説明

容器詰ウコン飲料

【課題】本発明は、浸透圧が低く、ウコン色素の沈殿の発生が抑制され、なお且つ、オイルリングの発生が抑制された透明性容器詰ウコン飲料を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る容器詰ウコン飲料は、ウコン飲料の浸透圧が800mOsm/kg以下であり、容器が透明性容器であり、ウコン抽出物が微粒子化ウコン抽出物を含有し、ウコン飲料が油溶性成分、及びジェランガムを含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術は、ウコン抽出物を含有する容器詰ウコン飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
ウコン(ショウガ科ウコン,Curcuma longa LINNE)は東南アジアを中心に、世界中の熱帯・亜熱帯地域で栽培されるショウガ科ウコン属の薬用植物である。
【0003】
ウコンの根茎には3〜5%のクルクミン(黄色色素)が含有される。ウコン抽出物及びクルクミンには様々な有用性が知られている。例えば非特許文献1ではウコン抽出物含有飲料はアルコールと一緒に摂取することにより、アルコール本来の「酔い」を適度に発現させながら、悪酔いを防止する作用を有することが示唆されている。
【0004】
ウコンの有用性に着目し、ウコン色素を配合した飲料が開発されている。
【0005】
特開2009−263638号公報には、ウコン色素の水中での分散性と体内での吸収性を高めるために、ガティガムと平均粒子径が1μm以下のウコン色素とを含有するウコン色素組成物が開示されている。そしてこのウコン色素組成物を配合して、ウコン色素(クルクミン)含量が0.3質量%(1500mg/500ml)の飲料組成物を配合することが開示されている。
【0006】
特開2008−92806号公報には、ウコン粉末を飲料に配合する際にウコン粉末が浮いたり、塊になるなどして均一に分散しないという問題を解決するために、乳化剤を用いてウコン粉末を分散させるウコン入り飲料の製造方法が開示されている。乳化剤は油溶性成分の1種である。ジェランガムを増粘剤として配合することができることが開示されている。実施例で調製される飲料のpHは3.6に調節されている。
【0007】
特開2009−28042号公報には、クルクミン、ジェランガムを含有する、分散性及び沈殿安定性が優れたウコン飲料が記載されている。乳化剤は油溶性成分の1種である。ジェランガムの配合量は0.01〜0.05重量%であること、クルクミンの配合量は飲料500ml当たりに換算して150〜300mgであることが開示されている。
【0008】
特開2009−291163号公報には、果実類似の濃厚感を付与し、かつ後味のよい新規な飲料を提供することを目的とした、ジェランガムを含有する、粘度(B型粘度計、60rpm)が20〜200mPa・sの飲料が開示されている。ジェランガムの配合量は0.03〜0.5質量%程度であることが記載されている。実施例において調製された飲料のpHは3.7である。任意成分としてウコン色素を添加することができることが開示されている。同文献では粘度が約8mPa・sのジェランガム含有飲料は濃厚感と後味に関して好ましくなく、より高粘度の組成物が好ましい旨記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−263638号公報
【特許文献2】特開2008−92806号公報
【特許文献3】特開2009−28042号公報
【特許文献4】特開2009−291163号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】浜野拓也ら、「ウコン抽出物が健常成人のアルコール代謝に及ぼす影響の検討」、応用薬理、72(1/2)、31−38(2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
素早い水分補給により喉の渇きを軽減するために、飲みやすく比較的多量に飲用できるウコン飲料に対する需要があると本発明者らは予測している。従来のウコン飲料は、ウコン抽出物の作用を得るためにウコン抽出物を高濃度で含み容量の比較的小さい容器詰飲料として市販されていることが一般的であり、多量には飲みにくく、前記の需要に十分応えるものではなかった。
【0012】
数百ml程度の比較的多量の飲料を摂取しやすくするためには、ウコン飲料の浸透圧を低減させることが考えられる。飲料を低浸透圧化することにより体内へ水分が吸収されやすくなるという点でも有利である。
【0013】
このような飲料は容器(典型的にはPET(ポリエチレンテレフタレート)製の透明性容器等)に詰められた形態で市販されることが通常である。
【0014】
ウコン色素(クルクミン)は水不溶性であるため、容器内でウコン色素粉末が沈殿し易いという問題がある。容器として透明性容器を用いた場合には沈殿の発生による外観の悪化が特に問題である。
【0015】
ウコン色素は鮮やかな黄色を呈する。透明性容器に充填されたウコン飲料は、ウコン色素の酸化により色調が変化した場合に商品価値が損なわれるという問題が考えられる。
【0016】
ウコン色素の分散性を高めて沈殿を防止するために、ウコン色素を微粒子化することが考えられる(特開2009−263638号公報)。また、飲料組成物中に酸化防止剤を添加して色調の減退を抑制する技術も公知である。
【0017】
本発明者らは、前記の低浸透圧化した容器詰ウコン飲料の開発を試みる過程で、微粒子化ウコン色素と、酸化防止剤等の油溶性成分とを含有するウコン飲料が容器に充填された場合に、保存期間中に、微粒子化ウコン色素、油溶性成分等が飲料上面に浮上し、飲料液上面と容器との接触部位に黄色くリング状に付着する(「オイルリング」と称する)問題を生じることが判明した。透明性PETボトル等の内面の樹脂層と前記の油溶性成分が反応することでオイルリングが生じることが考えられ、容器として透明性容器を用いた場合には、オイルリングは外部からも目視することができるため問題がより大きい。
【0018】
そこで本発明は、浸透圧が低くく飲みやすく、なお且つ、オイルリングの発生が抑制された透明性容器詰ウコン飲料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者らは、浸透圧が800mOsm/kg以下であり、微粒子ウコン色素と、油溶性成分とを含有する、透明性容器に収容されたウコン飲料にジェランガムを添加することによりオイルリングの発生を抑制することができることを見出しし、本発明を完成させるに至った。
【0020】
本発明は以下の発明を包含する。
(1)ウコン抽出物を含有するウコン飲料と、該飲料を収容する容器とを備える容器詰ウコン飲料であって、
(A)ウコン飲料の浸透圧が800mOsm/kg以下であり、
(B)容器が透明性容器であり、
(C)ウコン抽出物が、微粒子化されたウコン抽出物を含有し、
(D)ウコン飲料が油溶性成分、及び
(E)ジェランガムを含有する、
ことを特徴する容器詰ウコン飲料。
【0021】
(2)ウコン飲料のpHが3.6以下である、(1)に記載の容器詰ウコン飲料。
(3)ウコン飲料の粘度が5mPa・s以下である、(1)又は(2)に記載の容器詰ウコン飲料。
(4)ジェランガムを0.005〜0.04質量%含有する、(1)〜(3)の何れかに記載の容器詰ウコン飲料。
(5)透明性容器がポリエチレンテレフタレート(PET)容器である、(1)〜(4)の何れかに記載の容器詰ウコン飲料。
(6)微粒子化されたウコン抽出物が乳化製剤である、(1)〜(5)の何れかに記載の容器詰ウコン飲料。
【発明の効果】
【0022】
本発明の透明性容器詰ウコン飲料は、浸透圧が低くく飲みやすく、なお且つ、オイルリングの発生が抑制された、素早い水分補給により喉の渇きを軽減するために飲用される飲料である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の透明性容器詰ウコン飲料の実施形態の一例の縦断面図を示す。
【図2】図2は、本発明の透明性容器詰ウコン飲料の実施形態の一例の外観の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
浸透圧
ウコン飲料の浸透圧は、好ましくは800mOsm/kg以下であり、より好ましくは400mOsm/kg以下、特に好ましくは250mOsm/kg以下である。250mOsm/kg以下の飲料は、体液よりも浸透圧が低く、「ハイポトニック飲料」と呼ばれることがある。
【0025】
浸透圧の下限は特に限定されず、0mOsm/kgの飲料も含まれる。
浸透圧が上記範囲内の飲料は、飲みやすく比較的多量に飲むことができ、素早い水分補給により喉の渇きを軽減することができる。
【0026】
浸透圧は浸透圧計を用いて測定することができる。本発明における浸透圧の値は、浸透圧計OSMOMETER OM801(フォーゲル社製)を用い、飲料液を50μlを測定カップに入れ、測定ヘッドを冷却部に降ろし、ホールドされた数値を読み取ることにより測定された値を指す。
【0027】
浸透圧は一般的に分子数・イオン数に依存するので、飲料では主に低分子の糖類、ミネラル類等の含有量に依存する。これらの成分を適宜調整することにより上記の浸透圧を実現することができる。
【0028】
ウコン
本発明においてウコンとは、ショウガ科ウコン(Curcuma longa LINNE)の根茎を指す。
【0029】
ウコン抽出物
本発明においてウコン抽出物とは、下記するウコン色素及び他のウコン抽出物を含むものを指す。
【0030】
ウコン色素
ショウガ科ウコンの根茎の乾燥品より、温時エタノールで、熱時油脂若しくはプロピレングリコールで、又は室温時〜熱時ヘキサン若しくはアセトンで抽出して得られるものであり、主色素はクルクミン類で黄色を呈するものを挙げることができる。
【0031】
ウコン色素以外のウコン抽出物
本発明のウコン飲料には前記のウコン色素以外に、他のウコン抽出物(例えばウコンの水、熱水、或いは、親水性有機溶媒(例えばエタノール)と水と混合溶媒による抽出物)が含まれてもよい。親水性有機溶媒と水との混合溶媒の混合比は特に限定されないが、例えば重量比で10:90〜90:10の範囲が好ましく、20:80〜50:50の範囲がより好ましい。
【0032】
微粒子化されたウコン抽出物
微粒子化されたウコン抽出物とは、前記のウコン色素あるいはウコン色素以外のウコン抽出物を常法、例えば以下のような方法により粉砕処理(微粒子化処理)して調製したものを指す。特に微粒子ウコン色素を用いることが好ましい。
【0033】
微粒子化処理方法としては、水難溶性物質の微粒子化処理方法として公知の方法を用いることができる。例えば、ウコン色素を親水性有機溶媒に溶解させた溶液を水系溶媒中に分散させて微粒子化する方法や、ウコン色素を、乳化剤と混合した混合物を粉砕処理することにより、或いは、ウコン色素を乳化剤、多糖類等を含む水系溶媒中に分散させて得た分散液を粉砕処理することにより微粒子化する方法等が挙げられる。ウコン色素を乳化剤と混合した混合物を粉砕処理することにより、或いは、ウコン色素を乳化剤を含む水系溶媒中に分散させて得た分散液を粉砕処理することにより得られるウコン色素の乳化製剤は本発明において特に好ましく用いられる。これらの微粒子化されたウコン抽出物と乳化剤とを含む乳化製剤を用いる場合には、オイルリングを生じやすくなるため、本発明が好適である。
【0034】
微粒子化処理方法としては例えば以下の方法が挙げられる。
(1)ウコン色素を溶解したアルコール(エタノール)溶液を水中に分散させ、水系中にウコン色素が微粒子化された分散液を得る。この分散液中に乳化剤を添加して微粒子に結合させる。この方法は特開2005−328839号公報に開示された方法等である。
【0035】
(2)ウコン色素と、多価アルコールと、乳化剤とを、ホモミキサー等により粉砕することによりウコン色素の乳化製剤を製造する。この乳化製剤を水に添加すると、ウコン色素が均一に乳化または可溶化される。この方法は特開2004−208555号公報に開示された方法等である。
【0036】
(3)乳化剤を溶解又は分散させた水系溶媒の存在下、ウコン色素を微粒子化処理する。乳化剤としてはHLB値が9以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、改質レシチンのうちから選択される1種又は2種以上を使用することができる。水系溶媒としては水、グリセリンのうちから選択される1種又は2種以上を使用することができる。粉砕は例えばビーズミル等の湿式粉砕機によって実施することができる。この方法は特開2009−201371号公報等に記載されている。
【0037】
(4)ガティガム含有水溶液に、ウコン色素を添加し、当該液中でウコン色素の平均粒子径が1μm以下になるまで粉砕する。この方法は特開2009−263638号公報等に記載されている。
【0038】
ウコン色素以外のウコン抽出物についても、以上のような方法等により微粒子化処理することができる。
【0039】
微粒子化されたウコン抽出物の粒子径は以下の特徴の少なくとも一方、好ましくは両方を備える。
【0040】
(1)中心粒子径(メジアン径:d50)が5μm以下、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下である。上記中心粒子径の下限は任意であるが、0.5μm以上、好ましくは0.8μm以上がよい。本明細書中で中心粒子径は全てメジアン径:d50のものを指す。
(2)粒径10μm以上の粒子の分布率が5%以下、好ましくは3%以下である。
【0041】
微粒子化されたウコン抽出物の中心粒子径(メジアン径)および、粒径10μm以上の粒子の分布率は、水溶液中の粒子についてレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−950V2(株式会社堀場製作所製)を用いて測定することができる(条件;屈折率:1.60、測定範囲:0.001〜3000μm、粒子径基準:体積)。
【0042】
ウコン抽出物の含有量
ウコン飲料は、500ml当たり、好ましくは3〜50mg、より好ましくは5〜30mg、特に好ましくは6〜20mgのクルクミンを含有するようにウコン抽出物(ウコン色素乳化製剤及び他のウコン抽出物)が配合される。
【0043】
クルクミン量をこの範囲とすることによりウコン飲料の濁度が低減され、透明性が付与される。このため透明容器に収容された場合であっても飲料として自然な印象を与えることができる。本発明のウコン飲料には二日酔い等による倦怠感を軽減する効果も期待し得る。
【0044】
クルクミン量が500ml当たり50mgを超えると、飲料の濁度が高くなり、透明性が損なわれるため好ましくない。一方、クルクミン量が3mg未満の場合、クルクミンに由来する生理活性が低くなり好ましくない。
【0045】
飲料中のクルクミンの量は、飲料を50%アセトニトリルで溶解させ、これを遠心分離して得られる上清液中のクルクミン量を高速液体クロマトグラフィー(Agilent technology社製Agilent1100)を用いて測定することにより求めることができる。
【0046】
油溶性成分
本発明における「油溶性成分」としては、油溶性物質が含まれ、油脂、微粒子化されたウコン抽出物に含まれる乳化剤、透明性容器中に存在するウコン色素の光劣化による色調の減退を抑制するために添加される油溶性の酸化防止剤が挙げられる。油溶性の酸化防止剤としてはビタミンE、ローズマリー抽出物、香辛料抽出物等が挙げられる。
【0047】
酸化防止剤以外の油溶性成分としてはマリーゴールド色素などの油溶性色素、リモネンなどの油溶性香気成分、ビタミンA等の油溶性ビタミン、セスキテルペン類、植物ステロール類 リコピンなどのカロテノイド、セサミンなどの油溶性リグナン類が挙げられる。
【0048】
ウコン飲料中の油溶性成分の配合量は特に限定されないが、通常は油溶性成分総量でウコン飲料全量に対して0.001〜0.1質量%である。
【0049】
ジェランガム
本発明者らは、驚くべきことに、ウコン飲料にジェランガムを添加することによりオイルリングの発生を抑制することができることを見出した。
【0050】
ジェランガムは微生物が産出する多糖類であり、増粘安定剤として幅広く利用されている。ジェランガムには、ネイティブ型ジェランガムと脱アシル型ジェランガムの2種類がある。
【0051】
オイルリングの発生抑制に対しては、好ましくはネイティブ型ジェランガムを使用するのがよい。増粘剤として公知の他の成分(キサンタンガム、ペクチン、大豆多糖類、グルコマンナン、ガティガム等)ではオイルリングの発生を抑制することができないことが確認されている(比較例参照)。すなわち、本発明の効果はジェランガム特有の効果である。
【0052】
ウコン飲料中でのジェランガムの添加量は特に限定されないが、好ましくはウコン飲料全量に対して0.005〜0.04質量%、より好ましくは0.01〜0.03質量%である。
【0053】
他の成分
本発明のウコン飲料は水中に、上記成分を含有するが、他の成分が更に含有されてもよい。
【0054】
他の成分は飲料として許容される成分である限り特に限定されない。
他の成分としては、果糖ブドウ糖液糖、環状オリゴ糖、酸味料、増粘剤、イノシトール、香料、ナイアシン、酸化防止剤、ビタミン類、甘味料等を添加することにより調製することができる。環状オリゴ糖、酸味料、増粘多糖類、甘味料はウコン抽出物の苦味をマスキングする効果がある。
【0055】
酸味料としては、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸、或いはこれらの塩等が挙げられる。
【0056】
増粘剤としては、ジェランガム以外に、キサンタンガム、ペクチン、グアーガム等の増粘多糖類が挙げられる。
【0057】
甘味料としては、果糖、ブドウ糖、液糖等の糖類、はちみつ、スクラロース、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム等の高甘味度甘味料が挙げられる。
【0058】
酸化防止剤としては、上述の油溶性成分としての酸化防止剤以外に、ビタミンC、酵素処理ルチン等が挙げられる。
ビタミン類としては、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンE等が挙げられる。
【0059】
pH値
上記の通り、ジェランガムを配合することによりオイルリングの発生が抑制される。しかしながら、ジェランガムの添加によって、摂取時にジェランガムに由来する望ましくない「ぬめり」が感じられるという新たな課題が見出された。この「ぬめり」の問題は、ウコン抽出物として微粒子化ウコン色素を配合した場合に特に顕在化する問題である。
【0060】
そこでこの新たな課題を解決するために本発明者らは更に鋭意検討し、飲料のpHを3.6以下に調節することにより「ぬめり」の問題も解決することができることを見出した。すなわち、本発明のウコン飲料はpHが3.6以下であることが好ましい。
【0061】
pH値の下限は特に限定されないが、味覚(酸味)の面から通常はpH値は2.5以上とすることが好ましい。
【0062】
なお本発明においてpH値は24℃で測定された値を指す。
ウコン飲料のpH値は、酸味料等の量を適宜調節することにより調節することができる。
【0063】
粘度
ウコン飲料の粘度は5mPa・s以下、好ましくは4mPa・s以下であることが好ましい。ウコン飲料を上記の粘度に調整することにより、のどの渇きを解消するためにごくごくと比較的多量に飲める形態とすることができる。上記の低粘度のウコン飲料ではオイルリングが発生しやすくなるため本発明がより好適となる。
【0064】
ウコン飲料の粘度の測定方法:B型粘度計RB100L(東機産業株式会社製)を使用し、ローター:Lアダプタ、30rpm、20℃で測定開始し、30秒後の測定値を粘度として採用する。
【0065】
ウコン飲料の粘度は、ジェランガム、キサンタンガム等の増粘剤等の量を適宜調節することにより調節することができる
【0066】
透明性容器詰ウコン飲料
本発明の容器詰ウコン飲料の実施形態の一例の縦断面図を図1に、外観の斜視図を図2に示す。
【0067】
容器詰ウコン飲料1は、透明性容器2と、透明性容器2に収容されたウコン飲料3とを備える。透明性容器2は、首部21、肩部22、胴部23、底部24を備えた縦長型容器とすることができる。胴部23の外周は、商品名や原材料が表示されたフィルム4により被覆されていてもよい。胴部の外周の一部分のみがフィルム4により被覆されていてもよい(図示せず)。通常、首部にはキャップ5が開閉自在に取り付けられている。
【0068】
透明性容器2は、典型的にはポリエチレンテレフタレート(PET)製の容器、所謂PETボトルである。
【0069】
透明性容器の形態は図示したものには限定されず、飲料用容器として使用される透明性容器を適宜用いることができる。ウコン飲料を容器詰する手段は任意である。
【0070】
容器詰ウコン飲料は、比較的多量の飲料として供するという観点から、例えば350〜2000mlであるのが好ましい。より具体的には350ml、500ml、750ml、1500ml、又は2000ml容量の容器詰ウコン飲料を例示することができる。
【実施例】
【0071】
実施例1
次の原料を混合して水溶液とし、これを93℃に加熱したもの500mlを透明のPETボトルにホットパックして、PETボトル入りウコン飲料を調製した。
【0072】
【表1】

【0073】
得られたウコン飲料は、調製後から15000ルクスの照度条件にて4日間保管後を通して次の性能を有していた。
【0074】
【表2】

【0075】
実施例2、比較例1〜5
次のように原料と配合を変える以外は実施例1と同様にしてPETボトル入りウコン飲料を調製した。得られたウコン飲料は、調製後から15000ルクスの照度条件にて4日間保管後を通して次の性能を有していた。
実施例2:クエン酸三ナトリウム0.145質量%配合し、ウコン飲料のpHを3.9とした。
比較例1:実施例1のジェランガムに代えてキサンタンガム0.02質量%を配合した。
比較例2:実施例1のジェランガムに代えてペクチン0.02質量%を配合した。
比較例3:実施例1のジェランガムに代えて大豆多糖類0.02質量%を配合した。
比較例4:実施例1のジェランガムに代えてグルコマンナン0.02質量%を配合した。
比較例5:実施例1のジェランガムに代えてガティガム0.02質量%を配合した。
【0076】
各ウコン飲料の浸透圧及びクルクミン含有量は同様で、実施例2を除いてpHも同様であった。
【0077】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウコン抽出物を含有するウコン飲料と、該飲料を収容する容器とを備える容器詰ウコン飲料であって、
(A)ウコン飲料の浸透圧が800mOsm/kg以下であり、
(B)容器が透明性容器であり、
(C)ウコン抽出物が、微粒子化されたウコン抽出物を含有し、
(D)ウコン飲料が油溶性成分、及び
(E)ジェランガムを含有する、
ことを特徴する容器詰ウコン飲料。
【請求項2】
ウコン飲料のpHが3.6以下である、請求項1に記載の容器詰ウコン飲料。
【請求項3】
ウコン飲料の粘度が5mPa・s以下である、請求項1又は2に記載の容器詰ウコン飲料。
【請求項4】
ジェランガムを0.005〜0.04質量%含有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の容器詰ウコン飲料。
【請求項5】
透明性容器がポリエチレンテレフタレート(PET)容器である、請求項1〜4の何れか1項に記載の容器詰ウコン飲料。
【請求項6】
微粒子化されたウコン抽出物が乳化製剤である、請求項1〜5の何れか1項に記載の容器詰ウコン飲料。

【図1】
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【図2】
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