説明

害虫防除用組成物及び害虫防除方法

【課題】優れた害虫防除効力を有する害虫防除用組成物及び害虫防除方法を提供すること。
【解決手段】式(1)


〔式中、R1及びR2は同一または相異なり水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又は塩素原子を表し、R3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
で示されるエステル化合物、グリコールエーテル及び水を含有する害虫防除用組成物であって、グリコールエーテルの含有量が、組成物全量に対して10〜50重量%であり、水の含有量が、組成物全量に対して20〜85重量%である害虫防除用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、害虫防除用組成物及び害虫防除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートが害虫防除効力を有することが記載されており、また特許文献1の製剤例には該化合物及び灯油を含有する組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−63329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は優れた害虫防除効力を有する害虫防除用組成物及び害虫防除方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、優れた害虫防除効力を有する害虫防除用組成物及び害虫防除方法を見出すべく検討した結果、特定の化合物、特定の溶剤及び水を含有し、構成成分の含有量を特定の範囲とした害虫防除用組成物が優れた害虫防除効力を有することを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
[1] 式(1)

〔式中、R1及びR2は同一または相異なり水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又は塩素原子を表し、R3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
で示されるエステル化合物、グリコールエーテル及び水を含有する害虫防除用組成物であって、グリコールエーテルの含有量が、組成物全量に対して10〜50重量%であり、水の含有量が、組成物全量に対して20〜85重量%である害虫防除用組成物。
[2] グリコールエーテルが、エチレングリコール系エーテル及びプロピレングリコール系エーテルからなる群より選ばれる1種以上である[1]記載の害虫防除用組成物。
[2a] グリコールエーテルが、エチレングリコール系エーテルである[1]記載の害虫防除用組成物。
[3] グリコールエーテルが、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル及びプロピレングリコールモノプロピルエーテルからなる群より選ばれる1種以上である[1]記載の害虫防除用組成物。
[3a] グリコールエーテルが、エチレングリコールモノブチルエーテル及びジエチレングリコールモノブチルエーテルからなる群より選ばれる1種又は2種である[1]記載の害虫防除用組成物。
[4] グリコールエーテルの含有量が、組成物全量に対して15〜40重量%である[1]〜[3a]いずれかに記載の害虫防除用組成物。
[5] 式(1)で示されるエステル化合物が、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルフェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)メチル=3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート及び[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=3−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートからなる群より選ばれる1種以上である[1]〜[4]いずれかに記載の害虫防除用組成物。
[5a] 式(1)で示されるエステル化合物が、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルフェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)メチル=3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート及び[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートからなる群より選ばれる1種以上である[1]〜[4]いずれかに記載の害虫防除用組成物。
[6] 水の含有量が、組成物全量に対して50〜80重量%である[1]〜[5a]いずれかに記載の害虫防除用組成物。
[7] さらに、グリコールを含有する[1]〜[6]いずれかに記載の害虫防除用組成物。
[8] グリコールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール及びテトラエチレングリコールからなる群より選ばれる1種以上である[7]記載の害虫防除用組成物。
[8a] グリコールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールからなる群より選ばれる1種以上である[7]記載の害虫防除用組成物。
[9] グリコールが、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びプロピレングリコールからなる群より選ばれる1種以上である[7]〜[8a]いずれかに記載の害虫防除用組成物。
[9a] グリコールが、トリエチレングリコールである[7]〜[8a]いずれかに記載の害虫防除用組成物。
[10] グリコールの含有量が、組成物全量に対して1〜45重量%である[7]〜[9a]いずれかに記載の害虫防除用組成物。
[11] 加熱蒸散剤の形態で用いる[1]〜[10]いずれかに記載の害虫防除用組成物。
[12] 超音波霧化装置用組成物の形態で用いる[1]〜[10]いずれかに記載の害虫防除用組成物。
[13] [1]〜[10]いずれかに記載の害虫防除用組成物の有効量を、害虫又は害虫の生息場所に施用することを特徴とする害虫防除方法。
[14] 施用方法が、[1]〜[10]いずれかに記載の害虫防除用組成物中に多孔質吸液芯の一部を浸漬して、該芯に該組成物を吸液させ、該芯の上部を加熱することにより吸液された該組成物を蒸散させる方法である[13]記載の害虫防除方法。
[15] 施用方法が、[1]〜[10]いずれかに記載の害虫防除用組成物を超音波霧化装置により噴霧する方法である[13]記載の害虫防除方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の害虫防除用組成物は、優れた害虫防除効力を有する。また、本発明の害虫防除方法により害虫を防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の害虫防除用組成物(以下、本発明組成物と記す。)は、式(1)

〔式中、R1及びR2は同一または相異なり水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又は塩素原子を表し、R3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
で示されるエステル化合物(以下、本化合物と記す。)、グリコールエーテル及び水を含有する害虫防除用組成物であって、グリコールエーテルの含有割合が、組成物全量の10〜50重量%であり、水の含有割合が、組成物全量の20〜85重量%であるものである。
本発明組成物は、例えば本化合物、グリコールエーテル及び水、必要により後述のグリコール、製剤用補助剤を室温下又は加温下に混合、溶解することにより調製される。
【0008】
本発明に用いられる本化合物としては、具体的には[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以下、本化合物Aと記す。)、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルフェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以下、本化合物Bと記す。)、(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)メチル=3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(以下、本化合物Cと記す。)、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート及び[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=3−(3,3,3-トリフルオロ-1-プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートが挙げられる。本化合物は、例えば、特開2000−63329号公報、特許第2647411号明細書、特開昭57−123146号公報、特開2001−11022号公報、特開平11−222463号公報、特開2002−145828号公報に記載される化合物であり、該公報に記載の方法により製造することができる。
本化合物には、シクロプロパン環上に存在する2つの不斉炭素原子に由来する異性体、及び二重結合に由来する異性体が存在する場合があるが、本発明には活性な異性体を任意の比率で含有するものを使用することができる。
また、本発明においては、本化合物は、1種又は2種以上の混合物を使用することができる。
【0009】
本発明組成物における本化合物の含有量は、本発明組成物全量に対して、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜4重量%、さらに好ましくは0.1〜3重量%である。
【0010】
本発明に用いられるグリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコール系エーテル、プロピレングリコール系エーテル、ジアルキルグリコール系エーテルが挙げられる。
エチレングリコール系エーテルとしては、例えば、下式(2)

〔式中、R4はメチル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、アリル基、フェニル基又はベンジル基を表し、nは1〜10の整数のいずれかを表す。〕
で示されるグリコールエーテルが挙げられ、具体的には例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテルが挙げられる。
プロピレングリコール系エーテルとしては、例えば、下式(3)

〔式中、R5はメチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基又はアリル基を表し、mは1〜3の整数のいずれかを表す。〕
で示されるグリコールエーテルが挙げられ、具体的には例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
ジアルキルグリコール系エーテルとしては、例えば、下式(4)

〔式中、R6及びR7は同一又は相異なり、メチル基、エチル基又はブチル基を表し、mは前記と同じ意味を表す。〕
で示されるグリコールエーテルが挙げられ、具体的には例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルが挙げられる。
本発明においては、本発明組成物中での安定性の点から、好ましくはエチレングリコール系エーテルが用いられる。また、エチレングリコール系エーテルにおいては、本化合物及び水との溶解性の点で、好ましくはエチレングリコールモノブチルエーテル及びジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルが用いられる。
なお、本発明においては、グリコールエーテルは、1種又は2種以上の混合物を使用することができる。
【0011】
本発明組成物におけるグリコールエーテルの含有量は、本発明組成物全量に対して通常10〜50重量%、好ましくは10〜45重量%、さらに好ましくは15〜40重量%である。
【0012】
本発明組成物における水の含有量は、本発明組成物全量に対して、通常20〜85重量%、好ましくは40〜80重量%、より好ましくは50〜80重量%、さらに好ましくは50〜75重量%である。
【0013】
本発明組成物において、グリコールエーテルと水との重量比は通常1:0.4〜1:8.5、好ましくは1:1〜1:8.5、さらに好ましくは1:1.4〜1:3.6の範囲である。
【0014】
本発明組成物には、さらにグリコールを含有させることができる。本発明において、本発明組成物中にグリコールが含有されていると、本発明組成物の溶状が安定化し、好ましい。
本発明に用いられるグリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコールが挙げられる。溶状安定性の点から、好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールが用いられ、さらに好ましくはトリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールが用いられる。
【0015】
本発明組成物におけるグリコールの含有量は、本発明組成物全量に対して、通常1〜45重量%、好ましくは3〜40重量%、より好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。
なお、本発明においては、グリコールは、1種又は2種以上の混合物を使用することができる。
グリコールを2種以上含む本発明組成物の例としては、例えば、グリコールとしてジプロピレングリコールとトリエチレングリコールとを含有する組成物、グリコールとしてエチレングリコールとトリエチレングリコールとを含有する組成物、グリコールとしてプロピレングリコールとトリエチレングリコールとを含有する組成物、グリコールとしてジプロピレングリコールとトリプロピレングリコールとを含有する組成物が挙げられる。
本発明組成物において、グリコールの量は、グリコールエーテル1重量部に対して通常4重量部以下、好ましくは0.2〜1.25重量部、さらに好ましくは0.2〜0.7重量部である。
【0016】
本発明組成物において、2種のグリコールとしてジプロピレングリコールとトリエチレングリコールとを含有する場合、本発明組成物全量に対してグリコールエーテルが20〜40重量%含まれる場合のジプロピレングリコール及びトリエチレングリコールの含有量は、通常ジプロピレングリコールは1〜10重量%、トリエチレングリコールは1〜15重量%である。
【0017】
本発明組成物は、本化合物、グリコールエーテル及び水からなるもの、又は、本化合物、グリコールエーテル、水及びグリコールのみからなるものであっても良いが、本発明組成物の均一性を損なわない限り、必要に応じて、増粘剤、界面活性剤、分散剤、安定化剤、香料、防腐剤等の製剤用補助剤の1種以上を適宜配合することができる。
【0018】
増粘剤としては、ザンタンガム、ラムザンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ウエラントガム等の天然多糖類、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成高分子、カルボキシメチルセルロース等の半合成高分子、アルミニウムマグネシウムシリケート、スメクタイト、ベントナイト、ヘクトライト、乾式シリカ等の鉱物質粉末、アルミナゾル、及びグリセリンが挙げられる。
【0019】
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、安全性の観点からはノニオン性界面活性剤が好ましい。
分散剤としては、リグニンスルホン酸誘導体、ナフタレンスルホン酸誘導体、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン)等が挙げられる。
【0020】
安定化剤としては、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−t−ブチル−4−メトキシフェノールと3−t−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)、ビタミンC、カテキン等が挙げられる。
香料としては、天然香料、合成香料及び抽出香料が挙げられる。
【0021】
防腐剤としては、例えば安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキ安息香酸ブチル、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩酸クロルヘキシジン、過酸化水素水、グルコン酸クロルヘキシジン、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ジンクピリチオン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、フェノキシエタノール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアオリン−3−オン等のイソチアゾリン誘導体、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、及びサリチル酸誘導体が挙げられる。具体的には、例えばバイオホープL(ケイ・アイ化成株式会社製)、プロキセルGXL(アビシア株式会社製)が挙げられる。
【0022】
本発明組成物は、他の殺虫活性成分、殺ダニ活性成分、忌避活性成分、共力剤等の1種以上を含有することができる。
【0023】
共力剤としては、例えばピペロニル ブトキサイド(piperonyl butoxide)、 セサメックス(sesamex)、スルホキシド(sulfoxide)、N−(2−エチルへキシル)−8,9,10−トリノルボルン−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(MGK 264)、N−デクリイミダゾール(N−declyimidazole)、WARF−アンチレジスタント(WARF−antiresistant)、TBPT、TPP、IBP、PSCP、ヨウ化メチル(CH3I)、t−フェニルブテノン(t−phenylbutenone)、ジエチルマレエート(diethylmaleate)、DMC、FDMC、ETP、ETN及びd−リモネンが挙げられる。
【0024】
本発明組成物は、例えば、加熱蒸散剤の形態で用いることができる。また、超音波霧化装置、エアゾール及びポンプスプレー等の散布型装置、粒剤・樹脂・布等に担持させた自然蒸散剤に適用することができる。
本発明組成物は、特に、加熱蒸散剤もしくは超音波霧化装置用組成物の形態で用いることが好ましい。
【0025】
本発明組成物により防除できる害虫としては、例えば昆虫やダニ等の節足動物が挙げられ、具体的には例えば以下の害虫等が挙げられる。
【0026】
鱗翅目害虫:ニカメイガ、コブノメイガ、ノシメコクガ等のメイガ類、ハスモンヨトウ、アワヨトウ、ヨトウガ等のヨトウ類、モンシロチョウ等のシロチョウ類、コカクモンハマキ等のハマキガ類、シンクイガ類、ハモグリガ類、ドクガ類、ウワバ類、カブラヤガ、タマナヤガ等のアグロティス属害虫(Agrotis spp.)、ヘリコベルパ属害虫(Helicoverpa spp.)、ヘリオティス属害虫(Heliothis spp.)、コナガ、イチモンジセセリ、イガ、コイガ等
【0027】
双翅目害虫:アカイエカ、コガタアカイエカ、ネッタイイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ、ガンビエハマダラカ(Anopheles gambiae)等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエ、ヒメイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、タネバエ、タマネギバエ等のハナバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、ノミバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類、ヌカカ類等
【0028】
網翅目害虫:チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、コワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ等
【0029】
膜翅目害虫:アリ類、ハチ類(フタモンアシナガバチ、トガリフタモンアシナガバチ、セグロアシナガバチ、キアシナガバチ、キボシアシナガバチ、コアシナガバチ、ヤマトアシナガバチ等のアシナガバチ類、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチ、モンスズメバチ、ヒメスズメバチ、クロスズメバチ、シダクロスズメバチ、キオビホオナガスズメバチ等のスズメバチ類、アリガタバチ類、クマバチ、ベッコウバチ、ジガバチ、ドロバチ等)
【0030】
隠翅目害虫:イヌノミ、ネコノミ、ヒトノミ等
【0031】
シラミ目害虫:ヒトジラミ、ケジラミ、アタマジラミ、コロモジラミ等
【0032】
等翅目害虫:ヤマトシロアリ、イエシロアリ等
【0033】
半翅目害虫:ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカ等のウンカ類、ツマグロヨコバイ、タイワンツマグロヨコバイ等のヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、カイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類、トコジラミ類等
【0034】
鞘翅目害虫:ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、ウエスタンコーンルートワーム、サザンコーンルートワーム等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ、ヒメコガネ等のコガネムシ類、コクゾウムシ、イネミズゾウムシ、ワタミゾウムシ、アズキゾウムシ等のゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ、コクヌストモドキ等のゴミムシダマシ類、イネドロオイムシ、キスジノミハムシ、ウリハムシ等のハムシ類、シバンムシ類、ニジュウヤホシテントウ等のエピラクナ属(Epilachna spp.)、ヒラタキクイムシ類、ナガシンクイムシ類、カミキリムシ類、アオバアリガタハネカクシ等
【0035】
総翅目害虫:ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ、ハナアザミウマ等
【0036】
直翅目害虫:ケラ、バッタ等
【0037】
ダニ類:コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ等のヒョウヒダニ類、ケナガコナダニ、ムギコナダニ等のコナダニ類、チリニクダニ、イエニクダニ、サナアシニクダニ等のニクダニ類、クワガタツメダニ、フトツメダニ等のツメダニ類、ホコリダニ類、マルニクダニ類、イエササラダニ類、ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ等のハダニ類、フタトゲチマダニ等のマダニ類。
【0038】
本発明の害虫防除方法は通常、本発明組成物を害虫又は害虫の生息場所に施用することにより行われる。
本発明組成物の施用方法としては、例えば以下の方法が挙げられ、本発明組成物の形態、使用場所等に応じて適宜選択できる。
(1) 本発明組成物を加熱蒸散剤の形態で用いて、害虫の生息場所で本発明組成物を蒸散させる方法。
(2) 本発明組成物を超音波霧化装置、エアゾール及びポンプスプレー等の散布型装置を用いて、害虫又は害虫の生息場所に本発明組成物を噴霧する方法。
この場合、本化合物の施用量、施用濃度はいずれも本発明組成物の形態、施用時期、施用場所、施用方法、害虫の種類、被害状況等に応じて適宜定めることができる。
【0039】
本発明の害虫防除方法において、本発明組成物を加熱蒸散剤の形態で用いて、本発明組成物を施用する方法としては、例えば、本発明組成物中に多孔質吸液芯の一部を浸漬して、該芯に該組成物を吸液させ、該芯の上部を加熱することにより吸液された該組成物を蒸散させる方法が挙げられる。なお、この方法に用いられる加熱蒸散型殺虫装置としては、当技術分野で周知のものを使用することができ、例えば特公平2−25885号公報等に記載の加熱蒸散型殺虫装置を使用することができる。
吸液芯の材質である多孔質材としては、例えばクレー、タルク、カオリン、珪藻土、石膏、パーライト、ベントナイト、酸性白土、グラスファイバー、石綿等の無機粉末をカルボキシメチルセルロース、澱粉、アラビアガム、ゼラチン、ポリビニルアルコール等の糊剤にて粘結、成形したものや、クレー、タルク、ベントナイト、アルミナ、シリカ等の無機物質を芯状に固めて焼成したものや、樹脂を芯状に成型加工したものや、ガラス繊維等を束ねたものなどが用いられる。
【0040】
本発明の害虫防除方法において、本発明組成物を超音波霧化装置を用いて施用する場合の本発明組成物の施用方法としては、例えば、本発明組成物を超音波霧化装置により噴霧する方法が挙げられる。なお、この場合、本発明組成物は超音波により霧化され、噴霧される。なお、この方法に用いられる超音波霧化装置としては、例えば特開2009−118792号公報に記載の超音波霧化装置を用いることができる。
【0041】
本発明の害虫防除方法において、本発明組成物をエアゾールを用いて施用する場合の本発明組成物の施用方法としては、例えば、本発明組成物をエアゾール容器に充填し、該容器にエアゾールバルブを装着し、噴射剤をステムを通して該容器中に充填し、振とうした後、アクチュエーターを装着することにより製造したエアゾールを用いて、該組成物を噴霧する方法が挙げられる。なお、この方法に用いられる噴射剤としては、窒素ガス、圧縮空気、炭酸ガス、液化石油ガス(LPG)及びジメチルエーテルが挙げられ、アクチュエーターとしては、例えば、ボタン式、トリガー式のものが挙げられる。
【0042】
本発明の害虫防除方法において、本発明組成物をポンプスプレーを用いて施用する場合の本発明組成物の施用方法としては、例えば、本発明組成物を充填したポンプスプレー(噴射剤を必要とせず、ポンプの動作により噴射する噴霧器)を用いて、該組成物を噴霧する方法が挙げられる。なお、この方法に用いられるポンプスプレーとしては、当技術分野で周知のものを使用することができ、例えば特開平8−295359号公報に記載のポンプスプレーや、特開2002−233798号公報に記載のトリガー式ポンプスプレーを使用することができる。
【実施例】
【0043】
以下、製造例、試験例等により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
【0044】
まず、本発明組成物の製造例を示す。部は重量部を示す。
【0045】
製剤例1
本化合物A0.15部、水70部、及びエチレングリコールモノブチルエーテル29.85部を混合し、攪拌することにより、液状組成物(以下、本発明組成物(1)と記す。)100部を得た。
【0046】
製剤例2
本化合物A0.15部、水70部、及びジエチレングリコールモノブチルエーテル29.85部を混合し、攪拌することにより、液状組成物(以下、本発明組成物(2)と記す。)100部を得た。
【0047】
製剤例3
本化合物B0.15部、水70部、及びジエチレングリコールモノブチルエーテル29.85部を混合し、攪拌することにより、液状組成物(以下、本発明組成物(3)と記す。)100部を得た。
【0048】
製剤例4
本化合物C0.15部、水70部、及びジエチレングリコールモノブチルエーテル29.85部を混合し、攪拌することにより、液状組成物(以下、本発明組成物(4)と記す。)100部を得た。
【0049】
製造例5
本化合物A0.15部、水65部、及びエチレングリコールモノブチルエーテル34.85部及びを混合し、攪拌することにより、液状組成物(以下、本発明組成物(5)と記す。)100部を得た。
【0050】
製造例6
本化合物B1.2部、水65部、及びエチレングリコールモノブチルエーテル33.8部及びを混合し、攪拌することにより、液状組成物(以下、本発明組成物(6)と記す。)100部を得た。
【0051】
製造例7
本化合物C0.6部、水65部、及びエチレングリコールモノブチルエーテル34.4部及びを混合し、攪拌することにより、液状組成物(以下、本発明組成物(7)と記す。)100部を得た。
【0052】
製造例8
本化合物A0.2部、水70部、エチレングリコールモノブチルエーテル19.8部、及びトリエチレングリコール10部を混合し、攪拌することにより、液状組成物(以下、本発明組成物(8)と記す。)100部を得た。
【0053】
製造例9
本化合物A0.2部、水50部、プロピレングリコールモノエチルエーテル39.8部、及びトリエチレングリコール10部を混合し、攪拌することにより、液状組成物(以下、本発明組成物(9)と記す。)100部を得た。
【0054】
製造例10
本化合物A0.2部、水60部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル29.8部、プロピレングリコール10部を混合し、攪拌することにより、液状組成物(以下、本発明組成物(10)と記す。)100部を得た。
【0055】
製造例11
本化合物A0.2部、水60部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル29.8部、ジプロピレングリコール10部を混合し、攪拌することにより、液状組成物(以下、本発明組成物(11)と記す。)100部を得た。
【0056】
製造例12
本化合物A0.2部、水55部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル29.8部、トリエチレングリコール15部を混合し、攪拌することにより、液状組成物(以下、本発明組成物(12)と記す。)100部を得た。
【0057】
製造例13
本化合物A0.2部、水57.5部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル29.8部、ジプロピレングリコール5部、トリエチレングリコール7.5部を混合し、攪拌することにより、液状組成物(以下、本発明組成物(13)と記す。)100部を得た。
【0058】
製造例14
本化合物A0.2部、水56部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル29.8部、ジプロピレングリコール2部、トリエチレングリコール12部を混合し、攪拌することにより、液状組成物(以下、本発明組成物(14)と記す。)100部を得た。
【0059】
製造例15
本発明組成物(1)〜(14)の何れか60gをエアゾール缶に入れ、エアゾールバルブを装着した後、窒素ガス40gを充填し、振とうを加え、アクチュエーターを装着することによりエアゾール製剤1を得る。
【0060】
製造例16
本発明組成物(1)〜(14)の何れか60gをエアゾール缶に入れ、エアゾールバルブを装着した後、ジメチルエーテル40gを充填し、振とうを加え、アクチュエーターを装着することによりエアゾール製剤を得る。
【0061】
製造例17
超音波式噴霧装置(装置名:センツライザー (NIPPON MMI TECHNOLOGY製)に、本発明組成物(1)〜(14)の何れかを入れた薬液ボトル(容量10mL)を取り付けることにより、害虫防除用超音波噴霧装置を得る。
【0062】
製造例18
本発明組成物(1)〜(14)の何れかをプラスチックボトルに充填し、ポンプスプレーのヘッド部を取り付け、ポンプスプレーを得る。
【0063】
比較製造例1
本化合物A0.15部、水90、及びエチレングリコールモノブチルエーテル9.85部を混合し、攪拌することにより、液状組成物(以下、比較用組成物(1)と記す。)100部を得た。
【0064】
次に試験例を示す。
なお、以下の試験例においては、本化合物A、B及びCとして、以下の化合物をそれぞれ使用した。
本化合物A:[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=(1R)−トランス−2,2−ジメチル−3−((Z)−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート
本化合物B:[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルフェニル]メチル=(1R)−トランス−2,2−ジメチル−3−((Z)−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート
本化合物C:(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)メチル=(1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート
【0065】
試験例1
製造例1で得られた本発明組成物(1)40gを容器に入れて吸液芯を取り付け、吸液芯付き本発明組成物(1)入りボトルとした。該ボトルを加熱蒸散型殺虫装置を用いて130℃にて加熱した。加熱方法は、8時間連続加熱したあと、16時間加熱を止め、再び8時間連続加熱し、これを繰り返した。加熱開始後1、7及び15日目において、1時間あたりの本化合物の蒸散量を測定した。本発明組成物(1)の代わりに、本発明組成物(2)、(3)及び(4)を用いて、同様の試験を行い、本化合物の蒸散量を測定した。
なお、本化合物の蒸散量は、ポリウレタンスポンジを吸着剤として充填したガラスカラムにより、蒸散してきた本化合物を経時的に捕集し、その後、ポリウレタンスポンジをアセトンにより抽出し、ガスクロマトグラフにて本化合物量を定量分析することにより求めた。
結果を表1に示す。
【0066】
【表1】


本発明組成物は、長期間にわたって安定して本化合物を蒸散させることができるので、長期間安定した害虫防除効果を得ることができる。
【0067】
試験例2
本発明組成物(1)の代わりに、本発明組成物(9)〜(14)を用いて、試験例(1)と同様の試験を行い、加熱開始後1日目から29日目までの特定日において、1時間あたりの本化合物の蒸散量を測定した。
結果を表2に示す。
【0068】
【表2】


本発明組成物は長期間にわたって安定して本化合物を蒸散させることができるので、
長期間安定した害虫防除効果を得ることができる。
【0069】
試験例3
本発明組成物(5)40gを容器に入れて吸液芯を取り付け、吸液芯付き本発明組成物(5)入りボトルとした。該ボトルを加熱蒸散型殺虫装置を用いて130℃にて加熱した。4時間後、加熱を止め、該ボトル付加熱蒸散型殺虫装置を、3.0m×4.0m×2.3mの直方体の試験室内(28m3)の床中央部に設置した。再度加熱し、加熱後すぐに、アカイエカ雌成虫約100匹を室内に放った。放虫後、一定時間後にノックダウンしたアカイエカの数を調査し、得られたデータからKT50(供試虫の50%がノックダウンするのに要する時間)を求めた。本発明組成物(5)の代わりに、本発明組成物(6)及び(7)、並びに、比較用組成物(1)を用いて、同様の試験を行い、KT50を求めた。
結果を表2に示す。
【0070】
【表3】

【0071】
試験例4
本発明組成物(8)35gを容器に入れて吸液芯を取り付け、吸液芯付き本発明組成物(14)入りボトルとした。該ボトルを加熱蒸散型殺虫装置を用いて130℃にて加熱した。20時間後、加熱を止め、該ボトル付加熱蒸散型殺虫装置を、3.0m×4.0m×2.3mの直方体の試験室内(28m3)の床中央部に設置した。再度加熱し、加熱後すぐに、アカイエカ雌成虫約100匹を室内に放った。放虫後、60分後にノックダウンしたアカイエカの数を調査し、60分後のノックダウン率を求めた。本発明組成物(8)の代わりに、本発明組成物(9)及び(14)、並びに比較用組成物(1)を用いて、同様の試験を行い、60分後のノックダウン率を求めた。
結果を表4に示す。
【0072】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明組成物は、優れた害虫防除効力を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

〔式中、R1及びR2は同一または相異なり水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又は塩素原子を表し、R3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
で示されるエステル化合物、グリコールエーテル及び水を含有する害虫防除用組成物であって、グリコールエーテルの含有量が、組成物全量に対して10〜50重量%であり、水の含有量が、組成物全量に対して20〜85重量%である害虫防除用組成物。
【請求項2】
グリコールエーテルが、エチレングリコール系エーテル又はプロピレングリコール系エーテルからなる群より選ばれる1種以上である請求項1記載の害虫防除用組成物。
【請求項3】
グリコールエーテルが、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル及びプロピレングリコールモノプロピルエーテルからなる群より選ばれる1種以上である請求項1記載の害虫防除用組成物。
【請求項4】
グリコールエーテルの含有量が、組成物全量に対して15〜40重量%である請求項1〜3いずれか1項記載の害虫防除用組成物。
【請求項5】
式(1)で示されるエステル化合物が、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルフェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)メチル=3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート及び[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=3−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートからなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜4いずれか1項記載の害虫防除用組成物。
【請求項6】
水の含有量が、組成物全量に対して50〜80重量%である請求項1〜5いずれか1項記載の害虫防除用組成物。
【請求項7】
さらに、グリコールを含有する請求項1〜6いずれか1項記載の害虫防除用組成物。
【請求項8】
グリコールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールからなる群より選ばれる1種以上である請求項7記載の害虫防除用組成物。
【請求項9】
グリコールが、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びプロピレングリコールからなる群より選ばれる1種以上である請求項7又は8記載の害虫防除用組成物。
【請求項10】
グリコールの含有量が、組成物全量に対して1〜45重量%である請求項7〜9いずれか1項記載の害虫防除用組成物。
【請求項11】
加熱蒸散剤の形態で用いる請求項1〜10いずれか1項記載の害虫防除用組成物。
【請求項12】
超音波霧化装置用組成物の形態で用いる請求項1〜10いずれか1項記載の害虫防除用組成物。
【請求項13】
請求項1〜10いずれかに記載の害虫防除用組成物の有効量を、害虫又は害虫の生息場所に施用することを特徴とする害虫防除方法。
【請求項14】
施用方法が、請求項1〜10いずれか1項記載の害虫防除用組成物中に多孔質吸液芯の一部を浸漬して、該芯に該組成物を吸液させ、該芯の上部を加熱することにより吸液された該組成物を蒸散させる方法である請求項13記載の害虫防除方法。
【請求項15】
施用方法が、請求項1〜10いずれか1項記載の害虫防除用組成物を超音波霧化装置により噴霧する方法である請求項13記載の害虫防除方法。

【公開番号】特開2012−176946(P2012−176946A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−20550(P2012−20550)
【出願日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】