説明

官能化ナノ粒子および方法

少なくとも1つの金属および/または少なくとも1つの金属で構成される少なくとも1つの半導体化合物で構成される無機コアを含むナノ粒子は、コアの表面の少なくとも一部を覆って配置されたコーティングまたはシェルを含む。コーティングは、1つ以上の層を含み得る。コーティングの各層は、金属および/または少なくとも1つの半導体化合物を含み得る。ナノ粒子は、コーティングの表面に結合されたリガンドをさらに含む。リガンドは式、X−Sp−Zによって表され、式中、Xは、例えば1級アミン基、2級アミン基、尿素、チオ尿素、イミジゾール基、アミド基、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;Spは、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;ならびにZは、(i)ナノ粒子に特定の化学特性を伝達可能であるのはもちろんのこと、ナノ粒子表面に特定の化学反応性を与える反応性基、ならびに/または(ii)環式、ハロゲン化、もしくは極性a−プロトン性である基を表す。ある実施形態において、少なくとも2つの化学的に別個のリガンドがコーティングの表面に結合され、少なくとも2つのリガンド(IおよびII)は式、X−Sp−Zによって表される。リガンド(I)では、Xは、ホスホン酸、ホスフィン酸、またはホスホネート基を表し、リガンド(II)では、Xは、1級または2級アミン、またはイミジゾール、またはアミドを表す;両方のリガンド(I)および(II)において、Spは、2つの化合物において同じまたは異なることが可能であり、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;Zは、2つの化合物において同じまたは異なることが可能であり、ナノ粒子に特定の化学特性を伝達可能であるのはもちろんのこと、ナノ粒子表面に特定の化学反応性を与える基の中から選択される基である。好ましい実施形態において、ナノ粒子は半導体材料を含むコアを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本願は、2007年9月12日に出願された米国出願番号60/971,887;2007年12日5日に出願された米国出願番号60/992,598;および2008年7月28日に出願された米国出願番号61/083,998の優先権を主張する;上記はそれぞれこの全体が参照により本明細書に組み入れられている。
【0002】
本願は、2007年12月13日に英語でPCT公開WO 2007/143197として公開された2007年6月4日に出願された、同一出願人による国際出願PCT/US2007/013152の一部継続出願でもある。PCT出願は、2006年6月2日に出願された同一出願人による米国特許出願番号60/810,767、2006年6月5日に出願された米国特許出願番号60/810,914、2006年6月15日に出願された米国特許出願番号60/804,921、2006年9月12日に出願された米国特許出願番号60/825,373、2006年9月12日に出願された米国特許出願番号60/825,374、2006年9月12日に出願された米国特許出願番号60/825,370、および2007年1月23日に出願された米国特許出願番号60/886,261からの優先権を主張する。
【0003】
本発明は、ナノ粒子の、さらに詳細にはリガンドを含むナノ粒子および関連方法の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0004】
コロイド状量子ドットの合成のための主な方法は、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)、トリオクチルホスフィン(TOP)、脂肪族ホスホン酸またはカルボン酸、および脂肪族アミン種などの高沸点溶媒中で行われる反応を含む。従って量子ドット表面のリガンドキャッピング基は、TOPO、TOP、酸、およびアミンの統計的分布であると考えられる。この量子ドットの文献全体で、特定の量子ドットサンプルに表面化学変化を及ぼすために(例えば水溶性量子ドットを作製すること)、代表的な手順はキャップ交換反応を含み、キャップ交換反応により、既に合成された量子ドット(コアまたはコア−シェル)は別のリガンドの溶液に入れられて、既存のリガンドを除去して既存のリガンドを別の種で置換するために長期間加熱される。このような手順は、量子ドットの光学特性を維持するのに有害なことがあり、放出効率および安定性の急激な低下を生じることが多い。
【0005】
別の技法は、未変性の量子ドット表面リガンドを包囲して、量子ドット表面リガンドと相互嵌合する自己凝集ミセルを利用する。このような方法の欠点には、カプセル化ミセルを産生するために極性溶媒環境を必要とすることが含まれ、それゆえ生物標識および撮像などの水性ベースの用途への技法が制限される。
【0006】
それゆえ、有機ベース溶媒系と適合性である官能化リガンドを含む半導体ナノ結晶への、およびこれを調製する方法への要求が残されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ナノ粒子表面に結合した1つ以上のリガンドを含むナノ粒子に関するものである。本発明は、1つ以上のリガンドの存在下でナノ粒子を調製する方法にも関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様により、ナノ粒子の表面に結合した1つ以上の化学的に別個の未変性リガンドを含むナノ粒子が提供され、前記リガンドの少なくとも1つは式、
X−Sp−Z
によって表され、式中、Xは、1級アミン基、2級アミン基、尿素、チオ尿素、イミジゾール基、アミド基、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;Spは、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;ならびにZは、(i)ナノ粒子に特定の化学特性を伝達可能であるのはもちろんのこと、ナノ粒子表面に特定の化学反応性を与える反応性基、ならびに/または(ii)環式、ハロゲン化、および/もしくは極性a−プロトン性である基を表し、Zはすべての場合で光への曝露時に反応するわけではない。
【0009】
本明細書で使用するように、「未変性リガンド」は、ナノ粒子の成長またはオーバーコーティングの間にナノ粒子表面に結合または配位するリガンドを指す。リガンドは、リガンドが異なる化学組成を有するときには化学的に別個と見なされる。
【0010】
ある実施形態において、Zは、水を含む液体媒体にナノ粒子を分散可能にしない。
【0011】
ある実施形態において、反応性基は、単官能性、2官能性、もしくは多官能性試薬、および/または反応性化学基を含み得る。
【0012】
本明細書で使用するように、「反応性化学基」は、1つ以上の他の基または種と反応することができる化学基を指す。反応性化学基の例は、官能性置換基を含む。官能性置換基の例は、これに限定されるわけではないが、チオール基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミン基、スルホ基、2官能性基、多官能性基などを含む。)。
【0013】
ある実施形態において、環式基は、飽和または不飽和環式(これに限定されるわけではないが、単環、2環式構造、多環式構造などを含む)化合物または芳香族化合物を含み得る。ある実施形態において、環式基は、少なくとも1つのヘテロ原子を含み得る。ある実施形態において、環式基は、少なくとも1つの置換基(例えばこれに限定されるわけではないが、反応性化学基、有機基(アルキル、アリールなど)などを含む。)を含み得る。環式基の他の例は本明細書で与える。
【0014】
ある実施形態において、ハロゲン化基は、フッ素化基、過フッ素化基、塩素化基、過塩素化基、臭化基、過臭化基、ヨウ化基、過ヨウ化基などを含み得る。ハロゲン化基の他の例は本明細書で与える。
【0015】
ある実施形態において、極性a−プロトン性基はケトン、アルデヒド、アミド、尿素、ウレタン、またはイミンを含み得る。a−プロトン性基の他の例は本明細書で与える。
【0016】
ある実施形態において、ナノ粒子は半導体材料を含み得る。
【0017】
ある実施形態において、ナノ粒子は、第1の材料を含むコアと、コアの表面の少なくとも一部を覆って配置されたシェル(またはコーティング材料)であって、第2の材料を含むシェルとを含み得る。ある実施形態において、第1の材料は半導体材料を含む。ある実施形態において、第2の材料は半導体材料を含む。ある実施形態において、1つ以上のさらなるシェルが該シェルの表面の少なくとも一部を覆って配置される。
【0018】
ある好ましい実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ結晶を含む(半導体ナノ結晶は本明細書では量子ドットとも呼ばれる。)。ある実施形態において、半導体ナノ結晶は、第1の材料を含むコアと、コアの表面の少なくとも一部を覆って配置されたシェル(またはコーティング材料)であって、第2の材料を含むシェルとを含み得る。好ましくは、第2の材料はナノ結晶性半導体材料を含む。ある実施形態において、1つ以上のさらなるシェルが該シェルの表面の少なくとも一部を覆って配置される。ナノ粒子および半導体ナノ結晶のさらなる議論は本明細書の別の箇所で与える。
【0019】
好ましいリガンドは、ベンジルホスホン酸、ベンジル基の環に少なくとも1つの置換基を含むベンジルホスホン酸、このような酸の共役塩基、および上記の1つ以上を含む混合物を含む。ある実施形態において、リガンドは4−ヒドロキシベンジルホスホン酸、該酸の共役塩基、または上記の混合物を含む。ある実施形態において、リガンドは3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸、該酸の共役塩基、または上記の混合物を含む。
【0020】
他の好ましいリガンドは、末端ヒドロキシル基を含む有機アミンまたはフッ素化有機アミンを含む、式X−Sp−Zによって表されるリガンドを含む。
【0021】
ある好ましい実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ結晶コアを含み、半導体ナノ結晶コアは、該コアの表面の少なくとも一部に配置された第2の半導体材料を含むオーバーコーティング材料を有する第1の半導体材料を含み、該オーバーコーティング材料を本明細書に記載するリガンドの1つ以上の存在下でコア上に成長させる。
【0022】
ある実施形態において、ナノ粒子は、この表面に結合した2つ以上の化学的に別個の未変性リガンドを含むことが可能であり、前記リガンドの少なくとも1つは式、
X−Sp−Z
によって表され、式中、X、Sp、およびZは本明細書に記載する通りである。
【0023】
ある実施形態において、ナノ粒子はこの表面に結合した2つ以上の化学的に別個のリガンドを含むことが可能であり、第1のリガンドは式、
N−Sp−Z
によって表され、
式中、Nは、1級アミン基、2級アミン基、イミジゾール基、アミド基を表し;ならびに
第2のリガンドは式、
Y−Sp−Z
によって表され、
式中、Yは、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;ならびに
式中、Sp、およびZは本明細書で記載する通りであり、式中、第1のリガンドおよび第2のリガンドのSpおよびZはそれぞれ同じまたは異なり得る。
【0024】
ある実施形態において、Zは、水を含む液体媒体にナノ粒子を分散可能にしない。
【0025】
ナノ粒子は本明細書の上および別の場所で記載された通りであり得る。
【0026】
好ましいリガンドは、ベンジルホスホン酸、ベンジル基の環に少なくとも1つの置換基を含むベンジルホスホン酸、このような酸の共役塩基、および上記の1つ以上を含む混合物を含む。ある実施形態において、リガンドは4−ヒドロキシベンジルホスホン酸、該酸の共役塩基、および上記の混合物を含む。ある実施形態において、リガンドは3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸、該酸の共役塩基、または上記の混合物を含む。
【0027】
他の好ましいリガンドは、末端ヒドロキシル基を含む有機アミンまたはフッ素化有機アミンを含む式X−Sp−Zによって表されるリガンドを含む。
【0028】
本発明の別の態様により、ナノ粒子を官能化する方法が提供される。該方法は、1つ以上の化学的に別個のリガンドの存在下で所定の組成を有するナノ粒子を形成するための前駆体を反応させるステップを含み、リガンドの少なくとも1つは、式、
X−Sp−Z
で表され、式中、Xは、1級アミン基、2級アミン基、イミジゾール基、アミド基、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;Spは、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;Zは、(i)ナノ粒子に特定の化学特性を伝達可能であるのはもちろんのこと、ナノ粒子表面に特定の化学反応性を与える反応性基、ならびに/または(ii)環式、ハロゲン化、および/もしくは極性a−プロトン性である基を表し、Zはすべての場合で光への曝露時に反応するわけではない。
【0029】
ある実施形態において、Zは、水を含む液体媒体にナノ粒子を分散可能にしない。
【0030】
ある実施形態において、反応性基は、単官能性、2官能性、もしくは多官能性試薬、および/または反応性化学基を含み得る。
【0031】
ある実施形態において、環式基は、飽和または不飽和環式(これに限定されるわけではないが、単環、2環式構造、多環式構造などを含む)化合物または芳香族化合物を含み得る。ある実施形態において、環式基は、少なくとも1つのヘテロ原子を含み得る。ある実施形態において、環式基は、少なくとも1つの置換基(例えばこれに限定されるわけではないが、反応性化学基、有機基(アルキル、アリールなど)などを含む。)を含み得る。環式基の他の例は本明細書で与える。
【0032】
ある実施形態において、ハロゲン化基は、フッ素化基、過フッ素化基、塩素化基、過塩素化基、臭化基、過臭化基、ヨウ化基、過ヨウ化基などを含み得る。ハロゲン化基の他の例は本明細書で与える。
【0033】
ある実施形態において、極性a−プロトン性基はケトン、アルデヒド、アミド、尿素、ウレタン、またはイミンを含み得る。極性a−プロトン性基の他の例は本明細書で与える。
【0034】
ある実施形態において、ナノ粒子の所定の組成は半導体材料を含む。
【0035】
ある好ましい実施形態において、所定の組成は1つ以上の金属および1つ以上のカルコゲンまたはニクトゲンを含む。
【0036】
ある実施形態において、前駆体は1つ以上の金属含有前駆体および1つ以上のカルコゲン含有またはニクトゲン含有前駆体を含む。
【0037】
ある実施形態において、ナノ粒子は、第1の材料を含むコアと、コアの表面の少なくとも一部を覆って配置されたシェル(またはコーティング材料)であって、第2の材料を含むシェルとを含み得る。ある実施形態において、第1の材料は半導体材料を含む。ある実施形態において、第2の材料は半導体材料を含む。ある実施形態において、1つ以上のさらなるシェルが該シェルの表面の少なくとも一部を覆って配置される。
【0038】
ある好ましい実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ結晶を含む。ある実施形態において、半導体ナノ結晶は、第1の材料を含むコアと、コアの表面の少なくとも一部を覆って配置されたシェル(またはコーティング材料)であって、第2の材料を含むシェルとを含み得る。好ましくは、第2の材料はナノ結晶性半導体材料を含む。ある実施形態において、1つ以上のさらなるシェルが該シェルの表面の少なくとも一部を覆って配置される。
【0039】
好ましいリガンドは、ベンジルホスホン酸、ベンジル基の環に少なくとも1つの置換基を含むベンジルホスホン酸、このような酸の共役塩基、および上記の1つ以上を含む混合物を含む。ある実施形態において、リガンドは4−ヒドロキシベンジルホスホン酸、該酸の共役塩基、および上記の1つ以上を含む混合物を含む。ある実施形態において、リガンドは3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸、該酸の共役塩基、または上記の混合物を含む。
【0040】
他の好ましいリガンドは、末端ヒドロキシル基を含む有機アミンまたはフッ素化有機アミンを含む式X−Sp−Zによって表されるリガンドを含む。
【0041】
ある実施形態において、前駆体は2つ以上の化学的に別個のリガンドの存在下で反応し、前記リガンドの少なくとも1つは、式、
X−Sp−Z
によって表され、式中、X、Sp、およびZは本明細書で記載する通りである。
【0042】
ある実施形態において、前駆体は1つ以上の金属含有前駆体および1つ以上のカルコゲン含有前駆体またはニクトゲン含有前駆体を含む。
【0043】
ある実施形態において、前駆体は2つ以上の化学的に別個のリガンドの存在下で反応し、第1のリガンドは式、
N−Sp−Z
によって表され、
式中、Nは、1級アミン基、2級アミン基、イミジゾール基、アミド基を表し;ならびに
第2のリガンドは式、
Y−Sp−Z
によって表され、
式中、Yは、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;ならびに
式中、Sp、およびZは本明細書で記載する通りであり、式中、第1のリガンドおよび第2のリガンドのSpおよびZはそれぞれ同じまたは異なり得る。
【0044】
ある実施形態において、前駆体は1つ以上の金属含有前駆体および1つ以上のカルコゲン含有前駆体またはニクトゲン含有前駆体を含む。
【0045】
本発明の別の態様により、ナノ粒子の表面の少なくとも一部を所定の組成を有するコーティング材料によってオーバーコーティングする方法が提供され、該方法は、1つ以上の化学的に別個のリガンドの存在下で所定の組成を有するナノ粒子を形成するための前駆体を反応させるステップを含み、リガンドの少なくとも1つは、式、
X−Sp−Z
で表され、式中、Xは、1級アミン基、2級アミン基、イミジゾール基、アミド基、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;Spは、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;Zは、(i)ナノ粒子に特定の化学特性を伝達可能であるのはもちろんのこと、ナノ粒子表面に特定の化学反応性を与える反応性基、ならびに/または(ii)環式、ハロゲン化、および/もしくは極性a−プロトン性である基を表し、Zはすべての場合で光への曝露時に反応するわけではない。
【0046】
ある実施形態において、Zは、水を含む液体媒体にナノ粒子を分散可能にしない。
【0047】
ある実施形態において、反応性基は、単官能性、2官能性、または多官能性試薬、および/または反応性化学基を含み得る。
【0048】
ある実施形態において、環式基は、飽和または不飽和環式(これに限定されるわけではないが、単環、2環式構造、多環式構造などを含む)化合物または芳香族化合物を含み得る。ある実施形態において、環式基は、少なくとも1つのヘテロ原子を含み得る。ある実施形態において、環式基は、少なくとも1つの置換基(例えばこれに限定されるわけではないが、反応性化学基、有機基(アルキル、アリールなど)などを含む。)を含み得る。環式基の他の例は本明細書で与える。
【0049】
ある実施形態において、ハロゲン化基は、フッ素化基、過フッ素化基、塩素化基、過塩素化基、臭化基、過臭化基、ヨウ化基、過ヨウ化基などを含み得る。ハロゲン化基の他の例は本明細書で与える。
【0050】
ある実施形態において、極性a−プロトン性基はケトン、アルデヒド、アミド、尿素、ウレタン、またはイミンを含み得る。極性a−プロトン性基の他の例は本明細書で与える。
【0051】
ある実施形態において、ナノ粒子は半導体材料を含む。
【0052】
ある実施形態において、ナノ粒子は、第1の材料を含むコアと、コアの表面の少なくとも一部を覆って配置されたシェル(またはコーティング材料)であって、第2の材料を含むシェルとを含み得る。ある実施形態において、第1の材料は半導体材料を含む。ある実施形態において、第2の材料は半導体材料を含む。ある実施形態において、1つ以上のさらなるシェルが該シェルの表面の少なくとも一部を覆って配置される。
【0053】
ある好ましい実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ結晶を含む。ある実施形態において、半導体ナノ結晶は、第1の材料を含むコアと、コアの表面の少なくとも一部を覆って配置されたシェル(またはコーティング材料)であって、第2の材料を含むシェルとを含み得る。好ましくは、第2の材料はナノ結晶性半導体材料を含む。ある実施形態において、1つ以上のさらなるシェルが該シェルの表面の少なくとも一部を覆って配置される。
【0054】
ある実施形態において、コーティング材料の所定の組成は、半導体材料、好ましくはナノ結晶性半導体材料を含む。
【0055】
ある好ましい実施形態において、所定の組成は1つ以上の金属および1つ以上のカルコゲンまたはニクトゲンを含む。
【0056】
ある実施形態において、前駆体は1つ以上の金属含有前駆体および1つ以上のカルコゲン含有またはニクトゲン含有前駆体を含む。
【0057】
好ましいリガンドは、ベンジルホスホン酸、ベンジル基の環に少なくとも1つの置換基を含むベンジルホスホン酸、このような酸の共役塩基、および上記の1つ以上を含む混合物を含む。ある実施形態において、リガンドは4−ヒドロキシベンジルホスホン酸、該酸の共役塩基、および上記の混合物を含む。ある実施形態において、リガンドは3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸、該酸の共役塩基、または上記の混合物を含む。
【0058】
他の好ましいリガンドは、末端ヒドロキシル基を含む有機アミンまたはフッ素化有機アミンを含む式X−Sp−Zによって表されるリガンドを含む。
【0059】
ある実施形態において、前駆体は2つ以上の化学的に別個のリガンドの存在下で反応し、前記リガンドの少なくとも1つは、式、
X−Sp−Z
によって表され、式中、X、Sp、およびZは本明細書で記載する通りである。
【0060】
ある実施形態において、前駆体は2つ以上の化学的に別個のリガンドの存在下で反応し、第1のリガンドは式、
N−Sp−Z
によって表され、
式中、Nは、1級アミン基、2級アミン基、イミジゾール基、アミド基を表し;ならびに
第2のリガンドは式、
Y−Sp−Z
によって表され、
式中、Yは、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;ならびに
式中、Sp、およびZは本明細書で記載する通りであり、式中、第1のリガンドおよび第2のリガンドのSpおよびZはそれぞれ同じまたは異なり得る。
【0061】
本発明の別の態様において、半導体材料を含むナノ結晶を調製する方法が提供され、該方法は、液体媒体および半導体材料前駆体を含む混合物を、アミン基を含む第1のリガンド化合物(例えばN−Sp−Z、式中、Nは、1級アミン基、2級アミン基、イミジゾール基、アミド基を表す。)および酸基を含む第2のリガンド化合物(例えばY−Sp−Z、式中、Yは、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表す。)の存在下で加熱するステップを含む。SpおよびZは、本明細書で記載する通りである。
【0062】
ある好ましい実施形態において、アミン基を含む第1のリガンド化合物および酸基を含む第2のリガンド化合物は最初に等モル量で存在し、当モル量は第1のリガンド化合物のアミン基含有量および第2のリガンド化合物の酸基含有量に基づいて決定される。
【0063】
ある実施形態において、第1のリガンド化合物は式A−Lによって表され、式中、Aは酸基であり、Lは、アリール基、ヘテロアリール基、または直鎖もしくは分枝C1−18炭化水素鎖を含む。ある実施形態において、第2のリガンド化合物は式N−Lによって表され、式中、Nはアミン基であり、Lは、アリール基、ヘテロアリール基、または直鎖もしくは分枝C1−18炭化水素鎖を含む。ある実施形態において、炭化水素鎖は、少なくとも1つの二重結合、少なくとも1つの三重結合、または少なくとも1つの二重結合および1つの三重結合を含む。ある実施形態において、炭化水素鎖は、−O−、−S−、−N(R)−、−N(R)−C(O)−O−、−O−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−O−C(O)−O−、−P(R)−、または−P(O)(R)−によって割り込まれ、式中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、またはハロアルキルである。ある実施形態において、アリール基は置換または非置換環式芳香族基である。ある実施形態において、アリール基は、フェニル、ベンジル、ナフチル、トリル、アントラシル、ニトロフェニル、またはハロフェニルを含む。ある実施形態において、ヘテロアリール基は、環内に1つ以上のヘテロ原子を持つアリール基、例えばフリル、ピリジル、ピロリル、フェナントリルを含む。ある実施形態において、Aは、ホスフィン酸基またはカルボン酸基を含む。ある実施形態において、Aは、オレイン酸基またはミリスチン酸基を含む。ある好ましい実施形態において、Aはホスホン酸基を含む。
【0064】
本明細書に記載する方法のある実施形態において、方法は液体媒体中で実施される。好ましくは、液体媒体は配位溶媒または配位溶媒の混合物を含む。これらを含む配位溶媒の例は本明細書で与える。他の配位溶媒も使用できる。ある実施形態において、方法は、非配位溶媒または非配位溶媒の混合物で構成される液体媒体中で実施することもできる。非配位溶媒の例は、これに限定されるわけではないが、スクアラン、オクタデカン、またはその他の飽和炭化水素分子を含む。2つ以上の溶媒の混合物も使用できる。他の適切な非配位溶媒は、当業者によってただちに確認できる。
【0065】
この一般的な説明、以下の詳細な説明、および特許請求の範囲によって記載または検討される本発明のある態様および実施形態において、ナノ粒子はコアおよびオーバーコーティング(本明細書ではシェルとも呼ばれる。)を含み得る。コアおよびシェルを含むナノ粒子は、コア/シェル構造を有するとも言われる。シェルはコアの少なくとも一部を覆って配置される。ある実施形態において、シェルはコアの外面の全部または実質的に全部を覆って配置される。コア/シェル構造を含むナノ粒子のある実施形態において、コアは第1の半導体材料を含むことが可能であり、シェルは第2の半導体材料を含み得る。ある実施形態において、コアは半導体ナノ結晶を含む。ある実施形態において、ナノ結晶は約10ナノメートル未満の直径を有することができる。複数のナノ粒子を含む実施形態において、ナノ粒子径の分布は好ましくは単分散である。
【0066】
この一般的な説明、以下の詳細な説明、および特許請求の範囲によって記載または検討される本発明のある態様および実施形態において、ナノ粒子は非水溶性であるか、または水を含む液体媒体に分散しない。
【0067】
この一般的な説明、以下の詳細な説明、および特許請求の範囲によって記載または検討される本発明のある態様および実施形態において、半導体材料(好ましくは半導体ナノ結晶)を含むナノ粒子は、本明細書で教示される1つ以上のリガンドの存在下でコーティングによって少なくとも部分的にオーバーコートされる。ある実施形態において、コーティングは2つ以上の材料を含む。2つ以上の材料を含むコーティングを含むある実施形態において、材料は連続して塗布される。ある実施形態において、コアはこの表面に配置された複数のオーバーコートまたはシェルを含み得る。複数のオーバーコートまたはシェルはそれぞれ、同じまたは異なる組成を含み得る。この一般的な説明、以下の詳細な説明、および特許請求の範囲によって記載または検討される本発明のある態様および実施形態において、方法は非水性媒体中で実施される。ある好ましい実施形態において、方法はコロイド合成法である。
【0068】
本明細書に記載され、本開示によって考慮される上述のおよび他の態様および実施形態は、本発明の実施形態をすべて構成する。
【0069】
上述の一般的な説明および以下の詳細な説明はどちらも例示および説明のためだけであり、請求されるような本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。他の実施形態は、本明細書で開示される発明の明細および実施を考慮することにより当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明を実施するのに有用なある組成の例の化学構造を表す。
【図2】脂肪族リガンド量子ドット単層に熱蒸着された5nm CBPを示す原子間力顕微鏡画像を表す。
【図3】脂肪族リガンド量子ドット単層に熱蒸着された15nm CBPを示す原子間力顕微鏡画像を表す。
【図4】芳香族リガンド量子ドット単層に熱蒸着された5nm CBPを示す原子間力顕微鏡画像を表す。
【図5】半導体ナノ結晶層界面形態に対するリガンド組成の効果を示す原子間力顕微鏡画像を表す。
【図6】本発明を実施するのに有用なある組成の例の化学構造を表す。
【図7】本発明を実施するのに有用なある組成の例の化学構造を表す。
【図8】量子効率を測定する方法を示すスペクトルを表す。
【0071】
添付図面は、例示のみの目的で示された簡略表現であり;実際の構造は、例えば相対スケールなどを含む、多くの点で異なり得る。
【0072】
本発明をその他の利点および機能と共により良好に理解するために、上に示した図面と関連して以下の開示および添付請求項を参照する。
【発明を実施するための形態】
【0073】
本発明のある実施形態により、この表面に結合されたリガンドを含むナノ粒子が提供され、該リガンドは式、
X−Sp−Z
によって表され、
式中、
Xは、1級アミン基、2級アミン基、尿素、チオ尿素、イミジゾール基、アミド基、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;
Spは、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;ならびに
Zは、(i)ナノ粒子に特定の化学特性を伝達可能であるのはもちろんのこと、ナノ粒子表面に特定の化学反応性を与える反応性基、ならびに/または(ii)環式、ハロゲン化、もしくは極性a−プロトン性である基を表す。リガンドは、ナノ粒子の形成またはオーバーコーティングの間にナノ粒子の表面に結合または配位する。
【0074】
Spの例は、これに限定されるわけではないが、直鎖または分枝C−C18炭化水素鎖を含む。ある実施形態において、炭化水素鎖は、少なくとも1つの二重結合、少なくとも1つの三重結合、または少なくとも1つの二重結合および1つの三重結合を含む。ある実施形態において、炭化水素鎖は、−O−、−S−、−N(R)−、−N(R)−C(O)−O−、−O−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−O−C(O)−O−、−P(R)−、または−P(O)(R)−によって割り込まれ、式中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシル、またはハロアルキルである。
【0075】
反応性基の例は、限定されることなく、官能性、2官能性、および多官能性試薬(例えばホモ2官能性またはヘテロ2官能性)、ならびに反応性化学基(例えばチオール、またはカルボキシル、ヒドロキシル、アミノ、アミン、スルホなど)を含む。さらなる反応性基の例は、過ハロゲン化または部分ハロゲン化されているアルキルおよび/またはアリール単位によって置換することができる、カルボジチオアート、カルボジチオ酸、チオ尿素、アミド、ホスフィンオキシド、ホスホンまたはホスフィン酸、チオホスホンまたはチオホスフィン酸を含む。環式基の例は、これに限定されるわけではないが、飽和もしくは不飽和環式または2環式化合物(例えばシクロヘキシル、イソボルニルなど)、または芳香族化合物(例えばフェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、トリアリールアミンなど)を含む。ある実施形態において、環式基は、1つ以上の置換基(例えばこれに限定されるわけではないが、反応性化学基、有機基(アルキル、アリールなど)などを含む。)を含み得る。ハロゲン化基は、これに限定されるわけではないが、フッ素化基、過フッ素化基(例えばペルフルオロアルキル、ペルフルオロフェニル、ペルフルオロアミンなど)、塩素化基、過塩素化基を含む。極性a−プロトン性基の例は、これに限定されるわけではないが、ケトン、アルデヒド、アミド、尿素、ウレタン、イミンなどを含む。
【0076】
ある実施形態において、Zを含む基は、Zが結合されている半導体ナノ結晶に所定の化学混和特性を付与する。
【0077】
ある実施形態において、Zは、非官能化直鎖または分枝C−C18炭化水素鎖を含まない。
【0078】
ある実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ粒子を含む。ある好ましい実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ結晶を含む。
【0079】
ある実施形態により、ナノ粒子の表面に結合した2つ以上の化学的に別個のリガンドを含むナノ粒子が提供され、前記リガンドの少なくとも1つは式、
X−Sp−Z
によって表され、
式中、
Xは、1級アミン基、2級アミン基、尿素、チオ尿素、イミジゾール基、アミド基、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;
Spは、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;ならびに
Zは、(i)ナノ結晶に特定の化学特性を伝達可能であるのはもちろんのこと、ナノ結晶表面に特定の化学反応性を与える反応性基、ならびに/または(ii)環式、ハロゲン化、もしくは極性a−プロトン性である基を表す。
【0080】
SpおよびZの例は、制限なく、本明細書に記載されたものを含む。
【0081】
ある実施形態において、Zは、非官能化直鎖または分枝C−C18炭化水素鎖を含まない。
【0082】
ある実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ粒子を含む。ある好ましい実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ結晶を含む。
【0083】
ある実施形態により、ナノ粒子の表面に結合した2つ以上の化学的に別個のリガンドを含むナノ粒子が提供され、第1のリガンドは式、
N−Sp−Z
によって表され、
式中、
Nは、1級アミン基、2級アミン基、尿素、チオ尿素、イミジゾール基、アミド基、または他の窒素含有官能基を表し;
Spは、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;ならびに
Zは、ナノ結晶に特定の化学特性を伝達可能であるおよび/またはナノ結晶表面に特定の化学反応性を与える反応性基を表し;ならびに
第2のリガンドは、式、
Y−Sp−Z
によって表され、
式中、
Yは、ホスホン酸もしくはアルソン酸基、ホスフィン酸もしくはアルシン酸基、ホスホネートもしくはアルセネート基、ホスフィンもしくはアルシンオキシド基、または他のリン含有もしくは砒素含有官能基を表し;
Spは、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;ならびに
Zは、ナノ結晶に特定の化学特性を伝達可能であるおよび/またはナノ結晶表面に特定の化学反応性を与える反応性基を表す。
【0084】
N−Sp−ZおよびP−Sp−Zへの包含のためのSpおよびZの例は、制限なく、本明細書に記載したものを含む。SpおよびZは独立して選択され得る。2つのリガンドそれぞれに含まれるSpおよびZは、同じであり得る、または異なり得る。
【0085】
ある実施形態において、Zは、非官能化直鎖または分枝C−C18炭化水素鎖を含まない。
【0086】
ある実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ粒子を含む。ある好ましい実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ結晶を含む。
【0087】
本発明の別の実施形態により、ナノ粒子を官能化する方法が提供される。該方法は、本明細書に記載したリガンドX−Sp−Zの存在下で所定の組成を有するナノ粒子を形成するために前駆体を反応させるステップを含み、式中、X、Sp、およびZは本明細書に記載する通りである。
【0088】
ある実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ粒子を含む。ある好ましい実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ結晶を含む。ある実施形態において、所定の前駆体は、金属含有前駆体およびカルコゲン含有またはニクトゲン含有前駆体を含む。前駆体は、反応混合物中に所定の組成に基づく量で好ましくは含まれる。
【0089】
ある実施形態において、方法は液体媒体中で実施される。好ましくは、液体媒体は配位溶媒または配位溶媒の混合物を含む。これらを含む配位溶媒の例は本明細書で与える。他の配位溶媒も使用できる。ある実施形態において、方法は、非配位溶媒または非配位溶媒の混合物を含む液体媒体中で実施することもできる。非配位溶媒の例は、これに限定されるわけではないが、スクアラン、オクタデカン、またはその他の飽和炭化水素分子を含む。2つ以上の溶媒の混合物も使用できる。他の適切な非配位溶媒は、当業者によってただちに確認できる。
【0090】
ある実施形態において、1つ以上の金属含有前駆体に含まれる総金属の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比は、約1:0.1から約1:100の範囲にある。ある実施形態において、1つ以上の金属含有前駆体に含まれる金属の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比は、約1:1から約1:50の範囲にある。ある実施形態において、1つ以上の金属含有前駆体に含まれる金属の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モルに対するモル比は、約1:1から約1:30の範囲にある。
【0091】
該方法が液体媒体中で実施されるある実施形態において、液体媒体の総モルの、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モルに対するモル比は、約500:1から約2:1の範囲にある。ある実施形態において、液体媒体の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比は、約100:1から約5:1の範囲にある。ある実施形態において、液体媒体の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比は、約50:1から約5:1の範囲にある。
【0092】
ある実施形態により、ナノ粒子を官能化する方法が提供される。該方法は、2つ以上の化学的に別個のリガンドの存在下で所定の組成を有するナノ粒子を形成するための前駆体を反応させるステップを含み、前記リガンドの少なくとも1つは、式、
X−Sp−Z
によって表され、
式中、
Xは、1級アミン基、2級アミン基、尿素、チオ尿素、イミジゾール基、アミド基、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;
Spは、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;ならびに
Zは、(i)ナノ結晶に特定の化学特性を伝達可能であるのはもちろんのこと、ナノ結晶表面に特定の化学反応性を与える反応性基、および/または(ii)環式、ハロゲン化、もしくは極性a−プロトン性である基を表す。
【0093】
ある実施形態において、Zは、非官能化直鎖または分枝C−C18炭化水素鎖を含まない。SpおよびZの例は、制限なく、本明細書に記載されたものを含む。
【0094】
ある実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ粒子を含む。ある好ましい実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ結晶を含む。ある実施形態において、所定の前駆体は、金属含有前駆体およびカルコゲン含有またはニクトゲン含有前駆体を含む。前駆体は、反応混合物中に所定の組成に基づく量で好ましくは含まれる。
【0095】
ある実施形態において、ナノ粒子を官能化する方法が提供される。該方法は、2つ以上の化学的に別個のリガンドの存在下で所定の組成を有するナノ粒子を形成するための前駆体を反応させるステップを含み、第1のリガンドは、式、
N−Sp−Z
によって表され、
式中、
Nは、1級アミン基、2級アミン基、尿素、チオ尿素、イミジゾール基、アミド基を表し;
Spは、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;および
Zは、ナノ結晶に特定の化学特性を伝達可能であるのはもちろんのこと、ナノ結晶表面に特定の化学反応性を与える反応性基を表し;ならびに
第2のリガンドは、式、
Y−Sp−Z
によって表され、
式中、
Yは、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;
Spは、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;
Zは、ナノ結晶に特定の化学特性を伝達可能であるのはもちろんのこと、ナノ結晶表面に特定の化学反応性を与える反応性基を表す。
【0096】
SpおよびZの例は、制限なく、本明細書に記載されたものを含む。SpおよびZは独立して選択され得る。2つのリガンドそれぞれに含まれるSpおよびZは、同じであり得る、または異なり得る。
【0097】
ある実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ粒子を含む。ある好ましい実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ結晶を含む。ある実施形態において、所定の前駆体は、金属含有前駆体およびカルコゲン含有またはニクトゲン含有前駆体を含む。前駆体は、反応混合物中に所定の組成に基づく量で好ましくは含まれる。本発明の別の実施形態により、ナノ粒子の表面の少なくとも一部を所定の組成を有するコーティング材料によってオーバーコーティングする方法が提供され、該方法は、式X−Sp−Zによって表されるリガンドおよびコーティングされるナノ粒子の存在下で所定のコーティング材料の前駆体を反応させるステップを含み、式中、X、Sp、およびZは本明細書に記載する通りである。ある実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ粒子を含む。ある好ましい実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ結晶を含む。ある実施形態において、コーティング組成物は半導体材料を含む。ある実施形態において、前駆体は、金属含有前駆体およびカルコゲン含有またはニクトゲン含有前駆体を含む。前駆体は、反応混合物中に所定の組成に基づく量で好ましくは含まれる。
【0098】
ある実施形態において、方法は液体媒体中で実施される。好ましくは、液体媒体は配位溶媒または配位溶媒の混合物を含む。これらを含む配位溶媒の例は本明細書で与える。他の配位溶媒も使用できる。ある実施形態において、方法は、非配位溶媒または非配位溶媒の混合物を含む液体媒体中で実施することもできる。非配位溶媒の例は、これに限定されるわけではないが、スクアラン、オクタデカン、またはその他の飽和炭化水素分子を含む。2つ以上の溶媒の混合物も使用できる。他の適切な非配位溶媒は、当業者によってただちに確認できる。
【0099】
ある実施形態において、オーバーコートされているナノ粒子に含まれる総金属の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比は、約1:0.1から約1:100の範囲にある。ある実施形態において、オーバーコートされているナノ粒子に含まれる金属の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比は、約1:1から約1:50の範囲にある。ある実施形態において、オーバーコートされているナノ粒子に含まれる金属の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比は、約1:1から約1:30の範囲にある。
【0100】
液体媒体中で実施される方法のある実施形態において、液体媒体の総モルの、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モルに対するモル比は、約500:1から約2:1の範囲にある。ある実施形態において、液体媒体の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比は、約100:1から約5:1の範囲にある。ある実施形態において、液体媒体の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比は、約50:1から約5:1の範囲にある。本発明のさらなる実施形態により、ナノ粒子の表面の少なくとも一部を所定の組成を有するコーティング材料によってオーバーコーティングする方法が提供され、該方法は、2つ以上の化学的に別個のリガンドおよびコーティングされるナノ粒子の存在下で所定のコーティング材料の前駆体を反応させるステップを含み、前記リガンドの少なくとも1つは式、
X−Xp−Z
およびコーティングされるナノ粒子によって表され、式中、
Xは、1級アミン基、2級アミン基、尿素、チオ尿素、イミジゾール基、アミド基、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;
Spは、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;ならびに
Zは、(i)ナノ結晶に特定の化学特性を伝達可能であるのはもちろんのこと、ナノ結晶表面に特定の化学反応性を与える反応性基、および/または(ii)環式、ハロゲン化、もしくは極性a−プロトン性である基を表す。
【0101】
ある実施形態において、Zは、非官能化直鎖または分枝C−C18炭化水素鎖を含まない。
【0102】
SpおよびZの例は、制限なく、本明細書に記載されたものを含む。
【0103】
ある実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ粒子を含む。ある好ましい実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ結晶を含む。ある実施形態において、コーティング組成物は半導体材料を含む。ある実施形態において、前駆体は、金属含有前駆体およびカルコゲン含有またはニクトゲン含有前駆体を含む。前駆体は、反応混合物中に所定の組成に基づく量で好ましくは含まれる。
【0104】
ある実施形態において、ナノ粒子の表面の少なくとも一部を所定の組成を有するコーティング材料によってオーバーコーティングする方法が提供され、該方法は、2つ以上の化学的に別個のリガンドおよびコーティングされるナノ粒子の存在下で所定のコーティング材料の前駆体を反応させるステップを含み、第1のリガンドは式、
N−Sp−Z
によって表され、
式中、
Nは、1級アミン基、2級アミン基、尿素、チオ尿素、イミジゾール基、アミド基を表し;
Spは、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;および
Zは、ナノ結晶に特定の化学特性を伝達可能であるのはもちろんのこと、ナノ結晶表面に特定の化学反応性を与える反応性基を表し;ならびに
第2のリガンドは、式、
Y−Sp−Z
によって表され、
式中、Yは、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;
Spは、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;および
Zは、ナノ結晶に特定の化学特性を伝達可能であるのはもちろんのこと、ナノ結晶表面に特定の化学反応性を与える反応性基を表す。
【0105】
SpおよびZの例は、制限なく、本明細書に記載されたものを含む。SpおよびZは独立して選択され得る。2つのリガンドに含まれるSpおよびZは、同じであり得る、または異なり得る。
【0106】
ある実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ粒子を含む。ある好ましい実施形態において、ナノ粒子は半導体ナノ結晶を含む。
【0107】
ある実施形態において、コーティング組成物は半導体材料を含む。ある実施形態において、前駆体は、金属含有前駆体およびカルコゲン含有またはニクトゲン含有前駆体を含む。前駆体は、反応混合物中に所定の組成に基づく量で好ましくは含まれる。
【0108】
本明細書に記載する方法を実施するにあたって、前駆体は選択されて、所定の組成を有するナノ粒子を産生するための量および反応条件下で、所定の組成を有するナノ粒子を産生するための期間にわたって反応させられる。このような変数は当業者によって日常的に決定できる。ある実施形態において、反応は制御された(水分および空気を実質的に含まない)環境で実施される。ある好ましい実施形態において、反応は水を含まない不活性環境において実施される。
【0109】
本発明のある実施形態において、ナノ粒子(例えば半導体ナノ結晶)は、以下の式、
【0110】
【化1】

を有する少なくとも1つの分子の存在下で、形成され、またはナノ粒子の外面の少なくとも一部にシェルを生成するためにオーバーコートされ、
式中、Rはヒドロキシル基を表し;Rは、ヒドロキシル、水素、アルキルまたはアルキレン基、アリールまたはアリーレン基、−OR11、−NHR11、−NR1111、−SR11を表し、式中、R11は、水素、アルキル基、またはアリール基を表し;RおよびRは、同じまたは異なることが可能であり、結合、アルキルまたはアルキレン基、アリールまたはアリーレン基、フルオロカーボン基、
【0111】
【化2】

を表し、
式中、R12は、アルキルもしくはアルキレン基またはアリールもしくはアリーレン基を表し;Rは、水素、1つ以上の官能基を含むアルキル基、アルキレン基、アリールまたはアリーレン基、−OR13、−NHR13、−NR1313、−SR13を表し、式中、R13は、水素、アルキル基、またはアリール基を表し;Rは水素を表し;Rは、水素、アルキルまたはアルキレン基、アリールまたはアリーレン基、−OR14、−NHR14、−NR1414、−SR14を表し、式中、R14は、水素、アルキル基、またはアリール基を表し;RおよびRは、同じまたは異なることが可能であり、結合、アルキレン基、アリールまたはアリーレン基、フルオロカーボン基、
【0112】
【化3】

を表し、
式中、R15は、アルキルもしくアルキレン基またはアリールもしくはアリーレン基を表し;Rは、アルキル基を表すことも可能であり;Rは、1つ以上の官能基を含むアルキル基を表すことが可能であり;R10は、水素、アルキルまたはアルキレン基、アリールまたはアリーレン基、−OR16、−NHR16、−NR1616、−SR16を表し、式中、R16は、水素、アルキル基、またはアリール基を表す。
【0113】
さらに、本明細書に記載する構造は、任意の所望の特性を備えた量子ドット表面を作るモジュラー合成スキームへの可能性を開いている。例えば、末端ヒドロキシル基は、さらなる化学反応性のための部位を与える。−OH基の求核性は、適切な求電子試薬との各種の付加および置換反応を実施することができる。例えば、この求核性表面基を備えた量子ドット(例えば半導体ナノ結晶)は、酸塩化物、イソシアネート、またはカルボン酸基などの求電子試薬と反応して、以下のエステルおよびウレタン結合を生じることができる、
【0114】
【化4】

式中、Rは任意の置換基であり得る。−OH基も1級アミンを置換して本明細書で言及した求電子試薬との以下のアミドおよび尿素結合を生じることができる、
【0115】
【化5】

式中、再びRは任意の置換基であり得る。
【0116】
半導体ナノ結晶表面の末端ヒドロキシル基による官能化。
【0117】
使用した化学構造、
【0118】
【化6】

この手法は、ホスフィンオキシド(TOPO)の存在下で、高沸点a−プロトン性溶媒(例えば1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン(DMI)、カルビトールアセテート、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAc)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)など)の添加によって達成され得る。
【0119】
ヒドロキシ末端半導体ナノ結晶への種の結合の例。
【0120】
【化7】

【0121】
官能基は左から右へ、イソシアネート、酸塩化物、およびカルボン酸である。式中、Rは、(分子を本明細書に示す官能基に結合する任意の長さの脂肪族鎖リンカを含む)以下の化学種のいずれかであることが可能であり、限定されるわけではないが間違いなく以下の化学種のいずれかである。
【0122】
【化8】

【0123】
本明細書に記載した系は、オーバーコーティング手順での溶媒として使用したホスフィンオキシド誘導体に同様の可変性を組込むことによって、さらに増強することができる。この種は式、
【0124】
【化9】

を有し、式中、R17、R18、およびR19は、同じまたは異なることが可能であり、結合、アルキルまたはアルキレン基、アリールまたはアリーレン基、フルオロカーボン基、
【0125】
【化10】

を表し、式中、R23は、アルキルもしくはアルキレン基またはアリールもしくはアリーレン基を表し;R20、R21、およびR22は、同じまたは異なることが可能であり、水素、アルキルまたはアルキレン基、アリールまたはアリーレン基、−OR24、−NHR24、−NR2424、−SR24を表し、式中、R24は、水素、アルキル基、またはアリール基を表す。
【0126】
反応に予測できない影響を有し得る不純物の導入を避けるために、リガンドは、好ましくは少なくとも99重量%の、好ましくは99.5%を超える純度を有するべきである。
【0127】
本発明の実施に有用なホスフィン酸またはアルシン酸基は、モノおよびジホスフィン/アルシン酸基を含み得る。
【0128】
本発明のある実施形態により、ナノ粒子(例えば半導体ナノ結晶)は、以下の式、
【0129】
【化11】

の一方の分子の存在下でまたは以下の式の両方の分子の存在下で、形成され、またはナノ粒子の外面の少なくとも一部にシェルを生成するためにオーバーコートされ(上の式の左で、PはまたはAsであり得る。)、
式中、Rはヒドロキシル基を表し;Rは、水素、アルキルまたはアルキレン基、アリールまたはアリーレン基、−OR11、−NHR11、−NR1111、−SR11を表し、式中、R11は、水素、アルキル基、またはアリール基を表し;RおよびRは、同じまたは異なることが可能であり、結合、アルキルまたはアルキレン基、アリールまたはアリーレン基、フルオロカーボン基、
【0130】
【化12】

を表し、
式中、R12は、アルキルもしくはアルキレン基またはアリールもしくはアリーレン基を表し;Rは、水素、1つ以上の官能基を含むアルキル基、アルキレン基、アリールまたはアリーレン基、−OR13、−NHR13、−NR1313、−SR13を表し、式中、R13は、水素、アルキル基、またはアリール基を表し;Rは水素を表し;Rは、水素、アルキルまたはアルキレン基、アリールまたはアリーレン基、−OR14、−NHR14、−NR1414、−SR14を表し、式中、R14は、水素、アルキル基、またはアリール基を表し;RおよびRは、同じまたは異なることが可能であり、結合、アルキルまたはアルキレン基、アリールまたはアリーレン基、フルオロカーボン基、
【0131】
【化13】

を表し、式中、R15は、アルキルもしくはアルキレン基またはアリールもしくはアリーレン基であり;R10は、水素、1つ以上の官能基を含むアルキル基、アルキレン基、アリールまたはアリーレン基、−OR16、−NHR16、−NR1616、−SR16を表し、式中、R16は、水素、アルキル基、またはアリール基を表す。
【0132】
本明細書で言及するように、系は、オーバーコーティング手順での溶媒として使用したホスフィンオキシド誘導体に同様の可変性を組込むことによって、さらに増強することができる。この種は式、
【0133】
【化14】

を有し、式中、R17、R18、およびR19は、同じまたは異なることが可能であり、結合、アルキルまたはアルキレン基、アリールまたはアリーレン基、フルオロカーボン基、
【0134】
【化15】

を表し、式中、R23は、アルキルもしくアルキレン基またはアリールもしくはアリーレン基を表し;R20、R21、およびR22は、同じまたは異なることが可能であり、水素、アルキルまたはアルキレン基、アリールまたはアリーレン基、−OR24、−NHR24、−NR2424、−SR24を表し、式中、R24は、水素、アルキル基、またはアリール基を表す。
【0135】
反応に予測できない影響を有し得る不純物の導入を避けるために、リガンドは、好ましくは少なくとも99重量%の、好ましくは99.5%を超える純度を有するべきである。
【0136】
本発明の実施に有用なホスフィン酸基は、モノおよびジホスフィン酸基を含み得る。
【0137】
本明細書に記載するように、上述のリン含有酸およびオキシド基のアルシン酸による変形も使用できる。
【0138】
本発明は、本発明の例示であるとして意図される以下の実施例によってさらに明らかになる。
【実施例】
【0139】
(実施例1A)
TOPOを溶媒として用いてオーバーコーティング手順を実施して、既存の脂肪族ホスホン酸およびアミン種を芳香族誘導体(図1を参照)で置換すると、この光学特性を維持しながら新たな表面化学性質を有する半導体ナノ結晶が生じる。このような半導体ナノ結晶はヘキサンにはもはや不溶性であるが、トルエンおよびクロロホルムにはただちに溶解する。さらに、有機分子の薄層は、これらの合成的に修飾したナノ結晶の秩序化膜上に、これまでの脂肪族半導体ナノ結晶表面の化学的性質に関連する「パドリング」を伴わずに、確実に被着させることができる(図2から5を参照)。反応の間にTOPOが過剰にあるという事実にもかかわらず、ホスホン酸/アミン塩は半導体ナノ結晶の表面で主要な種であると考えられている。
【0140】
赤色光を放出可能である芳香族半導体ナノ結晶の調製
CdSeコアの合成:カドミウムアセテート1mmolを20mLバイアル内で100℃のトリ−n−オクチルホスフィン8.96mmolに溶解させ、次に1時間にわたって乾燥および脱気した。トリオクチルホスフィンオキシド15.5mmolおよびオクタデシルホスフィン酸2mmolを3口フラスコに添加して、140℃にて1時間乾燥および脱気した。脱気後、Cd溶液をオキシド/酸フラスコに添加して、混合物を窒素下で270℃まで加熱した。いったん温度が270℃に達したら、トリ−n−ブチルホスフィン8mmolをフラスコに注入した。温度を270℃に戻して、1.5M TBP−Se 1.1mLを次に迅速に注入した。次に反応混合物を270℃にて15から30分間加熱しながら、ナノ結晶の成長を監視するために溶液の分割量を定期的に取り出した。いったんナノ結晶の第1の吸収ピークが565から575nmに達したら、混合物を室温まで冷却することによって反応を停止させた。メタノールおよびイソプロパノールの3:1混合物を添加することによって、窒素雰囲気下のグローブボックス内の成長溶液からCdSeコアが沈殿した。単離したコアを次にヘキサンに溶解させて、コア−シェル材料を作製するために使用した。
【0141】
CdSe/CdZnSコア−シェルナノ結晶の合成:トリオクチルホスフィンオキシド25.86mmolおよびベンジルホスホン酸2.4mmolを4口フラスコ中に装填した。混合物を次に、120℃まで1時間加熱することによって反応容器内で乾燥および脱気した。フラスコを次に75℃まで冷却して、単離したCdSeコアを含有するヘキサン溶液(0.1mmol Cd含有量)を反応混合物に添加した。ヘキサンを減圧下で除去して、次にフェニルエチルアミン2.4mmolを反応混合物に添加した。ジメチルカドミウム、ジエチル亜鉛、およびヘキサメチルジシラチアンをCd、Zn、およびS前駆物質としてそれぞれ使用した。CdおよびZnを等モル比で混合したが、SはCdおよびZnに対して2倍過剰量であった。Cd/ZnおよびSサンプルをそれぞれ、窒素雰囲気下のグローブボックス内でトリオクチルホスフィン4mLに溶解させた。いったん前駆物質溶液を調製したら、反応フラスコを窒素下で155℃まで加熱した。前駆物質溶液を、シリンジポンプを使用して155℃にて2時間で滴加した。シェル成長後に、ナノ結晶を窒素雰囲気下のグローブボックスに移して、メタノールおよびイソプロパノールの3:1混合物を添加することによって成長溶液から沈殿させた。単離したコア−シェルナノ結晶を次にヘキサンに溶解させた。半導体ナノ結晶は、34nmのFWHMおよび50%の量子解収率を有する616nmの最大放出を有した。
【0142】
サンプルの製造。洗浄したガラス基板をプラズマプリーンで灰化して、PEDOT:PSS(70nm)をコートした。基板を窒素環境に入れ、120℃で20分間焼成した。50nm E105(N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス−(フェニル)−9,9−スピロ−ビルフオレン、LumTec)を2e−6トルより低い真空チャンバ内で熱蒸着によって蒸着させた。芳香族量子ドットの塗布は、接触印刷によって実施した。光学密度(OD)0.3の半導体ナノ結晶の分散物を第1吸収フィーチャで3000rpmにてパリレン・コート・スタンプに60秒間スピンコートして、次にE105基板上にスタンプして、芳香族量子ドットの単層を被着させた。次に基板を熱蒸着チャンバ内に戻して、2e−6トル未満でCBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル、LumTec)5nmおよび15nmをそれぞれ蒸着させた。図2から5は、このサンプル製造実施例で記載したサンプルの画像を表す。
【0143】
以下の実施例1−Bおよび1−Cは、ベンジルホスホン酸リガンドを含むが、図1に示すフェニルエチルアミンを含まない、半導体ナノ結晶の調製に関連する。
【0144】
(実施例1−B)
緑色光を放出可能である半導体ナノ結晶の調製
ZnSeコアの合成:0.69mmolジエチル亜鉛をトリ−n−オクチルホスフィン5mLに溶解させ、1M TBP−Se 1mLと混合した。オレイルアミン28.9mmolを3口フラスコに装填して、90℃にて1時間にわたって乾燥および脱気した。脱気後、フラスコを窒素下で310℃まで加熱した。いったん温度が310℃に達したら、Zn溶液を注入して、反応混合物を270℃にて15から30分間加熱しながら、ナノ結晶の成長を監視するために溶液の分割量を定期的に取り出した。いったんナノ結晶の第1の吸収ピークが350nmに達したら、フラスコ温度を160℃まで低下させることによって反応を停止させ、CdZnSeコアの調製のためにさらに精製せずに使用した。
【0145】
CdZnSeコアの合成:ジメチルカドミウム1.12mmolをトリ−n−オクチルホスフィン5mLに溶解させ、1M TBP−Se 1mLと混合した。4口フラスコ内で、トリオクチルホスフィンオキシド41.38mmolおよびヘキシルホスホン酸4mmolを装填して、120℃にて1時間にわたって乾燥および脱気した。脱気後、窒素下でオキシド/酸を160℃まで加熱して、ZnSeコア成長溶液8mlを160℃にてフラスコ内に移し、20分の間にシリンジポンプによってCd/Se溶液のをただちに添加した。次に反応混合物を150℃にて16から20時間加熱しながら、ナノ結晶の成長を監視するために溶液の分割量を定期的に取り出した。いったんナノ結晶の発光ピークが500nmに達したら、混合物を室温まで冷却することによって反応を停止させた。メタノールおよびn−ブタノールの2:1混合物を添加することによって、窒素雰囲気下のグローブボックス内の成長溶液からCdZnSeコアが沈殿した。単離されたコアを次にヘキサンに溶解させて、コア−シェル材料を作製するために使用した。
【0146】
CdZnSe/CdZnSコア−シェルナノ結晶の合成:トリオクチルホスフィンオキシド25.86mmolおよびベンジルホスホン酸2.4mmolを4口フラスコ中に装填した。混合物を次に、120℃まで1時間加熱することによって反応容器内で乾燥および脱気した。フラスコを次に75℃まで冷却して、単離したCdZnSeコアを含有するヘキサン溶液(0.1mmol Cd含有量)を反応混合物に添加した。ヘキサンを減圧下で除去した。ジメチルカドミウム、ジエチル亜鉛、およびヘキサメチルジシラチアンをCd、Zn、およびS前駆物質としてそれぞれ使用した。CdおよびZnを等モル比で混合したが、SはCdおよびZnに対して2倍過剰量であった。Cd/ZnおよびSサンプルをそれぞれ、窒素雰囲気下のグローブボックス内でトリオクチルホスフィン4mLに溶解させた。いったん前駆物質溶液を調製したら、反応フラスコを窒素下で150℃まで加熱した。前駆物質溶液を、シリンジポンプを使用して150℃にて2時間で滴加した。シェル成長後に、ナノ結晶を窒素雰囲気下のグローブボックスに移して、メタノールおよびイソプロパノールの3:1混合物を添加することによって成長溶液から沈殿させた。単離したコア−シェルナノ結晶を次にヘキサンに溶解させて、半導体ナノ結晶複合材料を作製するために使用した。
【0147】
(実施例1−C)
赤色光を放出可能である半導体ナノ結晶の調製
CdSeコアの合成:カドミウムアセテート1mmolを20mLバイアル内で100℃のトリ−n−オクチルホスフィン8.96mmolに溶解させ、次に1時間にわたって乾燥および脱気した。トリオクチルホスフィンオキシド15.5mmolおよびオクタデシルホスフィン酸2mmolを3口フラスコに添加して、140℃にて1時間乾燥および脱気した。脱気後、Cd溶液をオキシド/酸フラスコに添加して、混合物を窒素下で270℃まで加熱した。いったん温度が270℃に達したら、トリ−n−ブチルホスフィン8mmolをフラスコに注入した。温度を270℃に戻して、1.5M TBP−Se 1.1mLを次に迅速に注入した。次に反応混合物を270℃にて15から30分間加熱しながら、ナノ結晶の成長を監視するために溶液の分割量を定期的に取り出した。いったんナノ結晶の第1の吸収ピークが565から575nmに達したら、混合物を室温まで冷却することによって反応を停止させた。メタノールおよびイソプロパノールの3:1混合物を添加することによって、窒素雰囲気下のグローブボックス内の成長溶液からCdSeコアが沈殿した。単離したコアを次にヘキサンに溶解させて、コア−シェル材料を作製するために使用した。
【0148】
CdSe/CdZnSコア−シェルナノ結晶の合成:トリオクチルホスフィンオキシド25.86mmolおよびオクタデシルホスホン酸2.4mmolを4口フラスコ中に装填した。混合物を次に、120℃まで1時間加熱することによって反応容器内で乾燥および脱気した。フラスコを次に75℃まで冷却して、単離したCdSeコアを含有するヘキサン溶液(0.1mmol Cd含有量)を反応混合物に添加した。ヘキサンを減圧下で除去した。ジメチルカドミウム、ジエチル亜鉛、およびヘキサメチルジシラチアンをCd、Zn、およびS前駆物質としてそれぞれ使用した。CdおよびZnを等モル比で混合したが、SはCdおよびZnに対して2倍過剰量であった。Cd/ZnおよびSサンプルをそれぞれ、窒素雰囲気下のグローブボックス内でトリオクチルホスフィン4mLに溶解させた。いったん前駆物質溶液を調製したら、反応フラスコを窒素下で155℃まで加熱した。前駆物質溶液を、シリンジポンプを使用して155℃にて2時間で滴加した。シェル成長後に、ナノ結晶を窒素雰囲気下のグローブボックスに移して、メタノールおよびイソプロパノールの3:1混合物を添加することによって成長溶液から沈殿させた。単離したコア−シェルナノ結晶を次にトルエンに溶解させて、量子ドット複合材料を作製するために使用した。
【0149】
(実施例2)
TOPOを溶媒として用いてオーバーコーティング手順を実施するのに、アミン種のフッ素化誘導体を脂肪族ホスホン酸であるヘキシルホスホン酸と共に使用した(図6を参照)。反応後に、これらの半導体ナノ結晶はヘキサン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレンなどのこれまでの有機溶媒にはもはや溶解しなかった。しかし、サンプルはペルフルオロへキサン、ペルフルオロトルエン、およびフルオリネルト(FC−77)などのフッ素化溶媒には溶解性であった。フッ素化のレベルは、合成でフッ素化アミンをフッ素化ホスホン酸誘導体および/またはフッ素化TOPO等価物と共に使用することによって上昇させることができる。
【0150】
半導体ナノ結晶の表面をフッ素化することは、多種多様の用途で材料の被着を容易にすることができる。フッ素化半導体ナノ結晶は、フッ素化溶媒が有機輸送材料を溶媒和することができないため、有機薄膜に直接スピンキャストすることが成功している。
【0151】
(実施例3)
TOPOを溶媒として用いてオーバーコーティング手順を実施するのに、末端ヒドロキシル基によって官能化されたアミン種をヘキシルホスホン酸によって実施した(図7を参照)。反応の後、サンプルはヘキサンまたはトルエンに不溶性であったが、メタノールおよびイソプロパノールなどの極性溶媒に溶解性であった。再び、半導体結晶表面の極性は、末端ヒドロキシル基を持つアルキルもしくはアリールホスホン酸および/または末端ヒドロキシル基を持つアルキルもしくはアリールホスフィンオキシドを使用することによって上昇させることができる。
【0152】
(実施例4)
赤色光を放出可能である半導体ナノ結晶の調製
CdSeコアの合成:カドミウムアセテート1mmolを20mLバイアル内で100℃のトリ−n−オクチルホスフィン8.96mmolに溶解させ、次に1時間にわたって乾燥および脱気した。トリオクチルホスフィンオキシド15.5mmolおよびオクタデシルホスフィン酸2mmolを3口フラスコに添加して、140℃にて1時間乾燥および脱気した。脱気後、Cd溶液をオキシド/酸フラスコに添加して、混合物を窒素下で270℃まで加熱した。いったん温度が270℃に達したら、トリ−n−ブチルホスフィン8mmolをフラスコに注入した。温度を270℃に戻して、1.5M TBP−Se 1.1mLを次に迅速に注入した。次に反応混合物を270℃にて15から30分間加熱しながら、ナノ結晶の成長を監視するために溶液の分割量を定期的に取り出した。いったんナノ結晶の第1の吸収ピークが565から575nmに達したら、混合物を室温まで冷却することによって反応を停止させた。メタノールおよびイソプロパノールの3:1混合物を添加することによって、窒素雰囲気下のグローブボックス内の成長溶液からCdSeコアが沈殿した。単離したコアを次にヘキサンに溶解させて、コア−シェル材料を作製するために使用した。
【0153】
CdSe/CdZnSコア−シェルナノ結晶の合成:トリオクチルホスフィンオキシド25.86mmolおよびオクタデシルホスホン酸2.4mmolを4口フラスコ中に装填した。混合物を次に、120℃まで1時間加熱することによって反応容器内で乾燥および脱気した。フラスコを次に75℃まで冷却して、単離したCdSeコアを含有するヘキサン溶液(0.1mmol Cd含有量)を反応混合物に添加した。ヘキサンを減圧下で除去して、次に6−アミノ−1−ヘキサノール2.4mmolを反応混合物に添加した。ジメチルカドミウム、ジエチル亜鉛、およびヘキサメチルジシラチアンをCd、Zn、およびS前駆物質としてそれぞれ使用した。CdおよびZnを等モル比で混合したが、SはCdおよびZnに対して2倍過剰量であった。Cd/ZnおよびSサンプルをそれぞれ、窒素雰囲気下のグローブボックス内でトリオクチルホスフィン4mLに溶解させた。いったん前駆物質溶液を調製したら、反応フラスコを窒素下で155℃まで加熱した。前駆物質溶液を、シリンジポンプを使用して155℃にて2時間で滴加した。シェル成長後に、ナノ結晶を窒素雰囲気下のグローブボックスに移して、メタノールおよびイソプロパノールの3:1混合物を添加することによって成長溶液から沈殿させた。単離したコア−シェルナノ結晶を次にヘキサンに溶解させた。
【0154】
半導体ナノ結晶を含む層の調製
ヘキサンに分散した、上述の実施例の1つによって実質的に調製した半導体ナノ結晶を含むサンプルを使用して下の表1に示す膜を調製する(サンプルは、ヘキサン10から15mlに分散させた固体約40mgに通常は相当する。)。室温にて真空下で、ヘキサンをドットから除去した。過剰に乾燥させない、または溶媒を完全に除去しないように注意する。市販の低粘度反応性希釈剤RD−12 0.5ml(Radcure Corpより,9 Audrey Pl,Fairfield,NJ 07004−3401.United States)を磁気的に撹拌しながら半導体ナノ結晶に添加した。半導体ナノ結晶を反応性希釈剤に事前に溶解させた後に、市販のUV硬化性アクリル調合物DR−150 2ml(Radcureより)を激しく撹拌しながら滴加した。粘度を低下させて撹拌を補助するために、混合バイアルを時々加熱した。添加が完了した後、真空を引いて同伴空気を除去した。バイアルを次に1時間から一晩、超音波浴(VWR)に置くと、透明有色溶液が得られた。サンプルが超音波浴にある間に40℃超の温度を避けるために注意する。
【0155】
UV硬化性アクリル中の同じ色の半導体ナノ結晶の複数のバッチを共に混合した。下のサンプルでは、表1に示す赤色バッチ3個を共に添加した;および表1に示す緑色バッチ4個を共に添加した。
【0156】
サンプルを予め洗浄したガラススライド上でMayerロッドによってコーティングして、H電球を備えたDYMAX Corporation systemによる5000−EC UV光硬化フラッドランプ(225mW/cm)で10秒間硬化させた。
【0157】
所望の厚さを達成するために複数の層を含むサンプルを層間で硬化させた。半導体ナノ結晶/マトリックス層の上(または下)にフィルタを含むサンプルは、独立したステップでMayerロッドによってコーティングされたフィルタを有する。フィルタは、Coates/Sun ChemicalからのUV硬化性顔料インク調合物をブレンドすることによって作製した。フィルタ組成物は、所望の透過特徴を達成するために個々の色の重み付けされた吸収を共に加えることによって調合する。
【0158】
【表1】

【0159】
芳香族表面官能基を持つ半導体ナノ結晶を合成するための他の変形の例は、以下を含む。オーバーコーティングプロセスは、脂肪族基を持つ任意のリガンドの非存在下で実施できる。言い換えれば、手順はトリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)またはトリオクチルホスフィン(TOP)なしで実施可能であり、代わりに非配位溶媒(例えばスクアラン)を使用できる。このプロセスで作製した半導体ナノ結晶の溶解度を維持する目的で、リガンド種(イ半導体内ナノ結晶および半導体間ナノ結晶の両方)の結晶化または秩序化充填を分裂させて、半導体結晶を各種の溶媒系に分散させるために、複数の別個の芳香族ホスホン酸種および/または複数の別個の芳香族アミン種を反応に含めることができる。または分枝ホスホン酸および/または分枝アミンをこの目的で使用できる。
【0160】
(実施例5)
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸を用いた赤色光を発光できる半導体ナノ結晶の調製
CdSeコアの合成:カドミウムアセテート1mmolを20mLバイアル内で100℃のトリ−n−オクチルホスフィン8.96mmolに溶解させ、次に1時間乾燥および脱気した。トリオクチルホスフィンオキシド15.5mmolおよびオクタデシルホスフィン酸2mmolを3口フラスコに添加して、140℃にて乾燥および1時間脱気した。脱気後、Cd溶液をオキシド/酸フラスコに添加して、混合物を窒素下で270℃まで加熱した。いったん温度が270℃に達したら、トリ−n−ブチルホスフィン8mmolをフラスコに注入した。温度を270℃に戻して、1.5M TBP−Se 1.1mLを次に迅速に注入した。次に反応混合物を270℃にて15から30分間加熱しながら、ナノ結晶の成長を監視するために溶液の分割量を定期的に取り出した。いったんナノ結晶の第1の吸収ピークが565から575nmに達したら、混合物を室温まで冷却することによって反応を停止させた。メタノールおよびイソプロパノールの3:1混合物を添加することによって、窒素雰囲気下のグローブボックス内の成長溶液からCdSeコアが沈殿した。単離したコアを次にヘキサンに溶解させて、コア−シェル材料を作製するために使用した。
【0161】
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸の調製
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸は、PCI Synthesis,9 Opportunity Way,Newburyport,Massachusetts 01950より入手した。
【0162】
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸の調製は、以下の合成手法を利用した。
【0163】
【化16】

【0164】
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸は、以下によって特徴付けることができる。
【0165】
融点:199から200℃[文献:200℃;参考文献:J.D.Spivack,FR1555941(1969)]IR:3614cm−1、3593cm−1(weak,O−H stretching)。
【0166】
H−NMR(CDOD):δ7.10(d,aromatic,2H,JP−H=2.6Hz),5.01(s,exchanged HOD),2.99(d,−CH,2H,JP−H=21.2Hz),1.41(s,−CH,18H).
【0167】
13C−NMR(CDOD):δ152.9(aromatic),137.9(aromatic),126.2(aromatic),123.5(aromatic),34.41(d,−CH,35.75,33.07,JP−C=537.2Hz),34.35(−C(CH),29.7(−C(CH).
31P−NMR(CDOD):δ26.8
【0168】
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸の調製に含まれる上に示した合成前駆体は、以下によって特徴付けることができる。
【0169】
ジエチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート
融点:119から120℃(文献:118から119℃;参考文献:R.K.Ismagilov,Zhur.Obshchei Khimii,1991,61,387)。
【0170】
IR:3451cm−1(weak,−OH,stretching),2953(weak,−CH,C−H stretching).
【0171】
H−NMR(CDCl):δ7.066(d,Ar−H,2H,JP−H=2.8Hz),5.145(s,1H,−OH),4.06−3.92(m,−CHCH,4H,H−H and long−range P−H couplings),3.057(d,Ar−CH,2H,JP−H=21.0Hz),1.412(s,−C(CH,18H),1.222(t,−CHCH,6H).
【0172】
13C−NMR(CDCl):δ153.98(aromatic),136.22(aromatic),126.61(aromatic),122.07(aromatic),62.14(−OCHCH,JP−C=24.4Hz),33.63(Ar−CH,JP−C=552.4Hz),34.53[−C(CH],30.54[−C(CH],16.66(−CHCH,JP−c=24.4Hz).
【0173】
31P−NMR(CDCl):δ28.43.
【0174】
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルブロミド
融点:51−54℃(文献:52から54℃;参考文献:J.D.McClure,J.Org.Chem.,1962,27,2365)
【0175】
IR:3616cm−1(medium,O−H stretching),2954cm−1(weak,alkyl C−H stretching).
【0176】
H−NMR(CDCl):δ7.20(s,Ar−H,2H),5.31(s,−OH),4.51(s,−CH,2H),1.44{s,[−C(CH],18H}.
【0177】
13C−NMR(CDCl):δ154.3(aromatic),136.5(aromatic),128.7(aromatic),126.3(aromatic),35.8[(−C(CH],34.6(−CH),30.5[−C(CH].
【0178】
関連分野の当業者に公知または関連分野の当業者がただちに確認できる他の合成手法は、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒロドキシベンジルホスホン酸を調製するのに使用できる。
【0179】
CdSe/CdZnSコア−シェルナノ結晶の合成
トリオクチルホスフィンオキシド25.86mmolおよび3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸2.4mmolを4口フラスコ中に装填した。混合物を次に、120℃まで約1時間加熱することによって反応容器内で乾燥および脱気した。フラスコを次に75℃まで冷却して、単離したCdSeコアを含有するヘキサン溶液(0.1mmol Cd含有量)を反応混合物に添加した。ヘキサンを減圧下で除去した。ジメチルカドミウム、ジエチル亜鉛、およびヘキサメチルジシラチアンをCd、Zn、およびS前駆体としてそれぞれ使用した。CdおよびZnを等モル比で混合したが、SはCdおよびZnに対して2倍過剰量であった。Cd/ZnおよびSサンプルをそれぞれ、窒素雰囲気下のグローブボックス内でトリオクチルホスフィン4mLに溶解させた。いったん前駆体溶液を調製したら、反応フラスコを窒素下で155℃まで加熱した。前駆体溶液を、シリンジポンプを使用して155℃にて2時間で滴加した。シェル成長後に、ナノ結晶を窒素雰囲気下のグローブボックスに移して、メタノールおよびイソプロパノールの3:1混合物を添加することによって成長溶液から沈殿させた。単離したコア−シェルナノ結晶を次にクロロホルムに溶解させて、半導体ナノ結晶複合材料を作製するのに使用した。
【0180】
表2では、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸リガンド基をBHTと呼ぶ。
【0181】
半導体ナノ結晶を含む層の調製
下の表2に示した膜は、実施例5に記載した合成に実質的に従って調製した半導体ナノ結晶を含むサンプルを使用して調製する。バルククロロホルムは、窒素パージを用いてナノ結晶サンプルから除去する。残留クロロホルムは、真空下、室温にて半導体ナノ結晶から除去する。過剰に乾燥させない、または溶媒を完全に除去しないように注意する。
【0182】
Radcure Corp,9 Audrey Pl,Fairfield,NJ 07004−3401,United Statesより市販されている低粘度反応性希釈剤であるRD−12 37mlを真空下で半導体ナノ結晶4.68グラムに添加する。次に容器に窒素を再充填して、混合物をボルテックスミキサーで混合する。半導体ナノ結晶を反応性希釈剤に事前に溶解させた後に、Radcureより市販されているUV硬化性アクリル調合物DR−150 156mlを真空下でゆっくり添加する。次に容器に窒素を再充填して、混合物をボルテックスミキサーで混合する。
【0183】
TiO2 2.00グラム(指示されている場合)を次に添加して、混合物をホモジナイザで混合する。
【0184】
硬化剤Escacure TPO 12.00グラムを添加して、その後、混合物をホモジナイザで混合する。次に混合物を含む容器を黒色テープで包んで、流体を光から遮蔽する。
【0185】
次に容器に窒素を再充填して、少なくとも約3時間音波処理する。サンプルが超音波浴にある間に40℃超の温度を避けるように注意する。
【0186】
サンプルを予め洗浄したガラススライド上でMayerロッドによってコーティングして、H電球を備えたDYMAX Corporation systemによる5000−EC UV光硬化フラッドランプ(225mW/cm)で10秒間硬化させる。
【0187】
サンプルを評価するために取り出して、ガラススライド上で52ロッドによってコートして、10秒間硬化させる。
【0188】
厚さ=72μm
λm=633.1nm FWHM=36nm
%EQE=50.0% %A450nm=82.6%
【0189】
粘度を低下させて撹拌を補助するために、混合バイアルを時々加熱する。添加が完了した後、真空を引いて同伴空気を除去する。バイアルを次に1時間から一晩超音波浴(VWR)に置くと、透明有色溶液が得られる。サンプルが超音波浴にある間に40℃超の温度を避けるように注意する。
【0190】
同じ色の半導体ナノ結晶の複数のバッチを共に混合する。アクリル調製物を作製する前に。サンプルを予め洗浄したガラススライド上でMayerロッドによってコーティングして、H電球を備えたDYMAX Corporation systemによる5000−EC UV光硬化フラッドランプ(225mW/cm)で10秒間硬化させる。
【0191】
所望の厚さを達成するために複数の層を含むサンプルを層間で硬化させる。ホスト材料および量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む層の上(または下)にフィルタを含むサンプルは、独立したステップでMayerロッドによってコーティングされたフィルタを有する。
【0192】
フィルタは、Coates/Sun ChemicalからのUV硬化性顔料インク調合物をブレンドすることによって作製する(例はDXT−1935およびWTN99を含むが、これに限定されない。)。フィルタ組成物は、所望の透過特徴を達成するために個々の色の重み付けされた吸収を加えることによって調合する。
【0193】
【表2】

【0194】
膜のキャラクタリゼーション
膜は以下の方法でキャラクタリゼーションした。
【0195】
厚さ:マイクロメータによって測定
発光測定は、Cary Eclipseで各種類のサンプル1で測定。450nmでの励起、2.5nm励起スリット、5nm発光スリット。
【0196】
吸収は、Cary 5000で各種類のサンプル1を450nmにて測定。ガラススライドをブランクするためにベースラインを補正。
【0197】
CIE座標は、CS−200クロマメータを使用して各種類のサンプル1で測定。サンプルを450nm LEDによって励起し、カメラは軸外の色データを収集。
【0198】
外部フォトルミネセンス(PL)量子効率は、Melloら(1)によって開発された方法を使用して測定する。該方法は、平行450nm LED源、積分球および分光計を使用する。3回の測定値を得る。最初にLEDは、図8のL1と標識されたスペクトルを与える積分球を直接照明する。次に、拡散LED光のみがサンプルを照明して、図8に示した(L2+P2)スペクトルを与えるように、PLサンプルを積分球中に置く。最後に、LEDがサンプルを直接照明して(単に非垂直入射)、図8に示した(L3+P3)スペクトルを与えるように、PLサンプルを積分球中に置く。データを収集した後、各スペクトルの寄与(LおよびP)を計算する。L1、L2およびL3は、各測定でのLEDスペクトルの和に相当し、P2およびP3は2回目および3回目の測定でのPLスペクトルに関連する和である。次に以下の式は、外部PL量子効率を与える。
【0199】
EQE=[(P3・L2)マイナス(P2・L3)]/(L1・(L2マイナスL3))
EQE測定に関するさらなる情報については、参照により本明細書に組み入れられているMello et al.,Advanced Materials 9(3):230(1997)を参照。
【0200】
ある実施形態において、半導体ナノ結晶は被着前に精製される。
【0201】
ある実施形態において、所望のリガンドは、ホスホン酸誘導体、アミン誘導体、または両方に所望の官能基を組込むことによって半導体ナノ結晶に結合することができる。以下は、所望のホスホン酸誘導体を産生するための一般合成手順の図の非制限的な例である。
【0202】
【化17】

【0203】
a)NaH、THF、NaIおよび1。
【0204】
b)1.TMSBr、CHCl 2.HO。
【0205】
ホスホン酸誘導体を産生するためのより一般的な合成手順については、The Chemistry of Qrganophosphorus Compounds.Volume 4:Ter− and Quinque−Valent Phosphorus Acids and Their Derivatives,Frank R.Hartley(Editor),April 1996も参照。
【0206】
あるさらなる実施形態において、所望のリガンドは、ホスホン酸誘導体、アミン誘導体、または両方に所望の官能基を組込むことによって半導体ナノ結晶に結合することができる。以下は、所望のアミン誘導体を産生するための一般合成手順の図の非制限的な例である。
【0207】
【化18】

【0208】
(実施例6)
未変性リガンドを用いて調製した半導体ナノ結晶とキャップ交換リガンドを用いた半導体ナノ結晶との比較
【0209】
(実施例6A)
未変性リガンドを含む、赤色光を発光可能である半導体ナノ結晶の調製
CdSeコアの合成:カドミウムアセテート1mmolを20mLバイアル内で100℃のトリ−n−オクチルホスフィン8.96mmolに溶解させ、次に1時間乾燥および脱気した。トリオクチルホスフィンオキシド15.5mmolおよびオクタデシルホスフィン酸2mmolを3口フラスコに添加して、140℃にて1時間乾燥および脱気した。脱気後、Cd溶液をオキシド/酸フラスコに添加して、混合物を窒素下で270℃まで加熱した。いったん温度が270℃に達したら、トリ−n−ブチルホスフィン8mmolをフラスコに注入した。温度を270℃に戻して、1.5M TBP−Se 1.1mLを次に迅速に注入した。次に反応混合物を270℃にて15から30分間加熱しながら、ナノ結晶の成長を監視するために溶液の分割量を定期的に取り出した。いったんナノ結晶の第1の吸収ピークが565から575nmに達したら、混合物を室温まで冷却することによって反応を停止させた。メタノールおよびイソプロパノールの3:1混合物を添加することによって、窒素雰囲気下のグローブボックス内の成長溶液からCdSeコアが沈殿した。単離したコアを次にヘキサンに溶解させて、コア−シェル材料を作製するために使用した。
【0210】
CdSe/CdZnSコア−シェルナノ結晶の合成:トリオクチルホスフィンオキシド25.86mmolおよびオクタデシルホスホン酸2.4mmolを4口フラスコ中に装填した。混合物を次に、120℃まで約1時間加熱することによって反応容器内で乾燥および脱気した。フラスコを次に75℃まで冷却して、単離したCdSeコアを含有するヘキサン溶液(0.1mmol Cd含有量)を反応混合物に添加した。ヘキサンを減圧下で除去して、次に6−アミノ−1−ヘキサノール2.4mmolを反応混合物に添加した。ジメチルカドミウム、ジエチル亜鉛、およびヘキサメチルジシラチアンをCd、Zn、およびS前駆体としてそれぞれ使用した。CdおよびZnを等モル比で混合したが、SはCdおよびZnに対して2倍過剰量であった。Cd/ZnおよびSサンプルをそれぞれ、窒素雰囲気下のグローブボックス内でトリオクチルホスフィン4mLに溶解させた。いったん前駆体溶液を調製したら、反応フラスコを窒素下で155℃まで加熱した。前駆体溶液を、シリンジポンプを使用して155℃にて2時間で滴加した。シェル成長後に、ナノ結晶を窒素雰囲気下のグローブボックスに移して、メタノールおよびイソプロパノールの3:1混合物を添加することによって成長溶液から沈殿させた。単離したコア−シェルナノ結晶を次にヘキサンに溶解させて、この溶液状態量子収率を評価した(QY〜80%)。
【0211】
(実施例6B)
赤色光を発光可能であるキャップ交換半導体ナノ結晶の調製
CdSeコアの合成:カドミウムアセテート1mmolを20mLバイアル内で100℃のトリ−n−オクチルホスフィン8.96mmolに溶解させ、次に1時間乾燥および脱気した。トリオクチルホスフィンオキシド15.5mmolおよびオクタデシルホスフィン酸2mmolを3口フラスコに添加して、140℃にて1時間乾燥および脱気した。脱気後、Cd溶液をオキシド/酸フラスコに添加して、混合物を窒素下で270℃まで加熱した。いったん温度が270℃に達したら、トリ−n−ブチルホスフィン8mmolをフラスコに注入した。温度を270℃に戻して、1.5M TBP−Se 1.1mLを次に迅速に注入した。次に反応混合物を270℃にて15から30分間加熱しながら、ナノ結晶の成長を監視するために溶液の分割量を定期的に取り出した。いったんナノ結晶の第1の吸収ピークが565から575nmに達したら、混合物を室温まで冷却することによって反応を停止させた。メタノールおよびイソプロパノールの3:1混合物を添加することによって、窒素雰囲気下のグローブボックス内の成長溶液からCdSeコアが沈殿した。単離したコアを次にヘキサンに溶解させて、コア−シェル材料を作製するために使用した。
【0212】
CdSe/CdZnSコア−シェルナノ結晶の合成:トリオクチルホスフィンオキシド25.86mmolおよびオクタデシルホスホン酸2.4mmolを4口フラスコ中に装填した。混合物を次に、120℃まで約1時間加熱することによって反応容器内で乾燥および脱気した。フラスコを次に75℃まで冷却して、単離したCdSeコアを含有するヘキサン溶液(0.1mmol Cd含有量)を反応混合物に添加した。ヘキサンを減圧下で除去して、次にデシルアミン2.4mmolを反応混合物に添加した。ジメチルカドミウム、ジエチル亜鉛、およびヘキサメチルジシラチアンをCd、Zn、およびS前駆体としてそれぞれ使用した。CdおよびZnを等モル比で混合したが、SはCdおよびZnに対して2倍過剰量であった。Cd/ZnおよびSサンプルをそれぞれ、窒素雰囲気下のグローブボックス内でトリオクチルホスフィン4mLに溶解させた。いったん前駆体溶液を調製したら、反応フラスコを窒素下で155℃まで加熱した。前駆体溶液を、シリンジポンプを使用して155℃にて2時間で滴加した。シェル成長後に、ナノ結晶を窒素雰囲気下のグローブボックスに移して、メタノールおよびイソプロパノールの3:1混合物を添加することによって成長溶液から沈殿させた。単離したコア−シェルナノ結晶を次にヘキサンに溶解させて、キャップ交換反応に使用した(QY〜80%)。
【0213】
CdSe/CdZnSコア−シェルナノ結晶でのキャップ交換反応(1):トルエン10mLおよび6−アミノ−1−ヘキサノール42.6mmolを4口フラスコに中に装填した。フラスコを真空にして、窒素を3回再充填した。フラスコを次に40℃まで加熱して、単離したCdSe/CdZnSコア/シェルを含有するヘキサン溶液(1prep)を反応混合物に添加した。混合物を40℃にて一晩加熱した。最後に、ヘキサンを添加することによって、キャップ交換半導体ナノ結晶を成長溶液から析出させた。単離したコア−シェルナノ結晶を次に3:1メタノールおよびイソプロパノール混合物に溶解させて、この溶液状態量子収率を評価した(QY〜15%)。
【0214】
CdSe/CdZnSコア−シェルナノ結晶でのキャップ交換反応(2):トリオクチルホスフィンオキシド25.86mmol、オクタデシルホスホン酸2.4mmol、および6−アミノ−1−ヘキサノール2.4mmolを4口フラスコ中に装填した。混合物を次に、120℃まで約1時間加熱することによって反応容器内で乾燥および脱気した。フラスコを次に40℃まで冷却して、単離したCdSe/CdZnSコア/シェルを含有するヘキサン溶液(1prep)を反応混合物に添加した。混合物を40℃にて一晩加熱した。最後に、メタノールおよびイソプロパノールの3:1混合物を添加することによって、キャップ交換半導体ナノ結晶を成長溶液から析出させた。単離したコア−シェルナノ結晶を次にヘキサンに溶解させて、この溶液状態量子収率を評価した(QY〜19%)。
【0215】
ナノ粒子は、これに限定されるわけではないが、球、ロッド、円板、他の形状、および各種の形状の粒子の混合物を含む、各種の形状を有することができる。
【0216】
金属ナノ粒子は、例えば、参照によりこの全体が組み入れられている、米国特許番号6,054,495に記載されているように調製できる。金属ナノ粒子は、貴金属ナノ粒子、例えば金ナノ粒子であり得る。金ナノ粒子は、参照によりこの全体が組み入れられている、米国特許番号6,506,564に記載されているように調製できる。セラミックナノ粒子は、例えば、参照によりこの全体が組み入れられている、米国特許番号6,139,585に記載されているように調製できる。
【0217】
高い蛍光効率を持つ狭いサイズ分布の高品質半導体ナノ結晶を、先に確立された文献の手順を使用して調製して構成要素として使用することができる。C.B.Murray et al.,J.Amer.Chem.Soc.1993,115,8706,B.O.Dabbousi et al.,J.Phys.Chem.B 1997,101,9463を参照、このそれぞれは参照によりこの全体が組み入れられている。当業者によって公知のまたはただちに確認できる他の方法も使用できる。
【0218】
ある実施形態において、ナノ粒子は化学的に合成されたコロイド状ナノ粒子(ナノ粒子)、例えば半導体ナノ結晶または量子ドットを含む。ある好ましい実施形態において、ナノ粒子(例えば半導体ナノ結晶)は、約1から約10nmの範囲の直径を有する。ある実施形態において、ナノ粒子の少なくとも一部、および好ましくはナノ粒子のすべてはナノ粒子の表面に結合された1つ以上のリガンドを含む。この全体が組み入れられている、C.B.Murray et al.,Annu.Rev.Mat.Sci,30,545−610(2000)を参照。これらの0次元構造物は、ナノ結晶のサイズによって調整できる電子および光学特性を備えた複合ヘテロ構造物を生成するためのボトムアップ化学手法を設計するのに利用可能であり得る、強い量子閉じ込め効果を示す。
【0219】
半導体ナノ結晶からの発光は、1つ以上のナノ結晶が励起されているときの発光波長にて発生することができる。発光は、量子閉じ込め半導体材料のバンドギャップに相当する周波数を有する。バンドギャップはナノ結晶のサイズの関数である。小径を有するナノ結晶は、物質の分子形とバルク形との間の中間の特性を有することができる。例えば、小径を有する半導体材料に基づくナノ結晶は、3つの次元すべてにおける電子およびホールの両方の量子閉じ込めを示すことが可能であり、この量子閉じ込めは、微結晶サイズが減少している材料の有効バンドギャップの増加をもたらす。結果として、ナノ結晶の光学的吸収および発光は、微結晶のサイズが減少するにつれて、青色(即ちより高いエネルギー)へ移動する。
【0220】
ナノ結晶からの発光は、スペクトルの紫外、可視、または赤外領域の完全な波長範囲を通じて、ナノ結晶のサイズ、ナノ結晶の組成、または両方を変化させることによって調整することができる狭いガウス型発光帯であり得る。ナノ結晶の集合の狭いサイズ分布は、狭いスペクトル範囲での発光を生じることができる。集合は単分散であり、ナノ結晶の直径の15% rms未満の、好ましくは10%未満の、さらに好ましくは5%未満の標準偏差を示すことができる。約75nm、好ましくは60nm、さらに好ましくは40nm、最も好ましくは30nm半値全幅(FWHM)を超えない狭い範囲のスペクトル発光を観察することができる。発光の幅は、ナノ結晶の直径の分散が縮小するにつれ減少する。
【0221】
半導体ナノ結晶は、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、または80%を超えるような高い放出量子効率を有することができる。ナノ結晶を形成する半導体は、第IV族元素、第II−VI族化合物、第II−V族化合物、第III−VI族化合物、第III−V族化合物、第IV−VI族化合物、第I−III−VI族化合物、第II−IV−VI族化合物、または第II−IV−V族化合物、例えばZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、GaSe、InN、InP、InAs、InSb、TlN、TlP、TlAs、TlSb、Pbs、PbSe、PbTe、またはこの混合物を含み得る。
【0222】
単分散半導体ナノ結晶を調製する方法の例は、高温の配位溶媒中に注入されたジメチルカドミウムなどの有機金属試薬の熱分解を含む。この熱分解は、独立した核形成を可能にして、巨視的な量のナノ結晶の成長制御を引き起こす。ナノ結晶の調製および操作は、例えば、参照によりこの全体が本明細書に組み入れられている、米国特許6,322,901に記載されている。ナノ結晶のこのような製造方法は、コロイド成長プロセスを含む。コロイド成長は、MドナーおよびXドナーを高温の配位溶媒中への迅速な注入によって起きる。注入は、ナノ結晶を形成するために制御された方法で成長可能である核を生成する。反応混合物は、ナノ結晶を成長およびアニーリングするために穏やかに加熱することができる。サンプル中のナノ結晶の平均サイズおよび平均分布のどちらも成長温度に依存する。安定した成長を維持するのに必要な成長温度は、平均結晶サイズの増大と共に上昇する。ナノ結晶は、ナノ結晶の集合のメンバである。独立した核形成および成長制御の結果として、得られたナノ結晶の集合は直径の狭い単分散分布を有する。直径の単分散分布はサイズとも呼ぶことができる。配位溶媒中でのナノ結晶の成長制御およびアニーリングのプロセスと、続いての核形成によっても、均質な表面誘導体化および規則的なコア構造物を生じさせることができる。サイズ分布が鮮明になると、安定した成長を維持するために温度を上昇させることが可能になる。MドナーまたはXドナーをさらに添加することによって、成長期間を短縮することができる。
【0223】
Mドナーは無機化合物、有機金属化合物、または元素金属であり得る。例えば、Mは、カドミウム、亜鉛、マグネシウム、水銀、アルミニウム、ガリウム、インジウムまたはタリウムであり得る。Xドナーは、Mドナーと反応して、一般式MXを持つ材料を形成できる化合物である。通常は、Xドナーは、ホスフィンカルコゲニド、ビス(シリル)カルコゲニド、二酸素、アンモニウム塩、またはトリス(シリル)プニクチドなどのカルコゲニドドナーまたはプニクチドドナーである。好適なXドナーは、二酸素、ビス(トリメチルシリル)セレニド((TMS)Se)、(トリ−n−オクチルホスフィン)セレニド(TOPSe)または(トリ−n−ブチルホスフィン)セレニド(TBPSe)などのトリアルキルホスフィンセレニド、(トリ−n−オクチルホスフィン)テルリド(TOPTe)などのトリアルキルホスフィンテルリドまたはヘキサプロピルリントリアミドテルリド(HPPTTe)、ビス(トリメチルシリル)テルリド((TMS)Te)、ビス(トリメチルシリル)スルフィド((TMS)S)、(トリ−n−オクチルホスフィン)スルフィド(TOPS)などのトリアルキルホスフィンスルフィド、アンモニウムハライド(例えばNHCl)などのアンモニウム塩、トリス(トリメチルシリル)ホスフィド((TMS)P)、トリス(トリメチルシリル)アルセニド((TMS)As)、またはトリス(トリメチルシリル)アンチモニド((TMS)Sb)を含む。ある実施形態において、MドナーおよびXドナーは同じ分子内の分子であることができる。
【0224】
配位溶媒は、ナノ結晶の成長の制御を補助することができる。配位溶媒は、例えば成長するナノ結晶の表面に対して配位するために利用できる孤立電子対を有するドナー孤立電子対を有する化合物である。溶媒配位は、成長するナノ結晶を安定化させることができる。代表的な配位溶液は、アルキルホスフィン、アルキルホスフィンオキシド、アルキルホスホン酸、またはアルキルホスフィン酸を含むが、ピリジン、フラン、およびアミンなどの他の配位溶媒もナノ結晶の産生に好適であり得る。好適な配位溶媒の例は、ピリジン、トリ−n−オクチルホスフィン(TOP)、トリ−n−オクチルホスフィンオキシド(TOPO)およびトリスヒドロキシルプロピルホスフィン(tHPP)を含む。テクニカルグレードのTOPOが使用できる。
【0225】
ある方法において、非配位または弱配位溶媒を使用できる。
【0226】
反応の成長ステージ中のサイズ分布は、粒子の吸収線幅を監視することによって推定可能である。粒子の吸収スペクトルの変化に対応した反応温度の変更によって、成長の間の鋭い粒径分布の維持が可能となる。結晶成長中により大きい結晶を成長させるために、核形成溶液に反応物質を添加することができる。特定の平均ナノ結晶直径で成長を停止させて、半導体材料の適正な組成を選択することによって、ナノ結晶の発光スペクトルは300nmから5ミクロンの波長範囲で連続的に調整できる。
【0227】
半導体ナノ結晶は例えば、直径約1nmから約1000nmの、好ましくは約2nmから約50um、さらに好ましくは約1nmから約20nm(例えば約6、7、8、9、10、1、12、13、14、15、16、17、18、19、または20nm)の無機微結晶を含む。
【0228】
半導体ナノ結晶は通常は、150A未満の直径を有する。ナノ結晶の集合は好ましくは、15Aから125Aの範囲の平均直径を有する。
【0229】
ナノ結晶は、狭いサイズ分布を有するナノ結晶の集合のメンバであり得る。ナノ結晶は、球、ロッド、円板、または他の形状であり得る。ナノ結晶は、半導体材料のコアを含み得る。ナノ結晶は、式MXを有するコアを含むことが可能であり、式中、Mは1つ以上の金属(例えばこれに限定されるわけではないが、カドミウム、亜鉛、マグネシウム、水銀、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、またはこの混合物)を含み、Xは、第IV、V、またはVI族の1つ以上のメンバ(例えばこれに限定されるわけではないが、酸素、硫黄、セレン、テルル、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、またはこの混合物)を含む。ある実施形態において、ナノ結晶は、第II−VI族化合物、第II−V族化合物、第III−VI族化合物、第III−V族化合物、第IV−VI族化合物、第I−III−VI族化合物、第II−IV−VI族化合物、および第II−IV−V族化合物を含み得る。ある実施形態において、ナノ結晶は第IV族元素を含み得る。
【0230】
コアはコアの表面上にオーバーコーティングを有し得る。オーバーコーティングは、コアの組成とは異なる組成を有する半導体材料であり得る。ナノ結晶表面上の半導体材料のオーバーコートは、第II−VI族化合物、第II−V族化合物、第III−VI族化合物、第III−V族化合物、第IV−VI族化合物、第I−III−VI族化合物、第II−IV−VI族化合物、および第II−IV−V族化合物、例えばZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、GaSe、InN、InP、InAs、InSb、TlN、TIP、TlAs、TlSb、PbS、PbSe、PbTe、またはこの混合物を含み得る。ある実施形態において、ナノ結晶は第IV族元素を含み得る。
【0231】
例えば、ZnS、ZnSeまたはCdSオーバーコーティングは、CdSeまたはCdTeナノ結晶上に成長させることができる。オーバーコーティングプロセスは、例えば米国特許6,322,901に記載されている。オーバーコーティング中に反応混合物の温度を調節して、コアの吸収スペクトルを監視することによって、高い発光量子効率および狭いサイズ分布を有するオーバーコート材料を得ることができる。
【0232】
粒径分布は、米国特許6,322,901に記載されているように、メタノール/ブタノールなどのナノ結晶に対しての貧溶媒を用いたサイズ選択的沈殿によってさらに精製することができる。例えば、ナノ結晶は、10%ブタノールのヘキサン溶液中に分散させることができる。この撹拌溶液に、乳光が持続するまでメタノールを滴加することができる。遠心分離による上清および綿状塊の分離によって、サンプル中で最大の微結晶を多く含む沈殿が産生される。この手順は、光学吸収スペクトルのさらなる鮮鋭化が認められなくなるまで反復することができる。サイズ選択的沈殿は、ピリジン/ヘキサンおよびクロロホルム/メタノールを含む、多様な溶媒/非溶媒ペアで実施することができる。サイズ選択されたナノ結晶の集合は、平均直径から15% rmsを超えない標準偏差、好ましくは10% rms以下の標準偏差、最も好ましくは5% rms以下の標準偏差を有することができる。
【0233】
透過電子顕微鏡法(TEM)は、ナノ結晶集合のサイズ、形状、および分布に関する情報を提供できる。粉末X線回折(XRD)パターンは、ナノ結晶の結晶構造の種類および品質に関する最も完全な情報を提供できる。サイズの推定も可能であるのは、粒径X線が可干渉距離によって、ピーク幅に反比例しているためである。例えば、ナノ結晶の直径は、透過電子顕微鏡法によって直接測定できるか、または例えばシェラーの式を使用してX線回折データから推定することができる。半導体ナノ結晶の直径は、紫外/可視吸収スペクトルから推定することもできる。
【0234】
ナノ結晶の狭いFWHMは、飽和色発光を生じることができる。飽和色発光を生じることがスペクトルの赤色および青色部分においてさえ効率的なナノ結晶発酵デバイスをもたらすことが可能なのは、ナノ結晶発光デバイスでは赤外およびUV発光に対して光子が消失しないためである。単一材料系の可視スペクトル全体にわたる広範に調整可能な飽和色発光には、いずれのクラスの有機発色団も適合しない。さらに、共有結合された無機ナノ結晶の環境安定性によって、ナノ結晶が発光中心として使用されるときに、ハイブリッド有機/無機発光デバイスのデバイス寿命が全有機発光デバイスのデバイス寿命に匹敵するか、これを超えるはずであることが示唆される。ナノ結晶のバンド端エネルギーレベルの低下によって、直接電荷注入またはエネルギー移動のどちらによって発生したかにかかわらず、考えられるすべての励起子の捕獲および放射再結合が促進される。最大理論ナノ結晶発光デバイスの効率は従って、リン光有機発光デバイスの効率1に匹敵する。ナノ結晶の励起状態寿命(τ)は通常のリン光体(τ>0.5μs)よりもはるかに短く(τ〜10ns)、ナノ結晶発光デバイスが高い電流密度で効率的に動作できるようにする。
【0235】
本発明による半導体ナノ結晶は、これに限定されるわけではないが、例えば、参照によりこの全体が本明細書に組み入れられている、2007年6月4日に出願されたQD Vision,Inc et al.の「Light−Emitting Devices And Displays With Improved Performance」という名称の国際出願番号PCT/US2007/013152に記載されているものを含む、発光デバイス、ディスプレイ、ならびに他の光電子および電子デバイスで使用するための発光材料に含まれ得る。
【0236】
本発明による半導体ナノ結晶は、これに限定されるわけではないが、2007年9月12日に出願されたCoe−Sullivan,et al.の「Optical Component,System Including An Optical Component,Devices,And Composition」という名称の米国出願番号60/971885、および2007年9月19日に出願されたCoe−Sullivan,et al.の「Optical Component,System Including An Optical Component,Devices,And Composition」という名称の米国出願番号60/973644に記載されたものを含む、フォトルミネセンス用途に含まれることが可能であり、このそれぞれは参照によりこの全体が本明細書に組み入れられている。
【0237】
本発明によって有用であり得る他の材料、技法、方法、用途、および情報は、2007年12月3日に出願されたCoe−Sullivan,et alの「Improved Composites And Devices Including Nanoparticles」という名称の国際特許出願番号PCT/US2007/ 24750、および2007年9月12日に出願されたBreen,et al.の「Functionalized Semiconductor Nanocrystals And Method」という名称の米国出願番号60/971887;ならびに2007年6月25日に出願されたQD Vision,Inc.et al.の「Methods For Depositing Nanomaterial,Methods For Fabricating A Device,And Methods For Fabricating An Array Of Devices」という名称の国際出願番号PCT/US2007/014711に記載されており;上記のそれぞれは参照によりこの全体が本明細書に組み入れられている。
【0238】
本明細書で使用するように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り複数形を含む。それゆえ例えば、発光材料(an emissive material)への言及は、1つ以上のこのような材料への言及を含む。
【0239】
量、濃度、または他の値もしくはパラメータが範囲、好ましい範囲、または好ましい上限値および好ましい下限値のリストのいずれかとして与えられるとき、これは、範囲が別々に開示されているか否かにかかわらず、任意の範囲上限または好ましい上限値および任意の範囲下限または好ましい下限値の任意の対より形成されたすべての範囲を特に開示するとして理解されるものである。数値範囲が本明細書で引用されている場合、別途明示しない限り、範囲はこの終点、ならびに範囲内のすべての整数および分数を含むことを意図される。範囲を定義するときに本発明の範囲が特定の値に限定されることは意図されていない。
【0240】
本明細書で利用されている用語および表現は、限定ではなく、説明の用語として使用され、このような用語および表現の使用において、提示および説明した特徴またはこの一部の等価物を除外する意図はなく、請求された本発明の範囲内で各種の修飾態様が可能であることが認識される。さらに、本発明のいずれの実施形態のいずれの1つ以上の特徴も、本発明の範囲から逸脱せずに、本発明の他のいずれの実施形態のいずれの1つ以上の特徴と組合せることができる。本発明のさらなる実施形態も、本明細書の考慮および本明細書で開示された本発明の実施より当業者に明らかになる。本明細書および実施例が例示としてのみ考慮され、本発明の真の範囲および精神が以下の特許請求の範囲およびこの等価物によって示されることが意図されている。
【0241】
上で言及したすべての特許、特許出願、および刊行物は、あらゆる目的のために参照によりこの全体が本明細書に組み入れられている。本明細書で言及した特許、特許出願、および刊行物のいずれも、従来技術と認められない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノ粒子の表面に結合した1つ以上の化学的に別個の未変性リガンドを含むナノ粒子であって、前記リガンドの少なくとも1つが式、
X−Sp−Z
によって表され、式中、Xは、1級アミン基、2級アミン基、尿素、チオ尿素、イミジゾール基、アミド基、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;Spは、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;ならびにZは、(i)ナノ粒子に特定の化学特性を伝達可能であるのはもちろんのこと、ナノ粒子表面に特定の化学反応性を与える反応性基、ならびに/または(ii)環式、ハロゲン化、および/もしくは極性a−プロトン性である基を表し、Zはすべての場合で光への曝露時に反応するわけではない、ナノ粒子。
【請求項2】
Zが水を含む液体媒体にナノ粒子を分散可能にしない、請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項3】
反応性基が単官能性、2官能性、または多官能性試薬、および/または反応性化学基を含む、請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項4】
環式基が飽和もしくは不飽和環式もしくは2環式化合物または芳香族化合物を含む、請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項5】
環式基が少なくとも1つのヘテロ原子および/または少なくとも1つの置換基を含む、請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項6】
ハロゲン化基は、フッ素化基、過フッ素化基、塩素化基、過塩素化基、臭化基、過臭化基、ヨウ化基、過ヨウ化基を含む、請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項7】
極性a−プロトン性基がケトン、アルデヒド、アミド、尿素、ウレタン、またはイミンを含む、請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項8】
ナノ粒子が半導体材料を含む、請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項9】
ナノ粒子が半導体結晶を含む、請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項10】
ナノ粒子が第1の材料を含むコアと、コアの表面の少なくとも一部を覆って配置されたシェルであって、第2の材料を含むシェルとを含む、請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項11】
第1の材料が半導体材料を含む、請求項10に記載のナノ粒子。
【請求項12】
第2の材料が半導体材料を含む、請求項10に記載のナノ粒子。
【請求項13】
1つ以上のさらなるシェルが該シェルの表面の少なくとも一部を覆って配置される、請求項10に記載のナノ粒子。
【請求項14】
半導体ナノ粒子が第1の材料を含むコアと、コアの表面の少なくとも一部を覆って配置されたシェルであって、第2の材料を含むシェルとを含む、請求項9に記載のナノ粒子。
【請求項15】
式X−Sp−Zによって表されるリガンドがベンジルホスホン酸、ベンジル基の環に少なくとも1つの置換基を含むベンジルホスホン酸、このような酸の共役塩基、または上記の1つ以上を含む混合物を含む、請求項1または9に記載のナノ粒子。
【請求項16】
式X−Sp−Zによって表されるリガンドが3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸、該酸の共役塩基、または上記の1つ以上を含む混合物を含む、請求項1または9に記載のナノ粒子。
【請求項17】
式X−Sp−Zによって表されるリガンドが末端ヒドロキシル基を含む有機アミンまたはフッ素化有機アミンを含む、請求項1または9に記載のナノ粒子。
【請求項18】
ナノ粒子の表面に結合した2つ以上の化学的に別個の未変性リガンドを含むナノ粒子であって、前記リガンドの少なくとも1つが式、
X−Sp−Z
によって表される、請求項1または9に記載のナノ粒子。
【請求項19】
ナノ粒子が半導体材料を含む、請求項18に記載のナノ粒子。
【請求項20】
ナノ粒子が第1の材料を含むコアと、コアの表面の少なくとも一部を覆って配置されたシェルであって、第2の材料を含むシェルとを含む、請求項18に記載のナノ粒子。
【請求項21】
第1の材料が半導体材料を含む、請求項20に記載のナノ粒子。
【請求項22】
第2の材料が半導体材料を含む、請求項20に記載のナノ粒子。
【請求項23】
1つ以上のさらなるシェルが該シェルの表面の少なくとも一部を覆って配置される、請求項20に記載のナノ粒子。
【請求項24】
第1のリガンドが式、
N−Sp−Z
によって表され、
式中、Nが、1級アミン基、2級アミン基、イミジゾール基、アミド基を表し;
第2のリガンドが式、
Y−Sp−Z
によって表され、
式中、Yが、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;ならびに
式中、第1のリガンドおよび第2のリガンドのSpおよびZがそれぞれ同じであるまたは異なることが可能である、
この表面に結合した2つ以上の化学的に別個の未変性リガンドを含む、請求項1または9に記載のナノ粒子。
【請求項25】
ナノ粒子が半導体材料を含む、請求項24に記載のナノ粒子。
【請求項26】
ナノ粒子が第1の材料を含むコアと、コアの表面の少なくとも一部を覆って配置されたシェルであって、第2の材料を含むシェルとを含む、請求項24に記載のナノ粒子。
【請求項27】
第1の材料が半導体材料を含む、請求項26に記載のナノ粒子。
【請求項28】
第2の材料が半導体材料を含む、請求項26に記載のナノ粒子。
【請求項29】
1つ以上のさらなるシェルが該シェルの表面の少なくとも一部を覆って配置される、請求項26に記載のナノ粒子。
【請求項30】
1つ以上の化学的に別個のリガンドの存在下で所定の組成を有するナノ粒子を形成するための前駆体を反応させるステップを含み、リガンドの少なくとも1つが、式、
X−Sp−Z
で表され、式中、Xが、1級アミン基、2級アミン基、イミジゾール基、アミド基、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;Spが、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;ならびにZが、(i)ナノ粒子に特定の化学特性を伝達可能であるのはもちろんのこと、ナノ粒子表面に特定の化学反応性を与える反応性基、ならびに/または(ii)環式、ハロゲン化、および/もしくは極性a−プロトン性である基を表し、Zはすべての場合で光への曝露時に反応するわけではない、ナノ粒子を官能化する方法。
【請求項31】
Zが水を含む液体媒体にナノ粒子を分散可能にしない、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
所定の組成が1つ以上の金属および1つ以上のカルコゲンまたはニクトゲンを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前駆体が1つ以上の金属含有前駆体および1つ以上のカルコゲン含有またはニクトゲン含有前駆体を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
1つ以上の金属含有前駆体および1つ以上のカルコゲン含有前駆体またはニクトゲン含有前駆体が2つ以上の化学的に別個のリガンドの存在下で反応し、前記リガンドの少なくとも1つが式、
X−Sp−Z
によって表される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
反応性基が単官能性、2官能性、または多官能性試薬、および/または反応性化学基を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
環式基が飽和もしくは不飽和環式もしくは2環式化合物または芳香族化合物を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
環式基が少なくとも1つのヘテロ原子および/または少なくとも1つの置換基を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
ハロゲン化基がフッ素化基、過フッ素化基、塩素化基、過塩素化基、臭化基、過臭化基、ヨウ化基、過ヨウ化基を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項39】
極性a−プロトン性基がケトン、アルデヒド、アミド、尿素、ウレタン、またはイミンを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項40】
反応が液体媒体中で実施される、請求項30に記載の方法。
【請求項41】
液体媒体が配位溶媒を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
液体媒体が非配位溶媒を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
1つ以上の金属含有前駆体に含まれる総金属の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比が約1:0.1から約1:100の範囲にある、請求項33または40に記載の方法。
【請求項44】
1つ以上の金属含有前駆体に含まれる金属の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比が約1:1から約1:50の範囲にある、請求項33または40に記載の方法。
【請求項45】
1つ以上の金属含有前駆体に含まれる金属の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比が約1:1から約1:30の範囲にある、請求項33または40に記載の方法。
【請求項46】
液体媒体の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比が約500:1から約2:1の範囲にある、請求項40に記載の方法。
【請求項47】
液体媒体の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比が約100:1から約5:1の範囲にある、請求項40に記載の方法。
【請求項48】
液体媒体の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比が約50:1から約5:1の範囲にある、請求項40に記載の方法。
【請求項49】
ナノ粒子が半導体材料を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項50】
ナノ粒子が半導体結晶を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項51】
式X−Sp−Zによって表されるリガンドがベンジルホスホン酸、ベンジル基の環に少なくとも1つの置換基を含むベンジルホスホン酸、このような酸の1つの共役塩基、および上記の1つ以上を含む混合物を含む、請求項30または50に記載の方法。
【請求項52】
式X−Sp−Zによって表されるリガンドが3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸、該酸の共役塩基、または上記の1つ以上を含む混合物を含む、請求項30または50に記載の方法。
【請求項53】
式X−Sp−Zによって表されるリガンドが末端ヒドロキシル基を含む有機アミンまたはフッ素化有機アミンを含む、請求項30または50に記載の方法。
【請求項54】
前駆体が2つ以上の化学的に別個のリガンドの存在下で反応し、前記リガンドの少なくとも1つが式、
X−Sp−Z
によって表される、請求項30に記載の方法。
【請求項55】
ナノ粒子が半導体材料を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
ナノ粒子が半導体結晶を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前駆体が2つ以上の化学的に別個のリガンドの存在下で反応し、第1のリガンドが式、
N−Sp−Z
によって表され、
式中、Nが、1級アミン基、2級アミン基、イミジゾール基、アミド基を表し;ならびに
第2のリガンドが式、
Y−Sp−Z
によって表され、
式中、Yが、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;ならびに
式中、第1のリガンドおよび第2のリガンドのSpおよびZがそれぞれ同じまたは異なることができる、
請求項30に記載の方法。
【請求項58】
前駆体が1つ以上の金属含有前駆体および1つ以上のカルコゲン含有前駆体またはニクトゲン含有前駆体を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
1つ以上の化学的に別個のリガンドの存在下で所定の組成を有するナノ粒子を形成するための前駆体を反応させるステップを含み、リガンドの少なくとも1つが、式、
X−Sp−Z
で表され、式中、Xが、1級アミン基、2級アミン基、イミジゾール基、アミド基、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;Spが、電荷移動させることが可能な基または絶縁基などのスペーサ基を表し;ならびにZが、(i)ナノ粒子に特定の化学特性を伝達可能であるのはもちろんのこと、ナノ粒子表面に特定の化学反応性を与える反応性基、ならびに/または(ii)環式、ハロゲン化、および/もしくは極性a−プロトン性である基を表し、Zはすべての場合で光への曝露時に反応するわけではない、ナノ粒子の表面の少なくとも一部を所定の組成を有するコーティング材料によってオーバーコーティングする方法。
【請求項60】
Zが水を含む液体媒体にナノ粒子を分散可能にしない、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
ナノ粒子が半導体材料を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
ナノ粒子が半導体ナノ結晶を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
所定の組成が半導体材料を含む、請求項59に記載のナノ粒子。
【請求項64】
前駆体が1つ以上の金属含有前駆体および1つ以上のカルコゲン含有またはニクトゲン含有前駆体を含む、請求項59または62に記載の方法。
【請求項65】
反応性基が単官能性、2官能性、または多官能性試薬、および/または反応性化学基を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項66】
環式基が飽和もしくは不飽和環式もしくは2環式化合物または芳香族化合物を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項67】
環式基が少なくとも1つのヘテロ原子および/または少なくとも1つの置換基を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
ハロゲン化基がフッ素化基、過フッ素化基、塩素化基、過塩素化基、臭化基、過臭化基、ヨウ化基、過ヨウ化基を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項69】
極性a−プロトン性基がケトン、アルデヒド、アミド、尿素、ウレタン、またはイミンを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項70】
1つ以上のコーティング材料がナノ粒子の表面の少なくとも一部を覆って形成される、請求項59に記載のナノ粒子。
【請求項71】
式X−Sp−Zによって表されるリガンドがベンジルホスホン酸、ベンジル基の環に少なくとも1つの置換基を含むベンジルホスホン酸、このような酸の1つの共役塩基、および上記の1つ以上を含む混合物を含む、請求項59または62に記載の方法。
【請求項72】
式X−Sp−Zによって表されるリガンドが3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸、該酸の共役塩基、または上記の1つ以上を含む混合物を含む、請求項59または62に記載の方法。
【請求項73】
式X−Sp−Zによって表されるリガンドが末端ヒドロキシル基を含む有機アミンまたはフッ素化有機アミンを含む、請求項59または62に記載の方法。
【請求項74】
反応が液体媒体中で実施される、請求項59に記載の方法。
【請求項75】
液体媒体が配位溶媒を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項76】
液体媒体が非配位溶媒を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項77】
オーバーコートされているナノ粒子に含まれる総金属の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比が約1:0.1から約1:100の範囲にある、請求項64に記載の方法。
【請求項78】
オーバーコートされているナノ粒子に含まれる金属の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比が約1:1から約1:50の範囲にある、請求項64に記載の方法。
【請求項79】
オーバーコートされているナノ粒子に含まれる金属の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比が約1:1から約1:30の範囲にある、請求項64に記載の方法。
【請求項80】
液体媒体の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比が約500:1から約2:1の範囲にある、請求項74に記載の方法。
【請求項81】
液体媒体の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドに対するモル比が約100:1から約5:1の範囲にある、請求項74に記載の方法。
【請求項82】
液体媒体の総モル数の、式X−Sp−Zによって表されるリガンドの総モル数に対するモル比が約50:1から約5:1の範囲にある、請求項74に記載の方法。
【請求項83】
前駆体が2つ以上の化学的に別個のリガンドの存在下で反応し、前記リガンドの少なくとも1つが式、
X−Sp−Z
によって表される、請求項59に記載の方法。
【請求項84】
ナノ粒子が半導体材料を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
ナノ粒子が半導体ナノ結晶を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
1つ以上のコーティング材料がナノ粒子の表面の少なくとも一部を覆って形成される、請求項83に記載の方法。
【請求項87】
前駆体が2つ以上の化学的に別個のリガンドの存在下で反応し、第1のリガンドが式、
N−Sp−Z
によって表され、
式中、Nが、1級アミン基、2級アミン基、イミジゾール基、アミド基を表し;ならびに
第2のリガンドが式、
Y−Sp−Z
によって表され、
式中、Yが、ホスホン酸またはアルソン酸基、ホスフィン酸またはアルシン酸基、ホスホネートまたはアルセネート基、ホスフィンまたはアルシンオキシド基を表し;ならびに
式中、第1のリガンドおよび第2のリガンドのSpおよびZがそれぞれ同じまたは異なることができる、
請求項59に記載の方法。
【請求項88】
前駆体が1つ以上の金属含有前駆体および1つ以上のカルコゲン含有前駆体またはニクトゲン含有前駆体を含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
式N−Sp−ZおよびY−Sp−Zによって表されるリガンドが最初に等モル量で存在し、当モル量が第1のリガンドのN基含有量および第2のリガンドの酸基含有量に基づいて決定される、請求項57または87に記載の方法。
【請求項90】
リガンド交換プロセスによって同じリガンドがナノ粒子に結合された場合よりも、ナノ粒子が高い量子収率を有する、請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項91】
請求項30に記載の方法に従って調製された官能化ナノ粒子。
【請求項92】
請求項59に記載の方法に従って調製されたオーバーコートを含むナノ粒子。
【請求項93】
本明細書で提示および説明したような、プロセス、機械、製造、および物質の組成の新しく有用で自明でない改良。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−514879(P2011−514879A)
【公表日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524868(P2010−524868)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/010651
【国際公開番号】WO2009/035657
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(508241026)キユーデイー・ビジヨン・インコーポレーテツド (12)
【Fターム(参考)】