説明

容器が見えるパッケージ

製品を中に収容するパッケージ。パッケージは、一方が他方の内部に配置された複数の容器(12,14,16)を備える。外側容器により、内側容器がパッケージの外側から見えるようになる。内側容器も、同様に、中の製品がパッケージの外側から見えるようにしてもよい。所望される場合、複数の内側容器が直列にまたは並列に利用されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品を中に収容するためのパッケージに関し、より具体的には、製品をそこから分配するための加圧可能なパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
製品を収容するパッケージは当該技術分野において周知である。そのようなパッケージは、製品をパッケージから分配できるようにするため、分配ノズルまたは分配オリフィスを有することがある。分配ノズルまたは分配オリフィスは、パッケージの頂部付近に分配されてもよいが、他の構成および位置も当該技術分野において既知である。
【0003】
パッケージから製品を分配する起動力としては、ガス状噴射剤、ポンプ(手動および電動の両方)、重力送りシステム、弾性の空気袋などが挙げられる。噴射剤を使用するパッケージは、ボタンに触れることで連続的な分配が可能になるため、特に一般的である。同様に、弾性の袋には、大気圧を超える圧力まで製品で充填されてもよい。どちらの場合も、製品の分配は、製品と周囲との圧力差によって発生する。
【0004】
パッケージに収容され、そこから分配される製品としては、パッケージ材料と適合性があり、かつ目的の用途に適した、ほぼあらゆる種類のガス状、液状、またはデンプン質の材料が挙げられる。非限定的かつ代表的な製品としては、香料、薬剤、空気清浄剤などの空気処理剤、防虫剤、化粧品、清浄剤などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0005】
更に、同じパッケージ内に2つまたはそれ以上の製品を有することが望ましいことがある。製品は、使用の時点における分配プロセスの間に混合されるまで分離されていてもよい。例えば、酵素および漂白剤は、包装の間に不適当な相互作用を起こし、有効性が損なわれることを防ぐため、使用の時点まで分離されていてもよい。
【0006】
製品が、パッケージから分配される前に目に見えるようにすることが望ましいことがある。例えば、このことによって、ユーザが、製品を消耗する前にどの程度残っているかを見ることが可能になり、かつ/または、単に美観的に好ましいことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、分配する前に製品を見ることができる包装には課題がある。製品を消耗すると、可撓性の包装が美観的に望ましくない形体となり、より好ましくないパッケージに結び付くことがある。この課題は、複数の製品を分離して保持する包装の場合に複雑になる。機能的で美観的に好ましい、かつ/または経済的に製造できるパッケージの研究が続いている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、透明または半透明の外側容器と、その中に製品を保持するための透明または半透明の容器とを有するパッケージを含む。どちらかの容器の一部は、ある程度の視認性が維持される限り、不透明であってもよい。本明細書において引用される全ての特許および他の文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1を参照すると、本発明は、複数の容器を備えるパッケージ10である。1以上の容器が互いの内部に配置されて、外側容器12が1以上の容器を中に有するようになっていてもよい。
【0010】
パッケージ10が2つの容器を有する場合、この配置は、パッケージ10が、外側容器12およびその中に配置された内側容器16を有するものとなる。パッケージ10が3つの容器12、14、16を有する場合、この配置は、パッケージ10が、外側容器12と、その中に配置された中間容器14と、中間容器14の中に配置された内側容器16とを有するものとなる。そのような配置では、中間容器14は、外側容器12と内側容器16の間に配置される。
【0011】
複数の容器12、14、16は、それらの中に収容された異なる材料を、使用の時点において分配されるまで実質的に隔離された状態に保つ。分配プロセスの間、またはその後に、材料が混合されてもよい。材料は、一緒にまたは別々に、1以上の最終用途を目的とする1以上の製品、1以上の噴射剤、空気、水などを包含してもよい。
【0012】
製品(1つまたは複数)は、あらゆる分配可能な物質を含んでもよく、本明細書に記載され請求されるパッケージ10を使用して分配されてもよい、ガス状、液状、およびデンプン質の粒子状物質を包含する。単に必要なのは、製品の粘度が、所望の圧力および分配特性を有するパッケージ10から、製品を分配するのに十分に低いものであることである。
【0013】
容器12、14、16は共通の排出部を有してもよい。排出部は、分配オリフィス、排出管、開口、または当該技術分野において既知の他の分配デバイスであってもよい。例示および例証目的のため、ノズルについて考察する。ノズル20は、通常は閉じた位置から押圧されるか、ないしは別の方法で移動されて、容器内に配置された材料の環境への流路をもたらす。例えば、1つの好適なタイプのノズル20は、通常は閉じた噴霧オリフィスである。或いは、1つの容器の内部に配置された製品を環境に分配する流路を開くため、トリガー、カムなどが利用されてもよい。好適なノズル20は、エウォルド(Ewald)に発行された米国特許第3,690,515号、ポップギンスバック(Popp-Ginsbach)に発行された米国特許第4,940,170号、ミューラー(Mueller)に発行された米国特許第4,964,539号、エリオン(Ellion)らに発行された米国特許第5,497,911号、およびロゼンノ(Losenno)らに発行された米国特許第5,839,623号に開示されている。
【0014】
所望される場合、容器の1以上がディップチューブを有してもよい。ディップチューブは、製品を、その容器の底部から排出部まで移動させるのに使用されてもよい。
【0015】
パッケージ10をより詳細に検討すると、容器12、14、16の1以上は半透明または透明であってもよい。半透明とは、見る者が容器の中に製品が存在することを認識するのに十分な程度、光が容器の壁を通り抜けられることを意味する。透明とは、光が、容器の壁と、壁の他方の側に認められる像とを通り抜けられることを意味する。どちらの場合も、透明な容器12、14、16、または半透明の容器12、14、16を有することで、その中の製品または容器14、16はパッケージ10の外側から見える。
【0016】
本発明による一実施形態では、外側容器12は透明または半透明である。このことにより、その中の中間容器14または内側容器16がパッケージ10の外側から見えるようになる。更に、外側容器12内に分配されるあらゆる材料も、同様にパッケージ10の外側から見える。
【0017】
外側容器12は硬質であってもよい。硬質とは、通常の使用時の力、またはパッケージ10の内容物の消耗に応じて、容器12、14、16の形状またはサイズが実質的に変わらないことを意味する。硬質の外側容器12により、パッケージ10を便利に輸送したり、保管したり、陳列したり、卓上に置いたりなどすることが可能になる。更に、硬質の外側容器12は、パッケージ10が落下したり、ないしは別の方法で外乱を受けた場合の保護をもたらす。外側容器12に適した材料としては、意図される加圧に適したいずれかの壁厚の、プラスチック、ガラス、それらの組み合わせなどが挙げられる。
【0018】
内側容器16および/または中間容器14(存在する場合)は、同様に、透明または半透明であってもよい。透明または半透明の中間容器14により、その中の製品ならびにあらゆる内側容器16がパッケージ10の外側から見えるようになる。同様に、透明または半透明の内側容器16により、その中の製品がパッケージ10の外側から見えるようになる。当然ながら、ディップチューブが存在する場合、それは、容器14、16の外側のあらゆる容器12、14が同様に透明または半透明であれば、あらゆる透明または半透明の容器12、14、16の内部で目に見えることは明白であろう。ディップチューブ、バルブアセンブリおよび/またはバルブカップ24(存在する場合)もまた、透明/半透明であってもよい。
【0019】
本発明のパッケージ10と共に使用するのに適した材料としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフチレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド類(PA)、および/またはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC);ならびにポリスチレン(PS)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0020】
本発明による透明な容器12、14、16は、スペクトルの可視部、約410〜800nmにおいて、25%超過、30%超過、40%超過、または50%超過の透過性を有してもよい。或いは、容器12、14、16の吸収性は、0.6未満として、または25%超過の透過性を有することによって測定されてもよく、その際、透過率は(1/(10exp(吸収性)))×100%に等しい。本発明の目的のため、可視光範囲内のある波長が25%超過の透過性を有する限りにおいて、各容器12、14、16は透明/半透明であると見なされる。
【0021】
透明および半透明とは、完全に透明または半透明の内側容器16、中間容器14、および/または外側容器12を包含することを意味する。透明および半透明という用語はまた、透明および/または半透明の区域を有する内側容器16、中間容器14、および/または外側容器12を包含する。透明または半透明の区域は、例えば、上半分、底部分など、それらの容器の区画であってもよく、窓またはポータルであってもよく、不透明な区域と交互になった縞状などであってもよい。
【0022】
内側容器16および/または中間容器14は、硬質または可撓性であってもよい。可撓性とは、容器12、14、16が、ユーザによって加えられる力または内容物の消耗のいずれかによって、一般的な使用の間に、その形状またはサイズが変わることを意味する。例えば、可撓性の容器12、14、16は、内容物がそこから分配されることによって、容積がより少なくなってもよい。可撓性の容器12、14、16が望ましい場合、好適な材料としては、透明度/半透明度が所望に応じて少なくとも部分的に与えられるという了解の下で、エラストマー類、天然または合成ゴム、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ナイロン類など、或いはそれらの混合物/組み合わせが挙げられる。
【0023】
図2を参照すると、内側容器16、外側容器12、および中間容器14(存在する場合)は、共通の排出部を有してもよい。共通の排出部は、開口部と並置されたフランジ22を包含してもよい。開口部は、ほぼ平面の開口部であると共に、外側容器12上に配置されてもよく、または、開口部は、非平面であると共に、内側容器16および/または中間容器14上に主に配置されてもよい。
【0024】
製品は、容積流量システムを使用して、内側容器16、中間容器14、および/または外側容器12内に配置もしくは挿入されてもよい。1つの好適な容積流量システムは容量ピストン(volumetric piston)である。容量ピストン(volumetric piston)は線状の押し退け量を有する。線状の押し退け量は、当該技術分野において既知のように、チャンバから製品を挿入して、加圧下で製品をそのチャンバから所望の容器14、16内に移動させる。
【0025】
内側容器16は、全体的または部分的に、中間容器14の流路の流路内で同軸に配置された流路を有してもよい。同軸の流路は、フランジ22からスワールチャンバと並置された地点まで延びてもよく、各容器それぞれから延びる導管を備えてもよい。外側導管は、共通の長さの全体または一部に沿って、内側導管に完全にまたは部分的に外接してもよい。
【0026】
スワールチャンバは、ノズル20の上流に配置される区域である。スワールチャンバは、内側容器および中間容器14からの材料の相互混合を可能にするのに十分な容積を有してもよい。スワールチャンバ内の材料は、周速度成分によって、混ざり合い、次にノズル20を通して外に出てもよい。
【0027】
以下の考察は、外側容器12と併せて使用される、バルブカップ24を有するパッケージ10に言及する。ただし、本発明はそれだけに限定されない。バルブカップ24は、内側容器16または中間容器14と併せて使用されてもよい。バルブカップ24は、バルブアセンブリを外側容器12に固定するのに使用されてもよい。
【0028】
バルブアセンブリは、対応する容器から製品を分配するための流路を開く、可動の心軸またはプラグを包含してもよい。典型的には、加圧式パッケージ10には金属のバルブカップ24が使用され、加圧されないパッケージ10にはプラスチックのバルブカップ24が使用される。ただし、金属のバルブカップ24は、類似のプラスチックのバルブカップ24よりも高価であり、外側容器12に取り付けるため、金属のフランジ22の塑性変形を必要とする。このプロセスは、専用の組立て機械装置を必要とし、また、過度の組立て時間と、外側容器12の首部26に対する過度の応力とが求められることがある。
【0029】
プラスチックのバルブカップ24が利用される場合、組立て手順は簡略化することができる。バルブカップ24は、外側容器12の首部26の中または外側に挿入することができる。バルブカップ24は、容器の内部または外部の加圧に十分に耐えられるいずれかの好適な液密または蒸気気密方式で、容器首部26に接合されてもよい。首部26とバルブカップ24を接合するため、プレス嵌め、締まり嵌め、すきま嵌めが利用されてもよい。接合はまた、摩擦溶接、溶剤溶接、高周波溶接、接着剤、またはそれらの組み合わせによって達成されてもよい。所望される場合、中間材料または構成要素が適当な封止をもたらす限りにおいて、そのような材料または構成要素がバルブカップ24と首部26の間に配置されてもよい。
【0030】
接合はまた、首部26およびバルブカップ24の一方の上に突出部を有して、それらの構成要素を互いに保持するスナップ嵌めをもたらすことによって達成されてもよい。一実施形態では、突出部は、容器首部26、バルブ、またはそれらの組み合わせの内表面もしくは外表面上に連続して配置された複数のフランジ22を備えてもよい。一実施形態では、フランジ22の1以上は環状リングを含んでもよい。環状リングなどの複数のフランジ22は、連続して配置されてもよい。
【0031】
容器の首部26は、いずれかの好適なサイズ、幾何学形状、および/または断面のものであってもよい。したがって、丸い断面が示されているが、本発明はそれに限定されない。首部26は、パッケージ10の長軸に平行であるか、垂直であるか、またはそれらの間のいずれかの角度であってもよい。更に、首部26は、パッケージ10の長軸に対して同心または偏心であってもよい。首部26は開口部寸法32を有する。開口部寸法32は、パッケージ10の中心から、首部26を形成する壁の中心まで延びる。
【0032】
図6を参照すると、容器は接合長さ30を更に有してもよい。接合長さ30は、首部26に平行に得られてもよい距離であり、その距離にわたって、首部26およびバルブカップ24が互いに接合されて、封止を形成してもよい。一実施形態では、首部26は突出部36を備えてもよく、バルブカップ24は、そのような突出部36を受け入れるチャネル34を備えてもよい。
【0033】
或いは、首部26はチャネル34を備えてもよく、バルブカップ24は、チャネル34内に受け入れられる突出部36を備えてもよい。いずれの実施形態でも、突出部36がチャネル34に受け入れられる長さは、接合長さ30と一致してもよい。図6は、バルブカップ24の内壁および外壁、チャネル34、ならびに突出部36の特定の配置を示すが、本発明はそれに限定されない。この幾何学形状は、パッケージ10の長軸に対して反転するように置き換えられてもよい。
【0034】
接合長さ30は、開口部寸法32に応じて決まってもよい。首部26が円形ではない場合、開口部寸法32は、パッケージ10のその首部26における最大開口部寸法32として得られる。容器12、14、16の内部加圧および外部加圧に対する適切な封止をもたらすため、パッケージ10は、少なくとも1、1.25、1.5、1.75、2、または2.5の、接合長さ30と開口部寸法32の比を有してもよい。
【0035】
この構成により、プラスチック容器、および/またはプラスチックのバルブカップ24と共に使用された場合、使用される合計の材料がより少なくてもよいという利益が得られる。例えば、従来技術の現行のシステムを利用するには、クリンプを形成する追加材料が必要であった。けん縮プロセスは金属の外側容器12を利用していたため、形成するのが困難なことがある。しかし、本発明のプラスチック容器および/またはプラスチックのバルブカップ24を利用するとき、上述の比は有利であり得る。
【0036】
所望される場合、ガスケット38がチャネル34内に配置されてもよい。ガスケット38は、チャネル34の内表面に、または、チャネル34内に受け入れられる突出部36の内側もしくは外側に取り付けられてもよい。ガスケット38は、所望の加圧に対する封止に適した、ゴム、PET、ポリエチレン、ウレタンなどのあらゆる軟質の材料を含んでもよい。当然ながら、複数のガスケット38が連続して利用され、突出部36およびチャネル34の表面のあらゆる組み合わせの上に配置されてもよい。
【0037】
所望される場合、ガスケット(1つまたは複数)38は、プラスチックのバルブカップ24、または容器のプラスチックの首部26と一体であってもよい。ガスケット(1つまたは複数)38は、製造プロセスの一部として、バルブカップ24または首部26の形に成形されてもよい。或いは、バルブカップ24および/または容器の首部26は、ガスケット38の必要性をなくすように、軟質で柔軟な材料で作られてもよい。
【0038】
更に別の実施形態では、内側容器16または中間容器14(存在する場合)はガスケット38を設けてもよく、或いはその必要性をなくしてもよい。そのような構成は、柔軟な内側容器16または中間容器14(存在する場合)を利用してもよい。柔軟なとは、容器14、16の材料を、外側容器12の形状および表面に適合させることができることを意味する。所望される場合、内側容器16または中間容器14は、バルブカップ24、バルブハウジング、ディップチューブ、または外側容器12の首部26に対して封止されてもよい。
【0039】
図3を参照すると、所望される場合、複数の内側容器16が並列に配置されてもよい。この構成により、ほぼ均等な容積が可能になり、したがって、利用され同時に分配される材料の量がほぼ均等になる。しかし、並列に配置される複数の内側容器16は、形状、容積、外側容器12内での位置、色、透明度/半透明度/不透明度、流量が同じであるか、または異なってもよく、また、同じもしくは異なる材料および/または噴射剤を収容してもよい。同様に、内側容器16および中間容器14は、形状、色、透明度/半透明度/不透明度、流量が同じであるか、または異なってもよく、同じもしくは異なる材料および/または噴射剤を収容してもよい。
【0040】
当然ながら、例証目的のため、2つの内側容器16が示されているが、本発明はそれに限定されない。所望に応じて、3つまたはそれ以上の内側容器16が利用されてもよい。更に、他の内側容器16と並列に配置される内側容器16の1以上は、中間容器14の内側に配置されてもよい。そのような構成により、他の中間容器14と並列に配置され、1以上の内側容器16をそれぞれ中に有する、1以上の中間容器14の複合システムがもたらされる。
【0041】
複数の内側容器16が並列に配置される場合、内側容器16は共通の流路内に排出してもよい。流路は、図示されるように環状であってもよく、または、互いに流体連通している1つの脚と2つの分岐とを有する、反転した「T」もしくは「Y」字形であってもよい。流路の各分岐は、内側容器16の1つと流体連通している。流路の脚は、スワールチャンバまたは流路の別の下流区域と流体連通している。
【0042】
図4を参照すると、内側容器16および/または中間容器14は、容器がその内容物を消耗すると優先的に潰れるようにする、弱化区域40を有してもよい。弱化区域40は、より薄い/より厚い壁厚、ヒンジ線、より低い/より高い剛性を有する異なる材料を有する容器の区域、および/または所望の潰れを促進する幾何学形状を有する区域を含んでもよい。そのような優先的な潰れは、その容器の内容物を完全に消耗できるようにする助けとなり、また、その容器の容積が縮むときに、美観的に望ましい外観をもたらすことができる。
【0043】
弱化区域40は、ヒンジ線として作用するリブを備えてもよい。リブは、ほぼ長手方向に向けられ、パッケージ10の長軸に実質的に平行に配置されてもよい。この構成により、内側容器16および/または中間容器14から材料が分配されるにつれて、それらの直径もしくは他の断面積が縮小することが可能になる。或いは、リブ/ヒンジ線は、容器の断面にほぼ平行に、かつパッケージ10の長軸にほぼ垂直に向けられてもよい。或いは、リブ/ヒンジ線は対角線上に向けられてもよい。当然ながら、上述の幾何学形状の組み合わせが同様に利用されてもよい。
【0044】
当然ながら、弱化区域40は、異なる方向で延びる複数の向きのものであってもよい。弱化区域40は、容器の周囲で均等にまたは不均等に周囲方向の間隔を空けられてもよく、また、同じまたは異なる脆弱性、サイズ、長手方向位置、半径方向位置、周囲方向位置などのものであってもよい。容器の所望の潰れをもたらすあらゆる構成が好適であってもよい。
【0045】
図5A〜5Bを参照すると、内側容器16および/または中間容器14(存在する場合)は長軸を規定してもよい。長軸は、内側容器16、中間容器14、外側容器12、またはパッケージ10の主要寸法に沿った、ほぼ長手方向に向けられた方向である。内側容器16、中間容器14、および/または外側容器12はそれぞれ、排出部と並置された近位端44と、そこから離れた遠位端46とを規定してもよい。
【0046】
内側容器16および/または中間容器14の遠位端46は、反転部42をもたらすように、それ自体の上に反転してもよい。反転部42は、各容器の近位端44に向かって逆向きに凹入して延びる。反転部42は、一般に、特に長軸に平行な方向で、その容器14、16の残余部分よりも剛性が低いものであってもよい。
【0047】
別の実施形態では、中間容器14および/または内側容器16は、加圧および/または充填の際、入れ子状になってもよい。これにより、所望に応じて、その容器14、16が長手方向に拡張する。
【0048】
材料が、反転部42を有する容器内に配置されたとき、反転部42は、長軸に平行に、近位端44から離れる方向で拡張してもよい。長軸に平行に拡張した後、容器は、長軸に対して半径方向に拡張してもよい。材料をそこから取り出す際、容器は逆の順序で潰れてもよい。そのような拡張により、十分な遮断性を有する材料を、内側容器16および/または中間容器14に利用し、そのような容器の拡張/潰れがそれぞれ、容器に材料を挿入する際、またそこから取り出す際に生じることが可能になる。
【0049】
この構成は、内側容器16または中間容器14(存在する場合)の遠位端46が、外側容器12の内表面に接触してもよいという利益をもたらすことがある。そのような接触は、外側容器12の遠位端46、周辺(周囲方向にて得られる)、またはそれらの両方において発生する。そのような接触は、パッケージ10が落下した場合、内側容器16および/または中間容器(1つもしくは複数)14に対する接触を通して、動荷重が外側容器12から伝達されるという利益をもたらす。このことにより、パッケージ10が落下した際に偶発的に破裂する可能性が低減されてもよい。
【0050】
所望される場合、内側容器16および/または中間容器14は、その容器14、16の近位端44において、より剛性であるか、ないしは別の方法として、圧力に対する抵抗がより高くてもよい。これは、内容物が分配されるにつれて、その容器14、16のより均一な潰れが発生してもよいという利益をもたらす。外圧を包含する圧力に対する抵抗のそのような増加は、より剛性の材料、増加した断面係数(sectionmodulus)、増加した壁厚などを有することによって達成されてもよい。潰れに対する増加した抵抗は、その容器14、16の近位端44が近付くにつれて、または1以上の工程が機能するにつれて増加する勾配としてもたらされてもよい。
【0051】
再び図1を参照すると、外側容器12および/または中間容器14は噴射剤を収容してもよい。噴射剤は、1以上の中間容器14および内側容器16から内容物を分配するか、ないしは別の方法で排出するのに使用されてもよい。好適な噴射剤としては、窒素、二酸化炭素、空気、亜酸化窒素、アルゴンなどを包含するが、それらに限定されない、かつ不活性であるという利益を有する圧縮性噴射剤が挙げられる。好適な噴射剤としては、フルオロカーボン、炭化水素、ヒドロフルオロカーボンなどを包含するが、それらに限定されない、かつ分配中の圧力が一定であるという利益を有する凝縮性噴射剤が挙げられる。
【0052】
凝縮性噴射剤が望ましい場合、外側容器12の容積を真空にしてもよい。この真空により、凝縮性噴射剤からの圧力が最小限に抑えられて、パッケージ10の使用中、圧力が大きくなり過ぎることを防ぐ。
【0053】
凝縮性または圧縮性の噴射剤が望ましい場合、噴射剤は、カプセル、顆粒などの物質の固体状態として、容器内に配置されてもよい。固体は、パッケージ10から材料を分配する際に、分配の間に発生する圧力の低下によって破裂してもよい。
【0054】
それに加えて、または別の方法として、噴射剤が昇華して、外側容器12内に所望の圧力をもたらしてもよい。例示的な噴射剤としては、ドライアイス、およびガスを発生させる酸/塩基の組み合わせが挙げられる。一般に、噴射剤の低温充填剤が利用されてもよい。低温充填剤が望ましい場合、容器12、14、16それぞれの底部は、必要に応じて補強されてもよい。所望される場合、低温噴射剤は、美観目的でカップ内に収容されてもよい。
【0055】
パッケージ10には、以下のように製品が装填されてもよいが、当業者であれば、例示の工程が行われる順序には柔軟性があることを認識するであろう。第一に、外側容器12が提供される。外側容器12には、大気圧で噴射剤が充填されてもよい。中間容器14が、所望される場合外側容器12に挿入される。中間容器14は、分配前、ならびに保管、輸送、および取扱いの間に予期されるパッケージ10の加圧に十分に耐えられる液密の関係で、外側容器12に接合される。
【0056】
次に、分配される製品および/または噴射剤の装填材料が、中間容器14に挿入されてもよい。装填材料は、加圧下で中間容器14に挿入されて、容器を拡張させてもよい。中間容器14の拡張により、中間容器14と外側容器12の間の有効容積が減少する。そのような有効容積の減少により、外側容器12内の噴射剤が加圧される。噴射剤は、大気圧で、それよりも高い圧力で、または更にはそれよりも低い圧力で保持されてもよい。そのような噴射剤の加圧により、噴射剤が、中間容器14から製品を分配するのに有用になる。この作業により、当該技術分野において一般的な注入口を必要とせずに、容器を充填することが可能になる。
【0057】
所望される場合、このプロセスが内側容器16に対して繰り返されてもよい。当然ながら、製品および/または噴射剤は、内側容器16、外側容器12、および中間容器14のあらゆる可能な組み合わせに収容されてもよいことが認識されるであろう。したがって、外側容器12が製品を収容してもよく、内側容器16および/または中間容器14が製品および/または噴射剤を収容してもよい。反対に、中間容器14が製品を収容してもよく、内側および/または外側容器12が製品および/または噴射剤を収容してもよい。
【0058】
ほぼ垂直に向けられた長軸を有する断面の丸いパッケージ10が示されているが、本発明はそれに限定されない。パッケージ10は、水平に向けられた、あらゆる所望の断面または向きおよびサイズのものであってもよい。断面は一定または不定であってもよい。サイズおよび幾何学形状は、単に、パッケージ10に収容される材料の意図される用途に適したものでなければならない。同様に、図示されるパッケージ10は、パッケージ10の頂部と並置された分配開口部を有する。やはり、本発明はそれに限定されない。分配開口部は、例えば、重力排水システムに便利であるように、パッケージ10の底部と並置されてもよく、または、あらゆる中間位置で配置されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明によるパッケージの垂直立面図。
【図2】図1に示されるものに類似のパッケージであり、長手方向ヒンジ線を有する反転部を備えた内側容器と、周囲方向ヒンジ線を有する反転部を備えた中間容器とを有し、反転部が、反転部の右側では均一に間隔を空けたヒンジ線を有し、反転部の左側では不均一に間隔を空けたヒンジ線を有するパッケージの変形実施形態の垂直断面図。
【図3】並列に配置された2つの内側容器を有し、その内側容器の1つが非対称の反転部を有する、代替実施形態の垂直断面図。
【図4】弱化区域を有する、代表的な内側容器または中間容器の側面立面図。
【図5A】図4の容器の遠位端の拡大断片図。
【図5B】容器の遠位端の代替実施形態の断片図。
【図6】本発明によるバルブカップの代表的な取付けの拡大断片概略図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側容器;
その中に配置された内側容器;
パッケージの外側から見えることを特徴とする、前記外側容器と前記内側容器の間に配置された中間容器を備え;前記中間容器および前記内側容器からの共通の排出部を有し、前記内側容器内に配置された第1の材料と前記中間容器内に配置された第2の材料とを、前記材料の両方を同時に分配するまで互いから隔離させておくことができる、パッケージ。
【請求項2】
前記共通の排出部が同軸の流路を備え、前記内側容器および中間容器それぞれからの、前記第1の材料および前記第2の材料の一方が他方の内部に配置され、前記流路が、前記第1の材料および前記第2の材料を前記パッケージから放出するノズルまで延びることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
ほぼ平面のフランジを有し、前記容器の少なくとも2つが前記フランジと並置されたほぼ平面の開口部を有し、前記同軸の流路が実質的に前記フランジから前記ノズルまで延びることを特徴とする、請求項1または2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記内側容器および前記中間容器が両方とも、前記パッケージの外側から見えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記内側容器、前記中間容器、および前記外側容器が透明であることを特徴とする、請求項4に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記内側容器がひだ付きであり、前記内側容器から材料を取り出す際に前記ひだが収縮することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記中間容器が、そこから材料を取り出す際に折り畳めることを特徴とする、請求項6に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記中間容器内に噴射剤を含み、前記噴射剤が前記内側容器から内容物を分配するのに使用可能であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項9】
複数の内側容器を備え、前記内側容器がそれぞれ前記中間容器の内部に配置されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項10】
前記複数の内側容器が、共通の開口部を通して並行して分配するように配置された、請求項9に記載のパッケージ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2009−533292(P2009−533292A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506020(P2009−506020)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【国際出願番号】PCT/IB2007/051379
【国際公開番号】WO2007/119222
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】