説明

寄生虫疾患の処置のための特異的ヒストンの使用

本発明は、寄生虫疾患の処置、診断または予防のためのヒストンタンパク質H2A、H2B、H3およびH4のいずれかの使用に関する。好ましくは、すべて4種のヒストンが組み合わされて使用される。もし1種のヒストンのみが使用される場合は、好ましくはヒストンH4が使用される。本発明の大きな利点は、1つの種によって惹起された寄生虫疾患が、その他の種由来のヒストンを使用して処置されてもよいことである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寄生虫疾患の処置、診断または予防のためのヒストンの使用に関する。特に、それは、そのような用途のためのヒストンタンパク質H2A、H2B、H3およびH4の一種以上の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ライシュマニア原生動物は、それらの脊椎動物宿主の単核食細胞系統の細胞に感染する絶対細胞内寄生虫である。これらの寄生虫は、自己治癒性皮膚潰瘍から潜在的に致死性の内蔵感染までの範囲にわたるライシュマニア症、ヒトにおける種々の臨床発現を特徴とする1群の疾病、の病因作用物である(非特許文献1)。疾病の発現と感染の伝播は、感染宿主の遺伝的背景と免疫系の状態に応じて個人ごとに非常に異なる。
【0003】
皮膚ライシュマニア症のマウス・モデルが幅広く使用されて、有効な予防接種に関する要件が探求された。DNAワクチンにおいてコードされているマウスに対する数種の抗原の投与は、ある場合には疾病の予防をもたらす(非特許文献2に総括されている)。タンパク質GP63、LACKおよびPSA−2をコードしているDNAによる予防接種は、L.マヨール(L.major)感染からマウスを防御した(例えば、非特許文献3参照)。さらにまた、タンパク質LACK、LmST11およびTSAを発現するプラスミドの組み合わせ物による免疫化は、L.マヨールによる低用量チャレンジに対して高度に有効であることが証明され(非特許文献4)、一方、システインプロテイナーゼCPaおよびCPbをコードしている2種のプラスミドの混合物は、L.マヨールによる高用量チャレンジに対してBALB/cマウスを部分的に防御した(非特許文献5)。防御実験のほとんどは、実験室レベルでかつ動物モデルを用いることに限定される。かくして、実際の宿主動物では乏しい分野の研究しか存在しないので、候補物質が成功をもたらすワクチンであろうことの確定的な証明は存在しない。
【0004】
良好な抗体価を生成する、すなわち免疫原性である抗原が、常にかつそれ自体で、疾病に対する防御を与えるとは限らないことを注意すべきである。これに対して、抗原に対するある種の抗体または細胞性応答は防御に関係しているかもしれないが、抗原に対する他の抗体または細胞性応答は、疾病の感受性および/または病勢悪化に関係していることもある。その上、アジュバントなしの抗原は抗体応答を起こすが、防御を与えないこともあるので、アジュバントは予防効果にはしばしば必須である。参照、例えば、Staceyら(非特許文献6)は、可溶性ライシュマニア抗原(SLA)単独、SLA+ミョウバン、またはSLA+免疫促進性CGモチーフ(CpG CDN)を含有する非オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)によるマウスの皮下予防接種が、予防接種されなかったマウスに較べて病勢悪化した疾病をもたらしたことを報告した。SLA+CpG CDNを受けたマウスはSLAを予防接種されたマウスに較べて高度に有意な防御効果を示し、そして予防接種されなかったマウスに較べて生存率を増進した。
【0005】
種特異的エピトープを暗示する、ライシュマニア種における抗原の多様性は、個々の抗原に基づくワクチンの開発における1つの誘惑であるかもしれない(非特許文献2)。既知のDNAワクチンは、DNAが得られた種に対してのみ防御する。Melbyおよび共同研究者は、非特許文献7において、ライシュマニア・ドノバニ(Leishmania
donovani)のタンパク質をコードしているcDNA発現ライブラリーおよびサブライブラリーによる免疫化が、L.ドノバニによって惹起される疾病のVL形態に対してマウスを防御したことを報告した。非特許文献8は、L.マヨール由来の免疫優性のLACK(活性化されたCキナーゼに対するレセプターのライシュマニア同族体)寄生虫抗
原をコードしているDNAによる予防接種が、ライシュマニア・マヨールに対する防御を与えることを報告した。非特許文献9は、この抗原がマウスにおいてL.インファンタム(L.infantum)に対しては防御を与えないことを示している。また彼らは、L.ドノバニp36(LACK)DNAワクチンは高度に免疫原性であるけれども、それが実験的内蔵ライシュマニア症に対して防御的ではないことを報告している。免疫原性分子が防御を与えない、すなわち、感染のクリアランスまたは臨床症候の解除をもたらさないというこの現象は、良好なワクチンを見い出すことへの挑戦の1つになる。もし免疫原性または抗原性分子が常に自動的に防御を与えるならば、ワクチンを見い出すことは容易であろう。1つ以上の種に対して使用できるワクチンを見い出すことは、なお一層の挑戦になる。
【非特許文献1】Herwardt,Lancet(1999)354:1191
【非特許文献2】Handman,Clin.Microbiol.Rev.(2001)14:229
【非特許文献3】Xu et al.,Immunology(1955)84:173
【非特許文献4】Mendez et al.,J.Immunol.(2001)166:5122
【非特許文献5】Rafati et al.,Vaccine(2001)19(25−26):3369
【非特許文献6】Stacey and Blackwell、Infect.Immun.1999 Aug;67(8):3719−26
【非特許文献7】Melby et al.,Infect Immun.(2000)68:5595
【非特許文献8】Gurunathan et al.,J,Exp.Med.(1977)186:1137
【非特許文献9】Melby et al.,Infect Immun.(2001)69:4719
【発明の開示】
【0006】
本発明は、寄生虫疾患の処置、診断または予防のためのヒストンタンパク質H2A、H2B、H3およびH4のいずれかの使用に関する。1つの実施態様では、H4のみが使用される。好ましくは、ヒストンH2A、H2B、H3またはH4の2種以上が使用され、より好ましくは、これらのヒストンの3種以上が使用され、もっとも好ましくは、すべて4種のヒストンH2A、H2B、H3およびH4が使用される。
【0007】
本発明の利点は、それが、比較的広範なスペクトルの疾病の処置のための薬物、すなわち、交差・種特異性を有する薬物の製造を可能にすることである。多くの寄生虫疾患においては、特異的な種に対して生成されたワクチンは、その特異的な種に対してのみ働く。このことがその場合になる寄生虫疾患の1つの例は、ライシュマニア症である。現在では、この疾病は薬物によって制御されるが、薬物処置は疾病の伝播を防げず、そして多くの場合に非常に有効とは言えない。
【0008】
本発明の1つの態様では、ヒストンは寄生虫疾患の処置用の製薬学的組成物の製造のために使用される。
【0009】
本発明の1つの実施態様では、この製薬学的組成物において、各ヒストンは等モル量において存在する。このことは、例えば、H2AおよびH2Bを含んでなる製薬学的調製物は、H2AのXmol/lおよびH2BのXmol/lを含有することを意味する。
【0010】
本発明のその他の実施態様では、製薬学的組成物におけるヒストンは非等モル量におい
て存在する。このことは、例えば、ヒストンH2A、H3およびH4を含有する製薬学的調製物は、H2AのXmol/l、H3のXmol/lおよびH4のYmol/lを;あるいは例えば、H2AのXmol/l、H3のYmol/lおよびH4のZmol/lを含有してもよいことを意味する。好適な実施態様では、製薬学的組成物は主としてヒストンH4に基づく。
【0011】
本発明の製薬学的組成物は、感染症と戦うヒトまたは動物の免疫系の能力を増強するために使用されてもよい。特に、それは、ヒトまたは動物被験者に投与するために使用されてもよい。製薬学的組成物は、好ましくは非経口的に、例えば、静脈内、腹腔内、筋肉内、動脈内または病巣内経路による注射または注入によって投与される。製薬学的組成物は当該技術分野における既知の慣用技術によって製薬学的に許容できる媒質または送達担体と組み合わされてもよい。非経口的に投与できる組成物の製造方法は、当該技術分野において周知であり、そして、例えば、Remington’sPharmaceutical Sciences,Ed.AR Gennaro,20th edition,2000,Williams & Wilkins,PA,USAを含む、種々の起源においてより詳細に記述されている。製薬学的組成物は、好ましくは、治療学的に有効な用量、すなわち、感染症と戦うヒトまたは動物の免疫系の能力を増強できる用量において投与される。
【0012】
特に興味あるものは、ワクチンである製薬学的組成物である。ワクチンはタンパク質に基づくワクチンであってもよい。それは、ヒストンH2A、H2B、H3またはH4の遺伝子によってコードされているタンパク質の1種以上、好ましくは2種以上を含有してもよい。このことは、タンパク質ワクチンが、例えばH2A、H2BおよびH4に基づくか、または例えばH2A、H3またはH4、またはH2AおよびH3、またはH4のみに基づいてもよいことを意味する。好適な実施態様では、ワクチンはH4に基づく。
【0013】
またワクチンはDNAワクチンであってもよい。DNAワクチンはワクチンに存在する各ヒストンの遺伝子を含有してもよい。例えば、ヒストンH2A、H2BおよびH3に基づくDNAワクチンは、ヒストンH2Aをコードしている遺伝子、ヒストンH2Bをコードしている遺伝子およびヒストンH3をコードしている遺伝子を含有してもよい。あるいはまた、ヒストンH2A、H2BおよびH3に基づくDNAワクチンは、2つの遺伝子、例えば、両ヒストンH2AおよびH3をコードしている1つの遺伝子ならびにヒストンH2Bをコードしているその他の遺伝子を含有してもよい。あるいは、それは全3種のヒストンをコードしている1つの遺伝子を含有してもよい。これの応用では、1種以上のヒストンをコードしているそのような遺伝子はキメラ遺伝子と呼ばれる。
【0014】
本発明によるDNAワクチンにおける遺伝子は、典型的にはベクターにおいて存在することができる。適当なベクターの例は、当該技術分野において周知であり、例えば、Donnelly et al.,Ann.Rev.Immunol.(1997)15:617参照、そして限定されるものではないがpcDNA3およびpcCMVを含む。
【0015】
ヒストンH2A、H2B、H3およびH4は、良好に保存された核タンパク質であり、そしてそれらの配列は、当該技術分野において周知である、例えば、Requena et al.,Trends in Prasitol.(2000)16:246参照。したがって、製薬学的組成物の調製では、ヒストンH2A、H2B、H3およびH4は、いかなる真核生物から得られてもよく、それが植物または動物であっても、それが哺乳類、爬虫類、魚類、昆虫類、またはすべての他の染色体を担持する生物、例えば原生動物由来であってもよい。好ましくは、ヒストンは進化樹においてこの疾病を惹起する生物に近い生物から得られる。したがって、ライシュマニア症のような寄生虫疾患の処置において使用されるヒストンの起源として特に興味あるのは、原生動物、特に、トリパノソーマ科のメンバー、例えばプラスモジウム(plasmodium)、より特に、トリパノソーマ科の原生動物ライシュマニア属の異なる種である。
【0016】
ワクチン中のDNAは、タンパク質の発現のために適当であるすべてのDNA、例えば、cDNAまたはdsDNAであってもよいが、ゲノムDNAまたはssDNAではない。また、DNAおよびタンパク質の同時または連続投与による1つのワクチン中にタンパク質およびDNAの混合物が存在してもよい。また、RNAワクチンが使用されてもよいが、これらは投与されるべきRNAを安定化するために安定化剤を必要とするであろう。
【0017】
ライシュマニアの20以上の既知の種が存在しており、これらは、L.マヨールを含む複合L.マヨール、L.チャガシ(L.chagasi)、L.ドノバニ(L.donovani)およびL.インファンタム(L.infantum)を含む複合L.ドノバニ、L.アマゾネンシス(L.amazonensis)およびL.メキシカーナ(L.mexicana)を含む複合L.メキシカーナ、を含有する亜属ライシュマニアの種、ならびにL.ブラジリエンシス(L.braziliensis)およびL.ペルビアナ(L.peruviana)を含む複合L.ブラジリエンシス、およびL.ガイアネンシス(L.guyanensis)およびL.パナメンシス(L.panamensis)を含む複合L.ガイアネンシス、を含有する亜種ビアンニア(Viannia)を含む。特に興味あるプラスモジウム(Plasmodium)の種は、プラスモジウム・ファルシパルム(Plasmodium falciparum)およびプラスモジウム・ビバックス(Plasmodium vivax)である。
【0018】
本発明の1つの実施態様では、1つの種由来のヒストンを含んでなる製薬学的組成物は、その他の種によって惹起される寄生虫疾患の処置用の薬物の製造のために使用される。
【0019】
特に、属ライシュマニアからの1種によって惹起されるライシュマニア症は、その他のライシュマニア種由来のヒストンに基づく製薬学的組成物を使用することによって処置されてもよい。1つの実施態様では、L.マヨールによって惹起されるライシュマニア症は、L.インファンタム由来のヒストンを含んでなる組成物により成功裏に処置される。
【0020】
あるいはまた、他の寄生虫疾患、例えばマラリアは、その他の種のヒストンに基づく、例えばL.インファンタムのヒストンH2A、H2B、H3およびH4の2種以上に基づく製薬学的組成物により成功裏に処置することができる。
【0021】
その他の態様では、本発明は、ヒストンH2A、H2B、H3およびH4の1種以上、しかし好ましくは2種以上に基づく診断剤を提供する。診断剤は、ヒストンのあるものまたはすべてと反応する患者の血清中に存在する抗体を認識するヒストンタンパク質であってもよい。本発明のヒストンタンパク質を含んでなる診断キットは、また本発明の一部である。ヒストンタンパク質は、各々、別々の容器において存在してもよい。ヒストンH2A、H2B、H3およびH4の1種以上、しかし好ましくは2種以上に加えて、またキットは、例えば対照反応のための、これらのタンパク質に対する抗体を別の容器に含有してもよい。
【0022】
その他の態様では、本発明は、治療ワクチンとして機能することによって寄生虫の感染を予防する方法のために提供される。典型的には、感染と疾病の間には一定の期間が存在する。この場合、ワクチンは、感染の病理学的影響を中和する免疫応答を宿主に誘起することによって疾病を治癒できる薬物学的免疫生産物として作用するであろう。治療ワクチンは、治療ワクチンが感染または疾病を既に有する患者において防御を誘導する点で、予防ワクチンとは異なる。
【実施例1】
【0023】
L.インファンタム由来のヒストンを含んでなるDNAワクチンの製造
ライシュマニアのヒストンをコードしているDNAワクチンがL.マヨールの感染に対してマウスを防御できるか否かを決定するために、L.インファンタムのH2A、H2B、H3およびH4遺伝子が、強力なサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターの制御下での発現のために、真核生物発現ベクターpcDNA3中にサブクローン化された。次いで、ライシュマニアヒストンの発現が、pcDNA3構築物をトランスフェクトされたCOS7細胞において調査された。プラスミドDNAをトランスフェクトされた哺乳動物細胞による組み換えタンパク質の発現は、免疫系の刺激のための決定的条件である。トランスフェクトされたCOS7細胞は3日間培養され、そしてライシュマニアヒストンの発現がウェスターンブロット解析によって調査された。
【0024】
1.1 哺乳動物発現ベクターpCDNA3におけるcDNAのクローニング
pCDNA3哺乳動物発現ベクターにおけるライシュマニア・インファンタムの4つのコアヒストンの発現のために、4つの全長cDNAクローンが使用された:H2A(クローンcL72;Soto et al.,Eur.J.Biochem.1992,205(1):211−6);H2B(クローンLiH2B;Soto et al.,Clin.Exp.Immunol.1999,115(2):342−9);H3(クローンLiB6;Soto et al.,Biochem.Biophys.Acta,1994,18:1219(2):533−5)およびH4(クローンLiH4−1;Soto et al.,Clin.Exp.Immunol.1999,115(2):342−9)。これらのcDNAクローンのすべては、L.インファンタム□gt11cDNA発現ライブラリーから予め単離された。cDNAクローンからのEcoRIインサートがpCDNA3哺乳動物発現ベクターの対応する切断部位においてサブクローン化された。DNA型のそれらのpcDNA3組み換えプラスミドは、エンドトキシン不含のGiga−調製用キット(Qiagen,Hilden,Germany)によって精製された。
【0025】
1.2 哺乳動物細胞におけるライシュマニアヒストンの発現
DNA構築物が機能的であり、そして前記タンパク質を発現することを確認するために、COS7細胞は、Lipofectin(R)試薬(Gibco,BRL)を用い、製造者のプロトコールにしたがって、1.1項において調製された各pcDNA3構築物20□gをトランスフェクトされた。簡単に言えば、3x10細胞が100mmプレートにおいて、Dullbeccoの改変Eagle培地+5%FCSに接種され、そしてそれらが50〜75%集密に達した時にトランスフェクトされた。トランスフェクション後72時間に、細胞が収穫され、氷冷PBSで2回洗浄され、そして直ちにLaemmliバッファーの添加によって溶解された。同等数の細胞から得られたタンパク質がドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)によって分割され、そしてニトロセルロースメンブラン(Amersham,Aylesbury,UK)に移された。ブロットは、内蔵ライシュマニア症(VCL)を罹患しているイヌからの血清によりプローブされ、そして固定相におけるH2B、H3、H4タンパク質に対してアフィニティークロマトグラフィーによって精製された)またはrH2Aで免疫化されたウサギ。
【0026】
結果は、トランスフェクトされた細胞が検出可能なレベルのH2A、H2B、H3およびH4タンパク質を発現したことを示した。
【0027】
1.3 pQE30発現ベクターへのクローニング
組み換えタンパク質としてのL.インファンタムのヒストンの発現のために、コーディング領域が、鋳型として1.1からのpcDNA3構築物およびプライマーとして次のヌ
クレオチドを採用してPCR増幅された:
H2A遺伝子では(センス5’−CGGGATCCATGGTACTCCTCGCAGC−3’(コーディング領域の位置1〜17);アンチセンス5’−CCCAAGCTTACGCGCTCGGTGTCGCCC−3’(コーディング領域の位置に対して逆および相補的);
H2B遺伝子では(センス5’−CGGGATCCGCCTCTTCTCGCTCTGC−3’(コーディング領域の位置1〜17);アンチセンス5’−CCCAAGCTTCAAGCCGACGCGCTCGACAC−3’(コーディング領域の位置に対して逆および相補的);
H3遺伝子では(センス5’−CGGGATCCATGTCCCGCACCAAGGAGA−3’(コーディング領域の位置1〜19);アンチセンス5’−CCCAAGCTTCTAGTGGCGCTCACCGCGCA−3’(コーディング領域の位置に対して逆および相補的);
H4遺伝子では(センス5’−CGGGATCCATGGCCAAGGGCAAGCGTT−3’(コーディング領域の位置1〜19);アンチセンス5’−CCCAAGCTTACGCGTAGCCGTACAGGA−3’(コーディング領域の位置に対して逆および相補的)。
【0028】
下線のヌクレオチドは、pQE30発現ベクター(Qiagen,Hilden,Germany)においてPCR生産物のクローニングを可能にするために包含されるBamHIおよびHindIII切断部位を表す。得られるクローンはpQE−H2A、pQE−H2B、pQE−H3およびpQE−H4と名付けられた。
【0029】
1.4 His標識した組み換えタンパク質の発現および精製
His標識した組み換えタンパク質の発現および精製が、標準手順(Qiagen)にしたがってエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)M15において実施された。タンパク質の誘導後、細菌が収穫され、そして変性条件下(8M尿素、0.5MNaCl、20mMTris−HCl)で音波によって溶菌された:タンパク質の精製はNI−NTAアガロースカラム(Qiagen)において実施された。組み換えタンパク質は、記述されたように(Shi,1997)アフィニティーカラムにおいて徐々に再生された。その後、組み換えタンパク質は0.3Mイミダゾールにより溶出された。溶出後、組み換えヒストンを含有する画分がプールされ、PBSに対して透析された。精製タンパク質は、ポリミキシン−アガロースカラム(Sigma,St Louis,MO)を通過させて、エンドトキシンを除去した。残留エンドトキシンは、Quantitative Chromogenic Linulus Amebocyteアッセイ(QCL−1000,BioWhittaker,Walkersville,MD)により測定された。
【実施例2】
【0030】
DNAワクチンの免疫遺伝学的特性
2.1 総ライシュマニア抗原(SLA)の調製
可溶性ライシュマニア抗原(SLA)は、PBS中に再懸濁されたL.マヨールの定常期のプロマスティゴートの3回の凍結と融解サイクルによって調製された。細胞溶解の後、可溶性抗原は、遠心分離によって不溶性画分から分離された。
【0031】
2.2 免疫化および寄生虫のチャレンジ
免疫化実験は10匹のマウス群において実施された。マウスは、両後脚四頭筋に2週間隔で3回筋肉内(i.m.)に、PBSの総容量100□l中1.1項で調製されたような各プラスミドDNA(pcDNA3−H2A、pcDNA3−H2B、pcDNA3−H3およびpcDNA3−H4)50□g(25□g/脚)を接種された。対照マウスは、同じスケジュールにしたがうが、各接種においてpcDNA3の200□gまたはPBSのみを接種された。各接種後14日目に、マウスは眼窩叢の穿刺によって採血された。最終接種後4週目に、免疫マウスからの脾臓およびリンパ節(LN)が回収され、5匹の免疫マウスの群が、左後ろ足肉趾に注射された、培養された5x10定常期のプロマスティゴートによりチャレンジされた。足肉趾の腫脹が週毎に測定され、そして反対側の対照足肉趾に対する感染された足肉趾の厚さの間の差異として与えられた。
【0032】
2.3 抗体価およびイソタイプの決定
血清サンプルが特異的な抗−ライシュマニアヒストンの抗体について分析された。簡単に言えば、標準ELISAプレートが室温で一夜、rH2A、rH2B、rH3およびrH4(PBS中1□g/ml)またはSLA(PBS中2□g/ml)の100□lでコートされた。血清の連続希釈がタイターを決定するために実施されたが、これは吸光度>0.2を与える最大血清希釈ファクターの逆数として定義される。イソタイプに特異的な分析は、次に示す西洋ワサビペルオキシダーゼ共役の抗マウス免疫グロブリン(Nordic Immunological Laboratories,Tilburg,The Netherlands):抗IgG1(1:1000)および抗IgG2a(1:500)を用いて実施された。オルトフェニルジアミンジヒドロクロリド−OPD−(Dko,A/S,Glostrup,Denmark)が基質として使用された。15分後、反応は1MHSOの100□lの添加によって停止され、そして450nmにおいて読み取られた。
【0033】
2.4 上澄液におけるサイトカインの測定
INF−□およびIL−4の放出が、脾細胞およびLNCsの培養物の上澄液において測定された。BALB/cマウスからの脾臓およびリンパ節が頸椎脱臼後に無菌的に切除された。脾細胞およびリンパ節細胞の懸濁液が完全RPMI培地(10%FCS、2mMグルタミンおよび10mM2−メルカプトエタノールを補足されたRPMI 1640)に接種された。3x10細胞が、rH2A、rH2B、rH3およびrH4(12□g/ml)、ウシ胸腺からのヒストン(SIGMA)またはConA(2□g/ml)の存在下で37℃で72時間48穴プレートに接種された。サイトカイン産生は、市販のELISAキット(Diaclone,Besan on,France)によって決定された。
【0034】
2.5 寄生虫の定量
寄生虫の数は限界希釈によって、感染された脚からの膝窩筋リンパ節および脾臓において決定された(Buuffet,et al,1995)。組織がホモジナイズされ、そしてSchneider’s培地+20%FCSを含有する96穴平底ミクロタイタープレートにおいて連続的に希釈された。リンパ節当たりの生存寄生虫数は、プロマスティゴートが26℃で7日培養まで生育できる最大希釈から決定された。
【0035】
2.6 統計学的解析
統計学的解析はStudentのt検定によって実施された。差異はP<0.05の場合に有意と見なされた。
【0036】
2.7 DNAワクチンによる予防接種後の抗体応答
cDNAの免疫原性を研究するために、BALB/cマウスは、ライシュマニア・インファンタムのヒストンをコードしている1.1項で調製された4種のプラスミド(各cDNAの50□g)の混合物により2週毎に2または3回筋肉内に免疫化された。これらの抗原に特異的な抗体が、最終免疫化後の2週目に評価された。特異抗体は、2回の接種後のELISAによっては検出されなかったが、IgG抗体は第3回の接種後に低いタイターで検出可能になった。IgG2aは、すべての場合において抗体の顕著なイソタイプであった。また、IgG1抗体のわずかな産生のみが、H2A応答H4ヒストンに対して検出された。
【0037】
2.8 DNAワクチンによる予防接種後のT細胞応答
予防接種後のT細胞応答を測定するために、脾臓単核細胞およびリンパ節細胞(LNC)が最終のDNA免疫化後4週目に得られ、そして1.4項において調製された組み換えタンパク質によりイン・ビトロで刺激された。インキュベーション3日後、上澄液が収穫され、そして両IFN□およびIL−4についてアッセイされた。
【0038】
免疫マウスでは、組み換えヒストンタンパク質が、両脾細胞とLNC細胞において、対照で見い出された量よりも大きい量においてIFN−□の産生を刺激したことが観察された。IL−4のヒストン−特異的産生は培養物のいずれの上澄液においても検出できなかった。
【0039】
2.9 IL−12依存性の分析
L.インファンタムのヒストン遺伝子を有するDNA予防接種によってマウスにおいて誘起された免疫応答およびL.マヨールによるチャレンジ後のその進化を、より詳細に特徴決定するために、予防接種マウス由来の脾細胞によるIFN−γの抗原−特異的産生がアッセイされた。L.マヨール感染後25日目には、予防接種マウス由来の脾細胞は、対照マウス由来の脾細胞よりも多くのヒストン−特異的IFN−γを産生し続けた。興味あることに、SLA媒介のIFN−γの産生は、対照からの脾細胞に較べて、予防接種マウス由来の脾細胞において2倍高かった。IFN−γのIL−12依存の産生は、L.マヨール感染の制御に関連する主なメカニズムであり、培養物への抗IL−12モノクローナル抗体の添加が、予防接種マウス由来の脾細胞におけるIFN−γの産生を実質的に抑制するか否かが調査された。IFN−γ産生の抑制は、使用された4種の異なる刺激(L.インファンタムのヒストンH2A,H2B,H3およびH4)について80%以上であることが見い出された。このことは、ヒストン−特異的IFN−γの産生がIL−12依存性であり、そしてさらに、IL−12のイン・ビトロ産生がライシュマニアのヒストンによって脾細胞において刺激されることをまた示している。
【0040】
2.10 IFN−γの産生におけるCD4+およびCD8+T細胞の関与
IFN−γの産生に対するCD4+およびCD8+T細胞の相対的寄与が決定された。すべての群の脾細胞からのIFN−γ産生のヒストン媒介の刺激は、抗CD4モノクローナル抗体の培養物への添加によって実質的に抑制された。しかしながら、培養物への抗CD8モノクローナル抗体の添加は、予防接種されたマウスの脾細胞においてのみIFN−γ分泌の低下を誘導し、そしてイン・ビトロでは、ヒストンH2AまたはH3のいずれによっても刺激された。かくして、ライシュマニアのヒストンH2AまたはH3をコードしている遺伝子を有するDNA予防接種は、他の2種のヒストン遺伝子(H2BおよびH4)よりも強くCD8細胞を初回感作すると思われる。
【0041】
最後に、L.インファンタムのヒストンをコードしている遺伝子を有するDNA予防接種によってマウスに誘起された防御に関連する免疫状況にさらなる洞察を与えるために、LNCにおいてIFN−γを産生するCD4+およびCD8+T細胞の頻度が、防御研究の最後に細胞内サイトカイン染色によって調査された(8匹の対照マウスおよび10匹の予防接種マウス)。IFN−γを産生する両CD4+およびCD8+の頻度は、対照におけるよりも予防接種マウスにおいて高かった。かくして、これらのデータは、L.マヨール感染に対する防御がライシュマニアのヒストンを用いるDNA予防接種によって達成され、予防接種マウスにおいて、IFN−γを産生するT細胞(CD4+およびCD8+)の増進された頻度と相関されることを直接的に支持する。
【0042】
これらの結果は、免疫マウスの血清における著量のIgG2a抗体と一致し、そしてH
2A,H2B,H3およびH4ヒストン遺伝子を用いるDNA免疫化がこれらの抗原に対するTh1様免疫応答を優先的に誘起したことを示している。さらなる試験実験(実施例3参照)は、遺伝子が防御効果をまた有するか否かを示さねばならない。
【実施例3】
【0043】
ライシュマニア・インファンタムのヒストンをコードしているDNAワクチンによって誘導されるライシュマニア・マヨールに対する防御
免疫原性実験は、ヒストンによるDNA免疫が、特異的なTh1様免疫応答の誘導の引き金を引いたことを明らかにしたので、次に、H2A,H2B,H3およびH4遺伝子を用いるcDNA免疫原性レジメが、L.マヨールによるマウスの感染に対して防御を提供できるか否かという問題が尋ねられた。
【0044】
3.1 L.インファンタム由来のヒストンをコードしているDNAワクチンがL.マヨールによる感染に対して防御する
7匹のBALB/cマウスの群が、1.1項において調製されたような各ヒストン−DNA構築物50□gを、2週間隔で前述のように2または3回筋肉内に接種された。対照は、同じ方法において、ヒストン遺伝子のcDNAクローニングについて使用されたエンプティーベクターの200□gまたはPBSのみを接種された。最終DNA免疫化の後4週目に、マウスは、2.1項において調製されたようなL.マヨールの培養5x10定常期プロマスティゴート形態により左足肉趾にチャレンジされた。足肉趾の腫脹が週毎に測定された。
【0045】
図1Aに示された結果は、ヒストン遺伝子によるDNA予防接種が感染に対して防御を誘導したが、ベクターのみでは誘導しなかったことを示している。予防接種されたマウスにおける足肉趾の腫脹では明らかな遅延が観察された。すべての場合、免疫マウスは、対照(感染後8週目において約5mm)よりも比較的制御された炎症(同じ週において約1mm)を示した。感染経過中に7マウス中4匹では、いかなる病巣も観察されなかった。この実験は類似の結果をもって再現された。
【0046】
3.2 ヒストンをコードしているDNAワクチンによる予防接種後の脾臓およびリンパ節の寄生虫負荷
低下された足肉趾の腫脹が脾臓および膝窩筋リンパ節における寄生虫負荷と相関するか否かを決定するために、マウスは、予防接種されたマウス群の感染後10週目および対照の感染後8週目に安楽死された。予防接種マウスは対照において決定された負荷よりも有意に低い寄生虫負荷を示した(図1B)。注目すべきは、寄生虫のビセラリゼーション(内蔵への負荷(visceralization))は対照(pcDNA3)において同質に観察されたが、予防接種マウスでは、寄生虫負荷は低く、そして若干の場合には、寄生虫は検出されなかった。これらのデータすべては、予防接種マウスはL.マヨールによって誘導される皮膚ライシュマニア症を制御していることを示唆する。
【実施例4】
【0047】
個々の形態におけるヒストンによる免疫化
これまでの実施例は、BALB/cマウスにおけるライシュマニア・インファンタムのヒストン(H2A,H2B,H3およびH4)に関する遺伝子を含有する真核生物発現プラスミドpcDNA3のDNA混合物の注射が、L.マヨール感染の制御をもたらす特異的なTh1免疫応答を誘導することを示した。本実施例では、別々に投与されたヌクレオソームH2A,H2B,H3およびH4をコードしているこれらのpcDNA3の各々1種による遺伝的免疫化の効果が研究された。実験条件は前記のとおりであった。
【0048】
その結果は、すべての場合に、各ヒストンpcDNA3の投与が、エンプティーpcD
NA3により免疫化された対照マウスと較べて、可溶性ライシュマニア抗原SLAに対する低い体液性応答およびヒストンに対する限定的な体液性応答(主として抗体IgG2aによって占められる)に付随して、L.マヨール感染後9週に両IL−4およびIL−10 Th2サイトカインの減少を誘導することを示している。さらに加えて、対照マウスにおける脾細胞の増殖分析からの結果は、分裂促進因子ConA、LPSに対して、そしてSLAに対して減少した細胞性免疫応答の存在を示す。感染経過中に予防接種されたマウスは、対照マウスに較べて足肉趾の腫脹の遅延と、そして膝窩筋リンパ節における低い寄生虫負荷を表した。結論として、ライシュマニアのヌクレオソームヒストンをコードしている各ヒストンpcDNA3の投与は、L.マヨール感染によって誘導されるTh2−作動性応答を低下させ、これが脾臓における低いIL−4とIL−10の産生、ならびにマウスの皮膚ライシュマニア症に対する防御と相関される低い体液性応答をもたらす。また、この結果は、ライシュマニアのヒストンの中で、H4を用いるDNA免疫が、皮膚ライシュマニア症に対する防御免疫を誘導することにもっとも有効であることを示している。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】(A)ヒストン遺伝子プールの3用量により予防接種されたマウスにおける防御。ライシュマニアのヒストン・遺伝子および対照(pcDNA3またはPBS)を接種されたBALB/cマウスが、左後ろ足肉趾(footpad)に注射された5x10のL.マヨールのプロマスティゴートによりチャレンジされた。肉趾の腫脹は、反対側の未感染肉趾に対する感染肉趾の厚さの間の差異として表される。週毎の足肉趾の測定値は平均足肉趾スコア±SDを表す。DNA免疫されたマウスにおけるL.マヨールのチャレンジは、実質的に同じ結果をもつ2つの異なる実験を表す。*4週目では、対照とワクチン接種されたマウスの足肉趾の腫脹間の差異は有意であった(p<0.001)。(B)対照(pcDNA3)における感染後8週目およびワクチン接種(pcDNA3−ヒストン)における10週目の脾臓およびリンパ節における寄生虫負荷(loading)。細胞懸濁液は、感染脚の膝窩筋リンパ節および脾臓から作成された。生存寄生虫数は、限界希釈によって決定された。結果は、組織当たりの寄生虫総数の平均値±SDとして表された(log10として表される)。対照とワクチン接種されたマウスとの間の*差異は、両脾臓および膝窩筋リンパ節において有意であった(p<0.001)。
【図1A】

【図1B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
寄生虫疾患の処置、診断または予防用の薬物の製造のための、ヒストンH2A、H2B、H3またはH4の少なくとも一種の使用。
【請求項2】
ヒストンH2A、H2B、H3またはH4の2種以上が使用される、請求項1記載の使用。
【請求項3】
4種のヒストンH2A、H2B、H3またはH4のすべてが使用される、請求項1または2記載の使用。
【請求項4】
ヒストンH4が、寄生虫疾患の処置、診断または予防用の薬物の製造のために、使用されるヒストンであるか、または使用されるヒストンの混合物中に包含されているヒストンである、請求項1〜3記載の使用。
【請求項5】
各ヒストンが当モル量で存在する、請求項2〜4記載の使用。
【請求項6】
薬物がワクチンである、請求項1〜5記載の使用。
【請求項7】
ワクチンが、ヒストンH2A、H2B、H3またはH4の1種以上を含有するタンパク質に基づくワクチンである、請求項6記載の使用。
【請求項8】
ワクチンが、ヒストンH2A、H2B、H3またはH4の少なくとも1種をコードしている1種以上の遺伝子を含有するDNAワクチンである、請求項6記載の使用。
【請求項9】
ヒストンH2A、H2B、H3およびH4の1種以上の遺伝子が1種以上のベクターに挿入される、請求項8記載の使用。
【請求項10】
ワクチンが2種以上のヒストンをコードしているキメラ遺伝子を含有する、請求項6〜9記載の使用。
【請求項11】
寄生虫疾患の処置、診断または予防用の薬物の製造のための、ヒストンH2A、H2B、H3またはH4の1種以上をコードしている1種以上のヌクレオチドを含んでなるベクターの使用。
【請求項12】
寄生虫疾患の処置、診断または予防用の薬物の製造のための、ヒストンH2A、H2B、H3またはH4の1種以上に対して向けられた抗体の使用。
【請求項13】
ヒストンがライシュマニア・インファンタムから得られる、請求項1〜12記載の使用。
【請求項14】
寄生虫疾患がライシュマニア症またはマラリアである、請求項1〜13記載の使用。
【請求項15】
寄生虫疾患が、ヒストンが由来する種とは異なる種によって惹起される、請求項1〜14記載の使用。
【請求項16】
寄生虫疾患が、L.マヨール、L.インファンタムによるか、またはプラスモジウムの種によって惹起される、請求項1〜15記載の使用。
【請求項17】
製薬学的に許容しうるアジュバントおよび/または担体に加えて、ヒストンH2A、H2B、H3およびH4、またはこれらのヒストンをコードしている遺伝子、の1種以上を
含んでなる製薬学的組成物。
【請求項18】
製薬学的に許容しうるアジュバントおよび/または担体に加えて、ヒストンH4またはこのヒストンをコードしている遺伝子を含有する、請求項17記載の製薬学的組成物。
【請求項19】
ヒストンH2A、H2B、H3およびH4の少なくとも1種、および場合によっては、これらのヒストンに対する抗体を含んでなる、診断作用物またはキット。

【公表番号】特表2007−514653(P2007−514653A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538999(P2006−538999)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【国際出願番号】PCT/IB2004/004078
【国際公開番号】WO2005/044301
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(506153974)シー・ビー・エフ・レテイ・エス・エル・ウニペルソナル (2)
【Fターム(参考)】