安全制御盤及び安全制御システム
【課題】機械が有する制御盤に簡単に着脱可能な安全制御盤を提供する。
【解決手段】安全制御盤30は、制御盤20から電源を受電する配線が接続される端子台35、及び安全PLC31にて構成される。端子台35は、安全PLC31に配線接続され、安全PLC31に電源を供給する。安全PLC31は、入力部32、制御部33、及び出力部34を備える。入力部32は、安全機器が接続される端子台36〜41、及び機械2が有するPLC22と通信線で接続される端子台56と、を備える。制御部33は、入力部32から入力される信号に基づいて演算し、演算結果を出力部34に出力することで、電源の供給を制御する。出力部34は、端子台43〜45を備え、制御部33の演算結果により制御された電源を出力する。端子台43は運転許容状態のときに電源を供給し、端子台44は機械作業領域14に動力供給し、端子台45は危険領域15に動力供給する。
【解決手段】安全制御盤30は、制御盤20から電源を受電する配線が接続される端子台35、及び安全PLC31にて構成される。端子台35は、安全PLC31に配線接続され、安全PLC31に電源を供給する。安全PLC31は、入力部32、制御部33、及び出力部34を備える。入力部32は、安全機器が接続される端子台36〜41、及び機械2が有するPLC22と通信線で接続される端子台56と、を備える。制御部33は、入力部32から入力される信号に基づいて演算し、演算結果を出力部34に出力することで、電源の供給を制御する。出力部34は、端子台43〜45を備え、制御部33の演算結果により制御された電源を出力する。端子台43は運転許容状態のときに電源を供給し、端子台44は機械作業領域14に動力供給し、端子台45は危険領域15に動力供給する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械や産業用ロボットなどの作業者が共存する各種の機械に着脱可能な安全制御盤、及びこの安全制御盤を備えた安全制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、工作機械や産業用ロボットなど作業者が共存する機械においては、作業者の安全を確保するために安全制御回路を構築していた。例えば、このような安全制御回路が下記の特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−227873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、既存の機械に対して安全制御回路を構築するためには、機械が有する制御盤に安全制御機器を追加したり、配線を変更することで制御回路を2重化する必要がある。しかし、既存の制御盤に機器を追加するためのスペースが不足していたり、配線変更が複雑になった場合には、新たな制御盤を製作して制御盤ごと交換する必要があった。制御盤の交換は、長期の作業期間を要するため、機械を停止する期間が長くなってしまい生産計画に影響を及ぼす可能性もあった。また、新たに製作する機械においても、国際規格に準じた安全設計技術に関する設計ルールの理解が難しく、適切な安全制御回路の構築が困難であるため、高コスト化の原因になっていた。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、機械が有する制御盤に簡単に着脱可能な安全制御盤、及びこのような安全制御盤を備えた安全制御システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る安全制御盤の構成上の特徴は、機械が有する制御盤に着脱可能であって、前記機械が作業する作業領域の安全を確保する安全制御盤において、電源を受電する配線が接続される第1の接続部と、前記第1の接続部に接続される安全PLCと、を備え、前記安全PLCは、前記機械に備える安全機器が接続される入力部と、前記機械に電源を供給する出力部と、前記入力部から入力される信号に基づいて演算し、演算結果を前記出力部に出力する制御部と、を有し、前記入力部は、前記機械の運転の許容を指示する運転準備指示部が接続される第2の接続部と、前記機械の運転の禁止を指示する非常停止指示部が接続される第3の接続部と、を含み、前記出力部は、前記機械が運転許容状態であるときに前記機械に電源を供給する第4の接続部を含み、前記制御部は、前記運転準備指示部から入力があったときに前記機械を運転許容状態にし、前記非常停止指示部から入力があったときに前記機械を運転禁止状態にするものである。
【0007】
安全PLCとは、ハードウエア構成又はソフトウエア構成を二重化して信頼性を高めたプログラマブルロジックコントローラをいう。
請求項1の安全制御盤は、第1の接続部に電源を配線し、安全PLCが有する第2の接続部及び第3の接続部のそれぞれに機械の運転準備指示部(例えば、運転準備押しボタンスイッチ)及び機械の非常停止指示部(例えば、非常停止押しボタンスイッチ)を配線接続するとともに、機械と第4の接続部とを配線接続することで、機械が有する制御盤に簡単に装着することができる。
【0008】
機械に装着された請求項1の安全制御盤は、安全PLCの制御部が入力部から入力される信号に基づいて演算し、演算結果を出力部に出力する。具体的に、請求項1の安全制御盤は、運転準備指示部から入力があったときには、第4の接続部を介して機械に電源を供給し、機械を運転許容状態にする。また、請求項1の安全制御盤は、非常停止指示部から入力があったときには、電源の供給を停止し、機械を運転禁止状態にする。
【0009】
これにより、請求項1の安全制御盤は、機械が有する既存の制御盤の交換や大きな改造を必要とせずに、適切な安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項1の安全制御盤は、安全制御回路を低コストで構築することができる。
【0010】
請求項2に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記出力部に接続するリレー出力部を備え、前記リレー出力部は、前記機械が運転許容状態であるときに駆動する運転準備用安全リレーモジュールと、前記機械へ供給する電源ラインが接続される第5の接続部と、を有し、前記運転準備用安全リレーモジュールは、前記第4の接続部に配線接続されるコイルと、前記第5の接続部に接続される接点と、を含み、前記制御部は、前記運転準備用安全リレーモジュールの接点を介在して前記第5の接続部に電源を供給するものである。
【0011】
請求項2の安全制御盤において運転準備用安全リレーモジュールは、安全PLCの第4の接続部とコイルとを配線接続するとともに、リレー出力部の第5の接続部と接点とを配線接続することにより、安全制御盤に容易に取り付けることができる。請求項2の安全制御盤は、機械が運転許容状態であるときに、運転準備用安全リレーモジュールのコイルを駆動し、運転準備用安全リレーモジュールの接点を介在して第5の接続部に電源を供給し、機械を運転許容状態にする。
【0012】
即ち、請求項2の安全制御盤は、寿命が短い安全リレーモジュールを安全PLCの出力部とは別に備えており、この安全リレーモジュールが故障した場合には、安全PLCの出力部の交換、修理を要することなく、安全リレーモジュールを交換するだけで、安全リレーモジュールの故障に対応することができる。したがって、請求項2の安全制御盤は、容易かつ低コストに、保守性を向上させることができる。
【0013】
請求項3に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記出力部は、人間が作業せず前記機械のみが作業する機械作業領域が動力供給許容状態であるときに前記機械に電源を供給する第6の接続部を含み、前記制御部は、前記運転準備指示部から入力があったときに前記機械作業領域を動力供給許容状態にし、前記非常停止指示部から入力があったときに前記機械作業領域を動力供給禁止状態にするものである。
【0014】
これにより、請求項3の安全制御盤は、機械作業領域の動力供給制御が簡単にできるようになり、安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項3の安全制御盤は、安全制御回路を低コストで構築することができる。
【0015】
請求項4に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記リレー出力部は、前記機械作業領域が動力供給許容状態であるときに駆動する動力供給用安全リレーモジュールと、前記機械へ供給する電源ラインが接続される第7の接続部と、を有し、前記動力供給用安全リレーモジュールは、前記第6の接続部に配線接続されるコイルと、前記第7の接続部に接続される接点と、を有し、前記制御部は、前記動力供給用安全リレーモジュールの接点を介在して前記第7の接続部に電源を供給するものである。
【0016】
請求項4の安全制御盤において動力供給用安全リレーモジュールは、安全PLCの第6の接続部とコイルとを配線接続するとともに、リレー出力部の第7の接続部と接点とを配線接続することにより、安全制御盤に容易に取り付けることができる。請求項4の安全制御盤は、機械作業領域が動力供給許容状態であるときに、動力供給用安全リレーモジュールのコイルを駆動し、動力供給用安全リレーモジュールの接点を介在して第7の接続部に電源を供給し、機械作業領域を動力供給許容状態にする。
【0017】
即ち、請求項4の安全制御盤は、寿命が短い安全リレーモジュールを安全PLCの出力部とは別に備えており、この安全リレーモジュールが故障した場合には、安全PLCの出力部の交換、修理を要することなく、安全リレーモジュールを交換するだけで、安全リレーモジュールの故障に対応することができる。したがって、請求項4の安全制御盤は、容易かつ低コストに、保守性を向上させることができる。
【0018】
請求項5に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記出力部は、前記機械が作業する作業領域と前記人間が作業する作業領域が重なる危険領域が動力供給許容状態であるときに前記機械に電源を供給する第8の接続部を含み、前記制御部は、前記運転準備指示部から入力があったときに前記危険領域を動力供給許容状態にし、前記非常停止指示部から入力があったときに前記危険領域を動力供給禁止状態にするものである。
【0019】
これにより、請求項5の安全制御盤は、危険領域の動力供給制御が簡単にできるようになり、安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項5の安全制御盤は、安全制御回路を低コストで構築することができる。
【0020】
請求項6に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記リレー出力部は、前記危険領域が動力供給許容状態であるときに駆動する部分動力供給用安全リレーモジュールと、前記機械へ供給する電源ラインが接続される第9の接続部と、を有し、前記部分動力供給用安全リレーモジュールは、前記第8の接続部に配線接続されるコイルと、前記第9の接続部に接続される接点と、を有し、前記制御部は、前記部分動力供給用安全リレーモジュールの接点を介在して前記第9の接続部に電源を供給するものである。
【0021】
請求項6の安全制御盤において部分動力供給用安全リレーモジュールは、安全PLCの第8の接続部とコイルとを配線接続するとともに、リレー出力部の第9の接続部と接点とを配線接続することにより、安全制御盤に容易に取り付けることができる。請求項6の安全制御盤は、危険領域が動力供給許容状態であるときに、部分動力供給用安全リレーモジュールのコイルを駆動し、部分動力供給用安全リレーモジュールの接点を介在して第9の接続部に電源を供給し、危険領域を動力供給許容状態にする。
【0022】
即ち、請求項6の安全制御盤は、寿命が短い安全リレーモジュールを安全PLCの出力部とは別に備えており、この安全リレーモジュールが故障した場合には、安全PLCの出力部の交換、修理を要することなく、安全リレーモジュールを交換するだけで、安全リレーモジュールの故障に対応することができる。したがって、請求項6の安全制御盤は、容易かつ低コストに、保守性を向上させることができる。
【0023】
請求項7に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記入力部は、前記機械作業領域と前記危険領域との境界に配置される防御シャッタの開閉を監視するシャッタ監視センサが接続される第10の接続部を含み、前記制御部は、前記防御シャッタが開状態のときに前記機械作業領域を動力供給禁止状態にするものである。
【0024】
これにより、請求項7の安全制御盤は、防御シャッタを有する機械作業領域の動力供給制御が簡単にできるようになり、安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項7の安全制御盤は、安全制御回路を低コストで構築することができる。
【0025】
請求項8に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記入力部は、前記機械作業領域への前記人間が進入するために配置される入口扉の開閉を監視する入口扉監視センサが接続される第11の接続部を含み、前記制御部は、前記入口扉が開状態のときに前記機械作業領域を動力供給禁止状態にするとともに前記危険領域を動力供給禁止状態にするものである。
【0026】
これにより、請求項8の安全制御盤は、入口扉を有する機械作業領域及び危険領域の動力供給制御が簡単にできるようになり、安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項8の安全制御盤は、安全制御回路を低コストで構築することができる。
【0027】
請求項9に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記入力部は、前記危険領域と前記人間のみが作業する人間作業領域の境界を監視するライトカーテンが接続される第12の接続部を含み、前記制御部は、前記ライトカーテンが遮光されたときに前記危険領域を動力供給禁止状態にするものである。
【0028】
これにより、請求項9の安全制御盤は、ライトカーテンを有する危険領域の動力供給制御が簡単にできるようになり、安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項9の安全制御盤は、安全制御回路を低コストで構築することができる。
【0029】
請求項10に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記入力部は、前記ライトカーテンの監視状態を解除する保守モード設定スイッチが接続される第13の接続部を含み、前記制御部は、前記保守モード設定スイッチにより前記ライトカーテンの監視状態が解除されたときに前記危険領域を動力供給許容状態にするものである。
【0030】
これにより、請求項10の安全制御盤は、ライトカーテンの監視状態を解除する保守モード設定スイッチを有する危険領域の動力供給制御が簡単にできるようになり、安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項10の安全制御盤は、安全制御回路を低コストで構築することができる。
【0031】
請求項11に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記入力部は、前記危険領域と前記人間作業領域との境界に配置される前面防護扉の開閉を監視する防護扉監視センサが接続される第14の接続部を含み、前記制御部は、前記前面防護扉が開状態のときに前記危険領域を動力供給禁止状態にするものである。
【0032】
これにより、請求項11の安全制御盤は、前面防護扉を有する危険領域の動力供給制御が簡単にできるようになり、安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項11の安全制御盤は、安全制御回路を低コストで構築することができる。
【0033】
請求項12に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記出力部は、前記出力部から供給する電源を供給又は遮断するリレーを含み、前記リレーのリレー接点により前記機械に電源を供給又は遮断するものである。
【0034】
これにより、請求項12の安全制御盤は、機械に取り付けられる直流用のPLC入出力モジュール及び直流用の入出力機器は、無電圧のリレー接点により供給される電源ラインに接続されるので、直流電源の両極性共に使用できる。また、既存の機械に取り付けられた直流用のPLC入出力モジュール及び直流用の入出力機器が直流電源の両極性共に使用できるので、交換の必要がなくそのまま使用できるので低コスト化できる。
【0035】
請求項13に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記入力部は、前記機械の制御盤に取り付けられているPLCから通信線が接続される第15の接続部を含み、前記制御部は、前記PLCから受信する信号に基づき、前記出力部から供給する電源を供給又は遮断するとともに前記安全PLCの入力及び出力の信号を前記PLCに送信するものである。
【0036】
これにより、請求項13の安全制御盤は、機械の制御盤に取り付けられているPLCが、安全制御盤が有する安全PLCと通信線にて接続されることにより、省配線で簡単に安全PLCのモニタ情報等を取得できるので、機械の保全性を向上させることができる。
【0037】
請求項14に係る安全制御システムの構成上の特徴は、請求項1、3、5、及び7〜13のいずれか1項に記載の安全制御盤を備え、前記安全制御盤の前記第1の接続部に前記機械の制御盤内の電源を配線接続し、前記機械が備える安全機器を前記入力部に配線接続し、前記機械の出力機器を駆動する電源ラインを前記出力部に配線接続し、前記制御部は、前記安全機器から与えられる信号に基づいて前記電源ラインに給電又は給電を停止するものである。
【0038】
また、請求項15に係る安全制御システムの構成上の特徴は、請求項2、4、6〜11、及び13のいずれか1項に記載の安全制御盤を備え、前記安全制御盤の前記第1の接続部に前記機械の制御盤内の電源を配線接続し、前記機械が備える前記安全機器を前記入力部に配線接続し、前記機械の前記出力機器を駆動する電源ラインを前記リレー出力部に配線接続し、前記制御部は、前記安全機器から与えられる信号に基づいて前記電源ラインに給電又は給電を停止するものである。
【0039】
これにより、請求項14及び請求項15の安全制御システムは、既存の機械において、機械と作業者が共存する場合の作業者の安全を確保しようとしたとき、既存の機械が有する制御盤に対して大きな改造を必要とせず、適切な安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項14及び請求項15の安全制御システムは、安全制御回路を低コストで構築することが可能である。
【0040】
さらに、新たに製作する機械においても、安全制御回路一式を制御盤に備えているので、適切な安全制御回路を迅速に構築することができ、低コストで安全制御システムを提供できる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、機械が備える制御盤への安全制御盤の着脱が容易であるため、適切な安全制御回路を迅速に構築することができる。そのため、本発明の安全制御盤及び安全制御システムは、安全制御回路を低コストで構築することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第1実施形態:安全制御システムの構成を示す概略図である。
【図2】第1実施形態:制御盤の構成を示す概略図である。
【図3】第1実施形態:安全制御盤の構成を示す概略図である。
【図4】第1実施形態:安全制御盤が備える安全PLCの入力部における配線接続を示す概略図である。
【図5】第1実施形態:安全制御盤が備える安全PLCの出力部における配線接続を示す概略図である。
【図6】第1実施形態:安全PLCとPLCとが通信で接続された状態を示す接続図である。
【図7】第1実施形態:安全PLCとPLCとの通信の通信信号マップである。
【図8】第1実施形態:安全PLCのPLC通信用のラダー回路図である。
【図9】第1実施形態:安全PLCの安全制御用のラダー回路図である。
【図10】第2実施形態:安全制御システムの構成を示す概略図である。
【図11】第2実施形態:安全制御盤の構成を示す概略図である。
【図12】第2実施形態:安全制御盤が備える安全PLCの入力部における配線接続を示す概略図である。
【図13】第2実施形態:安全PLCの安全制御用のラダー回路図である。
【図14】第3実施形態:制御盤の構成を示す概略図である。
【図15】第3実施形態:安全制御盤が備える安全PLCの出力部における配線接続を示す概略図である。
【図16】第4実施形態:安全制御盤の構成を示す概略図である。
【図17】第4実施形態:安全制御盤が備える安全PLCの出力部における配線接続を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の安全制御盤及び安全制御システムを具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の安全制御システム1の構成を示す概略図である。この安全制御システム1は、機械2が有する制御盤20に安全制御盤30を装着して構成され、作業者(人間)の安全を確保する。作業者が共存して作業する機械2は、機械設備10、制御盤20、及び操作盤24にて構成されている。
【0044】
機械設備10は、作業者が作業せず機械2のみが作業する機械作業領域14と、機械2が作業する作業領域と作業者が作業する作業領域が重なり災害が発生する可能性がある危険領域15と、の二つの領域に区画される。
【0045】
機械作業領域14及び危険領域15は、それぞれが分離安全ガード13によって囲まれており、それぞれの領域が分離安全ガード13によって分離されている。機械作業領域14には、機械の主要部位である機械本体11が配置され、危険領域15には、機械の作業対象であるワークを載置するワーク置き台12が配置される。
【0046】
機械作業領域14と危険領域15との境界に配置される分離安全ガード13には、防御シャッタ16と、防御シャッタ16の開閉を監視するシャッタ監視センサ16a(2重化された安全機器)と、が取り付けられる。
【0047】
防御シャッタ16が開状態になると、機械作業領域14と危険領域15とが連通され、機械本体11が機械作業領域14から危険領域15に進入可能となる。また防御シャッタ16を閉状態にすることにより、機械作業領域14と危険領域15とが分離され、作業者が誤って機械作業領域14へ侵入するのが防御される。
【0048】
機械作業領域14を囲む分離安全ガード13には、保守作業をする保守作業者が機械作業領域14に進入するための入口扉17と、入口扉17の開閉を監視する入口扉監視センサ17a(2重化された安全機器)とが取り付けられる。
【0049】
また、危険領域15を囲む分離安全ガード13には、作業者が危険領域15にワークを搬入出するための開口部18aが形成され、この開口部18aは、ライトカーテン18(2重化された安全機器)によって監視される。
【0050】
図2は、制御盤20の構成を示す概略図である。制御盤20は、DC24Vの直流電源を有する電源部21、制御回路が予めプログラムされたPLC22、安全機器の配線を中継する中継端子台22d、及び保守作業者が保守作業のために危険領域15に進入するときに設定する保守モード設定スイッチ23(2重化された安全機器)を備える。
【0051】
PLC22は、操作盤24が有する操作スイッチの信号(図示せず)及び機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)の動作状態を確認する信号(図示せず)が接続される入力部22a、アクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド73,74,75が接続される出力部22c、及び入力部22aから入力される信号に基づいて演算し演算結果を出力部22cに出力する制御部22bを有する。出力部22cは、コモン端子70a,71a,72aがそれぞれ異なるPLC出力モジュール70、PLC出力モジュール71、及びPLC出力モジュール72を含む。
【0052】
図1に示す操作盤24は、運転準備指示用の運転準備押しボタンスイッチ25(安全機器)及び非常停止指示用の非常停止押しボタンスイッチ26(2重化された安全機器)を備える。
【0053】
機械設備10、制御盤20、及び操作盤24に取り付けられた安全機器の信号は、中継端子台22dを介して安全制御盤30に入力される。
【0054】
図3は、安全制御盤30の構成を示す概略図である。安全制御盤30は、制御盤20から電源を受電する配線が接続される端子台35(第1の接続部)、及び安全PLC31にて構成されている。端子台35は、安全PLC31に配線接続され、安全PLC31に電源を供給する。安全PLC31は、入力部32、制御部33、及び出力部34を備える。
【0055】
入力部32は、各種安全機器が接続される端子台36〜41、及び機械2が有するPLC22と通信線で接続される端子台56(第15の接続部)と、を備える。
【0056】
図4は、安全制御盤30が備える安全PLC31の入力部32に配線接続される機器を示す概略図である。端子台36(第3の接続部)には、非常停止押しボタンスイッチ26が中継端子台22dを介して配線接続される。端子台37(第13の接続部)には、保守モード設定スイッチ23が中継端子台22dを介して配線接続される。端子台38(第2の接続部)には、運転準備押しボタンスイッチ25が中継端子台22dを介して配線接続される。端子台39(第12の接続部)には、ライトカーテン18が中継端子台22dを介して配線接続される。端子台40(第11の接続部)には、入口扉監視センサ17aが中継端子台22dを介して配線接続される。端子台41(第10の接続部)には、シャッタ監視センサ16aが中継端子台22dを介して配線接続される。
【0057】
制御部33は、予め記憶されているプログラム及び入力部32から入力される信号に基づいて演算し、演算結果を出力部34に出力することで、電源の供給を制御する。
【0058】
図3に示すように、出力部34は、端子台43〜45を備え、制御部33の演算結果により制御された電源を出力する。端子台43(第4の接続部)は、運転許容状態のときに電源を供給する。端子台44(第6の接続部)は、機械作業領域14に動力供給する。端子台45(第8の接続部)は、危険領域15に動力供給する。
【0059】
図4に示すように、端子台35は、電源部21から配線接続されるとともに安全PLC31に配線接続される。
【0060】
非常停止押しボタンスイッチ26は、中継端子台22dを介して端子台36に配線接続され、2重化された非常停止押しボタンスイッチ26から安全PLC31への入力には、変数アドレスとしてI000及びI001がそれぞれ割り当てられる。本実施形態の安全PLC31では、非常停止押しボタンスイッチ26が押されたときに、変数アドレスI000及びI001の入力信号がそれぞれオフになる。
【0061】
保守モード設定スイッチ23は、中継端子台22dを介して端子台37に配線接続され、2重化された保守モード設定スイッチ23から安全PLC31への入力には、変数アドレスとしてI004及びI005がそれぞれ割り当てられる。本実施形態の安全PLC31では、保守モード設定スイッチ23が運転モードのときに変数アドレスI004及びI005の入力信号がそれぞれオフになり、保守モード設定スイッチ23が保守モードのときに変数アドレスI004及びI005の入力信号がそれぞれオンになる。
【0062】
運転準備押しボタンスイッチ25は、中継端子台22dを介して端子台38に配線接続され、運転準備押しボタンスイッチ25から安全PLC31への入力には、変数アドレスI006が割り当てられる。本実施形態の安全PLC31では、運転準備押しボタンスイッチ25が押されたときに、変数アドレスI006の入力信号がオンになる。
【0063】
ライトカーテン18は、中継端子台22dを介して端子台39に配線接続され、2重化されたライトカーテン18から安全PLC31への入力には、変数アドレスI008及びI009が割り当てられる。本実施形態の安全PLC31では、ライトカーテン18が遮光されたときに、変数アドレスI008及びI009の入力信号がそれぞれオフになる。
【0064】
入口扉監視センサ17aは、中継端子台22dを介して端子台40に配線接続され、2重化された入口扉監視センサ17aから安全PLC31への入力には、変数アドレスI010及びI011が割り当てられる。本実施形態の安全PLC31では、入口扉17が開状態のときに、変数アドレスI010及びI011の入力信号がそれぞれオフになる。
【0065】
シャッタ監視センサ16aは、中継端子台22dを介して端子台41に配線接続され、2重化されたシャッタ監視センサ16aから安全PLC31への入力には、変数アドレスI012及びI013が割り当てられる。本実施形態の安全PLC31では、防護シャッタ16が開状態のときに、変数アドレスI012及びI013の入力信号がオフになる。
【0066】
図5は、安全制御盤30が備える安全PLC31の出力部34における配線接続を示す概略図である。安全PLC31の出力部34は、複数(本実施形態では3つ)のダブル出力回路43c〜45cを備える。ダブル出力回路43c〜45cは、端子台43〜45のそれぞれに対して、出力回路を二つ直列に接続することで出力が二重化されるように構成されている。ダブル出力回路43cを構成する出力回路43d,43eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ020及びQ021がそれぞれ割り当てられる。出力回路43d,43eが直列に接続されたダブル出力回路43cは、一端が電源ラインの+24Vに配線接続され、他端が制御盤20に配線接続される。機械2の制御盤20は、ダブル出力回路43cの端子台43から配線接続された電源ライン43fが、ヒューズ20aを介してPLC出力モジュール70のコモン端子70aに配線接続される。また、PLC出力モジュール70の出力端子70bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド73の一端が配線接続され、ソレノイド73の他端には、電源ラインの0Vに配線接続される。
【0067】
また、ダブル出力回路44cを構成する出力回路44d,44eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ022及びQ023がそれぞれ割り当てられる。出力回路44d,44eが直列に接続されたダブル出力回路44cは、一端が電源ラインの+24Vに配線接続され、他端が制御盤20に配線接続される。機械2の制御盤20は、ダブル出力回路44cの端子台44から配線接続された電源ライン44fが、ヒューズ20bを介してPLC出力モジュール71のコモン端子71aに配線接続される。また、PLC出力モジュール71の出力端子71bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド74の一端が配線接続され、ソレノイド74の他端には、電源ラインの0Vに配線接続される。
【0068】
さらに、ダブル出力回路45cを構成する出力回路45d,45eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ024及びQ025がそれぞれ割り当てられる。出力回路45d,45eが直列に接続されたダブル出力回路45cは、一端が電源ラインの+24Vに配線接続され、他端が制御盤20に配線接続される。機械2の制御盤20は、ダブル出力回路45cの端子台45から配線接続された電源ライン45fが、ヒューズ20cを介してPLC出力モジュール72のコモン端子72aに配線接続される。また、PLC出力モジュール72の出力端子72bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド75の一端が配線接続され、ソレノイド75の他端には、電源ラインの0Vに配線接続される。
【0069】
図6は、安全PLC31とPLC22とが通信で接続された状態を示す接続図である。機械2の制御盤20が備えるPLC22から、安全制御盤30が備える安全PLC31の入力部32の端子台56に通信線が接続される。安全PLC31は、PLC22から受信する信号に基づき出力部34から供給する電源を制御する。また、安全PLC31は、入力と出力の信号をPLC22に送信する。
【0070】
図7は、安全PLC31とPLC22との通信の通信信号マップである。通信信号マップは、PLC22から通信により受信する信号に対応する受信エリア及びPLC22へ通信により送信する信号に対応する送信エリアを有する。この通信は、安全PLC31とPLC22との間で常時実行されるため、最新の信号が両者間で送受信される。
【0071】
通信信号マップの受信エリアの一部は、通信用変数アドレスEL100が「PLC正常」信号に割り当てられる。この通信用変数アドレスEL100は、後述する図9の安全制御用のラダー回路図にて「運転許容状態出力」信号、「機械作業領域14の動力供給許容状態出力」信号、及び「危険領域15の動力供給許容状態出力」信号を出力する条件として使用する。
【0072】
一方、通信信号マップの送信エリアの一部は、通信用変数アドレスEL000が「非常停止押しボタンスイッチ26オン」信号、及び通信用変数アドレスEL001が「運転準備押しボタンスイッチ25オン」信号に割り当てられる。これらの送信エリアの信号は、下記の条件で通信によりPLC22へ送信される。
【0073】
図8は、安全PLC31のPLC22通信用のラダー回路図である。安全PLC31は、非常停止押しボタンスイッチ26が押されていないため、変数アドレスI000及びI001の入力信号がオンになっているとき、通信用変数アドレスEL000の「非常停止押しボタンスイッチ26オン」信号をオンにする。
【0074】
また、安全PLC31は、運転準備押しボタンスイッチ25が押されて、変数アドレスI006がオンのときに、通信用変数アドレスEL001の「運転準備押しボタンスイッチ25オン」信号をオンにする。
【0075】
安全PLC31は、「非常停止押しボタンスイッチ26オン」信号及び「運転準備押しボタンスイッチ25オン」信号をPLC22に送信する。
【0076】
図9は、安全PLC31の安全制御用のラダー回路図である。安全PLC31は、運転準備押しボタンスイッチ25が押されて、変数アドレスI006の入力信号がオンのときに、変数アドレスQ020及びQ021の出力信号をオンにし、ソレノイド73に電源を供給する。また、安全PLC31は、2重化された非常停止押しボタンスイッチ26の変数アドレスI000及びI001の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、通信用変数アドレスEL100のPLC正常信号がオフのときに、変数アドレスQ020及びQ021の出力信号をオフにし、ソレノイド73への電源の供給を停止する。
【0077】
安全PLC31は、運転準備押しボタンスイッチ25が押されて、変数アドレスI006の入力信号がオンのときに、変数アドレスQ022及びQ023の出力信号をオンにし、ソレノイド74に電源を供給する。また、安全PLC31は、2重化された非常停止押しボタンスイッチ26の変数アドレスI000及びI001の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、2重化された入口扉監視センサ17aの変数アドレスI010及びI011の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、2重化されたシャッタ監視センサ16aの変数アドレスI012及びI013の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、通信用変数アドレスEL100のPLC正常信号がオフのときに、変数アドレスQ022及びQ023の出力信号をオフにし、ソレノイド74への電源の供給を停止する。
【0078】
安全PLC31は、運転準備押しボタンスイッチ25が押されて、変数アドレスI006の入力信号がオンのときに、変数アドレスQ024及びQ025の出力信号をオンにし、ソレノイド75に電源を供給する。また、安全PLC31は、2重化された非常停止押しボタンスイッチ26の変数アドレスI000及びI001の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、2重化された入口扉監視センサ17aの変数アドレスI010及びI011の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、2重化されたライトカーテン18の変数アドレスI008及びI009の入力信号の少なくとも一つがオフのときで、2重化された保守モード設定スイッチ23の変数アドレスI004及びI005の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、通信用変数アドレスEL100のPLC正常信号がオフのときに、変数アドレスQ024及びQ025の出力信号をオフにし、ソレノイド75への電源の供給を停止する。
【0079】
以上のように、本実施の形態に係る安全制御盤30及び安全制御システム1によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施の安全制御盤30は、電源、安全機器、及び出力する電源ラインの端子台を備えているの、機械2の制御盤20に簡単に装着できる。
【0080】
(2)本実施の安全制御盤30は、運転準備押しボタンスイッチ25、非常停止押しボタンスイッチ26、及びライトカーテン18などの機械2で使用される多様な安全機器に対応しているので、幅広い用途の機械2に使用できる。
【0081】
(3)本実施の安全制御盤30は、安全に制御された出力の電源ラインとして、運転許容状態出力、機械2のみが作業する領域14の動力供給出力、及びワークを載置するような機械2と作業者が共存して作業する領域15の動力供給出力を備えているので、幅広い用途の機械2に使用できる。
【0082】
(4)本実施の安全制御盤30は、安全制御盤30が有する安全PLC31の制御部33に、安全機器入力に基づき出力を制御するプログラムが予め記憶されているので、プログラムを作成する必要がない。そのため、安全制御回路を迅速かつ低コストで構築できる。
【0083】
(5)本実施の安全制御盤30は、機械2の制御盤20に取り付けられているPLC22が、安全制御盤30が有する安全PLC31と通信線にて接続されることにより、省配線で簡単に安全PLC31のモニタ情報等を取得できるので、機械2の保全性を向上させることができる。
【0084】
(6)本実施の安全制御システム1は、既存の機械2において、機械2と作業者が共存する場合の作業者の安全を確保しようとしたとき、既存の機械2が有する制御盤20に対して大きな改造を必要とせず、適切な安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、安全制御回路を低コストで構築することが可能である。さらに、新たに製作する機械2においても、安全制御回路一式を制御盤20に備えているので、適切な安全制御回路を迅速に構築することができ、低コストで安全制御システム1を提供できる。
【0085】
また、本実施の形態では、機械2の制御盤20や安全機器に配線接続する接続部として、電源を配線接続する端子台35、入力部32に安全機器を配線接続する端子台36,37,38,39,40,41、通信線で接続する端子台56、及び出力部34から出力する端子台43〜45を用いたが、本発明はこのような構成に限定されるわけではない。例えば、コネクタなどの電気的に接続できるものを接続部として用いてもよい。さらに、後述する第2〜第4の実施形態においても、端子台の代わりに、コネクタなどの電気的に接続できる接続部を用いることが可能である。
【0086】
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態におけるライトカーテン18及び保守モード設定スイッチ23に換わって前面防護扉19が備わった実施形態である。第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成の説明は、簡単のため省略する。
【0087】
図10は、安全制御システム1の構成を示す概略図である。図10において、図1に示される実施の形態と同一の構成ないしは要素には、図1と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。
【0088】
機械設備10の危険領域15を囲む分離安全ガード13には、作業者がワークの搬入出のために危険領域に進入するために開閉される前面防護扉19と、前面防護扉19の開閉を監視する防護扉監視センサ19a(2重化された安全機器)とが取り付けられる。
【0089】
図11は、安全制御盤30の構成を示す概略図である。安全制御盤30は、制御盤20から電源を受電する配線が接続される端子台35、及び安全PLC31にて構成されている。端子台35は、安全PLC31に配線接続され、安全PLC31に電源を供給する。安全PLC31は、入力部32、制御部33、及び出力部34を備える。
【0090】
入力部32は、各種安全機器が接続される端子台36,38,40,41,42及び機械2が有するPLC22と通信線で接続される端子台56と、を備える。
【0091】
図12は、安全制御盤30が備える安全PLC31の入力部32における配線接続を示す概略図である。図12において、図4に示される実施の形態と同一の構成ないしは要素には、図4と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。
【0092】
端子台35は、電源部21から配線接続されるとともに安全PLC31に配線接続される。端子台36には、非常停止押しボタンスイッチ26が中継端子台22dを介して配線接続される。端子台38には、運転準備押しボタンスイッチ25が中継端子台22dを介して配線接続される。端子台40には、入口扉監視センサ17aが中継端子台22dを介して配線接続される。端子台41には、シャッタ監視センサ16aが中継端子台22dを介して配線接続される。端子台42(第14の接続部)には、防護扉監視センサ19aが中継端子台22dを介して配線接続される。
【0093】
防護扉監視センサ19aは、中継端子台22dを介して端子台42に配線接続され、2重化された防護扉監視センサ19aから安全PLC31への入力には、変数アドレスI014及びI015が割り当てられる。本実施形態の安全PLC31では、前面防護扉19が開状態のときに、変数アドレスI014及びI015の入力信号がオフになる。
【0094】
図13は、安全PLC31の安全制御用のラダー回路図である。図13において、図9に示される実施の形態と同一の構成ないしは要素には、図9と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。
【0095】
安全PLC31は、運転準備押しボタンスイッチ25が押されて、変数アドレスI006の入力信号がオンのときに、変数アドレスQ024及びQ025の出力信号をオンにし、ソレノイド75に電源を供給する。また、安全PLC31は、2重化された非常停止押しボタンスイッチ26の変数アドレスI000及びI001の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、2重化された入口扉監視センサ17aの変数アドレスI010及びI011の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、2重化された防護扉監視センサ19aの変数アドレスI014及びI015の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、通信用変数アドレスEL100のPLC正常信号がオフのときに、変数アドレスQ024及びQ025の出力信号をオフにし、ソレノイド75への電源の供給を停止する。
【0096】
以上のように、本実施の形態に係る安全制御盤30及び安全制御システム1によれば、前面防護扉19を備えた場合にも第1実施形態に同じく効果を得ることができる。
【0097】
<第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態におけるPLCの出力モジュール70,71,72及びソレノイド73,74,75に印加するDC24V電源の極性が反対になった実施形態である。第3実施形態において、第1実施形態と同一の構成の説明は、簡単のため省略する。
【0098】
図14は、制御盤20の構成を示す概略図である。図14において、図2に示される実施の形態と同一の構成ないしは要素には、図2と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。
【0099】
PLC22は、操作盤24が有する操作スイッチの信号(図示せず)及び機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)の動作状態を確認する信号(図示せず)が接続される入力部22a、前記アクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド83,84,85が接続される出力部22c、及び入力部22aから入力される信号に基づいて演算し演算結果を出力部22cに出力する制御部22bを有する。出力部22cは、コモン端子80a,81a,82aがそれぞれ異なるPLC出力モジュール80、PLC出力モジュール81、及びPLC出力モジュール82を含む。
【0100】
図15は、安全制御盤30が備える安全PLC31の出力部34における配線接続を示す概略図である。図15において、図5に示される実施の形態と同一の構成ないしは要素には、図5と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。ここで、安全PLC31の出力部34は、無電圧のリレー接点からなる。
【0101】
安全PLC31の出力部34は、複数(本実施形態では3つ)のダブル出力回路43c〜45cを備える。ダブル出力回路43c〜45cは、端子台43〜45のそれぞれに対して、出力回路を二つ直列に接続することで出力が二重化されるように構成されている。ダブル出力回路43cを構成する出力回路43d,43eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ020及びQ021がそれぞれ割り当てられる。出力回路43d,43eが直列に接続されたダブル出力回路43cは、一端が電源ラインの0Vに配線接続され、他端が制御盤20に配線接続される。機械2の制御盤20は、ダブル出力回路43cの端子台43から配線接続された電源ライン43gが、ヒューズ20aを介してPLC出力モジュール80のコモン端子80aに配線接続される。また、PLC出力モジュール80の出力端子80bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド83の一端が配線接続され、ソレノイド83の他端には、電源ラインの+24Vに配線接続される。
【0102】
また、ダブル出力回路44cを構成する出力回路44d,44eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ022及びQ023がそれぞれ割り当てられる。出力回路44d,44eが直列に接続されたダブル出力回路44cは、一端が電源ラインの0Vに配線接続され、他端が制御盤20に配線接続される。機械2の制御盤20は、ダブル出力回路44cの端子台44から配線接続された電源ライン44gが、ヒューズ20bを介してPLC出力モジュール81のコモン端子81aに配線接続される。また、PLC出力モジュール81の出力端子81bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド84の一端が配線接続され、ソレノイド84の他端には、電源ラインの+24Vに配線接続される。
【0103】
さらに、ダブル出力回路45cを構成する出力回路45d,45eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ024及びQ025がそれぞれ割り当てられる。出力回路45d,45eが直列に接続されたダブル出力回路45cは、一端が電源ラインの0Vに配線接続され、他端が制御盤20に配線接続される。機械2の制御盤20は、ダブル出力回路45cの端子台45から配線接続された電源ライン45gが、ヒューズ20cを介してPLC出力モジュール82のコモン端子72aに配線接続される。また、PLC出力モジュール82の出力端子82bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド85の一端が配線接続され、ソレノイド85の他端には、電源ラインの+24Vに配線接続される。
【0104】
以上のように、本実施の形態に係る安全制御盤30及び安全制御システム1によれば、機械2に取り付けられる直流用のPLC出力モジュール80〜82及びソレノイド83〜85のように直流用の出力機器は、無電圧のリレー接点により供給される電源ラインに接続するので、直流電源の両極性共に使用できる。
【0105】
これにより、安全制御システム1は、既存の機械2に取り付けられたPLC出力モジュール及び出力機器が直流電源の両極性共に使用できるので、交換の必要がなくそのまま使用できるので低コスト化できる。
【0106】
また、直流用のPLC入力モジュール及びPLC入力モジュールに接続する直流用の入力機器においても、PLC出力モジュール及び出力機器と同様に直流電源の両極性共に使用できる。
【0107】
<第4実施形態>
第4実施形態は、第1実施形態における安全制御盤30から出力する端子台43〜45が、安全PLC31の出力部34に換わってリレー出力部55になった実施形態である。第4実施形態において、第1実施形態と同一の構成の説明は、簡単のため省略する。
【0108】
図16は、安全制御盤30の構成を示す概略図である。図16において、図3に示される実施の形態と同一の構成ないしは要素には、図3と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。
【0109】
安全制御盤30は、制御盤20から電源を受電する配線が接続される端子台35、安全PLC31、及びリレー出力部55にて構成されている。端子台35は、安全PLC31に配線接続され、安全PLC31に電源を供給する。安全PLC31は、入力部32、制御部33、及び出力部34を備える。
【0110】
安全PLC31が備える出力部34は、端子台43a,43b,44a,44b,45a,45bを備え、制御部33の演算結果により信号を出力する。端子台43a,43bは、運転許容状態のときにそれぞれから信号を出力する。端子台44a,44bは、機械作業領域14が動力供給許容状態のときにそれぞれから信号を出力する。端子台45a,45bは、危険領域15が動力供給許容状態のときにそれぞれから信号を出力する。
【0111】
リレー出力部55は、運転許容状態のときに駆動する運転準備用安全リレーモジュール46a,47a、機械作業領域14に動力供給する動力供給用安全リレーモジュール49a,50a、及び危険領域15に動力供給する部分動力供給用安全リレーモジュール52a,53aを備える。
【0112】
運転準備用安全リレーモジュール46a,47aは、それぞれコイル46b,47b、リレー接点46c,47c、及び運転許容状態のときに電源を供給する端子台48(第5の接続部)を備える。
【0113】
動力供給用安全リレーモジュール49a,50aは、それぞれコイル49b,50b、リレー接点49c,50c、及び機械作業領域14に動力供給する端子台51(第7の接続部)を備える。
【0114】
部分動力供給用安全リレーモジュール52a,53aは、それぞれコイル52b,53b、リレー接点52c,53c、及び危険領域15に動力供給する端子台54(第9の接続部)を備える。
【0115】
図17は、安全制御盤30が備える安全PLC31の出力部34における配線接続を示す概略図である。図17において、図5に示される実施の形態と同一の構成ないしは要素には、図5と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。
【0116】
安全PLC31の出力部34は、複数(本実施形態では3つ)のダブル出力回路43c〜45cを備える。ダブル出力回路43c〜45cは、二つの出力回路がそれぞれ端子台に出力するように構成されている。端子台に出力する出力回路は、リレー出力部55に備えるそれぞれの安全リレーモジュールを駆動する。
【0117】
ダブル出力回路43cを構成する出力回路43d,43eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ020及びQ021がそれぞれ割り当てられる。出力回路43d,43eは、それぞれ端子台43a,43bを介して、それぞれ運転準備用安全リレーモジュール46a,47aのそれぞれのコイル46b,47bに接続される。運転準備用安全リレーモジュール46a,47aのそれぞれのリレー接点46c,47cは、両リレー接点が直列に配線接続されている。直列に配線接続されたリレー接点46c,47cは、一端が電源ラインの+24Vに配線接続され、他端が端子台48を介して制御盤20に配線接続される。ここで、端子台48から供給される電源ライン43fは、リレー接点46c,47cを直列接続することにより二重化されて安全対応している。機械2の制御盤20は、端子台48から配線接続された電源ライン43fが、ヒューズ20aを介してPLC出力モジュール70のコモン端子70aに配線接続される。また、PLC出力モジュール70の出力端子70bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド73の一端が配線接続され、ソレノイド73の他端には、電源ラインの0Vに配線接続される。
【0118】
ダブル出力回路44cを構成する出力回路44d,44eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ022及びQ023がそれぞれ割り当てられる。出力回路44d,44eは、それぞれ端子台44a,44bを介して、それぞれ動力供給用安全リレーモジュール49a,50aのそれぞれのコイル49b,50bに接続される。動力供給用安全リレーモジュール49a,50aのそれぞれのリレー接点49c,50cは、両リレー接点が直列に配線接続されている。直列に配線接続されたリレー接点49c,50cは、一端が電源ラインの+24Vに配線接続され、他端が端子台51を介して制御盤20に配線接続される。ここで、端子台51から供給される電源ライン44fは、リレー接点49c,50cを直列接続することにより二重化されて安全対応している。機械2の制御盤20は、端子台51から配線接続された電源ライン44fが、ヒューズ20bを介してPLC出力モジュール71のコモン端子71aに配線接続される。また、PLC出力モジュール71の出力端子71bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド74の一端が配線接続され、ソレノイド74の他端には、電源ラインの0Vに配線接続される。
【0119】
ダブル出力回路45cを構成する出力回路45d,45eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ024及びQ025がそれぞれ割り当てられる。出力回路45d,45eは、それぞれ端子台45a,45bを介して、それぞれ部分動力供給用安全リレーモジュール52a,53aのそれぞれのコイル52b,53bに接続される。部分動力供給用安全リレーモジュール52a,53aのそれぞれのリレー接点52c,53cは、両リレー接点が直列に配線接続されている。直列に配線接続されたリレー接点52c,53cは、一端が電源ラインの+24Vに配線接続され、他端が端子台54を介して制御盤20に配線接続される。ここで、端子台54から供給される電源ライン45fは、リレー接点52c,53cを直列接続することにより二重化されて安全対応している。機械2の制御盤20は、端子台54から配線接続された電源ライン45fが、ヒューズ20cを介してPLC出力モジュール72のコモン端子72aに配線接続される。また、PLC出力モジュール72の出力端子72bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド75の一端が配線接続され、ソレノイド75の他端には、電源ラインの0Vに配線接続される。
【0120】
以上のように、安全制御盤30は、安全PLC31が備える制御部33の演算結果により、出力部34から信号を出力する。出力部34から出力される信号が、リレー出力部55に備える安全リレーモジュールを駆動する。そして、安全リレーモジュールは、リレー接点を介して端子台48,51,54からソレノイド73,74,75に電源を供給する。
【0121】
これにより、本実施の形態に係る安全制御盤30によれば、寿命が短い安全リレーモジュールを安全PLCの出力部とは別に備えており、この安全リレーモジュールが故障した場合には、安全PLCの出力部の交換、修理を要することなく、安全リレーモジュールを交換するだけで、安全リレーモジュールの故障に対応することができる。したがって、容易かつ低コストに、保守性を向上させることができる。
【0122】
また、本実施の形態では、PLC出力モジュール70〜72のコモン端子が電源の+24Vラインに配線接続されるとした。ここで、PLC出力モジュール70〜72は、第3実施形態にあるようにそれぞれPLC出力モジュール80〜82に換わり、コモン端子を電源の0Vラインに配線接続してもよい。
【0123】
本実施の形態に係る安全制御盤30及び安全制御システム1によれば、リレー出力部55を備えた場合にも第3実施形態に同じく効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0124】
1:安全制御システム、 2:機械、 10:機械設備、 11:機械本体、 12:ワーク置き台、 14:機械作業領域、 15:危険領域、 20:制御盤、 22:PLC、 24:操作盤、 25:運転準備押しボタンスイッチ、 26:非常停止押しボタンスイッチ、 30:安全制御盤、 31:安全PLC、 32:入力部、 33:制御部、 34:出力部、 35:電源を配線接続する端子台、 36:非常停止押しボタンスイッチ26を配線接続する端子台、 37:保守モード設定スイッチ23を配線接続する端子台、 38:運転準備押しボタンスイッチ25を配線接続する端子台、 39:ライトカーテン18を配線接続する端子台、 40:入口扉監視センサ17aを配線接続する端子台、 41:シャッタ監視センサ16aを配線接続する端子台、 42:防護扉監視センサ19aを配線接続する端子台、 43:運転許容状態のときに電源を供給する端子台、 44:機械作業領域14に動力供給する端子台、 45:危険領域15に動力供給する端子台
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械や産業用ロボットなどの作業者が共存する各種の機械に着脱可能な安全制御盤、及びこの安全制御盤を備えた安全制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、工作機械や産業用ロボットなど作業者が共存する機械においては、作業者の安全を確保するために安全制御回路を構築していた。例えば、このような安全制御回路が下記の特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−227873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、既存の機械に対して安全制御回路を構築するためには、機械が有する制御盤に安全制御機器を追加したり、配線を変更することで制御回路を2重化する必要がある。しかし、既存の制御盤に機器を追加するためのスペースが不足していたり、配線変更が複雑になった場合には、新たな制御盤を製作して制御盤ごと交換する必要があった。制御盤の交換は、長期の作業期間を要するため、機械を停止する期間が長くなってしまい生産計画に影響を及ぼす可能性もあった。また、新たに製作する機械においても、国際規格に準じた安全設計技術に関する設計ルールの理解が難しく、適切な安全制御回路の構築が困難であるため、高コスト化の原因になっていた。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、機械が有する制御盤に簡単に着脱可能な安全制御盤、及びこのような安全制御盤を備えた安全制御システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る安全制御盤の構成上の特徴は、機械が有する制御盤に着脱可能であって、前記機械が作業する作業領域の安全を確保する安全制御盤において、電源を受電する配線が接続される第1の接続部と、前記第1の接続部に接続される安全PLCと、を備え、前記安全PLCは、前記機械に備える安全機器が接続される入力部と、前記機械に電源を供給する出力部と、前記入力部から入力される信号に基づいて演算し、演算結果を前記出力部に出力する制御部と、を有し、前記入力部は、前記機械の運転の許容を指示する運転準備指示部が接続される第2の接続部と、前記機械の運転の禁止を指示する非常停止指示部が接続される第3の接続部と、を含み、前記出力部は、前記機械が運転許容状態であるときに前記機械に電源を供給する第4の接続部を含み、前記制御部は、前記運転準備指示部から入力があったときに前記機械を運転許容状態にし、前記非常停止指示部から入力があったときに前記機械を運転禁止状態にするものである。
【0007】
安全PLCとは、ハードウエア構成又はソフトウエア構成を二重化して信頼性を高めたプログラマブルロジックコントローラをいう。
請求項1の安全制御盤は、第1の接続部に電源を配線し、安全PLCが有する第2の接続部及び第3の接続部のそれぞれに機械の運転準備指示部(例えば、運転準備押しボタンスイッチ)及び機械の非常停止指示部(例えば、非常停止押しボタンスイッチ)を配線接続するとともに、機械と第4の接続部とを配線接続することで、機械が有する制御盤に簡単に装着することができる。
【0008】
機械に装着された請求項1の安全制御盤は、安全PLCの制御部が入力部から入力される信号に基づいて演算し、演算結果を出力部に出力する。具体的に、請求項1の安全制御盤は、運転準備指示部から入力があったときには、第4の接続部を介して機械に電源を供給し、機械を運転許容状態にする。また、請求項1の安全制御盤は、非常停止指示部から入力があったときには、電源の供給を停止し、機械を運転禁止状態にする。
【0009】
これにより、請求項1の安全制御盤は、機械が有する既存の制御盤の交換や大きな改造を必要とせずに、適切な安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項1の安全制御盤は、安全制御回路を低コストで構築することができる。
【0010】
請求項2に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記出力部に接続するリレー出力部を備え、前記リレー出力部は、前記機械が運転許容状態であるときに駆動する運転準備用安全リレーモジュールと、前記機械へ供給する電源ラインが接続される第5の接続部と、を有し、前記運転準備用安全リレーモジュールは、前記第4の接続部に配線接続されるコイルと、前記第5の接続部に接続される接点と、を含み、前記制御部は、前記運転準備用安全リレーモジュールの接点を介在して前記第5の接続部に電源を供給するものである。
【0011】
請求項2の安全制御盤において運転準備用安全リレーモジュールは、安全PLCの第4の接続部とコイルとを配線接続するとともに、リレー出力部の第5の接続部と接点とを配線接続することにより、安全制御盤に容易に取り付けることができる。請求項2の安全制御盤は、機械が運転許容状態であるときに、運転準備用安全リレーモジュールのコイルを駆動し、運転準備用安全リレーモジュールの接点を介在して第5の接続部に電源を供給し、機械を運転許容状態にする。
【0012】
即ち、請求項2の安全制御盤は、寿命が短い安全リレーモジュールを安全PLCの出力部とは別に備えており、この安全リレーモジュールが故障した場合には、安全PLCの出力部の交換、修理を要することなく、安全リレーモジュールを交換するだけで、安全リレーモジュールの故障に対応することができる。したがって、請求項2の安全制御盤は、容易かつ低コストに、保守性を向上させることができる。
【0013】
請求項3に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記出力部は、人間が作業せず前記機械のみが作業する機械作業領域が動力供給許容状態であるときに前記機械に電源を供給する第6の接続部を含み、前記制御部は、前記運転準備指示部から入力があったときに前記機械作業領域を動力供給許容状態にし、前記非常停止指示部から入力があったときに前記機械作業領域を動力供給禁止状態にするものである。
【0014】
これにより、請求項3の安全制御盤は、機械作業領域の動力供給制御が簡単にできるようになり、安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項3の安全制御盤は、安全制御回路を低コストで構築することができる。
【0015】
請求項4に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記リレー出力部は、前記機械作業領域が動力供給許容状態であるときに駆動する動力供給用安全リレーモジュールと、前記機械へ供給する電源ラインが接続される第7の接続部と、を有し、前記動力供給用安全リレーモジュールは、前記第6の接続部に配線接続されるコイルと、前記第7の接続部に接続される接点と、を有し、前記制御部は、前記動力供給用安全リレーモジュールの接点を介在して前記第7の接続部に電源を供給するものである。
【0016】
請求項4の安全制御盤において動力供給用安全リレーモジュールは、安全PLCの第6の接続部とコイルとを配線接続するとともに、リレー出力部の第7の接続部と接点とを配線接続することにより、安全制御盤に容易に取り付けることができる。請求項4の安全制御盤は、機械作業領域が動力供給許容状態であるときに、動力供給用安全リレーモジュールのコイルを駆動し、動力供給用安全リレーモジュールの接点を介在して第7の接続部に電源を供給し、機械作業領域を動力供給許容状態にする。
【0017】
即ち、請求項4の安全制御盤は、寿命が短い安全リレーモジュールを安全PLCの出力部とは別に備えており、この安全リレーモジュールが故障した場合には、安全PLCの出力部の交換、修理を要することなく、安全リレーモジュールを交換するだけで、安全リレーモジュールの故障に対応することができる。したがって、請求項4の安全制御盤は、容易かつ低コストに、保守性を向上させることができる。
【0018】
請求項5に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記出力部は、前記機械が作業する作業領域と前記人間が作業する作業領域が重なる危険領域が動力供給許容状態であるときに前記機械に電源を供給する第8の接続部を含み、前記制御部は、前記運転準備指示部から入力があったときに前記危険領域を動力供給許容状態にし、前記非常停止指示部から入力があったときに前記危険領域を動力供給禁止状態にするものである。
【0019】
これにより、請求項5の安全制御盤は、危険領域の動力供給制御が簡単にできるようになり、安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項5の安全制御盤は、安全制御回路を低コストで構築することができる。
【0020】
請求項6に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記リレー出力部は、前記危険領域が動力供給許容状態であるときに駆動する部分動力供給用安全リレーモジュールと、前記機械へ供給する電源ラインが接続される第9の接続部と、を有し、前記部分動力供給用安全リレーモジュールは、前記第8の接続部に配線接続されるコイルと、前記第9の接続部に接続される接点と、を有し、前記制御部は、前記部分動力供給用安全リレーモジュールの接点を介在して前記第9の接続部に電源を供給するものである。
【0021】
請求項6の安全制御盤において部分動力供給用安全リレーモジュールは、安全PLCの第8の接続部とコイルとを配線接続するとともに、リレー出力部の第9の接続部と接点とを配線接続することにより、安全制御盤に容易に取り付けることができる。請求項6の安全制御盤は、危険領域が動力供給許容状態であるときに、部分動力供給用安全リレーモジュールのコイルを駆動し、部分動力供給用安全リレーモジュールの接点を介在して第9の接続部に電源を供給し、危険領域を動力供給許容状態にする。
【0022】
即ち、請求項6の安全制御盤は、寿命が短い安全リレーモジュールを安全PLCの出力部とは別に備えており、この安全リレーモジュールが故障した場合には、安全PLCの出力部の交換、修理を要することなく、安全リレーモジュールを交換するだけで、安全リレーモジュールの故障に対応することができる。したがって、請求項6の安全制御盤は、容易かつ低コストに、保守性を向上させることができる。
【0023】
請求項7に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記入力部は、前記機械作業領域と前記危険領域との境界に配置される防御シャッタの開閉を監視するシャッタ監視センサが接続される第10の接続部を含み、前記制御部は、前記防御シャッタが開状態のときに前記機械作業領域を動力供給禁止状態にするものである。
【0024】
これにより、請求項7の安全制御盤は、防御シャッタを有する機械作業領域の動力供給制御が簡単にできるようになり、安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項7の安全制御盤は、安全制御回路を低コストで構築することができる。
【0025】
請求項8に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記入力部は、前記機械作業領域への前記人間が進入するために配置される入口扉の開閉を監視する入口扉監視センサが接続される第11の接続部を含み、前記制御部は、前記入口扉が開状態のときに前記機械作業領域を動力供給禁止状態にするとともに前記危険領域を動力供給禁止状態にするものである。
【0026】
これにより、請求項8の安全制御盤は、入口扉を有する機械作業領域及び危険領域の動力供給制御が簡単にできるようになり、安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項8の安全制御盤は、安全制御回路を低コストで構築することができる。
【0027】
請求項9に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記入力部は、前記危険領域と前記人間のみが作業する人間作業領域の境界を監視するライトカーテンが接続される第12の接続部を含み、前記制御部は、前記ライトカーテンが遮光されたときに前記危険領域を動力供給禁止状態にするものである。
【0028】
これにより、請求項9の安全制御盤は、ライトカーテンを有する危険領域の動力供給制御が簡単にできるようになり、安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項9の安全制御盤は、安全制御回路を低コストで構築することができる。
【0029】
請求項10に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記入力部は、前記ライトカーテンの監視状態を解除する保守モード設定スイッチが接続される第13の接続部を含み、前記制御部は、前記保守モード設定スイッチにより前記ライトカーテンの監視状態が解除されたときに前記危険領域を動力供給許容状態にするものである。
【0030】
これにより、請求項10の安全制御盤は、ライトカーテンの監視状態を解除する保守モード設定スイッチを有する危険領域の動力供給制御が簡単にできるようになり、安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項10の安全制御盤は、安全制御回路を低コストで構築することができる。
【0031】
請求項11に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記入力部は、前記危険領域と前記人間作業領域との境界に配置される前面防護扉の開閉を監視する防護扉監視センサが接続される第14の接続部を含み、前記制御部は、前記前面防護扉が開状態のときに前記危険領域を動力供給禁止状態にするものである。
【0032】
これにより、請求項11の安全制御盤は、前面防護扉を有する危険領域の動力供給制御が簡単にできるようになり、安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項11の安全制御盤は、安全制御回路を低コストで構築することができる。
【0033】
請求項12に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記出力部は、前記出力部から供給する電源を供給又は遮断するリレーを含み、前記リレーのリレー接点により前記機械に電源を供給又は遮断するものである。
【0034】
これにより、請求項12の安全制御盤は、機械に取り付けられる直流用のPLC入出力モジュール及び直流用の入出力機器は、無電圧のリレー接点により供給される電源ラインに接続されるので、直流電源の両極性共に使用できる。また、既存の機械に取り付けられた直流用のPLC入出力モジュール及び直流用の入出力機器が直流電源の両極性共に使用できるので、交換の必要がなくそのまま使用できるので低コスト化できる。
【0035】
請求項13に係る安全制御盤の構成上の特徴は、前記入力部は、前記機械の制御盤に取り付けられているPLCから通信線が接続される第15の接続部を含み、前記制御部は、前記PLCから受信する信号に基づき、前記出力部から供給する電源を供給又は遮断するとともに前記安全PLCの入力及び出力の信号を前記PLCに送信するものである。
【0036】
これにより、請求項13の安全制御盤は、機械の制御盤に取り付けられているPLCが、安全制御盤が有する安全PLCと通信線にて接続されることにより、省配線で簡単に安全PLCのモニタ情報等を取得できるので、機械の保全性を向上させることができる。
【0037】
請求項14に係る安全制御システムの構成上の特徴は、請求項1、3、5、及び7〜13のいずれか1項に記載の安全制御盤を備え、前記安全制御盤の前記第1の接続部に前記機械の制御盤内の電源を配線接続し、前記機械が備える安全機器を前記入力部に配線接続し、前記機械の出力機器を駆動する電源ラインを前記出力部に配線接続し、前記制御部は、前記安全機器から与えられる信号に基づいて前記電源ラインに給電又は給電を停止するものである。
【0038】
また、請求項15に係る安全制御システムの構成上の特徴は、請求項2、4、6〜11、及び13のいずれか1項に記載の安全制御盤を備え、前記安全制御盤の前記第1の接続部に前記機械の制御盤内の電源を配線接続し、前記機械が備える前記安全機器を前記入力部に配線接続し、前記機械の前記出力機器を駆動する電源ラインを前記リレー出力部に配線接続し、前記制御部は、前記安全機器から与えられる信号に基づいて前記電源ラインに給電又は給電を停止するものである。
【0039】
これにより、請求項14及び請求項15の安全制御システムは、既存の機械において、機械と作業者が共存する場合の作業者の安全を確保しようとしたとき、既存の機械が有する制御盤に対して大きな改造を必要とせず、適切な安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、請求項14及び請求項15の安全制御システムは、安全制御回路を低コストで構築することが可能である。
【0040】
さらに、新たに製作する機械においても、安全制御回路一式を制御盤に備えているので、適切な安全制御回路を迅速に構築することができ、低コストで安全制御システムを提供できる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、機械が備える制御盤への安全制御盤の着脱が容易であるため、適切な安全制御回路を迅速に構築することができる。そのため、本発明の安全制御盤及び安全制御システムは、安全制御回路を低コストで構築することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第1実施形態:安全制御システムの構成を示す概略図である。
【図2】第1実施形態:制御盤の構成を示す概略図である。
【図3】第1実施形態:安全制御盤の構成を示す概略図である。
【図4】第1実施形態:安全制御盤が備える安全PLCの入力部における配線接続を示す概略図である。
【図5】第1実施形態:安全制御盤が備える安全PLCの出力部における配線接続を示す概略図である。
【図6】第1実施形態:安全PLCとPLCとが通信で接続された状態を示す接続図である。
【図7】第1実施形態:安全PLCとPLCとの通信の通信信号マップである。
【図8】第1実施形態:安全PLCのPLC通信用のラダー回路図である。
【図9】第1実施形態:安全PLCの安全制御用のラダー回路図である。
【図10】第2実施形態:安全制御システムの構成を示す概略図である。
【図11】第2実施形態:安全制御盤の構成を示す概略図である。
【図12】第2実施形態:安全制御盤が備える安全PLCの入力部における配線接続を示す概略図である。
【図13】第2実施形態:安全PLCの安全制御用のラダー回路図である。
【図14】第3実施形態:制御盤の構成を示す概略図である。
【図15】第3実施形態:安全制御盤が備える安全PLCの出力部における配線接続を示す概略図である。
【図16】第4実施形態:安全制御盤の構成を示す概略図である。
【図17】第4実施形態:安全制御盤が備える安全PLCの出力部における配線接続を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の安全制御盤及び安全制御システムを具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の安全制御システム1の構成を示す概略図である。この安全制御システム1は、機械2が有する制御盤20に安全制御盤30を装着して構成され、作業者(人間)の安全を確保する。作業者が共存して作業する機械2は、機械設備10、制御盤20、及び操作盤24にて構成されている。
【0044】
機械設備10は、作業者が作業せず機械2のみが作業する機械作業領域14と、機械2が作業する作業領域と作業者が作業する作業領域が重なり災害が発生する可能性がある危険領域15と、の二つの領域に区画される。
【0045】
機械作業領域14及び危険領域15は、それぞれが分離安全ガード13によって囲まれており、それぞれの領域が分離安全ガード13によって分離されている。機械作業領域14には、機械の主要部位である機械本体11が配置され、危険領域15には、機械の作業対象であるワークを載置するワーク置き台12が配置される。
【0046】
機械作業領域14と危険領域15との境界に配置される分離安全ガード13には、防御シャッタ16と、防御シャッタ16の開閉を監視するシャッタ監視センサ16a(2重化された安全機器)と、が取り付けられる。
【0047】
防御シャッタ16が開状態になると、機械作業領域14と危険領域15とが連通され、機械本体11が機械作業領域14から危険領域15に進入可能となる。また防御シャッタ16を閉状態にすることにより、機械作業領域14と危険領域15とが分離され、作業者が誤って機械作業領域14へ侵入するのが防御される。
【0048】
機械作業領域14を囲む分離安全ガード13には、保守作業をする保守作業者が機械作業領域14に進入するための入口扉17と、入口扉17の開閉を監視する入口扉監視センサ17a(2重化された安全機器)とが取り付けられる。
【0049】
また、危険領域15を囲む分離安全ガード13には、作業者が危険領域15にワークを搬入出するための開口部18aが形成され、この開口部18aは、ライトカーテン18(2重化された安全機器)によって監視される。
【0050】
図2は、制御盤20の構成を示す概略図である。制御盤20は、DC24Vの直流電源を有する電源部21、制御回路が予めプログラムされたPLC22、安全機器の配線を中継する中継端子台22d、及び保守作業者が保守作業のために危険領域15に進入するときに設定する保守モード設定スイッチ23(2重化された安全機器)を備える。
【0051】
PLC22は、操作盤24が有する操作スイッチの信号(図示せず)及び機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)の動作状態を確認する信号(図示せず)が接続される入力部22a、アクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド73,74,75が接続される出力部22c、及び入力部22aから入力される信号に基づいて演算し演算結果を出力部22cに出力する制御部22bを有する。出力部22cは、コモン端子70a,71a,72aがそれぞれ異なるPLC出力モジュール70、PLC出力モジュール71、及びPLC出力モジュール72を含む。
【0052】
図1に示す操作盤24は、運転準備指示用の運転準備押しボタンスイッチ25(安全機器)及び非常停止指示用の非常停止押しボタンスイッチ26(2重化された安全機器)を備える。
【0053】
機械設備10、制御盤20、及び操作盤24に取り付けられた安全機器の信号は、中継端子台22dを介して安全制御盤30に入力される。
【0054】
図3は、安全制御盤30の構成を示す概略図である。安全制御盤30は、制御盤20から電源を受電する配線が接続される端子台35(第1の接続部)、及び安全PLC31にて構成されている。端子台35は、安全PLC31に配線接続され、安全PLC31に電源を供給する。安全PLC31は、入力部32、制御部33、及び出力部34を備える。
【0055】
入力部32は、各種安全機器が接続される端子台36〜41、及び機械2が有するPLC22と通信線で接続される端子台56(第15の接続部)と、を備える。
【0056】
図4は、安全制御盤30が備える安全PLC31の入力部32に配線接続される機器を示す概略図である。端子台36(第3の接続部)には、非常停止押しボタンスイッチ26が中継端子台22dを介して配線接続される。端子台37(第13の接続部)には、保守モード設定スイッチ23が中継端子台22dを介して配線接続される。端子台38(第2の接続部)には、運転準備押しボタンスイッチ25が中継端子台22dを介して配線接続される。端子台39(第12の接続部)には、ライトカーテン18が中継端子台22dを介して配線接続される。端子台40(第11の接続部)には、入口扉監視センサ17aが中継端子台22dを介して配線接続される。端子台41(第10の接続部)には、シャッタ監視センサ16aが中継端子台22dを介して配線接続される。
【0057】
制御部33は、予め記憶されているプログラム及び入力部32から入力される信号に基づいて演算し、演算結果を出力部34に出力することで、電源の供給を制御する。
【0058】
図3に示すように、出力部34は、端子台43〜45を備え、制御部33の演算結果により制御された電源を出力する。端子台43(第4の接続部)は、運転許容状態のときに電源を供給する。端子台44(第6の接続部)は、機械作業領域14に動力供給する。端子台45(第8の接続部)は、危険領域15に動力供給する。
【0059】
図4に示すように、端子台35は、電源部21から配線接続されるとともに安全PLC31に配線接続される。
【0060】
非常停止押しボタンスイッチ26は、中継端子台22dを介して端子台36に配線接続され、2重化された非常停止押しボタンスイッチ26から安全PLC31への入力には、変数アドレスとしてI000及びI001がそれぞれ割り当てられる。本実施形態の安全PLC31では、非常停止押しボタンスイッチ26が押されたときに、変数アドレスI000及びI001の入力信号がそれぞれオフになる。
【0061】
保守モード設定スイッチ23は、中継端子台22dを介して端子台37に配線接続され、2重化された保守モード設定スイッチ23から安全PLC31への入力には、変数アドレスとしてI004及びI005がそれぞれ割り当てられる。本実施形態の安全PLC31では、保守モード設定スイッチ23が運転モードのときに変数アドレスI004及びI005の入力信号がそれぞれオフになり、保守モード設定スイッチ23が保守モードのときに変数アドレスI004及びI005の入力信号がそれぞれオンになる。
【0062】
運転準備押しボタンスイッチ25は、中継端子台22dを介して端子台38に配線接続され、運転準備押しボタンスイッチ25から安全PLC31への入力には、変数アドレスI006が割り当てられる。本実施形態の安全PLC31では、運転準備押しボタンスイッチ25が押されたときに、変数アドレスI006の入力信号がオンになる。
【0063】
ライトカーテン18は、中継端子台22dを介して端子台39に配線接続され、2重化されたライトカーテン18から安全PLC31への入力には、変数アドレスI008及びI009が割り当てられる。本実施形態の安全PLC31では、ライトカーテン18が遮光されたときに、変数アドレスI008及びI009の入力信号がそれぞれオフになる。
【0064】
入口扉監視センサ17aは、中継端子台22dを介して端子台40に配線接続され、2重化された入口扉監視センサ17aから安全PLC31への入力には、変数アドレスI010及びI011が割り当てられる。本実施形態の安全PLC31では、入口扉17が開状態のときに、変数アドレスI010及びI011の入力信号がそれぞれオフになる。
【0065】
シャッタ監視センサ16aは、中継端子台22dを介して端子台41に配線接続され、2重化されたシャッタ監視センサ16aから安全PLC31への入力には、変数アドレスI012及びI013が割り当てられる。本実施形態の安全PLC31では、防護シャッタ16が開状態のときに、変数アドレスI012及びI013の入力信号がオフになる。
【0066】
図5は、安全制御盤30が備える安全PLC31の出力部34における配線接続を示す概略図である。安全PLC31の出力部34は、複数(本実施形態では3つ)のダブル出力回路43c〜45cを備える。ダブル出力回路43c〜45cは、端子台43〜45のそれぞれに対して、出力回路を二つ直列に接続することで出力が二重化されるように構成されている。ダブル出力回路43cを構成する出力回路43d,43eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ020及びQ021がそれぞれ割り当てられる。出力回路43d,43eが直列に接続されたダブル出力回路43cは、一端が電源ラインの+24Vに配線接続され、他端が制御盤20に配線接続される。機械2の制御盤20は、ダブル出力回路43cの端子台43から配線接続された電源ライン43fが、ヒューズ20aを介してPLC出力モジュール70のコモン端子70aに配線接続される。また、PLC出力モジュール70の出力端子70bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド73の一端が配線接続され、ソレノイド73の他端には、電源ラインの0Vに配線接続される。
【0067】
また、ダブル出力回路44cを構成する出力回路44d,44eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ022及びQ023がそれぞれ割り当てられる。出力回路44d,44eが直列に接続されたダブル出力回路44cは、一端が電源ラインの+24Vに配線接続され、他端が制御盤20に配線接続される。機械2の制御盤20は、ダブル出力回路44cの端子台44から配線接続された電源ライン44fが、ヒューズ20bを介してPLC出力モジュール71のコモン端子71aに配線接続される。また、PLC出力モジュール71の出力端子71bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド74の一端が配線接続され、ソレノイド74の他端には、電源ラインの0Vに配線接続される。
【0068】
さらに、ダブル出力回路45cを構成する出力回路45d,45eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ024及びQ025がそれぞれ割り当てられる。出力回路45d,45eが直列に接続されたダブル出力回路45cは、一端が電源ラインの+24Vに配線接続され、他端が制御盤20に配線接続される。機械2の制御盤20は、ダブル出力回路45cの端子台45から配線接続された電源ライン45fが、ヒューズ20cを介してPLC出力モジュール72のコモン端子72aに配線接続される。また、PLC出力モジュール72の出力端子72bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド75の一端が配線接続され、ソレノイド75の他端には、電源ラインの0Vに配線接続される。
【0069】
図6は、安全PLC31とPLC22とが通信で接続された状態を示す接続図である。機械2の制御盤20が備えるPLC22から、安全制御盤30が備える安全PLC31の入力部32の端子台56に通信線が接続される。安全PLC31は、PLC22から受信する信号に基づき出力部34から供給する電源を制御する。また、安全PLC31は、入力と出力の信号をPLC22に送信する。
【0070】
図7は、安全PLC31とPLC22との通信の通信信号マップである。通信信号マップは、PLC22から通信により受信する信号に対応する受信エリア及びPLC22へ通信により送信する信号に対応する送信エリアを有する。この通信は、安全PLC31とPLC22との間で常時実行されるため、最新の信号が両者間で送受信される。
【0071】
通信信号マップの受信エリアの一部は、通信用変数アドレスEL100が「PLC正常」信号に割り当てられる。この通信用変数アドレスEL100は、後述する図9の安全制御用のラダー回路図にて「運転許容状態出力」信号、「機械作業領域14の動力供給許容状態出力」信号、及び「危険領域15の動力供給許容状態出力」信号を出力する条件として使用する。
【0072】
一方、通信信号マップの送信エリアの一部は、通信用変数アドレスEL000が「非常停止押しボタンスイッチ26オン」信号、及び通信用変数アドレスEL001が「運転準備押しボタンスイッチ25オン」信号に割り当てられる。これらの送信エリアの信号は、下記の条件で通信によりPLC22へ送信される。
【0073】
図8は、安全PLC31のPLC22通信用のラダー回路図である。安全PLC31は、非常停止押しボタンスイッチ26が押されていないため、変数アドレスI000及びI001の入力信号がオンになっているとき、通信用変数アドレスEL000の「非常停止押しボタンスイッチ26オン」信号をオンにする。
【0074】
また、安全PLC31は、運転準備押しボタンスイッチ25が押されて、変数アドレスI006がオンのときに、通信用変数アドレスEL001の「運転準備押しボタンスイッチ25オン」信号をオンにする。
【0075】
安全PLC31は、「非常停止押しボタンスイッチ26オン」信号及び「運転準備押しボタンスイッチ25オン」信号をPLC22に送信する。
【0076】
図9は、安全PLC31の安全制御用のラダー回路図である。安全PLC31は、運転準備押しボタンスイッチ25が押されて、変数アドレスI006の入力信号がオンのときに、変数アドレスQ020及びQ021の出力信号をオンにし、ソレノイド73に電源を供給する。また、安全PLC31は、2重化された非常停止押しボタンスイッチ26の変数アドレスI000及びI001の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、通信用変数アドレスEL100のPLC正常信号がオフのときに、変数アドレスQ020及びQ021の出力信号をオフにし、ソレノイド73への電源の供給を停止する。
【0077】
安全PLC31は、運転準備押しボタンスイッチ25が押されて、変数アドレスI006の入力信号がオンのときに、変数アドレスQ022及びQ023の出力信号をオンにし、ソレノイド74に電源を供給する。また、安全PLC31は、2重化された非常停止押しボタンスイッチ26の変数アドレスI000及びI001の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、2重化された入口扉監視センサ17aの変数アドレスI010及びI011の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、2重化されたシャッタ監視センサ16aの変数アドレスI012及びI013の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、通信用変数アドレスEL100のPLC正常信号がオフのときに、変数アドレスQ022及びQ023の出力信号をオフにし、ソレノイド74への電源の供給を停止する。
【0078】
安全PLC31は、運転準備押しボタンスイッチ25が押されて、変数アドレスI006の入力信号がオンのときに、変数アドレスQ024及びQ025の出力信号をオンにし、ソレノイド75に電源を供給する。また、安全PLC31は、2重化された非常停止押しボタンスイッチ26の変数アドレスI000及びI001の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、2重化された入口扉監視センサ17aの変数アドレスI010及びI011の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、2重化されたライトカーテン18の変数アドレスI008及びI009の入力信号の少なくとも一つがオフのときで、2重化された保守モード設定スイッチ23の変数アドレスI004及びI005の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、通信用変数アドレスEL100のPLC正常信号がオフのときに、変数アドレスQ024及びQ025の出力信号をオフにし、ソレノイド75への電源の供給を停止する。
【0079】
以上のように、本実施の形態に係る安全制御盤30及び安全制御システム1によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施の安全制御盤30は、電源、安全機器、及び出力する電源ラインの端子台を備えているの、機械2の制御盤20に簡単に装着できる。
【0080】
(2)本実施の安全制御盤30は、運転準備押しボタンスイッチ25、非常停止押しボタンスイッチ26、及びライトカーテン18などの機械2で使用される多様な安全機器に対応しているので、幅広い用途の機械2に使用できる。
【0081】
(3)本実施の安全制御盤30は、安全に制御された出力の電源ラインとして、運転許容状態出力、機械2のみが作業する領域14の動力供給出力、及びワークを載置するような機械2と作業者が共存して作業する領域15の動力供給出力を備えているので、幅広い用途の機械2に使用できる。
【0082】
(4)本実施の安全制御盤30は、安全制御盤30が有する安全PLC31の制御部33に、安全機器入力に基づき出力を制御するプログラムが予め記憶されているので、プログラムを作成する必要がない。そのため、安全制御回路を迅速かつ低コストで構築できる。
【0083】
(5)本実施の安全制御盤30は、機械2の制御盤20に取り付けられているPLC22が、安全制御盤30が有する安全PLC31と通信線にて接続されることにより、省配線で簡単に安全PLC31のモニタ情報等を取得できるので、機械2の保全性を向上させることができる。
【0084】
(6)本実施の安全制御システム1は、既存の機械2において、機械2と作業者が共存する場合の作業者の安全を確保しようとしたとき、既存の機械2が有する制御盤20に対して大きな改造を必要とせず、適切な安全制御回路を迅速に構築することができる。その結果、安全制御回路を低コストで構築することが可能である。さらに、新たに製作する機械2においても、安全制御回路一式を制御盤20に備えているので、適切な安全制御回路を迅速に構築することができ、低コストで安全制御システム1を提供できる。
【0085】
また、本実施の形態では、機械2の制御盤20や安全機器に配線接続する接続部として、電源を配線接続する端子台35、入力部32に安全機器を配線接続する端子台36,37,38,39,40,41、通信線で接続する端子台56、及び出力部34から出力する端子台43〜45を用いたが、本発明はこのような構成に限定されるわけではない。例えば、コネクタなどの電気的に接続できるものを接続部として用いてもよい。さらに、後述する第2〜第4の実施形態においても、端子台の代わりに、コネクタなどの電気的に接続できる接続部を用いることが可能である。
【0086】
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態におけるライトカーテン18及び保守モード設定スイッチ23に換わって前面防護扉19が備わった実施形態である。第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成の説明は、簡単のため省略する。
【0087】
図10は、安全制御システム1の構成を示す概略図である。図10において、図1に示される実施の形態と同一の構成ないしは要素には、図1と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。
【0088】
機械設備10の危険領域15を囲む分離安全ガード13には、作業者がワークの搬入出のために危険領域に進入するために開閉される前面防護扉19と、前面防護扉19の開閉を監視する防護扉監視センサ19a(2重化された安全機器)とが取り付けられる。
【0089】
図11は、安全制御盤30の構成を示す概略図である。安全制御盤30は、制御盤20から電源を受電する配線が接続される端子台35、及び安全PLC31にて構成されている。端子台35は、安全PLC31に配線接続され、安全PLC31に電源を供給する。安全PLC31は、入力部32、制御部33、及び出力部34を備える。
【0090】
入力部32は、各種安全機器が接続される端子台36,38,40,41,42及び機械2が有するPLC22と通信線で接続される端子台56と、を備える。
【0091】
図12は、安全制御盤30が備える安全PLC31の入力部32における配線接続を示す概略図である。図12において、図4に示される実施の形態と同一の構成ないしは要素には、図4と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。
【0092】
端子台35は、電源部21から配線接続されるとともに安全PLC31に配線接続される。端子台36には、非常停止押しボタンスイッチ26が中継端子台22dを介して配線接続される。端子台38には、運転準備押しボタンスイッチ25が中継端子台22dを介して配線接続される。端子台40には、入口扉監視センサ17aが中継端子台22dを介して配線接続される。端子台41には、シャッタ監視センサ16aが中継端子台22dを介して配線接続される。端子台42(第14の接続部)には、防護扉監視センサ19aが中継端子台22dを介して配線接続される。
【0093】
防護扉監視センサ19aは、中継端子台22dを介して端子台42に配線接続され、2重化された防護扉監視センサ19aから安全PLC31への入力には、変数アドレスI014及びI015が割り当てられる。本実施形態の安全PLC31では、前面防護扉19が開状態のときに、変数アドレスI014及びI015の入力信号がオフになる。
【0094】
図13は、安全PLC31の安全制御用のラダー回路図である。図13において、図9に示される実施の形態と同一の構成ないしは要素には、図9と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。
【0095】
安全PLC31は、運転準備押しボタンスイッチ25が押されて、変数アドレスI006の入力信号がオンのときに、変数アドレスQ024及びQ025の出力信号をオンにし、ソレノイド75に電源を供給する。また、安全PLC31は、2重化された非常停止押しボタンスイッチ26の変数アドレスI000及びI001の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、2重化された入口扉監視センサ17aの変数アドレスI010及びI011の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、2重化された防護扉監視センサ19aの変数アドレスI014及びI015の入力信号の少なくとも一つがオフのとき、又は、通信用変数アドレスEL100のPLC正常信号がオフのときに、変数アドレスQ024及びQ025の出力信号をオフにし、ソレノイド75への電源の供給を停止する。
【0096】
以上のように、本実施の形態に係る安全制御盤30及び安全制御システム1によれば、前面防護扉19を備えた場合にも第1実施形態に同じく効果を得ることができる。
【0097】
<第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態におけるPLCの出力モジュール70,71,72及びソレノイド73,74,75に印加するDC24V電源の極性が反対になった実施形態である。第3実施形態において、第1実施形態と同一の構成の説明は、簡単のため省略する。
【0098】
図14は、制御盤20の構成を示す概略図である。図14において、図2に示される実施の形態と同一の構成ないしは要素には、図2と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。
【0099】
PLC22は、操作盤24が有する操作スイッチの信号(図示せず)及び機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)の動作状態を確認する信号(図示せず)が接続される入力部22a、前記アクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド83,84,85が接続される出力部22c、及び入力部22aから入力される信号に基づいて演算し演算結果を出力部22cに出力する制御部22bを有する。出力部22cは、コモン端子80a,81a,82aがそれぞれ異なるPLC出力モジュール80、PLC出力モジュール81、及びPLC出力モジュール82を含む。
【0100】
図15は、安全制御盤30が備える安全PLC31の出力部34における配線接続を示す概略図である。図15において、図5に示される実施の形態と同一の構成ないしは要素には、図5と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。ここで、安全PLC31の出力部34は、無電圧のリレー接点からなる。
【0101】
安全PLC31の出力部34は、複数(本実施形態では3つ)のダブル出力回路43c〜45cを備える。ダブル出力回路43c〜45cは、端子台43〜45のそれぞれに対して、出力回路を二つ直列に接続することで出力が二重化されるように構成されている。ダブル出力回路43cを構成する出力回路43d,43eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ020及びQ021がそれぞれ割り当てられる。出力回路43d,43eが直列に接続されたダブル出力回路43cは、一端が電源ラインの0Vに配線接続され、他端が制御盤20に配線接続される。機械2の制御盤20は、ダブル出力回路43cの端子台43から配線接続された電源ライン43gが、ヒューズ20aを介してPLC出力モジュール80のコモン端子80aに配線接続される。また、PLC出力モジュール80の出力端子80bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド83の一端が配線接続され、ソレノイド83の他端には、電源ラインの+24Vに配線接続される。
【0102】
また、ダブル出力回路44cを構成する出力回路44d,44eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ022及びQ023がそれぞれ割り当てられる。出力回路44d,44eが直列に接続されたダブル出力回路44cは、一端が電源ラインの0Vに配線接続され、他端が制御盤20に配線接続される。機械2の制御盤20は、ダブル出力回路44cの端子台44から配線接続された電源ライン44gが、ヒューズ20bを介してPLC出力モジュール81のコモン端子81aに配線接続される。また、PLC出力モジュール81の出力端子81bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド84の一端が配線接続され、ソレノイド84の他端には、電源ラインの+24Vに配線接続される。
【0103】
さらに、ダブル出力回路45cを構成する出力回路45d,45eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ024及びQ025がそれぞれ割り当てられる。出力回路45d,45eが直列に接続されたダブル出力回路45cは、一端が電源ラインの0Vに配線接続され、他端が制御盤20に配線接続される。機械2の制御盤20は、ダブル出力回路45cの端子台45から配線接続された電源ライン45gが、ヒューズ20cを介してPLC出力モジュール82のコモン端子72aに配線接続される。また、PLC出力モジュール82の出力端子82bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド85の一端が配線接続され、ソレノイド85の他端には、電源ラインの+24Vに配線接続される。
【0104】
以上のように、本実施の形態に係る安全制御盤30及び安全制御システム1によれば、機械2に取り付けられる直流用のPLC出力モジュール80〜82及びソレノイド83〜85のように直流用の出力機器は、無電圧のリレー接点により供給される電源ラインに接続するので、直流電源の両極性共に使用できる。
【0105】
これにより、安全制御システム1は、既存の機械2に取り付けられたPLC出力モジュール及び出力機器が直流電源の両極性共に使用できるので、交換の必要がなくそのまま使用できるので低コスト化できる。
【0106】
また、直流用のPLC入力モジュール及びPLC入力モジュールに接続する直流用の入力機器においても、PLC出力モジュール及び出力機器と同様に直流電源の両極性共に使用できる。
【0107】
<第4実施形態>
第4実施形態は、第1実施形態における安全制御盤30から出力する端子台43〜45が、安全PLC31の出力部34に換わってリレー出力部55になった実施形態である。第4実施形態において、第1実施形態と同一の構成の説明は、簡単のため省略する。
【0108】
図16は、安全制御盤30の構成を示す概略図である。図16において、図3に示される実施の形態と同一の構成ないしは要素には、図3と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。
【0109】
安全制御盤30は、制御盤20から電源を受電する配線が接続される端子台35、安全PLC31、及びリレー出力部55にて構成されている。端子台35は、安全PLC31に配線接続され、安全PLC31に電源を供給する。安全PLC31は、入力部32、制御部33、及び出力部34を備える。
【0110】
安全PLC31が備える出力部34は、端子台43a,43b,44a,44b,45a,45bを備え、制御部33の演算結果により信号を出力する。端子台43a,43bは、運転許容状態のときにそれぞれから信号を出力する。端子台44a,44bは、機械作業領域14が動力供給許容状態のときにそれぞれから信号を出力する。端子台45a,45bは、危険領域15が動力供給許容状態のときにそれぞれから信号を出力する。
【0111】
リレー出力部55は、運転許容状態のときに駆動する運転準備用安全リレーモジュール46a,47a、機械作業領域14に動力供給する動力供給用安全リレーモジュール49a,50a、及び危険領域15に動力供給する部分動力供給用安全リレーモジュール52a,53aを備える。
【0112】
運転準備用安全リレーモジュール46a,47aは、それぞれコイル46b,47b、リレー接点46c,47c、及び運転許容状態のときに電源を供給する端子台48(第5の接続部)を備える。
【0113】
動力供給用安全リレーモジュール49a,50aは、それぞれコイル49b,50b、リレー接点49c,50c、及び機械作業領域14に動力供給する端子台51(第7の接続部)を備える。
【0114】
部分動力供給用安全リレーモジュール52a,53aは、それぞれコイル52b,53b、リレー接点52c,53c、及び危険領域15に動力供給する端子台54(第9の接続部)を備える。
【0115】
図17は、安全制御盤30が備える安全PLC31の出力部34における配線接続を示す概略図である。図17において、図5に示される実施の形態と同一の構成ないしは要素には、図5と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。
【0116】
安全PLC31の出力部34は、複数(本実施形態では3つ)のダブル出力回路43c〜45cを備える。ダブル出力回路43c〜45cは、二つの出力回路がそれぞれ端子台に出力するように構成されている。端子台に出力する出力回路は、リレー出力部55に備えるそれぞれの安全リレーモジュールを駆動する。
【0117】
ダブル出力回路43cを構成する出力回路43d,43eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ020及びQ021がそれぞれ割り当てられる。出力回路43d,43eは、それぞれ端子台43a,43bを介して、それぞれ運転準備用安全リレーモジュール46a,47aのそれぞれのコイル46b,47bに接続される。運転準備用安全リレーモジュール46a,47aのそれぞれのリレー接点46c,47cは、両リレー接点が直列に配線接続されている。直列に配線接続されたリレー接点46c,47cは、一端が電源ラインの+24Vに配線接続され、他端が端子台48を介して制御盤20に配線接続される。ここで、端子台48から供給される電源ライン43fは、リレー接点46c,47cを直列接続することにより二重化されて安全対応している。機械2の制御盤20は、端子台48から配線接続された電源ライン43fが、ヒューズ20aを介してPLC出力モジュール70のコモン端子70aに配線接続される。また、PLC出力モジュール70の出力端子70bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド73の一端が配線接続され、ソレノイド73の他端には、電源ラインの0Vに配線接続される。
【0118】
ダブル出力回路44cを構成する出力回路44d,44eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ022及びQ023がそれぞれ割り当てられる。出力回路44d,44eは、それぞれ端子台44a,44bを介して、それぞれ動力供給用安全リレーモジュール49a,50aのそれぞれのコイル49b,50bに接続される。動力供給用安全リレーモジュール49a,50aのそれぞれのリレー接点49c,50cは、両リレー接点が直列に配線接続されている。直列に配線接続されたリレー接点49c,50cは、一端が電源ラインの+24Vに配線接続され、他端が端子台51を介して制御盤20に配線接続される。ここで、端子台51から供給される電源ライン44fは、リレー接点49c,50cを直列接続することにより二重化されて安全対応している。機械2の制御盤20は、端子台51から配線接続された電源ライン44fが、ヒューズ20bを介してPLC出力モジュール71のコモン端子71aに配線接続される。また、PLC出力モジュール71の出力端子71bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド74の一端が配線接続され、ソレノイド74の他端には、電源ラインの0Vに配線接続される。
【0119】
ダブル出力回路45cを構成する出力回路45d,45eのそれぞれの出力には、変数アドレスQ024及びQ025がそれぞれ割り当てられる。出力回路45d,45eは、それぞれ端子台45a,45bを介して、それぞれ部分動力供給用安全リレーモジュール52a,53aのそれぞれのコイル52b,53bに接続される。部分動力供給用安全リレーモジュール52a,53aのそれぞれのリレー接点52c,53cは、両リレー接点が直列に配線接続されている。直列に配線接続されたリレー接点52c,53cは、一端が電源ラインの+24Vに配線接続され、他端が端子台54を介して制御盤20に配線接続される。ここで、端子台54から供給される電源ライン45fは、リレー接点52c,53cを直列接続することにより二重化されて安全対応している。機械2の制御盤20は、端子台54から配線接続された電源ライン45fが、ヒューズ20cを介してPLC出力モジュール72のコモン端子72aに配線接続される。また、PLC出力モジュール72の出力端子72bには、機械設備10に取り付けられたアクチュエータ(図示せず)を駆動するソレノイド75の一端が配線接続され、ソレノイド75の他端には、電源ラインの0Vに配線接続される。
【0120】
以上のように、安全制御盤30は、安全PLC31が備える制御部33の演算結果により、出力部34から信号を出力する。出力部34から出力される信号が、リレー出力部55に備える安全リレーモジュールを駆動する。そして、安全リレーモジュールは、リレー接点を介して端子台48,51,54からソレノイド73,74,75に電源を供給する。
【0121】
これにより、本実施の形態に係る安全制御盤30によれば、寿命が短い安全リレーモジュールを安全PLCの出力部とは別に備えており、この安全リレーモジュールが故障した場合には、安全PLCの出力部の交換、修理を要することなく、安全リレーモジュールを交換するだけで、安全リレーモジュールの故障に対応することができる。したがって、容易かつ低コストに、保守性を向上させることができる。
【0122】
また、本実施の形態では、PLC出力モジュール70〜72のコモン端子が電源の+24Vラインに配線接続されるとした。ここで、PLC出力モジュール70〜72は、第3実施形態にあるようにそれぞれPLC出力モジュール80〜82に換わり、コモン端子を電源の0Vラインに配線接続してもよい。
【0123】
本実施の形態に係る安全制御盤30及び安全制御システム1によれば、リレー出力部55を備えた場合にも第3実施形態に同じく効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0124】
1:安全制御システム、 2:機械、 10:機械設備、 11:機械本体、 12:ワーク置き台、 14:機械作業領域、 15:危険領域、 20:制御盤、 22:PLC、 24:操作盤、 25:運転準備押しボタンスイッチ、 26:非常停止押しボタンスイッチ、 30:安全制御盤、 31:安全PLC、 32:入力部、 33:制御部、 34:出力部、 35:電源を配線接続する端子台、 36:非常停止押しボタンスイッチ26を配線接続する端子台、 37:保守モード設定スイッチ23を配線接続する端子台、 38:運転準備押しボタンスイッチ25を配線接続する端子台、 39:ライトカーテン18を配線接続する端子台、 40:入口扉監視センサ17aを配線接続する端子台、 41:シャッタ監視センサ16aを配線接続する端子台、 42:防護扉監視センサ19aを配線接続する端子台、 43:運転許容状態のときに電源を供給する端子台、 44:機械作業領域14に動力供給する端子台、 45:危険領域15に動力供給する端子台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械が有する制御盤に着脱可能であって、
前記機械が作業する作業領域の安全を確保する安全制御盤において、
電源を受電する配線が接続される第1の接続部と、
前記第1の接続部に接続される安全PLCと、を備え、
前記安全PLCは、
前記機械に備える安全機器が接続される入力部と、
前記機械に電源を供給する出力部と、
前記入力部から入力される信号に基づいて演算し、演算結果を前記出力部に出力する制御部と、を有し、
前記入力部は、
前記機械の運転の許容を指示する運転準備指示部が接続される第2の接続部と、
前記機械の運転の禁止を指示する非常停止指示部が接続される第3の接続部と、を含み、
前記出力部は、
前記機械が運転許容状態であるときに前記機械に電源を供給する第4の接続部を含み、
前記制御部は、
前記運転準備指示部から入力があったときに前記機械を運転許容状態にし、前記非常停止指示部から入力があったときに前記機械を運転禁止状態にする、
ことを特徴とする安全制御盤。
【請求項2】
前記出力部に接続するリレー出力部を備え、
前記リレー出力部は、
前記機械が運転許容状態であるときに駆動する運転準備用安全リレーモジュールと、
前記機械へ供給する電源ラインが接続される第5の接続部と、を有し、
前記運転準備用安全リレーモジュールは、
前記第4の接続部に配線接続されるコイルと、
前記第5の接続部に接続される接点と、を含み、
前記制御部は、
前記運転準備用安全リレーモジュールの接点を介在して前記第5の接続部に電源を供給する、
ことを特徴とする請求項1に記載の安全制御盤。
【請求項3】
前記出力部は、
人間が作業せず前記機械のみが作業する機械作業領域が動力供給許容状態であるときに前記機械に電源を供給する第6の接続部を含み、
前記制御部は、
前記運転準備指示部から入力があったときに前記機械作業領域を動力供給許容状態にし、前記非常停止指示部から入力があったときに前記機械作業領域を動力供給禁止状態にする、
ことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の安全制御盤。
【請求項4】
前記リレー出力部は、
前記機械作業領域が動力供給許容状態であるときに駆動する動力供給用安全リレーモジュールと、
前記機械へ供給する電源ラインが接続される第7の接続部と、を有し、
前記動力供給用安全リレーモジュールは、
前記第6の接続部に配線接続されるコイルと、
前記第7の接続部に接続される接点と、を有し、
前記制御部は、
前記動力供給用安全リレーモジュールの接点を介在して前記第7の接続部に電源を供給する、
ことを特徴とする請求項3に記載の安全制御盤。
【請求項5】
前記出力部は、
前記機械が作業する作業領域と前記人間が作業する作業領域が重なる危険領域が動力供給許容状態であるときに前記機械に電源を供給する第8の接続部を含み、
前記制御部は、
前記運転準備指示部から入力があったときに前記危険領域を動力供給許容状態にし、前記非常停止指示部から入力があったときに前記危険領域を動力供給禁止状態にする、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の安全制御盤。
【請求項6】
前記リレー出力部は、
前記危険領域が動力供給許容状態であるときに駆動する部分動力供給用安全リレーモジュールと、
前記機械へ供給する電源ラインが接続される第9の接続部と、を有し、
前記部分動力供給用安全リレーモジュールは、
前記第8の接続部に配線接続されるコイルと、
前記第9の接続部に接続される接点と、を有し、
前記制御部は、
前記部分動力供給用安全リレーモジュールの接点を介在して前記第9の接続部に電源を供給する、
ことを特徴とする請求項5に記載の安全制御盤。
【請求項7】
前記入力部は、
前記機械作業領域と前記危険領域との境界に配置される防御シャッタの開閉を監視するシャッタ監視センサが接続される第10の接続部を含み、
前記制御部は、
前記防御シャッタが開状態のときに前記機械作業領域を動力供給禁止状態にする、
ことを特徴とする請求項5〜6のいずれか1項に記載の安全制御盤。
【請求項8】
前記入力部は、
前記機械作業領域への前記人間が進入するために配置される入口扉の開閉を監視する入口扉監視センサが接続される第11の接続部を含み、
前記制御部は、
前記入口扉が開状態のときに前記機械作業領域を動力供給禁止状態にするとともに前記危険領域を動力供給禁止状態にする、
ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の安全制御盤。
【請求項9】
前記入力部は、
前記危険領域と前記人間のみが作業する人間作業領域の境界を監視するライトカーテンが接続される第12の接続部を含み、
前記制御部は、
前記ライトカーテンが遮光されたときに前記危険領域を動力供給禁止状態にする、
ことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の安全制御盤。
【請求項10】
前記入力部は、
前記ライトカーテンの監視状態を解除する保守モード設定スイッチが接続される第13の接続部を含み、
前記制御部は、
前記保守モード設定スイッチにより前記ライトカーテンの監視状態が解除されたときに前記危険領域を動力供給許容状態にする、
ことを特徴とする請求項9に記載の安全制御盤。
【請求項11】
前記入力部は、
前記危険領域と前記人間作業領域との境界に配置される前面防護扉の開閉を監視する防護扉監視センサが接続される第14の接続部を含み、
前記制御部は、
前記前面防護扉が開状態のときに前記危険領域を動力供給禁止状態にする、
ことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の安全制御盤。
【請求項12】
前記出力部は、
前記出力部から供給する電源を供給又は遮断するリレーを含み、
前記リレーのリレー接点により前記機械に電源を供給又は遮断する、
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の安全制御盤。
【請求項13】
前記入力部は、
前記機械の制御盤に取り付けられているPLCから通信線が接続される第15の接続部を含み、
前記制御部は、
前記PLCから受信する信号に基づき、前記出力部から供給する電源を供給又は遮断するとともに前記安全PLCの入力及び出力の信号を前記PLCに送信する、
ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の安全制御盤。
【請求項14】
請求項1、3、5、及び7〜13のいずれか1項に記載の安全制御盤を備え、
前記安全制御盤の前記第1の接続部に前記機械の制御盤内の電源を配線接続し、
前記機械が備える安全機器を前記入力部に配線接続し、
前記機械の出力機器を駆動する電源ラインを前記出力部に配線接続し、
前記制御部は、
前記安全機器から与えられる信号に基づいて前記電源ラインに給電又は給電を停止する、
ことを特徴とする安全制御システム。
【請求項15】
請求項2、4、6〜11、及び13のいずれか1項に記載の安全制御盤を備え、
前記安全制御盤の前記第1の接続部に前記機械の制御盤内の電源を配線接続し、
前記機械が備える前記安全機器を前記入力部に配線接続し、
前記機械の前記出力機器を駆動する電源ラインを前記リレー出力部に配線接続し、
前記制御部は、
前記安全機器から与えられる信号に基づいて前記電源ラインに給電又は給電を停止する、
ことを特徴とする安全制御システム。
【請求項1】
機械が有する制御盤に着脱可能であって、
前記機械が作業する作業領域の安全を確保する安全制御盤において、
電源を受電する配線が接続される第1の接続部と、
前記第1の接続部に接続される安全PLCと、を備え、
前記安全PLCは、
前記機械に備える安全機器が接続される入力部と、
前記機械に電源を供給する出力部と、
前記入力部から入力される信号に基づいて演算し、演算結果を前記出力部に出力する制御部と、を有し、
前記入力部は、
前記機械の運転の許容を指示する運転準備指示部が接続される第2の接続部と、
前記機械の運転の禁止を指示する非常停止指示部が接続される第3の接続部と、を含み、
前記出力部は、
前記機械が運転許容状態であるときに前記機械に電源を供給する第4の接続部を含み、
前記制御部は、
前記運転準備指示部から入力があったときに前記機械を運転許容状態にし、前記非常停止指示部から入力があったときに前記機械を運転禁止状態にする、
ことを特徴とする安全制御盤。
【請求項2】
前記出力部に接続するリレー出力部を備え、
前記リレー出力部は、
前記機械が運転許容状態であるときに駆動する運転準備用安全リレーモジュールと、
前記機械へ供給する電源ラインが接続される第5の接続部と、を有し、
前記運転準備用安全リレーモジュールは、
前記第4の接続部に配線接続されるコイルと、
前記第5の接続部に接続される接点と、を含み、
前記制御部は、
前記運転準備用安全リレーモジュールの接点を介在して前記第5の接続部に電源を供給する、
ことを特徴とする請求項1に記載の安全制御盤。
【請求項3】
前記出力部は、
人間が作業せず前記機械のみが作業する機械作業領域が動力供給許容状態であるときに前記機械に電源を供給する第6の接続部を含み、
前記制御部は、
前記運転準備指示部から入力があったときに前記機械作業領域を動力供給許容状態にし、前記非常停止指示部から入力があったときに前記機械作業領域を動力供給禁止状態にする、
ことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の安全制御盤。
【請求項4】
前記リレー出力部は、
前記機械作業領域が動力供給許容状態であるときに駆動する動力供給用安全リレーモジュールと、
前記機械へ供給する電源ラインが接続される第7の接続部と、を有し、
前記動力供給用安全リレーモジュールは、
前記第6の接続部に配線接続されるコイルと、
前記第7の接続部に接続される接点と、を有し、
前記制御部は、
前記動力供給用安全リレーモジュールの接点を介在して前記第7の接続部に電源を供給する、
ことを特徴とする請求項3に記載の安全制御盤。
【請求項5】
前記出力部は、
前記機械が作業する作業領域と前記人間が作業する作業領域が重なる危険領域が動力供給許容状態であるときに前記機械に電源を供給する第8の接続部を含み、
前記制御部は、
前記運転準備指示部から入力があったときに前記危険領域を動力供給許容状態にし、前記非常停止指示部から入力があったときに前記危険領域を動力供給禁止状態にする、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の安全制御盤。
【請求項6】
前記リレー出力部は、
前記危険領域が動力供給許容状態であるときに駆動する部分動力供給用安全リレーモジュールと、
前記機械へ供給する電源ラインが接続される第9の接続部と、を有し、
前記部分動力供給用安全リレーモジュールは、
前記第8の接続部に配線接続されるコイルと、
前記第9の接続部に接続される接点と、を有し、
前記制御部は、
前記部分動力供給用安全リレーモジュールの接点を介在して前記第9の接続部に電源を供給する、
ことを特徴とする請求項5に記載の安全制御盤。
【請求項7】
前記入力部は、
前記機械作業領域と前記危険領域との境界に配置される防御シャッタの開閉を監視するシャッタ監視センサが接続される第10の接続部を含み、
前記制御部は、
前記防御シャッタが開状態のときに前記機械作業領域を動力供給禁止状態にする、
ことを特徴とする請求項5〜6のいずれか1項に記載の安全制御盤。
【請求項8】
前記入力部は、
前記機械作業領域への前記人間が進入するために配置される入口扉の開閉を監視する入口扉監視センサが接続される第11の接続部を含み、
前記制御部は、
前記入口扉が開状態のときに前記機械作業領域を動力供給禁止状態にするとともに前記危険領域を動力供給禁止状態にする、
ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の安全制御盤。
【請求項9】
前記入力部は、
前記危険領域と前記人間のみが作業する人間作業領域の境界を監視するライトカーテンが接続される第12の接続部を含み、
前記制御部は、
前記ライトカーテンが遮光されたときに前記危険領域を動力供給禁止状態にする、
ことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の安全制御盤。
【請求項10】
前記入力部は、
前記ライトカーテンの監視状態を解除する保守モード設定スイッチが接続される第13の接続部を含み、
前記制御部は、
前記保守モード設定スイッチにより前記ライトカーテンの監視状態が解除されたときに前記危険領域を動力供給許容状態にする、
ことを特徴とする請求項9に記載の安全制御盤。
【請求項11】
前記入力部は、
前記危険領域と前記人間作業領域との境界に配置される前面防護扉の開閉を監視する防護扉監視センサが接続される第14の接続部を含み、
前記制御部は、
前記前面防護扉が開状態のときに前記危険領域を動力供給禁止状態にする、
ことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の安全制御盤。
【請求項12】
前記出力部は、
前記出力部から供給する電源を供給又は遮断するリレーを含み、
前記リレーのリレー接点により前記機械に電源を供給又は遮断する、
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の安全制御盤。
【請求項13】
前記入力部は、
前記機械の制御盤に取り付けられているPLCから通信線が接続される第15の接続部を含み、
前記制御部は、
前記PLCから受信する信号に基づき、前記出力部から供給する電源を供給又は遮断するとともに前記安全PLCの入力及び出力の信号を前記PLCに送信する、
ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の安全制御盤。
【請求項14】
請求項1、3、5、及び7〜13のいずれか1項に記載の安全制御盤を備え、
前記安全制御盤の前記第1の接続部に前記機械の制御盤内の電源を配線接続し、
前記機械が備える安全機器を前記入力部に配線接続し、
前記機械の出力機器を駆動する電源ラインを前記出力部に配線接続し、
前記制御部は、
前記安全機器から与えられる信号に基づいて前記電源ラインに給電又は給電を停止する、
ことを特徴とする安全制御システム。
【請求項15】
請求項2、4、6〜11、及び13のいずれか1項に記載の安全制御盤を備え、
前記安全制御盤の前記第1の接続部に前記機械の制御盤内の電源を配線接続し、
前記機械が備える前記安全機器を前記入力部に配線接続し、
前記機械の前記出力機器を駆動する電源ラインを前記リレー出力部に配線接続し、
前記制御部は、
前記安全機器から与えられる信号に基づいて前記電源ラインに給電又は給電を停止する、
ことを特徴とする安全制御システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−165058(P2011−165058A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−29030(P2010−29030)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】
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