説明

家畜糞尿輸送システム

【課題】糞尿の搬送距離が長くなっても糞尿詰まりが生じにくい家畜糞尿輸送システムを提供すること。
【解決手段】真空管路3の先端に接続され、かつ、家畜糞尿が供給され、家畜糞尿が設定量に達したら、真空管路3側を開閉する真空弁25を開弁し、家畜糞尿を、真空ステーション4の負圧により真空管路3を介して吸引させる真空弁ユニット2を備えた家畜糞尿輸送システムであって、真空弁25よりも上流に、家畜糞尿に水を加える水供給管5が設けられていることを特徴とする家畜糞尿輸送システムとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家畜の糞尿を、真空式搬送システムを利用して輸送する家畜糞尿輸送システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
牛・豚などの家畜を大量に飼育する場合、畜舎で発生する家畜の糞尿の処理が問題となる。このような糞尿の処理において、糞尿を搬送する装置が、例えば、特許文献1などにより知られている。
【0003】
この従来技術は、糞尿におがくずなどを混入したものをスクリューで混合させながら、溝に沿って移動させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3508106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来装置は、糞尿を発酵させながら移動させるものであり、糞尿の移動距離が長くなった場合、糞尿の粘度によっては、抵抗が大きくなり、経路の途中で糞尿が詰まってしまい、移送ができなくなるおそれがある。
【0006】
本発明は、上述の問題点に着目して成されたもので、糞尿の搬送距離が長くなっても糞尿詰まりが生じにくく、臭気が外部に漏れることの無い家畜糞尿輸送システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の家畜糞尿輸送システムは、負圧を発生させる真空ステーションと、この真空ステーションに基端が接続された真空管路と、この真空管路の先端に接続され、かつ、家畜糞尿が供給され、この家畜糞尿が設定量に達したら、前記真空管路側を開閉する真空弁を開弁し、前記家畜糞尿を、前記真空ステーションの負圧により前記真空管路を介して吸引させる真空弁ユニットと、を備えた家畜糞尿輸送システムであって、前記真空弁よりも上流に、前記家畜糞尿に水を加える水供給手段が設けられていることを特徴とする家畜糞尿輸送システムとした。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の家畜糞尿輸送システムにおいて、前記水供給手段により前記家畜糞尿に対する水の供給比率は、前記家畜糞尿1に対し、水が1以上であることを特徴とする家畜糞尿輸送システムとした。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の家畜糞尿輸送システムにおいて、前記真空弁ユニットは、前記家畜糞尿を貯留する略円筒状の貯留部を備え、前記水供給手段は、前記貯留部に偏芯させて水を供給するよう設けられていることを特徴とする家畜糞尿輸送システムとした。
【発明の効果】
【0010】
本発明の家畜糞尿輸送システムでは、真空弁ユニットに送られた家畜糞尿は、真空ステーションで発生された負圧により真空管路を介して真空ステーションに送られる。
このとき、家畜糞尿には、真空弁よりも手前で水が混合されるため、家畜糞尿のみを送るのと比較して、粘度が低下され、真空管路における管詰まりを抑制でき、輸送距離を長くすることが可能となるとともに、真空管路内に付着した家畜糞尿をフラッシング洗浄により除去する作用が不要となり、作業性が向上する。
【0011】
請求項2に記載の発明では、家畜糞尿1に対し、1以上の水を混合させるため、家畜糞尿の粘度を、管詰まりを防止できる粘度まで低下でき、管詰まりをいっそう確実に防止できる。家畜糞尿と水との比率は、水の割合を大きくすると粘度が低下して輸送上好ましいが、水の使用量が増え、コストやその後の処理の点で不利となる。そこで、水使用量を抑えながら、輸送に問題の無い粘度とするには、水の比率を糞尿1に対して1.5前後とするのが好ましい。
【0012】
請求項3に記載の発明では、水供給手段により汚水貯留部に水を供給する際に、汚水貯留部内で水の旋回流が得られる。このため、水と家畜糞尿との混合が促進され、全体の粘度の安定化を図り、いっそう管詰まりを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1の家畜糞尿輸送システムの構成を説明する全体システム図である。
【図2】実施例1の家畜糞尿輸送システムに適用した真空弁ユニット2を示す断面図である。
【図3】前記真空弁ユニット2を示す断面図であって、図2のS3−S3線で切断した状態を示している。
【図4】ベントナイト水溶液の濃度と粘度との関係を表す粘度特性図である。
【図5】実施例2の家畜糞尿輸送システムの要部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の実施の形態の家畜糞尿輸送システムは、負圧を発生させる真空ステーション(4)と、この真空ステーション(4)に基端が接続されて、のこ歯状に配管された真空管路(3)と、この真空管路(3)の先端に接続され、かつ、家畜糞尿が供給され、この家畜糞尿が設定量に達したら、前記真空管路側を開閉する真空弁(25)を開弁し、前記家畜糞尿を、前記真空ステーション(4)の負圧により前記真空管路(3)を介して吸引させる真空弁ユニット(2)と、を備えた家畜糞尿輸送システムであって、前記真空弁(25)よりも上流に、前記家畜糞尿に水を加える水供給手段(5)が設けられていることを特徴とする家畜糞尿輸送システムである。
【実施例1】
【0015】
本実施例1の家畜糞尿輸送システムSは、図1に示すように、酪農家Rから家畜糞尿処理プラントPに家畜糞尿を輸送するのに用いられている。
【0016】
酪農家Rには、牛舎などの飼育施設61から出た糞尿をベルトコンベアなどの搬送装置62により搬送して収集する収集部63が設けられている。
【0017】
また、家畜糞尿処理プラントPは、糞尿処理装置70を備えている。この糞尿処理装置70は、詳細は省略するが、家畜糞尿を発酵させてメタンガスなどのガスを発生させる装置や、発酵により温水を生成する装置や、その発生したメタンガスを貯留するタンクや、メタンガスにより発電する発電システムや、家畜糞尿から肥料分を抽出する生成装置などを備えている。
【0018】
なお、図では、1つの家畜糞尿処理プラントPに対し、酪農家Rおよび家畜糞尿輸送システムSをそれぞれ1つのみ示しているが、実際には1つの家畜糞尿処理プラントPに対し、家畜糞尿輸送システムSが複数設けられており、また、酪農家Rは、1つの家畜糞尿輸送システムSに対して、1または複数設けられている。
【0019】
次に、実施例1の家畜糞尿輸送システムSについて説明する。
この家畜糞尿輸送システムSは、真空弁ユニット2、真空管路3、真空ステーション4、水供給管(水供給手段)5を備えており、真空ステーション4で発生させた負圧により、真空弁ユニット2に貯留した家畜糞尿を、真空管路3を介して真空ステーション4のタンク(図示省略)に収集するシステムである。
【0020】
真空弁ユニット2は、収集部63に自然流下管路64を介して接続されており、収集部63に集められた家畜糞尿が下り勾配によって自然流下される。
また、真空弁ユニット2は、図2に示すように、自然流下管路64が接続された流入管21と、家畜糞尿を貯留する略円筒状の汚水マス(汚水貯留部)22と、汚水マス22に貯留された液体分を吸い込む吸込管23と、汚水マス22内の水位により貯留量を検知する水位検知管24と、真空圧によって弁を開閉させる真空弁25と、真空弁25を制御するコントローラ26と、清掃作業時に真空圧を封止させる仕切弁27と、真空管路3に接続されて家畜糞尿を排出する汚水排水管28と、真空弁25が開いた後に外部から空気を取り入れる空気取入管20と、などを備えている。
【0021】
この真空弁ユニット2は、汚水マス22内の貯留量(水位)があらかじめ設定された設定量よりも低い場合には真空弁25を閉弁して家畜糞尿を貯留し、設定量(水位)に達した場合には真空弁25を開弁して貯留された家畜糞尿を真空圧によって吸込管23から汚水排水管28を通じて真空管路3内に吸入させる。
【0022】
真空管路3は、図1に示すように、基端が真空ステーション4に接続され、先端が真空弁ユニット2に接続されている。この真空管路3は、下水道用硬質塩化ビニル管や可撓性を有する例えば、直径100〜200mmのポリエチレン管などによって、長尺筒状に形成された管路であり、2〜20%の緩やかな下り勾配となっている緩傾斜部31と、高低差30cm程度の上り勾配となっているリフト部32と、を交互に組み合わせて形成される。
【0023】
真空ステーション4は、内部に図示は省略するが、家畜糞尿を貯留するタンク、タンク内を減圧する真空ポンプ、家畜糞尿を圧送する圧送ポンプなどを有しており、真空弁ユニット2の真空弁25から真空管路3までを負圧(真空状態)に保持している。なお、本実施例1では、真空ポンプとして、5.5kwのルーツ式ブロアポンプを使用して、−60〜−70kPaの運転圧を形成するようにした。
【0024】
さらに、真空弁ユニット2について実施例1の特徴とする構成について説明すると、真空弁ユニット2には、汚水マス22内に水を供給する水供給管5が設けられている。この水供給管5は、図3に示すように、汚水マス22から偏芯し、流入管21の側部に、流入管21に略直交する向きで、流入管21と略同じ高さに配置され、水供給管5から供給される水が、流入管21から流入する家畜糞尿と混合して、汚水マス22の内面に沿う旋回流を形成するように設置されている。
【0025】
(実施例1の作用)
次に、実施例1の家畜糞尿輸送システムSにより飼育施設61の家畜糞尿を家畜糞尿処理プラントPに輸送する手順を説明する。
【0026】
まず、飼育施設61から排出された糞尿は、図1に示す搬送装置62により収集部63に搬送され、この収集部63から自然流下管路64を通じて真空弁ユニット2に自然流下する。
【0027】
真空弁ユニット2では、流入管21から家畜糞尿が流入する際に、同時に水供給管5から水を供給する。この水の供給量は、家畜糞尿1に対して、1以上となる比率で供給し、本実施例1では、1.5の比率となる水を供給している。
【0028】
この水の供給時には、水供給管5は、流入管21に略直交する向きに設けられており、流入管21から流入する家畜糞尿と水供給管5から供給する水と混合され、さらに、図3の矢印に示すように、この水混合糞尿が汚水マス22の内周に沿う旋回流を形成しながら流れ込み、この旋回流により家畜糞尿と水との混合が促進される。
【0029】
汚水マス22における水混合家畜糞尿の貯留量(水位)が設定量まで上昇したことが水位検知管24によって検知されると、真空弁25が開弁されて、水混合糞尿が真空管路3に吸入される。
【0030】
さらに、真空管路3に吸入された水混合糞尿は、真空圧により吸引されて膨張することで、気液混相流となってリフト部32を次々と乗り越えて真空ステーション4のタンクまで到達する。なお、本実施例1では、この気液混合相流の空気と液との比率は、通常の真空式下水搬送システムにおける気液比と同じ3:1としている。
最後に、真空ステーション4のタンクから圧送ポンプによって糞尿処理装置70へ圧送されて糞尿の輸送が完了する。
【0031】
(実施例1の効果)
以上説明した実施例1の家畜糞尿輸送システムSは、以下に列挙する効果を奏する。
a)真空弁ユニット2において、水供給管5から家畜糞尿に水を加えるようにした。このため、家畜糞尿のみを家畜糞尿輸送システムSを用いて輸送するのと比較して、管詰まりを抑制でき、輸送距離を長くすることが可能となるとともに、真空管路3内に付着した家畜糞尿をフラッシング洗浄により除去する作用が不要となり、作業性が向上する。
【0032】
具体的に、家畜糞尿を想定したベントナイト水溶液を用いて、輸送実験を実施するとともに、溶液状態と粘度値とを確認した。
家畜糞尿を想定するベントナイト水溶液を形成するのにあたり、ベントナイト水溶液の濃度が15wt%以上で、家畜糞尿の下層液と同様のプリン状態が得られた。
このプリン状態のベントナイト水溶液を、実施例1の家畜糞尿輸送システムSにより水供給管5による水の供給を行うことなく気液比3:1で輸送を行ったところ、真空管路3内で管路の閉塞が生じた。
なお、この実験に使用したのは、真空管路3の長さが540mで、リフト管路高さが、3.3mのものを使用した。
【0033】
一方、同様の実施例1において、上記プリン状態のベントナイト水溶液に対し、水供給管5により水を1:1以上加えた場合は、真空管路3に閉塞が生じることなく輸送することができた。なお、プリン状態のベントナイト水溶液に、1:1.5の水を加えた場合、粘度1/100以下に低減することが確認できた。
【0034】
図4は、ベントナイト水溶液の濃度と粘度との関係を表す粘度特性図である。この図に示すように、線Nbで示す濃度15wt%よりも高濃度領域では、家畜糞尿と同様のプリン状態が得られた。一方、濃度が9wt%よりも低い、線Naで示す濃度7〜8wt%程度以下の低濃度領域になると、粘度が大幅に低下し、輸送が容易となった。
【0035】
したがって、真空弁ユニット2では、水を混合する際に、水混合糞尿の粘度が、この線Naで示す7〜8wt%よりも低濃度の粘度相当となるように、水の混合比を設定するのが好ましい。
【0036】
本実施例1では、家畜糞尿と水との混合割合を1:1.5とすることで、水混合糞尿の粘度が、上記粘度となり、スムーズな輸送を行うことができた。
また、スムーズな輸送が可能となることで、管詰まりが生じた場合のように、フラッシング洗浄により、詰まったり付着したりした家畜糞尿をフラッシング洗浄により除去する手間が不要となり、作業性が向上する。
【0037】
b)上記a)のように、家畜糞尿の輸送がスムーズになるため、気液比を極端に高くする(例えば、9:1程度)必要がなくなり、気液比を高めるのと比較して消費エネルギを軽減でき、搬送効率の向上を図ることができた。
ちなみに、上記ベントナイト水溶液による実験では、家畜糞尿相当の線Nbよりも上の高濃度(プリン状)の場合、気液比を9:1まで上げると、少量ではあるが輸送は可能となった。しかしこの場合、真空ポンプの作動時間が長くなり、消費エネルギが増加する。
それに対し、本実施例1では、3:1の気液比でスムーズな輸送が可能であり、真空ポンプの作動時間が短くて済み、消費エネルギを軽減できる。
【0038】
c)水供給管5を、汚水マス22に対して偏芯させて配置し、水の供給時に、汚水マス22に旋回流を生じさせるようにした。このため、家畜糞尿と水とを混合させやすく、全体の粘度を安定させることができる。
したがって、全体の粘度が不安定である場合と比較して、高粘度部分が真空管路3で詰まる不具合の発生を防止し、より安定した輸送が可能となる。
【0039】
d)水供給管5を、流入管21の近傍に配置し、水供給管5から供給する水が、流入管21から流入する家畜糞尿と即座に混合するようにした。したがって、両者を別々の場所から汚水マス22に流し、汚水マス22内で混合させるのと比較して、両者が流下しながら混合され、両者の混合がいっそう促進される。
【0040】
(他の実施例)
以下に、他の実施例について説明するが、これら他の実施例は、実施例1の変形例であるため、その相違点についてのみ説明し、実施例1あるいは他の実施例と共通する構成については共通する符号を付けることで説明を省略する。
【実施例2】
【0041】
実施例2は、実施例1の変形例であり、水供給手段としての水供給装置205を、収集部63において家畜糞尿が自然流下管路64に流れ込む部分に水を供給可能に設けた例である。
なお、水供給装置205は、水を供給する水供給管路205aと、この水供給管路205aの流水量をコントロールするコントロールバルブ205bとを備えている。
また、真空弁ユニット2には、実施例1と同様の水供給管5を設けてもよいし、この水供給管5は廃止してもよい。
【0042】
このような構成の実施例2にあっては、収集部63に集められた家畜糞尿が自然流下管路64を流れる時点で水が混合されるため、自然流下管路64における家畜糞尿の流下がスムーズに成され、自然流下管路64における閉塞を防止できる。
【0043】
なお、水の混合割合は、実施例1と同様にするのが好ましく、真空弁ユニット2に水供給管5を設けない場合は、自然流下管路64における家畜糞尿と水との比率を実施例1と同様にする。また、真空弁ユニット2に水供給管5を設けている場合は、真空弁ユニット2において水をさらに加えた際の合計の比率が、実施例1と同様になるようにする。
【0044】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態および実施例1,2を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態および実施例1,2に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0045】
例えば、前記実施の形態では、家畜糞尿輸送システムSは、酪農家Rと家畜糞尿処理プラントPとの間の輸送に用いた例を示したが、これに限定されず、家畜の糞尿を輸送するものであればこれ以外の用途にも広く適用可能である。
【0046】
また、実施例1,2では、家畜糞尿と水との比率として1:1.5を例示したが、水の割合は、家畜糞尿1に対して1以上であれば、所期の効果は得られるものであり、1.5未満あるいは1.5以上にしてもよい。しかしながら、水の量はできるだけ少なく、スムーズな輸送を達成するのが好ましく、この点で、1.5という比率は効果的である。
【0047】
また、実施例1では、水供給管5を汚水マス22に設置するのにあたり、偏芯させて設けた例を示したが、偏芯させなくても、家畜糞尿と水とが混合されれば所期の効果は得ることができる。また、この場合に、汚水マス内に攪拌装置などを設けると、より効果的である。
【0048】
また、実施例1では、酪農家Rでは、いったん収集部63に家畜糞尿を集めて、真空弁ユニット2に送るようにした例を示したが、飼育施設61から直接、真空弁ユニット2の流入管21に家畜糞尿を流入させるようにしてもよい。
【0049】
また、実施例1,2では、図面上、1つの真空弁ユニット2に対して、1つの酪農家Rを接続させているが、1つの真空弁ユニット2に対して、複数の酪農家Rから家畜糞尿を流入させるようにしてもよい。
【0050】
また、実施例2では、水供給手段としての水供給装置205を、収集部63において家畜糞尿が自然流下管路64に流れ込む部分に水を供給可能に設けた例を示したが、これに限定されるものではなく、これよりも上流と下流とのいずれに設けてもよい。
さらに、水供給手段を汚水マスに設ける場合でも、真空弁よりも上流であれば、例えば、吸込管23の途中に設け、家畜糞尿と水とが混合されながら真空管路3に吸い込まれるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
2 真空弁ユニット
3 真空管路
4 真空ステーション
5 水供給管(水供給手段)
22 汚水マス(汚水貯留部)
25 真空弁
61 飼育施設
205 水供給装置(水供給手段)
P 家畜糞尿処理プラント
R 酪農家
S 家畜糞尿輸送システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負圧を発生させる真空ステーションと、この真空ステーションに基端が接続された真空管路と、この真空管路の先端に接続され、かつ、家畜糞尿が供給され、この家畜糞尿が設定量に達したら、前記真空管路側を開閉する真空弁を開弁し、前記家畜糞尿を、前記真空ステーションの負圧により前記真空管路を介して吸引させる真空弁ユニットと、を備えた家畜糞尿輸送システムであって、
前記真空弁よりも上流に、前記家畜糞尿に水を加える水供給手段が設けられていることを特徴とする家畜糞尿輸送システム。
【請求項2】
前記水供給手段により前記家畜糞尿に対する水の供給比率は、前記家畜糞尿1に対し、水が1以上であることを特徴とする請求項1に記載の家畜糞尿輸送システム。
【請求項3】
前記真空弁ユニットは、前記家畜糞尿を貯留する略円筒状の貯留部を備え、
前記水供給手段は、前記貯留部に偏芯させて水を供給するよう設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の家畜糞尿輸送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−254419(P2010−254419A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105976(P2009−105976)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】