説明

室内照明装置

【課題】 好適な室内照明を実現するとともに、取り外した携帯照明装置の保持性、使い勝手を改善した室内照明装置を提供する。
【解決手段】 室内の壁に配設され、室内に向けて照明光を出射するベースユニット1と、ベースユニット1に着脱可能に支持され、光を出射する光源部22を備える可搬ユニット2とで構成され、ベースユニット1は可搬ユニット2から出射した光を導光体13に入射し、この導光体13から照明光として出射するように構成される。可搬ユニット2から出射する光の方向や光の集光性に制約を受けることがなくなり懐中電灯として使い勝手の良い可搬ユニットが構成でき、その一方でベースユニット1からは拡散光の出射による照明効果の高い好適な照明が実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両の室内を照明する装置に関し、特に装置の一部を携帯照明装置として構成して装置の利便性を図った室内照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の室内を照明するための室内照明装置は、通常は車室内の内天井に固定的に配設されている。近年この室内照明装置の利便性を高めるために照明装置を分割構成とし、分割した部分を取り外し可能にして例えば携帯照明装置として利用するように構成したものが提案されている。例えば、特許文献1では、車室内に固定されたユニット本体と、このユニット本体に対して着脱可能なサブユニットとで室内照明装置を構成し、サブユニットを取り外しても独立した携帯照明装置、いわゆる懐中電灯として利用可能にしたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−181445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この室内照明装置は、サブユニットに設けた光照射面からの光で車室内を照明すると同時に、サブユニットを取り外したときには同じ光照射面での照明を行うことになる。光照射面を大きくすると車室内を明るく照明するのには有効であるがサブユニットが大型化してしまい携帯性が悪くなる。反対に光照射面を小さくすると携帯性は改善されるが車室内を必要な明るさで照明することが難しい。また、サブユニットの光照射面は室内照明として好適な照明を行うように拡散光を照射するように構成されているため、ユニット本体から取り外して懐中電灯として使用する際には照射された光の集光性が低く対象物を明るく照明することが難しいという問題も生じる。
【0005】
また、特許文献1のように室内照明装置を車室内の内天井に配設してユニット本体を内天井に沿って偏平な形状とし、サブユニットもこれに対応して薄型形状に形成したような場合には、サブユニットをユニット本体に装着したときにサブユニットで車室内の下方に向けて照明を行うように設計すると、サブユニットの長手方向の一側面に光照射面が配置されることになる。そのため、サブユニットの光照射面を大きくするとサブユニットの幅寸法も大きくなり、サブユニットを携帯する際の保持性が低下されるとともに、点灯したときにはサブユニットの長手方向と直交する方向に光が照射されることになりサブユニットの使い勝手が悪くなるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、好適な室内照明を実現するとともに、取り外した携帯照明装置の保持性、使い勝手を改善した室内照明装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の室内照明装置は、室内に配設され、室内に向けて照明光を出射するベースユニットと、このベースユニットに着脱可能に支持され、光を出射する光源部を備える可搬ユニットとで構成されており、ベースユニットは可搬ユニットから出射した光を入射して照明光として出射するように構成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、次の形態とすることが好ましい。
(a)第1の形態では、可搬ユニットから出射される光の出射方向と、ベースユニットから出射される照明光の出射方向とが異なる構成とする。
(b)第2の形態では、ベースユニットは導光体を備えており、当該導光体は可搬ユニットから出射した光を入射しかつ導光して前記照明光として出射する構成とする。
(c)第2の形態においては、第3の形態として、可搬ユニットは集光した光を出射し、導光体は拡散光を出射する構成が好ましい。
(d)また、第2の形態においては第4の形態として、可搬ユニットはベースユニットの表面に沿って装着されるとともに、当該表面に沿った方向に光を出射する構成とされ、導光体は当該表面にほぼ垂直な方向に照明光を出射する構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の室内照明装置によれば、ベースユニットに装着した携帯照明装置としての可搬ユニットから出射した光をベースユニットに入射し、ベースユニットにおいて任意の好ましい形態で室内に向けて照明光として出射し、照明を行う。そのため、可搬ユニットの構成、特に可搬ユニットから出射する光の方向や光の集光性に制約を受けることがなく、懐中電灯として使い勝手の良い可搬ユニットが構成でき、その一方でベースユニットからは拡散光による照明を可能にして照明効果の高い好適な照明が実現できる。
【0010】
また、第1の形態では、可搬ユニットを任意の姿勢でベースユニットに装着してもベースユニットからは室内照明に好適な方向や状態で光を出射することが可能になる。
第2の形態では、ベースユニットに導光体を備えることで、導光体を配設した領域にわたって照明用の光を出射させることができる。
第3の形態では、可搬ユニットを懐中電灯として好ましい集光性の光を出射させることができ、ベースユニットは導光体からの拡散光によって室内の広い範囲を照明することが可能になる。
第4の形態では、可搬ユニットの長手方向をベースユニットの表面に沿って装着する構成とした場合でも、可搬ユニットの長手方向に向けて光を出射でき懐中電灯としての使い勝手をさらに高めるとともに、ベースユニットからはその表面にほぼ垂直な方向に出射する光によって室内を効率的に照明することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態1の室内照明装置を下方から見上げた平面図。
【図2】実施形態1の室内照明装置の外観斜視図。
【図3】実施形態1の室内照明装置の導光体の斜視図。
【図4】実施形態1の室内照明装置のベース体の一部と可搬ユニットの斜視図
【図5】可搬ユニットと導光体の光出射方向を説明する模式的な構成図。
【図6】実施形態2の可搬ユニットの要部の外観斜視図。
【図7】実施形態3の室内照明装置を下方から見上げた平面図とB−B線拡大断面図。
【図8】実施形態4の異なる形態の室内照明装置を下方から見上げた概念的な平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明を自動車の車室内の内天井に配設した実施形態1の室内照明装置を下方から見上げた平面図である。図2はその外観斜視図である。平面形状が長方形に近い浅皿状をして図には表れない車室内の内天井に固定されたベースユニット1と、このベースユニット1に対して着脱可能でかつ人手によって可搬可能でかつ懐中電灯として利用可能な可搬ユニット2とで構成されている。
【0013】
ベースユニット1は角部に丸みを有する長方形をした偏平な浅皿状をしたベース体11を有しており、このベース体11の長手方向を自動車の前後方向に向けて車室内の内天井に固定されている。このベース体11の下側面の短辺方向のほぼ中央部には長手方向に沿って前記可搬ユニット2を支持するための凹溝部12が形成されている。また、ベース体11の下側面には前記凹溝部12を挟んだ両側に運転席側と助手席側の一対の読書灯3が配設されている。
【0014】
これら一対の運転席側と助手席側の読書灯3は同じ構成であり、既存の読書灯を利用しているのでここでは詳細な説明は省略するが、前記ベース体11に開口された矩形の窓内に嵌入される矩形のパネル31を基体とし、これにLED(発光ダイオード)や豆電球を光源とし、集光レンズによってスポット照明を行うランプ32と、手操作されて前記ランプ32を点灯、消灯させる点灯スイッチ33aと消灯スイッチ33bが配設されている。この点灯スイッチ33aと消灯スイッチ33bは一つのプッシュ式スイッチあるいはレバー式スイッチで構成してランプ32の点灯・消灯を切り替えるようにしてもよい。
【0015】
前記ベースユニット11は、前記一対の読書灯3ないし凹溝部12を囲むように前記ベース体11の周縁に沿って無端状、ここでは矩形枠状に延長形成されて前記ベース体11に固定支持された導光体13を備えている。図3は導光体13の斜視図であり、導光体13は内部に光を透過させる透明な樹脂で形成されており、矩形枠状に沿った延長方向に垂直な断面形状が矩形に形成されるとともに、延長方向の一部、ここでは矩形枠状の短辺の一部に内方に突出した導光部131が形成され、前記凹溝部12の一端部に臨むように配置されている。この導光部131は前記凹溝部12に対向される面が平坦な光入射面として構成され、後述するように可搬ユニット2から出射される光を導光体13の内部に導光する。また、導光体13は導光部131の外面に当該導光体13から入射した光を両側方に向けて内部反射させるためのテーパ凹部132が形成される。さらに、導光体13の上側面の延長方向の複数箇所には拡散ステップ133が形成されており、後述するように導光体13の内部を導光される光を拡散ステップ133において拡散状態で反射し、導光体13の下側面から車室内に向けて出射するように構成される。この拡散ステップ133は、ここでは導光体13の長手方向に対して直交する直線状をした楔型の凹溝からなる拡散スリットとして構成しているが、点状あるいは任意の形状をした凹溝として形成されていてもよい。この拡散ステップ133は導光部131からの光路長が長くなるほど数が多くされ、導光体13の内部を導光される光が徐々に減衰されても導光体13から出射される光の量が導光体13の延長方向にわたって均一になるように配設形成されている。
【0016】
図4には前記ベース体11の凹溝部12の一部を示しているが、当該凹溝部12には、前記導光体13の導光部131と反対側の他端面に一対の給電端子14が配設されている。この給電端子14は図には表れないバネ手段によって先端が所定長さだけ凹溝部12の内方に突出するように付勢された導電部材で構成されており、自動車に搭載されている図には表れない車載バッテリに電気接続されている。また、ベース体11の凹溝部12の一端側の溝幅方向に対向する各面にはそれぞれ弾性金属片で形成された一対の係合片15が固定されており、後述するように可搬ユニット2に設けた係合凹部27に弾性的に係合するようになっている。
【0017】
前記可搬ユニット2は、図4を参照すると判るように、前記ベース体11の凹溝部12に内挿可能な細長いスティック状をした外形の筐体21を有している。この筐体21の一端部には光源部22が配設されており、点灯したときに筐体21の長さ方向に沿って光を出射するようになっている。前記筐体21の内部には充電可能な電池、すなわち二次電池からなる内蔵バッテリ23と、この内蔵バッテリ23で点灯させる光源部22の点灯状態を制御するための点灯回路24が内装されている。筐体21の他端面には前記内蔵バッテリ23に電気接続された一対の受電端子25が配設されており、前記内蔵バッテリ23はこの受電端子25を通して給電され、車載バッテリの電力によって充電が行われるようになっている。この受電端子25は筐体21の他端面に対して幾分凹設されており、可搬ユニット2を凹溝部12に内挿したときにベース体11に設けた給電端子14が一旦埋没され、その後受電端子25に向けて弾性力で突出されて嵌合するとともに給電端子14と受電端子25とが電気接続される。前記可搬ユニット2の筐体21の下側面、すなわちベースユニット1に装着したときに下側に向けられる面には可搬ユニット2をベースユニット1から取り外す際に指先を引っかけるための掛止溝26が形成されている。また筐体21の両側面にはそれぞれ浅く凹設された一対の係合凹部27が設けられており、前記凹溝部12に内挿されたときに前記した一対の係合片15がそれぞれ対向する係合凹部27に弾性的に係合する。そのため、この係合片15による弾性挟持力と、前記給電端子14と受電端子25との嵌合によって可変ユニット2を凹溝部12内に保持することが可能とされている。
【0018】
前記可搬ユニット2の光源部22は1つ又は複数の白色光を発光する白色LED(発光ダイオード)221と、このLED221を覆う透光カバー222とで構成され、透光カバー222の先端面は角型の集光レンズ223として構成されている。LED221は内蔵バッテリ23の電力により発光され、発光したLED221から出射した光は集光レンズ223によって集光され、スボット光として出射される。また、可搬ユニット2の筐体21の下側面には光源部22の点灯と消灯を切り替えるための点灯スイッチ28aと消灯スイッチ28bが幅方向に並んで配設されており、手操作によって可搬ユニット2に内蔵している点灯回路24を制御し、LED221の発光状態を切り替えるようになっている。また、当該筐体21には点灯状態の切り替えを自動又は手動で切り替えるための自動/手動切替スイッチ29が配設されている。この自動/手動切替スイッチ29は、後述するように、自動に切り替えたときには可搬ユニット2をベースユニット1から取り外したときに点灯スイッチ28aと消灯スイッチ28bの状態にかかわらず強制的に光源部22を点灯するようになっている。
【0019】
この実施形態1の室内照明装置は、通常状態では可搬ユニット2はベースユニット1に装着された状態にある。すなわち、図1に示したように、可搬ユニット2はベースユニット1のベース体11の凹溝部12に内挿された状態にある。この状態では可搬ユニット2は、図4に示したように、筐体21に設けた係合凹部27がベースユニット1の係合片15に係合し、同時に給電端子14が受電端子25に嵌合しているので、これらにおける支持により凹溝部12内において脱落することなく保持されている。また、このとき可搬ユニット2の受電端子25はベースユニット1の給電端子14に電気的に接続されており、車載バッテリからの給電を受けて内蔵バッテリ23は充電状態にある。
【0020】
そして、図5に模式的に示すように、点灯スイッチ28aがオンされると点灯回路24の制御により内蔵バッテリ23の電力、あるいは車載バッテリからの電力を受けてLED221が発光され、集光レンズ223によって集光されたスポット光が可搬ユニット2の光源部22から集光レンズ223のレンズ光軸方向A1、すなわち可搬ユニットの長手方向に沿った方向に出射される。この方向は、室内照明装置が配設されている車室内の内天井の天井面に沿った方向であり、自動車の後方に向けた方向に向けて光が出射される。出射された光は対向配置されている導光体13の導光部131の入射面から導光体13に入射される。入射された光は、図1に示すようにテーパ凹部132で内面反射されて左右に分割され、さらにその後は導光体13の上下面や左右面でそれぞれ内面反射を繰り返しながら導光体13の左右の側辺部から反対側の他端部に向けて導光される。そして、再び図5を参照すると、導光の途中で導光体13に設けられた拡散ステップ133において拡散状態で反射され、これらの反射光は導光体13の下側面から下方の車室内に向けた方向A2に出射され、車室内を照射する。これにより、室内照明装置はベースユニット1の周縁部の導光体13が発光した状態となり、この導光体13の発光によって車室内の照明が行われる。この照明では、導光体13の延長方向の全領域から光が出射され、しかも出射される光は拡散光として出射されるので車室内の広い範囲を照明することが可能である。消灯スイッチ28bの操作によりLED221の発光が停止され、光源部22が消灯されて照明が停止されることはいうまでもない。
【0021】
なお、両側の読書灯3においては、それぞれの点灯スイッチ33aをオンすることによりランプ32が点灯される。点灯したランプ32からは下方に向けてスポット光が出射され、運転者席や助手席の乗員の手元を照明することはいうまでもない。
【0022】
自動車の乗員が可搬ユニット2の掛止溝26に指先を引っかけて下方に引き下げると、係合片15と係合凹部27との係合状態が外れ、可搬ユニット2をベースユニット1から取り外すことができる。このとき、自動/手動切替スイッチ29が自動に切り替えられているときには点灯回路24の制御により可搬ユニット2の取り外しと同時に光源部22が点灯する。これは点灯回路24において給電端子14と受電端子25の電気接続が遮断される状態を検出する手段を備えており、この検出を行ったときにLED221を発光させるように構成しているためである。一方、自動/手動切替スイッチ29が手動に切り替えられているときには可搬ユニット2を取り外しても光源部22は点灯せず、このときには点灯スイッチ28aをオンすることによって点灯状態となる。これらいずれの場合も可搬ユニット2に内蔵した内蔵バッテリ23を電源として光源部22が点灯するので、内蔵バッテリ23が充電されている限り点灯が継続される。光源部22が点灯すると、LED221で発光した光は集光レンズ223を通してレンズ光軸方向A1に出射され、可搬ユニット2の筐体21の一端部から筐体の長手方向に出射される。したがって、可搬ユニット2の筐体21を手で握った状態で保持したときには通常の懐中電灯と同様に親指方向に光を出射して前方を照明する灯具として使用することができ、使い勝手の良いものとなる。また、出射される光は集光レンズ223によって集光されてスポット光の状態で出射されるので、拡散光の場合に比較して対象物を明るく照明することができ、懐中電灯としての機能性が確保される。
【0023】
可搬ユニット2による照明が不要となったときには消灯スイッチ28bを操作することにより光源部22を消灯することができる。これにより可搬ユニット2をベースユニット1から取り外しているときの内蔵バッテリ23の電力消費を抑制する。そして、可搬ユニット2を凹溝部12に押し込むと、給電端子14と受電端子25との嵌合、及び係合辺5と係合凹部27との係合によって可搬ユニット2をベースユニット1に装着し、当初の状態に戻すことができる。このとき、自動/手動切替スイッチ29が自動に切り替えられているときには、可搬ユニット2をベースユニット1の凹溝部12に内挿すると再び給電端子14と受電端子25が嵌合して電気接続した状態となるので、消灯スイッチ28bが操作されていなくても点灯回路24の制御によって光源部22は自動的に消灯する。
【0024】
ここで、可搬ユニット2には内蔵バッテリ23の充電状態を表す充電表示灯を配設してもよい。例えば、図示は省略するが、可搬ユニット2の筐体21の一部に小型のLEDを配設し、内蔵バッテリ23が所定の充電状態となっているときに点灯し、充電が必要なときに消灯するようにする。特に、可搬ユニット2をベースユニット1から取り外して懐中電灯として利用しているときに充電表示灯によって充電状態を確認することにより、内蔵バッテリ23の充電不足によって可搬ユニット1が突然消灯されて照明が不可能な状態になることを未然に防止することが可能になる。
【0025】
このように実施形態1の室内照明装置では、可搬ユニット2から出射した光を車室内に向けて照射する導光体13は、光の入射面が内天井面に沿った方向A1であり、光の出射面は内天井面に垂直な方向A2であり、この結果入射方向A1と出射方向A2がほぼ直交する構成となっている。そのため、可搬ユニット2をその筐体21の長手方向が内天井面に沿った状態となるようにベースユニット1に装着したときには、可搬ユニット2の光源部22から出射する光を可搬ユニット2の筐体21の長手方向に出射させる構成を採用することができる。また、導光体13は入射されたスポット光を拡散光として出射するので、可搬ユニット2をスポット光を出射する構成とすることができる。したがって、室内照明装置としては導光体13によって拡散光を照射して車室内を広い範囲にわたって照明することができる一方で、可搬ユニット2を通常の懐中電灯と同様な形態に構成でき、可搬ユニット2の使い勝手を高めることができる。
【0026】
(実施形態2)
図6は実施形態2の可搬ユニット2Aの概念構成図である。この可搬ユニット2Aの全体的な形状及び構成は実施形態1と同様であるので、実施形態1と異なる構成について説明する。この実施形態2の可搬ユニット2Aでは、光源部22にR(赤)、G(緑)、B(青)の異なる色光を発光する3つのLED221r,221g,221bを配設している。また、可搬ユニット2の筐体21に設けたダイヤルスイッチ20によって、これら3つのLED221r,221g,221bを選択的に発光させ(同図「R」,「G」,「B」の切替位置)、あるいは3つを同時に発光させ(同図「W」の切替位置)、さらには3つを自動で順序的に発光させる(同図「A」の切替位置)制御ができるように構成している。このようにすることで、可搬ユニット2Aがベースユニット1に装着されているときに点灯スイッチ28aをオンすれば、発光するLEDが選択されて赤、緑、青のいずれかの色光が出射され、あるいは3のLEDの光が混合されて白色の色光が出射され、さらにはLEDが順序的に発光されて時間の経過に伴って出射する光の色が変化される。これにより、ベースユニット1の導光体13に入射される色光が変化され、導光体13から出射されて車室内を照明する色光が変化してイルミネーション効果を高めることが可能になる。また、可搬ユニット2をベースユニット1から取り外したときには任意の色光を出射する懐中電灯として利用することが可能になる。
【0027】
(実施形態3)
図7(a)に実施形態3の概念的な平面図を示す。図1と等価な部分には同一符号を付して説明は省略する。この実施形態3では導光体13Aは平面形状を扇型に形成し、ベースユニット1の表面一部に配設している。図7(b)は導光体13Aの構成を説明するための図7(a)のB−B線の拡大断面図であり、可搬ユニット2から出射されて導光体13Aに入射された光を下方に向けて反射する凹面反射鏡134と、凹面反射鏡134の直下に配置されて表面に半球面に近い形状をした拡散ステップ136を有する板状をした拡散レンズ135とで構成されている。なお、一般には導光体は透明体の内部で光を内部反射させながら進行させるようにした構成のものを称しており、その意味では実施形態3の導光体13Aは正確には導光体とは言えないが、本発明にかかる導光体はこの実施形態3のように光を内部で進行させる光学部材を含むものとして導光体と称している。
【0028】
同図に一部の光線で代表して示すように、可搬ユニット2の光源部22から出射された光は導光体13Aに入射されると導光体13A内を進行され、凹面反射鏡134で下方に向けて反射される。このとき導光体13Aの入射面137の水平断面形状を凹レンズ型に形成しておけば入射した光を扇型に拡散させながら凹面反射鏡134のほぼ全面に向けて投射させることができる。反射された光は拡散ステップ136で拡散された状態で拡散レンズ135を透過され、車室内に向けて出射される。これにより、ベースユニット1の表面すなわち、車室内の内天井の表面に沿って可搬ユニット2から出射された光は導光体13Aによってベースユニット1の表面とほぼ垂直な方向に向けて出射されることになる。したがって、実施形態1と同様に、可搬ユニット2の懐中電灯としての使い勝手を高めることが可能になる一方で導光体13Aから出射される拡散光により車室内を効果的に照明することが可能になる。
【0029】
(実施形態4)
図8は実施形態1の変形例としての実施形態4の概略平面図である。図8(a)は、導光体13の導光部131に対向して形成したテーパ凹部132に換えてテーパ型リフレクタ137を配設し、可搬ユニット2の光源部22から出射した光をテーパ型リフレクタ137によって左右に反射し、導光体13に入射させるようにしている。このようにすることで、導光体13の導光部131は矩形枠状をした導光体13の周方向の一部を切り欠いた形状でよく、テーパ凹部132を一体に形成する必要がなくなり、導光体13を透明樹脂で形成する際の金型構造を簡易化することができる等、導光体13の製造が容易になる。また、テーパ型リフレクタ137はテーパ凹部よりも反射効率が高く、導光体13に導光する光の効率を高め、したがって拡散光の出射効率を高めて車室内の照明効果を高めることができる。
【0030】
図8(b)は導光体13の長手方向の両側にそれぞれ導光部131とテーパ凹部132を形成するとともに、各導光部131の入射面に異なる色のフィルタ138aと138bを配設している。また、可搬ユニット2はベースユニットに対して長手方向に反転した状態で装着できるように構成している。異なる色のフィルタ138a,138bとしては、例えば、赤フィルタや緑フィルタ等、任意の色フィルタが選定でき、あるいはその他の色に交換することも可能である。このようにすることにより、同図に矢印で示すように、ベースユニット1に装着する際の可搬ユニット2の長手方向の向きを反転することで、可搬ユニット2の光源部22から出射した光は異なる色のフィルタ138a又は138bを透過して着色され、異なる色光として異なる導光部131から入射され、導光体13を導光されることになる。そのため、導光体13で拡散されて車室内に出射される色光もフィルタに対応した色光となり、車室内の照明効果、特にイルミネーション効果が高められる。可搬ユニット2の装着方向を反転可能とするためにはベースユニット1における可搬ユニット2の支持構造や電気接続のための構造を適宜変更する必要があるが、ここでは詳細な説明は省略する。
【0031】
以上の実施形態では室内照明装置を自動車の車室内の内天井に配設した例を示したが、運転席や助手席の足元を照明する、いわゆるフットランプとして構成した室内照明装置においても同様に適用することが可能である。あるいは、車室内の内壁、すなわち車室内の内側面、さらには床面等に配設する室内照明装置であれば同様に適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は車両の室内照明装置に限られるものではなく、通常の家屋の室内照明装置としても採用することが可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 ベースユニット
2,2A 可搬ユニット
3 読書灯
4 回転型可変フィルタ部
11 ベース板
12 凹溝部
13 導光体
14 給電端子
15 係合片
21 筐体
22 光源部
23 内蔵バッテリ
24 点灯回路
25 受電端子
26 掛止溝
27 係合凹部
28a 点灯スイッチ
28b 消灯スイッチ
29 自動/手動切替スイッチ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内に配設され、室内に向けて照明光を出射するベースユニットと、前記ベースユニットに着脱可能に支持され、光を出射する光源部を備える可搬ユニットとで構成され、前記ベースユニットは前記可搬ユニットから出射した光を入射して前記照明光として出射するように構成されていることを特徴とする室内照明装置。
【請求項2】
前記可搬ユニットから出射される光の出射方向と、前記ベースユニットから出射される照明光の出射方向とが異なることを特徴とする請求項1に記載の室内照明装置。
【請求項3】
前記ベースユニットは導光体を備えており、当該導光体は前記可搬ユニットから出射した光を入射しかつ導光して前記照明光として出射する構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の室内照明装置。
【請求項4】
前記可搬ユニットは集光した光を出射し、前記導光体は拡散光を出射することを特徴とする請求項3に記載の室内照明装置。
【請求項5】
前記可搬ユニットは前記ベースユニットの表面に沿って装着されるとともに、当該表面に沿った方向に光を出射する構成とされ、前記導光体は当該表面にほぼ垂直な方向に照明光を出射する構成とされていることを特徴とする請求項3又は4に記載の室内照明装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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