説明

害獣用忌避剤、害獣用忌避タブレット及び害獣用忌避シート

【課題】農作物や樹木に被害を与える野生動物、いわゆる害獣に対する忌避効果が高く、且つ長期にわたって、忌避効果が持続する害獣用忌避剤、害獣用忌避タブレット及び害獣用忌避シートを提供すること。
【解決手段】上記課題は、人体から発せられる臭気成分である炭素数6〜10の不飽和アルデヒド及び/又は炭素数5〜9の飽和カルボン酸を有効成分として含有する害獣用忌避剤によって解決される。また、上記害獣用忌避剤を含有する徐放性の害獣用忌避タブレット又は害獣用忌避シートによれば、より長期にわたって忌避効果を持続させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、害獣用忌避剤、害獣用忌避タブレット及び害獣用忌避シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、森林伐採や土地開発等により、野生動物の居住領域が狭められている。そのため、特に、秋や冬になると居住領域内の餌が不足し、餌を求めて農地に出没した野生動物が農作物を荒らすといった被害が多発している。また、野生動物が造林木の樹皮を剥いだり、苗木の新芽や葉を食べたりする被害も生じている。樹皮を剥がされた木は、その部分から腐朽が生じるため、材木としての価値が著しく低下するだけでなく、場合によっては枯れてしまうこともある。また、新芽を食べられた苗木は、その成長が止まってしまう。このような被害は、極めて深刻な問題となっており、早急な対策が求められている。
【0003】
従来、このような問題を解決するために、農地や植林された地域を金網、丸太等の防護柵で囲む方法が取られていた。しかし、この方法は、小規模の農地や少数の樹木等が保護の対象であれば、それほど問題にならないが、現実には、広大な農地や極めて多数本の樹木を囲む必要があるため、作業性が悪いという問題があった。また、この方法は、費用がかかったり、風雪等により防護柵が倒れたりすることも多く、実質的に被害を抑制するには至らなかった。
【0004】
上記対策に代わる方法としては、野生動物に対して忌避効果を有する物質の使用がある。例えば、野生動物の天敵である動物の糞尿を撒くことで、野生動物が農地や植林された地域に近づくことを防ぐ方法が取られてきた。また、カプサイシンのような動物用忌避剤をマイクロカプセルに内包したものを噴霧することで、野生動物が農地や植林された地域に近づくことを防ぐ方法が取られてきた。
【0005】
しかしながら、動物の糞尿は強い臭気を有するため、糞尿を撒く作業には苦痛を伴ったり、風雨により効果の持続性が減少したりする問題があった。また、現在、使用されている動物用忌避剤は、効果の高さや持続性の点において満足のいくものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−76502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、農作物や樹木に被害を与える野生動物、いわゆる害獣に対する忌避効果が高く、且つ長期にわたって、忌避効果が持続する害獣用忌避剤、害獣用忌避タブレット及び害獣用忌避シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねたところ、人体から発せられる臭気成分が害獣の忌避に有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
【0010】
(1)人体から発せられる臭気成分である炭素数6〜10の不飽和アルデヒド及び/又は炭素数5〜9の飽和カルボン酸を有効成分として含有する害獣用忌避剤。
【0011】
(2)上記不飽和アルデヒドが2−ノネナールである(1)に記載の害獣用忌避剤。
【0012】
(3)上記飽和カルボン酸が、ペラルゴン酸及びイソ吉草酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である(1)に記載の害獣用忌避剤。
【0013】
(4)害獣がイノシシである(1)から(3)のいずれかに記載の害獣用忌避剤。
【0014】
(5)(1)から(4)のいずれかに記載の害獣用忌避剤を含有する徐放性の害獣用忌避タブレット。
【0015】
(6)(5)に記載の害獣用忌避タブレットを、通気性を有する容器に収容した後、保護すべき樹木に吊り下げることにより、害獣が前記樹木に近寄ることを防止する、害獣用忌避タブレットの使用方法。
【0016】
(7)(1)から(4)のいずれかに記載の害獣用忌避剤を内包する徐放性のマイクロカプセルをシート上に分散塗布又は含浸してなる徐放性の害獣用忌避シート。
【0017】
(8)(7)に記載の害獣用忌避シートを保護すべき樹木の周辺の地面に敷くことにより、害獣が前記樹木に近寄ることを防止する、害獣用忌避シートの使用方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明の害獣用忌避剤、害獣用忌避タブレット、及び害獣用忌避シートによれば、農作物や樹木に被害を与える野生動物、いわゆる害獣を長期にわたって、効果的に忌避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】害獣用忌避タブレットの使用方法の第一実施形態を示す図である。
【図2】害獣用忌避タブレットの使用方法の第二実施形態を示す図である。
【図3】害獣用忌避シートの第一実施形態の断面図である。
【図4】マイクロカプセルの断面図である。
【図5】害獣用忌避シートの変形例を示す図である。
【図6】害獣用忌避シートの変形例を示す図である。
【図7】害獣用忌避シートの使用方法の第一実施形態を示す図である。
【図8】害獣用忌避シートの使用方法の第二実施形態を示す図である。
【図9】害獣用忌避シートの使用方法の第三実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
【0021】
本発明では、農作物や樹木に被害を与える野生動物、いわゆる害獣を長期にわたって、効果的に忌避するという課題を、人体から発せられる臭気成分である炭素数6〜10の不飽和アルデヒド及び/又は炭素数5〜9の飽和カルボン酸を有効成分として含有する新規な害獣用忌避剤によって解決した。そして、上記害獣用忌避剤を徐放性の害獣用忌避タブレットや害獣用忌避シートにすることにより、より長期にわたって忌避効果を持続させた。
【0022】
[害獣用忌避剤]
本発明の害獣用忌避剤は、人体から発せられる臭気成分である炭素数6〜10の不飽和アルデヒド及び/又は炭素数5〜9の飽和カルボン酸を有効成分として含有することを特徴とする。本明細書において、害獣とは、人や家畜に危害を加えたり、農作物や造林木を荒らしたりする動物全般を指す。主に、野生動物をいうが、これに限定されず、人や家畜に危害を加えたり、農作物や造林木を荒らしたりする動物である限りにおいて、家畜や愛玩動物も含まれる。例えば、シカ、カモシカ、ヒツジ、キョン、エゾジカ、トナカイ等のウシ亜目に属する動物、イノシシ、ベッカリー等のイノシシ亜目に属する動物、アライグマ、ハクビシン等の外来種動物等が挙げられる。本発明の害獣用忌避剤は、これらの動物の中でも、特に優れた嗅覚を有するイノシシに対してより効果を発揮する。
【0023】
本発明の害獣用忌避剤に含まれる有効成分は、人体から発せられる臭気成分である炭素数6〜10の不飽和アルデヒド及び/又は炭素数5〜9の飽和カルボン酸である。ここで、人体から発せられる臭気としては、例えば、足臭、腋臭、頭皮臭等の体の各部分から発せられるものや、中高年以降に認められる加齢臭等の体幹から発せられるものがある。本発明の害獣用忌避剤では、これらの臭気の成分のうち、炭素数6〜10の不飽和アルデヒド及び/又は炭素数5〜9の飽和カルボン酸を、害獣の忌避に対する有効成分として含有する。本発明は、人体から発せられる臭気成分である炭素数6〜10の不飽和アルデヒドや炭素数5〜9の飽和カルボン酸に、害獣に対する忌避効果があることを初めて見出した点に意義がある。
【0024】
本発明の害獣用忌避剤において、不飽和アルデヒドの炭素数は6〜10である。人体から発せられる臭気成分である炭素数6〜10の不飽和アルデヒドとしては、例えば、加齢臭との関連が報告されている2−ヘキセナール(炭素数:6)、2−オクテナール(炭素数:8)、2−ノネナール(炭素数:9)、これらのトランス体等が挙げられる。これらの中でも、害獣に対する忌避効果が高く、効果に持続性のある2−ノネナールが好ましい。
【0025】
本発明の害獣用忌避剤において、飽和カルボン酸の炭素数は5〜9である。人体から発せられる臭気成分である炭素数5〜9の飽和カルボン酸としては、例えば、足臭の原因であるイソ吉草酸(炭素数:5)、30代男性の有する臭気であるペラルゴン酸(炭素数:9)等が挙げられる。これらの中でも、害獣に対する忌避効果が高く、効果に持続性のあるペラルゴン酸が好ましい。
【0026】
なお、本発明の害獣用忌避剤では、有効成分として、上記不飽和アルデヒドや上記飽和カルボン酸を、単独又は2種以上を組み合わせて含有してもよい。
【0027】
本発明の害獣用忌避剤における上記不飽和アルデヒドや上記飽和カルボン酸の配合量は、特に限定されず、忌避対象、選択する不飽和アルデヒドや飽和カルボン酸の種類、他の配合成分、剤形、使用形態等を考慮して、適宜選択されるものであるが、例えば、2−ノネナールをイノシシの忌避に使用する場合には、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは2質量%以上である。
【0028】
なお、配合量が0.3質量%未満であると、所望の忌避効果を十分に発揮することが困難な場合がある。また、配合量が20質量%を超えると、配合量の増加に見合った忌避効果が認められない場合があり、コスト高となる。更に、選択する不飽和アルデヒドの種類によっては、製剤上の問題が生じたりする場合がある。
【0029】
本発明の害獣用忌避剤は、液剤、固形剤、含浸固形製剤、粉剤、懸濁剤、乳化剤、噴霧剤、エアゾール剤、顆粒剤、錠剤等の形態に製剤化することができる。これらの製剤は、製剤化に通常用いられる添加剤を用いて、通常用いられる方法で調製することができる。なお、製剤の形態は、忌避対象、使用期間、使用場所の環境(温度、湿度、風量等)、所望の忌避効果等を考慮し、適宜選択するとよい。
【0030】
本発明の害獣用忌避剤は、忌避効果を長期間持続させるために、上記有効成分を均一に揮散させ、揮散速度を遅らせる保留効果を有する保留剤を加えて調製してもよい。保留剤としては、例えば、フタル酸ジエチル、安息香酸ベンジル等が挙げられる。
【0031】
また、本発明の害獣用忌避剤は、上記有効成分を活性炭に吸着させて粉剤とすることもできる。更に、ゼラチン、アラビアガム等のカプセル化剤を用いてマイクロカプセル化することで、保留効果を高めることができる。また、二酸化ケイ素を壁材として、徐放性のマイクロカプセルを形成することもできる。徐放性のマイクロカプセル化は、上記有効成分の忌避効果を長期にわたって持続させることができるので、好ましい。
【0032】
本発明の害獣用忌避剤を液剤とした場合には、更に、液剤を無機多孔物質に含浸させ、錠剤にすることもできる。無機多孔物質としては、例えば、ケイ酸カルシウム、シリカゲル等を挙げることができる。このようにして得られた錠剤等は、不織布のような通気性を有する材質の袋や通気性のある容器に充填して使用するとよい。
【0033】
本発明の害獣用忌避剤には、本発明の目的を損なわない範囲において、その他の忌避剤、防虫剤、殺虫剤、殺菌剤、防カビ剤、香料、着色料等を配合してもよい。
【0034】
[害獣用忌避タブレット]
本発明の害獣用忌避タブレットは、上記忌避剤を含有する徐放性のタブレットであることを特徴とする。本発明では、上記忌避剤を徐放性のタブレットとすることで、上記有効成分の揮散速度を遅らせ、忌避効果が長期にわたって持続するようにした。
【0035】
本明細書において、徐放性とは、徐々に時間をかけて有効成分を放出する性質のことである。この徐放性という性質によって、害獣を寄せ付けたくない場所における有効成分の濃度を一定に保つことができる。タブレットの例ではないが、例えば、上記有効成分を脱脂綿に染み込ませたものは、初期の段階で有効成分の大部分が放出し、徐放性を有さない。なお、タブレットに徐放性を付与する場合には、上記有効成分を、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、多孔質セラミックス等とともに配合する。これらの中でも、二酸化ケイ素が設置した場所の周辺の環境に負荷を与えないという点において好ましい。本発明の害獣用忌避タブレットでは、これらの配合量は、特に限定されず、所望の徐放性を考慮し、適宜調整されるものであるが、好ましくは0.3〜20質量%、より好ましくは5〜10質量%である。
【0036】
本発明の害獣用忌避タブレットでは、上記忌避剤の配合量は、特に限定されず、忌避対象、忌避剤中の有効成分の種類、使用方法、使用期間、使用場所等を考慮して、適宜設定されるものであるが、例えば、害獣用忌避剤中の有効成分が2−ノネナールであって、忌避対象が嗅覚の優れるイノシシの場合には、害獣用忌避タブレット1個あたりに含まれる2−ノネナールの量が0.1〜5.0gとなるように、上記害獣用忌避剤を配合することが好ましい。また、忌避対象がシカの場合には、害獣用忌避タブレット1個あたりに含まれる2−ノネナールの量が0.5〜5.0gとなるように、上記害獣用忌避剤を配合することが好ましい。
【0037】
本発明の害獣用忌避タブレットでは、本発明の効果を損なわない範囲において、本発明の害獣用忌避剤を2種以上含有してもよく、また、本発明の害獣用忌避剤と公知の害獣用忌避剤とを含有してもよい。更に、防腐剤、酸化防止剤等を内包してもよい。
【0038】
本発明の害獣用忌避タブレットでは、適正な硬度にするために、賦形剤を配合してもよい。賦形剤としては、例えば、デキストリン、乳糖類、セルロース類、アラビアガム等が挙げられる。これらの中でも、デキストリンが動物、人間に対して無害であって、且つ低コストであるという点において好ましい。賦形剤の配合量は、特に限定されず、目的に応じて適宜調整されるものであるが、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%である。上記範囲であれば、良好な保形性を示す。また、流動性や離型性を高め、加工性を向上させるために、滑剤を配合してもよい。その他、必要に応じて、結合剤、崩壊剤等を配合してもよい。
【0039】
本発明の害獣用忌避タブレットでは、その形状は、特に限定されず、上面視で略円形、略三角形、略四角形等であってもよく、三角形や四角形のように角を有する場合には、その角は丸みを帯びていてもよい。また、金平糖やテトラポッド(登録商標)のように表面に突起物を有する形状であってもよい。このような形状は、転がり難く、取り扱いが容易であるだけでなく、本発明の害獣用忌避タブレットに徐放性を付与した場合には、表面積が大きくなるため、より徐放効果が発揮される点において好ましい。また、通気性を有する容器に複数個収容して使用した場合には、タブレット間に隙間ができるので、通気性が良くなり、より徐放効果が発揮される点においても好ましい。このような効果を発揮する他の形状としては、星型も挙げられる。なお、一般的な形態としては、例えば、上面視略円形の略円柱が挙げられる。この場合、上面部と底面部とが扁平な円柱の形状であってもよく、また、上面部と底面部とが側面視緩やかな円弧状とする凸曲面状に膨出部を有する円柱の形状であってもよい。なお、後者の形状は、タブレットが雨水等によって崩壊し難く、忌避効果がより持続する点において好ましい。
【0040】
タブレットの大きさは、特に限定されず、例えば、使用量、使用方法、使用場所等によって、適宜設定することができるが、好ましくは、直径が5〜100mm、高さが1〜30mmであり、より好ましくは、直径が10〜50mm、高さが2〜15mmである。上記大きさであれば、忌避対象、使用方法等に合わせて、使用量を微調整することができる。
【0041】
本発明の害獣用忌避タブレットは、例えば、打錠機を用いて、上記のようなタブレット状に成形する。本発明の忌避タブレットは、例えば、本発明の忌避剤(液剤)を水に十分に溶解させ、得られた忌避剤の水溶液に二酸化ケイ素とデキストリンとを添加し、十分に混合し、得られた混合物を乾燥させた後、打錠機に充填し、打錠(加圧成型)することで成形することができる。また、本発明の忌避タブレットは、例えば、上記有効成分を内包する徐放性のマイクロカプセルに水を加えて混合して打錠する、又は、上記マイクロカプセルと賦形剤との混合物に水を加えて混合して打錠することでも形成することができる。
更に、本発明の忌避タブレットは、例えば、上記有効成分を内包する徐放性のマイクロカプセルに水を加えて混合し、押し出し成型器等を用いて造粒して乾燥した顆粒状の造粒物を打錠する、又は、上記マイクロカプセルと賦形剤との混合物に水を加えて混合し、押し出し成型器等を用いて造粒して乾燥した顆粒状の造粒物を打錠することでも形成することができる。打錠機は、適正な硬度が得られるものであれば、特に限定されず、例えば、単式打錠機、高速打錠機等が挙げられる。なお、打錠(加圧成型)の圧力は、5kN以下が好ましい。5kNを超える圧力を加えてしまうと、マイクロカプセルがつぶれてしまう恐れがある。
【0042】
本発明の害獣用忌避タブレットは、タブレットの形状としたので、害獣を忌避したい場所に設置することで、その場所から的確に害獣を忌避させることができ、また、有効成分が、雨や風により流される可能性が低くなるため、持続的な忌避効果が期待できる。更に、徐放性のタブレットとしたので、有効成分がゆっくりと揮散し、忌避効果が長期にわたって持続する。
【0043】
以下、本発明の害獣用忌避タブレットの使用方法を説明する。
【0044】
本発明の害獣用忌避タブレット1の使用方法としては、例えば、図1に示すように、本発明の害獣用忌避タブレット1を、獣道Kと山道Yとが交差する地点の手前の獣道Kに、該獣道Kに対して垂直になるように設置することで、害獣が獣道Kから山道Yに入り、該山道Yを通って農地に侵入することを防止するという方法が挙げられる。また、本発明の害獣用忌避タブレット1を、害獣の被害が懸念される農地や樹木を囲むように撒くことで、害獣の侵入を防止する方法も挙げられる。
【0045】
更に、本発明の害獣用忌避タブレット1の使用方法としては、図2に示すように、本発明の害獣用忌避タブレット1を、通気性を有する容器2に収容し(図2(A))、容器本体2Aの上面に備えられたフック2Bを用いて、害獣の被害が懸念される成木Sに吊り下げる(図2(B))ことで、害獣から保護すべき成木Sに近寄ることを防止する。このような使用方法によれば、風によって有効成分を徐々に揮散させることができ、特に、樹皮が剥がされることを効果的に防止することができる。
【0046】
通気性を有する容器としては、特に限定されず、不織布、布等を使用した袋、空気の通る孔を有するプラスチック、金属等を使用したカゴ等が挙げられる。収容された害獣用忌避タブレット1を視認できる程度の大きさの孔を有する容器が、害獣用忌避タブレット1の補充時期が確認できる点において好ましい。なお、容器に収容する害獣用忌避タブレット1の大きさや形状は、特に限定されない。
【0047】
害獣の被害が懸念される成木の他、農地を囲んだロープ、柵等に吊り下げて使用することで、農作物を害獣から保護することもできる。
【0048】
本発明の害獣用忌避タブレット1の使用方法において、使用する害獣用忌避タブレット1の量は、特に限定されず、忌避対象、忌避剤中の有効成分の種類、使用方法、使用期間、使用場所等を考慮して、適宜設定されるものであるが、例えば、害獣を忌避したい空間に、有効成分が忌避有効量存在するように調整するとよい。
【0049】
[害獣用忌避シート]
本発明の害獣用忌避シート3は、本発明の害獣用忌避剤を内包する徐放性のマイクロカプセル4をシート5上に分散塗布又は含浸してなる徐放性のシートであることを特徴とする。本発明の害獣用忌避シート3では、本発明の害獣用忌避剤を内包する徐放性のマイクロカプセル4をシート5上に分散塗布又は含浸して、徐放性のシートとすることで、上記有効成分の揮散速度を遅らせ、忌避効果が長期にわたって持続するようにした。
【0050】
本発明の実施形態に係る害獣用忌避シート3は、図3に示すように、シート5の表面上に、本発明の忌避剤を内包する徐放性のマイクロカプセル4が分散塗布されたマイクロカプセル層6が形成されているので、害獣用忌避剤中の有効成分がゆっくりと揮散される。そのため、害獣用忌避シート3周辺における有効成分の濃度を一定に、長時間保つことができるので、害獣用忌避シート3周辺に害獣が近寄ることを効果的に防止することができる。
【0051】
なお、シート5の裏面には、荒い木肌の樹木、樹木の節等の凹凸がある箇所において害獣用忌避シート3を確実に設置するための密着層7や、凹凸がない箇所において害獣用忌避シート3を確実に設置するための接着層が形成されてもよい。また、必要に応じてシート5を省略し、密着層7の表面上に、マイクロカプセル層6が形成されている構成や、密着層7内に、マイクロカプセル4が含浸されている構成としてもよい。
【0052】
密着層7には、例えば、不織布、紙、布等を使用することが好ましく、接着層には、例えば、公知の感圧粘着剤である天然ゴム系、ブチルゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエン共重合樹脂等の合成ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリロニトリル、炭化水素樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン、ロジントリグリセリド、水素化ロジン等のロジン系樹脂等を不織布、紙、布等に含浸させたものを使用することができる。
【0053】
本発明の実施形態に係る害獣用忌避シート3では、シート5には、不織布、薄葉紙、晒クラフト紙、チタン紙、板紙、石膏ボード紙等の紙、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム、ナイロンフイルム等のプラスチックフイルム等を使用することができる。
【0054】
本発明の実施形態に係る害獣用忌避シート3は、シート5の表面上に、本発明の害獣用忌避剤を内包するマイクロカプセル4が分散塗布されたマイクロカプセル層6が形成されている。マイクロカプセル層6は、本発明の害獣用忌避剤を内包するマイクロカプセル4を含む印刷インキを用いて通常の印刷法、例えば、オフセット印刷法、活版印刷法、グラビア印刷法、シルク印刷法等により形成することができる。
【0055】
マイクロカプセル4は、図4に示すように、本発明の害獣用忌避剤を含む芯材8と、本発明の害獣用忌避剤を覆う膜材9とから構成されている。マイクロカプセル4は、in−situ法、界面重合法、コアセルベーション法等の公知の方法により製造することができる。マイクロカプセル4の膜材9としては、ウレタン系樹脂等を使用することができる。
【0056】
マイクロカプセル4の平均粒径は、例えば、グラビア印刷法によりマイクロカプセル4を分散塗布する場合には、10μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。なお、マイクロカプセル4の平均粒径が10μmを超えると、印刷する際に版詰まりを起こす可能性がある。また、例えば、シルク印刷法によりマイクロカプセル4を分散塗布する場合、マイクロカプセル4の平均粒径は100μm以下であることが好ましい。
【0057】
マイクロカプセル4には、本発明の効果を損なわない範囲において、本発明の害獣用忌避剤を2種以上内包してもよく、また、本発明の害獣用忌避剤と公知の害獣用忌避剤とを内包してもよい。更に、防腐剤、酸化防止剤等を内包してもよい。
【0058】
本発明の実施形態に係る害獣用忌避シート3では、マイクロカプセル4の塗布量又は含浸量は、特に限定されず、忌避対象、マイクロカプセル4内の忌避剤中の有効成分の種類、使用方法、使用場所等を考慮して、適宜設定されるものであるが、例えば、忌避剤中の有効成分が2−ノネナールであって、忌避対象が嗅覚の優れるイノシシの場合には、2−ノネナールが好ましくは0.3〜10質量%、より好ましくは3〜5質量%となるように、マイクロカプセル4を塗布又は含浸する。また、忌避対象がシカの場合には、2−ノネナールが好ましくは1.5〜10質量%、より好ましくは3〜8質量%となるように、マイクロカプセル4を塗布又は含浸する。塗布量又は含浸量が上記下限値に満たない場合には、所望の忌避効果を十分に発揮することが困難な場合がある。また、塗布量又は含浸量が上記上限値を超えると、塗布量又は含浸量の増加に見合った忌避効果が認められない場合があり、コスト高となる。
【0059】
本発明の害獣用忌避シート3では、その形状は特に限定されず、細長い帯状であってもよく、例えば、図5に示すように、切り込み部が設けられたのれん状(図5(A))、中心部に孔が設けられた形状(図5(B))、ネット状(図5(C))であってもよい。なお、本発明の害獣用忌避シート3は、図6に示すように、加工して注連縄状(図6(A))にしてもよく、その注連縄に、テープ状の本発明の害獣用忌避シート3を紙垂のように挟み込んでもよい(図6(B))。のれん状(図5(A))とした場合には、風により有効成分を効果的に揮散させることができる。中心部に孔が設けられた形状(図5(B))とした場合には、風の抵抗を受け難くなるので、シートが切れ難くなる。ネット状(図5(C))とした場合には、伸縮性が付与されるので、設置等の取り扱いが容易となる。注連縄状(図6(A))とした場合には、シート状の場合に比べて、本発明の害獣用忌避剤を多く配合量することができるので、1度の設置で長期間忌避効果を持続させることができる。また、切れ難く、丈夫である。
【0060】
本発明の害獣用忌避シート3の厚みは、特に限定されないが、取り扱い易さ、コスト面、耐久性等の観点から、10〜60μmであることがより好ましい。
【0061】
本発明の害獣用忌避シート3は、シートの形状としたので、害獣を忌避したい場所に設置したり、害獣を忌避したい場所を囲んだりすることで、その場所から的確に害獣を忌避させることができる。また、有効成分を含有する忌避剤を、徐放性のマイクロカプセル4に内包し、シート上に分散塗布又は含浸したので、有効成分がゆっくりと揮散し、忌避効果が長期にわたって持続する。
【0062】
以下、本発明の害獣用忌避シート3の使用方法を説明する。
【0063】
本発明の害獣用忌避シート3の使用方法は、図7に示すように、害獣用忌避シート3を、保護すべき苗木Nの周辺の地面に敷くことにより、害獣Gが苗木Nに近寄ることを防止する。このような使用方法によれば、害獣用忌避シート3から、有効成分が苗木Nの周辺に徐々に揮散するので、害獣Gが苗木Nの新芽部分を食べることを効果的に防止することができる。
【0064】
本発明の害獣用忌避シート3の使用方法では、図7に示すように、害獣用忌避シート3に切り込み部10を設けることが好ましい。このような切り込み部10を設けることで、植樹の際だけでなく、植樹後であっても、設置することができる。なお、害獣用忌避シート3は、地面に確実に設置するために止め具を用いて地面に固定するとよい。
【0065】
その他、本発明の害獣用忌避シート3は、図8に示すように、細長い帯状の害獣用忌避シート3を樹木Jに巻きつけることで、害獣の被害が懸念される地帯を囲むように使用してもよい。また、図9に示すように、害獣用忌避シート3を苗木Nの頂芽付近にかぶせるように使用してもよい。このように使用することで、害獣が苗木Nの新芽部分を食べることを防止することができる。害獣用忌避シート3を、上部が大きく開口した形状になるように苗木Nの頂芽付近にかぶせた場合(図9(A))、雨によって、有効成分が枝をつたって流れ出ることで、苗木N全体に薬剤が付着し、忌避効果が高まる。また、害獣用忌避シート3を、下部が大きく開口した形状になるように苗木Nの頂芽付近にかぶせた場合(図9(B))、雨によって、有効成分が新芽付近の葉に薬剤が付着し、忌避効果が高まる。
【0066】
本発明の害獣用忌避シート3の使用方法において、害獣用忌避シート3の使用量は、特に限定されず、忌避対象、忌避剤中の有効成分の種類、使用方法、使用期間、使用場所等を考慮して、適宜設定されるものであるが、例えば、害獣を忌避したい空間に、有効成分が忌避有効量存在するように調整するとよい。
【実施例】
【0067】
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
【0068】
[害獣用忌避剤]
<実施例1>
2−ノネナール(商品名:trans−2−nonenal(No.483),東京化成工業株式会社製)1mlを水300mlに添加し、5分間攪拌して十分に溶解させ、2−ノネナール水溶液を得た。この2−ノネナール水溶液を5cm×5cm四方の脱脂綿に染み込ませ、これを畑に向かってのびる獣道(イノシシやシカが頻繁に出没する道)に対して垂直に、且つ、山と田畑との間に境界線を引くように、約60cmの間隔にて設置し、イノシシやシカを含む野生動物の田畑への侵入の痕跡(足跡、糞、及び食害)の有無を確認した。なお、試験期間は1ヶ月間とした。
【0069】
試験開始当初、2−ノネナール水溶液を染み込ませた脱脂綿の設置場所付近では、イノシシやシカを含む野生動物による食害はなく、足跡や糞の痕跡も確認されなかった。しかしながら、雨が降った後(設置から7日後)は、忌避効果が薄れ、イノシシやシカの足跡や糞の痕跡が確認されるようになった。このことから、2−ノネナールは、イノシシやシカに対して忌避効果を示すものの、上記使用形態では、脱脂綿に染み込ませた2−ノネナールが揮発しやすいため、短期間で忌避効果が発揮されるものの、雨が降った場合には、2−ノネナールが脱脂綿から容易に流れ出てしまうため、持続的な効果を発揮させることができないことがわかった。
【0070】
[害獣用忌避タブレット]
<実施例2>
本発明の害獣用忌避剤である2−ノネナール(商品名:trans−2−nonenal(No.483),東京化成工業株式会社製)1mlを水300mlに添加し、5分間攪拌して十分に溶解させ、2−ノネナール水溶液を得た。該2−ノネナール水溶液に、二酸化ケイ素(東ソー・シリカ株式会社製)130gと、デキストリン(松谷化学工業株式会社製)80gとを添加し、5分間攪拌して十分に混合した。得られた混合物を、プラスチック製の成形容器により丸形タブレット状に成形し、室温(約26℃)で適宜ドライヤーの熱を与えながら、30分間乾燥させた。得られたタブレットの個数は、30粒であった。成形物の大きさ(平均値)は、直径15mm、厚さ20mmであった。
【0071】
獣道4ヶ所から田畑のある里方向への害獣の侵入を防止するために、上記方法により得られた害獣用忌避タブレットを、イノシシやシカが頻繁に出没する獣道4本が進入する山道の2ヶ所に設置した。なお、害獣用忌避タブレットは、1ヶ所につき、約60cmの間隔で計15粒設置した。なお、効果の継続を検証するために、試験開始16日目に害獣用忌避タブレットを再設置した。試験期間は48日間とし、試験開始16日目及び48日目に足跡の有無を確認した。
【0072】
試験開始16日目に足跡の有無を確認したところ、獣道の1ヶ所においてシカの足跡が確認された。しかしながら、本発明の害獣用忌避タブレットの設置場所より手前で足跡が途切れていたことから、イノシシよりも嗅覚が劣るシカは、設置場所の手前まで近づくことができたものの、途中で2−ノネナールの臭いに気付き、引き返したものと考えられる。なお、試験開始48日目に足跡の有無を確認したところ、シカを含む野生動物の足跡は確認されなかった。試験開始16日目に認められていたシカの足跡が、試験開始48日目には認められなかったことから、シカに対しても徐々に忌避効果が現れたものと考えられる。シカの忌避に対しては、2−ノネナールの濃度を高めることで、より効果が高まるものと思われる。
【0073】
[害獣用忌避タブレット]
<実施例3>
本発明の害獣用忌避剤である2−ノネナール(商品名:trans−2−nonenal(No.483),東京化成工業株式会社製)1mlを水300mlに添加し、5分間攪拌して十分に溶解させ、2−ノネナール水溶液を得た。該2−ノネナール水溶液に、二酸化ケイ素(東ソー・シリカ株式会社製)130gと、デキストリン(松谷化学工業株式会社製)80gとを添加し、5分間攪拌して十分に混合した。得られた混合物を、プラスチック製の成形容器により丸形タブレット状に成形し、室温(約26℃)で適宜ドライヤーの熱を与えながら、30分間乾燥させた。得られたタブレットの個数は、27粒であった。成形物の大きさ(平均値)は、直径15mm、厚さ20mmであった。
【0074】
上記方法により得られた害獣用忌避タブレットを、イノシシやシカが頻繁に出没する獣道に、該獣道に対して垂直に設置した。害獣用忌避タブレットは、約60cmの間隔で27粒設置した。試験期間は2ヶ月とし、効果の継続を検証するために、試験開始11日目、27日目、59日目には、害獣用忌避タブレットを再設置した。そして、試験開始11日目、24日目、59日目に足跡及び糞の痕跡の有無を確認した。なお、試験開始11日目及び59日目については、足跡及び糞の痕跡の有無を確認した後、害獣用忌避タブレットを再設置した。また、試験開始59日目には、害獣用忌避タブレットの再設置した後、赤外線ビデオカメラを設置し、翌日(試験開始60日目)にかけてイノシシやシカを含む野生動物の出没の有無を確認した。
【0075】
試験開始11日目、24日目、59日目に足跡の有無を確認したところ、本発明の害獣用忌避タブレットを設置した場所から約8m離れたところで、シカの足跡が確認された。しかしながら、シカ以外の野生動物の足跡や糞の痕跡は確認されなかった。また、出没も確認されなかった(試験開始60日目)。シカはイノシシよりも嗅覚が劣るため、タブレットを設置した場所の数m手前まで近づくことができたものと思われる。
【0076】
以上の結果から、2−ノネナールを有効成分とする本発明の害獣用忌避タブレットは、イノシシやシカを含む野生動物の忌避に効果を発揮することが示唆された。特に、イノシシの忌避に、極めて有効であることが示唆された。なお、シカの忌避に対しては、2−ノネナールの濃度を高めることで、より効果が高まるものと思われる。
【符号の説明】
【0077】
1 害獣用忌避タブレット
K 獣道
Y 山道
2 容器
2A 容器本体
2B フック
S 成木
3 害獣用忌避シート
4 マイクロカプセル
5 シート
6 マイクロカプセル層
7 密着層
8 芯材
9 膜材
N 苗木
G 害獣
10 切り込み部
J 樹木

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体から発せられる臭気成分である炭素数6〜10の不飽和アルデヒド及び/又は炭素数5〜9の飽和カルボン酸を有効成分として含有する害獣用忌避剤。
【請求項2】
前記不飽和アルデヒドが2−ノネナールである請求項1に記載の害獣用忌避剤。
【請求項3】
前記飽和カルボン酸が、ペラルゴン酸及びイソ吉草酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の害獣用忌避剤。
【請求項4】
害獣がイノシシである請求項1から3のいずれかに記載の害獣用忌避剤。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の害獣用忌避剤を含有する徐放性の害獣用忌避タブレット。
【請求項6】
請求項5に記載の害獣用忌避タブレットを、通気性を有する容器に収容した後、保護すべき樹木に吊り下げることにより、害獣が前記樹木に近寄ることを防止する、害獣用忌避タブレットの使用方法。
【請求項7】
請求項1から4のいずれかに記載の害獣用忌避剤を内包する徐放性のマイクロカプセルをシート上に分散塗布又は含浸してなる徐放性の害獣用忌避シート。
【請求項8】
請求項7に記載の害獣用忌避シートを保護すべき樹木の周辺の地面に敷くことにより、害獣が前記樹木に近寄ることを防止する、害獣用忌避シートの使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−173811(P2011−173811A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37588(P2010−37588)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【出願人】(509072560)
【Fターム(参考)】