30,……夫々に対して、ペットボトル製小分け容器4,4,……の各設置口5(流入口)アダプターパイプ50先端がわを下向きに差し込むことで、密着状且つ着脱自在に嵌合、装着可能なものとなっている。
【0029】
そして、当該孵化装置1は、図2に示すように、孵化槽2の孵化室20,20を送水口23を挟みセンターラインCLを中心に対称配置とするよう2つ以上配したものとすることができる外、図6に示すように、孵化槽2の送水口23から排水口25がわに、1室または連続して複数室の孵化室20,20,……を順次設けたものとすることができる。
【0030】
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の孵化装置1は、図1および図2中に示すように、市販型の増収型アトキンス式の孵化槽2を用いて、塩化ビニール素材製の市販材料を加工し、組み合わせて作成した仕切り底板3、および、複数本の廃棄ペットボトルを再生利用した小分け容器4,4,……を組み込んでなるものとしてあるから、専用設計の部品を新たに製造する場合に比較して格段に経済的なものとすることができる上、老朽破損した場合にも孵化槽2以外は、廉価にて修繕、および部品交換することができるという秀れた特徴を発揮するものとなる。
【0031】
図1ないし図3に示すように、孵化槽2孵化室20に設置した仕切り底板3の各ソケット30,30,……に、各育卵セル8,8,……内に切欠き口80魚卵流失阻止網81に達しない量(1000mlのペットボトル使用の場合、卵径が4.5mmサイズで7〜8千粒、卵径が5mmサイズで4〜5千粒程度)の魚卵9,9,……を収容した小分け容器4,4,……の各設置口(流入口)5,5,……アダプターパイプ50,50,……を夫々密着状に差し込み装着し、図1に示すように、孵化槽2送水口23から魚卵9,9,……の育卵に適する水質および水温の河川水、地下水、またはそれ以外の清水などを定常的に連続供給し、通水口24から仕切り底板3下面に開口する各ソケット30,30,……から流入して上昇する流水は、各設置口(流入口)5,5,……アダプターパイプ50,50,……を通じて各上昇水拡散セル6,6,……に流入することとなる。
【0032】
各上昇水拡散セル6,6,……に流入した水は、各上昇水拡散セル6,6,……内のクリストバライト玉60,60,……に衝突しながら拡散し、減圧されると共に、クリストバライトの浄化作用の恩恵に浴して水の汚れを少しでも浄化できるようにした上、魚卵受網7,7,……を通過して各育卵セル8,8,……内に上昇し、各育卵セル8,8,……内の魚卵9,9,……の周囲を静かに上昇し、魚卵9,9,……の老廃物を洗い流し、育卵環境を整えると共に、各育卵セル8,8,……内を衛生的に保って感染症の発生を予防するものとなり、各育卵セル8,8,……の上方まで上昇した水は、各切欠き口80魚卵流失阻止網81を通過して孵化室20内に排出され、各切欠き口80魚卵流失阻止網81から孵化室20内に排出された水は、中間仕切り板22の上端縁を超えた分が排水口25を通じて孵化槽2外へ排出されることとなり、定常的に流水環境が維持されるものとなる。
【0033】
透明なペットボトル製の小分け容器4は、育卵セル8内に収容した魚卵9,9,……の状態を簡単に目視確認することができ、へい死した魚卵9を発見した場合には、該当する小分け容器(ペットボトル)4だけを、設置口(流入口)5アダプターパイプ50を境に、仕切り底板3ソケット30から引き抜くように取り外して水中から引き上げ、へい死した魚卵9および感染症を起こしている周辺の魚卵9,9,……も除去して、速やかに再度組み込み操作して元の仕切り底板3ソケット30に設置口(流入口)5アダプターパイプ50を差し込み、接続して継続的に利用することが可能であり、従来型の魚卵9,9,……一括収容型のものに比較し、局部的な作業に止め置いてその他大部分の漁卵に衝撃障害を惹起することも無くなることから、作業に殊更の神経を使うことも無くなり、格段に効率的な作業内容で、感染症の拡大を最小限度に留めることが可能となるという、これまでには全く期待できなかった効果を奏するものとなる。
【0034】
図7に示すように、孵化槽2孵化室20内に、平面配置で横4行、縦4列の配置とした合計16個の小分け容器(ペットボトル)4,4,……を装着して、実際に育卵実験を行った結果、同図7中に各小分け容器4,4,……内の数字で示すように、通常の孵化槽では達成困難な程度に極めて高い80%を優に超える発眼率を達成することができた。
【0035】
また、図6に示すように、孵化槽2の送水口23から排水口25までの間に2つ以上の孵化室20,20を、上流がわから下流がわに順次配したものとすることによって、より多くの小分け容器(ペットボトル)4,4,……を設置することが可能となり、増殖、実験、研究などの各使用目的に応じて一段と効率的な育卵を実現化できるという利点が得られるものとなる。
【0036】
(結 び)
叙述の如く、この発明の孵化装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、市販型の孵化槽を利用することが可能であるから、大幅な経費削減を達成し、低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、育卵管理の作業性を格段に改善し得るものとなることから、従前までは感染症の広がりを早期発見できずに大量のへい死を招く虞があったが、こうした課題を解決し、発眼率を一段と高めることができ、多品種少量の魚卵を一基の孵化槽で一括管理可能となって飼育負担を大幅に軽減するものとなり、これまで多大な労力、時間と多くの経費とを要していた多品種の人工孵化や、バイオテクノロジー研究などの分野における様々な実験および研究に大いに役立つものとなって、魚類の養殖業界および各種研究機関などにおいても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図面は、この発明の孵化装置の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【図1】断面化した孵化装置を示す側面図である。
【図2】孵化装置を示す平面図である。
【図3】分解した小分け容器を示す正面図である。
【図4】仕切り底板を示す三面図である。
【図5】仕切り底板を示す底面図である。
【図6】断面化した2連型孵化装置を示す側面図である。
【図7】区画毎の発眼率とその分布を示す説明図である。
【符号の説明】
【0038】
1 孵化装置
2 孵化槽
20 同 孵化室
21 同 仕切り壁板
22 同 中間仕切り板
23 同 送水口
24 同 通水口
25 同 排水口
3 仕切り底板
30 同 ソケット
31 同 支持脚
4 小分け容器(ペットボトル)
40 同 ペットボトルの底部
5 設置口(流入口)
50 同 アダプターパイプ
51 同 タッピングネジ
6 上昇水拡散セル
60 同 クリストバライト玉
7 魚卵受網
8 育卵セル
80 同 切欠き口
81 同 魚卵流失阻止網
9 魚卵

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切り壁板と仕切り底板とで仕切られた孵化室を設け、送水口からの注水を該孵化室経由で排水口方向へ誘導し、定常的な流水環境を維持可能にした孵化槽と、該孵化槽内仕切り底板への設置口を兼用するよう最下端に設けた流入口、その直上で所定範囲上方に設けた上昇水拡散セル、該上昇水拡散セルとは、魚卵受網を介してその直上に連続するようにし、孵化槽内仕切り底板上へ嵌脱自在に設置した状態で、孵化室内に流入した水の表面から突出して孵化槽周縁の高さに略相当する高さ範囲にまで達しさせ、その上方流水所望方向には魚卵流失阻止網付きで孵化室に連通する切欠き口を設けた寸胴型の育卵セルを有する小分け容器との組合せからなり、当該孵化槽内仕切り底板には、これら小分け容器の複数個を、平面配置状で相互間に脱着操作用に必要な小間隙を置いて整然と林立し得るよう規制した配置具合としたときの、それら小分け容器の各流入口位置に合致させた位置に、個々の流入口が密着状で嵌脱自在に装着可能となるソケットを、小分け容器の数分だけ同仕切り底板の上下貫通状に配設、一体化してなるものとしたことを特徴とする孵化装置。
【請求項2】
仕切り壁板と仕切り底板とで仕切られた孵化室を、1室または連続して複数室設け、送水口からの注水を該孵化室経由で排水口方向へ誘導し、定常的な流水環境を維持可能にした孵化槽と、該孵化槽内仕切り底板への設置口を兼用するよう最下端に設けた流入口、その直上で所定範囲上方に設けた上昇水拡散セル、該上昇水拡散セルとは、魚卵受網を介してその直上に連続するようにし、孵化槽内仕切り底板上へ嵌脱自在に設置した状態で、孵化室内に流入した水の表面から突出して孵化槽周縁の高さに略相当する高さ範囲にまで達しさせ、その上方流水所望方向には魚卵流失阻止網付きで孵化室に連通する切欠き口を設けた寸胴型の育卵セルを有する小分け容器との組合せからなり、当該孵化槽内仕切り底板は、複数個を一群とした小分け容器用に応じた平面形を有し、該仕切り底板には、これら一群の小分け容器を、平面配置状で相互間に脱着操作用に必要な小間隙を置いて整然と林立し得るよう規制した配置具合としたときの、それら小分け容器の各流入口位置に合致させた位置に、個々の流入口が密着状で嵌脱自在に装着可能となるソケットを、小分け容器の数分だけ同仕切り底板の上下貫通状に配設、一体化してなるものとしたことを特徴とする孵化装置。
【請求項3】
上昇水拡散セルは、流入口の直上で所定範囲上方まで漏斗状のものに形成された、請求項1または2何れか一記載の孵化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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