説明

宇宙背景ニュ−トリノの観測法

【課題】無指向の宇宙背景ニュ−トリノの検出方法を提供する。
【解決手段】平面コンデンサ−を大気中に置いて、絶縁膜或いは重水を染ませた紙と負極板の間のミクロなHビームまたはDビ−ムをニュートリノと相互作用させ、そのコンデンサ−を含む電気回路の電流発生でニュートリノを検出する。水素の場合は絶縁膜の自然吸着を利用し、重水素の場合は重水を染ませた紙を絶縁膜に重ねる。付加コンデンサ−と抵抗からなる電気回路にガルバノメ−タ−を入れ、平面コンデンサ−の端子電圧を調節し、無指向で発生する電流を、指針の振れの残像で観測する。

【発明の詳細な説明】
(検出方法)
大気中に置いた平面コンデンサ−の絶縁膜とコンデンサ−の負極板の間のミクロなHイオンビ−ム或いはDイオンビ−ムを利用する。即ち、この間にニュ−トリノが飛来するときの平面コンデンサ−を含む電気回路の電流発生をガルバノメ−タ−で測定する。
<1>その絶縁膜の表面に水素を自然吸着している平面コンデンサ−[C]と水素分子の分極の概念図は特願2003−192465に示した。反電子ニュ−トリノビ−ムνが入射する場合を図1A,Bに示す。ここでは、[C]の負極板内面のミクロなHビ−ムで
ν+H⇒e+n
の相互作用が生じる。ここにeは陽電子(ポジトロン)、nは中性子である。このとき陽電子eの立ち上がり時間は〜10−8secと速く、一方、Hのnへの変化(H電流の減衰でわかる)は〜10−5secと遅いことは特許願2003−54945の質量分析法でわかっている。この現象を考慮すると図1A,Bに示したコンデンサ−[C]を含む電気回路では、eの全(N)電荷(Ne)の速い変化によるパルス的電流Iのみが約5msec間隔で発生する。かくてI=d(Ne)/dtをガルバノメ−タ−の指針の振れの残像で検出すれば、νの入射によるミクロなHビ−ムとの相互作用が確認できる。
<2>正電子ニュ−トリノνの場合には重水素の正イオンDビ−ムとの相互作用
ν+D(n,H)⇒e+2H
を利用するので重水を染ませた紙を平面コンデンサ−の絶縁膜と負極板の間に挟む(特願2002−364463)。図2A,Bに示したように、大気中に置いた平面コンデンサ−[C]の絶縁膜の上の重水を染ませた紙と負極板の間の、ミクロなDビ−ムと[C]の電気回路の電流発生を利用すると簡単にνの入射を確認できる。即ち、[C]の負極内面のミクロなDビ−ムでもνと相互作用して、負電子eと2倍の水素正イオン2Hが上式のように発生する。このときeの立ち上がり時間は〜10−8secと速く、一方Dの2Hへの変化(Dビ−ム電流の増大)は〜10−5secと遅いことは特願2002−364463の質量分析でわかっている。この現象を考慮すると図2A,Bに示したような[C]を含む電気回路では、eの全(N)電荷(Ne)の速い変化によるパルス的な電流Iのみが〜5msec間隔で発生する。かくて、I=d(Ne)/dtをガルバノメ−タ−の指針の振れを残像で観測すれば ν+D⇒e+2Hの相互作用によってνの入射が確認できる。
(宇宙背景ニュ−トリノの観測)
宇宙の始まり、ビックバ−ンから1秒後位にニュ−トリノが自由に飛び離れて、今では1.9’K(2.4×10−4eV)位の低エネルギ−で宇宙に満ちて、極低限の背景ニュ−トリノ放射となっていると推定されている。この背景(反、正電子)ニュ−トリノν,νはH,Dビ−ムの運動量がある値以上で相互作用すると2.4×10−4eVの陽電子e,負電子e,に変換されることはこれまでの実験から推定される。即ち、H,Dビ−ムの運動量がそのe,eの運動量を越える条件

ここに、V,VはH,Dの加速電圧、コンデンサ−の電気回路では端子電圧である。また、Ve+,Ve−は上のe,eのエネルギ−換算電圧である。30cm×45cmの平面コンデンサ−の端子電圧を変えながらガルバノメ−タ−の電流I±を約5msec

クバン1sec位後の1.9’Kの宇宙背景ニュ−トリノ(〜10/cmsec)と考えられる。なお、図4A,Bで平面コンデンサ−の端子電圧、V>0.16V,V>0.11Vから陽

宙背景反電子、正電子ニュ−トリノを示している。eとeが非対称で正電子ニュ−トリノが大きく、正物質が反物質より増大する始まりを示している。

【図面の簡単な説明】
[図1]反電子ニュ−トリノによる平面コンデンサ−回路の電流発生
A平面コンデンサ−の電流検出回路 B反電子ニュ−トリノとの相互作用
[図2]正電子ニュ−トリノによる平面コンデンサ−回路の電流発生
A平面コンデンサ−の電流検出回路 B正電子ニュ−トリノとの相互作用
[図3]最初の宇宙背景ニュ−トリノの観測デ−タ
A Hコンデンサ−の電気回路による
B Dコンデンサ−の電気回路による
[図4]第2期宇宙背景ニュ−トリノの観測デ−タ
A Hコンデンサ−の電気回路による
B Dコンデンサ−の電気回路による
【符号の説明】
[図1]図面参照
[図2]図面参照
[図3][図4]
:ガルバノメ−タ−の正電流
:ガルバノメ−タ−の負電流
:コンデンサ−の端子電圧(Hの加速電圧)
:重水コンデンサ−の端子電圧(Dの加速電圧〉
ν:反電子ニュ−トリノ、ν:正電子ニュ−トリノ
:陽電子、e:負電子
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素、重水素吸着コンデンサ−の電気回路による宇宙背景ニュ−トリノの検出法。

【公開番号】特開2006−10663(P2006−10663A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−213662(P2004−213662)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(391010194)
【Fターム(参考)】