説明

安全性を向上させた電極交換装置

本発明は、電極を電極ホルダーから取り外す、及び/又は、電極を電極ホルダーに取り付けるための装置に関し、前記電極ホルダーは溶接装置の一部を形成し、前記装置は使用済みの電極のための容器を備え、前記容器は開口部及び前記開口部に取り付けられたアセンブリを備え、
前記アセンブリは、マンドレルを形成する電極ホルダーの一方の端部を受けるための、長手方向の軸(X)を通り凹部(46)につながる通路(7)と、前記容器と、概ね垂直である前記長手方向の軸(X)と、電極ホルダーのマンドレルの留め具を締めたり緩めたりする手段(46)と、電極を前記装置に堅く接続する手段(54)と、使用済みの電極を容器に挿入することを作動させたり停止したりする手段(28)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極交換装置、特に、核燃料棒を製造するために設計された装置に、電極を取り付け、取り外す装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料棒は、内部に核燃料ペレットが設置される被覆管と、前記被覆管を閉じるプラグとを備える。
【0003】
前記プラグは次に、第1の溶接装置によってその外周全てを溶接される。前記プラグは、貫通孔を備え、この貫通孔を通して燃料棒はガスで満たされる。この貫通孔は次に、シール溶接装置と呼ばれる別の溶接装置によって密閉される。
【0004】
これらの各溶接装置は、溶接をするための電極を備える。この電極は磨耗を免れず、交換を必要とする。この交換は操作者によって手動で行われる。
【0005】
電極の一端は電極ホルダーツールに取り付けられ、他端が溶接に使用される。
【0006】
操作者が電極を交換しようとする場合、操作者は、指で電極の自由端を把持し、引き抜き電極ホルダーから取り外す。操作者が新しい電極を取り付けようとする場合は、操作者は溶接端を把持し、他端部を電極ホルダーに挿入する。
【0007】
更に、これらの装置はグローブボックス内に設置され、燃料棒を操作者から隔離している。操作者が唯一溶接装置を操作することができるのは、グローブボックスの壁に取り付けられたグローブを介してのみである。従って、これらの操作は困難である。
【0008】
密閉の完全性が確保されなければならないので、グローブの裂損は回避されなければならない。しかし、電極の溶接に使用する端部は極めて尖っている。そのために、操作者は、電極を交換する際にグローブを裂損しかねない。
【0009】
グローブボックスの内部は汚染されている可能性があり、ひいては、このような裂損は操作者と外部環境とを汚染しかねないことを認識されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の1つの目的は、操作者に対して更なる安全性を提供する、特に、電極による裂損の危険から保護する、電極交換装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的は、使用済み電極の容器と、電極を電極ホルダーから取り出し、又は電極ホルダーに取り付ける手段と、電極を交換装置に取り付け、また使用済み電極を重力によって容器に落下させる手段と、交換ステップの間垂直位置にある電極ホルダーと、を備えた電極交換装置によって達成される。
【発明の効果】
【0012】
この装置はその結果、使用済み電極のいかなる操作も回避することができ、新しい電極についても操作ステップを減らすことができる。
【0013】
本発明による装置では、他のステップではどれでも、電極に直接触れることを求められないので、操作者は、新しい電極の尖っていない方の端部を装置に差し込むだけでよい。
【0014】
この装置は、新しい電極を、正しい方向に直接取り付けるために使用できることが有利である。
【0015】
本発明の要旨は、ひいては、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置であって、前記電極ホルダーは溶接機の一部を構成し、前記装置は、開口部及び前記開口部に設けられたアセンブリを備えた使用済み電極の容器を有し、前記アセンブリは、マンドレルを形成する電極ホルダーの一端を保持するためのハウジングと容器とを接続する、長手方向の軸を備えた通路と、ほぼ垂直に設計された前記長手方向軸と、電極ホルダーマンドレルを締めたり緩めたりする手段と、電極を前記装置に取り付ける手段と、使用済み電極を容器に落とすことを作動又は停止させる手段と、を備える。
【0016】
例えばツールは、ハウジングと、電極ホルダーマンドレルを締めたり緩めたりする手段と、電極を前記装置に取り付ける手段と、容器の開口部に設けられ、使用済み電極の容器への落下を作動又は停止する手段を備えた支持部とを有する。
【0017】
例えば、電極ホルダーのマンドレルを締めたり緩めたりする手段は、前記ハウジングの中にある、マンドレルを締めたり緩めたりするナットに対応する形状の凹部によって形成される。前記凹部は、ハウジングの側壁によって直接形成されても、ハウジングの底部に挿入された追加物で形成されてもよい。
【0018】
電極を前記装置に取り付ける手段は、2つのピンの周囲を動作自由で、把持するために電極に接触する2つの端部を備えた、2つの要素を備えてもよい。例えば、2つの可動要素は、長手方向軸を含む平面上か、長手方向軸に直交する平面上に含まれる。電極を前記装置に取り付けるために、前記2つの可動要素を互いに離れた位置に戻す復帰手段が設けられることが有利である。
【0019】
使用済み電極の容器への落下を作動又は停止させる手段は、例えば、静止状態では前記通路と整列せず、閉塞器を操作することで整列させることができる開口部が存在する、長手方向の通路を閉じる閉塞器を備えることが有利である。閉塞器は支持部において長手方向軸に直交する軸に沿ってスライド自由に取り付けられる。通路を閉じる位置に閉塞器を戻す手段が備えられることが有利である。
【0020】
例えば閉塞器は、前記開口部と、支持部の外側からアクセスできる制御棒を備えたプレートを有する。
【0021】
電極を電極ホルダーから取り外す装置及び/又は電極ホルダーにおける電極のアセンブリは、閉塞器と装置の前記マンドレルのハウジングとの間の距離を調節する手段を備えることが有利である。例えばツールは、少なくとも2つのねじ棒を用いて支持部に取り付けられ、その調節手段は、ねじ棒に螺合された、ナット及び/又は薄ナットのアセンブリで形成される。
【0022】
装置はまた、電極ホルダー支持部と、端部に電極を保持するテーパー部を備えた電極ホルダーと、電極ホルダーのテーパー部の形状に対応するテーパー状のハウジングを形成し、電極ホルダーハウジングの上流への延長部を形成する前記電極ホルダー支持部とを備える。電極ホルダー支持部は例えば、前記ツールにその軸線方向に沿って、また長手方向軸線に対して旋回自由に取り付けられてもよい。
【0023】
例えば、電極ホルダー支持部は、電極ホルダーが挿入される端部と反対の端に、環状のスタンドを有し、前記スタンドは前記ツール内のハウジングに取り付けられる。電極ホルダー支持部は、その内側に、電極ホルダーのねじと協働するねじを有してもよく、前記ねじは、テーパー状ハウジングの上流側にある。
【0024】
装置はその結果、ツールに取り付けられた爪で形成された、電極ホルダー支持部を軸上に保つ手段を備えてもよい。
【0025】
本発明のもう一つの要旨は、本発明による装置を用いて、電極を電極ホルダーから取り出す方法であって、以下のステップを有する。
‐電極ホルダーをハウジングに挿入し、マンドレルを締める要素が、締め/緩め手段を貫通し、電極の自由端が閉塞器に接触する。
‐電極ホルダーに、緩める方向のトルクをかける。
‐電極を前記装置に固定する。
‐電極ホルダーを取り外す。
‐電極を前記装置から取り外す。
‐容器へと導く通路を開き、電極は重力によって容器内へ落下する。
【0026】
緩める方向のトルクは、前記電極ホルダー支持部にかけられて、電極ホルダーに伝達されてもよい。
【0027】
電極ホルダーがハウジングに挿入された場合は、電極ホルダーは電極ホルダー支持部に螺合されることが有利である。
【0028】
本発明のまた別の要旨は、本発明による装置を用いて、電極を電極ホルダーに取り付ける方法であって、以下のステップを有する。
‐電極を通路に設置し、電極の尖った方の端部を閉塞器に接触させる。
‐電極がついていない電極ホルダーをハウジングに設置し、装置から突出した電極の端部をマンドレルに差し込む。
‐締める方向のトルクをマンドレルにかけ、電極をマンドレルに固定する。
‐電極が取り付けられた電極ホルダーを取り外す。
【0029】
締める方向のトルクは、電極ホルダー支持部にかけられて電極ホルダーに伝達されてもよい。
【0030】
電極ホルダーは、電極ホルダーのハウジングへの挿入前又は挿入中に、電極ホルダー支持部に螺合され、電極ホルダーは、電極ホルダーが取り外される前又は最中に、電極ホルダー支持部から取り去られることが有利である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明は、以下の説明及び図を読むことで、より良く理解される。
【図1A】電極交換装置の第1の実施例の正面図である。
【図1B】図1Aの装置の部分詳細図である。
【図2】図1Aの装置の上部の縦断面図である。
【図3】図1Aの装置の一部を切り取った平面図である。
【図4A】図1Aの装置の支持部を形成する部分の斜視図である。
【図4B】図4Aの平面図である。
【図5】図4Aの支持部に設けられる閉塞器の平面図である。
【図6A】図1Aのツールの一部の斜視図である。
【図6B】図6AのA−A線部分断面図である。
【図7】ツールクランプを形成する限定された部分の斜視図である。
【図8】図1Aの装置が特によく適合する、電極に取り付けられた電極ホルダーの斜視図である。
【図9A】電極交換装置の第2の実施例の側面図である。
【図9B】図9Aの装置の上部の縦断面図である。
【図9C】図9Aの装置の上部の斜視図である。
【図10】図9Aの装置の電極ホルダー支持部を形成する部分の斜視図である。
【図11A】図1Aの装置の支持部を形成する部分の斜視図である。
【図11B】図11Aの平面図である
【図12】図11Aの支持部に設けられる閉塞器の平面図である。
【図13A】図9Aの装置のツールの一部の斜視図である。
【図13B】13Aの部分に取り付けられたツールの別の部材の平面図である。
【図13C】図13Aの一部のB−B線断面図である。
【図14】ツールクランプを形成する部材の斜視図である。
【図15】マンドレルを締めたり緩めたりする部材の斜視図である。
【図16A】静止位置で、図9Bの装置のC−C線横断面図である。
【図16B】静止位置で、図9Bの装置のD−D線横断面図である。
【図17A】クランプが電極を締め付ける位置にある、16Aと同一の図である。
【図17B】閉塞器が開いた状態の、16Bと同一の図である。
【図18】図9Aの装置が特によく適合する、電極に取り付けられたツールホルダーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0032】
記載されている装置は、長手方向の軸線Xに対して略対称性を有する。
【0033】
図1A及び1Bは、核燃料棒の被覆管にプラグを溶接する電極の交換に特に適合した、電極交換装置の第1の実施例D1の側面図を示す。
【0034】
装置D1は、使用済みの電極を収容するための容器2と、電極ホルダーから電極を取り外す又は取り付けるための、電極交換ツール4と、容器2に取り外し可能に取り付けられ、容器の栓にもなる、電極交換ツールのための支持部6と、を備える。
【0035】
装置D1は、長手方向の軸線Xと電極のための通路7とを有し、前記通路7は、ツール4、支持部6、容器2の上の開口部を通る軸線Xを有する。
【0036】
通路7は、図2の断面図に示されている。
【0037】
電極交換ツール4は、簡略化のため、以下の説明においては“ツール4”と記す。
【0038】
図8は、装置D1が適合する溶接装置の、電極ホルダー7の実施例を示す。
【0039】
電極ホルダー7は、電極11を適切な位置に保持するマンドレルを一端に備えた、細長い筐体を有する。前記マンドレルは、電極11を固定するための緩み止めナット13を備える。
【0040】
容器2は、上部に図示しない開口部を備え、図示しないネックに囲まれたフラスクで形成される。示された実施例では、前記容器は、容器を垂直位置に保持する構造物12に取り付けられている。
【0041】
示された実施例では、支持構造物12は、第1に、容器のハウジング12.1を、第2に、容器を安定した垂直位置に保持する支持部12.2を表す、湾曲した金属ワイヤーから成るフレームで作られている。
【0042】
例えば成型プラスチックなどで作られた他のいかなる支持構造物でも、適切である場合があり、本発明の範囲外とはならない。
【0043】
支持部6を容器に固定するために、ネック10はねじで取り付けられることが有利である。
【0044】
しかし、例えば爪による固定又はバイオネット型の接続など、他の固定手段が使用されてもよい。
【0045】
図2,4A及び4Bに特に明確に示されているツール支持部6は、長手方向の軸線Xを有する筐体14を備え、前記筐体14は、使用済みの電極が容器2の内部へ向かって通過する、これも長手方向の軸線Xを有する通路16を備える。
【0046】
筐体14はまた、長手方向の、ツール4側を向いた第1の端部に端壁18を、また、長手方向第2の端部に、雌ねじ部22に隣接した円形の凹部20を備え、 前記雌ねじ部22が容器のネックにあるねじと協働することで、ネックが凹部20に収容される。
【0047】
壁部18は、通路16の一端を形成する開口部24を備える。
【0048】
筐体14は、端壁18と凹部20との間に中間部材25を備え、そこへ、開口部24の閉塞器26が、長手方向の軸線Xに直交する軸線Yに沿って自由に移動可能に適合する。
【0049】
閉塞器26は、端壁18の、ツール4を向いた側とは反対の表面に沿ってスライドする。
【0050】
図5は、プレート28と、プレート28の端部に固定された制御棒30を備えたスライド型の閉塞器26の例を、単独で示す。
【0051】
プレート28は、それ自体が、電極を通過させるのに十分な大きさの直径を持つ開口部32を備える。
【0052】
中間部材25は、プレート28がスライドする側面のほぞ穴34と、その反対側に、軸線Yを有し、制御棒30がスライドする横断35と、を有する側壁を備える。
【0053】
制御棒30を用いて、プレート28が軸線Yに沿って動くと、プレートの開口部32は端壁18の開口部24と直線上に並ぶことができ、その結果、電極を、支持部6を通過させて容器2の中へ落下させることが可能になる。
【0054】
プレート28は、通常は閉じた位置にある。開口部24を塞ぐ位置にプレート28を戻すために、伸縮する復帰手段が備えられていることが有利である。
【0055】
示された実施例は、中間部材25の外側表面と、制御棒30の自由端に取り付けられたボタン36との間に対して設けられたコイルバネ35を有する。
【0056】
示された実施例では、プレートの開口部と端壁の開口部24とを揃えるために、プレート28の開口部32は、制御棒30に、制御棒の軸線Xに沿った方向の力がかかるように配置される。
【0057】
変形として、閉塞器は、開口部24と32とを揃えるため、軸線Xに沿って離脱力がかかるように、すなわち棒30に張力がかかるように設計されてもよい。
【0058】
示された実施例では、プレートは、プレートが側面のほぞ穴34内でスライドする際の摩擦を制限する、薄い側面のエッジを備えることが有利である。
【0059】
示された実施例では、中間部材25の外径は、凹部が形成された端部の外径より小さい。この直径の減少は、制御棒30の端部がボタン30に適合して収容され得るためである。その結果、横方向の寸法は制限される。
【0060】
直径の減少は、環状の水平表面38が形成され、そこから2本のねじ棒40が突出し、その上にツール6が取り付けられるためである。
【0061】
図6A及び6Bに単独で示されているツール6は、軸線Xと同軸の、電極が通過する通路44を備えた筐体42を備える。これはまた、電極ホルダーから電極を取り出す、又は電極ホルダーへ電極を固定することができるように、電極ホルダーの端部に対するハウジングを形成する。
【0062】
これを達成するために、通路は、通路の支持部と反対側の長手方向端部44.1に、電極ホルダーの端部が回転することをブロックできる横断面を有する第1の部分46、詳しくは、電極ホルダーの中で電極を堅く保持するナット13を備える。通路44は、電極が前記ツールに挿入されたときに良いガイダンスを提供する、より小さな横断面を有する第2の部分48と、更に小さな直径の第3の部分50とを備える。
【0063】
示された実施例では、ハウジング46は楕円形の横断面を有し、ナット13は六角形の横断面を有する。楕円形のハウジングの壁から2つの並行する表面46.1を隔てる距離は、ナット13の2つの並行する表面を隔てる距離と概ね等しい。
【0064】
前記ツールはまた、電極をツールの中に固定する手段52を備える。示された実施例では、固定手段52は、操作者によって作動するクランプで形成される。
【0065】
手段52は、筐体42内に、軸線Xに直交するピン55の周囲を回転自由に設けられた、2つの部材54を備える。部材54の1つが図7に示されている。2つの部材54は、長手方向の軸線Xの反対側にあり、互いに向かい合っている。
【0066】
各部材54は指状部材56を備える。前記指状部材は軸線Xに面し、電極と接した状態になり、次いで電極が2つの指状部材56の間で締め付けられる。
【0067】
前記部材54はまた、操作者が部材54をピン55の周囲で動かすのに用いる、軸線Xから外側に扇状になった2つの操作用端部58を備える。
【0068】
2つの指状部材56は、ツール4とツール支持部6とを隔てる空間の中を、電極に向かって動く。
【0069】
筐体42は、軸線Xに直交して伸び、軸線Xの両側に位置する、2つのハウジング57を備え、図2に示すように、それぞれが部材54を収容する。
【0070】
部材54と筐体42の中央部材64との間に設けられた2つのバネ62を備えた、クランプの指状部材を離れた位置に戻すための手段も、また備えられている。示された実施例では、バネ62は、部材54の縁に形成された穴63の中に設けられている。
【0071】
更に、上述したように、前記ツールは2つのねじ棒の上に設けられている。このために、ツール6の筐体42は、軸線Xの両側に、ねじ棒が通る貫通孔68が開いた、2つの横向きの突起66を有する。
【0072】
支持部6に対するツール4の位置は、次に、ナットと薄ナットアセンブリ70を用いて調節される。
【0073】
ナットと薄ナットアセンブリ70は、それに対して電極ホルダーを支えるツール筐体が通過する第1部材46の底部と、閉塞器26のプレート28との間の距離を調節する。
【0074】
この距離は、電極ホルダーから電極が突出する長さである。良好な溶接を得るために、この距離は正確に固定されなければならない。従って、この距離は、電極が設置されたときに自動的に固定される。操作者は、この長さを調整するために何も行動する必要がない。
【0075】
この電極交換装置D1は、図8に示された比較的小さな電極ホルダーに対する溶接電極の交換に特に適している。
【0076】
ここで、この電極交換装置D1の操作について説明する。
【0077】
電極を取り外すには、操作者は、電極ホルダーを溶接装置から取り外す。このステップでは操作者は、電極ホルダーの、電極が突出している方の端部とは反対の端部を操作する。
【0078】
操作者は次のステップでは、まず電極の自由端をツール4の通路に、電極ホルダーが通路7の第1部材46の底部に接触して止まるまで差し込むことで、電極ホルダーをツール4に挿入する。
【0079】
電極は、閉塞器26のプレート28の上面に乗る。
【0080】
操作者は次に、電極ホルダーに、ナットとツール4を通る通路の第1部材46の凹部とが協働することで電極ホルダーのナットを緩める方向に、トルクを加える。
【0081】
その結果、電極はもう電極ホルダーに固定されていない。
【0082】
操作者は次に、クランプの2つの部材54を片手で押し、前記部材54が互いに前方へ動いてツール4に固定されている電極を締め付けるようにし、もう片方の手で電極ホルダーを取り外す。
【0083】
操作者は次に部材54を放し、それらはバネ62の作用で電極から離れる。
【0084】
操作者は次に、閉塞器26の制御棒30上のボタン36を押し、この動作が、電極が容器2に落ちるように、プレート28と壁18とを互いに通過する貫通孔32,24を揃える。
【0085】
本発明では、操作者は、電極の尖った先端に触れる必要なく、取り外すことができた。
【0086】
その結果、使用済みの電極は、支持部とツールが取り外された容器を傾けることで廃棄され得る。
【0087】
新しい電極を取り付けるには、操作者は、尖っていない方の端部を把持して箱から電極を取り出す。この端部は操作者が把持することのできる唯一の端部であることに留意されたい。
【0088】
操作者は次に、電極の尖った端部をまずツール4へ、次に支持部6へ、閉塞器26のプレート28の上面に接触して止まるまで挿入することで、電極を装置に挿入する。
【0089】
操作者は次に、電極ホルダーを、電極を保持する方の端部とは反対の端部で把持し、ツール4から突出した電極の、尖っていない方の端部に取り付ける。
【0090】
電極ホルダーは、ツールの通路7の第1部材46の底部に接触して止まる。支持部6に対するツール4の位置が正しく調節されていれば、電極ホルダーから突出する電極の長さは正しい。
【0091】
操作者は次に、ナットを締めることで電極を電極ホルダーに固定する。このために、操作者は電極ホルダーに、電極を取り出すときにかけたトルクと反対の方向にトルクをかけ、ナットはツール4の凹部を介して締めつけられる。
【0092】
操作者は次に、新しい電極が装着された電極ホルダーを取り出す。電極と一体になった電極ホルダーは、いつでも溶接装置に取り付けられる。
【0093】
本発明では、電極の取り外し及び取り付けの全ての段階において、また廃棄段階においても、電極の尖った先端は防護されており、操作者は前記先端を操作する必要が全くない。
【0094】
全ての段階の中で、電極の尖った先端が見える状態になるのは、溶接装置から電極ホルダーを取り外す間と、新しい電極のついた電極ホルダーを溶接装置に取り付ける間だけである。この段階の間、操作者は交換装置D1を操作する必要がないので、尖った先端に注意を集中できる。
【0095】
更に、操作はとても簡単であり、特にグローブボックス内で操作する場合に有利である。
【0096】
従って、尖った先端によってグローブが裂かれる危険が極めて減少する。
【0097】
電極ホルダーにおける電極の正確な位置決めもまた、容易に成し得る。
【0098】
装置D1は、示された実施例では持ち運び可能であるが、容器をグローブボックスの固定されたハウジング内に取り付けることもまた可能である。
【0099】
装置全体は、ステンレススチール又は陽極酸化アルミニウムのような硬い素材で作られればよい。一方で、閉塞器のプレートは、溶接品質を劣化させかねないアルミニウムの微粒子が新しい電極に堆積しないことを保証するため、ステンレススチールで作られる。
【0100】
図9A〜9Cは、ロッドプラグの端部を溶接するために設計された、シール溶接用の電極交換に特に適した、他の電極交換装置D2の実施例を示す。
【0101】
しかし、後に説明するように、装置D2は溶接用電極の交換にも適合し得る。
【0102】
装置D1は、シール溶接電極の交換にも適合し得る。
【0103】
まず、図18に示すシール溶接電極ホルダーの実施例について説明する。
【0104】
シール溶接電極ホルダー74は、その中で電極を保持するマンドレル78が磁器製のテーパー部80に囲まれる、筐体76を備え、前記マンドレルの先端は、テーパー部80から突出し、電極11を筐体76内で締め付けるためのナット82を備える。
【0105】
示された電極ホルダーの実施例における筐体76は、テーパー部80の上部に、シール溶接装置に固定するためのねじ84も備える。
【0106】
装置D2は装置D1と同様に、容器86と、電極交換ツール88と、容器86に設けられ電極交換ツール88を支持するツール支持部90とを備える。閉塞可能な通路91が、装置を軸方向に通っている。
【0107】
電極交換ツール88は、簡略化のため、以下の説明では「ツール88」と記す。
【0108】
装置D2はまた、図10に示す、ツール88に設けられた電極ホルダー支持部92を備える。電極ホルダー支持部92は、例えばエルタロン(登録商標)などで作られてもよい。
【0109】
電極ホルダー支持部92は、電極ホルダー76のテーパー部80、つまり支持部92に挿入するために設計されたコーン80の外部の輪郭に対応した内部の輪郭を有し、概ね、中空の円錐台形状をしている。
【0110】
電極ホルダー支持部92は、電極ホルダー74が通過して挿入される、大きな直径の開口部94と、電極ホルダーの端部と電極の尖った先端が突出している小さな直径の開口部96と、を備える。
【0111】
小さな直径の開口部96は、電極ホルダーがツール88上に設けられている場合に、電極ホルダー支持部92の支持スタンドを形成する、環状部材97に囲まれていることが有利である。
【0112】
示された実施例では、操作者が、設置された電極を見ることができるように、開口部96に隣接して、電極ホルダー支持部92の端部に穴があることが有利である。
【0113】
装置D1に関しては、容器86はネック100に囲まれた上部開口部98を備えたフラスクで形成される。
【0114】
装置D1と同様に、容器を垂直位置に保持する支持構造物102がまた、設けられていてもよい。
【0115】
ネック100は、支持部90を容器86に固定するねじを備えることが有利である。しかし、爪型又はバイオネット型など他の固定手段が備えられてもよい。
【0116】
支持部90の構造は、装置D1の支持部6に極めて似ている。
【0117】
図11A及び11Bに特に明確に示されているツール支持部90は、長手方向の軸線Xを有し、使用済みの電極がそこを通って容器86の中へ通過する通路106を備えた、長手方向の軸線Xを有する筐体104を備える。
【0118】
筐体104は、ツール88に面した端壁108を長手方向第1の端部に、容器のネック100のねじと協働する内側のねじに囲まれた円形の凹部110を長手方向第2の端部に備え、従って、ネック100は凹部110に収容される。
【0119】
壁108は、通路106の一端を形成する、開口部114を備える。
【0120】
筐体104は、端壁108と、筐体104内に長手方向軸に対して直交する軸線Yに沿って動作自由に設けられた、開口部114の閉塞器116を収容する凹部110との間に、中間部材115を備える。
【0121】
閉塞器116は、壁108の、ツール88が面しているのと反対側の面に沿ってスライドする。
【0122】
図12は、プレート118と、プレート118の一端に取り付けられた制御棒120を備えた、スライド型の閉塞器116の例を単独で示している。
【0123】
プレート118は、電極が通り抜けられるように十分に大きな直径を有する、開口部122を備える。
【0124】
中間部材115は、側面にプレート118がスライドするほぞ穴124を有する側壁と、その正反対に、制御棒120がスライドする、軸線Yを有する横断孔125とを備える。
【0125】
プレート118が制御棒120によって軸線Yに沿って動作する場合、電極が支持部90を通り抜けられるように、プレート118の開口部122は、端壁108において開口部114と整列してもよい。
【0126】
プレート118は、通常は閉じた位置にある(図16B)。
【0127】
プレート118を開口部114が閉じた位置に戻す、弾性復帰手段を備えることが有利である。
【0128】
示された実施例では、中間部材115の外側面と制御棒120の自由端に固定されたボタン126の間に、らせんバネ124が設けられている。
【0129】
示された実施例では、プレート118の開口部122は、端壁の開口部114と揃えるため、制御棒120に、軸線X方向の力が掛かるように位置決めされる(図17B)。
【0130】
1つの変形として、開口部114と122を揃えるために、閉塞器は、それに加わる力が軸線Xから離れるように設計されてもよい。
【0131】
示された実施例では、プレートは、プレートが側面のほぞ穴124の中でスライドするときの摩擦を減少させるために、横方向に薄い縁を備える。
【0132】
制御棒120がプレートの延長で形成される閉塞器も、本発明の範囲外ではない。
【0133】
示された実施例では、中間部材115は、ツール88のベースを形成し図13A〜13Cに示された、136で表された部分の閉塞を防ぐために、その上面にそれぞれ軸線Xの両側に互いに平行に配置された、2つの平面130を備えることが有利である。
【0134】
支持部90はまた、軸線Xの両側に、Xに対して垂直に延び、横方向に突出した突起132を備え、それぞれの突起は、ツール88を固定できる穴134を備える。
【0135】
図13A〜13Cに単独で示されたツール88は、示された実施例では主に、ツールを支持するためのアタッチメントベースを形成する第1の部分136と、電極ホルダー支持部92の位置決め用のガイドを形成する第2の部分138と、電極ホルダーのナットと協働する、締めたり緩めたりするプレート140の、3つの部分で形成されている。
【0136】
アタッチメントベース136は、ガイド部材138の輪形状のアタッチメント表面137と、軸線Xの両側に突出した突起140を備える。
【0137】
それぞれの突起140は、支持部の突起132と、ツール88のアタッチメントベース136の突起140との間にそれぞれ伸びたねじ棒144を収容する、通路142を備える。
【0138】
2つの突起140における通路は、より簡単にねじ棒142に適合させるためには、穴よりむしろ切り欠きで形成されることが有利である。
【0139】
示された実施例では、突起142とアタッチメントプレート137の上面は、2つの異なる平面である。
【0140】
示された実施例では、アタッチメントプレート137は、上から見たときのプレートの断面がC形状になるようなスリット141を備える。
【0141】
このスリット141は、図13Aに示すような、よりコンパクトな製品を得るためには、閉塞器116の制御棒120を収容することが有利である。
【0142】
アタッチメントベース136はまた、以下で説明するように、電極のクランプ部材がその周りで旋回自由になったピンが存在するアタッチメントプレート137に作られた、半径方向に対向した2つの穿孔143を備える。
【0143】
穿孔は、第1の大きな直径の部分143.1及び小さな直径の部分143.2を備え、大きな直径の部分143.1にピンの頭部を収容し、支持部90の組み立てを困難にさせる、突出部分の必要性を回避する。
【0144】
示された実施例では、クランプ部分を取り扱えるように、2つの穿孔143が位置する直径は、2つの切り欠き42を結ぶ軸線上には並んでいない。
【0145】
示された実施例では、ねじ棒142は、その一端に頭部144.1と、それらの軸に沿って、かつ軸に対して垂直な襟部144.2と、を備え、その襟部から頭部までの距離は、突起140が挿入できるようにされている。
【0146】
アタッチメントベース136の突起140は、各ねじの頭部144と襟部の間に適合する。
【0147】
ナット144.3は、支持部90の突起の下に位置する各ねじ棒142の部分に螺合される。電極ホルダーから突出する電極の長さを固定する、支持部90とツール88との間の距離は、ナット144.3を締めたり緩めたりすることによって調節できる。
【0148】
ガイド部材138(図13B及び13C)は、長手方向の端において端壁146で遮断された軸線Xの周囲に、略環状の壁145を有する。端壁146はまた、その中心部に軸線Xに沿って電極が通過できる貫通孔148を備える。
【0149】
アタッチメントベース136において穿孔143と一致する穿孔149が、ガイド部材に作られる。
【0150】
環状壁145及び端壁146は、電極ホルダー支持部92の支持スタンド97の外径とほぼ等しい直径を有するハウジング151を画定する。
【0151】
示された実施例では、端壁146は、ハウジング148の側面にプレート152が固定された凹部150を備え、図15に示すように、その中へ取り付けられて、ナットを締めたり緩めたりするために協働する、電極ホルダーナットの形に相当する形状の開口部153が設けられている。
【0152】
プレート152は、例えば使い終えた場合、又は、他の形状のナットを備えた装置の使用が必要な場合には移動できるように、例えばねじ等によって、ハウジング151の底部に取り付けられる。
【0153】
このプレートを移動する必要がない場合は、接着又は溶接などで恒常的に固定してもよい。
【0154】
ガイド部材138は、軸線Xの周囲を回転させるために解放する間、電極ホルダー支持部92を軸上の位置で保持する手段154を備えることが有利である。
【0155】
示された実施例では、手段154はガイド部材138の上面に固定された3つの固定爪で形成され、電極ホルダー支持部92の支持スタンドがツール88から動いてしまうのを防ぐ、軸上ストッパを形成する。
【0156】
示された実施例では、ガイド部材138はその上面に、互いに120度毎に形成され、それぞれに固定プレート154が取り付けられた、3つの切り欠き156を備える。プレート154は、例えばねじ等で取り付けられてもよい。
【0157】
ツール88はまた、電極をツール88内に固定する手段156を備える。固定手段156は、それぞれ軸線Xに対して平行なピン160の周囲に明確に示されている、2つの締め付け部材158を備えたクランプを形成する。
【0158】
この実施例では、クランプの要素は、軸線Xに直交する平面上で動作する。図14では、部材158のうち1つが単独で示されている。図16Aでは、締め付け部材158は、離れた位置に相当する静止位置で示され、図17Aでは、締め付け部材は電極に接触している。
【0159】
締め付け部材158は、略扇形であり、直角162を有するゾーンが電極に接触するように設計されている。
【0160】
締め付け部材は、ピン160が通る穴164を備え、概ね、クランプ部材158の丸みを帯びたエッジと平らなエッジの間の角に位置する。操作者がクランプ部材を操作できるように、丸みを帯びたエッジはまた、穴の反対側に、突出した部分165を有する。ピン160の一端は、アタッチメントベース136の穴143.1,143.2の中に取り付けられ、もう一端は、ガイド部材の穴149に取り付けられる。穴149はねじ立てされることが有利であり、軸160は穴149に螺入されたねじで形成され、このようにしてガイド部材をアタッチメントベースに取り付けることが有利である。
【0161】
クランプ部材を離れた位置に戻すために、例えば、ガイド部材とクランプ部材の間に対して取り付けられたバネ166など、手段166が設けられ、バネ166はガイド部材に形成された穴168に取り付けられることが有利である。
【0162】
扇形状は、クランプ部材を、円形断面を有するツールに一体化し、たった2つの操作部分だけが突出することを可能にする。
【0163】
このことは、装置を更にコンパクトにする。
【0164】
D1と同様に、装置D2全体は、ステンレススチール又は陽極酸化アルミニウムなどの、硬い素材で作られればよい。
【0165】
一方で、閉塞器116のプレート118は、溶接品質を劣化させかねないアルミニウムの微粒子が、新しい電極に堆積しないことを保証するため、ステンレススチールで作られる。
【0166】
次に、電極交換装置D2の操作について説明する。
【0167】
電極ホルダーが、シール溶接装置から取り外され、電極ホルダー支持部92にねじ留めされる。
【0168】
電極ホルダー支持部92が、ツール88に固定されていない場合は、操作者は、ガイド部材138のハウジング151内に支持スタンド97を設置したツール88の所定位置に、電極ホルダー支持部92を設置し、操作者は次に、電極ホルダーを電極ホルダー支持部92に、穴が開く危険の限界まで螺入することが望ましい。
【0169】
電極ホルダーナットは凹部153に収容され、電極ホルダーは電極ホルダー支持部92に螺合される。
【0170】
操作者は、ナットがガイド部材138の端壁146に接触したら、螺入するのを止める。
【0171】
操作者は、ナットを緩めることで電極ホルダーから電極を離す。このために操作者は、軸線Xの周りで電極ホルダーを回転させる、軸線Xの周囲の電極ホルダー支持部92に、トルクをかける。ナットは、プレート154の内側に回転して取り付けられているので、緩められる。
【0172】
電極ホルダー支持部92が軸線Xに対して回転自由であることを認識されたい。
【0173】
電極は次に、電極ホルダーから解放される。
【0174】
電極ホルダー支持部92が、電極ホルダーのねじと協働するねじを備えていない場合、操作者は、電極ホルダーに、軸に沿って電極ホルダー支持部92に向かって力をかけると同時に、トルクもかける。
【0175】
円錐形同士の協働は当然ながら、電極ホルダー支持部92と電極ホルダーとの間の回転にブロッキングを生じさせ、また、電極ホルダー支持部92にかけられた緩みトルクも、電極ホルダーに伝わる。
【0176】
電極11を捕らえてツール内に保持するために、操作者はクランプ部材158に力をかけ、同時に、操作者は電極ホルダーを外す(図17A)。
【0177】
操作者は次に、バネ166の効果で電極11から離れるように、クランプ部材158にかけた力を緩め、また、閉塞器116と支持部90の貫通孔122,114が一直線に揃うように、制御棒120のボタンを押すことで閉塞器116を動かし、この整列が得られると、電極11は重力によって容器86へと落下する(図17B)。
【0178】
操作者は、新しい電極の尖っていない方の端部を手に取り、尖った端部を閉塞器116のプレート118の上面に接触するまでツールに差し込むことで、新しい電極11を所定位置へ取り付ける。
【0179】
操作者は次に、電極の尖っていない方の端部を電極ホルダーに挿入することで、電極ホルダーをツール88に取り付ける。
【0180】
電極ホルダーは次に、電極ホルダー支持部92に螺合される。
【0181】
操作者は次に、電極ホルダーナットを締める方向に電極ホルダー支持部92にトルクを加え、その結果、電極11は電極ホルダーに固定される。
【0182】
電極ホルダーは次に、ねじを緩められ、電極ホルダー支持部92から取り外され、シール溶接装置内へと戻される。
【0183】
示された実施例では、電極ホルダー支持部92はツール88に対して軸方向に固定されるが、独立可能であって、電極ホルダーに独立して螺合され、従って形成されたアセンブリはツールに取り付けられる。
【0184】
装置D2と装置D1との間の主な違いは、電極ホルダー支持部92の存在は別として、装置において電極を固定する手段のクランプ部材の向きであり、この向きは、装置D2では水平面上で可動であり、装置D1では垂直平面上で可動である。
【0185】
装置D2は、例えば、溶接電極ホルダーのナットの形状に対応するハウジングを形成するように、ガイド部材のハウジング形状を修正することなどで、
極めて簡単に溶接電極ホルダーに合わせられる。
【0186】
装置D1及びD2は、可動の使用済み電極用容器を備え、この容器をグローブボックス内の作業台に直接作ること、どこへでも接近しやすくすること、また、例えば、自動的に空にして接触の危険を更に制限すること、などを可能にする。
【0187】
本発明による電極交換装置は、電極の取り外しと取り付けの全てのステップの間中操作者を保護し、その結果、グローブが裂ける危険は大幅に減少する。更に、使用済みの電極は、グローブボックスから取り出す前には閉じられる容器を通してのみ、取り扱われる。
【0188】
操作者は、新しい電極の、またその尖っていない部分にしか接触しない。
【0189】
本発明による電極交換装置は、また、極めて丈夫であるという利点を有する。操作は全て機械的であり、複雑な構造を必要としない。更にそれらは縦型形状のため、極めてコンパクトである。
【0190】
クランプ部材が水平方向の向きであるため、電極ホルダー支持部92の高さが相殺されるので、装置D2のツール88は極めて高さが低い。
【0191】
装置D2のような水平方向のクランプ部材を用いて装置D1を作ることは、装置の高さを比較的低くできるので、有利である。
【0192】
閉塞器は、例えば空気制御などにより、自動的に作動することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置であって、
前記電極ホルダーは溶接機の一部を構成し、
前記装置は、開口部及び前記開口部に設けられたアセンブリを備えた使用済み電極の容器(2,86)を有し、
前記アセンブリは、マンドレルを形成する電極ホルダーの一端を保持するためのハウジング(46)と容器(2,86)とを接続する、長手方向の軸を備えた通路(7,91)と、ほぼ垂直に設計された前記長手方向軸(X)と、電極ホルダーマンドレルを締めたり緩めたりする手段と、電極を前記装置に取り付ける手段と、使用済み電極を容器に落とすことを作動又は停止させる手段と、を備える前記装置。
【請求項2】
前記アセンブリが、ハウジング(46)を備えたツール(4,88)と、電極ホルダーマンドレルを締めたり緩めたりする手段と、電極を前記装置に取り付ける手段と、容器(2,86)の開口部に設けられ、使用済み電極を容器に落とすことを作動又は停止させる手段を備えた支持部(6,90)と、
を有することを特徴とする、
請求項1に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項3】
前記電極ホルダーマンドレルを締めたり緩めたりする手段が、前記ハウジングに存在する、マンドレルを締めたり緩めたりするナットに対応する形状の凹部で形成されることを特徴とする、
請求項1又は2に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項4】
前記凹部が、ハウジング(46)の側壁で直接形成されることを特徴とする、
請求項3に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項5】
前記凹部が、ハウジングの底部に取り付けられたプレート(140)に形成されることを特徴とする、
請求項3に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項6】
電極を前記装置に取り付ける手段が、2つの軸の周囲を動き、把持するために電極に接触する2つの端部を備えた、2つの要素(54,158)を備えることを特徴とする、
請求項1〜5のいずれか1項に記載した、
電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項7】
2つの可動要素(54)は、長手方向軸(X)を含む平面上に含まれることを特徴とする、
請求項6に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項8】
2つの可動要素(158)は長手方向軸(X)に直交する平面上に含まれることを特徴とする、
請求項6に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項9】
電極を前記装置に取り付けるために、前記2つの可動要素(54,158)を互いに離れた位置に戻す手段を備えることを特徴とする、
請求項6,7又は8のいずれか1項に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項10】
使用済み電極の容器(2,86)への落下を作動又は停止させる手段が、静止状態では前記通路(7,91)と整列せず、閉塞器(26,116)を操作することで整列させることができる開口部(32,122)が存在する、長手方向の通路(7,91)を閉じる閉塞器(26,116)を備えることを特徴とする、
請求項1〜9のいずれか1項に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項11】
前記閉塞器(26,116)が、支持部(6,90)において長手方向軸(X)に直交する軸(Y)に沿ってスライド自由に取り付けられることを特徴とする、
請求項10に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項12】
前記閉塞器(26,116)を、通路(7,91)を閉じる位置に戻す手段を備えることを特徴とする、
請求項10又は11のいずれか1項に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項13】
前記閉塞器(26,116)が、前記開口部(32,122)と、支持部(6,90)の外側からアクセスできる制御棒(30,120)を備えたプレート(28,118)を有することを特徴とする、
請求項10〜12のいずれか1項に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項14】
前記閉塞器と前記装置のマンドレルのハウジングとの間の距離を調節する手段を備えることを特徴とする、
請求項10〜13のいずれか1項に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項15】
ツールは、少なくとも2つのねじ棒を用いて支持部(6,90)に取り付けられ、その調節手段は、ねじ棒に螺合された、ナット及び/又は薄ナットのアセンブリで形成されることを特徴とする、
請求項14に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項16】
電極ホルダー支持部(92)と、その端部に電極を保持するテーパー部(80)を備えた電極ホルダーと、電極ホルダーのテーパー部(80)の形状に対応する、テーパー状のハウジングを形成し、電極ホルダーハウジングの上流への延長を形成する前記電極ホルダー支持部(92)と、をも備えることを特徴とする、
請求項1〜15のいずれか1項に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項17】
前記電極ホルダー支持部(92)が、ツールにその軸線方向に沿って、また長手方向軸線に対して旋回自由に取り付けられることを特徴とする、
請求項2と組み合わせた請求項16に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項18】
前記電極ホルダー支持部(92)が、電極ホルダーが挿入される端部とは反対の端に、環状のスタンド(97)を有し、前記スタンド(97)はツール(88)の中のハウジング(151)に取り付けられることを特徴とする、
請求項17に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項19】
前記電極ホルダー支持部(92)が、その内側に、電極ホルダーのねじと協働するねじを有し、前記ねじは、テーパー状のハウジングの上流側にあることを特徴とする、
請求項16,17又は18のいずれか1項に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項20】
前記ツールに取り付けられたツメ(154)で形成された、電極ホルダー支持部(92)を軸上に保つ手段を備えることを特徴とする、
請求項16〜19のいずれか1項に記載した、電極を電極ホルダーから取り外す及び/又は電極を電極ホルダーへ取り付ける装置。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項に記載した装置を用いて、電極を電極ホルダーから取り出す方法であって、以下のステップを有する方法。
‐電極ホルダーをハウジング(46)に挿入し、マンドレルを締める要素が、締め/緩め手段を貫通し、電極の自由端が閉塞器(26,116)に接触する。
‐電極ホルダーに、緩める方向のトルクをかける。
‐電極(11)を前記装置に固定する。
‐電極ホルダーを取り外す。
‐電極(11)を前記装置から取り外す。
‐容器(2,86)へと導く通路を開き、電極(11)は重力によって容器(2,86)内へ落下する。
【請求項22】
前記緩める方向のトルクが、前記電極ホルダー支持部(92)にかけられて、電極ホルダーに伝達されることを特徴とする、
請求項16〜20のいずれか1項に記載した装置を用いて電極を取り出す、請求項21に記載した方法。
【請求項23】
前記電極ホルダーがハウジングに挿入された場合は、電極ホルダーは電極ホルダー支持部に螺合されることを特徴とする、
請求項19に記載した装置を用いて、電極を取り出す、請求項22に記載した方法。
【請求項24】
請求項1〜20のいずれか1項に記載した装置を用いて、電極を電極ホルダーに取り付ける方法であって、以下のステップを有する方法。
‐電極(11)を通路(7)に設置し、電極の尖った方の端部を閉塞器に接触させる。
‐電極がついていない電極ホルダーをハウジングに設置し、装置から突出した電極の端部をマンドレルに差し込む。
‐締める方向のトルクをマンドレルにかけ、電極をマンドレルに固定する。
‐電極(11)が取り付けられた電極ホルダーを取り外す。
【請求項25】
前記締める方向のトルクは、前記電極ホルダー支持部(92)にかけられて電極ホルダーに伝達されることを特徴とする、
請求項16〜20のいずれか1項に記載した装置を用いて、電極を取り付ける、請求項24に記載した方法。
【請求項26】
前記電極ホルダーは、電極ホルダーのハウジングへの挿入前又は挿入中に、前記電極ホルダー支持部に螺合され、電極ホルダーは、電極ホルダーが取り外される前又は最中に、電極ホルダー支持部(92)から取り去られることを特徴とする、
請求項19に記載した装置を用いて、電極を取り付ける、請求項25に記載した方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【公表番号】特表2013−513488(P2013−513488A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542546(P2012−542546)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069229
【国際公開番号】WO2011/070093
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(508313895)アレヴァ・エヌセー (32)
【氏名又は名称原語表記】AREVA NC
【住所又は居所原語表記】33, rue La Fayette, 75009 Paris, France
【Fターム(参考)】