説明

定量可変吐出容器

【目的】
ノズルヘッドを押し下げた分の薬液を吐出させるポンプディスペンサー装置付きの吐出容器にて洗剤等を使用する場合に、吐出させたい量には個人差がある。特に低容量タイプの吐出容器はストロークが短く、ノズルヘッド押し下げ加減は微妙であった。従来の定量可変吐出容器の欠点は、定量可変させるための構造が、定量可変させたくない場合に邪魔になるものであった。そこで、定量調整を必要としない場合には従来の吐出容器と全く同じ使用方法ができることを目的とした定量可変吐出容器を提供する。
【解決手段】
吐出容器の出荷時にノズルヘッドの不意の押し下げ防止のため嵌着されているストッパーに、ノズルヘッドの押し下げを物理的に上下移動の制限をして吐出量が可変するための、輪状に切れ目を入れるなどの分割できる手段を設けたことを特徴とする吐出調整が可能なストッパー付きの定量可変吐出容器を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プッシュポンプ・ポンプボトル等と呼ばれる吐出容器におけるポンプディスペンサーにより吐出される液量を使用者の任意に応じて可変させたい時にだけ分かり易く迅速に、一定量の液体を吐出させることのできる定量可変吐出容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、洗剤等に多く用いられる吐出容器は、ノズルヘッド(1)を押すことにより、押した分だけ吐出口から薬液が吐出されるディスペンサーを容器キャップ部に取り付けられた吐出容器が使用されている。
【0003】
前記吐出容器は大まかに分けて2タイプの形状がある。図1に示す吐出容器は従来の一般的な吐出容器の構成である。容器(6)のキャップ(5)上部にはディスペンサー固定部材(4)を有しており、前記の固定部材の機能は、容器キャップとポンプ部材とを固定する役割の他に、ノズルヘッドを固定できる収納用ネジ(2)を設けているものである。前記一般的な吐出容器の外観特徴は、ノズルヘッド下部のポンプ部(7)に繋がる押し下げ軸(3)は露出しているので、押し下げた際にはポンプ部内に軸が入り込むところが目視できるものである。
【0004】
また図2に示す吐出容器は、容器キャップ部材が凸型(8)をしていて突出部が軸の役割も兼ねているため、ポンプヘッド下部の押し下げ軸はキャップ内に内臓されていて、ノズルヘッドを押し下げた際は軸の動きは目視できないものであり、その特徴は凸型キャップの突出部の軸の高さ分の範囲内でノズルヘッド部材の高さ分だけ軸が押し下げ可能となる構造であり、ノズルヘッドの高さは押し下げ可能範囲(9)の長さが必要で、長めに設計されている。またこのタイプの利点はポンプ内部へ外部からの液体の進入を防げるのが特徴で、出荷状態であるノズルヘッド固定にはキャップの軸部分にストッパー(詳しくは摘持部(17)が付いた中空の円柱状にスリット(16)が入っていて、その筒状の縦の長さはノズルヘッドの押し下げ可能範囲の高さであり、軸に嵌めやすく使用するときには外し易い一時的なノズルヘッド固定部材)(10)が嵌着されていて、不意な吐出を防止して出荷されているのが一般的である。前記一時的なノズルヘッド固定部材を以後ストッパーと表記する。また、前記ストッパーは出荷時に一時的に使用するものなので、吐出容器を使用後に再度一時的にノズルヘッドを固定したい場合を除き捨てられることが多かった。
【0005】
本発明は特に図2に示したタイプの吐出容器の定量可変吐出容器に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−298422
【特許文献2】再公表WO2003/048002
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、吐出容器に用いられるノズルヘッドを押し下げた分の薬液を吐出させるポンプディスペンサーにおいて洗剤等を使用する場合に、吐出させたい量には個人差がある。メーカーによって提供される吐出容器には吐出量を自由に変えることはできず、少量使いたい場合は半分くらいノズルヘッドを押す等の工夫が必要だった。しかし、体が不自由な
場合にノズルヘッドの押し下げ加減が難しかったり、子供が使用する場合、少量でも足る
場合が多いにもかかわらず無駄に吐出させてしまたりしてエコの観点からも好ましいこと
ではなかった。逆に、一回のストローク分の吐出量では足りなかった場合に複数回ノズルヘッドを押さなければならず、その所望溶液量は1回のストローク分の倍数であるとは限らず、微妙な押し加減に不便さがあった。特に図2に示したタイプの吐出容器はストロークが短い場合が多く、吐出量を押し加減だけで調整するのは困難であった。
【0008】
そこで下記にも一例を示すが、様々な定量可変吐出容器が提案されてきた。しかし、定量調整が不要な場合において、前記機能が不便になることが多かった。そこで、本発明は、定量調整が必要のない場合には、定量可変吐出機能がなかった従来吐出容器と全く変わりなく使用できることを発明したものである。
【0009】
先行技術文献1に示した方法によると、ポンプ装置のステム(ノズルヘッド下部の軸)に同じ形をした吐出調整具を複数個嵌着させる方法であるが、調節具の形状が同じだから製造金型コスト削減になる、としているが吐出容器のノズルヘッド下部の軸の外径は吐出容器の種類により様々であり、使用者にとって、どの調節具を選んだら良いか不明であるし、最初から軸に付属している場合でも、一つ一つ外してから使用できるものであったり、容器側面に付属している場合でも、吐出を可変させたくない場合には不要なものであった。調節具の形状も円形状であるために掴みづらく取り外しがスムーズにいかないことや、全て同じ大きさの調節具であるため調節段階分の吐出調節具の数を必要とし、紐状部材で連結させるとしてもその取り扱いには不便さがあった。
本発明は以上の問題点を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(イ)ノズルヘッド(1)を押し下げた際に押し下げた分だけの薬液が吐出口から配分される吐出容器のポンプディスペンサーにおいて、出荷時にノズルヘッドの不意の押し下げ防止のため嵌着されているストッパー(10)にノズルヘッドの押し下げ可能範囲(9)を物理的に上下移動の制限をして吐出量が調整できる機能を持たせたことを特徴とする、吐出調整を可能としたストッパー(21)付きの定量可変吐出容器を提供する。前記の調整できる機能とは、詳しくはストッパー内径に横溝や螺旋状の溝を入れたり、部分的に凸部凹部を設けたり、部分的に切れ目を入れるなどの分割手段(19)を設けたことを特徴とするもので、その吐出調整が可能なストッパーとは、
(A)ノズルヘッドの上下移動する部分に嵌着させやすく外し易い。
(B)嵌着している時はノズルヘッドが固定されていてノズルヘッドを押しても動かない。という(A)と(B)2つの本来の目的を逸脱しない範囲内で行うことを特徴としたものである。
(ロ)吐出調整が可能なストッパーとは、複数の輪状に分割できるように溝や部分的に切れ目を入れるなどの分割手段を設けたことを特徴とするもので、前記分割手段とは、できれば手だけで分割するか、手だけで分割するにはストッパーの本来の目的である(イ)に記載の(A)と(B)が達成しない場合にはハサミなどの切り取り手段を用いて容易に分割できる範囲内である(イ)に記載の吐出調整が可能なストッパー付きの定量可変吐出容器を提供する。そのストッパーの最良の形状は、ストッパー摘持部(17)の側面(18)のみが連結性(13)を持っており、輪状に分割されている(イ)に記載の(A)と(B)の目的が充たされた吐出調整が可能なストッパーである。
(ハ)吐出調整が可能なストッパーの分割箇所は、できるだけ分かり易くするために等分に分割手段を持ったことを特徴としたもので、使用者は押し下げたい分の高さのストッパーを分割して取り除き、残りのストッパーを再度押し下げ可能範囲内に嵌着してノズルヘッドを押し下げることでノズルヘッドの上下移動が制限されて、必要量の吐出液を得ることができるものであり、その分割された吐出調整が可能なストッパーは軸に二つ以上を嵌着してもノズルへッドの押し下げには何ら問題はないものである(イ)または(ロ)に記載の吐出調整が可能なストッパー付きの定量可変吐出容器を提供する。
(ニ)吐出調整が可能なストッパーは強度を保たせるため、できるだけ分割手段を少なく、かつ吐出段階を増やしたいもので、その分割割合は、1対2にしたり、1対1対2、又は1対2対2、又は1対3対2、又は1対2対4、又は1対3対2対2、又は1対3対3対2とそれに酷似する割合の、割合内は順不同の対比で設けておくことで、例えば1対3対3対2の分割割合で分割手段を設けた場合、ストッパー1個に対して3つの輪状分割部分を設け、最大で2箇所までの分割で9段階までの調整が可能となる。前記に示した分割方法を用いた吐出調整を可能としたストッパーを嵌着した定量可変吐出容器を提供する。その場合、分割手段を設けたストッパーの側面には分割割合の数字を示しておいたり、更に分かり易くするため、分割割合の組み合わせによってできる割合をストッパーに、高さに応じて円の中に対応した数字を入れるなどと必要部材の高さの範囲内に表示(20)することで、分割位置が決め易くしておくと尚良い。全て分割してしまったとしてもその分割対比の合計の数だけ段階的に調節可能となったものである。その分割された吐出調整が可能なストッパーは軸に二つ以上を嵌着してもノズルヘッドの押し下げには何ら問題はないものである(イ)または(ロ)に記載の吐出調整が可能なストッパー付きの定量可変吐出容器を提供する。
(ホ)(ハ)と(ニ)に示したストッパーの分割方法の他に、使用者が分かり易く分割できて、できるだけ分割手段の箇所を少なくするために、1対2、又は1対1対2、又は1対1対3、又は1対1対1対3、又は1対1対1対4、又は1対1対1対1対4、又は1対1対1対1対5とそれに酷似する割合、の割合で分割手段をを得ることで容易にその分割対比の合計の数だけ段階的に調節可能となったものである。その場合、ストッパー側面には分かり易く割合の数字を表示することで、分割位置を決め易くしておくと尚良い。その分割された吐出調整が可能なストッパーは軸に二つ以上を嵌着してもノズルヘッドの押し下げには何ら問題はないものである(イ)または(ロ)に記載の吐出調整が可能なストッパー付きの定量可変吐出容器を提供する。
(へ)(イ)から(ホ)のいずれかで示した吐出調整が可能なストッパーは、吐出量を頻繁に変えたい場合に、摘持部の側面の平たん部では連結性をもたせ、吐出調整に不要となるストッパー部分は一時的に裏側に曲げておき、調整に必要なストッパー部分を軸に嵌着することでも使用可能であり、調節のし易さと部材の紛失を防げる(イ)から(ホ)いずれかに記載の吐出調整が可能なストッパー付きの定量可変吐出容器を提供する。
(ト)吐出容器の凸型キャップ(8)の突出部分がノズルヘッド押し下げ可能範囲になっている吐出容器においてノズルヘッド部材の高さは押し下げ可能軸の長さと同等であるため、ノズルヘッド外周側面の上部(ノズルヘッド上面の外周側面でも良い)と下部の2箇所にストッパーのC状の厚みと同じ長さの輪状凸部(14)を設け、ノズルヘッド側面にできた凹み部の面は、ノズルヘッド固定部材である出荷時付属のストッパーがピッタリと嵌着できて上下にずれない大きさに設計しこれをストッパー保存部分(15)とし、吐出容器のノズルヘッドにある吐出口部分にストッパーのスリット(16)部分が来るように嵌着させるか、吐出口下部にストッパー保存部分を設けるかのどちらかにすることでストッパーの紛失を防ぐことを特徴とした吐出容器を提供する。
(チ)(ト)記載のストッパー収納方法を実現するため、ストッパーの形は(イ)に記載
の(A)(B)に示したストッパーの本来の目的を逸脱しない範囲でストッパーの形を上面から見たC状から僅かに楕円の中空柱に、横から軸に嵌着させるためのスリットが入った形状のノズルヘッド固定部材にすることで、ストッパーの内径に若干の広がりができるので、本来収まっている軸の外径にも嵌着できるし、その外径よりも若干大きいノズルヘッドの外形にも嵌着できるものとなったストッパーを提供する。また、(イ)の(A)(B)に記載の本来の目的の範囲内でストッパーの内径は押し下げ軸の外周よりも僅かに広くすることで(ト)に記載のストッパー収納方法が可能となる。また従来のノズルヘッド固定ストッパーでもある程度の内径の広がりはあったので、それがノズルヘッド側面に嵌着できれば、この限りではない。
(リ)吐出容器の出荷時ノズルヘッドを固定させる目的で付属しているストッパーは一般的な図2の(c)に記載された形状でない場合があるが、基本的にはノズルヘッドの押し下げ可能範囲内に押し下げ軸の外周を包み込む部分を有しているのが特徴である。前記ストッパーの場合、図2の(c)に示した押し下げ軸の外周の押し下げを規制している部分だけに分割できる切り取り手段を設けたことを特徴とした(イ)から(チ)のいずれかに記載のストッパー付きの定量可変吐出容器を提供する。
(ヌ)(ト)又は(チ)に記載の吐出容器によって再度ノズルヘッドを固定する場合や、ストッパーを分割して調節量を変更させたい場合に備えて、分割されたストッパーを一時的にノズルヘッド側面に嵌着することができるようになった。しかし、この場合ストッパーの摘持部が邪魔になる可能性もあることから、ストッパーの摘持部も(イ)から(リ)のいずれかに記載の強度において問題ない範囲内でストッパーの摘持部が切り離しできる切り込みを入れたり、溝を入れておくなどの切り離し手段を設けた(イ)から(リ)のいずれかに記載の吐出調整が可能なストッパー付きの定量可変吐出容器を提供する。この場合、ストッパーに連結性を持たせる場合はC状の外周いずれかに設ければよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の定量可変吐出容器は、定量可変吐出を望まなければ、従来の一般的な吐出容器を使用する場合と全く同じ使い方ができることが一番の特徴であり、利点である。ただ、吐出量を調節したい人だけが吐出量を可変可能にできるように考案したもので従来技術には無かったものである。
【0012】
本発明によれば、ノズルヘッドを固定していた本来必要であった部材一つの形状を変えるだけなので製造コストがあまりかからない上に商品価値が増すものとなった。また吐出量が調整可能になることで、今までのポンプの一回のストロークで得られる最大吐出容量をより増やして商品を提供できるので、メーカーにとっても利点があり、使用者は吐出量調整範囲が広がることで双方でとても便利になるものである。
【0013】
また、本来は捨てられることが多かった部材が薬液を無駄に排出させない部材に変わるのでとても環境に配慮した薬液吐出容器となるものである。特に、子供が吐出容器を使用する際には体も小さく薬液必要量が少なくて済むのにかかわらず、押し下げ操作は不慣れで、無駄に吐出された薬液は環境を汚染していた。また、例えば本来1.5回分のストロークの薬液吐出物を得たい場合に2回目の押し下げには微妙な押し加減が要求されたが、本発明により、25パーセント押し下げ規制することで、2回分ストロークで必要量が得られるものとなり、気を使わなくてストレスなく自分で設定した薬液が得られるものとなった。
【0014】
また、ノズルヘッドにストッパー保存部分を簡単な加工で設けられる構造であるため、使用後に再度ノズルヘッドを固定するためにストッパ−が必要な場合でも、吐出を調整す
るためだけにストッパーが必要な場合にも、また両方の用途でストッパーが必要な場合に
も、ストッパーの移動は簡単で使用者はストッパーを紛失せずに済むようになった。
【0015】
また、もともとノズルヘッド固定も吐出調整も必要ない消費者の場合には従来どおりの使用方法と全く変わらないものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一般的な吐出容器(a)正面図(b)断面図
【図2】吐出容器(a)正面図(b)断面図(c)ストッパー斜視図
【図3】本発明の使用状態を示す斜視図、分割ストッパー
【図4】本発明の使用状態を示す斜視図、連結ストッパー
【図5】本発明のストッパー斜視図 分割割合が2対3対1で分割手段を得た例
【図6】図5のストッパーを摘持部から見た正面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
図2に示す、容器キャップが凸型をしていて突出部が軸の役割を兼ねているタイプの吐出容器の場合、出荷状態でノズルヘッドを固定する為に装着されているストッパーを利用するものである。
【0018】
ストッパーは一般的な図2の(c)に記載された形状でない場合もあるが、基本的にはノズルヘッドの押し下げ可能範囲内に押し下げ軸の外周を包み込む部分を有しているのが特徴であり、前記ストッパーの場合、図2の(c)に示した押し下げ軸の外周の押し下げを規制している部分だけに分割できる切り取り手段により、図2の(c)のような押し下げ範囲内にストッパーが納まるように分割して使用できる定量可変の吐出容器となる。
【0019】
図2の(c)に示した一般的な形状のストッパーの場合には、まず、ノズルヘッド固定ストッパーを吐出容器から外し、吐出を調整したい場合には輪状に、手またはハサミを用いて調節に必要な高さを、吐出調整可能なストッパーに表示された分割割合を見ながら分割する。この場合、全ての分割手段を施した所で分割しても良い。完全に切り離して分割した際には不要となるストッパーはノズルヘッド側面のストッパー保存部分へ嵌着させておく。要するに、多く吐出させたい場合にはストッパーの高さを少なく嵌め込み、吐出量が少量でも良い場合はストッパーの高さを多めに軸に嵌め込むものである。
【0020】
また最初から摘持部の側面だけで繋がっているストッパーやその状態になる分割方法である場合は、調整に必要な高さ分のストッパー以外は裏側に曲げておき、吐出調整に必要な高さのストッパーをノズルヘッド下部の押し下げ可能範囲の軸に嵌着させることで、ノズルヘッド押し下げの規制になり吐出を制限できるものである。図4に示したのがその実施例であるが、連結部を分かり易く描いたものであり、連結部は下方にしてストッパーを嵌着することで邪魔になりにくいものである。しかし、その場合でもストッパーの繋がり部が邪魔な場合は切り離して分割して使うのも良い。
【0021】
再度ノズルヘッドを固定させたい場合は、分割されたストッパーをノズル側面から押し下がり軸に全て嵌めこむことにより固定されるものである。またストッパー摘持部側面で連結されている場合は筒部を揃えて嵌着させることで、本来のストッパーの役割も果たした吐出調整が可能なストッパーとなる。
【0022】
吐出調整を必要とせず、再度ノズルヘッドを固定させたい時がある場合は、ストッパーを軸から外した時に、ノズルヘッド側面に嵌着させておくことで紛失しないでそのまま使用できるものである。
【0023】
吐出調整もノズルヘッド固定も必要ない場合には出荷用にノズルヘッドを固定させているストッパーは従来どおり不要なものとなる。
【0024】
また、他の実施の形態を図2に基づいて説明する。
【0025】
図2に示されたタイプの吐出容器のノズルヘッドを固定させるストッパーの内径には螺
旋状の溝を設け、ノズルヘッド側面に設けられた螺旋溝に合わせるように嵌着させた後、ストッパーを回すことでノズルヘッド側面を上下移動する調節具に変わり、定量可変吐出容器になるものである。
【0026】
また、ストッパー内部に輪状に複数の溝や凹部を設け、ノズルヘッド下面の外周側面にも前記溝に合う螺旋や凸部を設けたことで、ストッパーをノズルヘッドと軸とにまたがるように嵌着させることでノズルヘッドと一体になり上下にずれずに固定され、ノズルヘッドを押し下げた際には前記ストッパーの嵌着位置により定量可変吐出容器となるものである。
【符号の説明】
【0027】
1、ノズルヘッド 2、収納ネジ 3、押し下げ軸 4、ディスペンサー固定部材 5、キャップ 6、容器 7、ポンプ部 8、凸型キャップ 9、押し下げ可能範囲 10、ストッパー 11、分割されたストッパー 12、連結性を持たせたストッパー 13、摘持部側面の連結性 14、ノズルヘッド外周側面の凸部 15、ストッパー保存部分 16、スリット 17、摘持部 18、摘持部側面 19、分割手段 20、分割割合の表示 21、吐出調整が可能なストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルヘッド(1)を押し下げた際に押し下げた分だけの薬液が吐出口から配分される吐出容器のポンプディスペンサーにおいて、
出荷時にノズルヘッドの不意の押し下げ防止のため嵌着されているストッパー(10)にノズルヘッドの押し下げ可能範囲(9)を物理的に上下移動の制限をして吐出量が調整できる機能を持たせたことを特徴とする、吐出調整を可能としたストッパー(21)付きの定量可変吐出容器を提供する。前記の調整できる機能とは、詳しくはストッパー内径に複数の横溝や螺旋状の溝を入れたり、部分的に凸部凹部を設けたり、部分的に切れ目を入れるなどの分割手段(19)を設けたことを特徴とするもので、その吐出調整が可能なストッパーとは、
(A)ノズルヘッドの上下移動する部分に嵌着させやすく外し易い。
(B)嵌着している時はノズルヘッドが固定されていてノズルヘッドを押しても動かない。という(A)と(B)2つの本来の目的を逸脱しない範囲内で行うことを特徴としたものである。
【請求項2】
吐出調整が可能なストッパーとは、複数の輪状に分割できるように溝や部分的に切れ目を入れるなどの分割手段を設けたことを特徴とするもので、前記分割手段とは、できれば手だけで分割するか、手だけで分割するにはストッパーの本来の目的である請求項1に記載の(A)と(B)が達成しない場合にはハサミなどの切り取り手段を用いて容易に分割できる範囲内である請求項1に記載の吐出調整が可能なストッパー付きの定量可変吐出容器を提供する。そのストッパーの最良の形状は、ストッパー摘持部(17)の側面(18)のみが連結性(13)を持っており、輪状に分割されている請求項1に記載の(A)(B)の目的が充たされた吐出調整が可能なストッパーである。
【請求項3】
吐出調整が可能なストッパーの分割箇所は、できるだけ分かり易くするために等分に分割手段を持ったことを特徴としたもので、使用者は押し下げたい分の高さのストッパーを分割して取り除き、残りのストッパーを再度押し下げ可能範囲内に嵌着してノズルヘッドを押し下げることでノズルヘッドの上下移動が制限されて、必要量の吐出液を得ることができるものであり、その分割された吐出調整が可能なストッパーは軸に二つ以上を嵌着してもノズルへッドの押し下げには何ら問題はないものである請求項1または請求項2に記載の吐出調整が可能なストッパー付きの定量可変吐出容器を提供する。
【請求項4】
吐出調整が可能なストッパーは強度を保たせるため、できるだけ分割手段を少なく、かつ吐出段階を増やしたいもので、その分割割合は、1対2にしたり、1対1対2、又は1対2対2、又は1対3対2、又は1対2対4、又は1対3対2対2、又は1対3対3対2とそれに酷似する割合の割合内は順不同の対比で設けておくことで、例えば1対3対3対2の分割割合で分割手段を設けた場合、ストッパー1個に対して3つの輪状分割部分を設けて、最大で2箇所までの分割で9段階までの調整が可能となる。前記に示した分割方法を用いた吐出調整を可能としたストッパーを嵌着した定量可変吐出容器を提供する。その場合、分割手段を設けたストッパーの側面には分割割合の数字を示しておいたり、更に分かり易くするため、分割割合の組み合わせによってできる割合をストッパーに、高さに応じて円の中に対応する数字を入れるなどと必要部材の高さの範囲内に表示(20)することで、分割位置が決め易くしておくと尚良い。全て分割してしまったとしてもその分割対比の合計の数だけ段階的に調節可能となったものである。その分割された吐出調整が可能なストッパーは軸に二つ以上を嵌着してもノズルヘッドの押し下げには何ら問題はないものである請求項1または請求項2に記載の吐出調整が可能なストッパー付きの定量可変吐出容器を提供する。
【請求項5】
使用者が分かり易く分割できて、できるだけ分割手段の箇所を少なくするために、1対2、又は1対1対2、又は1対1対3、又は1対1対1対3、又は1対1対1対4、又は1対1対1対1対4、又は1対1対1対1対5とそれに酷似する割合、の割合で分割手段をを得ることで容易にその分割対比の合計の数だけ段階的に調節可能となったものである。その場合、ストッパー側面には分かり易く割合の数字を表示することで、分割位置を決め易くしておくと尚良い。その分割された吐出調整が可能なストッパーは軸に二つ以上を嵌着してもノズルヘッドの押し下げには何ら問題はないものである請求項1または請求項2に記載の吐出調整が可能なストッパー付きの定量可変吐出容器を提供する。
【請求項6】
吐出調整が可能なストッパーは、吐出量を頻繁に変えたい場合に、摘持部の側面の平たん部では連結性をもたせ、吐出調整に不要となるストッパー部分は一時的に裏側に曲げておき、調整に必要なストッパー部分を軸に嵌着することでも使用可能であり、調節のし易さと部材の紛失を防げる請求項1から請求項5のいずれかに記載の吐出調整が可能なストッパー付きの定量可変吐出容器を提供する。
【請求項7】
吐出容器の凸型キャップ(8)の突出部分がノズルヘッド押し下げ可能範囲になっている吐出容器においてノズルヘッド部材の高さは押し下げ可能軸の長さと同等であるため、ノズルヘッド外周側面の上部(ノズルヘッド上面の外周側面でも良い)と下部の2箇所にストッパーのC状の厚みと同じ長さの輪状凸部(14)を設け、ノズルヘッド側面にできた凹み部の面は、ノズルヘッド固定部材である出荷時付属のストッパーがピッタリと嵌着できて上下にずれない大きさに設計しこれをストッパー保存部分(15)とし、吐出容器のノズルヘッドにある吐出口部分にストッパーのスリット(16)部分が来るように嵌着させるか、吐出口下部にストッパー保存部分を設けるかのどちらかにすることでストッパーの紛失を防ぐことを特徴とした吐出容器を提供する。
【請求項8】
請求項7に記載のストッパー収納方法を実現するため、ストッパーの形は請求項1に記載の(A)(B)に示したストッパーの本来の目的を逸脱しない範囲でストッパーの形を上面から見たC状から僅かに楕円の中空柱に横から軸に嵌着させるためのスリットが入った形状のノズルヘッド固定部材にすることで、ストッパーの内径に若干の広がりができるので、本来収まっている軸の外径にも嵌着できるし、その外径よりも若干大きいノズルヘッドの外形にも嵌着できるものとなったストッパーを提供する。また、請求項1の(A)(B)に記載の本来の目的の範囲内でストッパーの内径は押し下げ軸の外周よりも僅かに広くすることで請求項7に記載のストッパー収納方法が可能となる。
【請求項9】
吐出容器の出荷時ノズルヘッドを固定させる目的で付属しているストッパーは一般的な図2の(c)に記載された形状でない場合があるが、基本的にはノズルヘッドの押し下げ可能範囲内に押し下げ軸の外周を包み込む部分を有しているのが特徴である。前記ストッパーの場合、図2の(c)に示した押し下げ軸の外周の押し下げを規制している部分だけに分割できる切り取り手段を設けたことを特徴とした請求項1から請求項8のいずれかに記載のストッパー付きの定量可変吐出容器を提供する。
【請求項10】
請求項7又は請求項8に記載の吐出容器によって再度ノズルヘッドを固定する場合や、ス
トッパーを分割して調節量を変更させたい場合に備えて、分割されたストッパーを一時的
にノズルヘッド側面に嵌着することができるようになった。しかし、この場合ストッパーの摘持部が邪魔になる可能性もあることから、ストッパーの摘持部も請求項1から請求項
9までのいずれかに記載の強度において問題ない範囲内でストッパーの摘持部が切り離しできる切り込みを入れたり、溝を入れておくなどの切り離し手段を設けた請求項1から請求項9までのいずれかに記載の吐出調整が可能なストッパー付きの定量可変吐出容器を提供する。この場合、ストッパーに連結性を持たせる場合はC状の外周いずれかに設ければよい。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−153409(P2012−153409A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15086(P2011−15086)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(509095503)
【Fターム(参考)】