説明

容器を搬送する方法及びその方法を実施する装置

底(102)と該底の反対側の端部にある口(103)とを有する本体を備えた容器(100)を搬送する方法であって、容器と共に移動可能なサポートによって容器の底の部分で個々の容器を支持し、容器の搬送経路上で容器の口をセンタリングするステップであって、センタリングは容器の口(103)の近傍で容器の部分をクランプすることによって行うステップと、支持された容器を移動するステップと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を搬送する方法に関し、例えば、容器を処理する装置によって容器を移動することに適し、装置は、洗浄機、乾燥機、フィルター、クローザー及びラベラーを備える。また、本発明はこのような装置に関する。特に、本発明は、経路に沿って搬送する容器を把持する部材を含む装置によって、少なくとも部分的に環状の経路に沿って容器を動かすことに適用する。
【背景技術】
【0002】
知られている装置は、個々のプラットフォームの周囲を回る容器の搬送経路を規定するため、隣接する複数のプラットフォームを有するスタンドを備える。個々のプラットフォームは、それを完全に係合することによって容器の底を支持するサポートを備える。複数の回転式の搬送スターは、複数の回転プラットフォームの間に取り付けられ、容器本体の輪郭の半分を受容し、二つのプラットフォームのサポート間のスタンドに対して静止して延在するサポート上で容器を動かすためのセルを有しており、搬送スターが一つのプラットフォームから他のプラットフォームへ容器を搬送し、容器が支持される。これは、容器本体の形状に対応する形状を有するツーリングを必要とする。
【0003】
現在、複数の隣接する回転プラットフォームを有する装置があり、その内の一つは容器の底に完全に係合するように配置されたサポートを有し、他の一つは個々の容器本体を把持する手段を有する。クランプなどの把持手段は個々の容器を把持するために配置され、経路が一方のプラットフォームから他方のプラットフォームへ通る。これは、個々のタイプの容器に特有の利用可能な把持ツーリングを必要とする。
【0004】
本発明の目的は、個々のタイプの容器に特有の把持ツーリングに依存することを制限しつつ、容器処理装置で容器を搬送することを目的とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のため、本発明は、底と底の反対側で口とを有する本体を備える容器を搬送する方法であって、容器と共に移動可能なサポート手段により、個々の容器を底の部分で支持し、容器の搬送経路上で容器の口を中心にセンタリングするステップと、このようにして支持された容器を移動するステップとを含む方法を提供する。
【0006】
したがって、容器は、主として、個々の容器の底の部分にのみ係合するサポートによって把持され、容器はサポート上において特別の幾何学的制約を与えられない。摩擦は個々の容器の底の部分のみに制限され、容器はサポート上に置かれ又はそこから移動する。
【0007】
好ましくは、個々の容器のセンタリングは、容器の口の近傍において容器の部分をクランプすることによって行われる。
【0008】
これは動かされる容器の安定性を改善する。把持機能は本質的にサポートによって行われるため、このような状況下で容器をしっかりとクランプすることは必要ではなく、クランプすることは、口を確実にセンタリングすることによってもたらされる。更に、全ての容器は、一般に、底と首を有し、搬送目的のために容器本体の二つの部分を使用することは、例えば、容器の高さと関係する少しばかりの調整をすることにより、種々の容器に対して共通するツーリングを使用することを可能にする。
【0009】
好ましくは、個々の容器は底の約半分で支持される。
これは、容器を有効に支持することと、摩擦を減少することとの折衷案であり、丁度良い構成をもたらす。
好ましくは、容器は上流のプラットフォームから下流のプラットフォームの方に搬送され、二つのプラットフォームは個々の容器のためのサポートを備え、容器は搬送中に上流のプラットフォームのサポートから分離され、そして、分離は上流のプラットフォームのサポートを下げることにより、又は下流のプラットフォームのサポートを上げることによって行われる。
これは、一つのプラットフォームから他のプラットフォームに容器を搬送することを容易にする。
【0010】
本発明は容器を処理する装置であって、容器は底と底の反対側で口を有する本体を備え、装置は、容器の底を支持する少なくとも一つのサポートを有する少なくとも一つの回転プラットフォームを備え、サポートはプラットフォームと共に回転することが制限され、個々の容器の底の部分のみを支持するように配置されている。装置は、予め規定された容器の口をセンタリングする装置を含む。
【0011】
したがって、個々の形状の容器に特有のツーリングに依存することが制限される。更に、摩擦が個々の容器の底の支持部に制限され、容器はサポート上に置かれ、又はそこから移動する。
【0012】
好ましくは、サポートは経路よりは長く延びない。これは、サポートの有効性と外径寸法との間で丁度良い構成をもたらす。
【0013】
第1の実施形態において、サポートは、少なくとも一つの容器を支持するためにプラットフォームの少なくとも一部の周りに延びる少なくとも一つのリング部をを備える。この実施形態は特に簡易である。
【0014】
第2の実施形態において、装置は、一つの容器を支持するように配置された複数のサポートを有する。特に、個々のサポートは、サポートがばねによって弾性的に付勢されている高位置と静止カムによって動かされた低位置との間で、水平軸の周りを枢動するように取り付けられた座を備える。
【0015】
座の移動は、摩擦を無くし、容器の底と干渉する座のリスクを制限し、容器がプラットフォーム上に置かれるようにする。
【0016】
好ましくは、装置は、少なくとも二つの隣接するプラットフォームを備え、個々のプラットフォームは、プラットフォームの少なくとも一部分の周りに延びる容器搬送経路を有する少なくとも一つのサポートを備え、サポートは、経路が一方のプラットフォームから他方のプラットフォームへ通る点において、互いに対して接する方向にある。
【0017】
したがって、容器は一方のプラットフォームから他方のプラットフォームへ搬送され、摩擦を制限し、容器の安定性を高める。
【0018】
本発明の他の特徴及び効果は、本発明の実施形態の以下の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の装置の平面図である。
【図2】装置の部分斜視図である。
【図3】図2の領域IIIの拡大図である。
【図4】図1の領域IVの斜視図である。
【図5】図1の領域Vの斜視図である。
【図6】図1の領域VIの拡大図である。
【図7】異なる実施形態の装置の部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜6を参照すると、本発明による装置は、容器を処理する装置であり、参照符号100が付されている。容器は、底102と底102の反対側で首104の端部に口103を有する本体101を備え、口には処理の最後にキャップ105が嵌められる。
【0021】
装置はスタンド5を備え、スタンド5には複数の隣接するプラットフォーム10,20,30,40,50が取り付けられ、複数のプラットフォームは、二つの搬送スター(入口プラットフォーム10と出口プラットフォーム20)、吹き付け又は他の処理を実施する回転プラットフォーム(プラットフォーム30)と、充填する回転プラットフォームと、キャップを嵌める回転プラットフォームとを構成する。プラットフォーム30,40,50は、図示しない吹き付け装置、濾過装置及びキャップ装置によって、上に置かれる。
【0022】
装置は、この装置を通る容器が進む経路1を規定し、容器100の口103の中心が経路1上でセンタリングされる。経路はプラットフォーム10,20,30,40,50の部分の周りに延びる。装置は、容器100を装置に挿入するための送り装置を含み、送り装置は容器100をプラットフォーム10の上で移動し、プラットフォーム20によって搬送された容器100を引き取るのための取り外し装置を含む。例によって、これらの装置は、符号7の装置などのウォームねじ装置であり、容器を装置に挿入させるのに使用される。
【0023】
プラットフォーム10,20,30,40,50のそれぞれは、その底部に一組のサポートを備える。個々のサポートは符号60で示されている。プラットフォーム30は、符号70のサポートを備える。サポート60,70は、対応するプラットフォーム10,20,40,50,30に対して回転することが制限される。
【0024】
個々のサポート60は、プラットフォーム10,20,40,50の下に延びるコラム61を備え、プラットフォームに蝶番で装着された固定具62を有する自由端を備える。固定具62は、座を形成する一端と、ばね65(特に、図3参照)によって対応するプラットフォーム10,20,40,50に接続する反対側の端部64とを備える。固定具62は、座63の低位置と高位置との間で移動可能であり、ばね65は座63の高位置の方に固定具を戻す。高位置は、コラム61に固定された隣接部によって規定され、固定具62の部分67は、座63が高位置にあるときに支持する。端部64はプラットフォーム10,20,40,50に垂直な軸の周りを回転可能であるホイール68を備え、対応するプラットフォームの回転中に、スタンド5に固定されると共に固定具62を座63の低位置に配置するカム69と協働する。
【0025】
サポート70は、プラットフォーム30(特に、図3及び4を参照)の軸の周りに配置されたリング部71を備える。リング部71は一定の高さにある。
【0026】
座63とリング部71は、底102の半分だけを支持するために配置され、経路1まで延びている。従って、容器100は、経路1が一つのプラットフォームから他のプラットフォームへ通過し、サポート60,70が互いに対して接する方向の領域で、一つのプラットフォームから他のプラットフォームに直接的に搬送される。
【0027】
個々のプラットフォーム10,20,40,50は、その頂部において、サポート60,70上で容器100を保持する符号90で示されたクランプを備える。
【0028】
個々のクランプ90は二つのアーム91,92を備え、これらアームは、口103又は特には首104の近傍で本体101をクランプするV字形状の切欠き91.2,92.2を備える顎91.1,92.1を形成する部分を有する(首104に係合するキャップ105をクランプするプラットフォーム20に固定されるクランプ90を除く)。個々のクランプ90のアーム91は、軸91.3の周りで対応するプラットフォーム10,20,30,40,50にヒンジで動くように固定されている。アーム92は、軸92.3の周りで対応するプラットフォーム10,20,30,40,50と他のアーム91の両方にヒンジで動くように固定され、これにより、アーム91,92は、対応するプラットフォーム10,20,30,40,50の半径方向の周囲において対称的に開く。軸91.3,92.3は垂直であり、プラットフォームの半径方向に垂直に交差する。軸91.3は、顎91.1を形成する部分とは反対側の端部91.4に取り付けられ、対応するプラットフォームの回転中に、カム94と協働するために、垂直軸ホイール93を支持するレバー91.5を備える。カムは、スタンド5に対して静止していると共に、アーム91の枢動を制御して、それを開くように配置されている(ホイール93とカム94はプラットフォーム30で図示されていない)。軸92.3は、顎92.1を形成する部分とは反対側の端部92.4に取り付けられている。軸92.3は、腕91に形成されると共に丸い切り込みにより形成されたハウジング91.6に係合する水滴形状の自由端を有するレバー92.5を備えている。これにより、開口位置へ動く腕91は、同じ振幅で開口位置に向かって腕92を動くようにする。圧縮コイルばね95は、レバー91.5と顎92.1を形成する部分の間で延び、腕91,92をそれらの閉鎖位置へ戻す。
【0029】
従って、クランプ90は、異なる直径を有する首の経路1で中心に位置決めされた口103を保持するのに適する。したがって、図5において、プラットフォーム50に固定されたクランプ90は、容器の首104の底部によって容器100を保持している。一方、プラットフォーム20のクランプ90は、首104に係合したキャップ105を介して容器を保持している。キャップは、ネックの外径よりも大きい外径を有する。
【0030】
図7の変形例は、個々のサポート260,270(図において、一つのアイテムのみが示されている)が係合した二つのプラットフォームを有する装置を示す。個々のサポートは、外周に歯を有するディスク又はリングを備える。個々のサポートの歯は、他のサポートの二つの隣接する歯の間の接触点で交互配置される。
【0031】
従って、容器は、プラットフォームの半径方向で測定されたときに、それらの底の全幅に渡り支持されるが、その一方、その半径方向に対して横に測定されたとき底の僅かな寸法で支持される。
【0032】
従って、サポート260,270の二つの歯は、複数のプラットフォームの間の接触点で同じ容器を同時に支持することができる。
【0033】
必然的に、本発明は、説明された実施形態に制限されるものではなく、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内で種々の実施形態をカバーする。特に、装置は、多数のサポート60及び/又はサポート70を備えることができ、一つのみのサポート60又はサポート70を備えることもできる。
【0034】
個々のサポート70は、一つの一体リングを備える。
サポート60,70は、容器の底の大凡半分と係合するが、容器の底の全部とは係合することができない。
【0035】
それにもかかわらず、装置は、サポート60,70に類似したサポートと、容器の底と完全に係合する伝統的なサポートの両方を含むことができる。
【0036】
サポート60,70は、垂直軸のねじ及びナットシステム、又はリニア電気アクチュエータ又はジャックなどの他の手段で調整可能な高さとすることができる。サポート60のシート63を変形可能な平行四辺形装置を介してコラム61に接続することによって、容器の高さに自動的に適合するサポートを有することができる。
【0037】
クランプの構造は、容器が底を介して支持される方法とは完全に独立である。サポート上で容器を保持する他の装置、特に、弾性クランプ、個々に制御されたクランプ、セルで容器を保持するためのレールに面する開口セル、が考えられる。
【0038】
クランプは、首以外の容器本体の部分、例えば本体の中心部分で容器を把持することができる。
【0039】
好ましくは、装置において、少なくとも一つのサポートが垂直方向に移動可能であることが良く、垂直に移動可能なサポートは、下流に配置され、容器の底を支持するために上昇し、上流に配置されたサポートからそれを持ち上げ、及び/又は垂直方向に移動可能なサポートは、上流に配置され、下流に配置されたサポートに容器を載せるために下がる。サポートの上下方向の移動は、カム69などのカムによって実施される。これは、容器の搬送を容易にし、上流のプラットフォームから下流のプラットフォームに搬送されながら、倒れるリスクを制限する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底(102)と該底の反対側の端部にある口(103)とを有する容器を搬送する方法であって、
容器と共に移動可能なサポートによって容器の底の部分で個々の容器を支持し、容器の搬送経路上で容器の口をセンタリングするステップであって、センタリングは容器の口(103)の近傍で容器の部分をクランプすることによって行うステップと、
支持された容器を移動するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
個々の容器(100)は該容器の底(102)の半分を支持されている請求項1に記載の方法。
【請求項3】
容器は上流のプラットフォームから下流のプラットフォームの方に搬送され、これらのプラットフォームは個々の容器を支持し、容器は搬送中に上流のプラットフォームのサポートから分離される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
分離は上流のプラットフォームのサポートを下げることによって行われる請求項3に記載の方法。
【請求項5】
分離は下流のプラットフォームのサポートを上げることによって行われる請求項3に記載の方法。
【請求項6】
底(102)と該底の反対側の端部にある口(103)とを有する容器(100)を処理する装置であって、
容器の底を支持する少なくとも一つのサポート(60,70)を有する少なくとも一つの回転プラットフォーム(10,20,30,40,50)を備えた装置において、
サポートは、プラットフォームと共に回転すると共に個々の容器の底の部分のみを支持するように配置され、
容器搬送経路上で容器をセンタリングするセンタリング装置を含み、該センタリング装置は口(103)の近傍で個々の容器の部分をクランプすることによって容器をセンタリングする装置。
【請求項7】
少なくとも二つの隣接するプラットフォーム(10,20,30,40,50)を有し、個々のプラットフォームが、少なくとも一つのサポート(60,70)を備えると共に、個々のプラットフォームの少なくとも一部分の周りに延びる容器搬送経路を備え、サポートが、一方のプラットフォームから他方のプラットフォームを通過する経路で互いに接する請求項6に記載の装置。
【請求項8】
サポートの少なくとも一つが垂直方向に移動可能である請求項6に記載の装置。
【請求項9】
垂直方向に移動可能であるサポートは下流に配置され、容器の底を支持するために上昇し、上流に配置されたサポートから容器を分離する請求項8に記載の装置。
【請求項10】
垂直方向に移動可能なサポートは、上流に配置され、下流に配置されたサポート上で容器を配置するために下がる請求項8に記載の装置。
【請求項11】
サポート(60,70)は長いもので経路まで延びている請求項6に記載の装置。
【請求項12】
サポート(70)は、少なくとも一つの容器を支持するために、プラットフォーム(30)の少なくとも一部分の周りを延びる少なくとも一つのリング部(71)を備える請求項6に記載の装置。
【請求項13】
一つの容器(100)を支持するために配置された複数のサポート(60)を有する請求項6に記載の装置。
【請求項14】
個々のサポート(60)は、ばね(65)によって弾性的に付勢された高位置と静止カムによって動かされる低位置との間で水平軸の周りを枢動するために装着された座(63)を備える請求項13に記載の装置。
【請求項15】
サポート(60,70)の垂直位置が調節可能である請求項6に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−527388(P2012−527388A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511283(P2012−511283)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056923
【国際公開番号】WO2010/133648
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(398036346)
【Fターム(参考)】