定電流駆動回路及び定電流駆動回路を用いたLEDバックライト装置
【課題】出力側に検出部を接地設置する必要が無く、コンバータ部のみで定電流制御可能な回路を提供する。
【解決手段】定電流駆動回路は、スイッチング信号を生成する制御ICと、入力電源VINに接続され、スイッチング信号の有無でオンおよびオフ動作を行い、入力電源VINをスイッチングするスイッチング素子SIと、スイッチングされた電源電流を整流し、平滑化し出力電流を出力する整流ダイオード、平滑インダクタ及び平滑コンデンサとを有し、制御ICは、所望の出力電流が設定され参照信号を生成する参照信号生成部REFと、スイッチング素子SIに流れる電流と参照信号生成部REFからの信号に基づいて所望の出力電流とを比較する比較部CMPと、外部クロックCLKからのクロック信号と、比較部からの出力信号が同時に入力されるフリップフロップ部FFと、スイッチング信号でスイッチング素子SIをゲート制御する遅延部DLYと、から成る。
【解決手段】定電流駆動回路は、スイッチング信号を生成する制御ICと、入力電源VINに接続され、スイッチング信号の有無でオンおよびオフ動作を行い、入力電源VINをスイッチングするスイッチング素子SIと、スイッチングされた電源電流を整流し、平滑化し出力電流を出力する整流ダイオード、平滑インダクタ及び平滑コンデンサとを有し、制御ICは、所望の出力電流が設定され参照信号を生成する参照信号生成部REFと、スイッチング素子SIに流れる電流と参照信号生成部REFからの信号に基づいて所望の出力電流とを比較する比較部CMPと、外部クロックCLKからのクロック信号と、比較部からの出力信号が同時に入力されるフリップフロップ部FFと、スイッチング信号でスイッチング素子SIをゲート制御する遅延部DLYと、から成る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定電流の電源回路及び定電流駆動回路を用いたLEDバックライト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の定電流駆動回路は、駆動される負荷回路に流れる電流を常時検出するように構成されており、例えば、図11及び図12のように構成されている。これらの従来の定電流駆動回路は、次のような基本動作を行う。
【0003】
(1) n個(n>1)のLEDから成るLEDストリングスに電流検出部Rを直列に設け、該検出部Rによって、電圧Vsenを測定する。
(2) 検出された電圧Vsenが所望値REFと常に等しくなるように、出力電圧Voutを制御し、出力電流Ioutを一定に保つ。この制御は、スイッチング素子SIのゲート電圧を制御することによって行われる。具体的には、オン状態の時間幅Tonとオフ状態の時間幅Toffの比率を制御することによって行われる(図13)。
【0004】
上記した従来の定電流駆動回路は、スイッチング素子SIのオン状態及びオフ状態に係わらず、常時、電流検出部Rの電圧Vsenを検出する必要がある。しかし、電流検出部Rは駆動される負荷回路に直列に配置接続されるため、前記電流検出部Rは電力のロスの要因であって、出力電流Ioutの増大に伴い、検出部Rによる電力のロスも増大するという問題がある。
【0005】
また、前記の電流検出部Rが負荷回路の高圧側に直列に配置されている場合、制御ICに対して高電圧の耐圧性が要求される。一方、前記の電流検出部Rが負荷回路の低圧側に直列に配置されている場合、負荷回路を直接に接地できない構造になる。
【0006】
また、電流検出部Rの信号を制御ICに送信するため、駆動される負荷回路の出力側に入力ピンを設ける必要がある。
【0007】
特許文献1(特開2010-40509)には、図11及び図12以外の構成を有する定電流駆動回路が提案されている。この特許文献に示された駆動回路は、スイッチング素子に直列に配置接続された電流検出抵抗器RISEN_iと、負荷回路の直列に接続されたインダクタンスコイルと、備え、以下の基本動作を行う:
【0008】
(1) 所望のLED電流値である基準信号REFと、スイッチング素子SIのオン/オフ制御信号(PWM信号)PWM_iとの積を、乗算器で積算する。
(2) 電流検出抵抗器RISEN_iによって、監視信号ISEN_iを検出する。電流検出抵抗器RISEN_iはスイッチング素子SIと直列に接続されているので、信号ISEN_iはスイッチング素子SIに流れる電流に等しい。そこで、式1及び式2に基づいて監視信号ISEN_iを算出する。次いで、誤差増幅器によって、式1で与えられる積算値と監視信号ISEN_iとを比較し、新たな制御信号PWM_iを生成する。
Iled=ISEN_i/PWM_i ・・・(式1)
ISEN_i=REF×PWM_i ・・・(式2)
尚、LED電流“Iled”と、監視信号“ISEN_i”、PWM信号“PWM_i”との間の関係を、図14に示す。
(3) 積算値”REF×PWM_i”と監視信号ISEN_iが等しくなるように、すなわち、LED電流Iledが所望のLED電流値に等しくなるように、制御信号PWM_iをフィードバック制御する。
【0009】
上記の基準信号REF、監視信号ISEN_i及び上記のインダクタンスコイルの電流は、特許文献1の図9に示される波形の信号である。
【0010】
しかし、特許文献1に開示された回路は、乗算器を必要とする為、スイッチングバランス制御部の回路構成が複雑であるという問題がある。また、PMW信号PWM_iを制御生成する誤差増幅器で、被制御対象であるPMW信号PWM_iを用いた値を基準値としている。すなわち、特許文献1に開示された回路は、被制御対象PWM_i自体を収束すべき基準対象としているので、フィードバック制御の収束性に欠けるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010−40509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、前述の従来技術の問題点を解決し、出力側に検出部を設置する必要が無く、コンバータ部のみで定電流制御可能な回路を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、スイッチング素子のオン状態のみの検出によって、定電流制御可能な回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る定電流駆動回路は、スイッチング信号を生成する制御ICと、入力端子が入力電源側に接続され、前記スイッチング信号の有無でオンおよびオフ動作を行い、前記入力電源をスイッチングするスイッチング素子と、前記スイッチング素子によりスイッチングされた電源電流を整流し、平滑化し出力電流を出力する整流ダイオード、平滑インダクタ及び平滑コンデンサと、を有し、所望の出力電流が設定され、参照信号を生成する参照信号生成部と、前記スイッチング素子に流れる電流と、前記参照信号生成部からの信号に基づいて前記所望の出力電流とを比較し検出する比較部と、外部クロックに接続され、該外部クロックからのクロック信号と、前記比較部からの出力信号が同時に入力されるフリップフロップ部と、該フリップフロップ部からの出力信号に基づいて、前記スイッチング信号を伸長し、前記スイッチング素子をゲート制御する遅延部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
上記の定電流駆動回路によれば、乗算器を利用すること無く負荷回路に供給する定電流を所望の大きさになるように制御でき、構造を簡素化することができる。
【0016】
また、本発明に係る定電流駆動回路は、定電流駆動される負荷回路と、該負荷回路の高電位側に接続された固定電圧電源と、該負荷回路の低電位側に接続されたコンバータ部と、該コンバータ部に接続され、スイッチング信号を生成する制御ICから成る定電流駆動回路であって、前記コンバータ部は、入力端子が入力電源側に接続され、前記スイッチング信号の有無でオンおよびオフ動作を行い、前記入力電源をスイッチングするスイッチング素子と、前記スイッチング素子によりスイッチングされた電源電流を整流し、平滑化し出力電流を出力する整流ダイオード、平滑インダクタ及び平滑コンデンサと、前記スイッチング素子の低電位側に接続され且つ他端がGND接地された抵抗と、から成り、前記制御ICは、所望の出力電流が設定され、参照信号を生成する参照信号生成部と、GND接地された抵抗Rに流れる電流に基づいて前記スイッチング素子の電流を計測し、前記スイッチング素子に流れる電流と、前記参照信号生成部からの信号に基づいて前記所望の出力電流とを比較する比較部と、外部クロックに接続され、該外部クロックからのクロック信号と、前記比較部からの出力信号が同時に入力されるフリップフロップ部と、該フリップフロップ部からの出力信号を伸長し、前記スイッチング信号で前記スイッチング素子をゲート制御する遅延部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
上記の定電流駆動回路によれば、スイッチング素子電流が所望電流値に至るまでの時間で制御されるので、自己インダクタ及び電圧に依らず、所望電流値を設定して定電流制御することができる。
【0018】
また、上記構成において、本発明に係る定電流駆動回路は、前記スイッチング素子に供給される電流を検出する電流検出部と、該電流検出部と前記比較部との間にスロープ補償回路が備えられてなる、構成にすることができる。この定電流駆動回路によれば、デューティ・サイクルが50%以上であっても、インダクタ電流を安定化することができる。
【0019】
また、上記構成において、本発明に係る定電流駆動回路は、前記の平滑インダクタに流れる電流が、スイッチング素子のオン状態及びオフ状態で0にならないように、平滑インダクタの自己インダクタンス、平滑コンデンサの容量及び外部クロックのセット信号の周期が定められてなる、構成にすることができる。この定電流駆動回路によれば、連続モード及び臨界モードで、負荷回路を駆動することができる。
【0020】
また、上記構成において、本発明に係る定電流駆動回路は、遅延部と独立して前記のスイッチング素子にオフ信号を送り、該スイッチング素子を強制的にオフ状態にする機能を有する構成にすることができる。この定電流駆動回路によれば、負荷回路の停止及び作動を自由に制御することができる。
【0021】
また、本発明は、並列に接続された複数の発光素子と、該複数の発光素子を定電流駆動する上記の構成の定電流駆動回路と、から成る発光装置を提供することができる。この発光装置によれば、LEDストリングのカソード端を共通GNDとすることができるので、配線接続が容易になる。
【0022】
また、本発明は、液晶パネルと、前記液晶パネルのバックライトとして設けられる前記構成の発光装置と、を備える電子機器を提供することができる。この電子機器によれば、本発明の定電流駆動回路を備えているので、消費電力を低減することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る定電流駆動回路は、出力側に検出部を設置する必要がなく、コンバータ部分のみで定電流制御が可能であり、スイッチング素子のオン状態のみの検出によって、定電流を制御することができる。
【0024】
また、スイッチング素子の電流が、所望電流値に至るまでの時間で制御されるので、所望電流値は、上記の平滑インダクタ電流の増加率に依存すること無く、一定値に設定することができる。
【0025】
また、出力側に検出部を設置する必要がない為、スイッチング素子の電流を検出するために発生する電力のロスを低減できる。この電力のロスは、出力電流値に依存して増加する為、出力電流の高出力化に対し、出力側に検出部を削除できる効果は高い。
【0026】
また、LEDストリングのカソード端の直接接地が可能になる。複数のLEDストリングがある場合、それらのカソード端を共通GNDにできるので、配線接続が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態に係る回路構成を模式的に示したブロック図である。
【図2】図2(a)は、図1の外部クロックCLKから供給されるセット信号であり、図2(b)は、図1のスイッチング素子SIをゲート制御する遅延部DLYの信号であり、図2(c)は、図1のインダクタ素子Lに流れる電流の波形及び目標定電流Itargetを示す図であり、図2(d)は、図1のスイッチング素子SIの電流Isの波形図であり、図2(e)は、図1の比較部CMPが、フリップフロップ部FFのリセット端子Rに入力するリセット信号であり、図2(f)は、図1のフリップフロップ部FFの出力端子Qから出力されて、遅延部DLYに入力される信号であり、図2(g)は、図1の遅延部DLYが、スイッチング素子SIをゲート制御する信号を示す。
【図3】図3(a)は図2(c)の拡大図であり、図3(b)は図2(d)の拡大図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る回路構成を模式的に示したブロック図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る回路構成を模式的に示したブロック図である。
【図6】図5に示した定電流駆動回路の動作をシミュレーションするための回路構成を示す。
【図7】図7(a)は、図5の信号CSが増幅器10によって増幅された出力信号であり、図7(b)は、外部クロックV6から入力端子Sへのセット信号、フリップフロップ回路RS−FFのリセット端子Rに入力されるリセット信号、図7(c)は、遅延部からのパルス信号LEDストリングのカソード端の電圧Voutを示す。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る定電流駆動回路の構成を示す回路図である。
【図9】図8に示した第4の実施形態に係る定電流駆動回路を、LEDバックライト装置及びバックライト部として含む液晶表示装置のブロック図である。
【図10】実施形態5に係る液晶表示装置の構造を示す分解斜視図である。
【図11】従来の定電流駆動回路の構成図である。
【図12】従来の定電流駆動回路の構成図である。
【図13】図11及び図12に示す従来の定電流駆動回路の制御IC内の信号の波形を示す図である。
【図14】特許文献1の定電流駆動回路の基本動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る定電流駆動回路及びこれを用いたLEDバックライト装置を、以下の実施形態1乃至5に基づいて具体的に説明するが、以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0029】
[第1の実施形態]
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、n個(n>1)のLEDから成るLEDストリングを駆動するための回路構成を模式的に示したブロック図であって、本発明の定電流駆動回路の一実施形態が備えられている。
【0030】
図1のLED駆動回路に設けられた定電流駆動回路は降圧型であって、一方の端子が入力電源VINの端子に直接に接続されたスイッチング素子SIを備える。また、図1のLED駆動回路は、前記スイッチング素子SIと、制御IC、整流ダイオードD1、平滑インダクタL1、平滑コンデンサC1、n個(n>1)のLEDi(1≦i≦n)のLEDストリングから構成される。
【0031】
該スイッチング素子SIは、制御ICによってゲート制御されており、外部クロックCLKから供給される図2(a)に示されるセット信号に基づき、制御ICが生成するスイッチング信号によってオンおよびオフ動作を行う。スイッチング素子SIの出力電流は、整流ダイオードD1、平滑インダクタL1及び平滑コンデンサC1によって平滑化され、前記LEDストリングに電流Ioutを供給する。
【0032】
本発明の定電流駆動回路は、所望或いは目標とされる定電流Itargetの電流値が予め設定されており、前記LEDストリングが目標定電流Itargetで駆動されるように、次の基本的な動作を行う。
【0033】
前記の電流Ioutとして所望或いは目標とされる定電流Itargetの電流値は、参照信号生成部REFに設定され、比較部CMPは、入力電源VINからスイッチング素子SIに直接供給される電流Isと前記の目標定電流Itargetとの比較を行う。スイッチング素子SIのオン状態において、スイッチング素子の電流Isとインダクタ素子Lの電流ILは、図2(c)及び(d)に示されるように同一である。すなわち、スイッチング素子SIの電流Isは、図3(a)の波形ILaと同様、線形的に増加する。このような電流Isの波形は、電流検出部Diによって検出される。
【0034】
しかし、図2(a)(g)に示されるスイッチング素子のゲート制御信号のオンデューティが50%以上の時、発振する可能性が高くなる。そこで、第1実施形態の定電流駆動回路では、当該発振を補償することができるように、スロープ補償回路SLOPEが設けられている。以下、電流検出部Diによって検出された電流Is及び当該電流Isをスロープ補償して得られた電流を「電流Is」と略称する。
【0035】
電流検出部Diによって検出された電流Isは、図2(d)及び図3(b)に示される波形を有する。比較部CMPは、前記電流Isが所望の定電流値Itargetと一致したタイミングPoint1を検出して、図2(e)に示されるリセット信号を出力する。
【0036】
フリップフロップ部FFは、外部クロックCLKからのセット信号(図2(a))の入力端子Sへの入力によってセット状態になった後、Point1が検出された時点で、図2(e)のリセット信号がリセット端子Rに入力される。フリップフロップ部FFがセット状態を維持する時間は、外部クロックCLKからのセット信号が入力された時点からリセット信号が入力されるPoint1までの時間幅(Ta1)である。この時間幅Ta1のパルス信号(図2(f))がフリップフロップ部FFの出力端子Qから出力されて、遅延部DLYに入力される。
【0037】
遅延部DLYは、前記の時間幅Ta1の2倍の時間幅Ton(=2×Ta1)の間、スイッチング素子SIがオン状態になるように図2(g)に示されるパルス信号を出力し、スイッチング素子SIは、図2(b)に示されるようにゲート制御される。
【0038】
スイッチング素子SIは、外部クロックCLKからのセット信号(図2(a))と同じ周期Tswで制御されており、図2(b)に示されるように、時間幅Tonの間オン状態であるが、Toff(=Tsw−Ton)の間、オフ状態になる。すなわち、スイッチング素子SIは、オン状態開始からTon時間後にオフ状態に移行する。
【0039】
本発明の定電流駆動回路は、動作周波数或いは動作周期を一定にして、スイッチング素子SIのオン・オフ時間を制御ICで制御し、パルス電圧幅を変化させるパルス幅制御(Pulse Width Modulation;PWM)技術が適用される。
【0040】
本発明の定電流駆動回路は、動作周期としての上記周期Tswを特に限定しない。本発明の定電流駆動回路は、図2(c)及び図3(a)に示されるように、スイッチング素子SIのオフ状態においてインダクタ素子Lの電流ILbが0より低くならない、いわゆる「連続モード」及び「臨界モード」で駆動することが好ましい。そこで、インダクタ素子Lに流れる電流Isが、スイッチング素子SIのオン状態及びオフ状態で0より低くならないように、平滑インダクタL1の自己インダクタンス、平滑コンデンサの容量及び外部クロックCLKのセット信号の周期Tswを決定することが好ましい。
【0041】
上記したように、本発明の定電流駆動回路において、時間幅Tonの後半の時間帯において、インダクタ素子Lの電流ILは、時間幅Tonの後半の時間帯と同様に線形的に増加する。そのため、時間幅Tonの前半において目標定電流Itargetに満たなかった電流分S1と、時間幅Tonの後半において目標定電流Itargetから超過した電流分S2は等しく、次式が成立する。
S1=1/2×(Itarget−h1)×Ton=S2=1/2×h2×Ton・・・(式3)
但し、h1は、スイッチング素子SIのオン状態開始時におけるインダクタ素子Lの電流ILの値であって、h2は、スイッチング素子SIのオフ状態開始時におけるインダクタ素子Lの電流ILの値と電流値h1との差を表す。
【0042】
h1とItargetとの差、及びh2が小さいほど、動作周期Tswにおけるインダクタ素子Lの電流ILの変動は少なく、スイッチング素子SIのオン、オフに関わらず、上記のLEDストリングは、目標定電流Itargetに近い電流で連続的に駆動されることになる。
【0043】
尚、上記の式3は、「スイッチング素子SIのオン状態開始後スイッチング素子SIの電流Isが目標定電流Itargetに達するまでの時間の2倍を、スイッチング素子SIのオン状態の時間とする」ことを前提としている。
【0044】
一方、スイッチング素子SIがオン状態にあるとき、インダクタ素子Lが充電されることは、インダクタ素子の諸性能及びインダクタ素子に印加される電圧の大きさによらず変わらない。そのため、インダクタ素子が大型化されると、インダクタ素子Lの充電時間も増大し、計測時間も増える。
【0045】
そこで、スイッチング素子SIのオン状態開始後スイッチング素子SIの電流Isが目標定電流Itargetの途中の電流値Iに達するまでの時間Tのみを計測し、当該計測された時間に基づいてスイッチング素子のオン状態時間幅Tonを決定することもできる。この場合、次式4によって、時間幅Tonが決定される。
Ton=2×Itarget/I×T・・・(式4)
【0046】
[第2の実施形態]
上記第1の実施の形態は降圧型の定電流駆動回路であるが、同様の技術思想で昇圧型の定電流駆動回路を形成することも勿論可能である。図4に本発明の第2の実施の形態に係る昇圧型のスイッチング電源回路を示しておく。なお、図4中、図1の各部と機能的に対応する部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0047】
[第3の実施形態]
図5は、第3の実施形態に係る定電流駆動回路の構成を示す回路図である。第3の実施形態において、前記のLEDストリングの高電位側及び低電位側はそれぞれ、固定電圧電源Vconst及びコンバータ部に接続される。該コンバータ部は、前記スイッチング素子SIと、整流ダイオードD1、平滑インダクタL1及び平滑コンデンサC1で構成され、所望の電流値Itargetで前記のLEDストリングが駆動されるように、制御ICによって駆動される。
【0048】
第3の実施形態を構成する制御ICは、スイッチング素子SIと遅延部DLYとの間に制御回路部CCが設けられている点で第1及び第2の実施形態と異なるが、基本的な構成及び動作は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0049】
尚、制御回路部CCは、遅延部DLYと独立して、前記のスイッチング素子SIにオン信号を送り、スイッチング素子SIをオン状態にする一方、前記のスイッチング素子SIにオフ信号を送り、スイッチング素子SIを強制的にオフ状態にする機能を有する。そのため、第3の実施形態のスイッチング素子SIは、遅延部DLYの出力(時間幅Ta1)と制御回路部CCのオン・オフ信号との論理積を介して、オン状態或いはオフ状態に遷移する。即ち、制御回路部CCはLEDストリングをオン・オフ制御する。高周波で点灯、消灯を繰り返すことにより人間の目には点灯し続けて見えることを利用した点灯パルス幅制御(Pluse Width Modulation)による輝度制御に用いる。また、LEDストリングのオン・オフ制御が不要な場合、遅延部DLYの出力をスイッチング素子SIに直接的に入力して、ゲート制御することができる。
【0050】
また、第3の実施形態の場合、スイッチング素子SIの低電位側は、他端がGND接地された抵抗Rに接続されており、スイッチング素子SIの電流Isは、GND接地された抵抗Rに流れる電流から計測される。従って、第3の実施形態の場合、電流検出部Diに検出された電流Isとして比較部CMPに入力される信号CSは、低電圧で実現することができる。従って、第3の実施形態に係る定電流駆動回路は、電力の損失を低減することができる。消費電力を低減する観点から、第3の実施形態に係る定電流駆動回路は、複数のLEDストリングを制御する場合に好適に利用できる。
【0051】
次に、図5に示した定電流駆動回路の動作をシミュレーションするための回路構成を図6に示す。図6に示されたシミュレーション回路の動作について、該回路内の各部の信号を図7(a)乃至(e)に示して説明する。
【0052】
図7(a)に示される電圧信号V(Ifb)は、検出部Diによって検出された信号CSに対応しており、信号CSが増幅器10によって増幅された出力信号である。また、図7(a)に示される波形、すなわち、電圧信号V(Ifb)の波形は、スイッチング素子M5及び接地された抵抗R4を流れる電流Isの波形に対応する。図7(a)及び図2(d)を比較すると、電圧信号V(Ifb)の波形が電流Isの波形に対応していることが分かる。
【0053】
発光ダイオードD1乃至D12から成るLEDストリングは、スイッチング素子M5に直接的に影響を受ける。インダクタL1に流れる電流ILの波形は、電流Isの波形として現れる。従って、前記の電圧信号V(Ifb)を測定することによって、前記のインダクタL1に流れる電流ILをモニタリングすることができる。LEDストリングに流れる電流IledインダクタL1に流れる電流ILは、キャパシタC1により平滑化されたものである。
【0054】
前記の電圧信号V(Ifb)は、スロープ補償回路(comparator)によってスロープ補償された後、比較部(comparator)に入力され、所望の定電流Itargetに対応する電圧信号と比較される。尚、定電流Itarget及び該定電流Itargetに対応する電圧信号は、前述の通り、参照信号生成部REFに設定される。
【0055】
比較部は、前記電流Isに対応する電圧信号が所望の定電流値Itargetに対応する電圧に一致したタイミングPoint1を検出して、図2(e)に対応する図7(b)のV(RS_R)に示されるリセット信号を出力する。
【0056】
フリップフロップ回路RS−FFは、外部クロックV6から入力端子Sへのセット信号V(RS_S)(図7(b)、図2(a))の入力によってセット状態になった後、Point1が検出された時点で、リセット信号V(RS_R)がリセット端子Rに入力される。フリップフロップ部FFがセット状態を維持する時間は、外部クロックCLKからのセット信号V(RS_S)が入力された時点からリセット信号V(RS_R)が入力されるPoint1までの時間幅(Ta1)である。この時間幅Ta1のパルス信号(図2(f))がフリップフロップ回路RS−FFの出力端子Qから出力されて、遅延部(Delay部)に入力される。
【0057】
遅延部は、前記の時間幅Ta1の2倍の時間幅Ton(=2×Ta1)の間、スイッチング素子M5がオン状態になるように図7(b)に示されるパルス信号V(Co)を出力する。
【0058】
一方、図6のシミュレーション回路において、制御回路部CCは遅延部内に組み込まれており、遅延部から別異にオン・オフ信号をスイッチング素子M5に送り、該スイッチング素子M5を強制的にオフ状態に遷移させる。尚、図7(a)及び(b)の横軸の単位が、図7(c)乃至(e)の横軸の単位の約1/20である点に注意されたい。
【0059】
上記の遅延部からのパルス信号V(Co)及び制御回路部CCからのオン・オフ信号との論理積の信号に基づいて、スイッチング素子M5はオン状態或いはオフ状態に遷移する。
【0060】
図6のシミュレーション回路の前述の動作によって、接地コンデンサC1の電位V(fls)、インダクタL1の電流IL及びダイオードD8の電流I(D8)は、図7(c)乃至(e)に示されるように変化する。尚、図7(c)に表される電位V(fls)は、信号V(Co)及び制御回路部CCからのオン・オフ信号との論理積に対応しており、電位V(fls)がダイオードD20のアノード端電圧と同等の相対的に高い電圧である場合、電流IL及び電流I(D8)は0A(アンペア)になる。
【0061】
図7(d)及び(e)によれば、インダクタL1の電流IL及びダイオードD8の電流I(D8)は、ほぼ一致している。このように、本発明の定電流駆動回路によれば、接地された抵抗R4を流れる電流Isを測定することによって、LEDストリングを目標の定電流Itargetで駆動できることが分かる。
【0062】
すなわち、第3の実施形態に係る定電流駆動回路は、スイッチング素子SIの電流Isが、所望電流値に至るまでの時間Ta1で制御する為、インダクタのリアクタンス値及びインダクタ電圧に依らず、所望の定電流値になるように定電流制御が可能である。また、第3の実施形態によれば、LEDストリングの出力側に検出部を設けて、LEDストリングの出力電流Iledや出力電圧を検出する必要が無いので、これに起因する電力の損失を防ぐことができる。また、本発明の定電流駆動回路によれば、接地された抵抗R4を流れる電流Is、言い換えると、スイッチング素子SIのオン状態における電流Isのみの検出によって、定電流駆動される負荷回路に流れる電流を常時検出する必要が無い。従って、従来の技術に比べて、本発明の定電流駆動回路は、電力の損失が少なくて済む。
【0063】
[第4の実施形態]
図8は、第4の実施形態に係る定電流駆動回路の構成を示す回路図である。第4の実施形態は、M個のLEDストリング(M>2)を備える点で第3の実施形態と相違するが、個々のLEDストリングは、第3の実施形態と同一の構造を有する。すなわち、前記M個の個々のLEDストリングは、図5に示される構成のコンバータ部及び制御ICにそれぞれ接続されており、別個に制御される。尚、図8中、符号CHiは、M個のLEDストリングのうちのi番目のものを意味し、符号DLiは、該i番目のLEDストリングに接続される個々の制御ICの端子を意味する。
【0064】
また、前記の複数のLEDストリングは、いずれも、高電位側の端子が同一の固定電圧電源Vconstに並列に接続されている。個々のLEDストリングを制御ICに接続するために必要なピンは、それぞれDLj(1≦j≦M)の1本のみであるので、「1ピン/1チャネル」を実現することができる。尚、第4の実施形態として、定電流駆動される負荷回路として、M個のLEDストリング(M>2)が示されているが、第4の実施形態の定電流駆動回路は、負荷回路が直流電源によって駆動される回路であれば、特に制限されない。第4の実施形態に係る定電流駆動回路が適用できる負荷回路として、LEDストリング以外にガスセンサ、ステッピングモーター、パルスモーター等を例示できる。
【0065】
[第5の実施形態]
次に、上記図8に示した第4の実施形態に係る定電流駆動回路を、LEDバックライト装置931及びバックライト部932として含む液晶表示装置について図9に示すブロック図を参照して説明する。図9に示すように、液晶表示装置900は、AC/DC電源装置910と、LCDモジュール部920と、バックライト装置930と、を備える。
【0066】
AC/DC電源装置910は、コンセント911、AC/DC整流部912、及びDC/DCコンバータ913から構成され、外部の商用交流電源電圧100V又は240Vを直流電源電圧に変換してLCDモジュール部920に出力する。
【0067】
LCDモジュール部920は、DC/DCコンバータ921、共通電極電圧発生部(Vcom発生部)922、γ電圧発生部923、LCDパネル部924、及びバックライト装置930から構成され、外部のグラフィックコントローラ(図示せず)から入力される画像データに応じた画像を表示する。LCDパネル部924は、複数の液晶素子がゲートドライバ部とデータドライバ部から各々伸びる複数のデータ線と複数のゲート線が交差する部分に各々接続されている。複数の液晶素子は、表示画像領域毎に分割されて、その表示画像領域毎に階調が制御される。
【0068】
共通電極電圧発生部922は、DC/DCコンバータ921においてレベル変換されて供給される直流電圧に基づいて共通電極電圧Vcomを発生してLCDパネル部924に出力する。
【0069】
γ電圧発生部923は、DC/DCコンバータ921においてレベル変換された直流電圧に基づいてγ電圧Vddを発生してLCDパネル部924に供給する。図9では、共通電極電圧発生部922とγ電圧発生部923がLCDパネル部924から分離されている例を示したが、これらをLCDパネル部924に含ませて構成することもできる。
【0070】
バックライト装置930は、バックライト駆動部931及びバックライト部932から構成される。バックライト駆動部931には、前述の図8に示した、第4の実施形態に係る定電流駆動回路の制御ICが含まれる。バックライト部932は、上記図8に示した複数のLEDストリングスが含まれる。バックライト部932は、入力画像をLCDパネル部924に表示する際に、その入力画像の輝度に合わせて階調を制御するため、点灯時間が制御される。
【0071】
液晶表示装置900は、上述した第4の実施形態に係る定電流駆動回路を備えたため、バックライト装置930は、消費電力を低減できる。なお、AC/DC電源装置910をLCDモジュール部920に内蔵させてもよい。
【0072】
図10は、実施形態5に係る液晶表示装置の構造を示す分解斜視図である。図10は、液晶表示装置の回路構成ではなく、機構を図示したものである。図10に示すように、液晶表示装置1000は、バックライトアセンブリ1010、ディスプレイユニット1070及び収納容器1080を備える。
【0073】
ディスプレイユニット1070は、映像を表示する液晶表示パネル1071、液晶表示パネル1071を駆動するための駆動信号を出力するデータ印刷回路1072及びゲート印刷回路1073を含む。データ印刷回路1072及びゲート印刷回路1073は、それぞれデータテープキャリアパッケージ(Tape Carrier Package、以下、TCPという)1074及びゲートTCP1075を通じて液晶表示パネル1071と電気的に連結される。
【0074】
液晶表示パネル1071は、薄膜トランジスタ(以下、TFTという)基板1076、TFT基板1076に対向して結合されるカラーフィルタ基板1077及び両基板1076、1077の間に介在された液晶1078を含む。
【0075】
TFT基板1076は、例えば、スイッチング素子であるTFT(図示せず)がマトリクス状に形成された透明なガラス基板である。TFTのソース及びゲート端子には、それぞれデータ及びゲートラインが接続され、ドレイン端子には透明な導電性材質からなる共通電極(図示せず)が形成される。
【0076】
カラーフィルタ基板1077は、例えば、色画素であるRGB画素(図示せず)が薄膜工程によって形成された基板である。カラーフィルタ基板1077は、透明な導電性材質からなる共通電極(図示せず)が形成される。
【0077】
収容容器1080は、底面1081及び底面1081のエッジ部に収納空間を形成するために形成された側壁1082により構成される。収容容器1080は、バックライトアセンブリ1010及び液晶表示パネル1071が移動しないように固定する。
【0078】
底面1081は、バックライトアセンブリ1010(図9のバックライト部932)が装着されるのに十分な底面面積を有し、バックライトアセンブリ1010と同じ構成を有することが好ましい。この例では、底面1081及びバックライトアセンブリ1010は、四角いプレート形状を有する。側壁1082は、バックライトアセンブリ1010が外部に離脱することのないように底面1081のエッジ部から略垂直に延長される。
【0079】
この例における液晶表示装置1000は、バックライト駆動部1060及びトップシャーシ1090をさらに含む。
【0080】
バックライト駆動部1060は、収容容器1080の内部に配置され、バックライトアセンブリ1010を駆動するための直流電流を発生させる。バックライト駆動部1060から発生された直流電流は、第1電源印加線1063及び第2電源印加線1064を通じてバックライトアセンブリ1010に印加される。第1電源印加線1063及び第2電源印加線1064は、バックライトアセンブリ1010の両側部に形成されたLEDストリングのアノード端1040a及びLEDストリングのカソード端1040bに直接接続してもよいし、別の部材(図示せず)を利用してLEDストリングのアノード端1040a及びLEDストリングのカソード端1040bに接続してもよい。
【0081】
トップシャーシ1090は、液晶表示パネル1071のエッジ部を囲みながら収容容器1080に結合される。トップシャーシ1090を設けることにより、外部からの衝撃に対する液晶表示パネル1071の破損を防止し、液晶表示パネル1071が収容容器1080から離脱することを防止することができる。
【0082】
この液晶表示装置1000は、バックライトアセンブリ1010から出射される光の特性を向上させるための少なくとも一枚の光学シート1095をさらに含んでもよい。光学シート1095は、光を拡散するための拡散シート又は光を集光するためのプリズムシートを含んでもよい。
【符号の説明】
【0083】
SI スイッチング素子、D1 整流ダイオード、L1 平滑インダクタ、C1 平滑コンデンサ、L インダクタ素子、SLOPE スロープ補償回路、Di 電流検出部、DLY 遅延部、CC 制御回路部、CMP 比較部、10増幅器、R4 抵抗、REF 参照信号生成部、RS−FF フリップフロップ回路、D8 ダイオード
【技術分野】
【0001】
本発明は、定電流の電源回路及び定電流駆動回路を用いたLEDバックライト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の定電流駆動回路は、駆動される負荷回路に流れる電流を常時検出するように構成されており、例えば、図11及び図12のように構成されている。これらの従来の定電流駆動回路は、次のような基本動作を行う。
【0003】
(1) n個(n>1)のLEDから成るLEDストリングスに電流検出部Rを直列に設け、該検出部Rによって、電圧Vsenを測定する。
(2) 検出された電圧Vsenが所望値REFと常に等しくなるように、出力電圧Voutを制御し、出力電流Ioutを一定に保つ。この制御は、スイッチング素子SIのゲート電圧を制御することによって行われる。具体的には、オン状態の時間幅Tonとオフ状態の時間幅Toffの比率を制御することによって行われる(図13)。
【0004】
上記した従来の定電流駆動回路は、スイッチング素子SIのオン状態及びオフ状態に係わらず、常時、電流検出部Rの電圧Vsenを検出する必要がある。しかし、電流検出部Rは駆動される負荷回路に直列に配置接続されるため、前記電流検出部Rは電力のロスの要因であって、出力電流Ioutの増大に伴い、検出部Rによる電力のロスも増大するという問題がある。
【0005】
また、前記の電流検出部Rが負荷回路の高圧側に直列に配置されている場合、制御ICに対して高電圧の耐圧性が要求される。一方、前記の電流検出部Rが負荷回路の低圧側に直列に配置されている場合、負荷回路を直接に接地できない構造になる。
【0006】
また、電流検出部Rの信号を制御ICに送信するため、駆動される負荷回路の出力側に入力ピンを設ける必要がある。
【0007】
特許文献1(特開2010-40509)には、図11及び図12以外の構成を有する定電流駆動回路が提案されている。この特許文献に示された駆動回路は、スイッチング素子に直列に配置接続された電流検出抵抗器RISEN_iと、負荷回路の直列に接続されたインダクタンスコイルと、備え、以下の基本動作を行う:
【0008】
(1) 所望のLED電流値である基準信号REFと、スイッチング素子SIのオン/オフ制御信号(PWM信号)PWM_iとの積を、乗算器で積算する。
(2) 電流検出抵抗器RISEN_iによって、監視信号ISEN_iを検出する。電流検出抵抗器RISEN_iはスイッチング素子SIと直列に接続されているので、信号ISEN_iはスイッチング素子SIに流れる電流に等しい。そこで、式1及び式2に基づいて監視信号ISEN_iを算出する。次いで、誤差増幅器によって、式1で与えられる積算値と監視信号ISEN_iとを比較し、新たな制御信号PWM_iを生成する。
Iled=ISEN_i/PWM_i ・・・(式1)
ISEN_i=REF×PWM_i ・・・(式2)
尚、LED電流“Iled”と、監視信号“ISEN_i”、PWM信号“PWM_i”との間の関係を、図14に示す。
(3) 積算値”REF×PWM_i”と監視信号ISEN_iが等しくなるように、すなわち、LED電流Iledが所望のLED電流値に等しくなるように、制御信号PWM_iをフィードバック制御する。
【0009】
上記の基準信号REF、監視信号ISEN_i及び上記のインダクタンスコイルの電流は、特許文献1の図9に示される波形の信号である。
【0010】
しかし、特許文献1に開示された回路は、乗算器を必要とする為、スイッチングバランス制御部の回路構成が複雑であるという問題がある。また、PMW信号PWM_iを制御生成する誤差増幅器で、被制御対象であるPMW信号PWM_iを用いた値を基準値としている。すなわち、特許文献1に開示された回路は、被制御対象PWM_i自体を収束すべき基準対象としているので、フィードバック制御の収束性に欠けるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010−40509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、前述の従来技術の問題点を解決し、出力側に検出部を設置する必要が無く、コンバータ部のみで定電流制御可能な回路を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、スイッチング素子のオン状態のみの検出によって、定電流制御可能な回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る定電流駆動回路は、スイッチング信号を生成する制御ICと、入力端子が入力電源側に接続され、前記スイッチング信号の有無でオンおよびオフ動作を行い、前記入力電源をスイッチングするスイッチング素子と、前記スイッチング素子によりスイッチングされた電源電流を整流し、平滑化し出力電流を出力する整流ダイオード、平滑インダクタ及び平滑コンデンサと、を有し、所望の出力電流が設定され、参照信号を生成する参照信号生成部と、前記スイッチング素子に流れる電流と、前記参照信号生成部からの信号に基づいて前記所望の出力電流とを比較し検出する比較部と、外部クロックに接続され、該外部クロックからのクロック信号と、前記比較部からの出力信号が同時に入力されるフリップフロップ部と、該フリップフロップ部からの出力信号に基づいて、前記スイッチング信号を伸長し、前記スイッチング素子をゲート制御する遅延部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
上記の定電流駆動回路によれば、乗算器を利用すること無く負荷回路に供給する定電流を所望の大きさになるように制御でき、構造を簡素化することができる。
【0016】
また、本発明に係る定電流駆動回路は、定電流駆動される負荷回路と、該負荷回路の高電位側に接続された固定電圧電源と、該負荷回路の低電位側に接続されたコンバータ部と、該コンバータ部に接続され、スイッチング信号を生成する制御ICから成る定電流駆動回路であって、前記コンバータ部は、入力端子が入力電源側に接続され、前記スイッチング信号の有無でオンおよびオフ動作を行い、前記入力電源をスイッチングするスイッチング素子と、前記スイッチング素子によりスイッチングされた電源電流を整流し、平滑化し出力電流を出力する整流ダイオード、平滑インダクタ及び平滑コンデンサと、前記スイッチング素子の低電位側に接続され且つ他端がGND接地された抵抗と、から成り、前記制御ICは、所望の出力電流が設定され、参照信号を生成する参照信号生成部と、GND接地された抵抗Rに流れる電流に基づいて前記スイッチング素子の電流を計測し、前記スイッチング素子に流れる電流と、前記参照信号生成部からの信号に基づいて前記所望の出力電流とを比較する比較部と、外部クロックに接続され、該外部クロックからのクロック信号と、前記比較部からの出力信号が同時に入力されるフリップフロップ部と、該フリップフロップ部からの出力信号を伸長し、前記スイッチング信号で前記スイッチング素子をゲート制御する遅延部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
上記の定電流駆動回路によれば、スイッチング素子電流が所望電流値に至るまでの時間で制御されるので、自己インダクタ及び電圧に依らず、所望電流値を設定して定電流制御することができる。
【0018】
また、上記構成において、本発明に係る定電流駆動回路は、前記スイッチング素子に供給される電流を検出する電流検出部と、該電流検出部と前記比較部との間にスロープ補償回路が備えられてなる、構成にすることができる。この定電流駆動回路によれば、デューティ・サイクルが50%以上であっても、インダクタ電流を安定化することができる。
【0019】
また、上記構成において、本発明に係る定電流駆動回路は、前記の平滑インダクタに流れる電流が、スイッチング素子のオン状態及びオフ状態で0にならないように、平滑インダクタの自己インダクタンス、平滑コンデンサの容量及び外部クロックのセット信号の周期が定められてなる、構成にすることができる。この定電流駆動回路によれば、連続モード及び臨界モードで、負荷回路を駆動することができる。
【0020】
また、上記構成において、本発明に係る定電流駆動回路は、遅延部と独立して前記のスイッチング素子にオフ信号を送り、該スイッチング素子を強制的にオフ状態にする機能を有する構成にすることができる。この定電流駆動回路によれば、負荷回路の停止及び作動を自由に制御することができる。
【0021】
また、本発明は、並列に接続された複数の発光素子と、該複数の発光素子を定電流駆動する上記の構成の定電流駆動回路と、から成る発光装置を提供することができる。この発光装置によれば、LEDストリングのカソード端を共通GNDとすることができるので、配線接続が容易になる。
【0022】
また、本発明は、液晶パネルと、前記液晶パネルのバックライトとして設けられる前記構成の発光装置と、を備える電子機器を提供することができる。この電子機器によれば、本発明の定電流駆動回路を備えているので、消費電力を低減することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る定電流駆動回路は、出力側に検出部を設置する必要がなく、コンバータ部分のみで定電流制御が可能であり、スイッチング素子のオン状態のみの検出によって、定電流を制御することができる。
【0024】
また、スイッチング素子の電流が、所望電流値に至るまでの時間で制御されるので、所望電流値は、上記の平滑インダクタ電流の増加率に依存すること無く、一定値に設定することができる。
【0025】
また、出力側に検出部を設置する必要がない為、スイッチング素子の電流を検出するために発生する電力のロスを低減できる。この電力のロスは、出力電流値に依存して増加する為、出力電流の高出力化に対し、出力側に検出部を削除できる効果は高い。
【0026】
また、LEDストリングのカソード端の直接接地が可能になる。複数のLEDストリングがある場合、それらのカソード端を共通GNDにできるので、配線接続が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態に係る回路構成を模式的に示したブロック図である。
【図2】図2(a)は、図1の外部クロックCLKから供給されるセット信号であり、図2(b)は、図1のスイッチング素子SIをゲート制御する遅延部DLYの信号であり、図2(c)は、図1のインダクタ素子Lに流れる電流の波形及び目標定電流Itargetを示す図であり、図2(d)は、図1のスイッチング素子SIの電流Isの波形図であり、図2(e)は、図1の比較部CMPが、フリップフロップ部FFのリセット端子Rに入力するリセット信号であり、図2(f)は、図1のフリップフロップ部FFの出力端子Qから出力されて、遅延部DLYに入力される信号であり、図2(g)は、図1の遅延部DLYが、スイッチング素子SIをゲート制御する信号を示す。
【図3】図3(a)は図2(c)の拡大図であり、図3(b)は図2(d)の拡大図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る回路構成を模式的に示したブロック図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る回路構成を模式的に示したブロック図である。
【図6】図5に示した定電流駆動回路の動作をシミュレーションするための回路構成を示す。
【図7】図7(a)は、図5の信号CSが増幅器10によって増幅された出力信号であり、図7(b)は、外部クロックV6から入力端子Sへのセット信号、フリップフロップ回路RS−FFのリセット端子Rに入力されるリセット信号、図7(c)は、遅延部からのパルス信号LEDストリングのカソード端の電圧Voutを示す。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る定電流駆動回路の構成を示す回路図である。
【図9】図8に示した第4の実施形態に係る定電流駆動回路を、LEDバックライト装置及びバックライト部として含む液晶表示装置のブロック図である。
【図10】実施形態5に係る液晶表示装置の構造を示す分解斜視図である。
【図11】従来の定電流駆動回路の構成図である。
【図12】従来の定電流駆動回路の構成図である。
【図13】図11及び図12に示す従来の定電流駆動回路の制御IC内の信号の波形を示す図である。
【図14】特許文献1の定電流駆動回路の基本動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る定電流駆動回路及びこれを用いたLEDバックライト装置を、以下の実施形態1乃至5に基づいて具体的に説明するが、以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0029】
[第1の実施形態]
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、n個(n>1)のLEDから成るLEDストリングを駆動するための回路構成を模式的に示したブロック図であって、本発明の定電流駆動回路の一実施形態が備えられている。
【0030】
図1のLED駆動回路に設けられた定電流駆動回路は降圧型であって、一方の端子が入力電源VINの端子に直接に接続されたスイッチング素子SIを備える。また、図1のLED駆動回路は、前記スイッチング素子SIと、制御IC、整流ダイオードD1、平滑インダクタL1、平滑コンデンサC1、n個(n>1)のLEDi(1≦i≦n)のLEDストリングから構成される。
【0031】
該スイッチング素子SIは、制御ICによってゲート制御されており、外部クロックCLKから供給される図2(a)に示されるセット信号に基づき、制御ICが生成するスイッチング信号によってオンおよびオフ動作を行う。スイッチング素子SIの出力電流は、整流ダイオードD1、平滑インダクタL1及び平滑コンデンサC1によって平滑化され、前記LEDストリングに電流Ioutを供給する。
【0032】
本発明の定電流駆動回路は、所望或いは目標とされる定電流Itargetの電流値が予め設定されており、前記LEDストリングが目標定電流Itargetで駆動されるように、次の基本的な動作を行う。
【0033】
前記の電流Ioutとして所望或いは目標とされる定電流Itargetの電流値は、参照信号生成部REFに設定され、比較部CMPは、入力電源VINからスイッチング素子SIに直接供給される電流Isと前記の目標定電流Itargetとの比較を行う。スイッチング素子SIのオン状態において、スイッチング素子の電流Isとインダクタ素子Lの電流ILは、図2(c)及び(d)に示されるように同一である。すなわち、スイッチング素子SIの電流Isは、図3(a)の波形ILaと同様、線形的に増加する。このような電流Isの波形は、電流検出部Diによって検出される。
【0034】
しかし、図2(a)(g)に示されるスイッチング素子のゲート制御信号のオンデューティが50%以上の時、発振する可能性が高くなる。そこで、第1実施形態の定電流駆動回路では、当該発振を補償することができるように、スロープ補償回路SLOPEが設けられている。以下、電流検出部Diによって検出された電流Is及び当該電流Isをスロープ補償して得られた電流を「電流Is」と略称する。
【0035】
電流検出部Diによって検出された電流Isは、図2(d)及び図3(b)に示される波形を有する。比較部CMPは、前記電流Isが所望の定電流値Itargetと一致したタイミングPoint1を検出して、図2(e)に示されるリセット信号を出力する。
【0036】
フリップフロップ部FFは、外部クロックCLKからのセット信号(図2(a))の入力端子Sへの入力によってセット状態になった後、Point1が検出された時点で、図2(e)のリセット信号がリセット端子Rに入力される。フリップフロップ部FFがセット状態を維持する時間は、外部クロックCLKからのセット信号が入力された時点からリセット信号が入力されるPoint1までの時間幅(Ta1)である。この時間幅Ta1のパルス信号(図2(f))がフリップフロップ部FFの出力端子Qから出力されて、遅延部DLYに入力される。
【0037】
遅延部DLYは、前記の時間幅Ta1の2倍の時間幅Ton(=2×Ta1)の間、スイッチング素子SIがオン状態になるように図2(g)に示されるパルス信号を出力し、スイッチング素子SIは、図2(b)に示されるようにゲート制御される。
【0038】
スイッチング素子SIは、外部クロックCLKからのセット信号(図2(a))と同じ周期Tswで制御されており、図2(b)に示されるように、時間幅Tonの間オン状態であるが、Toff(=Tsw−Ton)の間、オフ状態になる。すなわち、スイッチング素子SIは、オン状態開始からTon時間後にオフ状態に移行する。
【0039】
本発明の定電流駆動回路は、動作周波数或いは動作周期を一定にして、スイッチング素子SIのオン・オフ時間を制御ICで制御し、パルス電圧幅を変化させるパルス幅制御(Pulse Width Modulation;PWM)技術が適用される。
【0040】
本発明の定電流駆動回路は、動作周期としての上記周期Tswを特に限定しない。本発明の定電流駆動回路は、図2(c)及び図3(a)に示されるように、スイッチング素子SIのオフ状態においてインダクタ素子Lの電流ILbが0より低くならない、いわゆる「連続モード」及び「臨界モード」で駆動することが好ましい。そこで、インダクタ素子Lに流れる電流Isが、スイッチング素子SIのオン状態及びオフ状態で0より低くならないように、平滑インダクタL1の自己インダクタンス、平滑コンデンサの容量及び外部クロックCLKのセット信号の周期Tswを決定することが好ましい。
【0041】
上記したように、本発明の定電流駆動回路において、時間幅Tonの後半の時間帯において、インダクタ素子Lの電流ILは、時間幅Tonの後半の時間帯と同様に線形的に増加する。そのため、時間幅Tonの前半において目標定電流Itargetに満たなかった電流分S1と、時間幅Tonの後半において目標定電流Itargetから超過した電流分S2は等しく、次式が成立する。
S1=1/2×(Itarget−h1)×Ton=S2=1/2×h2×Ton・・・(式3)
但し、h1は、スイッチング素子SIのオン状態開始時におけるインダクタ素子Lの電流ILの値であって、h2は、スイッチング素子SIのオフ状態開始時におけるインダクタ素子Lの電流ILの値と電流値h1との差を表す。
【0042】
h1とItargetとの差、及びh2が小さいほど、動作周期Tswにおけるインダクタ素子Lの電流ILの変動は少なく、スイッチング素子SIのオン、オフに関わらず、上記のLEDストリングは、目標定電流Itargetに近い電流で連続的に駆動されることになる。
【0043】
尚、上記の式3は、「スイッチング素子SIのオン状態開始後スイッチング素子SIの電流Isが目標定電流Itargetに達するまでの時間の2倍を、スイッチング素子SIのオン状態の時間とする」ことを前提としている。
【0044】
一方、スイッチング素子SIがオン状態にあるとき、インダクタ素子Lが充電されることは、インダクタ素子の諸性能及びインダクタ素子に印加される電圧の大きさによらず変わらない。そのため、インダクタ素子が大型化されると、インダクタ素子Lの充電時間も増大し、計測時間も増える。
【0045】
そこで、スイッチング素子SIのオン状態開始後スイッチング素子SIの電流Isが目標定電流Itargetの途中の電流値Iに達するまでの時間Tのみを計測し、当該計測された時間に基づいてスイッチング素子のオン状態時間幅Tonを決定することもできる。この場合、次式4によって、時間幅Tonが決定される。
Ton=2×Itarget/I×T・・・(式4)
【0046】
[第2の実施形態]
上記第1の実施の形態は降圧型の定電流駆動回路であるが、同様の技術思想で昇圧型の定電流駆動回路を形成することも勿論可能である。図4に本発明の第2の実施の形態に係る昇圧型のスイッチング電源回路を示しておく。なお、図4中、図1の各部と機能的に対応する部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0047】
[第3の実施形態]
図5は、第3の実施形態に係る定電流駆動回路の構成を示す回路図である。第3の実施形態において、前記のLEDストリングの高電位側及び低電位側はそれぞれ、固定電圧電源Vconst及びコンバータ部に接続される。該コンバータ部は、前記スイッチング素子SIと、整流ダイオードD1、平滑インダクタL1及び平滑コンデンサC1で構成され、所望の電流値Itargetで前記のLEDストリングが駆動されるように、制御ICによって駆動される。
【0048】
第3の実施形態を構成する制御ICは、スイッチング素子SIと遅延部DLYとの間に制御回路部CCが設けられている点で第1及び第2の実施形態と異なるが、基本的な構成及び動作は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0049】
尚、制御回路部CCは、遅延部DLYと独立して、前記のスイッチング素子SIにオン信号を送り、スイッチング素子SIをオン状態にする一方、前記のスイッチング素子SIにオフ信号を送り、スイッチング素子SIを強制的にオフ状態にする機能を有する。そのため、第3の実施形態のスイッチング素子SIは、遅延部DLYの出力(時間幅Ta1)と制御回路部CCのオン・オフ信号との論理積を介して、オン状態或いはオフ状態に遷移する。即ち、制御回路部CCはLEDストリングをオン・オフ制御する。高周波で点灯、消灯を繰り返すことにより人間の目には点灯し続けて見えることを利用した点灯パルス幅制御(Pluse Width Modulation)による輝度制御に用いる。また、LEDストリングのオン・オフ制御が不要な場合、遅延部DLYの出力をスイッチング素子SIに直接的に入力して、ゲート制御することができる。
【0050】
また、第3の実施形態の場合、スイッチング素子SIの低電位側は、他端がGND接地された抵抗Rに接続されており、スイッチング素子SIの電流Isは、GND接地された抵抗Rに流れる電流から計測される。従って、第3の実施形態の場合、電流検出部Diに検出された電流Isとして比較部CMPに入力される信号CSは、低電圧で実現することができる。従って、第3の実施形態に係る定電流駆動回路は、電力の損失を低減することができる。消費電力を低減する観点から、第3の実施形態に係る定電流駆動回路は、複数のLEDストリングを制御する場合に好適に利用できる。
【0051】
次に、図5に示した定電流駆動回路の動作をシミュレーションするための回路構成を図6に示す。図6に示されたシミュレーション回路の動作について、該回路内の各部の信号を図7(a)乃至(e)に示して説明する。
【0052】
図7(a)に示される電圧信号V(Ifb)は、検出部Diによって検出された信号CSに対応しており、信号CSが増幅器10によって増幅された出力信号である。また、図7(a)に示される波形、すなわち、電圧信号V(Ifb)の波形は、スイッチング素子M5及び接地された抵抗R4を流れる電流Isの波形に対応する。図7(a)及び図2(d)を比較すると、電圧信号V(Ifb)の波形が電流Isの波形に対応していることが分かる。
【0053】
発光ダイオードD1乃至D12から成るLEDストリングは、スイッチング素子M5に直接的に影響を受ける。インダクタL1に流れる電流ILの波形は、電流Isの波形として現れる。従って、前記の電圧信号V(Ifb)を測定することによって、前記のインダクタL1に流れる電流ILをモニタリングすることができる。LEDストリングに流れる電流IledインダクタL1に流れる電流ILは、キャパシタC1により平滑化されたものである。
【0054】
前記の電圧信号V(Ifb)は、スロープ補償回路(comparator)によってスロープ補償された後、比較部(comparator)に入力され、所望の定電流Itargetに対応する電圧信号と比較される。尚、定電流Itarget及び該定電流Itargetに対応する電圧信号は、前述の通り、参照信号生成部REFに設定される。
【0055】
比較部は、前記電流Isに対応する電圧信号が所望の定電流値Itargetに対応する電圧に一致したタイミングPoint1を検出して、図2(e)に対応する図7(b)のV(RS_R)に示されるリセット信号を出力する。
【0056】
フリップフロップ回路RS−FFは、外部クロックV6から入力端子Sへのセット信号V(RS_S)(図7(b)、図2(a))の入力によってセット状態になった後、Point1が検出された時点で、リセット信号V(RS_R)がリセット端子Rに入力される。フリップフロップ部FFがセット状態を維持する時間は、外部クロックCLKからのセット信号V(RS_S)が入力された時点からリセット信号V(RS_R)が入力されるPoint1までの時間幅(Ta1)である。この時間幅Ta1のパルス信号(図2(f))がフリップフロップ回路RS−FFの出力端子Qから出力されて、遅延部(Delay部)に入力される。
【0057】
遅延部は、前記の時間幅Ta1の2倍の時間幅Ton(=2×Ta1)の間、スイッチング素子M5がオン状態になるように図7(b)に示されるパルス信号V(Co)を出力する。
【0058】
一方、図6のシミュレーション回路において、制御回路部CCは遅延部内に組み込まれており、遅延部から別異にオン・オフ信号をスイッチング素子M5に送り、該スイッチング素子M5を強制的にオフ状態に遷移させる。尚、図7(a)及び(b)の横軸の単位が、図7(c)乃至(e)の横軸の単位の約1/20である点に注意されたい。
【0059】
上記の遅延部からのパルス信号V(Co)及び制御回路部CCからのオン・オフ信号との論理積の信号に基づいて、スイッチング素子M5はオン状態或いはオフ状態に遷移する。
【0060】
図6のシミュレーション回路の前述の動作によって、接地コンデンサC1の電位V(fls)、インダクタL1の電流IL及びダイオードD8の電流I(D8)は、図7(c)乃至(e)に示されるように変化する。尚、図7(c)に表される電位V(fls)は、信号V(Co)及び制御回路部CCからのオン・オフ信号との論理積に対応しており、電位V(fls)がダイオードD20のアノード端電圧と同等の相対的に高い電圧である場合、電流IL及び電流I(D8)は0A(アンペア)になる。
【0061】
図7(d)及び(e)によれば、インダクタL1の電流IL及びダイオードD8の電流I(D8)は、ほぼ一致している。このように、本発明の定電流駆動回路によれば、接地された抵抗R4を流れる電流Isを測定することによって、LEDストリングを目標の定電流Itargetで駆動できることが分かる。
【0062】
すなわち、第3の実施形態に係る定電流駆動回路は、スイッチング素子SIの電流Isが、所望電流値に至るまでの時間Ta1で制御する為、インダクタのリアクタンス値及びインダクタ電圧に依らず、所望の定電流値になるように定電流制御が可能である。また、第3の実施形態によれば、LEDストリングの出力側に検出部を設けて、LEDストリングの出力電流Iledや出力電圧を検出する必要が無いので、これに起因する電力の損失を防ぐことができる。また、本発明の定電流駆動回路によれば、接地された抵抗R4を流れる電流Is、言い換えると、スイッチング素子SIのオン状態における電流Isのみの検出によって、定電流駆動される負荷回路に流れる電流を常時検出する必要が無い。従って、従来の技術に比べて、本発明の定電流駆動回路は、電力の損失が少なくて済む。
【0063】
[第4の実施形態]
図8は、第4の実施形態に係る定電流駆動回路の構成を示す回路図である。第4の実施形態は、M個のLEDストリング(M>2)を備える点で第3の実施形態と相違するが、個々のLEDストリングは、第3の実施形態と同一の構造を有する。すなわち、前記M個の個々のLEDストリングは、図5に示される構成のコンバータ部及び制御ICにそれぞれ接続されており、別個に制御される。尚、図8中、符号CHiは、M個のLEDストリングのうちのi番目のものを意味し、符号DLiは、該i番目のLEDストリングに接続される個々の制御ICの端子を意味する。
【0064】
また、前記の複数のLEDストリングは、いずれも、高電位側の端子が同一の固定電圧電源Vconstに並列に接続されている。個々のLEDストリングを制御ICに接続するために必要なピンは、それぞれDLj(1≦j≦M)の1本のみであるので、「1ピン/1チャネル」を実現することができる。尚、第4の実施形態として、定電流駆動される負荷回路として、M個のLEDストリング(M>2)が示されているが、第4の実施形態の定電流駆動回路は、負荷回路が直流電源によって駆動される回路であれば、特に制限されない。第4の実施形態に係る定電流駆動回路が適用できる負荷回路として、LEDストリング以外にガスセンサ、ステッピングモーター、パルスモーター等を例示できる。
【0065】
[第5の実施形態]
次に、上記図8に示した第4の実施形態に係る定電流駆動回路を、LEDバックライト装置931及びバックライト部932として含む液晶表示装置について図9に示すブロック図を参照して説明する。図9に示すように、液晶表示装置900は、AC/DC電源装置910と、LCDモジュール部920と、バックライト装置930と、を備える。
【0066】
AC/DC電源装置910は、コンセント911、AC/DC整流部912、及びDC/DCコンバータ913から構成され、外部の商用交流電源電圧100V又は240Vを直流電源電圧に変換してLCDモジュール部920に出力する。
【0067】
LCDモジュール部920は、DC/DCコンバータ921、共通電極電圧発生部(Vcom発生部)922、γ電圧発生部923、LCDパネル部924、及びバックライト装置930から構成され、外部のグラフィックコントローラ(図示せず)から入力される画像データに応じた画像を表示する。LCDパネル部924は、複数の液晶素子がゲートドライバ部とデータドライバ部から各々伸びる複数のデータ線と複数のゲート線が交差する部分に各々接続されている。複数の液晶素子は、表示画像領域毎に分割されて、その表示画像領域毎に階調が制御される。
【0068】
共通電極電圧発生部922は、DC/DCコンバータ921においてレベル変換されて供給される直流電圧に基づいて共通電極電圧Vcomを発生してLCDパネル部924に出力する。
【0069】
γ電圧発生部923は、DC/DCコンバータ921においてレベル変換された直流電圧に基づいてγ電圧Vddを発生してLCDパネル部924に供給する。図9では、共通電極電圧発生部922とγ電圧発生部923がLCDパネル部924から分離されている例を示したが、これらをLCDパネル部924に含ませて構成することもできる。
【0070】
バックライト装置930は、バックライト駆動部931及びバックライト部932から構成される。バックライト駆動部931には、前述の図8に示した、第4の実施形態に係る定電流駆動回路の制御ICが含まれる。バックライト部932は、上記図8に示した複数のLEDストリングスが含まれる。バックライト部932は、入力画像をLCDパネル部924に表示する際に、その入力画像の輝度に合わせて階調を制御するため、点灯時間が制御される。
【0071】
液晶表示装置900は、上述した第4の実施形態に係る定電流駆動回路を備えたため、バックライト装置930は、消費電力を低減できる。なお、AC/DC電源装置910をLCDモジュール部920に内蔵させてもよい。
【0072】
図10は、実施形態5に係る液晶表示装置の構造を示す分解斜視図である。図10は、液晶表示装置の回路構成ではなく、機構を図示したものである。図10に示すように、液晶表示装置1000は、バックライトアセンブリ1010、ディスプレイユニット1070及び収納容器1080を備える。
【0073】
ディスプレイユニット1070は、映像を表示する液晶表示パネル1071、液晶表示パネル1071を駆動するための駆動信号を出力するデータ印刷回路1072及びゲート印刷回路1073を含む。データ印刷回路1072及びゲート印刷回路1073は、それぞれデータテープキャリアパッケージ(Tape Carrier Package、以下、TCPという)1074及びゲートTCP1075を通じて液晶表示パネル1071と電気的に連結される。
【0074】
液晶表示パネル1071は、薄膜トランジスタ(以下、TFTという)基板1076、TFT基板1076に対向して結合されるカラーフィルタ基板1077及び両基板1076、1077の間に介在された液晶1078を含む。
【0075】
TFT基板1076は、例えば、スイッチング素子であるTFT(図示せず)がマトリクス状に形成された透明なガラス基板である。TFTのソース及びゲート端子には、それぞれデータ及びゲートラインが接続され、ドレイン端子には透明な導電性材質からなる共通電極(図示せず)が形成される。
【0076】
カラーフィルタ基板1077は、例えば、色画素であるRGB画素(図示せず)が薄膜工程によって形成された基板である。カラーフィルタ基板1077は、透明な導電性材質からなる共通電極(図示せず)が形成される。
【0077】
収容容器1080は、底面1081及び底面1081のエッジ部に収納空間を形成するために形成された側壁1082により構成される。収容容器1080は、バックライトアセンブリ1010及び液晶表示パネル1071が移動しないように固定する。
【0078】
底面1081は、バックライトアセンブリ1010(図9のバックライト部932)が装着されるのに十分な底面面積を有し、バックライトアセンブリ1010と同じ構成を有することが好ましい。この例では、底面1081及びバックライトアセンブリ1010は、四角いプレート形状を有する。側壁1082は、バックライトアセンブリ1010が外部に離脱することのないように底面1081のエッジ部から略垂直に延長される。
【0079】
この例における液晶表示装置1000は、バックライト駆動部1060及びトップシャーシ1090をさらに含む。
【0080】
バックライト駆動部1060は、収容容器1080の内部に配置され、バックライトアセンブリ1010を駆動するための直流電流を発生させる。バックライト駆動部1060から発生された直流電流は、第1電源印加線1063及び第2電源印加線1064を通じてバックライトアセンブリ1010に印加される。第1電源印加線1063及び第2電源印加線1064は、バックライトアセンブリ1010の両側部に形成されたLEDストリングのアノード端1040a及びLEDストリングのカソード端1040bに直接接続してもよいし、別の部材(図示せず)を利用してLEDストリングのアノード端1040a及びLEDストリングのカソード端1040bに接続してもよい。
【0081】
トップシャーシ1090は、液晶表示パネル1071のエッジ部を囲みながら収容容器1080に結合される。トップシャーシ1090を設けることにより、外部からの衝撃に対する液晶表示パネル1071の破損を防止し、液晶表示パネル1071が収容容器1080から離脱することを防止することができる。
【0082】
この液晶表示装置1000は、バックライトアセンブリ1010から出射される光の特性を向上させるための少なくとも一枚の光学シート1095をさらに含んでもよい。光学シート1095は、光を拡散するための拡散シート又は光を集光するためのプリズムシートを含んでもよい。
【符号の説明】
【0083】
SI スイッチング素子、D1 整流ダイオード、L1 平滑インダクタ、C1 平滑コンデンサ、L インダクタ素子、SLOPE スロープ補償回路、Di 電流検出部、DLY 遅延部、CC 制御回路部、CMP 比較部、10増幅器、R4 抵抗、REF 参照信号生成部、RS−FF フリップフロップ回路、D8 ダイオード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング信号を生成する制御ICと、
入力端子が入力電源側に接続され、前記スイッチング信号の有無でオンおよびオフ動作を行い、前記入力電源をスイッチングするスイッチング素子と、
前記スイッチング素子によりスイッチングされた電源電流を整流し、平滑化し出力電流を出力する整流ダイオード、平滑インダクタ及び平滑コンデンサと、を有し、
所望の出力電流が設定され、参照信号を生成する参照信号生成部と、
前記スイッチング素子に流れる電流と、前記参照信号生成部からの信号に基づいて前記所望の出力電流とを比較する比較部と、
外部クロックに接続され、該外部クロックからのクロック信号と、前記比較部からの出力信号が同時に入力されるフリップフロップ部と、
該フリップフロップ部からの出力信号に基づいて、前記スイッチング信号で前記スイッチング素子をゲート制御する遅延部と、
を備えることを特徴とする、定電流駆動回路。
【請求項2】
定電流駆動される負荷回路と、該負荷回路の高電位側に接続された固定電圧電源と、該負荷回路の低電位側に接続されたコンバータ部と、該コンバータ部に接続され、スイッチング信号を生成する制御ICを備える定電流駆動回路であって、
前記コンバータ部は、
入力端子が入力電源側に接続され、前記スイッチング信号の有無でオンおよびオフ動作を行い、前記入力電源をスイッチングするスイッチング素子と、前記スイッチング素子によりスイッチングされた電源電流を整流し、平滑化し出力電流を出力する整流ダイオード、平滑インダクタ及び平滑コンデンサと、前記スイッチング素子の低電位側に接続され且つ他端がGND接地された抵抗と、を含み、
前記制御ICは、
所望の出力電流が設定され、参照信号を生成する参照信号生成部と、
GND接地された抵抗Rに流れる電流に基づいて前記スイッチング素子の電流を計測し、 前記スイッチング素子に流れる電流と、前記参照信号生成部からの信号に基づいて前記所望の出力電流とを比較する比較部と、
外部クロックに接続され、該外部クロックからのクロック信号と、前記比較部からの出力信号が同時に入力されるフリップフロップ部と、
該フリップフロップ部からの出力信号に基づいて、前記スイッチング信号で前記スイッチング素子をゲート制御する遅延部と、
を備えることを特徴とする、定電流駆動回路。
【請求項3】
前記スイッチング素子に供給される電流を検出する電流検出部と、該電流検出部と前記比較部との間にスロープ補償回路が備えられてなる、
ことを特徴とする、請求項1または2の定電流駆動回路。
【請求項4】
前記の平滑インダクタに流れる電流が、スイッチング素子のオン状態及びオフ状態で0より低くならないように、平滑インダクタの自己インダクタンス、平滑コンデンサの容量及び外部クロックのセット信号の周期が定められてなる、
ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の定電流駆動回路。
【請求項5】
遅延部と独立して前記のスイッチング素子にオフ信号を送り、該スイッチング素子を強制的にオフ状態にする機能を有する、
ことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の定電流駆動回路。
【請求項6】
並列に接続された複数の発光素子と、
前記複数の発光素子を定電流駆動する請求項1乃至5のいずれかに記載の定電流駆動回路と、
を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項7】
液晶パネルと、
前記液晶パネルのバックライトとして設けられる請求項6に記載の発光装置と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項1】
スイッチング信号を生成する制御ICと、
入力端子が入力電源側に接続され、前記スイッチング信号の有無でオンおよびオフ動作を行い、前記入力電源をスイッチングするスイッチング素子と、
前記スイッチング素子によりスイッチングされた電源電流を整流し、平滑化し出力電流を出力する整流ダイオード、平滑インダクタ及び平滑コンデンサと、を有し、
所望の出力電流が設定され、参照信号を生成する参照信号生成部と、
前記スイッチング素子に流れる電流と、前記参照信号生成部からの信号に基づいて前記所望の出力電流とを比較する比較部と、
外部クロックに接続され、該外部クロックからのクロック信号と、前記比較部からの出力信号が同時に入力されるフリップフロップ部と、
該フリップフロップ部からの出力信号に基づいて、前記スイッチング信号で前記スイッチング素子をゲート制御する遅延部と、
を備えることを特徴とする、定電流駆動回路。
【請求項2】
定電流駆動される負荷回路と、該負荷回路の高電位側に接続された固定電圧電源と、該負荷回路の低電位側に接続されたコンバータ部と、該コンバータ部に接続され、スイッチング信号を生成する制御ICを備える定電流駆動回路であって、
前記コンバータ部は、
入力端子が入力電源側に接続され、前記スイッチング信号の有無でオンおよびオフ動作を行い、前記入力電源をスイッチングするスイッチング素子と、前記スイッチング素子によりスイッチングされた電源電流を整流し、平滑化し出力電流を出力する整流ダイオード、平滑インダクタ及び平滑コンデンサと、前記スイッチング素子の低電位側に接続され且つ他端がGND接地された抵抗と、を含み、
前記制御ICは、
所望の出力電流が設定され、参照信号を生成する参照信号生成部と、
GND接地された抵抗Rに流れる電流に基づいて前記スイッチング素子の電流を計測し、 前記スイッチング素子に流れる電流と、前記参照信号生成部からの信号に基づいて前記所望の出力電流とを比較する比較部と、
外部クロックに接続され、該外部クロックからのクロック信号と、前記比較部からの出力信号が同時に入力されるフリップフロップ部と、
該フリップフロップ部からの出力信号に基づいて、前記スイッチング信号で前記スイッチング素子をゲート制御する遅延部と、
を備えることを特徴とする、定電流駆動回路。
【請求項3】
前記スイッチング素子に供給される電流を検出する電流検出部と、該電流検出部と前記比較部との間にスロープ補償回路が備えられてなる、
ことを特徴とする、請求項1または2の定電流駆動回路。
【請求項4】
前記の平滑インダクタに流れる電流が、スイッチング素子のオン状態及びオフ状態で0より低くならないように、平滑インダクタの自己インダクタンス、平滑コンデンサの容量及び外部クロックのセット信号の周期が定められてなる、
ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の定電流駆動回路。
【請求項5】
遅延部と独立して前記のスイッチング素子にオフ信号を送り、該スイッチング素子を強制的にオフ状態にする機能を有する、
ことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の定電流駆動回路。
【請求項6】
並列に接続された複数の発光素子と、
前記複数の発光素子を定電流駆動する請求項1乃至5のいずれかに記載の定電流駆動回路と、
を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項7】
液晶パネルと、
前記液晶パネルのバックライトとして設けられる請求項6に記載の発光装置と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−5501(P2013−5501A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131682(P2011−131682)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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