説明

容量型加速度センサ

【課題】高温に耐性がある加速度センサを提供する。
【解決手段】加速度センサ10は、断面及び表面積がほぼ同一である第1及び第2の凹面の表面11、12を備え、第1の表面11が前記第2の表面12と対面し、第1及び第2の表面11、12のそれぞれの上にある少なくとも1つの導電性領域を備え、第1及び第2の表面11、12の前記少なくとも1つの導電性領域が各々、それぞれの部分の表面中心の中央に位置しており、第1及び第2の表面11、12の間にその間で移動するように支持されたプルーフ質量20を備え、プルーフ質量20の少なくとも一部が導電性である。実施形態において、導電性部分は調整回路に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容量型加速度センサに関し、より具体的には極端な条件、特に高温に耐性がある加速度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
加速度センサは加速度を測定するために使用され、幾つかの形態のものがある。容量型加速度センサは、2枚の導電性プレートの間である種のばねの上に懸架される振動又は慣性プルーフ質量と呼ばれる導電性質量を有する。空気や不活性ガスなどのガスが質量とプレートとの間の空間を満たす。この構成は2つのコンデンサを形成し、その1つは各々のプレートとプルーフ質量との間にあり、ガスは誘電体の作用を果たす。装置が加速されると、プルーフ質量は1方のプレート又は他方のプレートにさらに接近するように移動し、プルーフ質量と一方のプレートとの間の空隙を縮小する一方で、プルーフ質量と他方のプレートとの距離を増してコンデンサ内のキャパシタンスを変化させる。キャパシタンスを比較することによって、加速度の方向と大きさを判定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第3,709,042号
【特許文献2】米国特許第5,545,461号
【特許文献3】米国特許第5,627,316号
【特許文献4】米国特許第5,710,376号
【特許文献5】米国特許第6,045,642号
【特許文献6】米国特許第6,182,509B1号
【特許文献7】米国特許第6,263,733B1号
【特許文献8】米国特許第7,178,401B2号
【特許文献9】米国特許第7,179,674B2号
【特許文献10】米国特許出願公開第2007/0209437A1号
【特許文献11】米国特許出願公開第2008/0125701A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ほとんどの容量型加速度センサは、その構造上の理由により、1つの軸に沿った加速度しか測定することができない。1つ以上の軸に沿った加速度を測定するには、当該の各々の軸ごとに1つの加速度センサを備えなければならず、それが煩雑になることがある。また、容量型加速度センサはその材料及び構造により、ガスタービンで起こり得るような高温で故障し易い傾向がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある実施形態では、加速度センサは表面の間で移動するように支持されたプルーフ質量(プルーフマス)の周囲で互いに対面する、表面積がほぼ同一である第1及び第2の凹面の表面を有する。表面及びプルーフ質量は、加速度を測定するために異なるキャパシタンスの判定を可能にする導電性部分を有する。
【0006】
別の実施形態は、凹面の第1及び第2の表面を有する加速度センサを含むシステムを有しており、第1の表面は第2の表面に対面しており、各々の表面は第1及び第2の各表面のそれぞれの部分に少なくとも1つの導電性領域を有する。加速度センサは、第1及び第2の表面の間に、その間で移動するように支持されたプルーフ質量を備え、プルーフ質量の少なくとも一部は導電性である。システムは、第1及び第2の表面の各々の導電性領域とプルーフ質量の少なくとも一部の導電性領域とに接続され、第1及び第2の表面の各々の導電性領域とプルーフ質量の少なくとも一部の導電性領域との間のキャパシタンスを示すそれぞれの信号を供給するように構成された調整回路を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本明細書に開示した実施形態による加速度センサの斜視図である。
【図2】本明細書に開示した実施形態による加速度センサの分解斜視図である。
【図3】本明細書に開示した実施形態による加速度センサの半球形の表面の概略図である。
【図4】本明細書に開示した実施形態による加速度センサの半球形の表面の概略図である。
【図5】本明細書に開示した実施形態による加速度センサの半球形の表面の概略図である。
【図6】本明細書に開示した実施形態による加速度センサの半球形の表面の概略図である。
【図7】本明細書に開示した実施形態による加速度センサの半球形の表面の概略図である。
【図8】本明細書に開示した実施形態による加速度センサの半球形の表面の概略図である。
【図9】本明細書に開示した実施形態による加速度センサの半球形の表面の概略図である。
【図10】本明細書に開示した実施形態による加速度センサの半球形の表面の概略図である。
【図11】実施形態による調整回路の概略図である。
【図12】実施形態による調整回路の概略図である。
【図13】実施形態による調整回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
添付の図面を参照し、本発明の実施形態による加速度センサの例を開示する。説明を目的とするため、多数の具体的な詳細を図面に示して以下で説明し、本発明の実施形態を十分に理解できるようにする。図示及び記載した詳細は例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。しかし、これらの具体的な詳細なく本発明の実施形態を実行できることは明らかであろう。他の例では、周知の構造や装置を概略的に示し、図面を簡略化する。
【0009】
図1及び2に示すように、ある実施形態による加速度センサ10は、第1及び第2のプレート13、14内に形成された半球形で凹面の第1及び第2の表面11、12を含み、第1の表面11は第2の表面12に対面している。例示的実施形態では半球形表面が示されているが、第1及び第2の表面がほぼ同じ断面と表面積を有していれば、多角形表面、楕円形表面、双曲面、及び放物面などを含むがこれらに限定されないその他の形状を本発明の範囲内で使用することができよう。図示した例示的実施形態では、第1及び第2の表面11、12は、ほぼ同じ曲率半径、表面積、奥行き及びプレート13、14の表面での外周などを含むがこれらに限定されないその他の寸法のものである。第1及び第2の表面11、12は各々、導電性領域であるか、又は導電性領域を取り付けた少なくとも1つの部分を有しており、各々の導電性領域はそれぞれの部分の表面中心の中央に位置している。振動又は慣性プルーフ質量20は、屈曲プレートなどのばね状部材30によって第1と第2の表面11、12の間に懸架されているので、プルーフ質量20は少なくとも1つの次元で運動することができる。例示的実施形態では半球形のプルーフ質量20が示されているが、多角形、楕円形、双曲面、及び放物面の断面などを含むがこれらに限定されないその他の形状又は断面を本発明の範囲内で使用することができよう。ある実施形態のばね状部材30は、プルーフ質量20を加速度センサの縦軸に沿った運動に制約しているが、他の実施形態では、ばね状部材30によって二次元又は三次元の運動が可能である。既知のように、多次元空間における物体の移動は、軸に沿った運動成分で表わすことができる。例えば、二次元運動は互いに垂直な2つの軸に沿った運動の成分で表わすことができる。同様に、例えば三次元運動は互いに垂直な3本の軸に沿った運動の成分で表わすことができる。
【0010】
プルーフ質量20の少なくとも一部は導電性である。プルーフ質量20と第1及び第2の表面11、12との間の空間25は、誘電体として作用するガスで満たされる。ある実施形態では、ガスはヘリウムなどの高温で不活性、又は低活性のガスであるが、本明細書に記載の目的に適する低活性であればその他のガスを使用することができる。ばねが撓むことができるように、ある実施形態の第1及び第2の各プレートは、それぞれの半球形表面11、12の開口部の周囲に円錐台形の切り欠き部15、16などの切り欠き部を含む。第1及び第2のプレート13、14の係合面17、18の残りの部分は屈曲プレートに係合し、これを保持する。複数の実施形態では、第1及び第2のプレート13、14、ばね状部材30、及びプルーフ質量は非導電性材料から製造される。ある実施形態での第1及び第2のプレート13、14及びプルーフ質量20の導電性部分は、プレート13、14の第1及び第2の表面11、12、及びプルーフ質量20に金属コーティングを施すことによって形成される。このようなコーティングには厚さがあるが、厚さがほぼ均一であるならば厚さの影響は平衡され、且つ/又は無視できる。高温の用途での実施形態では、実施形態の金属コーティングは融点が高い金属から製造されるので、加速度センサがさらされる高温でもコーティングはかき乱されない。
【0011】
高温の用途の実施形態の第1及び第2のプレート13、14が製造される材料は、高温に耐性があるセラミック材料である。他の用途には本発明の範囲で適切な他の材料を使用することができる。プレート13、14は図1及び2では円筒形として示されているが、実施形態では他の形状を使用することができる。同様に、屈曲プレート30の運動を可能にする切り欠き部15、16は円錐台形として示されているが、屈曲プレート30の適切な運動に適応するならば他の形状を利用することもできる。振動又は慣性プルーフ質量20が製造される材料として他の適宜の材料を使用することもできるが、特に高温の用途での実施形態においてはセラミック材料である。
【0012】
図1に示すように、屈曲プレート30は、屈曲プレート30の内周がプルーフ質量20と共に移動するようにプルーフ質量20に取り付けられる。屈曲プレート30の外周は上部プレート13及び下部プレート14の端部17、18によって保持される。アセンブリを互いに保持し、誘電ガスを保持する密閉室を設けるために外部ハウジング40を含めることができる。高温の用途での実施形態には、外部ハウジングはステンレス鋼、セラミック又はその他の適宜の耐熱性材料でよい。図1に示した外部ハウジング40は一例であるに過ぎず、本発明の範囲から逸脱することなく外部ハウジングのその他の形状、サイズ、種類及び組み立てを使用することもできる。
【0013】
図3及び4に示すように、ある実施形態の各々の半球形表面11、12は、導電性領域310、320をそれぞれ取り付けた1つの部分を有する。図3及び4の実施形態では、各々の表面11、12の全体を金属でコーティングして導電性領域310、320を形成するが、コーティングする領域が同じサイズであり、導電性領域310、320の中心が、これらがコーティングされるそれぞれの表面の表面中心と一致するならば、より小さいコーティング領域を利用して導電性領域310、320を形成することもできる。各々の導電性領域310、320はプルーフ質量20と共にコンデンサを形成する。単一のコーティング部分310、320が各々の表面上にある場合は、加速度センサ10が軸に沿った加速、又は少なくともその成分を受けると、加速度センサ10はプルーフ質量20の偏向に誘発されたキャパシタンスの変化による単一の軸に沿った加速度の成分を測定することができる。例えば、図3に示すように、z軸で示された単一の測定軸は半球の中心を通っている。
【0014】
図5及び6に示すように、ある実施形態では、導電性領域410、420、430、440、450、460、470及び480であり、又はこれらの領域を取り付けた各々の半球形表面11、12内の4つの部分を用いる。これらの領域の組み合わせは、三次元での加速度又はその成分を測定するために使用される。8つの導電性領域410、420、430、440、450、460、470及び480は、導電性領域の隣接する1つから電気的に絶縁される。電気的絶縁は例えば、表面にコーティングされていない部分を残して領域の間に境界を形成することによって達成される。各々の導電性領域は、離間されたプルーフ質量と共に効果的にコンデンサを形成する。対向する一対の領域は、それぞれの対向する領域を通る軸に沿って加速度又は少なくともその成分を測定することができる対向するコンデンサを形成する。また、対向する一対の領域のセット又はグループを使用して、それぞれの対向する一対の領域のグループを通る軸に沿って加速度又は少なくともその成分を測定することができる。例えば、実施形態では、図5及び6に示すように8つの導電性領域の組み合わせを使用して、例えば互いに垂直な3本の直交軸に沿った加速度の成分を測定することによって、空間内の加速度の測定が可能である。図6に示すy軸に沿った加速度成分の測定は、例えば、第1のセットの領域410及び450の総キャパシタンスを第2のセットの領域430及び470の総キャパシタンスと比較することによって達成でき、図6に示すx軸に沿った加速度成分の測定は、第3のセットの領域420及び460の総キャパシタンスを第4のセットの領域440及び480の総キャパシタンスと比較することによって達成でき、またz軸に沿った加速度成分の測定は、第5のセットの領域410−440の総キャパシタンスを第6のセット領域450−480の総キャパシタンスと比較することによって達成できる。実施形態で別のセットと向きの領域を使用しても同様の結果が得られる。
【0015】
ある実施形態では、前述の半球形表面ごとに1つの導電性領域の場合と同様に、各々の導電性領域の中心がその導電性領域がコーティングされるそれぞれの部分の表面中心と一致するならば、導電性領域はこれらの領域がコーティングされる表面のそれぞれの部分より小さくてもよい。また、実施形態では導電性領域は全て同じサイズであるべきである。
【0016】
実施形態に従ったより一般的な原則は、対向する導電性領域によって形成される対向する一対のコンデンサ、又はコンデンサの対向する対称的なセット又はグループ及びプルーフ質量は、対向する導電性部分の中心、及び初期位置のプルーフ質量の中心を通る軸に沿って加速度を測定することができるということである。従って、実施形態では前述のように半球形表面ごとに1つ又は4つの導電性領域に限定されるのではなく、所定の状況に対して適切なように2つ、3つ、5つ又はそれ以上の導電性領域を有することができる。現在の製造基準では、ある実施形態を使用するにはあまりにも困難であり、且つコストが高くなるが、製造上の改良と向上によって、有用であるかもしれない実施例の全てではないにせよ多くの実施例をより簡単に、且つ低コストで製造できるようになることが期待される。
【0017】
例えば、図7及び8に見られるように、ある実施形態による平面での加速度を測定できる加速度センサが示されている。各々の半球形表面11、12は、互いに電気的に絶縁された2つの導電性領域510、520、530、540を有する。前述のように、電気的絶縁は、単に表面の一部をコーティングしないままに残して、領域の間に所望の境界を形成することによって達成される。各々の領域は離間されたプルーフ質量20と共にそれぞれのコンデンサを形成し、対向する一対の領域510/540、520/530は、一対の領域のうちの1つの領域のキャパシタンスをその領域、又は一対の領域のうちの他の領域のキャパシタンスと比較するだけで、それぞれの対向する一対の領域を通る軸に沿って加速度成分を測定することができる。図3及び図5〜9に示すx軸及びz軸によって形成されるx−z面での加速度の測定は、加速度センサ又は少なくとも半球形表面が適切な向きにあれば達成可能である。従って、x−z面での測定は、z軸については上部領域510、520の総キャパシタンスを底部領域530、540の総キャパシタンスと比較し、x軸については一方の側の領域510、530の総キャパシタンスを他方の側520、540の総キャパシタンスと比較することによって達成できる。
【0018】
図9及び10に示すように、ある実施形態による代替の3軸加速度センサは、互いに電気的に絶縁された6つの導電性領域610、620、630、640、650、660を使用しており、そのうちの3つの領域は各々の半球形表面11、12内にある。この場合も、電気的絶縁は表面の一部をコーティングしないままに残して領域の間に境界を形成することによって達成可能である。半球11、12の導電性領域はほぼ同一の配置であるが、一方の領域を他の領域に対してx−y面で互いに180度回転させて、プルーフ質量20に対して上部の半球11の領域610、620、630を下部の半球12の対応する領域640、650、660とは反対に配置する。各々の領域は離間されたプルーフ質量20と共にそれぞれのコンデンサを有効に形成し、対向する一対の領域610/660、620/650、及び630/640は、それぞれの対向する一対の領域の中心を通る軸に沿って加速度又は少なくともその成分を測定することができる。図9及び10に示す対向する3対の領域を使用することによって、3本の軸に沿った測定が可能になるので、加速度センサ10の方向を適切に向けることによって、且つ/又は調整回路及び/又は処理ハードウエア及び/又はソフトウエアで適用される適宜の修正係数によって、互いに垂直な直交軸に沿った加速度成分を測定することができる。
【0019】
半球形表面ごとに1つ及び4つの導電性領域を使用する前述の実施形態の場合と同様に、実施形態の導電性領域は、各々の導電性領域の中心がその導電性領域がコーティングされるそれぞれの部分の表面中心と一致するならば、導電性領域はこれらの領域がコーティングされる表面のそれぞれの部分より小さくてもよい。また、実施形態では導電性領域は全て同じサイズであるべきである。
【0020】
前述のように、実施形態ではプルーフ質量及び対向する一対のコンデンサ又は対向する対称的なコンデンサのセット又はグループは調整回路に接続される。調整回路は各コンデンサ又はコンデンサのグループとプルーフ質量との間のキャパシタンスを監視し、対向する一対の対称的なコンデンサのセット又はグループの間のキャパシタンス差を示す電圧などのそれぞれの信号を供給する。各信号は、監視されたキャパシタンスの初期値からの変化度の関数として加速度センサが受ける加速度の大きさ及び/又は方向を示す。
【0021】
従って、図11に示すように、単一軸の加速度測定は、第1のコンデンサ又はコンデンサのセットからなる第1のキャパシタンス1110と第2のコンデンサ又はコンデンサのセット1120からなる第2のキャパシタンス1120とを調整回路1130に接続することによって達成可能である。調整回路1130は、第1のキャパシタンスと第2のキャパシタンス1110、1120との間のキャパシタンス差を示す信号1140を供給する。信号1140は、第1及び第2のキャパシタンス1110、1120の初期値からの変化度の関数として加速度センサが受ける加速度の大きさ及び/又は方向を示す。例えば、表1に示すように、調整回路1130を以下のように利用できよう。
【0022】
【表1】

【0023】
各例のセットは、実施形態の特定の状況にとって適切ならば第1のキャパシタンス1110と第2のキャパシタンス1120とで切り換えることができる。
【0024】
同様に、図12に示すように、加速度の2軸測定は第1、第2、第3及び第4のキャパシタンス1210〜1240を調整回路1250に接続することによって達成可能である。前述のように、各キャパシタンスは単一のコンデンサでもよく、コンデンサのセットでもよい。調整回路1250は、第1のキャパシタンス1210と第2のキャパシタンス1220との間のキャパシタンス差を示す第1の信号1260と、第3のキャパシタンスと第4のキャパシタンスとの間のキャパシタンス差を示す第2の信号1270とを供給する。例えば、表2に示すように、調整回路1250を以下のように利用できよう。
【0025】
【表2】

【0026】
各例のセットは、実施形態の特定の状況にとって適切ならば第1/第3のキャパシタンス1210/1230と第2/第4のキャパシタンス1220/1240とで切り換えることができる。
【0027】
同様に、図13に示すように、加速度の3軸測定は第1、第2、第3、第4、第5及び第6のキャパシタンス1310−1360を調整回路1370に接続することによって達成可能である。前述のように、各キャパシタンスは単一のコンデンサでもよく、コンデンサのセットでもよい。調整回路1370は、第1のキャパシタンス1310と第2のキャパシタンス1320との間のキャパシタンス差を示す第1の信号1380と、第3のキャパシタンス1330と第4のキャパシタンス1340との間のキャパシタンス差を示す第2の信号1385と、第5のキャパシタンス1350と第6のキャパシタンス1360とのキャパシタンス差を示す第3の信号1390とを供給する。例えば、表3に示すように、調整回路1370を以下のように利用できよう。
【0028】
【表3】

【0029】
各例のセットは、実施形態の特定の状況にとって適切ならば第1/第3/第5のキャパシタンス1310/1330/1350と第2/第4/第6のキャパシタンス1320/1340/1360とで切り換えることができる。
【0030】
実施形態を本明細書に開示するように利用することによって、コンパクトで頑強な加速度センサが提供される。特に、ガスタービンの場合のような極端な高温に耐えられる多軸加速度センサが提供される。
【0031】
1つ又は複数の例示的実施形態を参照して本発明を記載したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能であり、同等物の置き換えも可能であることは当業者に理解されよう。また、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の状況や材料を本発明の教示に適合するように修正することもできる。従って、本発明は、発明を実施するための最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲内のあらゆる実施形態を含むことを目的としている。
【符号の説明】
【0032】
10 加速度センサ
11、12 第1及び第2の表面
13、14 第1及び第2のプレート
20 振動又は慣性プルーフ質量
30 ばね状部材
25 空間
15、16 切り欠き部
17、18 係合面
40 外部ハウジング
310、320 図3−4の導電性領域
410、420、430、440、450、460、470、480 図5−6の導電性領域
510、520、530、540 図7−8の導電性領域
610、620、630、640、650、660 図9−10の導電性領域
1110 図11の第1のキャパシタンス
1120 図11の第2のキャパシタンス
1130 図11の調整回路
1140 図11の信号
1210、1220、1230、1240 図12の第1、第2、第3及び第4のキャパシタンス
1250 図12の調整回路
1260 図12の第1の信号
1270 図12の第2の信号
1310、1320、1330、1340、1350、1360 図13の第1、第2、第3、第4、第5及び第6のキャパシタンス
1370 図13の調整回路
1380 図13の第1の信号
1385 図13の第2の信号
1390 図13の第3の信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】

加速度センサ(10)であって、
断面及び表面積がほぼ同一である第1及び第2の凹面の表面(11、12)を備え、前記第1の表面が前記第2の表面と対面し、
前記第1及び第2の表面(11、12)のそれぞれの上にある少なくとも1つの導電性領域を備え、前記第1及び第2の表面(11、12)の前記少なくとも1つの導電性領域が各々、それぞれの部分の表面中心の中央に位置しており、
前記第1及び第2の表面(11、12)の間にその間で移動するように支持されたプルーフ質量を備え、前記プルーフ質量の少なくとも一部が導電性である加速度センサ。
【請求項2】
前記第1及び第2の表面(11、12)は、半径がほぼ同一の略半球形である、請求項1に記載の加速度センサ(10)。
【請求項3】
前記第1及び第2の表面(11、12)はそれぞれの第1及び第2のプレート(13、14)に形成され、前記加速度センサ(10)は、前記プルーフ質量を支持し、前記第1及び第2のプレート(13、14)によって支持される屈曲プレートをさらに備える、請求項1または2に記載の加速度センサ(10)。
【請求項4】
前記第1及び第2の表面(11、12)の各々の少なくとも1つの導電性領域は、互いに電気的に絶縁され、前記第1の表面の導電性領域が対向する前記第2の対応表面を有するように配置された複数の導電性領域である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の加速度センサ(10)。
【請求項5】
複数の導電性領域は各々、4つの導電性領域(410、420、430、440、450、460、470、480)を備える、請求項4に記載の加速度センサ(10)。
【請求項6】
前記プルーフ質量は、初期位置では前記第1及び第2の表面(11、12)の曲率中心と同心であり、半径は前記第1及び第2の表面(11、12)の半径よりも小さい、請求項2に記載の加速度センサ(10)。
【請求項7】
システムであって、
凹面の第1及び第2の表面(11、12)を備え、前記第1の表面は前記第2の表面と対面し、
前記各々の第1及び第2の表面(11、12)のそれぞれの部分上の少なくとも1つの導電性領域を備え、
前記第1及び第2の表面(11、12)の間にその間で移動するように支持されたプルーフ質量を備え、前記プルーフ質量の少なくとも一部が導電性である加速度センサ(10)と、
前記第1及び第2の表面(11、12)の各々の導電性領域とプルーフ質量の少なくとも一部の導電性領域とに接続され、前記第1及び第2の表面(11、12)の各々の導電性領域とプルーフ質量の少なくとも一部の導電性領域との間のキャパシタンスを示すそれぞれの信号を供給するように構成された調整回路とを備えるシステム。
【請求項8】
前記第1及び第2の表面(11、12)の各々の少なくとも1つの導電性領域は、それぞれ第1の複数の領域と第2の複数の領域であり、前記第1の複数の領域は各々、前記第2の複数の領域の対応する対向導電性領域を有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1及び第2の複数の導電性領域は各々4つの導電性領域(410、420、430、440、450、460、470、480)を含み、それらのそれぞれの部分は各々、前記第1及び第2の表面(11、12)のそれぞれの1つの約4分の1である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記調整回路は、第1のセットの導電性領域と対向する第2のセットの導電性領域との第1のキャパシタンス差を示す第1の信号と、第3のセットの導電性領域と対向する第4のセットの導電性領域との第2のキャパシタンス差を示す第2の信号と、第5のセットの導電性領域と対向する第6のセットの導電性領域とのキャパシタンス差を示す第3の信号とを供給する請求項8に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−85401(P2010−85401A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218350(P2009−218350)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY