定着装置
【課題】 給電によって発熱するベルトを用いたベルト発熱方式の定着装置において、定着装置を長期間使用すると、給電部と導電層の摺動による摩耗によって導電層が削れてベルトの回転方向の発熱むらが発生する。
【解決手段】 ベルトの発熱層の外周面側又は内周面側のいずれか一方に給電部材を設け、発熱層の給電部材が設けられた面と反対の面の側にベルト回転方向に亘って導電層を設ける。
【解決手段】 ベルトの発熱層の外周面側又は内周面側のいずれか一方に給電部材を設け、発熱層の給電部材が設けられた面と反対の面の側にベルト回転方向に亘って導電層を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複写機やプリンタの電子写真方式を採用する画像形成装置に搭載される定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やレーザープリンタ等の画像形成装置の定着装置として、ベルトそのものに発熱層を設け、その発熱層に給電することによりベルト自身を発熱させて、記録材上のトナー像を定着させる方式の定着装置が開示されている(特許文献1)。この方式の定着装置は、電源の投入から定着可能状態に達するまでの時間が短く、立ち上げ高速化の面で優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−272223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発熱層を有したベルトを用いた定着装置の課題について図12を用いて説明する。図12(a)においてベルト1のベルト回転方向に直交する方向の両端部に通電用の電極5a及び電極5bを当接し、交流電源Vにより通電を行うことによってベルト1を発熱させる。この時、流れる電流の電流密度としては、電極5aと電極5b間を直線で結ぶ領域が一番大きく、発熱量も大きくなる。このことから、電極間を直線で結ぶ領域での発熱量が多く、電極から遠い領域ほど発熱量が少なくなるために、ベルト1の回転方向で発熱むらが生じる。
【0005】
このベルト回転方向の発熱むらを解消する手段としては、図12(b)に示したようにベルト1の両端部に導電層4a及び導電層4bを設けてベルト1全体に電流が流れる構成にすることが挙げられる。特許文献1では、ベルトの最外層の両端部においてベルト回転方向に亘って導電層が設けられ、そこに給電ローラや電極ブラシを接触させて給電する構成が開示されている。このような構成にすることで、ベルト1全体に電流が均一に流れて、ベルト1の回転方向の発熱むらをなくすことができる。
【0006】
しかしながら、導電層は導電性インクやペーストあるいは金属箔、金属網などを塗布あるいは接着して形成されるので、電極部と接触して摺動すると、長期間の使用で導電層が削れてしまう場合がある。その結果、発熱むらが生じてしまい、長期間発熱むらを抑制することができない場合があるという課題がある。
【0007】
そこで、本発明では、ベルト発熱定着方式において、ベルトの回転方向の発熱むらを長期間抑制することができる定着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するために、通電によって発熱する発熱層を有する筒状のベルトと、前記ベルトと共にニップ部を形成する加圧部材と、前記発熱層に給電するための給電部材と、を有し、前記ニップ部で記録材の上に担持したトナー像を加熱して記録材に定着する定着装置において、
前記給電部材は、前記ベルトの回転方向に直交する方向で前記ベルトの両端部の外周面又は内周面のいずれか一方に接触し、前記ベルトの前記両端部には、前記発熱層の前記給電部材がある面と反対の面の側に前記ベルトの回転方向に亘って導電層が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、発熱層を有するベルトのベルト回転方向の発熱むらを長期間抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1における定着装置のベルト回転方向に直交する方向に垂直な断面を表した図(a)、定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した図(b)
【図2】図1(b)の破線で示した部分の断面図
【図3】実施例1の変形例における定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した図
【図4】図3の破線で示した部分の断面図
【図5】実施例2における定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した図(a)、フランジの模式図(b)
【図6】図5の破線で示した部分の断面図
【図7】実施例3における定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した図
【図8】図7の破線で示した部分の断面図
【図9】実施例4における定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した図
【図10】図9の破線で示した部分の断面図
【図11】実施例4におけるベルトに弾性層を設けた定着装置の構成を表した図
【図12】従来の発熱層からなるベルトを用いた定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
実施例1における定着装置の構成について、図1を用いて説明する。図1(a)は、定着装置のベルト回転方向に直交する方向に垂直な断面を表した図であり、図1(b)は定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した模式図である。
【0012】
実施例1のベルト発熱方式の定着装置は、筒状のベルト1と、ベルト1を保持するベルトガイド部材2と、ベルト1と共にニップ部Nを形成する加圧部材としての加圧ローラ3により構成されている。
【0013】
図1(a)右側より、トナー像Tを担持した記録材Pが、ニップ部Nで搬送されながら加熱されて、トナー像Tが記録材に定着される。
【0014】
ベルト1は、基層として発熱層10を有しており、基層、中間層(不図示)および被覆層11の3層構造になっている。発熱層10は、通電で発熱する層であり、ベルト1のねじれ強度及び平滑性などの機械的特性を担う層でもある。発熱層10は、ポリイミド等の樹脂にカーボンなどの導電性フィラーを分散させて形成される。また、発熱層10は、交流電源印加により発熱するように電気抵抗が調整されている。中間層(不図示)は、被覆層11と発熱層10の接合を行う接着剤の役目を担っている。実施例1では、表層として被覆層11を用いる。従って、被覆層11は、離型性に優れたPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で形成されている。また、発熱層10の外周面から給電できるように、ベルト回転方向に直交する方向で、ベルト1の両端部には中間層(不図示)及び被覆層11はなく、発熱層10が剥き出しになっている。
【0015】
ベルトガイド部材2は、液晶ポリマー、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などの耐熱性樹脂により形成される。ベルトガイド部材2のベルト回転方向に直交する方向の両端部は、装置フレームに保持された補強ステー7と係合する。そして、補強ステー7のベルト回転方向に直交する方向の両端部を、付勢手段(不図示)で、ベルトガイド部材2がベルト1を介して加圧ローラ3に押し当てるように付勢する。補強ステー7は、上記両端部に受けた付勢力をベルトガイド部材2のベルト回転方向に直交する方向で均一に伝えられるように、鉄、ステンレス、ジンコート鋼板等の剛性のある材料を使用して作られる。更に、補強ステー7は、その断面を断面2次モーメントが大きくなるような形状(コの字型)にして、曲げ剛性が高められている。
【0016】
このようにベルトガイド部材2の撓みを抑えることで、ニップ部Nのベルト回転方向の幅(a−b間の距離)はベルト回転方向に垂直な方向でほぼ均一になる。また、ベルトガイド部材2には、温度検知素子6が設置されており、ベルト1内面に当接している。温度検知素子6の検知温度が定着可能な目標温度になるように発熱層10への通電が制御される。
【0017】
実施例1では、ベルトガイド部材2の材質として液晶ポリマーを用い、補強ステー7の材質としては、ジンコート鋼板を用いている。加圧ローラ3への加圧力は160Nで、このときニップ部Nのベルト回転方向の幅(a−b間の距離)は6mmである。
【0018】
加圧ローラ3は、鉄やアルミニウム等の材質の芯金31と、シリコーンゴム等の材質の弾性層32、PFA等の材質の離型層33から構成されている。加圧ローラ3の硬度は、定着性を満足するニップ部Nの幅と耐久性を満足できるようにアスカーC型硬度計1kgf荷重において、40度から70度が好ましい。
【0019】
実施例1では、φ11の鉄の芯金にシリコーンゴム層を3.5mmの厚みで形成し、その上に40μmの厚みの絶縁PFAチューブを被覆している。加圧ローラ3の硬度は56度であり、外径はφ18mmである。弾性層および離型層のベルト回転方向に直交する方向の長さは226mmである。
【0020】
図1(b)に示すように、給電部材5には、交流電源に繋がるACケーブル8が接続されている。給電部材5は、発熱層10の外周面の剥き出し部に当接する。給電部材5として、金などの細い線束で形成したブラシや板状のバネ又はパッドなどが用いられる。
【0021】
次に、実施例1の特徴的な構成について詳細に説明する。発熱層10は、厚み50μmで、外径がφ18mmで、ベルト回転方向に直交する方向の長さが240mmのポリイミド樹脂で形成されている。発熱層10のポリイミド樹脂には、導電性フィラーとしてカーボンブラックが分散されている。更に、発熱層10の外周面に被覆層11を設けている。実施例1では、被覆層11を離型層として使うため、被覆層11は厚み15μmのPFAである。
【0022】
前述したベルト1のベルト回転方向に直交する方向の両端部で発熱層10が剥き出しになっている剥き出し部は10mmとする。そして、発熱層10の剥き出し部の裏面(給電部材5が発熱層に接触する側と反対の面)の両端部12mmに、ベルト回転方向全域に亘って銀ペーストをコーティングして形成された導電層4が設けられている。導電層4の表面抵抗値は、発熱層10の表面抵抗値よりも小さい。
【0023】
ベルト回転方向に直交する方向におけるベルト1の給電部材5間(240mm)の実抵抗値は20Ωであり、ベルト厚み方向で給電部材5から導電層4の間の実抵抗値は1.8Ωである。
【0024】
尚、導電層4を形成していない場合、ベルト回転方向に直交する方向でベルトの給電部材間の実抵抗値は42Ωであるため、電流は給電部材5から導電層4を経由して発熱層10のベルト回転方向に流れやすくなっていることがわかる。
【0025】
また、導電層4は、導電層4と発熱層10とが接着しやすくするための導電性のある中間層(不図示)を有していても良い。
【0026】
給電部材5はカーボンチップとステンレスの板状のバネを用いている。板状のバネの付勢力でカーボンチップを発熱層10の外周面の剥き出し部に押し当てている。
【0027】
尚、上記で説明したものは、交流電源の電圧が100Vである場合を想定した設定である。
【0028】
次に、図1(b)の破線で示した部分の断面図を図2に示す。実施例1では、給電部材5のうち発熱層10と接触する部分(カーボンチップ)の少なくとも一部は、ベルト回転方向に直交する方向で、導電層4と重なるように発熱層10に接触する。
【0029】
次に、実施例1の作用効果について説明する。まず、ベルト回転方向の発熱むらを抑制することができる。これは、発熱層10の両端部にベルト回転方向全域に亘って導電層4を設けているためである。従って、電流は、給電部材から発熱層10の厚み方向に流れ、導電層4を経て、発熱層10に流れるので、ベルト回転方向においても均一に流れやすい。更に、給電部材5と導電層4の摺動がないので導電層4の削れが発生せず、定着装置の長期間の使用でも、ベルト1のベルト回転方向の発熱むらを抑制できるという効果がある。
【0030】
尚、実施例1の変形例として、図3及び図4のように、実施例1のベルト1の発熱層10の内周面にポリイミド樹脂の基層12を形成しても良い。基層12は、ねじれ強度及び平滑性などの機械的特性を重視するため導電性フィラーはほとんど添加されていない。よって、給電部材5に通電しても、基層12の表面抵抗値は数kΩ/□と高く、電流が流れないため発熱しない。基層12の厚みは60μmとする。また、発熱層10の内周面に形成された導電層4は、基層12で覆われるので、ベルト1の内周面側のいかなる部材とも摺擦しない。
【0031】
以上から、上記の変形例のベルト1は、実施例1よりも機械的特性に優れ、導電層4の削れが発生しにくいという効果を有する。
【0032】
(実施例2)
実施例2における定着装置の構成について、図5を用いて説明する。実施例1と共通する構成については説明を省略する。
【0033】
実施例2の構成の特徴について説明する。図5(a)は、定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した模式図で、図5(b)はベルト1のベルト回転方向に直交する方向の移動を規制するためのフランジ9の模式図である。また、図5(a)において破線で示した部分の断面図を図6に示す。
【0034】
図5(b)に示すように、フランジ9のベルト1の内周面との摺擦面には、給電部材5としてのステンレスの薄板が設けられている。この薄板にACケーブル8を介して交流電源Vより交流電圧を印加する。図6に示すように、上記の給電部材5を発熱層10のベルト回転方向に直交する方向の両端部の内周面に接触させて給電する。
【0035】
導電層4は、ベルト1のベルト回転方向に直交する方向の両端部の外周面に形成されている。電流は、給電部5から発熱層10の厚み方向に流れ、導電層4を経て発熱層10に流れる。
【0036】
尚、実施例2では、ベルト回転方向に直交する方向で導電層4よりも内側の部分に被覆層11が設けられている。被覆層11は、厚み15μm程度のPFAのコーティング処理で形成されている。また、加圧ローラ3のゴム層のベルト回転方向に直交する方向の端面は図6の点線で示した位置である。よって、導電層4は加圧ローラ3の上記端面よりもベルト回転方向に直交する方向で外側に形成されているため、加圧ローラ3と摺擦することがなく、その他いかなる部材とも摺擦しない。
【0037】
また、実施例2は、実施例1の作用効果に加えて、給電部材5をフランジ9に設けることで給電部を省スペースで構成できる。
【0038】
(実施例3)
実施例3の定着装置の構成について、図7及び図8を用いて説明する。実施例1及び2と共通する構成については説明を省略する。
【0039】
図7は定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した模式図である。図8は、図7において破線で示した部分の断面図である。
【0040】
実施例3は、後述する部分を除いて実施例2と同じ構成である。実施例2と異なるのは図8に示すように、発熱層10の外周面にある導電層4を被覆層11で被覆している部分である。被覆層11は、厚み15μm程度のPFAのコーティング処理で形成され、離型層として用いられている。
【0041】
導電層4を被覆層11で覆うことによって、導電層4は、加圧ローラ3と接触しても削れにくい。従って、ベルト1のベルト回転方向に直交する方向の長さを実施例2よりも短くできるというメリットがある。
【0042】
尚、被覆層11は、導電層4を被覆するものであれば、必ずしも離型層である必要はない。被覆層11の外周面に新たに離型層を設ける構成であっても良い。
【0043】
実施例3では、加圧ローラ3のベルト回転方向に直交する方向の端部の位置は点線で示した位置であり、実施例2よりもベルト1の長さを10mm短くできた。実施例3は、実施例2の作用効果に加えて、実施例2よりも更に定着装置をより小型化できるメリットがある。
【0044】
(実施例4)
実施例4における定着装置の構成について、図9及び図10を用いて説明する。実施例1〜3と共通する構成については説明を省略する。
【0045】
図9は、定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した模式図である。図10は、図9において破線で示した部分の断面図である。
【0046】
実施例4は、後述する部分を除いて実施例3と同じ構成である。実施例3と異なるのは、給電部材5がベルト回転方向に直交する方向でニップ部内部の両端に配設されている部分である。
【0047】
実施例4では、給電部材5としてステンレスの板金を用いる。厚み1mmのステンレスの板金にACケーブル8を接続し、交流電源Vで交流電圧を印加することで、発熱層10への給電を行う。給電部材5は、ベルト1を介して加圧ローラ3のゴム層に押圧されている。給電部材5は、ベルト回転方向の幅が5mmで、ベルト回転方向に直交する方向で、ニップ部のベルト回転方向に直交する方向の端部からニップ部側に5mm侵入させている。
【0048】
実施例4は、実施例1で示したベルト1の外周面から給電する構成や、実施例2および3のフランジの一部に給電部材5を設けてベルト1の内周面から給電する構成よりも、給電部材5と発熱層10の接触面積の変動が少ない構成である。従って、給電部の電流密度が適正になり過度な発熱を抑えることができる。
【0049】
尚、実施例1〜4において、給電部材がベルトの両端部の外周面又は内周面のいずれか一方に接触し、導電層が上記の両端部において発熱層の少なくとも給電部材がある面と反対の面の側に形成されていれば、本発明の作用効果は得られる。従って、発熱層の給電部材がある面と同じ面の側に導電層が形成されていても良い。なぜなら、発熱層の給電部材がある面と同じ面の側の導電層が給電部材との摺擦によって削れたとしても、発熱層の給電部材のある面と反対の面の側に形成された導電層は削れないため、ベルト1の回転方向の発熱むらを長期間抑制できるからである。
【0050】
また、カラー画像を形成する画像形成装置においては、ベルトに弾性層を設けることで、紙との追従性が良好となりグロスむらの発生を防止して画質を向上させることができる。
【0051】
実施例1〜4においては、ベルトの発熱層を被覆層で覆う構成を示したが、発熱層と被覆層との間に弾性層が介在する構成でも良い。図11に、実施例4の構成で、ベルト1に弾性層13を設けた場合の給電部の断面図を示した。弾性層13としては、シリコーンゴムを150μmの厚みで塗布している。発熱層10と弾性層13および弾性層13と被覆層11の間は、それぞれ接着剤の役目を担っている中間層(不図示)を有する場合がある。実施例4においてベルト1を図11のような構成にしたとしても、実施例4の効果を得ることができる。また、実施例1〜3においても実施例4で示したように弾性層13を有した構成にすることができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0052】
1 ベルト
2 ベルトガイド部材
3 加圧ローラ
4 導電層
5 給電部
6 温度検知素子
7 補強ステー
8 ACケーブル
9 フランジ
10 発熱層
11 ベルト被覆層
12 ベルト基層
13 ベルト弾性層
31 加圧ローラ芯金
32 加圧ローラ弾性層
33 加圧ローラ離型層
N ニップ部
P 記録材
T トナー像
V 交流電源
【技術分野】
【0001】
複写機やプリンタの電子写真方式を採用する画像形成装置に搭載される定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やレーザープリンタ等の画像形成装置の定着装置として、ベルトそのものに発熱層を設け、その発熱層に給電することによりベルト自身を発熱させて、記録材上のトナー像を定着させる方式の定着装置が開示されている(特許文献1)。この方式の定着装置は、電源の投入から定着可能状態に達するまでの時間が短く、立ち上げ高速化の面で優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−272223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発熱層を有したベルトを用いた定着装置の課題について図12を用いて説明する。図12(a)においてベルト1のベルト回転方向に直交する方向の両端部に通電用の電極5a及び電極5bを当接し、交流電源Vにより通電を行うことによってベルト1を発熱させる。この時、流れる電流の電流密度としては、電極5aと電極5b間を直線で結ぶ領域が一番大きく、発熱量も大きくなる。このことから、電極間を直線で結ぶ領域での発熱量が多く、電極から遠い領域ほど発熱量が少なくなるために、ベルト1の回転方向で発熱むらが生じる。
【0005】
このベルト回転方向の発熱むらを解消する手段としては、図12(b)に示したようにベルト1の両端部に導電層4a及び導電層4bを設けてベルト1全体に電流が流れる構成にすることが挙げられる。特許文献1では、ベルトの最外層の両端部においてベルト回転方向に亘って導電層が設けられ、そこに給電ローラや電極ブラシを接触させて給電する構成が開示されている。このような構成にすることで、ベルト1全体に電流が均一に流れて、ベルト1の回転方向の発熱むらをなくすことができる。
【0006】
しかしながら、導電層は導電性インクやペーストあるいは金属箔、金属網などを塗布あるいは接着して形成されるので、電極部と接触して摺動すると、長期間の使用で導電層が削れてしまう場合がある。その結果、発熱むらが生じてしまい、長期間発熱むらを抑制することができない場合があるという課題がある。
【0007】
そこで、本発明では、ベルト発熱定着方式において、ベルトの回転方向の発熱むらを長期間抑制することができる定着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するために、通電によって発熱する発熱層を有する筒状のベルトと、前記ベルトと共にニップ部を形成する加圧部材と、前記発熱層に給電するための給電部材と、を有し、前記ニップ部で記録材の上に担持したトナー像を加熱して記録材に定着する定着装置において、
前記給電部材は、前記ベルトの回転方向に直交する方向で前記ベルトの両端部の外周面又は内周面のいずれか一方に接触し、前記ベルトの前記両端部には、前記発熱層の前記給電部材がある面と反対の面の側に前記ベルトの回転方向に亘って導電層が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、発熱層を有するベルトのベルト回転方向の発熱むらを長期間抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1における定着装置のベルト回転方向に直交する方向に垂直な断面を表した図(a)、定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した図(b)
【図2】図1(b)の破線で示した部分の断面図
【図3】実施例1の変形例における定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した図
【図4】図3の破線で示した部分の断面図
【図5】実施例2における定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した図(a)、フランジの模式図(b)
【図6】図5の破線で示した部分の断面図
【図7】実施例3における定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した図
【図8】図7の破線で示した部分の断面図
【図9】実施例4における定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した図
【図10】図9の破線で示した部分の断面図
【図11】実施例4におけるベルトに弾性層を設けた定着装置の構成を表した図
【図12】従来の発熱層からなるベルトを用いた定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
実施例1における定着装置の構成について、図1を用いて説明する。図1(a)は、定着装置のベルト回転方向に直交する方向に垂直な断面を表した図であり、図1(b)は定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した模式図である。
【0012】
実施例1のベルト発熱方式の定着装置は、筒状のベルト1と、ベルト1を保持するベルトガイド部材2と、ベルト1と共にニップ部Nを形成する加圧部材としての加圧ローラ3により構成されている。
【0013】
図1(a)右側より、トナー像Tを担持した記録材Pが、ニップ部Nで搬送されながら加熱されて、トナー像Tが記録材に定着される。
【0014】
ベルト1は、基層として発熱層10を有しており、基層、中間層(不図示)および被覆層11の3層構造になっている。発熱層10は、通電で発熱する層であり、ベルト1のねじれ強度及び平滑性などの機械的特性を担う層でもある。発熱層10は、ポリイミド等の樹脂にカーボンなどの導電性フィラーを分散させて形成される。また、発熱層10は、交流電源印加により発熱するように電気抵抗が調整されている。中間層(不図示)は、被覆層11と発熱層10の接合を行う接着剤の役目を担っている。実施例1では、表層として被覆層11を用いる。従って、被覆層11は、離型性に優れたPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で形成されている。また、発熱層10の外周面から給電できるように、ベルト回転方向に直交する方向で、ベルト1の両端部には中間層(不図示)及び被覆層11はなく、発熱層10が剥き出しになっている。
【0015】
ベルトガイド部材2は、液晶ポリマー、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などの耐熱性樹脂により形成される。ベルトガイド部材2のベルト回転方向に直交する方向の両端部は、装置フレームに保持された補強ステー7と係合する。そして、補強ステー7のベルト回転方向に直交する方向の両端部を、付勢手段(不図示)で、ベルトガイド部材2がベルト1を介して加圧ローラ3に押し当てるように付勢する。補強ステー7は、上記両端部に受けた付勢力をベルトガイド部材2のベルト回転方向に直交する方向で均一に伝えられるように、鉄、ステンレス、ジンコート鋼板等の剛性のある材料を使用して作られる。更に、補強ステー7は、その断面を断面2次モーメントが大きくなるような形状(コの字型)にして、曲げ剛性が高められている。
【0016】
このようにベルトガイド部材2の撓みを抑えることで、ニップ部Nのベルト回転方向の幅(a−b間の距離)はベルト回転方向に垂直な方向でほぼ均一になる。また、ベルトガイド部材2には、温度検知素子6が設置されており、ベルト1内面に当接している。温度検知素子6の検知温度が定着可能な目標温度になるように発熱層10への通電が制御される。
【0017】
実施例1では、ベルトガイド部材2の材質として液晶ポリマーを用い、補強ステー7の材質としては、ジンコート鋼板を用いている。加圧ローラ3への加圧力は160Nで、このときニップ部Nのベルト回転方向の幅(a−b間の距離)は6mmである。
【0018】
加圧ローラ3は、鉄やアルミニウム等の材質の芯金31と、シリコーンゴム等の材質の弾性層32、PFA等の材質の離型層33から構成されている。加圧ローラ3の硬度は、定着性を満足するニップ部Nの幅と耐久性を満足できるようにアスカーC型硬度計1kgf荷重において、40度から70度が好ましい。
【0019】
実施例1では、φ11の鉄の芯金にシリコーンゴム層を3.5mmの厚みで形成し、その上に40μmの厚みの絶縁PFAチューブを被覆している。加圧ローラ3の硬度は56度であり、外径はφ18mmである。弾性層および離型層のベルト回転方向に直交する方向の長さは226mmである。
【0020】
図1(b)に示すように、給電部材5には、交流電源に繋がるACケーブル8が接続されている。給電部材5は、発熱層10の外周面の剥き出し部に当接する。給電部材5として、金などの細い線束で形成したブラシや板状のバネ又はパッドなどが用いられる。
【0021】
次に、実施例1の特徴的な構成について詳細に説明する。発熱層10は、厚み50μmで、外径がφ18mmで、ベルト回転方向に直交する方向の長さが240mmのポリイミド樹脂で形成されている。発熱層10のポリイミド樹脂には、導電性フィラーとしてカーボンブラックが分散されている。更に、発熱層10の外周面に被覆層11を設けている。実施例1では、被覆層11を離型層として使うため、被覆層11は厚み15μmのPFAである。
【0022】
前述したベルト1のベルト回転方向に直交する方向の両端部で発熱層10が剥き出しになっている剥き出し部は10mmとする。そして、発熱層10の剥き出し部の裏面(給電部材5が発熱層に接触する側と反対の面)の両端部12mmに、ベルト回転方向全域に亘って銀ペーストをコーティングして形成された導電層4が設けられている。導電層4の表面抵抗値は、発熱層10の表面抵抗値よりも小さい。
【0023】
ベルト回転方向に直交する方向におけるベルト1の給電部材5間(240mm)の実抵抗値は20Ωであり、ベルト厚み方向で給電部材5から導電層4の間の実抵抗値は1.8Ωである。
【0024】
尚、導電層4を形成していない場合、ベルト回転方向に直交する方向でベルトの給電部材間の実抵抗値は42Ωであるため、電流は給電部材5から導電層4を経由して発熱層10のベルト回転方向に流れやすくなっていることがわかる。
【0025】
また、導電層4は、導電層4と発熱層10とが接着しやすくするための導電性のある中間層(不図示)を有していても良い。
【0026】
給電部材5はカーボンチップとステンレスの板状のバネを用いている。板状のバネの付勢力でカーボンチップを発熱層10の外周面の剥き出し部に押し当てている。
【0027】
尚、上記で説明したものは、交流電源の電圧が100Vである場合を想定した設定である。
【0028】
次に、図1(b)の破線で示した部分の断面図を図2に示す。実施例1では、給電部材5のうち発熱層10と接触する部分(カーボンチップ)の少なくとも一部は、ベルト回転方向に直交する方向で、導電層4と重なるように発熱層10に接触する。
【0029】
次に、実施例1の作用効果について説明する。まず、ベルト回転方向の発熱むらを抑制することができる。これは、発熱層10の両端部にベルト回転方向全域に亘って導電層4を設けているためである。従って、電流は、給電部材から発熱層10の厚み方向に流れ、導電層4を経て、発熱層10に流れるので、ベルト回転方向においても均一に流れやすい。更に、給電部材5と導電層4の摺動がないので導電層4の削れが発生せず、定着装置の長期間の使用でも、ベルト1のベルト回転方向の発熱むらを抑制できるという効果がある。
【0030】
尚、実施例1の変形例として、図3及び図4のように、実施例1のベルト1の発熱層10の内周面にポリイミド樹脂の基層12を形成しても良い。基層12は、ねじれ強度及び平滑性などの機械的特性を重視するため導電性フィラーはほとんど添加されていない。よって、給電部材5に通電しても、基層12の表面抵抗値は数kΩ/□と高く、電流が流れないため発熱しない。基層12の厚みは60μmとする。また、発熱層10の内周面に形成された導電層4は、基層12で覆われるので、ベルト1の内周面側のいかなる部材とも摺擦しない。
【0031】
以上から、上記の変形例のベルト1は、実施例1よりも機械的特性に優れ、導電層4の削れが発生しにくいという効果を有する。
【0032】
(実施例2)
実施例2における定着装置の構成について、図5を用いて説明する。実施例1と共通する構成については説明を省略する。
【0033】
実施例2の構成の特徴について説明する。図5(a)は、定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した模式図で、図5(b)はベルト1のベルト回転方向に直交する方向の移動を規制するためのフランジ9の模式図である。また、図5(a)において破線で示した部分の断面図を図6に示す。
【0034】
図5(b)に示すように、フランジ9のベルト1の内周面との摺擦面には、給電部材5としてのステンレスの薄板が設けられている。この薄板にACケーブル8を介して交流電源Vより交流電圧を印加する。図6に示すように、上記の給電部材5を発熱層10のベルト回転方向に直交する方向の両端部の内周面に接触させて給電する。
【0035】
導電層4は、ベルト1のベルト回転方向に直交する方向の両端部の外周面に形成されている。電流は、給電部5から発熱層10の厚み方向に流れ、導電層4を経て発熱層10に流れる。
【0036】
尚、実施例2では、ベルト回転方向に直交する方向で導電層4よりも内側の部分に被覆層11が設けられている。被覆層11は、厚み15μm程度のPFAのコーティング処理で形成されている。また、加圧ローラ3のゴム層のベルト回転方向に直交する方向の端面は図6の点線で示した位置である。よって、導電層4は加圧ローラ3の上記端面よりもベルト回転方向に直交する方向で外側に形成されているため、加圧ローラ3と摺擦することがなく、その他いかなる部材とも摺擦しない。
【0037】
また、実施例2は、実施例1の作用効果に加えて、給電部材5をフランジ9に設けることで給電部を省スペースで構成できる。
【0038】
(実施例3)
実施例3の定着装置の構成について、図7及び図8を用いて説明する。実施例1及び2と共通する構成については説明を省略する。
【0039】
図7は定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した模式図である。図8は、図7において破線で示した部分の断面図である。
【0040】
実施例3は、後述する部分を除いて実施例2と同じ構成である。実施例2と異なるのは図8に示すように、発熱層10の外周面にある導電層4を被覆層11で被覆している部分である。被覆層11は、厚み15μm程度のPFAのコーティング処理で形成され、離型層として用いられている。
【0041】
導電層4を被覆層11で覆うことによって、導電層4は、加圧ローラ3と接触しても削れにくい。従って、ベルト1のベルト回転方向に直交する方向の長さを実施例2よりも短くできるというメリットがある。
【0042】
尚、被覆層11は、導電層4を被覆するものであれば、必ずしも離型層である必要はない。被覆層11の外周面に新たに離型層を設ける構成であっても良い。
【0043】
実施例3では、加圧ローラ3のベルト回転方向に直交する方向の端部の位置は点線で示した位置であり、実施例2よりもベルト1の長さを10mm短くできた。実施例3は、実施例2の作用効果に加えて、実施例2よりも更に定着装置をより小型化できるメリットがある。
【0044】
(実施例4)
実施例4における定着装置の構成について、図9及び図10を用いて説明する。実施例1〜3と共通する構成については説明を省略する。
【0045】
図9は、定着装置のベルト回転方向に直交する方向の構成を表した模式図である。図10は、図9において破線で示した部分の断面図である。
【0046】
実施例4は、後述する部分を除いて実施例3と同じ構成である。実施例3と異なるのは、給電部材5がベルト回転方向に直交する方向でニップ部内部の両端に配設されている部分である。
【0047】
実施例4では、給電部材5としてステンレスの板金を用いる。厚み1mmのステンレスの板金にACケーブル8を接続し、交流電源Vで交流電圧を印加することで、発熱層10への給電を行う。給電部材5は、ベルト1を介して加圧ローラ3のゴム層に押圧されている。給電部材5は、ベルト回転方向の幅が5mmで、ベルト回転方向に直交する方向で、ニップ部のベルト回転方向に直交する方向の端部からニップ部側に5mm侵入させている。
【0048】
実施例4は、実施例1で示したベルト1の外周面から給電する構成や、実施例2および3のフランジの一部に給電部材5を設けてベルト1の内周面から給電する構成よりも、給電部材5と発熱層10の接触面積の変動が少ない構成である。従って、給電部の電流密度が適正になり過度な発熱を抑えることができる。
【0049】
尚、実施例1〜4において、給電部材がベルトの両端部の外周面又は内周面のいずれか一方に接触し、導電層が上記の両端部において発熱層の少なくとも給電部材がある面と反対の面の側に形成されていれば、本発明の作用効果は得られる。従って、発熱層の給電部材がある面と同じ面の側に導電層が形成されていても良い。なぜなら、発熱層の給電部材がある面と同じ面の側の導電層が給電部材との摺擦によって削れたとしても、発熱層の給電部材のある面と反対の面の側に形成された導電層は削れないため、ベルト1の回転方向の発熱むらを長期間抑制できるからである。
【0050】
また、カラー画像を形成する画像形成装置においては、ベルトに弾性層を設けることで、紙との追従性が良好となりグロスむらの発生を防止して画質を向上させることができる。
【0051】
実施例1〜4においては、ベルトの発熱層を被覆層で覆う構成を示したが、発熱層と被覆層との間に弾性層が介在する構成でも良い。図11に、実施例4の構成で、ベルト1に弾性層13を設けた場合の給電部の断面図を示した。弾性層13としては、シリコーンゴムを150μmの厚みで塗布している。発熱層10と弾性層13および弾性層13と被覆層11の間は、それぞれ接着剤の役目を担っている中間層(不図示)を有する場合がある。実施例4においてベルト1を図11のような構成にしたとしても、実施例4の効果を得ることができる。また、実施例1〜3においても実施例4で示したように弾性層13を有した構成にすることができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0052】
1 ベルト
2 ベルトガイド部材
3 加圧ローラ
4 導電層
5 給電部
6 温度検知素子
7 補強ステー
8 ACケーブル
9 フランジ
10 発熱層
11 ベルト被覆層
12 ベルト基層
13 ベルト弾性層
31 加圧ローラ芯金
32 加圧ローラ弾性層
33 加圧ローラ離型層
N ニップ部
P 記録材
T トナー像
V 交流電源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通電によって発熱する発熱層を有する筒状のベルトと、前記ベルトと共にニップ部を形成する加圧部材と、前記発熱層に給電するための給電部材と、を有し、前記ニップ部で記録材の上に担持したトナー像を加熱して記録材に定着する定着装置において、
前記給電部材は、前記ベルトの回転方向に直交する方向で前記ベルトの両端部の外周面又は内周面のいずれか一方に接触し、
前記ベルトの前記両端部には、前記発熱層の前記給電部材がある面と反対の面の側に前記ベルトの回転方向に亘って導電層が設けられていることを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記給電部材の少なくとも一部は、前記ベルトの回転方向に直交する方向で、前記導電層と重なる位置で前記ベルトに接触していることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記導電層は、前記発熱層よりも表面抵抗値が小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記給電部材は前記ベルトの内周面に接触し、前記導電層は前記発熱層の外周面に設けられ、前記ベルトには、前記導電層の外周面を被覆する被覆層が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の定着装置。
【請求項1】
通電によって発熱する発熱層を有する筒状のベルトと、前記ベルトと共にニップ部を形成する加圧部材と、前記発熱層に給電するための給電部材と、を有し、前記ニップ部で記録材の上に担持したトナー像を加熱して記録材に定着する定着装置において、
前記給電部材は、前記ベルトの回転方向に直交する方向で前記ベルトの両端部の外周面又は内周面のいずれか一方に接触し、
前記ベルトの前記両端部には、前記発熱層の前記給電部材がある面と反対の面の側に前記ベルトの回転方向に亘って導電層が設けられていることを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記給電部材の少なくとも一部は、前記ベルトの回転方向に直交する方向で、前記導電層と重なる位置で前記ベルトに接触していることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記導電層は、前記発熱層よりも表面抵抗値が小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記給電部材は前記ベルトの内周面に接触し、前記導電層は前記発熱層の外周面に設けられ、前記ベルトには、前記導電層の外周面を被覆する被覆層が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の定着装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−97315(P2013−97315A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242512(P2011−242512)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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