説明

密封包装冷凍麺塊及びその製造方法

【課題】茹で上げた又は蒸し上げた直後の麺の好ましい状態を維持し、長期冷凍保存した場合であっても冷凍焼けの発生が少ない密着包装を施した冷凍麺塊、およびそのような冷凍麺塊をより簡便な方法を提供する。
【解決手段】包材12によって密封包装された加熱調理用の冷凍麺塊14であって、上記冷凍麺塊表面の麺の凹凸形状に沿って上記包材を密着させて密封包装する。上記包材は、第1の包材12aと、前記第1の包材よりも優れた伸張性を示すプラスチックフィルムを有する第2の包材12bとを含み、前記第1の包材と前記第2の包材との間に前記冷凍麺塊が配置され、前記第1及び第2の包材がシール部を有し、前記第2の包材が前記冷凍麺塊表面の凹凸形状に沿って密着している。なお、前記第1の包材が、開口外周部にフランジを有する略皿型のプラスチック製容器であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理による解凍によって喫食可能となる冷凍麺塊に関する。より詳細には、麺と包材との密着度が高い密封包装冷凍麺塊及びそのような密封包装冷凍麺塊を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍麺とは、うどん、そば、中華麺およびパスタ等の各種麺類を茹で上げるか又は蒸し上げた後に急速冷凍したものであり、熱湯で又は電子レンジで加熱調理することによって冷凍前の食感を再現し簡単に喫食可能であることから、近年、その需要が高まっている。冷凍麺塊は、長期保存を目的としているものの、保存中に冷凍焼けが生じ、麺の乾燥、変色、食感の低下等の品質低下が起こりやすいことが知られている。冷凍焼けは、冷凍保存時の温度変化によって麺の表面の水分が昇華して、麺の乾燥化が進むことで生じる。特に、冷凍麺塊が商品として店頭の冷凍庫に陳列された時には、冷凍庫の開閉による温度変化、さらに冷凍庫内の霜取りを目的としたデフロスト処理時の急激な温度変化等によって冷凍焼けが起こりやすく、冷凍保存時の深刻な問題となっており、改善が望まれている。
【0003】
麺の乾燥化は、冷凍麺塊の水分が昇華することによって生じるため、通常、冷凍麺塊は密封包装されている。従来の代表的な包装形態として、冷凍麺塊を収容した容器にフィルム包材で蓋をした形態、又は冷凍麺塊を収容した袋状のフィルム包材をシールした形態が知られている。このように従来の冷凍麺塊は、密封包装されているといえども、包材が冷凍麺塊の表面に密着している状態ではない。したがって、冷凍麺塊の表面と包材との間には多くの空隙が存在するため、冷凍保存中に麺の乾燥化が進んでしまう傾向がある。
【0004】
冷凍麺塊の冷凍焼けを改善する代表的な方法として、麺の表面に氷の被膜を形成するか又は独立した氷層を設けて、乾燥によって損失される麺の水分を補充する方法(特許文献1〜3を参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭60−137255号公報
【特許文献2】特開昭62−155057号公報
【特許文献3】国際公開WO01/052669号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、冷凍焼けを改善するための上述の方法は、冷凍麺塊の製造において、麺塊に氷の被膜を形成するか又は麺塊の上に氷層を形成する追加の工程を必要とする。上述の方法は、冷凍麺塊の通常の製造工程よりも工程数が増加するだけでなく、冷凍麺塊の重量が増加することになるため、流通の観点からは望ましくない。また、上述の方法では、冷凍焼けによる麺塊の水分損失量を考慮して氷の被膜又は氷層の形成量を適切に制御する必要がある。氷の被膜又は氷層の形成量が不十分であれば冷凍焼けに対する十分な改善効果が得られない。また上記形成量が多すぎると、冷凍麺塊を加熱処理した後に、麺のべたつき感及び麺の伸びといった食感の低下が生じてしまう。このように、実際のところ、上述の方法は、氷の被膜又は氷層の形成量のみならず、冷凍前の麺の水分量についても厳密に制御する必要があり、簡便な方法であるとは言い難い。したがって、冷凍麺の技術分野では、簡便かつ効果的に冷凍焼けを改善する技術が望まれている。
【0007】
そもそも、冷凍焼けは、麺塊表面と包材との間に存在する空隙が大きく影響しているため、麺塊表面の複雑な凹凸に沿って包材が密着した包装を施すことができれば、冷凍焼けを効果的に抑制することが可能になると推察される。しかし、冷凍麺の技術分野では、冷凍焼けを改善する方法として、特許文献1〜3のように冷凍麺それ自体を改善する技術が主流であり、包装技術についてはあまり注目されていない。
【0008】
このような状況に鑑み、本発明は、茹で上げた又は蒸し上げた直後の麺の好ましい状態を維持し、長期冷凍保存した場合であっても冷凍焼けによる品質低下を抑制することができる、麺に対する包材の密着度が高い状態で密封包装された冷凍麺塊を提供することを目的とする。また、そのような密封包装冷凍麺塊を、より簡便に、かつ効率良く製造するための方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上述の課題を解決するために、冷凍麺塊の包装技術について様々な検討を重ねた結果、麺塊表面の麺線に沿って包材を密着させた包装を行うことによって冷凍焼けの発生を著しく改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、以下に記載の事項に関する。
【0010】
本発明の密封包装冷凍麺は、包材によって密封包装された加熱調理用の冷凍麺塊であって、上記冷凍麺塊表面の麺の凹凸形状に沿って上記包材が隙間なく密着していることを特徴とする。ここで、上記冷凍麺は、茹で又は蒸し処理をした後、凍結したものであることが好ましい。また、上記密封包装は、脱気包装であることが好ましい。
【0011】
また、上記密封包装冷凍麺塊において、上記包材は、第1の包材と、上記第1の包材よりも優れた伸張性を示すプラスチックフィルムを有する第2の包材とを含み、上記第1の包材と上記第2の包材との間に上記冷凍麺塊が配置され、上記第1及び第2の包材がシール部を有し、上記麺と上記包材との密着状態を維持していることが好ましい。これは、通常、冷凍麺塊の製造は、茹で又は蒸し後の麺線を略直方体の形状を有するリテーナに収納し、上記麺塊を凍結することによって実施されるが、その際、麺塊の下端部は麺の重量によって平らになり易い場合が多い。そのため、このようにして冷凍麺塊が製造される場合には、下端部には麺が比較的密集し、凹凸はより少なくなる。したがって、麺塊の下部には必ずしも柔包材を使用する必要はなく、第1の包材として比較的剛性の高い包材を使うことが可能となるためである。
【0012】
上記包材の具体的な構成として、上記第1の包材は、開口外周部にフランジを有する略皿型のプラスチック製容器であることが好ましい。上記第2の包材は、密封包装時には上記冷凍麺塊表面の麺の凹凸形状に沿って密着し、加熱調理時には伸張して膨らみ、上記冷凍麺塊の蒸らし処理を可能にする空間を形成することが好ましい。
【0013】
また、上記包材における上記シール部は、第1のシール領域と第2のシール領域とを有し、上記第1及び第2のシール領域におけるシール強度が互いに異なることが好ましい。
【0014】
また、上記冷凍麺塊は、汁無しタイプの冷凍麺塊であり、電子レンジを用いた加熱調理を行うだけで喫食可能であるものであることが好ましい。
【0015】
本発明の密封包装冷凍麺塊の製造方法は、蒸し麺又は茹で麺を含む麺塊を冷凍し、冷凍麺塊を形成する工程と、第1の包材と、上記第1の包材よりも伸張性に優れたプラスチックフィルムを有する第2の包材との間に上記冷凍麺塊を配置し、上記第1及び第2の包材をシールして、密封包装する工程とを有することを特徴とする。ここで、上記密封包装工程において、上記第2の包材を予め加熱し伸張性を高めることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、長期にわたって冷凍保存した場合であっても、冷凍焼けの発生が抑制され、冷凍前の食感を維持することができ、また、冷凍食品の長期保存時に発生しやすい包材の膨張等の問題が抑制された、密封包装冷凍麺塊及びそれを製造する簡便かつ効果的な方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による密封包装冷凍麺塊の一実施態様を示す斜視図である。
【図2】図1に示した本発明による密封包装冷凍麺塊の模式的断面図である。
【図3】本発明による密封包装冷凍麺塊の一実施態様を示す斜視図である。
【図4】図3に示した本発明による密封包装冷凍麺塊の模式的断面図である。
【図5】本発明による密封包装冷凍麺塊の一実施態様を示す斜視図である。
【図6】図5に示した本発明による密封包装冷凍麺塊の模式的断面図である。
【図7】実施例において各サンプルを冷凍保存するために使用した冷凍ショーケースの外観を示す正面写真である。
【図8】実施例1において作製した本発明による密封包装冷凍麺塊のサンプルを2週間冷凍保存した後の保存状態を示す写真であり、(a)は外観正面写真、(b)は斜め外観写真、及び(c)は包装開封後の麺塊正面写真である。
【図9】比較例1において作製したサンプルを2週間冷凍保存した後の保存状態を示す写真であり、(a)は外観正面写真、(b)は斜め外観写真、及び(c)は包装開封後の麺塊の正面写真である。
【図10】実施例2において作製した本発明による密封包装冷凍麺塊のサンプルを2週間冷凍保存した後の保存状態を示す写真であり、(b)は包装開封後の麺塊正面写真、及び(c)は(b)の写真の10A部の拡大写真である。
【図11】比較例2において作製したサンプルを2週間冷凍保存した後の保存状態を示す写真であり、(a)は外観正面写真、(b)は包装開封後の麺塊正面写真、及び(c)は(b)の写真の11A部の拡大写真である。
【図12】実施例3において作製した密封包装冷凍麺塊のサンプル1の保存状態を示す部分写真であり、(a)は試験開始時の写真、(b)は2週間後の写真である。
【図13】実施例3において作製した密封包装冷凍麺塊のサンプル2の保存状態を示す部分写真であり、(a)は試験開始時の写真、(b)は2週間後の写真である。
【図14】実施例3において作製した密封包装冷凍麺塊のサンプル3の保存状態を示す部分写真であり、(a)は試験開始時の写真、(b)は2週間後の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の密封包装冷凍麺塊は、包材によって密封包装された加熱調理用の冷凍麺塊であって、上記冷凍麺塊表面の麺の凹凸形状に沿って上記包材が密着していることを特徴とする。包材が麺塊表面に密着することによって、麺線ごとにコーティングが施されたような状態になるため、麺の乾燥化が抑制され、冷凍焼けを改善することが可能となる。また、冷凍麺塊表面を透明な包材で密着包装することで、食材の質感をそのまま再現することが可能となる。さらに霜の発生を抑えることができ、麺質においても製造直後の良好なつるみを保持できるとともに、乾燥化を抑えることで良好な色調を維持することができる。
【0019】
ここで、本発明でいう「密封包装」とは、包材が麺塊の凹凸形状によって麺線に密着して存在し、麺塊表面の凹部についても実質的に空隙が確認できない程度の密着度を維持した状態で包装されていることを意図している。したがって、外気との遮断を目的とする包装形態を意図して一般に使用される密封包装とは、物品と包材との密着度において明らかに相違することを意図している。
【0020】
また、本明細書でいう「冷凍麺塊」とは、うどん、そば、中華麺およびパスタ等の各種麺類を、解凍することによって喫食可能な状態に茹で上げるか又は蒸し上げた後に急速冷凍することによって得られるものを意図しており、特定の麺の種類および形状に限定されるものではない。また、本明細書でいう「冷凍麺塊」は麺塊そのものに限らず、麺塊上に味付けソース及び具材を有していてもよい。味付けソースは、例えば、焼きそば用ソース、トマトソース、クレームソースであってよい。また具材は、魚介類、加工肉類、野菜等であってよい。
【0021】
本発明による密封包装冷凍麺塊は、冷凍麺塊の包装密着度を向上させることによって、冷凍保存時の麺の冷凍焼けを効果的に改善するものであり、冷凍麺塊そのものに特定の処理を施す必要がない。そのため、冷凍焼けの抑制効果は特定種類の麺に限定されることなく、長期冷凍保存時の冷凍焼けが抑制され、加熱調理によって冷凍前の好ましい食感を再現することが可能である。
【0022】
なお、本明細書でいう「包材が密着している状態」とは、冷凍麺塊表面の凹凸形状に包材が追随した状態で麺塊表面を覆って上記凹凸形状を再現している状態を意図している。すなわち、麺塊表面と包材との間には、ほとんど隙間が存在しないことを意図している。
【0023】
より具体的には、麺塊表面に対する包材の密着性は、包材内の含気率、すなわち「包材内に収容された冷凍麺塊の体積」に対する「包装された冷凍麺塊の全体積」の増加の程度によって間接的に表現することができる。このような体積の増加は、麺塊表面と包材との間に存在する含気量に相当する。したがって、上記増加量(含気量)は、例えば、下式(1)により算出することができる。
【0024】
体積の増加量(含気量)=[包装された冷凍麺塊の全体体積]−[包材内に収容された冷凍麺塊の体積]+(包材の体積)]・・・式(1)
【0025】
以上のことから、本発明では、麺塊に対する包材の密着性を具体的に示す指標として、下式(2)から算出される値を「密着度」として定義して使用する。
【0026】
密着度(含気率)=[(包装された冷凍麺塊の全体体積)−(包材内に収容された冷凍麺塊の体積)−(包材の体積)]/[包材内に収容された冷凍麺塊の体積]・・・式(2)
【0027】
本発明では、上記式によって算出される数値が小さくなるにつれて、麺塊表面と包材との密着性が高くなる、すなわち、密着度が高くなることになる。本発明において意図する密着度(冷凍麺塊の体積に対する含気率)は、好ましくは15%以下、より好ましくは8%以下となる範囲である。上記含気率が15%を超えると、麺塊表面と包材との間の隙間が大きくなり、密着性に乏しい状態となる。その結果、麺の乾燥化が促進され、冷凍焼けを抑制することが困難となる。上記含気率を8%以下にすることで、麺塊表面と包材との間に隙間はほとんど確認できず、優れた密着性を容易に実現することが可能となる。
【0028】
本発明で使用する包材は、特に限定されるものではなく、麺塊表面と包材との好ましい密着状態を実現することができれば、包装技術の分野で汎用される周知の材料から適宜選択して使用することができる。例えば、包材として、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の柔軟性に富むフィルムを使用することによって、麺に特有の複雑な凹凸形状であっても、追随性良く麺表面を被覆することが可能である。フィルムは、単層フィルムであっても、異なる材料を積層した複合フィルムのいずれであってもよい。透明性の高いフィルムは食材の質感をそのまま再現することができるため好ましい。包材の形状についても特に限定されず、例えば、1枚のフィルムで麺塊全体を密封包装する形態、2枚のフィルムをシールして密封包装、麺塊を収容した容器の開口部をフィルムによって密封包装する形態が可能である。
【0029】
また、通常、冷凍麺塊は茹で又は蒸し後の麺線を所定の形状を有するリテーナに収納し、該麺塊を凍結することによって製造するが、この際、麺塊の下端部は麺の重量によって平坦になり易い場合が多い。このような場合においては下端部には麺が比較的密集し、凹凸は生じないので柔包材を使う必要はなく、また比較的剛性の高い包材を使うことが可能である。
【0030】
例えば、2種の異なる包材、すなわち第1及び第2の包材を組み合わせて使用することによって、良好な密着状態を実現することが容易となる。例えば、本発明の一実施形態では、支持層となり得る硬度および強度を有する包材を第1の包材とし、さらに上記第1の包材よりも優れた伸張性を示すプラスチックフィルムを有する包材を第2の包材として使用する。
【0031】
特に限定するものではないが、本発明では、第1の包材として、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等のプラスチック製フィルムを使用することができる。また、単層でなく複数の素材の積層体であってもよい。また、第1の包材として、上記プラスチック製の容器を使用してもよい。容器の形状は特に限定するものではないが、加熱調理時の取扱い性を考慮すると、取手付きのフランジを有する略皿状の容器が好ましい。このような容器は、加熱調理後にそのまま喫食する場合にも便利である。
【0032】
また、第2の包材としては、ポリエチレン等のプラスチック製フィルムを使用することができる。また、単層でなく複数の素材の積層体であってもよい。また、突き刺しに対する強度を増加させるためにアイオノマー等の素材を使用するのも好ましい。これらを組み合わせて、耐熱性に優れるとともに、突き刺し強度もよく、加熱時に優れた伸張性を示すといった各種特性に優れたフィルムが好ましい。特に、このような包材は、電子レンジによる加熱調理時に包材が膨らみ、麺の蒸らし処理を可能とする空間を形成し、維持することが可能である点でも好ましい。
【0033】
密封包装を実施する具体的な方法としては、包装技術の分野で周知の方法を適用することができる。例えば、上記第1の包材と上記第2の包材との間に上記冷凍麺塊を配置し、上記第1及び第2の包材をシールすることによって実施することが可能である。冷凍麺塊表面に対する包材の密着性を高めるために第2の包材を伸張させながら冷凍麺塊の上に配置してもよい。シール部の形成は、特に限定されるものでなく、ヒートシール等の技術を適用することができる。また、冷凍麺塊表面に対する包材の密着性を高めるために、シール部の形成と同時又は形成後に、脱気処理を行うことが好ましい。シール部は、互いにシール強度が異なる第1のシール領域と第2のシール領域とから構成してもよい。
【0034】
次に、本発明による密封包装冷凍麺塊の実施形態について、図1〜6を参照しながら、より具体的に説明する。図1は、本発明による密封包装冷凍麺塊の一実施態様を示す斜視図であり、図2は図1に示した密封包装冷凍麺塊の模式的断面図である。図1に示したように、密封包装冷凍麺塊10は、ポリプロピレン/アイオノマー/ポリエチレンからなる3層構造のフィルムである第1の包材12aと、同組成の包材である第2の包材12bとから構成される包材12がシールされることによって、縮れ中華麺の冷凍麺塊14が包材12に密着した状態で密封包装されている。そして、図2から明らかなように、第2の包材12bは、冷凍麺塊14の表面の凹凸に沿ってほとんど隙間なく密着し、冷凍麺塊表面の凹凸を再現している。
【0035】
図3は、本発明による密封包装冷凍麺塊の一実施態様を示す斜視図であり、図4は図3に示した密封包装冷凍麺塊の模式的断面図である。図3に示したように、密封包装冷凍麺塊30は、ポリプロピレン/アイオノマー/ポリエチレンからなる3層構造のフィルムである第1の包材32aと、同組成の包材である第2の包材32bとから構成される包材32がシールされることによって、スパゲッティーの冷凍麺塊34及びその上に設けられた味付けソース36及び具材38が包材32に密着した状態で密封包装されている。そして、図4から明らかなように、第2の包材32bは、冷凍麺塊14、味付けソース及び具材(共に不図示)によって形成される表面の凹凸に沿ってほとんど隙間なく密着し、冷凍麺塊表面の凹凸を再現している。
【0036】
図5は、本発明による密封包装冷凍麺塊の一実施態様を示す斜視図であり、図6は図5に示した密封包装冷凍麺塊の模式的断面図である。図5に示したように、密封包装冷凍麺塊50は、ポリプロピレンからなる略皿状のプラスチック容器である第1の包材52aと、ポリプロピレン/アイオノマー/ポリエチレンからなる3層構造のフィルムである第2の包材52bとから構成される包材52にシール部59を形成することによって、スパゲッティーの冷凍麺塊54及びその上に設けられた味付けソース56及び具材58が包材52に密着した状態で密封包装されている。そして、図6から明らかなように、第2の包材52bは、冷凍麺塊14、味付けソース及び具材(共に不図示)によって形成される表面の凹凸に沿ってほとんど隙間なく密着し、冷凍麺塊表面の凹凸を再現している。
【0037】
図5に示した実施形態において、シール部59は、第1のシート領域59aと、第1のシート領域59aよりもシール強度が弱い第2のシール領域59bとから構成されている。このようにシール部59を異なるシール強度を有する複数のシール領域から構成することによって、例えば、電子レンジによる加熱処理時の圧力調節弁として機能させることができる。このような実施形態において、シール強度は特に限定されるものではないが、例えば、第2のシール領域59bを圧力調節弁とする場合には、加熱調理時に包材が膨張し、内部圧力が上昇した際に剥離する程度のシール強度にしておけばよい。
【0038】
以上、本発明による密封包装冷凍麺塊の代表的な実施形態について説明した。しかし、本発明は上述の例示に限定されるものでなく、麺の種類、包材の種類および包装の構成等を変更した場合であっても、冷凍麺塊と包材との優れた密着性が実現できる範囲であれば、同様の効果を得ることが可能である。なお、特に限定するものではないが、様々な検討の中で、図1に示したように、味付けソース及び具材を含まず、冷凍麺塊のみとした場合と比較して、図3及び5に示すように冷凍麺塊上に味付けソース及び具材を設けた場合には、麺塊内部の冷凍焼けの発生がより効果的に抑制される傾向があることが分かった。理論によって拘束するものではないが、図3及び5に示した実施形態では、味付けソースが麺塊内部の空隙部に入り込むことによって、麺塊内部の空隙に起因すると推測される冷凍焼けの発生を抑制していると推測される。
【0039】
上述した本発明による密封包装冷凍麺塊を製造する方法の一実施形態として、蒸し麺又は茹で麺を含む麺塊を冷凍し、冷凍麺塊を形成する工程と、第1の包材と、上記第1の包材よりも伸張性に優れたプラスチックフィルムを有する第2の包材との間に上記冷凍麺塊を配置し、上記第1及び第2の包材をシールして、密封包装する工程とを有することを特徴とする製造方法が挙げられる。一般的に、冷凍前の麺塊を密封包装した場合、茹で上げ又は蒸し上げ後の麺塊の形状を維持することが難しく、麺線同士がくっつき空隙が消滅することで、加熱調理時の麺のほぐれ性の低下及び加熱効率の低下によって加熱むら等の不具合が起こりやすい。
【0040】
しかし、上述の製造方法によれば、密封包装に先立ち麺塊を凍結させるため、茹で上げ又は蒸し上げ後の麺塊の空隙状態を維持したままで包装されることになる。そのため、長期冷凍保存後であっても、冷凍焼けが少なく、加熱処理によって茹で上げ又は蒸し上げ直後の好ましい食感を容易に再現できるだけでなく、加熱調理時の麺のほぐれ性及び加熱効率にも優れるといった利点を有する。また、冷凍麺塊の上に味付けソース及び具材を設ける場合には、それらを一体化して凍結することで、包装時に味付けソース及び具材の離脱を防止することができる。
【0041】
上述の製造方法では、第2の包材として第1の包材よりも優れた伸張性を示すプラスチックフィルムを有する包材を使用することが好ましい。このような包材を使用する場合、密封包装に先立ち、包材を予め加熱し伸張性を高める工程を設けることで、冷凍麺塊に対する包材の密着性をより高めることが可能となる。
【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例によってより詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において広範に異なる実施形態を構成することができることは明白である。
【0043】
(実施例1及び比較例1)
以下の手順にしたがって、本発明による密封包装冷凍麺塊と、従来型の密封包装冷凍麺塊との冷凍焼け抑制効果について比較検討した。
1.冷凍麺塊の製造
小麦粉1900gに澱粉100gを加えて混合した後に、かんすい24gを加えて混練することによって麺生地を製造した。得られた麺生地を、切刃20番角によって切り出すことにより麺線を製造した。上記麺線約100gを約95℃の湯中に入れ、1分間にわたって茹で処理を行った。次いで、上記茹で処理の後の麺線200gを、縦138mm×横98mm×高さ40mmの内寸を有するリテーナに収納し、トンネル式冷凍装置を使用して、−35℃の温度条件下で40分にわたって凍結処理することによって、冷凍麺塊を得た。
【0044】
2.冷凍麺塊の包装
ポリプロピレン/アイオノマー/ポリエチレンからなる3層構造のフィルム包材(厚さ:120ミクロン)の上に、先に製造した凍結麺塊を載置した。次いで、上記3層構造のフィルム包材と同様の包材を約135℃で予め加熱した状態で上記凍結麺塊の上部に被せて、脱気しながら上記冷凍麺塊の周囲をヒートシールすることによって密封包装冷凍麺塊を得た。このようにして得た密封包装冷凍麺塊を実施例1のサンプルとした。一方、従来型の密封包装冷凍麺塊として、先に製造した凍結麺塊をポリエチレン(厚さ:11ミクロン)でピロー包装し、140℃で1秒間加熱した後にシュリンク包装してサンプルを製造した。このようにして得たサンプルを比較例1のサンプルとした。
【0045】
3.冷凍保存時の評価
上述のようにして製造した実施例1及び比較例1の各サンプルを温度−20℃の冷凍庫に入れて保存した。サンプルの保存は、図7に示す冷凍ショーケースを用い、冷凍庫内を−5℃〜0℃まで温度上昇させるデフロスト(霜取)処理が1日に4回実施される設定で実施した。なお、このような保存条件は、冷凍ショーケースでの通常の保存条件よりも過酷な保存条件となっている。
【0046】
冷凍保存を開始して1週間後及び2週間後のサンプルの状態について、以下に示すようにサンプルの外観及び加熱調理後の麺質の観点から評価した。各評価結果を表1に示す。
【0047】
(麺質)
冷凍保存1週間後及び2週間後の各サンプルを試食することによって評価した。より具体的には、実施例1及び比較例1の各サンプルの冷凍麺塊を400mlの沸騰湯浴中にそれぞれ投入し、2分30秒間加熱した。加熱後の麺を丼に入れ、これを熟練のパネラー5人で喫食し、麺の食感、風味の観点から評価した。評価基準は、良好「◎」、やや良好「〇」、普通「△」、やや不良「×」、不良「××」の5段階とした。
【0048】
(外観)
冷凍ショーケースからサンプルを取り出し、サンプルにおける冷凍焼け、霜の付き及び包材の膨張の状態を目視にて観察し評価した。各評価基準は、冷凍焼け、霜の付き及び包材の膨張の有無及び程度を考慮して、良好「◎」、やや良好「〇」、普通「△」、やや不良「×」、不良「××」の5段階とした。
【0049】
(水分含量)
冷凍保存2週間後の比較例1のサンプルについて、冷凍焼けが発生している付近の麺を部分的に採取し、乾燥減量法に従い水分含量を測定した。また、比較のために、保存2週間後の実施例1のサンプルについて、上記比較例1のサンプルと同様にして面を部分的に採取し、先と同様にして水分含量を測定した。
【0050】
【表1】

【0051】
表1の結果から明らかなように、本発明に係る実施例1のサンプルでは、冷凍保存後の冷凍焼けが抑制され、麺質も維持されていることが分かる。また、実際に冷凍麺塊の外周部の水分含量についても、大きな違いが見られることが分かる。
【0052】
冷凍焼けの抑制効果は、図8及び図9を比較することによって、より明らかとなる。図8は、2週間保存後の実施例1のサンプルに関し、(a)は外観正面写真、(b)は斜め外観写真、及び(c)は包装開封後の麺塊正面写真である。また、図9は、2週間保存後の比較例1のサンプルに関し、(a)は外観正面写真、(b)は斜め外観写真、及び(c)は包装開封後の麺塊正面写真である。例えば、図8(a)に示したように本発明に係る実施例1のサンプルの包装は、図9(a)に示した比較例1のサンプルよりも、より密着度の高い状態となっていることが分かる。また、図9(c)に示したように、単なるポリエチレンによる包装の比較例1のサンプルでは、冷凍麺塊表面の多くの箇所で冷凍焼けが発生している。これに対し、図8(c)に示したように本発明に係る実施例1のサンプルでは、麺塊表面における冷凍焼けは確認されない。以上のことから、麺塊を密着包装することによって、冷凍保存時の冷凍焼けを効果的に抑制できることが分かる。
【0053】
(実施例2及び比較例2)
以下の手順にしたがって、本発明による密封包装冷凍麺塊と、従来型の密封包装冷凍麺塊との冷凍焼け抑制効果について比較検討した。
1.冷凍麺塊の製造
乾燥されたパスタ(直径1.6mm)100gを約95℃の沸騰湯中に入れ、8分間にわたって茹で処理を行い、次いで水で17〜18℃まで冷却した。このようにして得た茹で処理後の麺線200gを内径153mmの皿状のリテーナに収納した後に、麺線上に液状トマトソース170gを載せ、さらに茄子を4〜5個(15g)及びエビ3尾(27g)を載置し、トンネル冷凍装置を使用して、−35℃で40分間にわたって凍結処理することにより、味付けソース及び具材を有する冷凍麺塊を製造した。
【0054】
2.冷凍麺塊の包装
先に製造した凍結麺塊をポリプロピレン製の皿状トレイに収容し、さらにポリプロピレン/アイオノマー/ポリエチレンからなる3層構造のフィルム包材(厚さ:120ミクロン)を約135℃で予め加熱した状態で上記凍結麺塊の上部に被せて、上記トレイのフランジに沿ってヒートシールし、脱気を解除することによって密封包装冷凍麺塊を得た。このようにして得た密封包装冷凍麺塊を実施例2のサンプルとした。一方、従来型の密封包装冷凍麺塊として、ポリプロピレン製の包材(厚さ:40ミクロン)を袋状に形成し、その袋の中に先と同様のポリプロピレン製の皿状トレイに収容した凍結麺塊を入れ、袋の端部をヒートシールすることによりサンプルと製造した。このようにして得たサンプルを比較例2のサンプルとした。
【0055】
3.冷凍保存時の評価
上述のようにして製造した実施例2及び比較例2の各サンプルを温度−20℃の冷凍庫に入れて保存した。サンプルの保存は、図7に示す冷凍ショーケースを用い、冷凍庫内を−5℃〜0℃まで温度上昇させるデフロスト(霜取)処理が1日に4回実施される設定で実施した。なお、このような保存条件は、冷凍ショーケースでの通常の保存条件よりも過酷な保存条件となっている。
【0056】
冷凍保存を開始して1週間後及び2週間後のサンプルの状態について、サンプルの外観及び加熱調理後の麺質の観点から評価した。さらに、具材及びソースについても麺質と同様して5段階評価を実施した。それぞれの評価は、先に示した実施例1及び比較例1と同様にして実施したが、試食時の調理方法として電子レンジを使用した。具体的には、実施例2のサンプルをそのまま電子レンジ入れて500Wで5分間にわたって加熱調理した。比較例2のサンプルについても同様の加熱調理を実施した。なお、実施例2のサンプルの加熱調理では、調理中において上部包材が膨張してドーム状になり、さらに圧力の上昇によってヒートシール部の一部が剥離して蒸気が漏れる構造となり、蒸らし処理を伴う状態となっていた。各評価結果を表2に示す。
【0057】
【表2】

【0058】
表2の結果から明らかなように、本発明に係る実施例2のサンプルでは、冷凍保存後の冷凍焼けが抑制され、麺質も維持されていることが分かる。また、実際に冷凍麺塊の外周部の水分含量についても、大きな違いが見られることが分かる。
【0059】
冷凍焼けの抑制効果は、図10及び図11を比較することによって、より明らかとなる。図10は、2週間保存後の実施例2のサンプルに関し、(a)は外観正面写真、(b)は包装開封後の麺塊正面写真、及び(c)は(b)の写真の10A部の拡大写真である。また、図11は、2週間保存後の比較例2のサンプルに関し、(a)は外観正面写真、(b)は包装開封後の麺塊正面写真、及び(c)は(b)の写真の11A部の拡大写真である。図10(a)に示したように本発明に係る実施例2のサンプルの包装は、図11(a)に示した比較例2のサンプルよりも、より密着度の高い状態となっていることが分かる。また、図11(c)に示したように、比較例2のサンプルでは、冷凍麺塊表面の多くの箇所で冷凍焼けが発生している。これに対し、図10(c)に示したように本発明に係る実施例2のサンプルでは、麺塊表面における冷凍焼けは確認されない。以上のことから、麺塊を密着包装することによって、冷凍保存時の冷凍焼けを効果的に抑制できることが分かる。
【0060】
(実施例3)
本実施例は、含気率と冷凍焼けの関係を詳細に検討するものである。実施例2においてサンプルを製造する手順に準じて、それぞれ麺塊に対する包材の密着度が異なるサンプルを製造し、各サンプルの状態を評価した。より具体的には、以下のようにしてサンプルを製造し、評価を行った。
【0061】
1.サンプルの製造
乾燥されたパスタ(直径1.6mm)100gを約95℃の沸騰湯中に入れ、8分間にわたって茹で処理を行い、次いで水で17〜18℃まで冷却した。このようにして得た茹で処理後の麺線200gを内径153mmの皿状のリテーナに収納した後に、麺線上に液状トマトソース170gを載せ、さらに茄子を4〜5個(15g)及びエビ3尾(27g)を載置し、トンネル冷凍装置を使用して、−35℃で40分間にわたって凍結処理することにより、味付けソース及び具材を有する冷凍麺塊を製造した。次に、先に製造した凍結麺塊をポリプロピレン製の皿状トレイに収容し、さらにポリプロピレン/アイオノマー/ポリエチレンからなる3層構造のフィルム包材(厚さ:120ミクロン)を被せて、真空包装する時間を変えて包装の密着度を調整し、密着度の異なる3種のサンプルを製造した。このように冷凍麺塊包装時の脱気時間を調整することによって麺塊と上部フィルムとの密着度を変化させた。なお、本実施例では、実施例2と同様の条件下で製造され実施例2のサンプルに対応するものをサンプル1とし、このサンプル1よりも密着性が低いものをサンプル2、さらに密着性に低いものをサンプル3とした。
【0062】
2.包材の密着度の評価
麺塊表面と包材との密着性は、包材内の含気率、すなわち「包材内に収容された冷凍麺塊の体積」に対する「包装された冷凍麺塊の全体積」の増加の程度によって間接的に表現することができる。そのような体積の増加量は、麺塊表面と包材との間に存在する含気量に相当する。したがって、上記増加量(含気量)は、下式(1)により算出することができる。
【0063】
体積の増加量(含気量)=[包装された冷凍麺塊の全体体積]−[包材内に収容された冷凍麺塊の体積]+(包材の体積)]・・・式(1)
【0064】
ここで、冷凍麺塊の全体体積は、受け皿の上に水槽を静置し、次いで水槽内に溢れる寸前にまで水を入れた後に冷凍麺塊を静かに投入し、その際に受け皿に溢れ出た水の体積に相当するものとする。
【0065】
以上のことから、本実施例では、麺塊に対する包材の密着性を具体的に示す指標として、下式(2)から算出される値を「密着度」として定義して使用する。
【0066】
密着度(含気率)=[(包装された冷凍麺塊の全体体積)−(包材内に収容された冷凍麺塊の体積)−(包材の体積)]/[包材内に収容された冷凍麺塊の体積]・・・式(2)
【0067】
上記式(2)における「包材の体積」とは、本実施例についてより具体的にいえば、トレイの体積と上部包材として使用した包材の体積との合計量となる。
【0068】
上記式(2)によって算出された数値によるサンプル1〜3の密着度、及び実施例2と同様にして実施した冷凍保存試験の結果を表3に示す。なお、表中に記載した各体積の単位はmlである。
【表3】

【0069】
また、図11〜13に各サンプルの冷凍保存の状態を示す写真を示す。図11は、サンプル1の保存状態を示す部分写真であり、(a)は試験開始時の写真、(b)は冷凍保存2週間後の写真である。図12は、サンプル2の保存状態を示す部分写真であり、(a)は試験開始時の写真、(b)は冷凍保存2週間後の写真である。図13は、サンプル3の保存状態を示す部分写真であり、(a)は試験開始時の写真、(b)は冷凍保存2週間後の写真である。図11〜図13における比較から分かるように、密着度(含気率)が増加すると、冷凍焼けが発生した部分が増加し、また、霜の付き及び包材の膨張についても観察される。
【符号の説明】
【0070】
10,30,50 密封包装冷凍麺塊
12,32,52 包材
12a,32a 第1の包材
12b,32b,52b 第2の包材
14,34,54 冷凍麺塊
36,56 ソース
38,56 具材
52a 第1の包材(プラスチック容器)
59 シール部
59a 第1のシール領域
59b 第2のシール領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包材によって密封包装された加熱調理用の冷凍麺塊であって、前記冷凍麺塊表面の麺の凹凸形状に沿って前記包材が密着している、密封包装冷凍麺塊。
【請求項2】
茹で上げ又は蒸し上げ後の麺線を凍結して冷凍麺塊を形成した後に包材で密封包装して得られ、冷凍麺塊表面の麺の凹凸形状に沿って前記包材が密着している、密封包装冷凍麺塊。
【請求項3】
前記密封包装が、脱気包装である請求項1又は2に記載の密封包装冷凍麺塊。
【請求項4】
前記包材が、第1の包材と、前記第1の包材よりも優れた伸張性を示すプラスチックフィルムを有する第2の包材とを含み、前記第1の包材と前記第2の包材との間に前記冷凍麺塊が配置され、前記第1及び第2の包材がシール部を有し、前記第2の包材が前記冷凍麺塊表面の凹凸形状に沿って密着している請求項1〜3のいずれかに記載の密封包装冷凍麺塊。
【請求項5】
前記第1の包材が、開口外周部にフランジを有する略皿型のプラスチック製容器である、請求項4に記載の密封包装冷凍麺塊。
【請求項6】
前記第2の包材が、加熱調理時には伸張して膨らみ、前記冷凍麺塊の蒸らし処理を可能にする空間を形成する、請求項4又は5に記載の密封包装冷凍麺塊。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれかに記載の密封包装冷凍麺塊の製造方法であって、
蒸し麺又は茹で麺を含む麺塊を冷凍し、冷凍麺塊を形成する工程と、
第1の包材と、前記第1の包材よりも伸張性に優れたプラスチックフィルムを有する第2の包材との間に前記冷凍麺塊を配置し、前記第1及び第2の包材をシールして、密封包装する工程と
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項8】
前記密封包装工程において、前記第2の包材を予め加熱し伸張性を高める、請求項7に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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