説明

安定且つ水溶性の植物成長制御物質液体組成物及び該組成物の使用方法

サイトカイニン及びジベレリンからなる群から選択される植物成長制御物質と、クエン酸、酒石酸又はグリコール酸などの酸可溶化剤と、並びに溶媒とを含有する可溶性且つ安定な液体組成物、該組成物を製造及び使用する方法が開示されている。組成物は、溶解度、取り扱い、安定性、安全性、並びに、改善された植物成長、収穫量、摘果又は定寸(sizing)及び品質などの活性改善を改善する。成長制御物質が6−ベンジルアデニン(6−BA)又はホルクロルフェニュロン(CPPU)であり、エトキシル化されたアルコール界面活性剤がプロピレングリコール中のC12−15アルキルアルコールである組成物は、エトキシル化されたアルキルアルコールを添加することによって、可溶性且つ安定である。組成物は、溶解度と活性が増加した6−ベンジルアデニン(6−BA)又はホルクロルフェニュロン(CPPU)などのサイトカイニンも含有してよく、GA又はGAと相乗的に組み合わされることができ、抗酸化剤を添加することによって保存安定性が増加する。組成物は、即時混合製剤中に調合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの植物成長制御物質と、少なくとも1つの酸可溶化剤と、少なくとも1つの界面活性補助剤と、及び少なくとも1つの溶媒とを含む、可溶性且つ安定な液体組成物、並びに該組成物を製造及び使用する方法に関する。可溶性液体組成物は、使用希釈剤中に高度に可溶性であり、容易に計測され、さらに高度に濃縮することが可能であり、無粉塵であるので、噴霧塗布用の植物成長制御物質製剤の調製、保存安定性、取り扱いの安全性及び性能を有利に改善する。本発明において好ましい可溶性液体組成物は、アデニンサイトカイニンからなる群から選択される少なくとも1つの植物成長制御物質と、クエン酸、酒石酸及びグリコール酸からなる群から選択される酸可溶化剤と、非イオン性及び/又は陰イオン性界面活性剤混和物を含む希釈可溶化剤と、並びにプロピレングリコールを含む溶媒とを含む。成長制御物質(growth regular)は、好ましくは、6−ベンジルアデニン(6−BA)である。
【0002】
本発明は、フェニル尿素サイトカイニンからなる群から選択される少なくとも1つの植物成長制御物質と、非イオン性及び/又は陰イオン性界面活性剤混和物を含む希釈可溶化剤と、並びにプロピレングリコールを含む溶媒とを含む可溶性且つ安定な液体組成物にも関する。成長制御物質は、好ましくは、ホルクロルフェニュロン(CPPU)であり、非イオン性界面活性剤は、好ましくは、エトキシル化されたC12−15アルキルアルコールである。
【0003】
本発明は、6−BA及び/又はCPPUなどのサイトカイニン及びジベレリン植物成長制御物質を、GA又はGAと組み合わせることによって相乗効果を得ることにも関する。
【背景技術】
【0004】
植物成長制御物質は、茎成長、発芽、休眠、開花、性発現、酵素誘導、果実の大きさ及び品質並びに葉及び果実の老化など、植物の幅広い発育過程に影響を与えるのに有用である。植物成長制御物質は、1)溶液、2)湿潤可能粉末、3)可溶性粉末、4)錠剤及び5)水溶性又は水分散性顆粒という、製剤の少なくとも5つの異なる種類で調合され得る。このような製剤を使用するためには、伝統的な噴霧塗布の前に、製剤を水溶液中に希釈しなければならない。製剤の伝統的な種類の各々には欠点があるので、改良された植物成長制御物質製剤を提供するための研究が継続されている。伝統的な製剤の欠点は、一般に植物成長制御物質の慣用製剤の代表として、ジベレリン及びサイトカイニンという2つの重要な植物成長制御物質のクラスに関して議論され得る。
【0005】
ジベレリンは、ジテルペノイド酸である植物成長制御物質の1つのクラスである。ジベレリンは、商業的には、天然の真菌であるジベレラ・フギクロイ(Gibberella fugikuroi)の発酵によって製造される。ジベレリンは、様々な商品名で市販されており、様々な果樹園、野菜作物、条植え作物及び鑑賞用作物に対して商業的に使用されている。主に使用されているジベレリン酸は、上記5つの形態の何れかで調合されているGAである。一般的に使用される他のジベレリンは、主としてイソプロピルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール(THFA)又はプロピレングリコール中の溶液として調合される2つの(GA4+7)の組み合わせである。二重結合及び環状ラクトンを含有するジベレリンのジテルペノイド構造のため、ジベレリンは、液体形態では安定性が劣り、特に水中では安定性が劣る。
【0006】
サイトカイニンは、トランス−ゼアチン、6−ベンジルアデニン及びキネチンなどのN6−置換されたアデニン誘導体として一般に定義される植物成長制御物質の別のクラスである。最近、サイトカイニンの新しいクラスが同定され、これらは、ホルクロルフェニュロン(CPPU)及びチジアズロン(TDZ)などのN−フェニル尿素置換された構造を有する。サイトカイニンは、植物の成長と発育、特に細胞分裂を制御する上で極めて重要である。サイトカイニンは、様々な商品名で市販されており、摘果及び定寸において、並びに鑑賞用植物及び花の収穫前処理及び収穫後処理において商業的に使用されている。サイトカイニンは、水又は溶媒中への溶解度が低く、これらの生物学的有効性を得るために、製剤中及び使用希釈中での溶解度の向上が重要である。
【0007】
溶液製剤
ジベレリン及びサイトカイニン溶液製剤は、幾つかの点で不利である。プロピレングリコール又はTHFA中の6−BAの溶液などの溶液は、活性物質の溶解度が低いために濃縮されにくく、GA4+A7は、酸化又は化学的分解のために限られた安定性を有する。その結果、年当たり10−15%喪失されるために、現行のGA4+A7製品は限られた寿命を有する。その後、ラベルの表示を充足するために、老化した製品には、過剰調合と再加工が必要とされる。現在使用されている溶媒のうち、イソプロピルアルコールとメチルアルコールには、可燃性及び毒性などの著しい欠点があり、このため、このような溶液の製造、梱包、ラベリング、輸送及び倉庫保管に制約がもたらされる。6−BA製剤の幾つかでは、より強力なTHFA溶媒を使用しなければならないが、THFAは、眼及び皮膚に対して腐食性であると考えられている。さらに、サイトカイニンはプロピレングリコール中への溶解度が低いので、高い効力の溶液製剤を調製することができない。これらの低強度溶液製剤は、より大きな梱包、より広い保存スペース、輸送、倉庫保管及び容器の廃棄に伴うコストの上昇も必要する。極めて低い溶解度及び望ましくない加水分解のために、水系中にジベレリン又はサイトカイニンを調合することは不可能であった。ジベレリンの溶液製剤の幾つかの例には、PROGIBB 4%(R)、PROVIDE(R)、PROCONE(R)、RALEX(R)、RELEASE LC(R)及びRYZUP(R)が含まれ、サイトカイニンには、ACCEL(R)及びREGULEX(R)が含まれ、並びにジベレリン及びサイトカイニンの組み合わせには、PROMALIN(R)が含まれ、すべて、Valent BioSciences Corp.から入手可能である。
【0008】
粉末製剤
可溶性粉末製剤とは、水と混合されたときに、直ちに水中に溶解し、真の溶液を形成する製剤である。一旦、溶液が形成されると、タンクミックスのさらなる混合又は撹拌は不要である。混合とは、通常均一な状態になるまで、異なる材料を混ぜ合わせるプロセスである。撹拌とは、混合のプロセスを補助し、噴霧タンクの底にある刃のシャフトを回転させる機械的プロセスである。
【0009】
粉末ジベレリン製剤の例は、活性成分ジベレリン20重量%を含有する、Valent BioSciences Corp.から入手可能なPROGIBB 2X(R)である。湿潤可能粉末製剤とは、細かく砕かれた乾燥製剤である。この製剤では、活性成分は、粉末が水中に懸濁される能力を強化する他の成分とともに、細かく砕かれた乾燥担体(通常、鉱物粘土)と組み合わされる。湿潤可能粉末を水と混合すると、懸濁液が形成され、懸濁液は、次いで、噴霧技術によって塗布される。湿潤可能粉末ジベレリン製剤の例には、PROGIBB PLUS(R)、ACTIVOL 10%(R)及びRELEASE(R)が含まれ、全て、Valent BioSciences Corp.から入手可能である。
【0010】
湿潤可能粉末及び可溶性粉末製剤の主な欠点は、注入、移動又は測定などの取り扱い時に粉塵を生成する傾向があることである。この粉塵は、健康に害を与える可能性がある。さらに、粉末製剤は、湿潤不良な傾向があり、また、水に添加した際にゆっくり可溶化する。このため、粉末製剤は、タンクミックス中での湿潤、分散及び可溶化に、より長い時間がかかる。塊又は部分的に可溶化された噴霧溶液の形成は、タンクミックス中での植物成長制御物質の不均一な分布をもたらし、圃場性能が減少する可能性を秘めている。時々、スプレータンク補助剤によって引き起こされるスプレータンク中の泡は、湿潤可能及び可溶性粉末の湿潤及び溶解度に影響を与えることもあり得る。湿潤可能粉末製剤は、タンク中並びに噴霧された枝葉及び果実上の両者に、望ましくない不溶性残留物を残存させ得る。不溶性サイトカイニンの場合、巨大な粒子サイズの湿潤可能粉末製剤は、植物成長制御物質として有効でない。
【0011】
錠剤製剤
錠剤製剤は、予め測定された投薬量送達系である。錠剤製剤は、小さな領域において有用であり、又は鑑賞目的のために有用である。錠剤製剤は、錠剤の種類及びサイズに応じて、2ないし10分間の期間にわたって水に溶解する発泡性であってもよい。しかしながら、錠剤は、錠剤当り活性成分0.1ないし1グラムを送達するにすぎない。錠剤は、大規模な圃場作業に対しては理想的ではない。さらに、発泡性錠剤は、極めて湿りやすく、溶解が遅くなる可能性があり、且つ高価である。
【0012】
水溶性又は水分散性顆粒
水溶性又は水分散性顆粒は、可溶性又は湿潤可能顆粒としても知られている。製剤のこの種類は、活性成分が100ないし300ミクロンのサイズの顆粒状粒子として調合されることを除き、湿潤可能粉末と類似している。噴霧塗布用の水溶性又は分散性顆粒を調製するために、水溶性又は水分散性顆粒は、撹拌した時に、水中に完全に可溶性又は分散性である。農薬に対して、多くの異なる水溶性又は水分散性顆粒製剤が公知である。例えば、欧州特許EP 0 252 897号及び米国特許第4,936,901号は水分散性顆粒製剤中のカプセル封入された植物成長制御物質を開示し、米国特許第6,387,388 B1号及び米国特許出願公開US 2002/0114821 A1号は押出成形された水溶性殺虫剤を開示し、並びに、米国特許第5,622,658号は、水分散性顆粒を調製するための押出可能な組成物を開示している。3.1%の活性成分を含有する顆粒状ジベレリン製剤の例は、日本のKyowa Fermentation Industryから入手可能なGibberellin Kyowa Soluble Powderである。
【0013】
水溶性又は水分散性顆粒は、通常、8%以下の含水率を有し、水溶液に添加されたときに、溶液又は懸濁液を形成する。水溶性又は水分散性顆粒の品質は、プロセス及び活性成分に高度に依存しており、生産高の低下、乏しい磨耗耐性をもたらして、粉塵が生じる可能性、高い製造コスト及び不良な分散を引き起こし得る。一般的に、溶解された水分散性顆粒製剤の噴霧は、処理された枝葉及び果実の上に望ましくない不溶性残留物を残す。
【0014】
ジベレリン又はサイトカイニンなどの植物成長制御物質が有効であるために、活性成分は、塗布の前に、タンクミックス中で可溶化されなければならない。さらに、水溶性又は水分散性顆粒は、時間が経過するにつれて硬くなり、このため、活性成分の溶解度又は分散性が低下する。粉塵及び固結は、ある種の水溶性又は水分散性顆粒及び粉末製剤に伴う問題となり得る。
【0015】
液体製剤を用いた場合でさえ、6−ベンジルアデニン及びホルクロルフェニュロン(CPPU)などの植物成長制御物質の水溶解度及び溶媒溶解度が低いために、溶媒としてTHFAを使用する必要があり、活性成分の沈殿又は結晶化がフィールドタンク混合において生じる可能性があり、これは、植物成長制御物質の活性及び有毒なTHFA製品の取り扱いに対して悪影響を有し得る。
【0016】
従って、高い効力、製品の安全性、安定性及び溶解度を与え、従来の製剤に伴う問題を回避する植物成長制御物質製剤は有利であろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、濃縮された液体形態中の新規植物成長制御物質組成物並びに該組成物を製造及び使用する方法に関する。本発明は、6−ベンジルアデニン(6−BA)又はホルクロルフェニュロン(CPPU)などの通常不溶性である植物成長制御物質の可溶性を増大させることによって、並びに通常不溶性である植物成長制御物質をGA及びこれより不安定なGA(GA4+7)などのジベレリンと組み合わせることによりその相乗的特性を使用することによって、植物成長制御物質を改善する。組成物は、少なくとも1つの植物成長制御物質と、並びに、クエン酸、酒石酸及びグリコール酸からなる群から選択される少なくとも1つの酸可溶化剤とを含む。組成物は、好ましくは、少なくとも1つの溶媒及び1つの界面活性剤を含む。液体組成物は、迅速に溶解し又は高度に可溶性であり、容易に計測され、さらに高度に濃縮することが可能であり、取り扱いのために粉塵が発生しないので、粉末塗布用の植物成長制御物質製剤の取り扱い者の安全性、調製、浸透及び保存安定性を有利に改善する。好ましくは、植物成長制御物質は、ジベレリン、オーキシン、サイトカイニン、有機酸、エチレン生合成阻害剤及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。より好ましくは、植物成長制御物質は、サイトカイニン及び/又はジベレリンである。最も好ましくは、植物成長制御物質は、6−ベンジルアデニン又はホルクロルフェニュロン(CPPU)である。
【0018】
別の実施形態では、組成物は、少なくとも1つの植物成長制御物質と、エトキシル化されたアルキルアルコール界面活性剤とを含む。成長制御物質は、好ましくは、ホルクロルフェニュロン(CPPU)であり、エトキシル化されたアルキルアルコール界面活性剤は、プロピレングリコール溶媒中のC12−15アルコールである。
【0019】
さらに、組成物は、抗酸化剤をさらに含んでもよい。抗酸化剤は、没食子酸プロピル、エトキシキン、ブチル化されたヒドロキシアニソール、ブチル化されたヒドロキシトルエン、三級ブチルヒドロキノン及びこれらの組み合わせであり得る。界面活性剤は、エトキシル化されたアルコール、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、エトキシル化された脂肪酸、エトキシル化された植物油、グリコールエステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びエトキシル化されたソルビタン脂肪酸エステル及びこれらの組み合わせであり得る。
【0020】
組成物は、共溶媒(乳酸エチル、乳酸ブチル、脂肪酸メチルエステル又はクエン酸アセチルトリブチル、全てEPAリスト4に掲載されている不活性物質)、粘着剤、展着剤、全身性後天性耐性誘導剤、消泡剤、防腐剤、湿潤剤、色素、紫外線保護剤、緩衝剤、担体又はこれらの組み合わせなどの少なくとも1つの追加成分も含有し得る。
【0021】
組成物の好ましい製剤は、ベンジルアデニン、無水クエン酸、エトキシル化されたC12−15アルコール、没食子酸プロピル及びプロピレングリコールを含む。製剤の好ましい重量範囲は、約1.5から約3.0重量%までの6−ベンジルアデニン、約1.5から約3.0重量%の無水クエン酸と、約3.5から約5.5重量%のエトキシル化されたC12−15アルコールと、約0.05から約0.20重量%の没食子酸プロピルと、及び約91.00から約93.00重量%のプロピレングリコールである。
【0022】
本発明は、上記組成物の有効成長制御量によって土壌、種子又は植物を処理する工程を含む、植物の成長を制御する方法にも関する。本発明の組成物は、植物の成長、収穫量、摘果、果実の定寸、開花及び品質を改善するために、水中に希釈され、噴霧塗布される即時混合製剤として調合し得る。植物は、好ましくは、結果植物、例えば、ブドウ、リンゴ、ナシ、モモ、サクランボ、レモン、ライム、オレンジ、ピスタチオ又はタンジェリンを生じる植物である。
【0023】
本発明は、最終可溶性液体組成物を作製するために、植物成長制御物質、酸可溶化剤、界面活性剤、抗酸化剤及び溶媒を混合する工程を含む、可溶性液体植物成長制御物質製剤を調製する方法にも関する。可溶化剤及び界面活性剤が、ミクロ又はナノ粒子サイズの透明な噴霧溶液を作り出し、使用希釈中での不溶性活性成分の結晶化を妨げ、組成物の正確な計測及び迅速な溶解を達成することができるので、本方法において、噴霧塗布用製剤の調製を強化することが可能である。本発明の製剤は、製品溶解度、取り扱いの安全性、保存安定性が高く、植物成長、収穫量、摘果又は定寸及び品質を改善する。即時混合組成物は、液体殺虫剤、除草剤及び殺真菌剤製剤のために使用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明者らは、驚くべきことに、クエン酸、酒石酸又はグリコール酸などの有機酸可溶化剤を組成物に添加すれば、高度に濃縮された、植物成長制御物質の可溶性且つ安定な液体製剤が改善されること、及び、エトキシル化されたアルキルアルコール界面活性剤を組成物に添加すれば、希釈溶解度が改善されることを発見した。改善された希釈溶解度を有する組成物は、好ましくは、植物成長制御物質として6−BA又はCPPUを、溶媒としてプロピレングリコールを、及び界面活性剤としてエトキシル化されたC12−C15アルコールを含む。酸可溶化剤は、周囲保存温度又は冷たい保存温度での活性成分の結晶化を抑制することにより、より濃縮された液体製剤をもたらす。可溶性液体製剤は、なお、安全、安定及び有効である。
【0025】
本明細書において使用される「植物成長制御物質」という用語は、処理された植物を死滅させずに、処理された植物の、農業的成熟状態への成長及び発育を修飾する役割を果たす製品を表す。このような修飾は、植物の生理的プロセスに対する物質の効果から、又は植物の形態に対する該物質の効果から生じ得る。これらの修飾は、生理的又は形態的因子のあらゆる組み合わせ又は順序からも生じ得る。
【0026】
植物成長制御物質は、ジベレリン、オーキシン、有機酸、サイトカイニン、エチレン生合成阻害剤又はこれらの組み合わせであってもよい。適切なエチレン生合成阻害剤には、アミノエトキシビニルグリシンが含まれ;適切なオーキシンには、インドール−3−酢酸及びインドール酪酸が含まれ;適切な有機酸には、α−ナフチル酢酸が含まれ;適切なサイトカイニンには、6−ベンジルアデニン又は6−ベンジルアミノプリン(6−BA)、ホルクロルフェニュロン(CPPU)、チジアズロン(TDZ)及び6−フルフリルアミノプリン(キネチン)が含まれる。
【0027】
本発明の製剤において、界面活性剤は、ある種の植物成長制御物質に対する湿潤、可溶化及び浸透剤として使用され得る。適切な界面活性剤には、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が含まれる。非イオン性界面活性剤には、TOMADOLS(R)などのエトキシル化されたアルキルアルコール、AGNIQUE SBO(R)(大豆)、CSO (トウゴマ)及びRSO(菜種)などのエトキシル化された植物油、EMSORB(R)、TWEEN(R)及びT−MAZE(R)などのエトキシル化されたソルビタンエステル;SPAN(R)及びALKAMUL(R)などのソルビタン脂肪酸エステル;MAZON(R)、RHEOZAN(R)及びGLUCOPON(R)などのスクロース及びグルコースエステル及びこれらの誘導体;TRYCOL(R)、BRIJ(R)、ARMIX(R)、TERGITOL(R)及びPLURAFAC(R)などのエトキシル化されたアルコール;IGEPAL(R)、MACOL(R)及びTRITON(R)などのエトキシル化されたアルキルフェノール;TRYMEEN(R)及びETHOMEEN(R)などのエトキシル化された脂肪族アミン;EMEREST(R)、ALKAMUL(R)及びTRYDET(R)などのエトキシル化された脂肪酸;ALKAMUL(R)及びATLAS G(R)などのエトキシル化された脂肪酸エステル;ATLAS G−1556(R)などの脂肪酸;MAZOL GMO(R)などのグリセロールエステル;GLYCOL SEG(R)などのグリコールエステル;AMERCHOL CAB(R)などの、ラノリンをベースとした誘導体;OLEOCAL ME(R)などのメチルエステル;ETHOSPERSE G−26(R)などのモノグリセリド及び誘導体;ANTAROX AA−60(R)などのプロポキシル化及びエトキシル化された脂肪酸;PLURONIC(R)又はSURFONIC(R)などのエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体;SILWET(R)、BREAKTHRU(R)及び非イオン性又はイオン性界面活性剤との有機ケイ素界面活性剤の混合物などの、シリコーンをベースとした界面活性剤;多糖、アクリルアミドとアクリル酸の共重合体;並びにSURFYNOL 104(R)などのアセチレンジオール誘導体又はSOPROPHOR(R)などのトリスチリルフェノールが、とりわけ含まれる。
【0028】
本発明において好ましい非イオン性界面活性剤のファミリーは、C9ないしC15鎖のエトキシル化されたアルキルアルコール(TOMADOL25−7、1−7又は91−6(R))である。天然のエトキシル化されたアルコール(BRIJ(R))及び植物油(AGNIQUE(R))などの非イオン性界面活性剤も、本発明において好ましい。適切な陰イオン性界面活性剤には、とりわけ、EMPHOS(R)及びRHODAFAC(R)などのリン酸エステル;MONAWET(R)、N−アシルED3Aキレート界面活性剤(Hampshire)およびN−アシルサルコシン(Hamposyl)などのジアルキルスルホスクシナートが含まれる。
【0029】
上記で使用される界面活性剤の商品名は、多くの場合、界面活性剤のクラス又はシリーズに共通である。従って、商品名が挙げられている場合には、その商品名を含むファミリー中のあらゆる界面活性剤が適切であろう。
【0030】
製剤の他の成分には、さらなる界面活性剤、共溶媒、色素、UV(紫外線)保護剤、抗酸化剤、消泡剤又は製品の取り扱い及び塗布を促進する他の成分が含まれ得る。
【0031】
本発明の即時混合組成物は、除草剤、殺真菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、生化学的殺有害生物剤、植物によって産生される殺有害生物剤(botanicals)又は植物栄養素などの、他の活性成分中に使用され得ることも想定される。
【0032】
本発明において好ましい組成物は、技術的等級の活性成分ジベレリンを含有する。農業用に最も広く使用されている植物成長制御物質であるので、好ましい技術的等級の活性成分ジベレリンはGAであるが、GA又はGA、GA、及びGA3又はGA4A7と6−BA又はCPPUの組み合わせなど(これらに限定されない。)の他のジベレリンが含まれる。
【0033】
本発明において好ましい組成物には、約1.5から約3.0重量%までの6−ベンジルアデニン、約1.5から約3.0重量%の無水クエン酸と、約3.5から約5.5重量%のエトキシル化されたC12−15アルコールと、約0.05から約0.20重量%の没食子酸プロピルと、及び約91.00から約93.00重量%のプロピレングリコールが含まれる。
【0034】
本発明において好ましい組成物には、約0.5から約2.0重量%までのCPPU、約0.5から約2.0重量%の無水クエン酸と、約1.0から約3.0重量%のエトキシル化されたC12−15アルコールと、及び約93.0から約98.0重量%のプロピレングリコールが含まれる。
【0035】
使用方法
ジベレリンは、公知の植物成長制御物質である。例えば、米国特許第4,242,120号は、結実を刺激するための、糖質、グルコース、フルクトース又はマルトースなどの低分子量炭水化物との、ジベレリンの非噴霧組み合わせを開示しており、米国特許第5,163,993号は、ブドウの房を摘果するためのジベレリン及び界面活性剤の組み合わせを開示している。
【0036】
上記製剤は、果実産生植物、野菜産生植物、条植え作物、野菜作物、草又は木の植物成長を制御するために使用してもよい。製剤の使用の利点は、処理される果実の種類に応じて変動する。例えば、ブドウでは、製剤による処理は、房の伸長、摘果及びより大きなブドウをもたらすことが可能である。ミカン、レモン、ライム及びタンジェリンでは、製剤は、外皮の老化を遅延させ、外皮の染み、水腐れ、粘り気のある表面若しくは粘着性の表面、腫れた外皮又は圧力下での破裂などの疾患を軽減することが可能である。サクランボでは、製剤は、より大きく、より明るい色の、及び/又はより固い果実を与えるために有利に使用され得る。
【0037】
製剤は、好ましくは、水中に希釈され、処理されるべき植物又は木の上に噴霧される。噴霧は、従来の地面又は空中塗布装置によって行われ得る。噴霧容量は、果樹又は作物、成長段階及び天候条件に応じて変動し得る。範囲は、5ガロンないし300ガロン/エーカー以上であり得る。本発明において好ましい範囲は、加圧された噴霧塗布装置による、100ないし250ガロン/エーカーの間である。塗布用製剤を調製するために、タンクの半分まで水を満たした後、補助剤を噴霧添加し、次いで、植物成長制御物質を添加した後、水をさらに添加し、実際の噴霧の前に、少なくとも15分間混合する。
【0038】
あるいは、製剤は、作物の改善された成長及び維持のための顆粒状肥料を加えて、又は加えずに、(その中で植物を成長させる予定の、又はその中で植物が成長している)土壌に直接塗布してもよい。
【0039】
さらに、同じ効果を達成するために製剤を種子に塗布してもよい。種子は、とりわけ、コメ又は稲、アルファルファ、綿、サトウモロコシ、大豆、トウモロコシ又は他の植物、鑑賞又は芝生及び牧草の草の種子であり得る。
【0040】
植物の成長制御物質の濃度は、処理されるべき果実の種類、現場の特性及び所望の結果に応じて変動するであろう。一般的に、組成物は圃場に対し、約0.01から約1.0ポンド/エーカー、好ましくは、約0.02から約0.5ポンド/エーカー、最も好ましくは、約0.02から約0.2ポンド/エーカー率で塗布し得る。例えば、6−BAを用いたリンゴの圃場噴霧量は、約38ないし75g/100ガロン/エーカーとすることが可能であり、CPPUを用いたブドウの場合には、約4ないし8g/250ガロン/エーカーとすることが可能である。
【0041】
単回塗布が十分である可能性もあるが、具体的な果実及び所望される結果に応じて、複数回塗布を行ってもよい。
【0042】
本発明において使用される「植物」という用語には、果実産生植物、野菜産生植物、条植え作物、野菜作物、草及び木が含まれる。
【0043】
果実は、ブドウ、サクランボ、レモン、ライム、オレンジ、グレープフルーツ、イチゴ、パイナップル、核果、リンゴ、ナシ、モモ、ブルーベリー、ピスタチオ又はタンジェリーであり得る。条植え作物は、とりわけ、綿、大豆、トウモロコシ、サトウキビ又はコメであり得る。植物作物は、とりわけ、レタス、チョウセンアザミ、セロリ又は胡椒であり得る。草は、とりわけ、バハイグラス(Bahaigrass)(Paspalum notatum Flugge)、ベントグラス(Bentgrass)(Agrostis L)、バミューダグラス(Bermudagrass)(Cynodon dactylon L)、カーペットグラス(Carpetgrass)(Axonopus affinis Chase)、ケンタッキー・ブルーグラス(Kentucky bluegrass)(Poa pratensis L)、カナダブルグラス(Canada Blugrass)(Poa compressa L)、バッファローグラス(Buffalograss)(Buchloe dactyloides (Nutt.)Englem.)、フェスクグラス(Fescue grass)(Festuca)、一年生ライグラス(annual Rye grass)(Lolium L multiflorum Lam.)、ペレニアルライグラス(perennial Rye grass)(Lolium perenne L)、聖オーガスティングラス(Saint augustinegrass)(Stenotaphrum secundatum Kuntze)、ノシバ(Japanese lawngrass)(Zoysia japinica Steud.)、センチピードグラス(Centipedegrass)(Eremochloa ophiuroides (Munro)Hacck、住居又は商業的建造物用の他の芝生草であり得る。
【0044】
本発明は、以下の非限定的な代表的実施例からさらに明確に理解されるであろう。もちろん、本発明は、本明細書に記載されている具体的な実施形態及び実施の様式に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、多数の変更を詳細に想起することが可能である。
【0045】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態及び用途を記載するために記されており、別段の記載がなければ、本明細書に添付されている特許請求の範囲中の本発明を限定することを意図するものではない。
【実施例1】
【0046】
500リットルのバッチサイズ(重量では523kg)で、熱交換装置を通じて、プロピレングリコール溶媒480.9kgを混合タンクに移し、溶媒を40℃ないし45℃に加熱する。混合タンク中に存在する間、6−BA技術用粉末10.1kg(98.5%活性成分)、クエン酸粉末10.5kg及び没食子酸プロピル粉末0.5kg(TENOX PG(R))を添加する。粉末の全てが完全に溶解するまで、混合物を撹拌する。次いで、エトキシル化されたC12−15アルコール界面活性剤21kg(TOMADOL 25−7(R))を添加する。さらに10ないし20分間、全てのものを混合して、調合を完了する。
【実施例2】
【0047】
実施例2は、プロピレングリコール中に可溶性有機酸を添加することによって、6−BA(N6−ベンジルアデニン)の溶媒溶解度が増加すること、並びに、低刺激性(皮膚及び眼)界面活性剤(アルキルアルコールエトキシラート及び/又はジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)及びクエン酸可溶化剤を加えた製剤中で、6−BA及びCPPU(ホルクロルフェニュロン又はN−(2−クロロ−4−ピリジニル)−N−フェニル尿素)の水希釈安定性が改善されることを実証する。可溶性で、安定な、安全且つ即時混合性の製剤は、6−BA又はCPPU及び下表1に示されている酸/界面活性剤の組み合わせを用いて達成された。
【0048】
【表1】

【0049】
塗布の際に最適なPGR活性を得るために、サイトカイニンの完全な可溶化又はサブミクロン懸濁(薄い青色)が重要である。
【0050】
表1は、20℃での、6−ベンジルアデニン(6−BA)及びCPPU(ホルクロルフェニュロン又はN−(2−クロロ−4−ピリジニル)−N−フェニル尿素)の溶媒溶解度を示している。溶媒100gを使用する。溶媒は、プロピレングリコール、プロピレンカルボナート又はプロピレングリコール−n−プロピルエーテルの何れかである。プロピレングリコールのみの中には、6−BA1.5gが可溶性を保つに過ぎない。クエン酸2gをプロピレングリコールに添加すれば、6−BA2.4gが可溶性を保つ。酒石酸2gをプロピレングリコールに添加すれば、6−BA2.5gが可溶性を保つ。プロピレングリコール、プロピレンカーボナート及びプロピレングリコール−n−プロピルエーテル中では、CPPUは、それぞれ、7g、6g及び10gの可溶性を保つ。このように、プロピレン中にクエン酸又は酒石酸を添加することによって、6−BAの溶解度は増加する。VBC−30001及びABG−3207と称される製剤は、それぞれ、6−BA及びホルクロルフェニュロン、並びにクエン酸、C12−15アルキルアルコールエトキシラート、没食子酸プロピル及びプロピレングリコールを含有する。各成分の重量パーセントが示されている。両製剤(VBC−30001については65−022−VBロット、及びABG−3207については51−004−VBロット)の保存安定性は、25℃又は25−40℃の熱帯条件で12ヵ月後に高い。両製剤に対する希釈安定性データは、24時間の静置後、約23℃の342ppmの硬水中で、6−BA 450ppm、CPPU200ppmが可溶性を保つことを示している。
【0051】
ABG−3207(カテゴリーIV)及びVBC−30001(弱い皮膚及び眼刺激、カテゴリーIII)については、低い皮膚、眼、感作又は吸入毒性が示される。両製剤は、EPAリスト3又は4の不活性物質を使用する。これらの研究では、可燃性のIPAも、毒性のTHFA溶媒も使用しない。
【0052】
表1は、本発明の植物成長調節物質組成物の好ましい製剤も示している。VBC−30001と表記される製剤は、ベンジルアデニン技術用1.93重量%(98.5%活性成分)、クエン酸2.00重量パーセント(可溶化剤)、エトキシル化されたアルコール4.00重量%(界面活性補助剤)、没食子酸プロピル(抗酸化剤)0.10重量%及びプロピレングリコール91.97重量%(溶媒)を含有する。本発明において好ましい組成物には、約1.5から約3.0重量%の6−ベンジルアデニン、約1.5から約3.0重量%の無水クエン酸と、約3.5から約5.5重量%のエトキシル化されたアルコールと、約0.05から約0.20重量%の没食子酸プロピルと、及び約91.00から約93.00重量%のプロピレングリコールが含まれる。ABG−3207と表記される製剤は、CPPU技術用(96.9%活性成分)0.84重量%、無水クエン酸0.5重量%、エトキシル化されたアルコール1.0重量%及びプロピレングリコール97.66重量%を含有する。
【実施例3】
【0053】
【表2】

【0054】
表2は、100ppm又は150ppmの6−BAスプレーの活性の向上を示している。両製剤は、2000圃場試験で示されたように、SEVIN(R)(Carbaryl)殺虫剤なしに、リンゴの摘果と定寸を改善した。類似の研究において、他の製剤(CPPU技術用/IPA)に比べて製剤ABG−3207を使用すると、ブドウの定寸の改善が認められる。
【実施例4】
【0055】
図1は、本発明の組成物(製剤VBC−30001は、「B」と表記されている。)からリンゴの葉の中への、C14放射性標識された6−BAの取り込みが、「A」及び「C」と表記された他の組成物より優れていたことを示している。
【0056】
リンゴの葉に、組成物A、B又はC(放射性標識された6−BAを含有する)の等量を個別に塗布し、吸収の24時間後に、葉から切断された花盤及び細片(strips)などから得られた葉の切片から、取り込み量を測定した。対照も、組成物A、B及びCと比較した。葉を水で濯ぎ、葉の中に吸収されていない放射性標識された6−BAの量を測定及び定量した(「濯ぎ」と表記された左のバー)。葉から切り取られた花盤及び細片から測定された、葉の中に吸収された放射線標識6−BAの量を測定及び定量した(「非濯ぎ」と表記された右バー)。各組成物及び対照に対して6つの試験を行い、平均した(但し、1つの試験は「C」から外され、3つの試行は「B」から外された。)。図1は、本発明の組成物の6−BA、「B」が、組成物「A」及び「C」に比べて、有意に高いレベルで吸収された(非濯ぎ)ことを示している。吸収されなかった本発明の組成物の6−BAの量(濯ぎ)は、他の組成物に比べて有意に少なかった。
【0057】
使用希釈中の界面活性剤と組み合わせた有機酸(クエン酸など)を用いて、6−BA及びCPPUなどの植物成長制御物質を可溶化することによって、取り込み又は浸透を改善するための小さな粒子サイズ(マイクロ粒子又はナノ粒子)が得られると思われる。高い溶解速度の小粒子サイズは、非水溶性活性成分又は薬物の活性にとって重要である。
【実施例5】
【0058】
下表3は、少なくとも植物成長制御物質、酸、界面活性剤及び抗酸化剤を含む、想定可能な即時混合植物成長製剤を示している。製剤VBC−30009は、1.9%の6−BA、2.0%のGA4A7及び0.45%のCPPUを含有する。製剤YW−16−7は、4.5%のGA及び0.42%のCPPUをを含有する。製剤YW−16−9は、2.1%のGA及び1.9%の6−BAを含有する。製剤YW−26−1及びYW−26−5は、2.1%のCPPUを含有する。製剤YW−16−4は、9%のGAを含有する。さらなる補助剤が示されている。これらの製剤は、6−BA及びCPPUをGA及びGAと組み合わせることによる相乗効果を示し、組成物は、エトキシル化されたアルキルアルコール界面活性剤、有機酸及びプロピレングリコール溶媒中の抗酸化アジュバントを含む。
【0059】
【表3】

【実施例6】
【0060】
下表4は、GA4A7又はGA4A7/6−BA及び/又はCPPU液体製剤中にエトキシキン又は没食子酸プロピル抗酸化剤とともにGA及びGAを含有する製剤の安定性の向上を示している。製剤に対する成分が示されている。保存安定性データは、抗酸化剤を含有するほとんどの製剤が優れた保存安定性を有することを示している。4%GA4A7及び6−BA/CPPU+2%GA4A7液体製剤中に.05−.1%の没食子酸プロピル又は.5%エトキシキン抗酸化剤によって、GA4及びGA7の著しい安定性の向上が達成された。
【0061】
【表4】

【0062】
引用されている全ての参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
本発明は、先述の記述及び実施例によって例示される。先述の記述に照らせば、数多くの変更が当業者にとって自明であるので、先述の記述は、非限定的な例示を意図するものである。添付の特許請求の範囲の範囲及び精神に属するこのような全ての変更が包含されるものとする。
【0064】
以下の特許請求の範囲において定義されている本発明の概念及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されている本発明の方法の組成、操作及び配置に変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、他の組成物と比較した、本発明の代表的組成物の改善された6−BA取り込みを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物成長制御物質、及びクエン酸、酒石酸及びグリコール酸からなる群から選択される酸可溶化剤を含む組成物。
【請求項2】
植物成長制御物質が、ジベレリン、オーキシン、サイトカイニン、有機酸、エチレン生合成阻害剤及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
植物成長制御物質が、サイトカイニンであり、又はサイトカイニンとジベレリンの組み合わせである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
サイトカイニンが、6−ベンジルアデニン及びホルクロルフェニュロンからなる群から選択され、及びジベレリンがGA3又はGA4A7である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
さらに溶媒を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
溶媒がプロピレングリコールである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
さらに抗酸化剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
抗酸化剤が、没食子酸プロピル、エトキシキン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン及び三級ブチルヒドロキノンからなる群から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも1つの界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
界面活性剤が、エトキシル化アルキルアルコール、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、エトキシル化脂肪酸、エトキシル化植物油、グリコールエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、エトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
植物成長制御因子がベンジアデニン(benzyadenine)であり、及び可溶化剤が無水クエン酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
組成物が水中で希釈される、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
ベンジアデニン、無水クエン酸、エトキシル化アルコール、没食子酸プロピル及びプロピレングリコールを含む組成物。
【請求項14】
約1.5から約3.0重量%までの6−ベンジルアデニンと、約1.5から約3.0重量%の無水クエン酸と、約3.5から約5.5重量%のエトキシル化アルコールと、約0.05から約0.20重量%の没食子酸プロピルと、及び約91.00から約93.00重量%のプロピレングリコールとを有する、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
約1.93重量%の6−ベンジルアデニンと、約2.0重量%の無水クエン酸と、約4.0重量%のエトキシル化アルキルアルコールと、約0.1重量%の没食子酸プロピルと、及び約91.97重量%のプロピレングリコールとを有する請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
請求項15に記載の組成物を含む不活性組成物を含む即時混合製剤。
【請求項17】
殺虫剤、除草剤、殺真菌剤又はこれらの組み合わせをさらに含む、請求項16に記載の即時混合製剤。
【請求項18】
請求項1に記載の組成物の有効成長制御量によって種子、土壌又は植物を処理する工程を含む、植物の成長を制御する方法。
【請求項19】
前記植物が果実産生植物である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記果実産生植物が、ブドウ、リンゴ、ピスタチオ、サクランボ、レモン、ライム、オレンジ及びタンジェリンからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記組成物が水で希釈され、噴霧塗布される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物が水で希釈され、噴霧塗布される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
植物成長制御物質を、クエン酸、酒石酸及びグリコール酸からなる群から選択される酸可溶化剤、抗酸化剤及び溶媒と混合して均質な混合物を作製する工程を含む、可溶性液体植物成長制御物質製剤を調製する方法。
【請求項24】
植物成長制御物質及びエトキシル化アルコール界面活性剤及び溶媒を含む組成物。
【請求項25】
植物成長制御物質がホルクロルフェニュロンであり、及びエトキシル化アルコール界面活性剤がC12−15アルキルアルコールであり、及び溶媒がプロピレングリコールである、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
無水クエン酸をさらに含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
ホルクロルフェニュロンが約0.5から2.0重量%であり、無水クエン酸が約0.5から約2.0重量%であり、C12−15アルキルアルコールが約1.0から約3.0重量%であり、及びプロピレングリコールが約93.0から約98.0重量%である、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
ホルクロルフェニュロンが約0.84重量%であり、無水クエン酸が約0.5重量%であり、C12−C15アルキルアルコールが約1.0重量%であり、及びプロピレングリコールが約97.66重量%である、請求項27に記載の組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2008−500344(P2008−500344A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515216(P2007−515216)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/017909
【国際公開番号】WO2005/115142
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(500364789)バレント バイオサイエンシス コーポレーション (5)
【Fターム(参考)】