説明

実験室システム用のメディアチャネル

実験室の作業場に実験室メディアを供給するおよび/または除去のための実験室システムに対するメディアチャネル(1)、特に、メディアセル、メディアカラム、吊るされたメディアブームまたはメディアステーションは、長軸方向の軸に沿って、実験室のケーブルおよびパイプラインのためのダクト(102,104)を規定し、供給および/または除去側と少なくとも一つのパネル(2,2a,2b)とを有する、長手方向のプロファイル要素(100)を含み、ブランクパネルの形を取っており、または実験室メディアの供給および/または除去のための機能特定した少なくとも一つの取付部が備えられている。それによって、パネル(2,2a,2b)は、プロファイル要素(100)の供給および/または除去側において提供された接続要素(121,125)の手段によって、取り外し可能にプロファイル要素(100)に接続され、プロファイル要素(100)および接続要素(121,125)は、一体でかつ折られた金属構成要素として構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、実験室システム用のメディアチャネル (媒体通路構造; Medienkanal) に関するものであり、より明確には、実験室の作業場への実験室メディアの供給および/または除去のためのメディアセル(媒体用小室; Medlenzelle)、メディアカラム(媒体用柱状体; Mediensaure)、吊るされたメディアブーム(媒体用横腕体; Medienampel)またはメディアステーション(媒体用基地部; Medienstation)に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば水、排水、ガス、圧縮した空気、真空を生成するためおよび電力のための接続といった実験室メディアが、必要とされる場所で利用できることを、実験室における実験室システムの柔軟性および移動性は保証している。この目的のために、メディアセル、メディアカラム、吊るされたメディアブームは、いわゆるメディアチャネルを有しており、そこでは、ビル内の供給および処分設備に接続された、実験室メディアの供給および廃棄パイプラインがある。
【0003】
メディアセルは、壁に寄せられるとともに手前に実験室の作業台を伴ったセルの形をとることができ、実験室の作業台や二重の作業台のための独立型のセルであることができ、または、テーブルトップセルの形をとることができる。メディアセルは、メディアに特化して設計された取付部およびソケットを供給し、さまざまな保管システムとして使われる。メディアセルは、様々な構成要素を有するいくつかのメディアパネルをもつことができる。当該メディアパネルからは、実験室メディアが受け入れられ、また、当該メディアパネルを経由して、ビル内に設置された処理設備へ実験室メディアが取り除かられることもある。
【0004】
実験室の天井から吊るされたメディアカラムにおいて、メディアチャネルは、メディアカラムを通って垂直方向に延びる。
【0005】
吊るされたメディアブームは、幾つかのラスターセル(Rasterzellen)を有し、当該吊るされたメディアブームは、メディアカラムのように、適切なメディアパネルが両側面上に設けられることができる。当該メディアパネルは水平方向に配設され、普通は、主に移動性を有するいくつかの実験室作業台に渡って延設されている。
【0006】
専門家界においては、メディアステーションは、実験室の作業場に取り付けられるとともに、ビル内に設置されている対応した供給および処分システムにケーブルおよびパイプラインによって接続されていて、メディアを直接的に供給および除去するためのシステムとして見られている。
【0007】
これら全ての実験室システムにおいて、設計段階で既に著しい費用節約が達成できるので、モジュール式の構造は、主要な部分の役目を果たす。
【0008】
上記実験室システムで利用するための従来のメディアチャネルは、たとえば特許文献1,2で開示されているように、相互に距離をおいて配設されたサイドフレームの方法によって生産されており、実験室システムの高さに応じて、当該メディアチャネルは、一以上の横梁によって相互に接続される。当該横梁上にはクランピング装置が存在し、メディアパネルに関係のある立ち上げられたフランジが、それらに挿入されてクランプされることができる。横梁内に設けられた穴を通って鉛直方向に、または隣接する横梁間で水平方向に、メディアを除去および供給するケーブルおよびパイプラインは配設されている。
【0009】
このことについての欠点は、メディアセル、メディアカラム、吊るされたメディアブームまたはメディアステーション全体に渡って一様なメディアチャネルが、相対的に浅い深さとなるということである。このことに関する結果として、特に、たとえばガス取付部に比較して、相対的に深い深さ構造を必要とする電気接続は、ある長さに渡ってメディアチャネルおよび/またはメディアパネルから突出する。さらに、付加構成要素(たとえば、装置ホルダ、試薬のための支持部材、スタンドホルダーなど)を使用して従来のメディアチャネルをアップグレードすることは、制限される。加えて、メディアチャネルの構成要件が吊られたメディアブームの構造要件とは異なってくるため、全く同一のメディアチャネルは、異なる実験室システムに対して利用できない。このことは、より多くの、設計、製造および組立費用という結果となる。
【0010】
特許文献3は、壁の形をした、鉛直方向に整列した設置要素を有するメディアセルを、開示しており、実験室台のワークトップ高さ上方において、設置パイプラインおよび分配接続を用いて配設されている。当該設置パイプラインおよび分配接続は、ワークトップに面している狭い側において、フレーム側面の外形内に配設されており、閉じている区画および/またはパネルが存在する。このメディアセルにおいては、固定あるいは軸旋回できるパネルが交互に配置され、それらはネジによって側面パネルに取付られている。
【0011】
特許文献4からは、本質的に箱形状のダクトを有するダクトボードが知られる。当該ダクトは、結節部を有し、当該結節部からいくつかの区画が異なる方向に延びている。
【0012】
これと同じタイプの他のメディアチャネルは、特許文献5,6に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】EP0800865A2
【特許文献2】DE19614370C1
【特許文献3】DE10154128A1
【特許文献4】DE3739815A1
【特許文献5】US5212915A
【特許文献6】US4544214A
【発明の概要】
【0014】
したがって、そのモジュール式構造が、従来のメディアチャネルと比較して、取扱い、多様性、アップグレード性およびコスト効率性の観点で改良されており、大量生産に適している、実験室システムに対するメディアチャネルを提供することが、本発明の目的である。
【0015】
これは、実験室の作業場に実験室メディアを供給するおよび/またはそれらを除去のための実験室システム用のメディアチャネル、特に、メディアセル、メディアカラム、吊るされたメディアブームまたはメディアステーションを通じて、達成される。当該メディアチャネルは、長手方向に配置されたプロファイル要素を有し、長軸方向の軸に沿った、実験室メディアケーブルおよびパイプラインのためのダクトと、ブランクパネルの形を取った少なくとも一つのパネル、または実験室メディアの供給および/または除去のための機能特定した少なくとも一つの取付部が備えられた少なくとも一つのパネルと共に、供給および/または除去側とを、規定している。それによって、パネルは、供給および/または除去側において提供された接続要素の手段によって、取り外し可能にプロファイル要素に固定され、プロファイル要素および接続要素は、一体でかつ折られた金属構成要素として構成される。
【0016】
本発明に係るメディアチャネルのプロファイル要素は、二つの機能を満たす。一方で、それは、実験室メディアのためのダクトを提供する。従来のメディアチャネル内で横梁によって取得された構造空間は、それ故に、メディアの供給および除去のために十分に利用でき、このことは空間節約達成の観点で利点を有する。他方で、プロファイル要素は、既に、メディアパネルを固定するための必要な接続要素を有している。加えて、それは、金属製の折られたものであり、メディアパネルに対する接続要素が既にプロファイル要素の一部であるので、それはコスト効率良く製造されることもでき、また実験室において簡単に組み立てられる。当該メディアチャネルは、様々な実験室システムに対して利用できるものであり、それは製造および組立費用のかなりの削減をもたらす。
【0017】
好ましくは、接続要素は拘束的でない接続を提供し、特に好ましくは、クランプ固定や拘束的な接続を提供し、特に好ましくは、プロファイル要素上におけるパネルを固定するスナップタイプまたは燕尾(スワローテイル:Schwalbenschwanz)タイプを提供する。
【0018】
好ましくは、接続要素は弾力的である。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態によれば、接続要素は、本質的にプロファイル要素の長さ全体に渡って延設している。
【0020】
本発明のより好ましい実施の形態によれば、プロファイルは、アンダーカット部によって規定された外部のレールを有し、その結果として、付加構成要素によるメディアチャネルのアップグレード性は、改善される。
【0021】
好ましくは、当該レールは、本質的に、プロファイル要素の長さ全体に渡って延設している。
【0022】
好ましくは、プロファイル要素は、長軸方向に延びた二つのダクトを規定している。
【0023】
特に好ましくは、プロファイル要素は、断面においてテーパ状である。これによってメディアチャネル内部により広い空間が生まれるが、これは電気接続の場合には特に有利である。同時に、実験室の作業台に対してこの種のメディアチャネルを使用するとき、ワークトップの利用は制限されない。
【0024】
加えて、断面において見られるプロファイル要素のより幅広の側上において、保管パネルは、拘束的でない固定の手段によって適用されることができる。この保管パネルは、様々な実験室設備に対する保管面として使用されることができ、メディアチャネルの多用途性をさらに増す。
【0025】
好ましくは、いくつかのパネルは、モジュール様式でプロファイル要素に固定されることができる。メディアチャネルがユーザによって要求されたパネルに取り付けられることを、このモジュール組立の原則は許し、異なる実験室メディアが全く同一の実験室システムで使われるような様々な試験を実行できるという利点を有する。
【0026】
本発明のより好ましい実施の形態によれば、パネルは、隙間無に、プロファイル要素に取り付けられることができる。このことは、メディアチャネル内への流体および異物の侵入を防ぐ。
【0027】
特に、これらのパネルには、真空生成のためおよび電気データ処理のための接続と共に、水、排水、ガス、圧縮空気、電気、光の供給および/または除去のための装置を設けることができる。
【0028】
本発明のより好ましい実施の形態によれば、プロファイル要素が壁または天井に固定されることを許し、またはその両側面上でプロファイル要素に適合可能な支持構造をメディアチャネルは含む。この方法において、ほとんど同様に設計されたメディアチャネルが、メディアセル、メディアカラム、吊るされたメディアブームまたはメディアステーションにおいて使用されることができ、実験設備の製造者と同様に実験室の建設者にとって、このことは、経済の観点で利点である。
【0029】
好ましくは、支持構造は、当該支持構造に対するプロファイル要素のラスターの様な取り付けを許す。このことは、実験室の人員がメディアチャネルを、水平方向および/または垂直方向に、必要に応じて動かすことができることを意味し、また、実験室内において、メディアチャネルおよび/またはメディア取付部が、必要とされる場所で、利用できることを意味する。
【0030】
また好ましくは、プロファイル要素と支持構造との間には、開口部がある。当該開口部を、実験室メディアを供給および/または除去するためのケーブルおよびパイプラインが通っている。特に、より大きな設置深さを必要とする電気接続のケースにおいて、当該開口部を通して、支持構造の中空の空間が電気接続ケーブルのために利用できる。
【0031】
好ましくは、当該メディアチャネルは、出願日に有効であるIP 44およびIP 54の保護分類の要求を満たす。この方法において、長期間、メディアチャネルの動作は、水分やダスト(異物)の侵入に対して保証される。特に、メディアチャネルは、ダスト堆積に対する完全な保護と同様に、直径>1mmである異物に対する接触保護を保証する。加えて、それは、噴霧水に対する十分な保護も保証する。
【0032】
この発明の様々な実施の形態は、添付される図面を参照した全くの例示として、以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係るメディアチャネルの外観斜視図である。
【図2】両側面にメディアチャネルを備える、部屋の天井に固定するための支持構造を示す図である(吊るされたメディアブームを示す図である)。
【図3】二重実験室作業台に対して両側面にメディアチャネルを備える支持構造を示す図である(メディアセルを示す図である)。
【図4】天井または壁に固定するための支持構造に取り付けられた、二つのメディアセルを示す図である(メディアカラムを示す図である)。
【図5】壁に固定するための支持構造を有するメディアチャネルの背面斜視図である。
【図6A】プロファイル要素の一つの領域の拡大外観を含む、プロファイル要素の前方斜視図である。
【図6B】プロファイル要素の一つの領域の拡大外観を含む、図6Aで示したプロファイル要素の背面斜視図である。
【図7】パネルの前方斜視図である。
【図8】保管パネルの断面図である。
【図9】支持構造、水道蛇口および流し台を有するメディアチャネルの断面図である。
【図10】電気接続を有するメディアチャネルの断面図である。
【図11】引き続いて取り付けられたピペットホルダーを有するメディアチャネルの斜視図である。
【図12】引き続いて取り付けられた保管面を有するメディアチャネルの斜視図である。
【図13】引き続いて取り付けられた水よけ板を有するメディアチャネルの斜視図である。
【図14】引き続いて取り付けられた直装モニタを有するメディアチャネルの斜視図である。
【図15】引き続いて直装されたはねかかり防止を有する、機能レールの領域におけるメディアチャネルの一部分の断面図である。
【図16】図15に示したクランピング装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、メディア供給および/または除去側においてモジュール式に取り付けられたパネル2を有する、本発明に係るメディアチャネル1の斜視図を示している。たとえばメディアセル、メディアカラム、吊るされたメディアブームまたはメディアステーション内における、それの使用の目的に依存して、メディアチャネルは、垂直方向または水平方向に配置され得る。もし、ビルの実験室のメディアケーブルおよびパイプラインが、上方または下方からメディアチャネル1に入るなら、メディアチャネル1の横方向の端部は各々、サイドパネル9によって閉じられる。メディアセル内において使用されているメディアチャネル1が、実験室器具のための保存面として機能する場合においては、さらなるパネル6が、メディアチャネルの上部に与えられる。
【0035】
下記されたメディアチャネル1は、出願日に有効である保護分類IP 44およびIP 54の要求を満たす。加えて、メディアチャネルの外部から視認できるおよび/または露出している構成要素は、高品質のパウダーコーティングが提供されていることが望ましい。当該パウダーコーティングを通して、メディアチャネルは、実験室内における環境条件に対して理想的に保護される。各パネルは、工具なしで取り付けられるので、それらは、素早くかつ簡単に実験室条件の変化に合わせることができる。
【0036】
図1で示したメディアチャネルの各実施例は、図2,3,4の方法によって、後述される。
【0037】
図2は、天井に取り付けるための支持構造20を有する、吊るされたメディアブームの斜視図を示す。支持構造20は、二つのラスターのような支持柱22を有する。ここで、支持柱22の長さに依存して、支持柱は、1以上の横梁26の手段によって安定されている。支持柱22の下方端は、両側面においてメディアチャネル1に取り付けられる。
【0038】
図2においてとても簡単化された形で示された例において、二つのメディアチャネル1は、ブランクパネルが提供されているのみである。両方のメディアチャネル1の断面がテーパ状であるため、そのパネルは、垂直的である支持柱22に関して傾いて配置されている。このことは、たとえば水、排水、ガス、圧縮空気、電気光、または、真空を生成するためおよびデータ処理のための接続である実験室メディアをタッピングするための装置をそのパネルが備える場合において、取扱いをより簡単にする。さらに要求されるなら、異なった寸法形状であるけれども、各メディアチャネル1は、支持突起物24に取り付けられ得る。図2に示した例において、横方向の各支持突起物24は、保存仕切り29に接続されている。ビルから各メディアチャネル1へのメディア供給は、垂直シャフト28を通してなされる。
【0039】
図3は、二重実験室作業台を含むメディアセルのとても簡単化された形を示している。両方の実験室作業台30は各々、実験室ワークトップ32を持っている。当該実験室ワークトップ32はお互いに、メディアチャネル1のための支持構造20aの領域において、隙間無しで隣接している。実験室ワークトップ32の幅に本質的に対応するように、相互に少し離れている二つのサイド支持体22aを、支持構造20aは有している。これらの実験室ワークトップ32は、等高面となるように、実験室の床上に立っている。実験室の人員の概ね胸の高さに、サイド支持22aの間に渡っているメディアチャネル1が配置されるように、サイド支持22aの長さは設定されている。しかしながら、サイド支持22aのラスターのような設計は、各メディアチャネル1の高さの様々な設定を可能とする。図3に示したメディアセルの場合において、ビルへのおよびビルからの実験室メディアの供給および除去は、シャフト28aを通して行われる。図3に明確に示されていなくても、当業者は、メディアセルが他のメディアチャネルおよび/または他の実験室備品を補われることができることを、認識するだろう。
【0040】
図4は、支持構造20bの手段によって、天井または天井からのビルの突き出た部分に取り付けられる二重サイドメディアカラムを示している。図4において、とても簡単化された形で示されているメディアカラムの例において、支持構造20bは、側面の各支持柱22bに接続される、水平方向の支持レール23bを有している。メディアチャネル1同士について要求される空間間隔に応じて、両方支持柱22bは、支持レール23bに沿って動かされることができる。要求された空間が二つのメディアチャネルの間に得られた後には、これらは相互に、保管パネル29bを介して接続されることができる。図4に示されるように、二つのメディアチャネルの断面は錐状態(テーパ状)であり、結果として、実験室メディアの供給および/または除去装置が提供された各メディアチャネル1は、ユーザにとってより簡単に近づきやすくなる。
【0041】
図5は、支持構造50を有する本発明に係るメディアチャネル1の背面斜視図を示している。図6A,6Bで詳細に示されているように、メディアチャネルはプロファイル要素100を含んでいる。当該プロファイル要素100には、モジュール式のパネル2が拘束的(schlussig)および拘束的ではない(kraftschlussig)方法で取り付けられることができる。プロファイル要素100の上部側は、保管パネル6によって閉じられている。
【0042】
プロファイル要素100に加えて、図5に示したメディアチャネルは、壁に取り付けるための支持構造50をも有している。壁への固定は、横内部方向に突き出ている固定フランジ54を介して、行われる。底部において、支持構造は、固定フランジ54に堅く固定された基平板52を有している。プロファイル要素100と支持構造50との間には、開口部59が配設されている。このことは、プロファイル要素100の内部に加えて、支持構造50によって定義された内部空間が、実験室メディアの供給および/または除去のために利用できる、ことを意味する。
【0043】
支持構造50は、お互いに水平方向に距離をおいて配設されている、鉛直支柱58を有している。当該鉛直支柱58には、プロファイル要素100が取り付けられることができる。支持構造50のラスターのような設計は、支持部材50に対するプロファイル要素100の固定について、高水準の多様性を可能にする。支持構造50は、水平方向に相互に距離をおいて配設された、1つ以上の迫持台56を有する。当該迫持台56は、支持構造50の上部を塞ぐための保管パネル(図示せず)のための支持/台として機能する。
【0044】
図6Aは、プロファイル要素100の丸で囲まれたエリアの拡大詳細図と共に、図5で示したプロファイル要素100の前面斜視図を示している。図6Aにおける前面側は、以下において、プロファイル要素100の供給および/除去側として、言及されるだろう。
【0045】
プロファイル要素100の長さ方向に延設されている中間基部110は、メディア供給および/または除去のために、その輪郭(プロファイル)を、二つのダクト102,104に分割している。たとえば、ダクト104は、真空生成のための薄いチューブ/パイプのために、または電気とデータのケーブルために、使用されることができる。一方で、ダクト102は、水、排水またはガスのパイプラインのために、使用されることができる。中間基部110において、開口部112が、プロファイル要素100の長さ方向において一定間隔で、配設されている。当該開口部112は、ダクト102とダクト104とを接続する。図6Aにおける鉛直方向に延設している支柱106は、プロファイル要素100を、壁または図5に示した支持構造50に、固定するためのものである。プロファイル要素100の背面側において、中間基部110から鉛直方向に突出しており、長手方向に連続しているフランジ108が存在する。当該フランジ108は、図5で示した保管パネル6のための迫持台として機能する。プロファイル要素100の供給および/または除去側において、接続要素121(図6A),125(図6B)が、パネル2を固定するために配設されている。図6A,6B内の拡大図は、接続要素121,125の詳細構造を示している。
【0046】
接続要素121は、S字状部122とL字状部120とによって、形成されている。両部122,120は、予めテンションがかかっているので、クランプされる構成要素を導入するとき、より具体的にパネル面から側方に突出している各パネル2(図7)のフランジ3を導入するとき、二つの部122,120が広がって離隔し、クランプされる当該構成要素と接触しクランプする。接続要素121の機能は、バネクリップの機能に似ている。底面側において、プロファイル要素100は、二つのアンダーカット部116,118によって形成されるレール117に隣接しており、プロファイル要素の内部側に突出している、基部114を有している。壁側において、基部114は、二つの鉛直方向の支柱106と接続されている。レール117の使用の目的は、図11〜15を参照して記述されている。
【0047】
図6Bは、図6で示したプロファイル要素を示しているが、今回は、背面からの斜視図である。丸で囲まれた領域は、拡大図において詳細に示されており、接続要素125の構造的設計を示している。図6Aにおいてプロファイル要素100の上部内で示した、かつダクト104の供給および/または除去側において横の境界として示した当該接続要素は、L字状部126と鋭い角度を形成している部分124とによって、形成されている。接続要素121の場合と同様に、前記二つの部は、予めテンションがかかっているので、これらの機能もまた、バネクリップの機能と同様となる。
【0048】
部分130は、図1と図8に示した保管パネル6のための迫持台として機能する。部分130は、曲げ剛性を増すために、二重壁で囲まれている。当該部分130は、正拘束力を支持パネルに与えた際の変形を防止する。隣接している部分124は、既に図6Aに関連して記述したように、中間基部110であり、開口部112を有する。中間基部は、鉛直支柱106に接続されている。
【0049】
図6A,6Bで示したプロファイル要素100は、折られた金属構成要素として設計されており、したがって一体となっている。よって、大量生産に適している。この点において、プロファイル要素は、要求される曲げ剛性を示すプラスチック構成要素で作られることもできることを、指摘されるべきである。
【0050】
図7は、90°の角度で突出しているフランジ部3,4,5を端部に有する、パネル2の斜視図を示している。フランジ部2,4は、接続要素121,125に挿入するためのクランピング部分である。フランジ部5は、図1で示した閉じたメディアチャネル1内への流体や異物の侵入を防ぐための保護として、機能する。図7におけるパネルは、メディアの供給および/または除去のための装置なしで、示されている。機能特定のパネル2は、図9,10を参照して後述される。
【0051】
図8は、保管パネル6の断面図を示しており、保管パネル6は、図6A,6Bで示した部分108,130へ非拘束的に挿入されることができる。保管パネル6は、図9に示すように、部分108,120と非拘束的に接続されることができる二つの結合した部分7,8を有する。係合部8の断面はL字状であり、他方、係合部7の断面はV字状である。
【0052】
図9は、メディアチャネルの断面図を示している。当該メディアチャネルは、プロファイル要素100と、水取付部2a’を備えるパネル2aとを含んでいる。水取付部2a’までの供給パイプライン2a’’は、最初は支持構造50を通っており、水取付部2a’まではダクト102を横切る向きになっている。保管パネル6は、プロファイル要素100の上部にあると想定されており、かつメディアセル内においてメディアチャネルが使用されるとき、実験室設備に対する保管面として利用される。二つのダクト102,104も、明確に示されている。
【0053】
プロファイル要素100は、支持構造50に固定される。支持構造50の内部は、水供給および除去のためのダクト102,104に加えて、利用されることができる。プロファイル要素100の下には、シンク42が設置されたスクリーン46が存在しており、このシンク42の排水路44もまた支持構造50の内部を通過している。
【0054】
図9で示したスクリーン46の上端部は、図5で示され、また基部114(図6A)に設けられている、スリットのような凹部を、通過している。
【0055】
メディアチャネルおよび支持構造内部への流体および異物の侵入を防止するために、スクリーン46とパネル2aの両方は、保護分類IP 44とIP 54の要求を満たす。
【0056】
図10は、ソケット2b’を備えるパネル2bの更なる例を示している。流体の侵入を防止して短絡を避けるため、電気器具は、ダクト102内に配設されているシールされたケーシング2b’内に、収容されている。ダクト104は、メディアの供給および/または除去のために、ここで模式的に示されているのみの、メディアケーブルおよびパイプラインを、さらに含んでいる。プロファイル要素100の上部側は、また、保管パネル6によって閉ざされている。
【0057】
図9,10で示したパネル2a,2bは、水取付部2a’および電気ソケット2b’が例として装備されている。要求に応じて、各パネルは、異なる実験室メディア(真空の生成のための接続部および電気データ処理のための接続部と共に、たとえば水、排水、ガス、圧縮空気、電気、光)に対する対応する装置を、もちろん装備されることができる。
【0058】
図11〜15は、図6Aで示されたレール117の利用の例を示している。図11〜14において、プロファイル要素100は、純粋に例として、ラスターのようなレール20cに取り付けられる。プロファイル要素100は、もちろん、異なって設計された支持構造に対して固定されることができる。プロファイル要素100の上部側は、保管パネル6によって閉ざされている。その側において、つまりプロファイル要素100の供給および/または除去側において、各パネル2は配設される。各パネル2の下方およびワークトップ32の上方において、スクリーン46が配置される。
【0059】
図15,16で示したクランピング装置の手段によって、様々な付加構成要素が、レール117内に取り外し可能に固定されることができる。これらの付加構成要素は、図11においてはピペットホルダー、図12においては保管パネル6に加えて保管面70、図13においては様々な実験室容器のためのいわゆるドリップボード80、図14においてはモニターたとえばフラット画面のものを取り付けるためのモニターホルダー90を、そして図15においては水滴防止のための中間壁を含んでいる。
【0060】
クランピング装置200は、図15,16を参照して、より詳細に説明される。クランピング装置200は、クランピングタブ(tab)204と共に、クランピングシュー(shoe)206を含んでいる。クランピングタブ204は、スターノブ(star knob)202の手段によって、レール117内において、クランピングシュー206に対して相対的に動かされることができる。レール117内におけるクランピングシューをクランプするために、スターノブ202を時計回りに回す。これによりスターノブのネジ上の部分がアンダーカット部116と接触するようになる一方で、一方のクランピングタブ204と他方のクランピングシュー206の隣接部分とが、アンダーカット部118に対して押圧される。クランピングシュー206には、モニターホルダー90、ドリップボード80、保管面70、ピペットホルダー60または実験室内で要求された他の付加構成要素をマウントするために適切に設計されたクランピングアダプターを配設することができる。
【0061】
上述したメディアチャネルは、図示した形状に限定されない。たとえばメディアチャネル、より具体的にはメディアチャネルのプロファイル要素は、チェッカ盤様式で、対応するパネルがプロファイル要素に接続されることができるように、設計されることができる。
【0062】
メディアチャネルの上部における錐状態で線形の断面部は、より多くの部屋を、特に電気設備要素のために提供するので、短絡防止の目的で、これらを防湿用に密封されたケーシング内に収容することができる。同時に、メディアセル内においてメディアチャネルを使用するとき、ワークトップの完全な表面領域が実験実施のために利用できることを、メディアチャネルのテーパ状の側面は保証している。しかしながら、これら二つの目的を達成するために、たとえば錐状態で凸形状のような、他の断面形状が考えられる。
【0063】
さらに、上記の接続要素は、弾性を有するクランピング装置に限定されない。同じ効果(すなわち、単純な取り外し可能固定)を達成するために、他の拘束的および非拘束的な接続方法が用いられることができることは、当業者は分かる。これらの例は、スナップタイプであり、スワローテイル(swallowtail)であり、磁石固定も可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実験室の作業場に対する実験メディアの供給および/または除去のための実験室システム用のメディアチャネル(1)、特に、メディアセル、メディアカラム、吊るされたメディアブームまたはメディアステーションであって、
長軸方向の軸に沿って、実験室のケーブルおよびパイプラインのためのダクト(102,104)を規定し、供給および/または除去側を有する、長尺のプロファイル要素(100)と、
ブランクパネルの形を取っており、または実験室メディアの供給および/または除去のための少なくとも一つの取付部を備える、少なくとも一つのパネル(2,2a,2b)とを、含んでおり、
当該パネル(2,2a,2b)は、
上記プロファイル要素(100)の供給および/または除去側に配設された接続要素(121,125)の手段によって、 取り外し可能に上記プロファイル要素(100)に接続されており、
上記プロファイル要素(100)および上記接続要素(121,125)は、
一体で、かつ、折られた金属構成要素の形をして構成されており、
上記プロファイル要素が、
長軸方向に延設された二つのダクト(102,104)を規定している、ことを特徴とする、メディアチャネル。
【請求項2】
請求項1に記載のメディアチャネル(1)において、
上記接続要素(121,125)は、
上記プロファイル要素(100)に対する拘束的または非拘束的な上記パネル(2,2a,2b)の接続を提供する、メディアチャネル。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のメディアチャネル(1)において、
上記接続要素(121,125)は、
上記プロファイル要素(100)に対する上記パネル(2,2a,2b)の、クランピング、スナップタイプまたはありつぎの接続を提供する、メディアチャネル。
【請求項4】
上記した複数の請求項の何れか一つに記載のメディアチャネル(1)において、
上記接続要素(121,125)は、
弾力的であるように構成されている、メディアチャネル。
【請求項5】
上記した複数の請求項の何れか一つに記載のメディアチャネル(1)において、
上記接続要素(121,125)は、
上記プロファイル要素(100)の長さ全体に渡って、実質的に延設している、メディアチャネル。
【請求項6】
上記した複数の請求項の何れか一つに記載のメディアチャネル(1)において、
上記プロファイル要素(100)は、
アンダーカット部(116,118)によって定義された、外部のレール(117)を有する、メディアチャネル。
【請求項7】
請求項6に記載のメディアチャネル(1)において、
上記レール(117)は、
上記プロファイル要素(100)の長さ全体に渡って、実質的に延設している、メディアチャネル。
【請求項8】
上記した複数の請求項の何れか一つに記載のメディアチャネル(1)において、
上記プロファイル要素(100)は、
実質的にC字形状である、メディアチャネル。
【請求項9】
上記した複数の請求項の何れか一つに記載のメディアチャネル(1)において、
上記プロファイル要素(100)は、
断面においてテーパ状である、メディアチャネル。
【請求項10】
請求項10に記載のメディアチャネル(1)において、
断面において見られる上記プロファイル要素(100)のより幅の広い側上において、保管パネル(6)は、
非拘束的に取付けることができる、メディアチャネル。
【請求項11】
上記した複数の請求項の何れか一つに記載のメディアチャネル(1)において、
複数のパネル(2,2a,2b)は、
モジュール様式で、上記プロファイル要素(100)に取付けることができる、メディアチャネル。
【請求項12】
上記した複数の請求項の何れか一つに記載のメディアチャネル(1)において、
上記パネル(2,2a,2b)は、
隙間無しに、上記プロファイル要素に取付けることができる、メディアチャネル。
【請求項13】
上記した複数の請求項の何れか一つに記載のメディアチャネル(1)において、
上記パネル(2,2a,2b)は、
真空生成のための接続および電気データ処理のための接続のみならず、水、排水、ガス、圧縮空気、電気の供給および/または除去のための取付部が提供される、メディアチャネル。
【請求項14】
上記した複数の請求項の何れか一つに記載のメディアチャネル(1)は、
上記プロファイル要素(100)が壁や天井に固定されることを許し、または両側面上に上記プロファイル要素(100)を備えられることができる、支持構造(20,20a,20b,20c,50)をも含んでいるメディアチャネル。
【請求項15】
請求項14に記載のメディアチャネル(1)において、
上記支持構造(20,20a,20b,20c,50)は、
当該支持構造(20,20a,20b,20c,50)に対する上記プロファイル要素(100)のラスターのような接続を許す、メディアチャネル。
【請求項16】
請求項14または15に記載のメディアチャネル(1)において、
開口部(59)は、
上記プロファイル要素(100)と上記支持構造(50)との間に提供されている、メディアチャネル。
【請求項17】
上記した複数の請求項の何れか一つに記載のメディアチャネル(1)において、
出願日に有効な保護分類IP 44および/またはIP 54の要求を満たす、メディアチャネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2012−524511(P2012−524511A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505182(P2012−505182)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055072
【国際公開番号】WO2010/119134
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(503278533)バルドナー ラボラインリヒトゥンゲン ゲーエムベーハー ウント ツェーオー.カーゲー (3)
【氏名又は名称原語表記】Waldner Laboreinrichtungen GmbH & Co. KG
【Fターム(参考)】