説明

容器

【課題】容器本体と蓋体との装着操作が容易で、かつ、容器の内圧が高まった場合にその圧力を外部に開放すること。
【解決手段】内容物が収容される容器本体2と、容器本体2の口部3に着脱自在に装着された蓋体4と、を備え、容器本体2および蓋体4のいずれか一方には、弾性変形可能でかつヒンジ部14回りに回動可能な係合片15が周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、他方には、係合片15が着脱自在に係合された被係合部16が設けられ、内圧が上昇したときに、係合片15が被係合部16に係合した状態で容器軸O方向に弾性的に引張変形させられて、蓋体4が容器本体2に対して押し上げられることで、口部3と蓋体4との間に当該容器1の内部と外部とを連通する連通路が形成される容器1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関する。
【背景技術】
【0002】
液状の食品や調味料等の内容物を容器に収容する場合、経時変化や温度等の環境変化に伴って、内容物から揮発成分が生じたり内容物の体積が膨張したりする等して、容器の内圧が上昇することがある。また、例えば2剤を混合して使用する毛染め液の場合、2剤混合後にガスが発生する場合があり、容器内で混合した混合液を使い切らずに保存した場合等に容器の内圧が上昇することとなる。
このように容器の内圧が高まってしまった場合には、意図せずに内容物が容器の外部へ飛散したり、キャップ等が外れて容器が開封されたりすることがある。
【0003】
そこで、上述した問題を解決するための技術として、例えば特許文献1に示されているような、容器本体の口部にキャップ(蓋体)が被着された容器が知られている。この容器は、容器本体の口部に装着されるキャップ本体に透孔を形成し、キャップ本体の裏面において前記透孔に対向する位置に弁部材を嵌着して、容器の内圧が高まった場合に、弁部材とキャップ本体との間に隙間を生じさせるとともに、前記隙間に連通する透孔からその圧力を容器の外部に開放するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−182425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の容器では、容器本体の口部と蓋体(キャップ)とが螺合されているので、開封時に容器本体の胴部と蓋体とをそれぞれ強く把持して双方を相対的に回転させる必要がある。このため、開封時に容器本体の胴部が把持力によって変形して内容物がこぼれ出るおそれがある。
また、容器本体の口部と蓋体とが螺着されているため、例えば斜めに傾いた状態で蓋体が螺着されるおそれがあり、その装着操作に改善の余地があった。
【0006】
そこで、本発明は、開封時に内容物がこぼれ出るのを抑制し、かつ、容器本体と蓋体との装着操作が容易で、さらに、容器の内圧が高まった場合にその圧力を外部に開放することができる容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る容器は、内容物が収容される容器本体と、該容器本体の口部に着脱自在に装着された蓋体と、を備える容器であって、前記容器本体および前記蓋体のいずれか一方には、弾性変形可能でかつヒンジ部回りに回動可能な係合片が周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、他方には、前記係合片が着脱自在に係合された被係合部が設けられ、内圧が上昇したときに、前記係合片が前記被係合部に係合した状態で容器軸方向に弾性的に引張変形させられて、前記蓋体が前記容器本体に対して押し上げられることで、前記口部と前記蓋体との間に当該容器の内部と外部とを連通する連通路が形成されることを特徴とする。
【0008】
この発明では、容器を開封するときには、各係合片をヒンジ部回りに回動させて係合片の被係合部への係合を解除し、蓋体を容器本体の口部から離脱させる。また、開封された容器を密封するときには、容器本体の口部を蓋体により閉塞するとともに、各係合片をヒンジ部回りに回動させて被係合部に係合させることで、蓋体を容器本体の口部に装着させる。
【0009】
以上のように、各係合片をヒンジ部回りに回動させることで容器を開封することができるので、容器の開封時に容器本体を強く把持する必要がない。したがって、容器本体を変形させずに開封操作を行うことができ、開封時に容器本体内の内容物がこぼれ出るのを抑制することができる。
【0010】
また、各係合片をヒンジ部回りに回動させることで蓋体を容器本体の口部に装着させることができるので、容器本体に蓋体を簡単に装着させることが可能になり、装着操作性を向上させることができる。
また、係合片を被係合部に係合させることで蓋体が容器本体に装着されることから、例えば蓋体を容器本体に螺着させる場合に比べて、蓋体が傾いた状態で装着されるのを抑制することが可能になり、蓋体と容器本体の口部との間のシール性を安定して確保し易くすることができる。したがって、容器本体内に収容された内容物が容器からこぼれ出るのを抑制することができる。
【0011】
また、内圧が上昇したときに前記連通路が形成されるので、容器の内圧が上昇した場合、この内圧を、連通路を通して外部に逃がすことができる。またこのとき、係合片が被係合部に係合した状態で容器軸方向に弾性的に引張変形させられて、蓋体が容器本体に対して押し上げられるので、連通路を通した容器の内部と外部との連通を確保しつつ、蓋体の容器本体からの離脱を抑制することができる。
以上より、容器の内圧が高まった場合でも、不用意に内容物が容器の外部へ飛散したり、蓋体が容器本体から離脱したりすることを抑制することができる。
【0012】
また、前記係合片は、容器軸方向に弾性的に引張変形させられた状態で前記被係合部に係合されていても良い。
【0013】
この場合、係合片が、容器軸方向に弾性的に引張変形させられた状態で被係合部に係合されているので、係合片の弾性復元力によって蓋体と容器本体の口部とを強く密接させておくことが可能になり、蓋体と口部との間のシール性をより安定して確保し易くすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る容器によれば、開封時に内容物がこぼれ出るのを抑制し、かつ、容器本体と蓋体との装着操作が容易で、さらに、容器の内圧が高まった場合にその圧力を外部に開放することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る容器の半断面図である。
【図2】図1に示す容器の要部の拡大図である。
【図3】図2に示す領域Aの拡大図である。
【図4】図1に示す容器の上面図である。
【図5】図1に示す容器の作用を説明する図である。
【図6】図5に示す領域Bの拡大図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る容器の変形例の半断面図である。
【図8】図7に示す容器の要部の拡大図である。
【図9】図7に示す容器の作用を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る容器を説明する。
図1に示すように、容器1は、内容物が収容される容器本体2と、該容器本体2の口部3に着脱自在に装着された蓋体4と、を備えている。
なお本実施形態では、容器本体2は有底筒状に形成されるとともに蓋体4は有頂筒状に形成され、容器本体2および蓋体4は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸O方向に沿った蓋体4側を上側といい、容器本体2側を下側といい、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0017】
容器本体2は、前記口部3と、口部3の下端に連結され上方から下方に向けて漸次縮径する胴部5と、胴部5の下端部を閉塞する底部6と、を備えている。
胴部5の上端部は、胴部5においてこの上端部よりも下側に位置する部分に比べて厚肉に形成されている。
【0018】
蓋体4の周壁部7は、容器本体2の口部3に着脱自在に外嵌された下筒部8と、下筒部8よりも小径の上筒部9と、これらの下筒部8と上筒部9とを連結し、かつ口部3の上端開口縁上に配置された段部10と、を備えている。
図2および図3に示すように、下筒部8の内周面と口部3の外周面との間には、周方向の全周にわたって延びる第1隙間11が形成されている。また段部10の下面は、口部3の上端開口縁に当接している。
【0019】
上筒部9の下端には、前記口部3内に液密に嵌合するシール筒部12が下方に向けて延設されている。図示の例では、シール筒部12の外周面は、容器本体2の口部3の内周面に全周にわたって密接している。また、シール筒部12の外周面には、下方に向けて開口する凹溝13が、周方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0020】
また図2に示すように、蓋体4には、弾性変形可能でかつヒンジ部14回りに回動可能な係合片15が周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、容器本体2には、係合片15が着脱自在に係合された被係合部16が設けられている。
【0021】
被係合部16は、容器本体2の口部3の下端に径方向の外側に向けて全周にわたって突設された環状部17と、環状部17の外周縁から下方に向けて全周にわたって突設された突条部18と、を備えている。
環状部17には、上方から蓋体4の前記下筒部8の下端縁が近接しており、環状部17の上面と下筒部8の下端縁との間には、周方向の全周にわたって延びる第2隙間19が形成されている。第2隙間19は、前記第1隙間11と容器1の外部とを連通している。
【0022】
係合片15は、ヒンジ部14を介して蓋体4の前記下筒部8に連結されるとともに、図4に示すように、周方向に同等の間隔をあけて4つ配置されている。なお図示の例では、ヒンジ部14の回転軸線は、容器軸Oに直交する直交面に沿う方向のうち、径方向に直交する方向に沿って延びている。
【0023】
図2に示すように、係合片15は、ヒンジ部14に連結されるとともに表裏面が径方向を向く連結板部20と、連結板部20よりも下方に間隔をあけて配置され表裏面が径方向を向く操作板部21と、これらの連結板部20と操作板部21とを連結するとともに容器軸O方向に弾性変形可能な弾性変形部22と、操作板部21に径方向の内側に向けて突設された第1係合突起23と、第1係合突起23における径方向の内側の端部に上方に向けて突設された第2係合突起24と、を備えている。
【0024】
操作板部21において、第1係合突起23との連結部分よりも上側に位置する上側部分は、環状部17および突条部18に径方向の外側から当接もしくは近接するとともに、前記連結部分よりも下側に位置する下側部分は、図1に示すように、下方に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かうように湾曲している。
【0025】
図2に示すように、弾性変形部22は、表裏面が径方向を向く板状に形成されるとともに、容器軸O方向の両端から中間部に向かうに従い漸次、径方向の外側に向かうように湾曲している。また弾性変形部22の板厚は、容器軸O方向の両端から中間部に向かうに従い漸次小さくなっている。なお弾性変形部22は、容器軸O方向の両端から中間部に向かうに従い漸次、径方向の内側に向かうように湾曲していても良い。
【0026】
これらの連結板部20、操作板部21および弾性変形部22の表面および裏面は互いに滑らかに連なっている。また図4に示すように、連結板部20、操作板部21および弾性変形部22の板幅は同等とされ、これらの連結板部20、操作板部21および弾性変形部22の側面は互いに滑らかに連なっている。
【0027】
図2に示すように、第1係合突起23は、係合片15において、容器軸O方向に弾性変形部22を間に挟んだヒンジ部14の反対側に配置されている。また第1係合突起23は、被係合部16の突条部18に下側から近接もしくは当接している。
第2係合突起24は、前記突条部18に径方向の内側から近接もしくは当接している。
【0028】
また本実施形態では、係合片15は、容器軸O方向に弾性的に引張変形させられた状態で被係合部16に係合されている。図示の例では、弾性変形部22が、容器軸O方向に弾性的に引張変形させられていて、引張変形されていないときに比べて、連結板部20と操作板部21とが容器軸O方向に大きく離間している。そして、係合片15の弾性復元力によって、第1係合突起23が、被係合部16の突条部18に下方から強く密接させられるとともに、蓋体4の前記段部10の下面が、容器本体2の口部3の上端開口縁に密接されている。
【0029】
次に、以上のように構成された容器1の作用について説明する。
この容器1では、蓋体4の前記段部10の下面が、容器本体2の口部3の上端開口縁に密接し、かつ蓋体4の前記シール筒部12の外周面が、口部3の内周面に全周にわたって密接することで、蓋体4と口部3との間のシール性が確保されている。また、係合片15が容器軸O方向に弾性的に引張変形させられた状態で被係合部16に係合しており、前述のシール性が安定して確保されている。
【0030】
ここで図5および図6に示すように、この容器1の内圧が上昇すると、蓋体4が容器本体2に対して押し上げられる。
すると図6に示すように、蓋体4の前記段部10の下面と容器本体2の口部3の上端開口縁とが離間し、蓋体4と口部3との間に、前記第1隙間11に連通する第3隙間25が形成されるとともに、蓋体4の前記シール筒部12の凹溝13が前記第3隙間25に連通する。
【0031】
これにより、図5に示すように、容器1の内部から外部に向けて凹溝13、第3隙間25、第1隙間11および第2隙間19からなる連通路26が、容器本体2の口部3と蓋体4との間に形成され、この連通路26を通して容器1の内部と外部とが連通され、内圧が外部に逃がされることとなる。
【0032】
なお容器1の内圧が上昇して、蓋体4が容器本体2に対して押し上げられると、係合片15の第1係合突起23が、被係合部16の突条部18に下側に密接した状態で、係合片15の弾性変形部22が、容器軸O方向に弾性的に大きく引張変形させられ、係合片15が、容器1の内圧が上昇する前に比べて容器軸O方向に大きく引張変形させられる。
そして、前述のように内圧が外部に逃がされた後には、係合片15の弾性復元力によって蓋体4が復元移動させられて、蓋体4と容器本体2の口部3とが密接させられることで、再び前述のシール性が確保される。
【0033】
ところで図1に示すように、この容器1を開封するときには、各係合片15をヒンジ部14回りに上側に向けて回動させることで、第2係合突起24を被係合部16の突条部18の径方向の内側から外側に移動させ、係合片15の被係合部16への係合を解除する(図1の2点鎖線参照)。そして、蓋体4を容器本体2の口部3から離脱させ、口部3を開放する。ここで本実施形態では、前記第1隙間11が周方向の全周にわたって延びているので、口部3から蓋体4を離脱させ易い。
【0034】
一方、開封された容器1を密封するときには、蓋体4の前記下筒部8を容器本体2の口部3に外嵌させる。また、例えば係合片15の操作板部21を摘んで、係合片15を引っ張って弾性的に引張変形させながらヒンジ部14回りに下側に向けて回動させ、係合片15の第2係合突起24を、被係合部16の突条部18の径方向の外側から内側に移動させる。そして、例えば係合片15の操作板部21の摘みを解除し、係合片15の弾性復元力によって第1係合突起23を突条部18に密接させて、係合片15を被係合部16に係合させ、蓋体4を容器本体2の口部3に装着させる。
なお、前述した蓋体4の着脱操作は、例えば容器本体2を把持せずに図示しない載置台上に載置して行っても良い。
【0035】
以上説明したように、本実施形態に係る容器1によれば、各係合片15をヒンジ部14回りに回動させることで容器1を開封することができるので、容器1の開封時に容器本体2を強く把持する必要がない。したがって、容器本体2を変形させずに開封操作を行うことができ、開封時に容器本体2内の内容物がこぼれ出るのを抑制することができる。
【0036】
また、各係合片15をヒンジ部14回りに回動させることで蓋体4を容器本体2の口部3に装着させることができるので、容器本体2に蓋体4を簡単に装着させることが可能になり、装着操作性を向上させることができる。
また、係合片15を被係合部16に係合させることで蓋体4が容器本体2に装着されることから、例えば蓋体4を容器本体2に螺着させる場合に比べて、蓋体4が容器本体2に傾いた状態で装着されるのを抑制することが可能になり、蓋体4と容器本体2の口部3との間のシール性を安定して確保し易くすることができる。したがって、容器本体2内に収容された内容物が容器1からこぼれ出るのを抑制することができる。
【0037】
さらに、係合片15が、容器軸O方向に弾性的に引張変形させられた状態で被係合部16に係合されているので、係合片15の弾性復元力によって蓋体4と容器本体2の口部3とを強く密接させておくことができる。本実施形態では、蓋体4の前記段部10の下面と口部3の上端開口縁とを強く密接させることが可能になり、これによって蓋体4の前記シール筒部12の外周面を口部3の内周面の全周に安定した状態で密接させることができるため、蓋体4と口部3との間のシール性をより安定して確保し易くすることができる。
【0038】
また、内圧が上昇したときに前記連通路26が形成されるので、容器1の内圧が上昇した場合、この内圧を、連通路26を通して外部に逃がすことができる。またこのとき、係合片15が被係合部16に係合した状態で容器軸O方向に弾性的に引張変形させられて、蓋体4が容器本体2に対して押し上げられるので、蓋体4の容器本体2からの離脱を抑制することができる。
以上より、容器1の内圧が高まった場合でも、不用意に内容物が容器1の外部へ飛散したり、蓋体4が容器本体2から離脱したりすることを抑制することができる。
【0039】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、係合片15は前記実施形態に示したものに限られず、図7に示す容器30の係合片31であっても良い。
図8に示すように、この係合片31の弾性変形部32は、周方向に間隔をあけて配設された一対の湾曲板部33で構成されている。一対の湾曲板部33は、連結板部20および操作板部21それぞれの周方向の端部同士を連結している。湾曲板部33は、係合片31の正面視で、連結板部20および操作板部21から周方向の外側に膨出するように湾曲している。そして図9に示すように、弾性変形部32が容器軸O方向に弾性的に引張変形させられることで、係合片31が容器軸O方向に弾性的に引張変形させられる。
なお一対の湾曲板部33は、前述したものに限られず、例えば、連結板部20の下端部および操作板部21の上端部を連結し、かつ前記正面視で、容器軸O方向の両端から中間部に向かうに従い漸次、周方向の内側に向かうようにそれぞれ湾曲していても良い。
【0040】
また、前記実施形態では、係合片15、31は、容器1の内圧が上昇する前に弾性的に引張変形させられた状態で被係合部16に係合されているものとしたが、これに限られない。この場合であっても、容器1の内圧が上昇したときに、係合片15、31が被係合部16に係合した状態で蓋体4が容器本体2に対して押し上げられることで、係合片15、31が被係合部16に係合した状態で容器軸O方向に弾性的に引張変形させられる。
【0041】
また、係合片15、31は、4つに限られず、2つや3つ設けられていたり、5つ以上設けられていたりしても良い。なお、複数の係合片15、31は、周方向に同等の間隔をあけて配置されることが好ましい。
また、前記実施形態では、シール筒部12の外周面には、複数の凹溝13が形成されているものとしたが、1つでも良い。また凹溝13は、容器軸O方向に延びる縦溝でも、周方向に延びる周溝であっても良い。さらに凹溝13は、周方向に全周にわたって延びる周溝であっても良い。
【0042】
また、前記実施形態では、第1隙間11が周方向の全周にわたって延びるものとしたが、これに限られず、例えば、第1隙間が周方向に間欠的に設けられていても良い。この場合、蓋体4の前記下筒部8の内周面に、径方向の内側に向けて突出するとともに容器軸O方向に延びる縦リブが周方向に間隔をあけて複数設けられ、各縦リブの径方向の内側の先端部と容器本体2の口部3の外周面とが当接し、周方向で隣り合う縦リブ同士の間が前記第1隙間とされた構成であっても良い。この構成によれば、前記縦リブが設けられているので、蓋体4と口部3との径方向のがたつきを抑制し、容器本体2に対する蓋体4の姿勢を安定させることができる。
【0043】
また、前記実施形態では、蓋体4に係合片15、31が設けられ、容器本体2に被係合部16が設けられているものとしたが、これに代えて、容器本体2に係合片が設けられ、蓋体4に被係合部が設けられていても良い。すなわち、容器本体および蓋体のいずれか一方に、弾性変形可能でかつヒンジ部回りに回動可能な係合片が周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、他方に、係合片が着脱自在に係合された被係合部が設けられていれば良い。
【0044】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1、30 容器
2 容器本体
3 口部
4 蓋体
14 ヒンジ部
15、31 係合片
16 被係合部
26 連通路
O 容器軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される容器本体と、
該容器本体の口部に着脱自在に装着された蓋体と、を備える容器であって、
前記容器本体および前記蓋体のいずれか一方には、弾性変形可能でかつヒンジ部回りに回動可能な係合片が周方向に間隔をあけて複数設けられるとともに、他方には、前記係合片が着脱自在に係合された被係合部が設けられ、
内圧が上昇したときに、前記係合片が前記被係合部に係合した状態で容器軸方向に弾性的に引張変形させられて、前記蓋体が前記容器本体に対して押し上げられることで、前記口部と前記蓋体との間に当該容器の内部と外部とを連通する連通路が形成されることを特徴とする容器。
【請求項2】
請求項1記載の容器であって、
前記係合片は、容器軸方向に弾性的に引張変形させられた状態で前記被係合部に係合されていることを特徴とする容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−201565(P2011−201565A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−70118(P2010−70118)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】