説明

安定したホイップ可能な及びホイップされた食料製品

本発明は、安定したホイップ可能な又は予めホイップされた食料製品を提供し、タンパク質を組み合わせた滲出ゴムを含み、任意的に、セルロース性親水コロイド、トリグリセリド、甘味剤/膨化剤及び水を含む。ホイップ可能液体製品は、脂肪性乳化剤を含まない。製品は、加工中及び冷凍/解凍中で安定しており、ホイップして生成された製品を糖衣、トッピング及びデザート内の充填物として使用できる。予めホイップされた製品は、さらに水素化されていない脂肪性乳化剤を含むが、他の脂肪性乳化剤は含まない。この製品を冷凍貯蔵でき、解凍したとき直ぐに糖衣、トッピング及び充填物として利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2007年8月10日出願の米国仮出願第60/955,158号に対する優先権を主張するもので、これを引用することで開示内容を本願中に組み込む。
本発明は、主にホイップ可能食料製品に関し、特に、水中油エマルション及び生成されたトッピングを安定化するために滲出ゴムにタンパク質を組合わせて調整されたホイップ可能な及び予めホイップされた食料製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ホイップ可能食料製品は、ケーキや他のデザートのためのトッピング、糖衣、充填物などとして一般的に用いられる。ホイップされていない及びホイップされた両製品のより長い貯蔵寿命、保存寿命、ホイップされた製品の調製および使用の容易さ、安定性および機能特性;ホイッピング温度を含む、ホイッピングを行い得る条件;陳列温度および陳列時間;およびホイップされた製品の塗布の容易さなどを含む所望の特性を有する調製物を得るために、種々のアプローチが用いられている。
【0003】
所望の特性を有し同時に消費者に魅力的なホイップ可能製品の調整にとって、乳化剤、安定剤、甘味剤及び無機塩を含む水溶性固形物、タンパク質及び脂肪の選択が重要であることが提案されている。これらの調整物において、典型的には、植物性油及び脂肪が用いられ、ホイップ能力及び泡安定性を得るために脂肪性乳化剤が添加される。これらによって安定したエマルションが形成され、得られるエアレーション(ホイッピング膨張)の率及び総量が向上する。水中油エマルションを安定化するために、脂肪性乳化剤として、レシチン、水酸化レシチン、脂肪酸のモノ、ジ又はポリグリセリド、例えばステアリン及びパルシチンモノ及びジグリセリド、多価アルコールの脂肪エステルのポリエキシエチレンエーテル、例えばモノステアリン酸ソルビタンのポリエキシエチレンエーテル(ポリソルベート60)又はジステアリン酸ソルビタンのポリエキシエチレンエーテル、多価アルコールの脂肪エステル、例えばモノステアリン酸ヘキサグリセリン、グリコールのモノ及びジエステル、例えばプロピレングリコールモノステアレート、及びプロピレングリコールモノパルミテート、モノコハク酸グリセリル、及びカルボン酸エステル、例えば乳酸、クエン酸、及び脂肪酸のモノ及びジグリセリドを有する酒石酸、例えばグリセロールラクトパルミチン酸及びグリセロールラクトステアリン酸、及びステアロイル乳酸カルシウム及びそのショ糖エステルファミリーの全メンバー、脂肪酸のジアセチル酒石エステルの全種、「DATEMS」、及び蒸留した乳酸又はアセチル化モノグリセリドなどを含む脂肪性乳化剤が一般的に用いられる。従来の水中油エマルションのように、全エマルションの0.1〜5%の量の乳化剤が一般的に用いられる。
【0004】
市場での成長傾向は、「オールナチュラル(全て天然)」及び有機製品への動向を示しており、その結果トランス脂肪が排除されている。さらに、水素化及び一部水素化された脂肪の使用が減少することによって、水素化されていない脂肪から調整された天然脂肪性乳化剤を見つけること、さらに水中油エマルションから調整されたホイップトッピングを安定化するための機能を保有することが難しくなっている。
【0005】
天然脂肪を有する製品を調整する試みのために、リン脂質、例えばレシチン及びレシチン源が使用される。例えば、米国特許第4,663,176号において、甘味剤、バター脂肪、ココア脂肪、卵黄固体及び水を混合することによって、標準的なアイスクリームフリーザーで冷凍ムースが製造される。これらの調合では、天然脂肪性乳化剤、例えばレシチン又は脂肪性材料の含有物、例えば乳化リン脂質レシチンを含む卵黄又は大豆油を追加する必要がある。しかし、従来では、天然及び/又は未改質の脂肪性乳化剤、例えばレシチンをホイップ可能な水中油エマルションに用いると、一部水素化された脂肪からの乳化剤又は改質脂肪性乳化剤の助けをかりて得られたトッピングに比べて、低品質及び低安定性のトッピングが製造される。(米国特許第4,481,185号)
【0006】
このように、成長が続いており、一部水素化された脂肪性又は改質脂肪性乳化剤を使用することなく優れた安定性及び品質を提供する天然材料によって安定化されたホイップトッピングは未成熟となっている。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、タンパク質を組合わせ、アニオン性多糖類である滲出ゴムで調整された安定したホイップ可能な及び予めホイップされた調整物(formulation)を提供するものである。滲出ゴムは、樹木の滲出液又は樹液として得られるものとして規定され、アラビアゴム、カラヤゴム及びトラガカントゴムを含む。滲出ゴムは、単独で、又はセルロースゴム及び/又は炭水化物ゴムと組合わせて使用される。
【0008】
一実施形態において、本発明は、脂肪性乳化剤を含まないホイップ可能液体製品を提供する。ホイップしたときに生成トッピングが250%〜450%膨張(overrun:オーバーラン、超過)し、少なくとも7日間割れ及びシネレシスから安定化するために、特別な材料(ingredient:原料)の組み合わせによって加工及び冷凍又は解凍を通じてエマルションを安定化させる。脂肪性乳化剤と置き替えるために、代わりの材料を完全に置換することによって、解凍又は冷凍を通じて及び解凍の直後にエマルションを安定化させ、所定のホイップ能力及びトッピング安定性を提供することが分かった。水素化されていない脂肪及び油、天然及び/又は有機的な香味料、着色剤及び甘味料を有する調整物において本発明を用いることにより、市場需要を満たすために「オールナチュラル(All-Natural)」及び/又は有機トッピングを開発することができる。本発明のホイップ可能な水中油エマルション食料製品は、容易に入手可能な材料から調整でき、エマルション又は生成ホイップ製品を安定化するために脂肪性乳化剤を使用する必要はない。
【0009】
他の実施形態において、本発明は、水素化されていない脂肪性乳化剤を含む予めホイップされた製品を提供するものであって、他の脂肪性乳化剤、即ち、水素化された脂肪性乳化剤(hydrogenated fat-based emulsifier:硬化油脂性乳化剤、硬化脂肪性乳化剤)、一部水素化された脂肪性乳化剤(partially hydrogenated fat-based emulsifier:一部硬化油脂性乳化剤、一部硬化脂肪性乳化剤)及び改質脂肪性乳化剤(modified fat-based emulsifier:変形脂肪性乳化剤)を含まないものである。予めホイップされた製品は、冷凍及び解凍直後に貯蔵でき、所定の安定性を有するトッピングとして即座に使用できる。水中油エマルションに加えるときに水素化されていない脂肪性乳化剤を加えることで、すぐにエマルションをホイップして250%〜450%膨張する予めホイップされた製品を生成でき、それを冷凍で貯蔵でき、その後解凍したときに少なくとも7日間割れ、シネレシス及び崩壊から安定する。
【0010】
本発明のホイップ可能な及び予めホイップされた食料製品は、優れた官能性及び安定性(organoleptic and stability characteristics:感覚刺激特性及び安定特性)を有する。製品は、少なくとも一年間−20℃〜−10℃で貯蔵できる。ホイップ可能製品は、約7℃から約5℃でホイップでき、ホイップされた製品は、低固形(low solids)の調整物としては少なくとも21日間5から7℃まで、高固形(high solids)の調整物としては少なくとも7日間25℃までで使用又は陳列でき、様々な食料製品、例えばケーキ、デザート、飲料などの上に置く糖衣、トッピング、充填物などの菓子を提供する。
【0011】
本発明のホイップ可能食料製品は、製品を安定化するための十分な量のトリセライド成分、水、タンパク質、安定剤成分(アニオン性滲出多糖類、単独で、又はセルロース性及び/又は炭水化物ゴムとの組み合わせ)を含み、一種以上の甘味剤/膨化剤(sweetener/bulking agent:膨張剤、増量剤)(糖類、糖アルコール類、人口甘味剤類)塩類、緩衝剤(buffers)、そして任意的に増粘剤/ゲル化剤、抗酸化剤(anti-oxidants:酸化防止剤)又は香味料を含む。一実施形態において、ホイップ可能液体製品は、脂肪性乳化剤を実質的に含まない。「実質的に含まない」とは、検知可能な乳化効果(detectable emulsifying effect:明らかな乳化作用、発見可能な乳化効果)を有する量よりも少ないことを意味する。微量な乳性乳化剤が存在しても、このような量では検知可能な乳化効果を有さないことが当業者には認識できる。組成物(composition)を実質的に含まないとする量は、0.05重量%未満、好ましくは0.01重量%未満である。一実施形態において、製品は、脂肪性乳化剤を完全に含まない。
【0012】
0.75から0.93、好ましくは0.8から0.9の範囲内で組成物の水分活性(water activity:水の活量)を低下することによって、組成物の微生物安定性(microbial stability)も増加できる。組成物中の水分活性を減少するための典型的な方法は、組成物中の糖分固体を増加させる。提供されるものは、ホイップ可能な脂肪性乳化剤で、高微生物安定性及び高糖分固体及び/又は溶解固形物(例えば、組成物の30から45wt%の範囲)を有する組成物を含まないものである。さらに提供されるものは、ホイップ可能な脂肪性乳化剤で、低糖分固体及び/又は溶解固形物(例えば、組成物の10から30wt%の範囲)を有する組成物を含まないものである。このようにホイップされた製品は、バクテリア活性によって風味を損なうことなく少なくとも7日間外気温度にさらすことができる。
【0013】
脂肪性乳化剤を含まず所定の保存寿命安定特性を有するホイップ可能食料製品は、水溶液中の粉材料(dry ingredients:乾燥材料)を温水に溶け込ませ、脂肪を加熱し、油相と水相とを混ぜて混合することによって調整することができる。その後、製品を均質にし、そして所定の安定性を得るために冷やす。製品を冷凍して貯蔵でき、解凍直後に所定のミキサーでホイップしてホイップされた菓子を形成できる。様々な形態の糖類などの他の材料を使用してもしなくても、ホイップ可能製品をホイップできる。15℃までの温度で約450%まで膨張するように製品をホイップできる。
【0014】
予めホイップされた製品は、トリグリセリド成分、水、タンパク質、安定剤成分(アニオン性滲出多糖類、単独で、又はセルロース性及び/又は炭水化物ゴムとの組み合わせ)を含み、一種以上の甘味剤/充填剤(bulking agent:膨張剤)(糖類、糖アルコール類、人口甘味剤類)、塩類、緩衝剤(buffers)、そして任意的に増粘剤/ゲル化剤、抗酸化剤(anti-oxidants:酸化防止剤)又は香味料を含む。予めホイップされた調整物は、0.05%から0.5%、好ましくは0.1%から0.2%の範囲で水素化されていない脂肪性乳化剤も含む。調整物は、他の脂肪性乳化剤を実質的又は完全に含まない。ホイップ可能食料製品は、水溶液中の粉材料を温水に溶け込ませ、脂肪を加熱し、水素化されていない脂肪性乳化剤を追加し、油相と水相とを混ぜて混合することによって調整することができる。その後、製品を均質にし、冷やし、連続ミキサーで所定の膨張になるようにすぐにホイップし、パッキングし、さらに冷凍する。解凍後、すぐに予めホイップされたトッピングを様々な食品に分配又は利用できる。
【発明の詳細な説明】
【0015】
明細書中に用いられる「脂肪性乳化剤(fat based emulsifiers:脂肪乳化剤)」には、水素化された又は一部水素化された脂肪性乳化剤、水素化されていない脂肪性乳化剤、及び改質脂肪性乳化剤を含む。脂肪性乳化剤は、レシチン(動物源又は植物源から生成された天然乳化剤)、水酸化レシチン、脂肪酸のモノ、ジ又はポリグリセリド、例えばステアリン及びパルシチンモノ及びジグリセリド、多価アルコールの脂肪エステルのポリエキシエチレンエーテル、例えばモノステアリン酸ソルビタンのポリエキシエチレンエーテル(ポリソルベート60,65,80)又はジステアリン酸ソルビタンのポリエキシエチレンエーテル、多価アルコールの脂肪エステル、例えばモノステアリン酸ヘキサグリセリン、グリコールのモノ及びジエステル、例えばプロピレングリコールモノステアレート、及びプロピレングリコールモノパルミテート、モノコハク酸グリセリル、及びカルボン酸エステル、例えば乳酸、クエン酸、及び脂肪酸のモノ及びジグリセリドを有する酒石酸、例えばグリセロールラクトパルミチン酸及びグリセロールラクトステアリン酸、及びステアロイル乳酸カルシウム及びそのショ糖エステルファミリーの全メンバー、脂肪酸のジアセチル酒石エステルの全種、「DATEMS」、及び蒸留した乳酸又はアセチル化モノグリセリドなどを含む。
【0016】
明細書中の「水素化されていない脂肪性乳化剤(non-hydrogenated fat based emulsifier)」とは、水素化されていない脂肪又は油脂源から生成された乳化剤であって、レシチン(動物源又は植物源から生成された天然乳化剤)、蒸留したモノグリセリド及びモノ及びジグリセリド混合物を含む。好ましい水素化されていない脂肪性乳化剤は、ヤシ性脂肪から蒸留したモノグリセリドである。
【0017】
「安定化製品」又は「製品を安定化する」又は「安定性を有する製品」という言葉がホイップ可能液体製品に関して用いられるとき、液体製品は、少なくとも14日間冷蔵温度(refrigeration temperatures:冷凍温度)で貯蔵しても分離しないことを意味する。「安定化製品」又は「製品を安定化する」又は「安定性を有する製品」という言葉が予めホイップされた製品に関して用いられるとき、予めホイップされた製品は、少なくとも7日間25℃まででケーキに陳列したり、冷蔵温度で貯蔵するときに、崩壊や割れ、シネレシスが現れないことを意味する。
【0018】
全てのパーセントは、特に他に示すものがなければ重量パーセントである。本発明は、ホイップ可能液体製品又は予めホイップされた食料製品を提供し、トリグリセリド成分、タンパク質成分、安定剤成分、甘味剤/膨化成分、塩類及び水を含む。安定剤成分は、滲出ゴムを必要とし、任意的にセルロース又は炭水化物ゴムを含む。製品は、ホイップ可能液体食料製品又は予めホイップされた製品である。明細書中の「ホイップ可能液体製品」又は「ホイップ可能製品」とは、脂肪性乳化剤を含まない又は実質的に含まず、ホイップされていない形態で冷凍貯蔵できるものである。明細書中の「予めホイップされた製品」とは、水素化されていない脂肪性乳化剤を含み(しかし、他の脂肪性乳化剤を含まない)、ホイップされた形態で冷凍貯蔵できるものである。
【0019】
ホイップ可能液体食料製品は、脂肪性乳化剤を含まないか又は実質的に含まない。液体製品は、所定の安定性(例えば、エマルション崩壊、分離、凍結(gelation:ゲル化)又は転化(inversion)及び冷蔵温度での貯蔵に関する)を有し、これから製造されたホイップされた菓子も所定の安定性(例えば、割れ、垂れ、膨張、沈下又はケーキからの滑落、又はオルガノレプチン特性の明らかな喪失に関する)を有する。本発明のホイップ可能液体食料製品は、容易に冷凍貯蔵でき、解凍後、バッチ式ミキサーでホイップできる。ホイップされた製品は、ケーキの糖衣又は充填物を含む(これに限定されない)ものに対して、あるいは冷凍貯蔵でき、冷凍又は外気温度で陳列できるデザート、飲料、パイ、ペストリーを準備し飾るための材料として使用できる。
【0020】
特別な理論で制約することを意図するものではないが、アニオン性滲出多糖類及びタンパク質の組み合わせを含む特別な材料の組み合わせが、ここに記載された脂肪性乳化剤を必要とすることなく、ホイップ可能液体調整物を調整することができると考えられる。一実施形態において、脂肪性乳化剤又はその代替物なしで、十分な量の脂肪性乳化剤なしで調整物を調整し、調整物は、滲出ゴム(類)、タンパク質(類)、セルロース又は炭水化物ゴム(類)、トリグリセリド(類)、及び甘味剤/膨張剤(類)を含む。この組成物が脂肪性乳化剤を必要としないというだけでなく、ホイップされた製品の性能が、脂肪性乳化剤(レシチン)を加えたり、一部水素化された脂肪性又は水素化された脂肪性乳化剤を加えた組成物より優れていることが分かった。一実施形態において、本発明は、主として一種以上の滲出ゴム類、一種以上のタンパク質類、トリグリセリド成分、及び甘味剤/膨化成分を含む「オールナチュラル」組成物を提供する。更に好ましくは、調整物は、主として一種以上の滲出ゴム類、一種以上のセルロース性親水コロイド類、一種以上のタンパク質類、トリグリセリド成分、及び甘味剤/膨化成分を含む。他の実施形態では、本発明は、主として一種以上の滲出ゴム類、水素化されていない脂肪性乳化剤成分、タンパク質成分、トリグリセリド成分、及び甘味剤/膨化成分を含む予めホイップされた調整物を提供する。更に好ましくは、予めホイップされた調整物は、主として一種以上の滲出ゴム類、一種以上のセルロース性親水コロイド類、水素化されていない脂肪性乳化剤類、タンパク質成分、トリグリセリド成分、及び甘味剤/膨化成分を含む。
【0021】
本発明のホイップ可能液体調整物は、17から40%の植物性脂肪類、0.1から2%の滲出ゴム類、0.1から3%のタンパク質、0.1から2%のセルロース性ゴム又は炭水化物ゴム、10〜60%の甘味剤及び25〜60%の水を含む。本発明のホイップ可能液体は、乳性脂肪(dairy fat:乳製品の脂肪、牛乳の脂肪)又は動物性脂肪を含まず、脂肪性乳化剤を実質的又は完全に含まない。さらに、調整物は、0〜2%のゲル化剤、抗酸化剤、香味剤などを含むことができる。
【0022】
本発明の予めホイップされた調整物は、17から40%の植物性脂肪類、0.1から2%の滲出ゴム類、0.1から3%のタンパク質、0.1から2%のセルロースゴム又は炭水化物ゴム、0.05から2%の水素化されていない脂肪性乳化剤、20〜60%の甘味剤、25〜60%の水を含む。予めホイップされた調整物は、乳性又は動物性脂肪を含まず、改質脂肪性乳化剤と同様に水素化された又は一部水素化された脂肪性乳化剤を実質的に又完全に含まない。この調整物は、さらに、0〜2%のゲル化剤類、塩、抗酸化剤、香味剤などを含むことができる。
【0023】
本発明の実施に関して、ホイップされた食料製品及び菓子の代表的な特徴は、次のことを含む。
a)例えば砂糖、粉砂糖、液糖などの他の材料を含めても含めなくても、液体製品をホイップすることができる。
b)予めホイップされた製品と同様に液体製品を−20℃から−10℃で約一年間貯蔵できる。
c)(液体製品から調整された)ホイップされた製品及び予めホイップされた製品は、所定の風味特性及び口内における特性(mouth characteristics)を有するデザートのホイップされたトッピング、糖衣又は充填物を提供する。
d)(液体製品から調整された)ホイップされた製品を7℃から15℃の温度で調整できる。
f)明らかな割れ、垂れ、膨張、沈下又はケーキ又はデザートから滑落することなく、高固形を有するホイップされた製品をケーキやデザートの上で少なくとも7日間25℃までの温度で使用/陳列することができる。
g)低固形を有するホイップされた製品を少なくとも21日間7℃までの温度で使用/陳列することができる。
h)製品を450%までの膨張にホイップすることができる。一般的に膨張は250から450%の間である。膨張(%)は、体積当たり液体重量÷体積当たり泡重量である。
i)水分活性は、高固形を有する調整物に対して0.9以下であり、低固形を有する調整物に対して0.99までである。
j)予めホイップされた製品と同様にホイップ可能液体製品は、アニオン性滲出多糖類を単独、又はセルロースゴムと組み合わせたものを含む。その割合は、1.0対0.1又は0.1対1.0である。割合が1対1の実施形態もある。
k)予めホイップされた製品は解凍後いつでも装飾物を使用できる。
l)予めホイップされた製品を少なくとも7日間解凍後冷蔵温度で貯蔵できる。
【0024】
ホイップ可能液体及び予めホイップされた製品の様々な材料を次に示す。
【0025】
脂肪
トリグリセリド脂肪は製品の安定性に寄与する。トリグリセリド成分の源は乳製品に基づかないものである。脂肪は乳性脂肪(例えばバター脂肪)でない。脂肪は動物性脂肪でもない。トリグリセリド脂肪は、パーム核油、ココナツオイル、ヤシ油、これらのフラクションを含む一種以上の植物性脂肪からなる。脂肪成分は水素化されることができる。水素化された脂肪を使用すると、ヨウ素値は5以下、好ましくは2未満である。一実施形態では、水素化されていない脂肪だけ使用し、この場合、ヨウ素値は60未満である。水素化されていない脂肪だけを使用する他の実施形態では、ヨウ素値は35未満又は20未満である。他の脂肪を追加しない一種以上の脂肪は、製品に安定性を与えることができる。水素化された脂肪で製品を製造できるが、トランス脂肪を除去するために水素化されていない脂肪を使用することが好ましい。トランス脂肪を減少するために完全に水素化されたものも使用できる。トリグリセリド成分は17から40%の間である。
【0026】
安定剤
FDAガイドラインの範囲内で、0.1%から2%、好ましくは0.2%から1.0%の量でアニオン性滲出多糖類を採用できる。安定したアニオン性滲出多糖類は、アラビア、カラヤ、トラガカントなど、及びこれらの混合を含む。
【0027】
本発明の安定剤成分は、セルロース性親水コロイド、例えばセルロースゴム類又はゲル類、及び/又は炭水化物ゴムを含むことができる。これらは、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び微結晶性セルロースを含む。
【0028】
アニオン性滲出多糖類は、ホイップ可能組成物に一定の乳化性、ホイップ性、安定性を与える。タンパク源及びアニオン性滲出多糖類単独の使用は、ホイップ可能製品を生成し、意外にもセルロース性親水コロイドを追加することでさらに改善する。アニオン性滲出多糖類とセルロース性親水コロイドとの組み合わせは、水分結合性と同様に(液体製品又は予めホイップされた製品から調整された)ホイップされた製品にこし(body:粘性、こく)を与えると考えられる。さらに、予めホイップされた実施形態において、水素化されていない脂肪性乳化剤は、即時のホイップ(連続ミキサーで1分未満のホイップ時間)を可能にする。
【0029】
増粘剤/ゲル化剤
増粘剤/ゲル化剤としていくつかのゴム類を使用する。これらの増粘剤/ゲル化剤は、エマルションに粘性を与え、液体エマルションを安定化する助けにもなることを当業者は認識できる。これらのゴムを、植物性ゴム又は動物性ゴムなどの天然にできる。本発明に有効な増粘剤/ゲル化剤は、ゼラチン、ペクチン、アルギン酸塩、寒天、カラギナン、イナゴマメ、グアー、キサンタン、ジェランゴム及びこんにゃくゴムで、好ましくは、アルギン酸塩、ペクチン、キサンタン及びグアーである。一般的に、デキストロース担体(dextrose carrier:ブドウ糖担体)などの糖と共にゴム又はゴム類の組み合わせを採用する。FDAガイドラインの範囲内で、0から2%、好ましくは0.02から2%又は0.05〜0.5%で、従来の組成物で既知の量に従って、これらのゴム類の量を幅広く変更できる。
【0030】
甘味剤/膨化剤
本発明における有用な甘味剤は、糖類、単糖類、二糖類、多糖類、デキストリン、マルトデキストリン及びポリオールを含む。糖類は、還元又は非還元の糖であってよい。糖成分には、一種以上の糖、例えばスクロース、フルクトース、デキストロース、トレハロース、及び/またはシュガーシロップ、例えばトウモロコシシロップなど、及び/または高甘味度甘味剤(intensive sweetener)、例えばアセスルファム、タウマチンアスパルテーム、アリテーム、サッカリン、サイクラメート、及びトリクロロスクロースなどを含むことができる。低GI食(low glycemic index)又は無糖製品を製造するとき、一般的に甘味剤/膨化剤は、マルトデキストリンおよびポリオール、例えばポリデキストロース、マルチトール、エリトリトール、キシリトール、マンニトール、イソマルト、ラクチトール、グリセリン、プロピレングリコール及びソルビトールなどが含まれる。「天然製品」を製造するとき、精製甘味料は、天然甘味料、例えば玄米シロップ、メープルシロップ、大麦モルト、濃縮サトウキビシロップ(転化(Invert))、蜂蜜、濃縮フルーツ甘味剤、ナツメヤシ糖、Fruit Source(登録商標)、フルクトース、グルコース、Aaasake、ステビア、Sucanet(登録商標)及びDemerara(登録商標)と取り替えることができる。調製物の算定に関しては、これらの剤は全て、甘味剤成分に含まれると考えられる。味覚上の目的のため、および実施の簡便のためには、甘味剤成分は通常スクロースまたはスクロースコーンシロップの組み合わせを含む。
【0031】
従来の調整物では、微生物安定性の増加は、組成物中の糖固体を高い割合で含めることで達成される。調整物も高固形を有することが当業者に認識される。本発明の糖固体含有量を、約0.8から0.9の範囲内で水分活性が得られるようにできる。低固形を有する調整物に対して、水分活性を0.99までにできる。
【0032】
本発明に有用な塩は、他の材料と干渉しないか、ないしは望ましくない味覚にはならないあらゆる食用の塩である。塩は一般に、バッファーおよび金属イオン封鎖剤として作用する。金属イオン封鎖剤は多価金属イオンと結合して食品および食品エマルションの質及び安定性を改善する溶解性金属錯体を形成すると考えられる。有効な塩の例は、一般的な塩(塩化ナトリウム)、及びナトリウム、カルシウム及びカリウム、一リン酸塩、二リン酸塩、ポリリン酸塩、クエン酸塩、クロリドなどである。
【0033】
タンパク質
タンパク質は、一般的に、ホイップされた製品の乳化作用及び安定性を助けることが知られている。乳タンパク質、例えば単離ナトリウム、カリウム又はカルシウムカゼイネート、スキムミルク、無脂肪乾燥ミルク、ミルクタンパク質濃縮物又は単離物、ホエータンパク質濃縮物又は単離物、オボアルブミン、アルファラクトアルブミン及びベータラクトアルブミンが用いられる。野菜タンパク質は、次のものに限定されないが、大豆タンパク質、えんどう豆、小麦タンパク質、綿実タンパク質、ピーナツタンパク質、及びコーンタンパク質も有用である。食肉加工から溶解性タンパク質として得られる食肉タンパク質も、発明の実施に従って用いることができる。卵白(卵黄を含まない)も用いることができる。その度合いは、0.01から3%の間である。一実施形態において、タンパク質は0.01から1%、又は0.01から2%である。
【0034】
抗酸化剤
本発明の一実施形態において、調整物はローズマリーの抽出物などの抗酸化剤も含む。
【0035】
他の材料
本発明に有用な他の材料には、風味剤、着色剤、ビタミン、ミネラルなどが含まれる。適当な風味剤を、バニラ、クリーム、チョコレート、コーヒー、メイプル、スパイス、ミント、バター、キャラメル、フルーツ及び他の風味を加えるために用いることができる。
【0036】
本製品中の全脂肪の範囲は17〜40%、好ましくは20〜30%である。全糖固体は、10〜60%の間、好ましくは20〜40%の間である。水は、25〜60%の間、好ましくは35〜55%の間である。所定の風味特性に応じた範囲で、様々な風味を製品に加えることができる。
【0037】
次の表(表1)は、本発明の所定の実施形態に応じてホイップ可能製品の様々な材料の範囲を示す。
【0038】
【表1】

【0039】
製品を調整するために、粉材料を温水に加える(約75℃で)。糖又は糖溶液を水相に加え、温度を約75℃に保ち、溶解及び混合のための時間を与える。均質な混合物が形成されるまで、高速で脂肪(〜65℃)を加えて混ぜる。100から1000バール(好ましくは200から600バール)の圧力で二段階ホモジナイザーを使って、生成した混合物を均質にする。その後、混合物を30℃〜60℃、好ましくは40℃から50℃の温度で予め冷却し、5℃から20℃、好ましくは5℃から15℃で最終冷却する。好ましくは、サンプルを1から48時間5℃から15℃で調整して、所定の材料水和作用及び脂肪構造を実現する。調整された製品をホイップ又は清潔なパックに充填できる。液体は、調整することなく直接充填することができるが、予めホイップされた調整物は、最低4時間の調整を必要とする。生成された製品は、冷凍温度で貯蔵及び/又は分配される。
【0040】
ホイップされた菓子を得るために、ヘラ、ホイップ、一般的なバッチミキサー(Hobart, Kitchen Aid, Kenwoodなど)、連続ミキサーなどを含むエアレーション装置(aeration devices)を使って、本発明のホイップ可能液体製品をホイップすることができる。非常に安定したエマルションの液体製品は、連続エアレーション及びインラインホイッピング装置で十分にホイップされない。特別な理論で制約することを意図するものではないが、予めホイップされた製品において、水素化されていない脂肪性乳化剤、モノグリセリドは、連続ホイッパーを通じてすぐにホイップできるほどエマルションを不安定にする。
【0041】
液体製品を少なくとも30日間冷凍した保存寿命の調査において、分離又は転化のサインがなく、粒子サイズが増加しないことが示されている。予めホイップされた製品は、48時間で粒子サイズが増加したことが示されている。
【0042】
ホイップ可能製品は、450%までの膨張へとホイップすることができる。典型的には、膨張は約250から450%である。最終的な膨張においては温度が影響するが、製品は約4〜15分間、冷蔵庫温度(約4℃)〜室温(約27℃)の間の温度でホイップすることができる。ホイップされた製品は、冷蔵庫温度で少なくとも7日間、満足度を損なうことなく安定する。水分活性を減少したホイップされた製品は、外気温度で少なくとも7日間、満足度を損なうことなく安定する。ホイップされた製品を約1年間−20℃から−10℃で満足度を損なうことなく冷凍できる。
【0043】
本発明の製品から様々なホイップされた菓子を作ることができる。これらの菓子は、ケーキ、パイ、クッキーなどに使用できる充填物、糖衣、トッピング、デコレーションなどを含む。トッピング、糖衣及び充填物は、決まった方法で使用される。さらに、所定のトッピング、糖衣又は充填物を提供するために、他の成分と共に本発明のホイップされた製品を使用できる。
【実施例1】
【0044】
表2は、本発明の調整物の実施例及び本発明ではない比較例を示す。実施例#1、#2、#6及び#7は、脂肪性乳化剤を含まないホイップ可能液体食料製品である。本発明に含まれる実施例#1は、アニオン性滲出多糖類及び炭水化物ゴムを含むホイップ可能液体製品であり、実施例#2は、アニオン性滲出多糖類及びセルロースゴムを含む「全て天然製品」に対するホイップ可能液体製品調整物である。実施例#3、#5は、本発明ではない比較例を構成する液体調整物である。実施例#3は、天然乳化剤レシチンを含む。予めホイップされた製品である実施例#4は、一部水素化された脂肪性乳化剤を含む。実施例#5は、調整物中に滲出ゴムを含まない。実施例#6は、調整物中に滲出ゴムだけを含む。実施例#7は、予めホイップされた製品の糖衣バージョン(高固形)であり、0.93未満の水分活性を有する高糖分固体を含み、Dimodanの水素化されていない脂肪性乳化剤の蒸留したモノグリセリドを含む。実施例#8は、水素化されていない脂肪性乳化剤を含む予めホイップされた製品である。様々な調整物が、他の材料が存在しないことを意味する最大100まで作られる。
【0045】
製品をバッチミキサー中でホイップした後に、エマルション安定性(Emulsion Stability)、7日後のボール安定性(Bowl Stability After 7 Days)、7日後のケーキ安定性(Cake Stability After 7 Days)を評価した。エアレーション手段を有する連続ミキサーを使って製品をホイップした後に、予めホイップされた泡安定性(Prewhipped Foam Stability)及びプレホイップバッグの7日間泡安定性(Foam Stability 7 Days Prewhip Bags)を評価した。
【0046】
表3に示す通り、実施例#1、#2及び#3は、優れた膨張(good overruns)によって安定したエマルションを示し、ホイップしたときに、ボール内及びケーキ上に供給した際における安定した泡を示す。実施例#3は、低い膨張(low overrun)で安定したエマルションを示し、ホイップしたときにボール内及びケーキ上で崩壊した。実施例#4及び#5は低い膨張でエマルションとして劣った安定性を示し、ホイップしたときに粗くなり外観が凝固してケーキ上に使用できないようになった。実施例#7及び#8は、優れた膨張で安定したエマルションを示し、ホイップしたときにボール内及びケーキ上で少量のシネレシス及び気泡合体(air cell coalescence)があった。#4、#5、#6、#7及び#8ではバッチミキサーを使ったホイップ時間は短く(10分未満)、一方#1、#2及び#3ではホイップ時間は長かった(10分超)。
【0047】
予めホイップされた製品を製造するために、4時間調整した後、各実施例の液体部分が連続ホイッパー(continuous whipper)を通過して、バック又はペール(pails)にパッケージされた。実施例#1、#2及び#6は、低い膨張で泡を作り、パッケージするには柔らかすぎた。実施例#5では、液体はホイッパーを通るには転化しすぎていた。実施例#3では、バッグで冷蔵保存したときにシネリシス及び若干崩壊するまあまあの膨張(acceptable overrun)と劣った泡安定性とを有する泡を形成する。実施例#4、#7及び#8では、高い膨張を有する泡、バッグで冷蔵保存したときに安定した泡を形成する。
【0048】
【表2】

【0049】
【表3】

【実施例2】
【0050】
この実施例では、調整後及び所定時間後に、エマルションの安定性の指針としてエマルションの粒子サイズを測定した。マルバーンマスターサイザー2000(Melvern Mastersizer 2000)で粒子サイズを測定した。表4に結果を示す。「d(0.9)」との表示は、粒子の90%が表示の数以下のサイズであることを意味する。d(0.9)での増加は、粒子の成長を示す。粒子の成長は、エマルション不安定性に関連する脂肪の凝固を示す。(NSD)は、25%CV、即ちこの手法固有の変動係数(coefficient of variation)に基づいて著しく異なるものではないことを意味する。
【0051】
実施例#1、#2及び#6は、安定したエマルションを示す粒子サイズの小さな変化を示す。実施例#3、#4、#5、#7及び#8は、エマルション不安定性を示す粒子サイズの増加を示す。実施例#5は、著しいエマルション不安定性を示す粒子サイズの大きな増加を示す。
【0052】
d[3,2]−表面の加重平均(Surface Weighted Mean)(サウター平均粒径(Sauter Mean Diameter)としても定義される)は、単位体積当たりの比表面積に基づく平均粒径サイズである(M. Alderliesten, A Nomenclature for Mean Particle Diameters; Anal. Proc, vol. 21, May 1984, pages 167-172)。この測定は、各エマルションに対する平均粒子サイズの比較を提供する。理論上、安定した水中油エマルションは、0.1から1.0ミクロンの間の平均粒子サイズとなる。実施例#1、#2、#6、#7及び#8は、全て初めは、均質化を示す1ミクロン以下の平均粒子サイズで、優れたエマルションとして効果的なものであることを示す。実施例#3、#4及び#5は、全て初めは、粒子サイズが3ミクロンより大きいことを示す。全エマルションを同じ圧力及び温度で均質化しているので、エマルションは安定した状態ではなく殆ど直ぐに変化し始めることを示す。48時間後に測定した平均粒子サイズの増加は、実施例#3、#4及び#5のエマルション不安定性を示す。
【0053】
【表4】

【0054】
本発明について具体的な実施例に基づいて説明したが、明細書中の実施形態における通常の変更は当業者において明らかであり、このような変更は本発明の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪性乳化剤を実質的に含まないホイップ可能な液体食料製品であって、17〜40%のトリグリセリド脂肪、10〜60%の甘味剤、0.1〜2%の滲出ゴム、0.1〜3%のタンパク質、及び25〜60%の水を含み、
前記ホイップ可能食料は、凍結及び解凍後にホイップ可能であって、前記ホイップ可能食料製品は、乳性脂肪を含まないことを特徴とするホイップ可能食料製品。
【請求項2】
さらに、0.1〜2.0%のセルロース性親水コロイドを含むことを特徴とする請求項1に記載のホイップ可能食料製品。
【請求項3】
前記セルロース性親水コロイドは、セルロースゴム、セルロースゲル又は炭水化物ゴムであることを特徴とする請求項2に記載のホイップ可能食料製品。
【請求項4】
前記セルロース性親水コロイドは0.2〜0.6%であり、前記タンパク質は0.2〜2.0%であることを特徴とする請求項2に記載のホイップ可能食料製品。
【請求項5】
前記トリグリセリド脂肪は20〜30%であり、前記滲出ゴムは0.2〜0.6%であり、前記甘味剤は20〜40%であることを特徴とする請求項4に記載のホイップ可能食料製品。
【請求項6】
前記滲出ゴムは、アラビアゴム、カラヤゴム、トラガカントゴム及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のホイップ可能食料製品。
【請求項7】
前記トリグリセリド脂肪は、パーム核油、ココナツオイル、ヤシ油、これらのフラクション及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のホイップ可能食料製品。
【請求項8】
前記トリグリセリド脂肪は、水素化されていないことを特徴とする請求項6に記載のホイップ可能食料製品。
【請求項9】
前記水の活量は、0.8〜0.9又は0.91〜0.99であることを特徴とする請求項1に記載のホイップ可能食料製品。
【請求項10】
脂肪性乳化剤を含まないことを特徴とする請求項1に記載のホイップ可能食料製品。
【請求項11】
さらに、ゼラチン、ペクチン、アルギン酸塩、寒天、カラギナン、イナゴマメ、グアー、キサンタン、ジェランゴム及びこんにゃくゴム、塩及び抗酸化剤からなる群から選択された0.02〜2.0%のゲル化剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のホイップ可能食料製品。
【請求項12】
前記タンパク質は、乳タンパク質、大豆タンパク質及び卵タンパク質からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のホイップ可能食料製品。
【請求項13】
ホイップされた製品は、請求項1に記載の前記製品をホイップすることで製造されることを特徴とする。
【請求項14】
予めホイップされた製品であって、17〜40%のトリグリセリド脂肪、20〜60%の甘味剤、0.1〜2%の滲出ゴム、0.1〜3%のタンパク質、0.05〜0.5%の水素化されていない脂肪性乳化剤、及び25〜60%の水を含み、
前記予めホイップされた製品は、乳性脂肪を含まず、水素化された脂肪性乳化剤及び改質脂肪性乳化剤を含まないことを特徴とする予めホイップされた製品。
【請求項15】
前記水素化されていない脂肪性乳化剤は、0.05〜0.2%であることを特徴とする請求項14に記載の予めホイップされた製品。
【請求項16】
前記水素化されていない脂肪性乳化剤は、モノ又はジグリセリドであることを特徴とする請求項15に記載の予めホイップされた製品。
【請求項17】
前記水の活量は、0.8〜0.9又は0.91〜0.99であることを特徴とする請求項16に記載の予めホイップされた製品。
【請求項18】
前記トリグリセリド脂肪は、パーム核油、ココナツオイル、ヤシ油、これらのフラクション及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項15に記載の予めホイップされた製品。
【請求項19】
さらに、0.1〜2.0%のセルロース性親水コロイドを含むことを特徴とする請求項15に記載の予めホイップされた製品。
【請求項20】
前記トリグリセリド脂肪は、水素化されていないことを特徴とする請求項18に記載の予めホイップされた製品。

【公表番号】特表2010−535532(P2010−535532A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521099(P2010−521099)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/072608
【国際公開番号】WO2009/023560
【国際公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(505411055)リッチ プロダクツ コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】