説明

密閉加圧混練機

【課題】 密閉加圧混練機において、混練時にブレードに作用する抵抗力を低減することにより消費電力の低減化を図る。
【解決手段】 混練槽2内に互いに平行かつ回転自在に配設した2つのローター6a,6bの外周に、該ローター6a,6bの軸線方向の一端と他端とを起端部18として螺旋方向に延び、終端部19が該ローター6a,6bの中間位置を占める2つのブレード8a,8bをそれぞれ設け、これらのブレード8a,8bは、上記ローターの回転方向前方側に向けて滑らかな凸形に湾曲させ、該ブレード8a,8bの頂部に、上記起端部18側から終端部19側に向けて次第に幅が狭くなるランド20を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム、プラスチック、セラミック等の混練材料を、密閉された混練槽内において、外周に複数のブレードを備えた2つのローターにより混練する密閉加圧混練機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の密閉加圧混練機として、従来より、特許文献1に記載されたようなものが知られている。この混練機は、混練槽の内部に、螺旋方向を向く2枚のブレードを外周に備えた2本のローターを水平かつ平行に配設し、該混練槽の中に混練材料を収容してこれらのローターを互いに逆方向、即ち上記ブレードが互いに噛み合いながら混練材料を巻き込む方向に回転させることにより、これらのブレードによって混練材料を混練するもので、タンジェンシャルロータータイプと称されている。
【0003】
上記ブレードは、ローターの外周に螺旋に沿って真っ直ぐに形成されていて、これらのブレードによって混練材料が、ローターの軸線方向に交互に逆向きに押し動かされると共に、ブレードの先端面であるランドと槽内周壁との間に延伸させられながら練り込まれ、それらの協同作用によって混練が行われるものである。
【特許文献1】特開平9−313916号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この種の混練機においては、一般に、混練材料としてゴムのような粘性の高いものを混練する場合に、上記ブレードに大きな抵抗力が作用するため、非常に多くの電力が消費されるという問題があった。
【0005】
そこで本発明の目的は、上記混練機において、混練時にブレードに作用する抵抗力を低減することにより、混練速度を速めて混練時間の短縮化を図ると共に、消費電力の低減化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の密閉加圧混練機は、略C字形の部分円周面を2つ向かい合わせに連ねたような内周面形状を有していて、内部が互いに隣接しかつ連通する2つのローター室に区分されると共に、内底部における両ローター室の境界部分に山形に立ち上がった陵壁部を有し、かつ、軸線方向の両端部がそれぞれ槽端壁で塞がれている混練槽と、上記各ローター室内に回転自在なるように配設され、外周に複数のブレードを備えた2つの互いに平行するローターと、各ローターの両端から上記槽端壁を貫通して槽外に延出する小径の駆動軸とを有し、上記ブレードは、ローターの軸線方向の一端側又は他端側を起端部として螺旋方向に延び、終端部が該ローターの中間位置を占めており、これらのブレードが、底部側から頂部側に向けて次第に幅狭となる山形の断面形状を有すると共に、その頂部に上記ローター室の内周面と相対するランドを有し、かつ、上記ローターの回転方向前方側に向けて滑らかな凸形に湾曲していることを特徴とするものである。
【0007】
本発明においては、上記陵壁部が、その頂部中央位置を混練槽の軸線方向に延びる稜線と、この稜線の両側にそれぞれ斜め下向きに傾斜するように形成された肩面と、これらの肩面と各ローター室の内周面とが連なる位置に形成された角部とを有し、上記ローターの回転時におけるランドと該角部との間の間隔が、ランドとローター室内周面との間の間隔よりも狭められている。
【0008】
また、本発明においては、上記ランドの幅が、ブレードの起端部側から終端部側に向けて次第に狭くなっている。
【0009】
本発明において好ましくは、上記各ブレードの起端部において、該起端部のローター回転方向後方側に位置する後側部分の端面を槽端壁に対して傾斜させることにより、これらの後側部分と槽端壁との間にローターの回転方向後方側に向けて次第に広がる間隙が形成されており、また、ローター回転方向前方側に位置する前側部分の端面は槽端壁と平行に形成されていて、この前側部分が槽端壁に近接した状態に配置されていることである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ローターの外周の各ブレードが該ローターの回転方向前方側に向けて滑らかな凸形に湾曲しているので、該ブレードの回転により混練材料が混練槽の端部側からローター中央寄りの位置に円滑かつ迅速に流動し、十分に撹拌されると共に、その分散が促進されることとなり、その際各ブレード即ちローターに加わる抵抗力は小さく、従って、ゴムのような粘性の高い混練材料であっても少ない消費電力で効率よく迅速に混練することができる。
この場合、請求項2の発明のように、陵壁部の側面の角部の位置で、該角部とブレードのランドとの間の間隔を、該ランドと槽内周面との間の間隔よりも狭く形成しておくことにより、上記混練材料がランドと槽内周面との間の間隔内に練り込まれる際に、上記角部の位置で2本のローターが該混練材料を引っ張り合うことなく切断するため、該混練材料が上記間隔内に練り込まれる際の抵抗がより小さくなり、これによってブレードに作用する抵抗力が一層低減するため、更なる省電力化を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る密閉加圧混練機の好ましい実施形態について説明する。図1は混練機の主要な部分を、機体1の下端部に位置する混練槽2を断面にして示すものである。この混練槽2は、略C字形の部分円周面を2つ向かい合わせに連ねたような内周面形状を有していて、その内部が互いに隣接しかつ連通する2つのローター室3a,3bに区分されると共に、槽内底部における両ローター室3a,3bの内周面3cの境界部分に山形に立ち上がった陵壁部4が形成され、かつ、この混練槽2の軸線方向の両端部がそれぞれ槽端壁5(図2参照)で塞がれている。
【0012】
上記ローター室3a,3bの内部には、図2からも明らかなように、螺旋方向に延びる複数のブレード8a,8bを外周に備えた第1及び第2の2つのローター6a,6bが、互いに平行かつ水平な中心軸線Lの回りに回転自在なるように配設されている。そして、各ローター6a,6bの軸線方向の一端側である第1端7aと反対側の第2端7bには、該ローター6a,6bより小径の駆動軸9,9がそれぞれ連設され、この駆動軸9が、上記槽端壁5,5を貫通して槽外に延出し、図示しない軸受機構で回転自在に支持されると共に、歯車等からなる動力伝動機構を介して駆動源に連結され、これらの駆動源及び動力伝動機構により2つのローター6a,6bが、図1及び図2に矢印で示すように、互いに逆方向に同期しながら等速で駆動回転されるように構成されている。上記ローター6a,6bの第1端7a及び第2端7bは、該ローター6a,6bの中間部分よりやや大径のフランジ状に形成されているが、それらは同径であっても良い。
【0013】
上記混練槽2の上端部分は、開閉自在の蓋体12により形成されていて、この蓋体12が、機体1の上部に設置された流体圧シリンダ13のロッド14の下端部に連結され、このロッド14の上下動によって開閉するようになっている。そして、上記蓋体12を開放した状態で、機体1の側面の投入口16から混練材料を上記混練槽2内に投入したあと、該蓋体12を閉じると共に、該蓋体12で混練材料を加圧しながら、上記2つのローター6a,6bを図1及び図2に矢印で示す方向、すなわち、上記ブレード8a,8bが互いに噛み合いながら混練材料を巻き込む方向に回転させることにより、これらのブレード8a,8bによって混練材料を混練するものである。
従って上記流体圧シリンダ13は、上記蓋体12を開閉するための開閉機構と、該蓋体12を介して上記混練材料を加圧するための加圧機構とを兼ねるものである。
【0014】
上記各ローター6a,6bには、図3〜図5に一方のローター6aで代表的に示すように、それぞれ2つのブレード8a,8bが設けられている。これらのブレード8a,8bは、ローター6aの第1端7a側と第2端7b側とにおける、円周方向の位相が互いに180°異なる位置をそれぞれの起端部18とし、この起端部18からローター6aの外周面を螺旋方向に延伸し、終端部19が該ローター6aのほぼ中間位置を占めている。これらのブレード8a,8bは、その底部側から頂部側に向けて次第に幅狭となる山形の断面形状を有するもので、その頂部に、上記ローター室3の内周面3cと対応する曲面をなすランド20を有し、このランド20が、上記内周面3cとの間に一定の間隔Sa(図8参照)を保った状態で回転するようになっている。他方のローター6bについても同様の構成である。
【0015】
上記2つのブレード8a,8bの螺旋方向の長さは互いに同じではなく、若干異なっている。このうち長尺の第1ブレード8aは、その終端部19がローター6aの軸線方向の中間点を若干通り過ぎた当たりの位置を占め、短尺の第2ブレード8bは、その終端部19がローター6aのほぼ中間点当たりの位置を占めている。これらのブレード8a,8bの螺旋角θ、即ち、起端部18から終端部19までのローター6aの中心軸線の回りにおけるねじれの角度θは、大凡80〜90°程度である。
【0016】
また、上記2つのローター6a,6bには、上記ブレード8a,8bが、互いに逆の位置関係を占めるように形成されている。即ち、第1ローター6aにおいては、長尺の第1ブレード8aが該ローター6aの第1端7a側を起端部18とすると共に、短尺の第2ブレード8bが第2端7b側を起端部18としてそれぞれ形成され、他方の第2ローター6bにおいては、長尺の第1ブレード8aが該ローター6bの第2端7b側を起端部18とすると共に、短尺の第2ブレード8bが第1端7a側を起端部18としてそれぞれ形成されている。そして、上記2つのローター6a,6bは、上記ブレード8a,8bが互いに90°異なる位相で噛み合いながら同期的に回転するように関係付けられている。
【0017】
上記各ブレード8a,8bは、一定の断面形状を保ったまま螺旋に沿って真っ直ぐに延びているのではなく、図6の展開図から分かるように、その全長に亘ってローター6a,6bの回転方向前方側に向けて滑らかな凸形に湾曲している。また、上記ランド20の幅が、各ブレード8a,8bの起端部18側から終端部19側に向けて次第に狭くなっている。ただし、ブレード8a,8bの底部側の幅とブレード高さは、該ブレードの全長に亘ってほぼ一定である。従って、ローター6a,6bの軸線Lに対する各ブレード8a,8bの傾斜は該ブレード全体に亘って一定ではなく、起端部18側で最も傾斜の度合いが小さく、終端部19側に向かって徐々に増大していることになる。しかも、ランド20の幅がブレード8a,8bの起端部18側から終端部19側に向けて次第に狭くなっているため、該ブレード8a,8bの側面の傾斜の度合いも、その終端部19側に向けて次第に大きくなっている。
なお、上記ブレード8a,8bの起端部18側でのランド幅Haと終端部19側でのランド幅Hbとは、Hbを1とした場合、Haが1.5〜3程度であることが望ましい。
【0018】
更に、図7に1つのローターで代表的に示すように、上記各ブレード8a,8bの起端部18においては、該起端部18のローター回転方向後方側に位置する後側部分18aの端面を、槽端壁5に対して傾斜する傾斜面18cとすることにより、これらの後側部分18aと槽端壁5との間に、ローター6a,6bの回転方向後方側に向けて次第に広がる間隙23が形成されており、また、上記起端部18のローター回転方向前方側に位置する前側部分18bの端面は、槽端壁5と平行に形成されていて、この前側部分18bが槽端壁5に対し、ローターのスラスト移動量に相当する僅かな間隙Wbを保有させて密に近接した状態に配置されている。この場合、上記間隙23の最大幅Waと上記間隙Wb及び前側部分18bの前後幅Wcとの関係は、例えば、Waを5mmとした場合、Wbは1.5mm程度、Wcは2〜3mm程度であることが望ましい。
【0019】
各ブレード8a,8bの起端部18側に上述したような形状及び向きの間隙23を形成することにより、混練材料が該ブレード8a,8bの起端部18と槽端壁5との間に残渣として滞留しにくくなるという利点がある。仮に、上記間隙23内に混練材料が残渣として残留した場合でも、この間隙23はローター6a,6bの回転方向後方側に向けて次第に広がっているため、その除去清掃を容易に行うことができ、この結果、異質の材料が次の混練工程に混入するのを確実に防ぐことができる。
【0020】
上記混練槽2の両端の槽端壁5には、上記駆動軸9が貫通する孔の内周部分に、該駆動軸の回りを非接触状態で取り囲む円環状のシール部材24が、槽端壁5に対して密なる状態に取り付けられている。これらのシール部材24は、外周面が上記ローター6a,6bの第1端7a及び第2端7bの外周面と一致するように形成されていて、その軸線方向の端面が、これらの第1端7a及び第2端7bの端面に形成されたシール面25に摺動自在に圧接している。シール部材24をこのような態様で設けることにより、上記各ローター6a,6bと槽端壁5との間の間隙を完全に無くして混練槽外への混練材料の漏洩を確実に防止することができる。
【0021】
また、混練槽2の内底部に形成された上記陵壁部4は、図8から分かるように、その頂部中央位置を混練槽2の軸線方向に延びる稜線28と、該稜線28の両側にそれぞれ斜め下向きに傾斜するように形成された平面からなる肩面29,29と、これらの肩面29,29と各ローター室3a,3bの内周面3cとが連なる位置に形成された角部30,30とを有している。そして、上記ローター6a,6bの回転時にランド20と各角部30との間に形成される間隔Sbが、ランド20と各ローター室3a,3bの内周面3cとの間に形成される間隔Saより狭く設定されている。上記間隔SaとSbとの関係は、混練機の容量や混練材料等によって異なるが、一般的にはSb=Sa/2程度であることが望ましい。
【0022】
上記角部30を陵壁部4に形成する方法としては、図示したように、側面34をローター室3a,3bの内周面3cより曲率半径の小さい湾曲面に加工することによって角部30を形成すると共に、上記稜線28及び肩面29を備えた超硬金属製のキャップ状部材33を、陵壁部4の上端部に溶接等の固着手段で固着する方法がある。この場合、上記キャップ状部材33の側面34は予め上述した湾曲面に加工してあっても、陵壁部4に取り付けたあとそのように加工しても構わない。あるいは、上記稜線28と肩面29及び角部30を有する陵壁部4全体を別部材として形成し、それを両ローター室3a,3bの境界部分に嵌め付けて溶接しても良い。
【0023】
上記構成を有する混練機は、ゴムやプラスチックあるいはセラミック等の混練材料を上記混練槽2内に収容し、2つのローター6a,6bを図1及び図2に矢印で示す方向に回転させて混練するものである。このときのローターの回転速度は、混練機の規模や混練材料の種類等によって異なるが、通常は20〜40rpm程度、高速ミキサーでは60rpm程度である。上記混練材料は、2つのローター6a,6bの外周のブレード8a,8bによって押圧され、該ローター6a,6bの軸線L方向に交互に逆向きに押し動かされると共に、両ローター6a,6bのブレード8a,8bで圧縮されたり、引っ張り合いされることによって引き延ばされたり、更には、各ブレード8a,8bのランド20と槽内周面3cとの間の間隔Sa内に練り込まれるといった作用を受けることにより、その混練が促進される。
【0024】
この場合、上記各ブレード8a,8bがローター6a,6bの回転方向前方側に向けて滑らかな凸形に湾曲しているため、ローター6a,6bの軸線に対する該ブレード8a,8bの傾斜の度合いは、その起端部18側で最も小さく、終端部19側に向かって徐々に増大しており、従って、混練材料がローター6a,6bの一端側に移動していて、あるブレード8a,8bによる押圧が始まる初期段階では、傾斜が最も小さいブレード起端部18によって混練材料が押圧されるが、このとき混練材料は反対側に向けて移動し易く且つ変形し易い状態にあるため、上記ブレード8a,8bに大きな抵抗力が作用することはない。
【0025】
ローター6a,6bの回転と共に混練材料がブレード8a,8bに押圧されて該ローター6a,6bの他端側に向けて移動すると、該混練材料による抵抗力が増大して軸線方向の大きな押圧力が必要になるが、上記ブレード8a,8bの傾斜も次第に大きくなり、同じ回転力で軸線方向の大きな押圧力を発揮できるようになるため、該ブレード8a,8b即ちローター6a,8bに加わる抵抗力が若干増大することはあっても、急激に増大することはない。この場合更に、ランド20の幅が各ブレード8a,8bの起端部18側から終端部19側に向けて次第に狭く形成されることにより、該ブレード8a,8bの側面の傾斜も終端部19側に向けて次第に大きくなっているから、この点も相俟って上述した効果が助長されることになる。
【0026】
上述したブレード8a,8bの傾斜の増大による抵抗力の吸収作用は、混練材料がブレード8a,8bのランド20と槽内周面3cとの間の間隔内に練り込まれる際にも同様に発揮される。この場合、混練材料は、上記陵壁部4の肩面29で徐々に絞られながら上記角部30を経て上記ランド20と槽内周面3cとの間に練り込まれるが、この角部30の位置でランド20との間の間隔Sbが狭くなっているため、この位置で混練材料が切断され、上記ランド20と槽内周面3cとの間に2本のローラー6a,6bで引っ張り合いすることなく引き込まれ易くなり、この結果、上述した練り込み時の抵抗力がより一層軽減されることになる。
【0027】
かくして、上記構成を有する混練機によれば、混練時に各ブレード8a,8b即ちローター6a,6bに加わる抵抗力が小さいため、ゴムのような粘性の高い混練材料であっても、少ない消費電力で効率よく迅速に混練することができる。実験からは、一定のランド幅を有するブレードを螺旋方向に真っ直ぐに取り付けたローターを使用する場合に比べ、電力の節減率は大凡30〜50%に達することが予測される。
【0028】
なお、上記実施例では、各ローターが2つのブレードを備えているが、ブレードの数は3つ又は4つであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る密閉加圧混練機の要部断面図である。
【図2】混練槽の内部構造を示す拡大断面図である。
【図3】ローターの構成を説明する図2の部分拡大図である。
【図4】ローターを軸線方向に見た側面図である。
【図5】図3におけるA−A線での断面図である。
【図6】ローターを展開した平面図である。
【図7】図3の部分拡大図である。
【図8】図1の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0030】
2 混練槽
3a,3b ローター室
3c 内周面
4 陵壁部
5 槽端壁
6a,6b ローター
8a,8b ブレード
9 駆動軸
18 起端部
18a 後側部分
18b 前側部分
19 終端部
20 ランド
23 間隙
28 稜線
29 肩面
30 角部
Sa,Sb 間隔
Ha,Hb ランドの幅
Wa 間隙の最大幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略C字形の部分円周面を2つ向かい合わせに連ねたような内周面形状を有していて、内部が互いに隣接しかつ連通する2つのローター室に区分されると共に、内底部における両ローター室の境界部分に山形に立ち上がった陵壁部を有し、かつ、軸線方向の両端部がそれぞれ槽端壁で塞がれている混練槽と、上記各ローター室内に回転自在なるように配設され、外周に複数のブレードを備えた2つの互いに平行するローターと、各ローターの両端から上記槽端壁を貫通して槽外に延出する小径の駆動軸とを有し、
上記ブレードは、ローターの軸線方向の一端側又は他端側を起端部として螺旋方向に延び、終端部が該ローターの中間位置を占めており、これらのブレードが、底部側から頂部側に向けて次第に幅狭となる山形の断面形状を有すると共に、その頂部に上記ローター室の内周面と相対するランドを有し、かつ、上記ローターの回転方向前方側に向けて滑らかな凸形に湾曲している、
ことを特徴とする密閉加圧混練機。
【請求項2】
上記陵壁部が、その頂部中央位置を混練槽の軸線方向に延びる稜線と、この稜線の両側にそれぞれ斜め下向きに傾斜するように形成された肩面と、これらの肩面と各ローター室の内周面とが連なる位置に形成された角部とを有し、上記ローターの回転時におけるランドと該角部との間の間隔が、ランドとローター室内周面との間の間隔よりも狭く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の密閉加圧混練機。
【請求項3】
上記ランドの幅が、ブレードの起端部側から終端部側に向けて次第に狭くなっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の密閉加圧混練機。
【請求項4】
上記各ブレードの起端部において、該起端部のローター回転方向後方側に位置する後側部分の端面を槽端壁に対して傾斜させることにより、これらの後側部分と槽端壁との間にローターの回転方向後方側に向けて次第に広がる間隙が形成されており、また、ローター回転方向前方側に位置する前側部分の端面は槽端壁と平行に形成されていて、この前側部分が槽端壁に近接した状態に配置されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の密閉加圧混練機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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