説明

容器カバー

【課題】様々な形状の容器に使用できる容器カバーを提供する。
【解決手段】グラスカバー1は、繊維を編み込んで形成されており、グラスGの底面が載置される底部3と、底部3から立ち上がってグラスGの外周面を覆う胴部2とを備えている。胴部2には、上縁部から底部3側に沿って延びた切込部4と、切込部4を挟んだ胴部2の一方側から他方側に延びた着脱部5と、切込部4を挟んだ胴部2の他方側の縁部と、着脱部5とを面ファスナー6,7で着脱自在に結合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底部に載置された容器の外周を底部から立ち上がった胴部で覆う容器カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の容器カバーとして、下記の特許文献1にはコースター兼ホルダーが開示されている。このコースター兼ホルダーは、編み糸や毛糸を編み込んで形成されており、コップ等の載置される底部と、底部から立ち上がって底部に載置されたコップ等の外周面を覆う立上がり部分とを備えている。このコースター兼ホルダーを用いることで、コップ等の載置面やコップ等を把持した手がぬれるのを防止し、ホットドリンクも素手で持つことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3067069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のコースター兼ホルダーでは、取っ手を備える容器に使用できなかった。
【0005】
本発明は斯かる課題に鑑みてなされたもので、様々な形状の容器に使用できる容器カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明の容器カバーは、容器が載置される底部と、前記底部から立ち上がって前記容器外周面を覆う胴部とを備えて繊維を編み込んで形成され、前記胴部には、上縁部から前記底部側に沿って延びた切込部と、前記切込部を挟んだ前記胴部の一方側から他方側に延びた着脱部と、前記切込部を挟んだ前記胴部の前記他方側の縁部と、前記着脱部とを着脱自在に結合する着脱手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記胴部が、周方向に沿って延びた横紐部と、前記横紐部と交差して前記胴部の軸心方向に延びた縦紐部とが、互いに編み込まれて構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、切込部を挟んだ胴部の一方側から延びた着脱部を、他方側の縁部に着脱手段で着脱することで、取っ手を備える容器等の様々な形状の容器に容器カバーを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態の容器カバーを示す図であり、(a)は切込部を閉じた状態,(b)は開いた状態を示している。
【図2】図1に示す容器カバーの底部を示す図である。
【図3】図1に示す容器カバーを取っ手を備えたグラスに装着する方法を示す図であり、(a)は切込部を閉じた状態,(b)は開いた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の最良の形態を説明する。
図1は、本実施形態のグラスカバー1を示す図であり、(a)は切込部4を開いた状態,(b)は閉じた状態を示している。図2は、グラスカバー1の底部3を示す図である。図3は、取っ手G1を備えたグラスGにグラスカバー1を装着する方法を示す図であり、(a)は切込部4を閉じた状態,(b)は開いた状態を示している。
【0010】
グラスカバー1は、化学繊維の編み糸や毛糸等の繊維を編み込んで形成されている。図1,図2に示すように、グラスカバー1は、グラスGが載置される底部3と、底部3から立ち上がってグラスGの外周面を覆う筒状の胴部2とを備えており、胴部2の上端開口部から胴部2内に挿入されたグラスGを底部3に載置され、胴部2でグラスGの外周面を覆うようになっている。
【0011】
胴部2は、周方向に沿って延びた横紐部22と、横紐部22と交差して上下方向に延びた縦紐部21とを互いに編み込んで構成されており、隣り合う横紐部22間には間隙が設けられている。胴部2は、上縁部から底部3側に向けて延びた切込部4と、切込部4を挟んだ胴部2の一方側から他方側に延びた着脱部5とを備えている。
【0012】
着脱部5は、胴部2の周方向に沿って延びた横紐部52と、横紐部52と交差して上下方向に延びた縦紐部51とを、縦紐部21及び横紐部22よりも細かな目で編み込んで構成されている。
【0013】
切込部4を挟んだ胴部2の他方側の縁部には、面ファスナー6が縫い付けられている。着脱部5の内面には、面ファスナー6に貼り付く面ファスナー7が縫い付けられている。面ファスナー6,7は、着脱部5を胴部2の他方側の縁部に着脱させる着脱手段を構成している。
【0014】
底部3は、底部3の経方向に沿って延びた径紐部31と底部3の周方向に沿って延びた周紐部32とを、胴部2の縦紐部21及び横紐部22に比べて目が細かくなるように、互いに編み込んで形成されている。
【0015】
グラスカバー1の使用方法の一例として、取っ手G1を備えたグラスGへのグラスカバー1の装着方法を説明する。
【0016】
取っ手G1を備えたグラスGにグラスカバー1を装着する場合には、図1(a)に示す状態から、図1(b)に示すように面ファスナー6から面ファスナー7を剥がして、胴部2の他方側の縁部に対する着脱部5の結合を解く。これにより、上縁部から胴部2の切込部4に取っ手G1を挿通させることができるようになる。
【0017】
この状態で、図3(a)に示すように、グラスカバー1の胴部2に上端側からグラスGを挿入して、胴部2の切込部4に取っ手G1を挿通させ、グラスGが底部3に載置されて取っ手G1が切込部4の下端部に位置したのを確認したら、図3(b)に示すように、グラスGの外周面から突出した取っ手G1の脚部間に着脱部5を通して面ファスナー6に面ファスナー7を貼り付け、胴部2の他方側の縁部に着脱部5を結合する。このようにして、グラスカバー1がグラスGに装着される。
【0018】
グラスカバー1がグラスGに装着された状態では、胴部2の縦紐部21及び横紐部22の間からグラスGを通して透明なグラスGの内部が視認される。また、横紐部22の延設された胴部2の周方向がグラスGの周方向と一致することから、胴部2及びグラスGを通して視認されるグラスGの内容物の上面と横紐部22との位置関係により、グラスG内の内容物の量を把握することが出来る。
【0019】
本実施形態によれば、胴部2の一方側から延びた着脱部5と他方側の縁部とを面ファスナー6,7で着脱自在に結合して、胴部2の上縁部から底部3側に向けて延びた切込部4を開閉できることから、取っ手G1を切込部4に挿通させて着脱部5と胴部2の他方側の縁部とを連結し、切込部4を閉じることで、取っ手G1を備えるグラスGにもグラスカバー1を使用することができる。
【0020】
また、本実施形態によれば、胴部2が胴部2の周方向に沿って延びた横紐部22と、横紐部22と交差して上下方向方向に延びた縦紐部21とを互いに編み込んで構成されることから、胴部2に外周面を覆われたグラスGを、胴部2を通して視認することができ、グラスカバー1をグラスGに装着したまま、グラスGの内容物を確認することが出来る。また、胴部2の周方向に沿って延びた横紐部2を目盛りとして用いることができる。
【0021】
また、本実施形態によれば、吸水性の高い毛糸等の繊維を編み込んでグラスカバー1が形成されていることから、グラスGの外周面や底面に付着した水滴でグラスGの載置面やグラスGを把持する手がぬれるのを防止できる。また、グラスカバー1を洗濯や漂白して繰り返し使用することも可能となる。また、編み込まれた繊維が伸縮することでも多様な容器グラスGに使用することが可能となる。また、繊維を編み込んで形成することで、温かみのある印象を与えることができる。
【0022】
上記実施形態では、胴部2の他方側の縁部に縫い付けられた面ファスナー6と着脱部5に縫い付けられた面ファスナー7とで胴部2の他方側の縁部と着脱部5とを着脱自在に結合した場合について説明したが、面ファスナー6及び面ファスナー7の胴部2への取付方法は任意であり、例えば、接着剤で接着しても良い。また、胴部2の他方側の縁部と着脱部5とを着脱自在に結合する着脱手段は、面ファスナー6,7には限定されず、他の手段を用いることもできる。
【0023】
また、上記実施形態では、胴部2の周方向に沿って延びた横紐部22と交差する縦紐部21が上下方向に延びている場合について説明したが、縦紐部21は横紐部22と交差して延びているのであれば、その延設方向は任意である。また、上記実施形態では、胴部2が1組の切込部4,着脱部5を備えている場合について説明したが、複数組の切込部4,着脱部5を備えていても良い。また、上記実施形態では、グラスGに用いるグラスカバー1に本発明の容器カバーを適用した場合について説明したが、容器カバーを用いる容器の種類はグラスには限定されず、他の容器にも用いることができる。
【符号の説明】
【0024】
G グラス
G1 取っ手
1 容器カバー
2 胴部
21 縦紐部
22 横紐部
3 底部
31 径紐部
32 周紐部
4 切込部
5 着脱部
51 縦紐部
52 横紐部
6,7 面ファスナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器が載置される底部と、前記底部から立ち上がって前記容器の外周面を覆う胴部とを備えて繊維を編み込んで形成され、
前記胴部には、上縁部から前記底部側に沿って延びた切込部と、
前記切込部を挟んだ前記胴部の一方側から他方側に延びた着脱部と、
前記切込部を挟んだ前記胴部の前記他方側の縁部と、前記着脱部とを着脱自在に結合する着脱手段と、
を備えることを特徴とする容器カバー。
【請求項2】
前記胴部は、周方向に沿って延びた横紐部と、前記横紐部と交差して前記胴部の軸心方向に延びた縦紐部とが、互いに編み込まれて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−25978(P2011−25978A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175265(P2009−175265)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(509213082)
【Fターム(参考)】