説明

容器洗浄装置

【解決手段】 回転テーブル11には、回転可能に設けられた容器支持部13によって口部1bを下方に向けた容器1が支持されており、容器の内部には内洗ノズル6が挿入されるとともに、外部には外洗ノズル7が設けられている。
内洗ノズルおよび外洗ノズルは容器の内面および外面に洗浄液を噴射し、このとき内洗ノズルおよび外洗ノズルが噴射する洗浄液による容器を下方に押圧する付勢力の合成力を、容器を上昇させる付勢力の合成力よりも大きく設定して、上記容器を容器支持部に押圧保持させるようになっている。
【効果】 自立しにくい容器や軽量な容器であっても、当該容器の内面および外面の全周を洗浄することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器洗浄装置に関し、具体的には内洗ノズルおよび外洗ノズルによって容器の内面および外面を洗浄する容器洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器の内面および外面を洗浄する容器洗浄装置が知られており、このような容器洗浄装置として口部を下方に向けて容器を下方から支持するとともに、この容器の口部より内洗ノズルを挿入して該容器の内面に洗浄液を噴射し、さらに容器の外部に設けた外洗ノズルより該容器の外面に洗浄液を噴射するものが知られている(特許文献1)。
また、内洗ノズルにより容器の内面を洗浄する容器洗浄装置として、保持部材により容器の外面の底部を保持しながら、容器の口部より内洗ノズルを挿入して該容器の内面に洗浄液を噴射するものも知られている(特許文献2)。
【特許文献1】特開平10−277511号公報
【特許文献2】特開2001−300441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで上記特許文献1の容器洗浄装置においては、洗浄する容器の口部の周囲にはプロテクタが形成されており、また容器自体に重量があるため、容器を自立させた状態で内面と外面の洗浄を行うことができる。
しかしながら、自立しにくい容器や軽量な容器を洗浄する場合、上記内洗ノズルおよび外洗ノズルから噴射された洗浄液が該容器に衝突することで発生する付勢力により、容器が脱落して適切に容器を洗浄できないおそれがある。
一方、特許文献2の容器洗浄装置では、軽量で口部の周囲にプロテクタの配置されていないトナー収納ボトルの内面を洗浄しており、容器を洗浄する際には容器の底部を保持部材によって上方から押圧保持するようになっている。
しかしながら、上記保持部材によって容器の底部を保持すると、該容器の外面も洗浄しようとした場合に、保持部材の接触する部分に洗浄液を噴射することができず、当該部分を洗浄することができない。
このような問題に鑑み、本発明は自立しにくい容器や軽量な容器であっても、容器の内面および外面の全面を洗浄することの可能な容器洗浄装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
すなわち、本発明にかかる容器洗浄装置は、口部を下方に向けた容器を下方から支持する容器支持部と、容器の口部より挿入されて該容器の内面に洗浄液を噴射する内洗ノズルと、容器の外部に設けられて該容器の外面に洗浄液を噴射する外洗ノズルとを備えた容器洗浄装置において、
上記内洗ノズルが噴射する洗浄液と外洗ノズルが噴射する洗浄液とによる容器を下方に押圧する付勢力の合成力を、上記内洗ノズルが噴射する洗浄液と外洗ノズルが噴射する洗浄液とによる容器を上昇させる付勢力の合成力よりも大きく設定して、上記容器を容器支持部に押圧保持させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0005】
上記発明によれば、上記内洗ノズルが噴射する洗浄液と外洗ノズルが噴射する洗浄液とによる容器を下方に押圧する付勢力の合成力によって、容器を容器支持部に押圧保持することができる。
これにより、特許文献2のように保持部材によって上方から容器を押圧保持せずとも、容器が容器支持部より脱落しないように安定した状態で支持することができ、容器の内面および外面の全面を洗浄することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下図示実施例について説明すると、図1、図2は容器1の内面および外面を洗浄する容器洗浄装置2を示している。
上記容器1は樹脂製のいわゆるガロンボトルであって、1ガロン(約3.79L)の液体を収容可能となっている。この容器1は大径の本体部1aと、小径で開口部の形成された口部1bと、本体部1aと口部1bとの間に形成された傾斜部1cとから構成されている。そしてこの容器1は上記口部1bが下を向いた状態で上記容器洗浄装置2に投入されるようになっている。
上記容器洗浄装置2は、開閉扉3aを備えたハウジング3と、水平面内で円周上等間隔に複数の容器1を口部1bが下を向いた状態で支持する容器支持手段4と、容器支持手段4によって支持された各容器1を旋回および回転させる回転手段5と、各容器1の内面に洗浄液を噴射する内洗ノズル6と、各容器1の外面に洗浄液を噴射する外洗ノズル7と、各内洗ノズル6および各外洗ノズル7に洗浄液を供給する送液ポンプ8とから構成されている。
なお以下の説明において、「旋回」とは容器1等が下記回転テーブル11の回転中心に対して水平方向に公転することをいうものとする。
【0007】
上記ハウジング3は開閉可能に設けられた開閉扉3a(図1参照)と、ハウジング3の内部を上下に区画する隔壁3b(図2参照)とを備えている。
上記開閉扉3aは容器1の洗浄時に閉鎖されて洗浄液が外部に飛散しないようになっており、容器1の投入時および取出し時に開放されて作業者が容器1の投入および取出しを行うようになっている。
上記隔壁3bはハウジング3を上記容器支持手段4の位置する上方の空間と上記送液ポンプ8の位置する下方の空間とに液密に区画し、隔壁3bの上方には洗浄液が貯溜されるようになっている。
また隔壁3bには排水口3cが形成され、該排水口3cには隔壁3bの上部に貯溜された洗浄液を上記送液ポンプ8に供給するための配管9が設けられている。
このため、送液ポンプ8によって送液された洗浄液は上記各内洗ノズル6および各外洗ノズル7から噴射された後、上記隔壁3bの上部に落下して一時的に貯溜され、その後上記排水口3cより上記配管9を介して送液ポンプ8に供給されるようになっている。
【0008】
上記容器支持手段4は円盤状の回転テーブル11と、上記隔壁3bを上下に貫通するとともに上記回転テーブル11の固定された回転軸12と、回転テーブル11上面に設けられて上記容器1を下方から支持する複数の容器支持部13とから構成されている。
上記回転テーブル11の外周には等間隔に12の容器支持部13が設けられており、各容器支持部13の設けられる位置には内洗ノズル6が下方から上方に貫通した状態で設けられている。
上記回転軸12は中空であって上記洗浄液を流通させるようになっており、この回転軸12の下端にはロータリージョイントを介して上記送液ポンプ8が連結されている。
さらに、回転軸12には各容器支持部13に向けて放射状に上記内洗ノズル6および外洗ノズル7が連結されており(図1参照)、回転軸12内の洗浄液は内洗ノズル6および外洗ノズル7に供給されるようになっている。
【0009】
図3、図4に示すように、上記容器支持部13は筒状の保持部材13aと、該保持部材13aより放射状に3方向に設けられた支持バー13bと、上記保持部材13aを回転テーブル11上に回転可能に支持するスラスト軸受13cとから構成されている。
上記保持部材13aの中央には上記内洗ノズル6の貫通する貫通孔13dと、該貫通孔13dの上部に形成されて上記容器1の口部1bを収容する収容部13eとが形成され、容器1は口部1bが貫通孔13dと収容部13eとの間に形成された段差部に当接ないし若干上方に離隔した状態で保持されるようになっている。
さらに、保持部材13aには上記収容部13eと保持部材13aの外面とを連通させる排水通路13eが放射状に形成されており、容器1および上記収容部13eに溜まった洗浄液はこの排水通路13eから排出されるようになっている。
支持バー13bは容器1の傾斜部1cの角度に合わせて設けられており、この支持バー13bによって容器1を下方から支持するようになっている。
【0010】
回転手段5は、ハウジング3の上部に設けられて回転軸12を回転させる駆動モータ5aと、上記容器支持部13の保持部材13aの外面に形成された遊星ギヤ5bと、該遊星ギヤ5bに噛合する太陽ギヤ5cとから構成されている。
上記太陽ギヤ5cは上記回転テーブル11を囲繞するように設けられ、隔壁3bに固定された複数の支柱5dと、該支柱5dに固定されたリング状部材5eとによって遊星ギヤ5bと噛合する高さに保持されている。
このような構成により、上記駆動モータ5aにより回転軸12を回転させると、回転テーブル11が回転軸12を中心に回転し、このとき太陽ギヤ5cと遊星ギヤ5bとが噛合しているため、保持部材13aは回転軸12を中心に旋回し、かつスラスト軸受13cによって回転テーブル11上で回転することとなる。
これにより、容器支持部13に支持されている容器1は回転軸12を中心に水平方向に旋回し、また回転テーブル11上で回転することとなる。
【0011】
上記内洗ノズル6は、容器支持手段4の回転テーブル11に形成された貫通孔および上記保持部材13aの貫通孔13dより上方に突出するように設けられており、その先端は容器支持部13に支持された容器1の内部に露出するようになっている。
内洗ノズル6における容器1の内部に露出する部分には複数の噴射孔6aが設けられており、該噴射孔6aは容器1の内面に対して、回転軸12側の底部から傾斜部1cにかけて洗浄液を噴射するようになっている。
上記外洗ノズル7は、回転軸12より水平に設けられるとともに、途中から上下方向に分岐しており、上方に分岐した通路は容器1の底部の上方まで設けられ、下方に分岐した通路は容器1の傾斜部1cの下方まで設けられている。
そして外洗ノズル7にも複数の噴射孔7aが設けられており、該噴射孔7aは容器1の外面に対して、回転軸12側の底部から傾斜部1cにかけて洗浄液を噴射するようになっている。
つまり内洗ノズル6および外洗ノズル7の噴射孔6a,7aは相互に向き合う方向に洗浄液を噴射するようになっている。
また、各内洗ノズル6および外洗ノズル7は上記回転軸12に接続されており、回転軸12が回転すると上記回転テーブル11上の容器支持部5の旋回に伴って旋回するようになっている。
【0012】
そして上記内洗ノズル6および外洗ノズル7から洗浄液を容器1に向けて噴射すると、噴射された洗浄液が容器1の内面および外面に衝突して容器1を押圧する付勢力が生じる。
そしてこの内洗ノズル6および外洗ノズル7が噴射する洗浄液による容器1を押圧する付勢力のバランスが取れていないと、容器支持部13の上方に載置されているだけの軽量な容器1は簡単に容器支持部13から脱落してしまうこととなる。
そこで、本実施例では上記内洗ノズル6および外洗ノズル7より噴射される洗浄液による容器1を押圧する付勢力について、以下のような設定を行っている。
まず容器1の上下方向では、内洗ノズル6および外洗ノズル7が噴射する洗浄液による容器1を下方に押圧する付勢力の合成力が、容器1を上昇させる付勢力の合成力よりも大きくなるように設定している。
また容器1の図示左右方向、すなわち回転テーブル11の直径方向では、内洗ノズル6および外洗ノズル7が噴射する洗浄液による容器1を押圧する付勢力がほぼ釣り合うように設定している。
このように付勢力を設定することで、容器1は洗浄液による付勢力によって容器支持部13に上方から押圧保持されることとなり、容器1が容器支持部13から脱落してしまうのを防止することができるとともに、容器1を安定して回転させることができる。
【0013】
以下、内洗ノズル6および外洗ノズル7より噴射される洗浄液による付勢力の合成力について具体的に説明する。
最初に、容器1を下方に押圧する付勢力の合成力は、主に内洗ノズル6が容器1の傾斜部1cに噴射した洗浄液と、外洗ノズル7が容器1の底部に噴射した洗浄液とから得られる付勢力を合成したものとなる。
一方、容器1を上昇させる付勢力の合成力は、主に内洗ノズル6が容器1の底部に噴射した洗浄液と、外洗ノズル7が容器1の傾斜部1cに噴射した洗浄液とから得られる付勢力を合成したものとなる。
さらに、容器1を回転軸12の内側に押圧する付勢力の合成力は、主に内洗ノズル6が容器1の側部に噴射した洗浄液と、内洗ノズル6が容器1の傾斜部1cに噴射した洗浄液とから得られる付勢力を合成したものとなる。
そして、容器1を回転軸12の外側に押圧する付勢力の合成力は、外洗ノズル7が容器1の側部に噴射した洗浄液と、内洗ノズル6が容器1の傾斜部1cに噴射した洗浄液とから得られる付勢力を合成したものとなる。
【0014】
そして本実施例では内洗ノズル6、外洗ノズル7が噴射する洗浄液による容器1を下方に押圧する付勢力が、容器1を上昇させる付勢力よりも大きくなるよう、噴射孔6a,7aの位置や向き等を設定している。
具体的には、図4に示すように外洗ノズル7の容器1の底部に向かう噴射孔7aの個数を多くすることで、内洗ノズル6の上向きの噴射孔6aより噴射されて容器1の底部に吹き付けられる洗浄液の流量に対して、外洗ノズル7の下向きの噴射孔7aより噴射されて容器1の底部に吹き付けられる洗浄液の流量を多くするようにしている。
なお、回転テーブル11の直径方向における付勢力の釣り合いについては、厳密に設定する必要はなく、上記容器1を容器支持部13に押圧保持した状態で、確実に容器1が回転し、かつ容器1が脱落しない程度に設定すればよい。
以上のような設定により、容器1を容器支持部13に押圧保持することができ、しかも回転テーブル11の直径方向での押圧力が釣り合っているため、噴射された洗浄液によって容器1が容器支持部13より脱落しないようになっている。
【0015】
以上の構成を有する容器洗浄装置2の動作について説明する。
最初に、回転テーブル11は上記駆動モータ5cによって低速で回転しており、一方上記送液ポンプ8は停止して内洗ノズル6および外洗ノズル7からは洗浄液が噴射されていない。
この状態から、作業者は開閉扉3aを開け、開閉扉3aに最も接近している容器支持部13に容器1を投入する。このとき、容器支持部13より上方に突出している内洗ノズル6を容器1の口部1bに挿入させ、その上で容器1の傾斜部1cが容器支持部13の支持バー13bに下方から支持されるようにする。
容器1を投入すると、回転テーブル11の回転により容器1の投入されていない容器支持部13が開閉扉3aに接近するので、作業者は容器支持部13に順次容器1を投入してゆく。
そして全ての容器支持部13に容器1を投入したら、作業者は開閉扉3aを閉鎖し、図示しない洗浄開始スイッチを操作する。
【0016】
開閉扉3aが閉鎖されて洗浄開始スイッチが操作されると、回転テーブル11は回転速度を少し上げる。
このとき、回転手段5を構成する太陽ギヤ5cと各容器支持部13の遊星ギヤ5bとが噛合しているので、回転テーブル11の回転に伴って全ての容器支持部13が旋回しながら回転し、これに支持された容器1も水平方向に旋回しながら回転するする。
一方、上記送液ポンプ8が作動して洗浄液を送液し、全ての内洗ノズル6および外洗ノズル7から洗浄液が噴射される。
これにより、内洗ノズル6および外洗ノズル7が噴射する洗浄液は容器1の内面および外面の全体に噴射され、容器1の全面を洗浄することができる。
このとき、上記内洗ノズル6および外洗ノズル7が噴射する洗浄液による容器1を下方に押圧する付勢力の合成力が、容器1を上昇させる付勢力の合成力よりも大きく設定されているので、容器1は容器支持部13に押圧保持されて容器支持部13から脱落しないようになっている。
【0017】
そして、容器1の内面に噴射された洗浄液は、下方に落下して容器1の口部1bより排出され、さらに容器支持部13の保持部材13aに形成された排水通路13eより外部に排出される。
また容器1の内部より排出された洗浄液および容器1の外面を洗浄した洗浄液はその後ハウジング3の隔壁3bの上部に落下し、隔壁3bの上部に一時的に貯溜される。
この洗浄液はその後隔壁3bに設けられた排水口3cより排水されるとともに配管9を介して送液ポンプ8に供給され、このとき図示しないフィルタやヒータによって、洗浄液から塵等が除去され、また所定の温度に設定されるようになっている。
【0018】
その後、回転テーブル11が複数回回転するか、または所定時間経過すると、回転テーブル11の回転速度が減速されるとともに、上記送液ポンプ8による洗浄液の送液が停止され、容器1の洗浄が終了する。
続いて、作業者は開閉扉3aを開くとともに、低速で回転する回転テーブル11より洗浄の終了した容器1を取出せばよい。
【0019】
なお、上記実施例において、上記太陽ギヤ5cについては、上記回転テーブル11上の容器支持部13よりも内周側に設けて、該太陽ギヤ5cを遊星ギヤ5bの内側から噛合させるようにしてもよい。
【0020】
図5、図6は第2実施例にかかる容器洗浄装置102を示し、このうち容器支持手段104および回転手段105についての拡大図を示している。その他の部分の構成については上記第1実施例と同様であるので詳細な説明は省略し、図中において共通する部材については第1実施例で用いた符号に100を加算して示す。
上記容器支持部113は、回転テーブル111より上方に突出するように設けられた内洗ノズル106を囲繞するように等間隔に設けられた3つの保持部材113aにより構成されている。
この3つの保持部材113aは、外洗ノズル107より噴射される洗浄液が容器101の口部101bにも噴射されるよう、2つの保持部材113aの間に外洗ノズル107が位置するように配置されている。
各保持部材113aは軸受113bを介して回転テーブル111に回転可能に設けられ、下方に位置する大径部113cと、大径部113cの上方に位置する小径部113dとから構成されている。
上記3つの小径部113dによる内接円の径は、容器101の口部101bと略同径となっており、容器101を容器支持部113に投入する際には、口部101bを上記3つの保持部材113aの中央に位置させるとともに、口部101bの先端を大径部113cと小径部113dとの段差部に当接させればよい。これにより容器101を口部101bが下方を向いた状態で支持することができる。
そして、口部101bと小径部113dとが相互に接触していることから、容器101を回転させると摩擦により各保持部材113aが軸受け113bにより回転し、容器101が水平方向に回転するのを許容するようになっている。
【0021】
上記回転手段105は、上記保持部材113aのそれぞれに設けられた上記軸受113bと、回転テーブル111の外周に設けられた固定ガイド105bと、回転テーブル111に設けられた補助ガイド105cとから構成されている。
上記固定ガイド105bはハウジング3の隔壁3bに設けられた支柱105dにより容器支持手段104の外周を囲繞するように設けられており、容器支持部113に支持された容器101の底面近傍の側部に接触するようになっている。
また上記固定ガイド105bのうち、開閉扉103aの位置に該当する部分は該開閉扉103aに固定されており、開閉扉103aを開くと上記支柱105dに固定されている部分から分離し、開閉扉103aを閉鎖すると連結されて環状に連続するようになっている。
上記補助ガイド105cは回転テーブル111に立設された2つの支柱105eの上端に回転可能に設けられており、補助ガイド105cは上記固定ガイド105bと同じ高さに設けられている。
このような構成により、上記容器101が口部101bを下方に向けた状態で容器支持部113に投入されると、容器101の底部近傍の外面が固定ガイド105bおよび補助ガイド105cに接触するので、容器101は3点で保持されて容器支持部113から脱落しないようになっている。
なお、これら固定ガイド105bおよび補助ガイド105cの接触する部分については、容器101が回転手段105によって回転するため、当該部分も洗浄することができるようになっている。
【0022】
次に、本実施例の内洗ノズル106は、噴射孔106aが容器101の底部と、容器101の図示左側、すなわち容器支持手段104の外周側の側部および傾斜部101cに向けて設けられている。一方外洗ノズル107には第1実施例と同様に噴射孔107aが設けられている。
そして本実施例では、内洗ノズル106および外洗ノズル107より噴射される洗浄液による付勢力の合成力を以下のように設定している。
まず容器101の上下方向では、内洗ノズル106および外洗ノズル107が噴射する洗浄液による容器101を下方に押圧する付勢力の合成力が、容器101を上昇させる付勢力の合成力よりも大きくなるように設定している。
また容器101の図示左右方向、すなわち容器支持手段104の直径方向では、内洗ノズル106および外洗ノズル107が噴射する洗浄液によって、容器101を回転テーブル111の外周側に押圧する付勢力の合成力が生じるように設定されている。
このように付勢力の合成力を設定することで、容器101は洗浄液による下方への合成力によって容器支持部113に上方から押圧保持され、かつ容器101は洗浄液による容器支持手段104の外周側への合成力によって上記固定ガイド105bに押圧されることとなる。
そして、回転テーブル111が回転すると、容器101と固定ガイド105bとの間には摩擦が発生し、この摩擦力によって容器101は容器支持手段105に支持された状態で水平方向に回転する。
このようにして容器101が水平方向に回転することから、内洗ノズル106および外洗ノズル107から噴射された洗浄液が容器101の内面および外面の全周に噴射されることとなる。
【0023】
このように、上記構成を有する容器洗浄装置101によれば、なんら容器101を容器支持部113に押圧保持する部材を用いずとも、容器101の内面および外面の全面を洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施例にかかる容器洗浄装置の平面図。
【図2】第1実施例にかかる容器洗浄装置の側面図。
【図3】容器支持部および回転手段についての拡大平面図。
【図4】容器支持部および回転手段についての拡大側面図。
【図5】第2実施例にかかる容器支持部および回転手段についての拡大平面図。
【図6】第2実施例にかかる容器支持部および回転手段についての拡大側面図。
【符号の説明】
【0025】
1,101 容器 1b,101b 口部
2,102 容器洗浄装置 4,104 容器支持手段
5,105 回転手段 6,106 内洗ノズル
7,107 外洗ノズル 11,111 回転テーブル
13,113 容器支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部を下方に向けた容器を下方から支持する容器支持部と、容器の口部より挿入されて該容器の内面に洗浄液を噴射する内洗ノズルと、容器の外部に設けられて該容器の外面に洗浄液を噴射する外洗ノズルとを備えた容器洗浄装置において、
上記内洗ノズルが噴射する洗浄液と外洗ノズルが噴射する洗浄液とによる容器を下方に押圧する付勢力の合成力を、上記内洗ノズルが噴射する洗浄液と外洗ノズルが噴射する洗浄液とによる容器を上昇させる付勢力の合成力よりも大きく設定して、上記容器を容器支持部に押圧保持させることを特徴とする容器洗浄装置。
【請求項2】
上記内洗ノズルおよび外洗ノズルから噴射されて容器に吹き付けられる下向きの洗浄液の流量を、上記内洗ノズルおよび外洗ノズルから噴射されて容器に吹き付けられる上向きの洗浄液の流量より大きく設定したことを特徴とする請求項1に記職の容器洗浄装置。
【請求項3】
上記容器支持部を水平方向に旋回させながら該容器支持部に支持された容器を水平方向に回転させる回転手段を備え、
上記内洗ノズルおよび外洗ノズルは容器支持部に対して所定の位置に固定されるとともに、上記容器支持部の旋回に伴って旋回するように設けられ、
上記回転手段によって容器を旋回させながら回転させ、かつ上記内洗ノズルおよび外洗ノズルが洗浄液を噴射することで、容器の内外面の全面を洗浄することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の容器洗浄装置。
【請求項4】
上記容器支持部が回転可能に設けられる回転テーブルを備え、
上記回転手段は、上記回転テーブルを回転させる駆動手段と、上記回転テーブルの回転中心と同心円上に固定された太陽ギヤと、上記容器支持部に設けられて上記太陽ギヤに噛合する遊星ギヤとから構成され、
上記内洗ノズルに設けた噴射孔と、上記外洗ノズルに設けた噴射孔とを相互に向き合うように配置したことを特徴とする請球項3に記載の容器洗浄装置。
【請求項5】
上記容器支持部が回転可能に設けられる回転テーブルを備え、
上記回転手段は、上記回転テーブルを回転させる駆動手段と、上記回転テーブルの回転中心と同心円上に固定されるとともに容器の側部に当接するように設けられた固定ガイドとを備え、
上記内洗ノズルが噴射する洗浄液の付勢力と、外洗ノズルが噴射する洗浄液の付勢力との合成力によって容器を固定ガイドに押圧するように設定したことを特徴とする請求項3に記職の容器洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−125644(P2009−125644A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301881(P2007−301881)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(393028357)シブヤマシナリー株式会社 (77)
【Fターム(参考)】