説明

富ガス流のための炭化水素ガス処理

炭化水素供給ガス流からエタン及びそれより重質の炭化水素成分を回収する方法。供給ガス流を冷却して、第一及び第二冷却流とする。第一及び第二冷却流を低温吸収塔へ送り、第一ガス流と第一液体流に分離する。第一ガス流を膨張させて精留塔へ送る。第一液体流の少なくとも一部分を予備脱メタン化ストリッピング塔へ送る。ストリッピング塔は、ストリッピング塔頂流及びストリッピング塔底流を生ずる。ストリッピング塔頂蒸気流を冷却し、第二還流流として精留塔へ送る。ストリッピング塔底流を精留塔へ供給する。それらの流れ及びコラムの温度及び圧力を維持し、エタン及びそれより重質の炭化水素成分の過半部分を塔底生成物流として回収し、精留塔頂部に残留ガス流を生成させる。残留ガス流の少なくとも一部分をリサイクルし、冷却し、精留塔へ第一還流流として送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2004年4月15日に出願された米国特許仮出願番号第60/562、481号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、炭化水素ガス流からエタン及びそれより重質の成分を回収することに関する。より具体的には、本発明は、富(rich)炭化水素導入ガス流(inlet gas stream)からエタン及びそれより重質の成分を回収することに関する。
【背景技術】
【0003】
天然ガス流、製油所排出ガス流、炭層(coal seam)ガス流等のような種々のガス流中には、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、及びそれより重質の炭化水素成分のような価値のある炭化水素成分が存在する。これらの成分は、石炭、タールサンド、及び原油のような他の炭化水素源中にも存在することがある。それら価値ある炭化水素の量は、供給源によって変化する。一般に、50%より多いエタン、二酸化炭素、メタン及びそれより軽質の成分、例えば、窒素、一酸化炭素、水素等を含むガス流から炭化水素又は天然ガス液体(NGL)を回収することが望ましい。プロパン、プロピレン、及びそれより重質の炭化水素成分は、一般に導入ガス供給流の少量を構成する。
【0004】
炭化水素ガス流からNGLを回収するための先行技術方法が幾つか存在しており、幾つか挙げるとすれば、油吸収法、冷凍油吸収法、及び低温法のような方法である。低温法は、一般に一層経済的に操作でき、一層環境に優しいので、現在の技術では一般に油吸収又は冷凍油吸収法よりも低温ガス法が好まれている。特に、図1に示すように、キャンベル(Campbell)に交付された米国特許第4,278,457号明細書に記載されているような低温ガス処理においてターボ膨張機(turboexpander)を使用することが好まれている。
【0005】
残油リサイクル流を用いるターボ膨張機回収法は、C3+成分を本質的に100%回収しながら、大きな(95%を越える)エタン回収率を得ることができる。そのような方法は、高い回収率を達成している点で印象的であるが、それらに必要な圧縮条件のため比較的多量のエネルギーを消費する。高い回収率をなお維持しながら、エネルギー消費を減少させるためには、追加の還流源が必要である。
【0006】
多くの低温回収法では、精留塔頂流の品質のため、効率が低下し、かなりの量のC2+成分を含有する還流流(reflux stream)を生ずる結果になる。還流流はかなりの量のC2+成分を含むため、制御バルブの後で還流流をフラッシュすると、何らか蒸気を形成することになるであろう。得られた蒸気は幾らかの量のC2+成分を含み、それは精留プロセスから逃げ、塔頂流中に入り、その後、残油ガス流(residue gas stream)中に入って失われる。更に、精留塔の頂部段階では平衡に到達し、そのため一層多くのエタンを塔頂流と共に逃がすことになる。
【0007】
リー(Lee)らに交付された米国特許第6、244、070号明細書の場合のように、吸収塔を使用して貧(lean)還流流を生成させることが教示されている。リーの特許に記載されているように、入口分離機を出る蒸気は、三つの方向に分割される。第一蒸気流は冷却し、吸収塔の底部から導入する。第二蒸気流は凝縮し、補助冷却し、次に吸収塔の頂部から導入する。吸収塔は塔頂流を生じ、それは主精留塔のための貧還流流として用いられる。第三蒸気流は膨張機へ送り、圧力低下と外部への仕事を行わせる。リーにより提案されている代替態様は、高圧残留ガス流の一部分を吸収塔への頂部供給流として使用することを含んでいる。この場合、低温分離機に存在する蒸気を二つの部分に分け、一つの流れは冷却して吸収塔の底部へ送り、他方の流れは膨張機へ送る。貧残留ガスの一部分は加圧下に凝縮し、頂部供給流として吸収塔へ送る。
【0008】
1000ft当たり4ガロンより多く5ガロンまでの流量を有するエタン及びそれより重質の成分を含有する富ガス流を処理する場合、凝縮される液体のリーンオイル(lean oil)効果のため、多量のメタンを含有する液体の凝縮の初期段階が起きる。このメタンの凝縮は、その方法のターボ膨張機プロセスでの等エントロピー膨張中の仕事を生ずるのに利用できるメタンの量を減少させる。C成分を回収するために使用する還流の量は、増大させなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
少なくとも95%の回収効率を達成し、先行技術プロセスと比較してエネルギー消費が一層低いエタン回収方法に対する必要性が存在する。残留ガス流中に失われるC2+成分の量を減少させる方法において、温度プロファイルを利用することができる方法に対する必要性も存在する。
【0010】
より具体的には、エタン及びプロパン及びそれより重質の成分について少なくとも95%の回収率を達成することができ、凝縮される液体中の多量のメタンを利用して、エタンを回収するために適切な還流手段を創出すると共に先行技術プロセスと比較してエネルギー消費も一層低くできる、富ガス流からC及びそれより重質の成分を回収する方法についての必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、低温吸収塔及び予備脱メタン化ストリッピング塔(pre-demethanizer strippingtower)を利用して炭化水素流からC2+成分を回収して、富メタン還流流を生成させる方法及び装置を有利に提供する。その吸収塔及び予備脱メタン化ストリッピング塔は、好ましい態様においては別々の容器とすることができる。これらの容器は、別の好ましい態様において一つの装置として一緒にすることができる。更に、残留ガス流から分割されたリサイクル流を精留塔への残留リサイクル又は還流流としてそのプロセスへ戻す。富メタン還流流を使用することにより、その富メタン還流流は、所望の生成物、即ち、C2+成分を極めて僅かな量でしか含まないので、約96%を越えるエタン回収率、及び約99.5%を越えるプロパン回収率を与える。
【0012】
本発明の一つの態様によれば、メタン及びそれより軽質の成分、C2成分、C3成分及びそれより重質の炭化水素を含有する導入ガス流を、実質的に全てのメタン及びそれより軽質の成分を含む揮発性のより高いガス留分、及びC2成分、C3成分及びそれより重質の炭化水素の過半部分を含む揮発性のより低い炭化水素留分へ分離する方法は、供給ガス流を第一供給流と第二供給流へ分割する工程、前記第一供給流と前記第二供給流とを冷却して部分的に凝縮し、第一冷却供給流と第二冷却供給流とを生成させる工程、一つ以上の物質移動段階を含む吸収塔に前記第一冷却供給流及び第二冷却供給流を供給する工程、前記吸収塔中で前記第一と第二の冷却供給流を分離し、第一蒸気流と第一液体流とを生成させる工程、前記第一蒸気流を低圧へ膨張させて、前記第一蒸気流が精留塔下方供給流を形成する工程、精留塔に、精留塔下方供給流、精留塔第一還流流、及び精留塔第二還流流を供給する工程、前記第一液体流の少なくとも一部分を、一つ以上の物質移動段階を含む少なくとも部分的にリボイルされたストリッピング塔へ頂部ストリッピング供給流として供給し、それにより前記少なくとも部分的にリボイルされたストリッピング塔で前記第一液体流の少なくとも一部分を分離してストリッピング塔頂流及びストリッピング塔底流を生成させる工程、前記ストリッピング塔頂流を冷却し、それにより実質的に凝縮し、精留塔へ送られる精留塔第二還流流を生成させる工程、前記精留塔へ前記ストリッピング塔底流の少なくとも一部分を供給する工程、前記ストリッピング塔底流の少なくとも一部分を、前記精留塔下方供給流、前記精留塔第一還流流、及び前記精留塔第二還流流と共に前記精留塔中で分離し、塔底流及び塔頂流を生成させる工程、前記塔頂流を加温して残留ガス流を生成させる工程、前記残留ガス流を、前記塔頂流を加温する工程の後、残留リサイクル流と揮発性残留ガス流とに分割し、残留ガス流を生成させる工程、前記残留リサイクル流を冷却し、それにより実質的に凝縮し、然る後、前記残留リサイクル流を前記精留塔へ精留塔第一還流流として戻す工程、及び前記精留塔第一及び第二還流流、精留塔下方供給流、ストリッピング塔底流の量及び温度を制御し、C2成分、C3成分及びそれより重質の炭化水素の過半部分を塔底流中に回収する工程を含む。
【0013】
本発明の態様の付加的特徴は、塔頂流の圧縮が、その塔頂流を加温した後に行われることである。本発明の態様の更なる特徴は、塔頂流の圧縮は、リサイクル還流流の圧力が残留ガス流の圧力よりも高く上昇できるように、高圧段階を有するコンプレッサーを用いて塔頂流を圧縮することを含んでいることである。本発明の態様の更なる特徴は、塔底流中へのC2回収が約95%になることである。本発明の態様の更なる特徴は、塔底流中へのC3回収が約99%になることである。本発明の態様のもう一つの特徴は、吸収塔と少なくとも部分的にリボイルされたストリッピング塔が一つの装置中に一緒にされていることである。
【0014】
本発明の一つの態様によれば、メタン及びそれより軽質の成分、C2成分、C3成分及びそれより重質の炭化水素を含む導入ガス流を、メタン及びそれより軽質の成分の実質的に全てを含有する揮発性のより高いガス留分と、C2成分、C3成分及びそれより重質の炭化水素の過半部分を含む揮発性のより低い炭化水素留分へ分離するための装置は、供給ガス流を第一供給流と第二供給流へ分割するための手段、前記第一供給流を冷却し、部分的に凝縮して第一冷却供給流を生成させるための少なくとも一つの第一熱交換器、前記第二供給流を冷却し、部分的に凝縮して第二冷却供給流を生成させるための少なくとも一つの第二熱交換器、前記第一及び第二の冷却供給流を分離して第一蒸気流及び第一液体流を生成させるための一つ以上の物質移動段階を含む吸収塔、前記第一蒸気流を低圧へ膨張させて、前記第一蒸気流が精留塔下方供給流を形成するための膨張機、少なくとも部分的にリボイルされたストリッピング塔であって、一つ以上の物質移動段階、及び前記第一液体流の少なくとも一部分を含む頂部ストリッピング塔供給流を有し、それにより前記第一液体流の少なくとも一部分を分離してストリッピング塔頂流及びストリッピング塔底流を生成させる塔、前記ストリッピング塔底流、精留塔下方供給流、精留塔第一還流流、及び精留塔第二還流流の少なくとも一部分を分離して塔底流及び塔頂流を生成させ、それにより、精留塔第一及び第二還流流、精留塔下方供給流、及びストリッピング塔底流の量及び温度を制御し、C2成分、C3成分及びそれより重質の炭化水素の過半部分を塔底流として回収するための精留塔、前記ストリッピング塔頂流を冷却して、それにより実質的に凝縮し、精留塔第二還流流を生成させ、前記塔頂流を加温して残留ガス流を生成させるための少なくとも一つの第三熱交換器、及び前記残留ガス流を残留リサイクル流及び揮発性残留ガス流へ分割するための手段、を含み、それにより前記少なくとも一つの第三熱交換器で前記残留リサイクル流を冷却し、それにより実質的に凝縮させ、然る後、前記残留リサイクル流を精留塔第一還流流として前記精留塔へ戻し、それにより、前記塔頂流を加温して前記残留ガス流を生成させた後に、前記残留ガス流を残留リサイクル流と揮発性残留ガス流へ分離する。
【0015】
本発明の一つの態様によれば、富炭化水素ガス供給流を第一ガス及び第二ガス供給流に分割する。第一ガス流及び第二ガス流は、冷却して炭化水素供給流を少なくとも部分的に凝縮させるのが好ましい。第一ガス流は導入ガス熱交換器で冷却し、第二ガス流は副リボイラー熱交換器又は他の冷却器で冷却し、炭化水素供給流を少なくとも部分的に凝縮し、それにより第一及び第二冷却供給流を形成することができる。ガス流を冷却するための他の手段を用いることができる。冷却した供給流を両方とも低温吸収塔へ送り、そこでそれら二つの流れのうちの冷たい方を低温吸収塔の頂部領域へ送り、二つの流れの暖かい方を低温吸収塔の塔底領域へ送る。低温吸収塔中での分離は、実質的に同じ化学組成を有するが、異なった温度を有する両方の流れによって促進される。夫々の流れの化学的ポテンシャルが異なると、それにより分離を促進する駆動力が与えられる。低温吸収塔は、少なくとも一つの充填床、又は他の物質移動領域をその吸収塔容器内に含む。物質移動領域は、その物質移動領域中での接触により液体とガスとの間で分子を移動させることができる任意の型の装置を含むことができる。将来、他の型の物質移動領域が当業者に知られることになろうが、それらも本発明の範囲内に入ると考えるべきである。
【0016】
低温吸収塔は二つの流れ、第一蒸気流及び第一液体流を生ずる。第一蒸気流の少なくとも一部分は好ましくは膨張機へ送られ、そこでその圧力を下げられる。この断熱過程により、膨張機排出流、即ち、実質的に冷間膨張した流れの温度は実質的に下げられる。実質的に冷間膨張した流れは、精留塔又は蒸留塔へ下方塔供給流として送られる。精留塔は脱メタン化塔とすることができる。精留塔は、塔底において明細書記載のエタン及びそれより重質の成分を産し、塔頂において揮発性メタン及びそれより軽質の成分流を産する、リボイルされた塔であることが好ましい。精留塔に副リボイラーを設けてプロセス効率を改善することが好ましい。
【0017】
第一液体流の少なくとも一部分は、予備脱メタン化ストリッピング塔へ、好ましくは頂部供給位置へ送られる。予備脱メタン化ストリッピング塔は、好ましくはリボイルされたストリッピング塔である。予備脱メタン化ストリッピング塔では、リボイラーの作用により第一液体流から含有されるメタンが除去されるか又はストリップされる。本来、予備脱メタン化ストリッピング塔は、好ましくは少なくとも一つの充填床、又は他の物質移動領域をその予備脱メタン化ストリッピング塔内に含むストリッピング塔である。物質移動領域は、その物質移動領域中での接触により、液体とガスとの間で分子を移動させることができる任意の型の装置を含むことができる。将来、他の型の物質移動領域が当業者に知られることになろうが、それらも本発明の範囲内に入ると考えるべきである。
【0018】
予備脱メタン化ストリッピング塔は、メタンに富むストリッピング塔頂流及びストリッピング塔底流という二つの流れを生ずる。ストリッピング塔底流の少なくとも一部分は、塔第二供給流として精留塔へ、好ましくは塔第一供給流より下に送られる。
【0019】
ストリッピング塔頂流を補助冷却し、精留塔へ下方塔供給流として、塔第一還流供給物より下に送る。液体中に含まれるメタンは低温貧油として働き、精留塔内で上昇する蒸気からC2+成分を吸収する。
【0020】
精留塔は、塔頂流と塔底流を生ずる。塔頂流は、好ましくは加温し、次にコンプレッサーで所定の圧力へ圧縮し、残留ガス流を生成させる。残留ガス流の少なくとも一部分を還流物としてとり、塔第一還流流として精留塔へ再循環する。
【0021】
本発明のこの態様は、99+%のC2+回収率を提供することができる。塔第一還流流は、残留ガス流の側流(side stream)をとり、その側流を凝縮及び補助冷却し、然る後、その流れを精留塔へ塔頂還流流として送ることにより生成する。残留ガス側流は、本質的にC2+成分を含まず、それにより、その付加的還流流をして、塔頂流として逃げることがあるC2+成分を全て回収せしめることができる。
【0022】
本発明の特徴、利点、及び目的、並びに、明らかになるであろうその他の事項が一層詳細に理解できるやり方で、本願の一部分をなすところの添付の図面に例示したそれらの態様を参照して、上に簡単に要約した本発明のより具体的な記載を行う。しかし、それら図面は単に本発明の好ましい態様を例示しているだけであり、従って、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではなく、本発明の範囲は他の均等に有効な態様についても認めることができることに注意すべきである。
【0023】
図面を簡明にするため、各図面において、流れ又は設備に関して、機能が同じか又は同様な場合、種々の流れ及び装置に対する図中の数字は同じにしてある。
【0024】
ここで用いる用語「導入ガス」とは、炭化水素ガスを意味し、そのようなガスは典型的には高圧ガス導管から導入され、実質的にメタンから構成され、残余はC2成分、C3成分及びそれより重質の成分、並びに二酸化炭素、窒素、及び他の痕跡量ガスである。用語「C2成分」とは、アルカン、オレフィン、及びアルキン、特にエタン、エチレン、アセチレン等のような脂肪族物質を含む、二つの炭素原子を有するあらゆる有機成分を意味する。用語「C2+成分」とは、C2成分及びそれより重質の成分全てを意味する。
【0025】
表1は、本発明の全ての態様に従い炭化水素を回収するのに本発明がよく適しているような炭化水素ガス供給流の組成を例示している。窒素及び二酸化炭素は、それらの存在が場所特異的であるので、一定の比較基準を確立するため、組成物から考慮して除かれている。
【0026】
表I
成分 モル%
メタン 67.41
エタン 23.63
プロパン 6.86
n−ブタン 0.43
i−ブタン 1.12
n−ペンタン 0.23
i−ペンタン 0.23
ヘキサン 0.05
ヘプタン+ 0.05
【0027】
先行技術についての詳細な説明
表1は、キャンベルに対して交付された米国特許第4,278,457号明細書に記載されている方法の一つの態様であるターボ膨張機低温処理を用いた典型的なガス処理方式を例示している。キャンベルは、その処理を行う前に、原料供給ガスを、CO及びHSが多量に存在する場合にはそれらを除去するように、処理することを教示している。次にそのガスを乾燥し、濾過し、然る後、低温領域へ送ってNGLを回収する。典型的には、約100°F及び800psiaで供給される炭化水素供給ガス流1を、一つ以上の入口熱交換器10において低温プロセス流に対し、約−30°Fへ冷却する。供給ガス流1の富化度(richness)及び供給物温度及び圧力に依り、付加的冷却のための外部からの冷却が必要になることもある。
【0028】
−30°Fの温度にて部分的に凝縮した供給ガス流2を、気・液又は相分離のための中間的分離器20へ送る。供給ガス流の組成によっては、冷却プロセスの間に気・液分離を挟んだ一つ以上の冷却プロセスが必要になることがある。冷却した供給ガス流2を第一液体流21及び第一蒸気流22へ分離する。第一液体流21は、導入供給ガス流1よりも、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、及びそれより重質の炭化水素成分に富んでいる。第一液体流21は精留塔50へ送られ、価値あるC2+成分が回収される。精留塔50へ送る前に、第一液体流21を、制御バルブを通して、本質的に精留塔の圧力へと膨張させる。この液体の膨張により、幾らかの液体が気化し、それにより全流れ34を冷却し、約−75°Fの二相流を生成し、それは精留塔50へ送られる。
【0029】
第一蒸気流22は熱交換器30へ送られ、そこで−60°Fへ冷却され、部分的に凝縮されて流れ31を生成し、低温分離器40へ送られる。分離器40中での相分離後、第二蒸気流41及び第二液体流42という二つの流れが生成する。第二蒸気流41は、第一ガス流43及び第二ガス流44という二つの流れに分割される。第一ガス流43は、ターボ膨張機のような仕事膨張機械70へ送られ、そこで第一ガス流43の圧力は約295psiaまで下げられる。第一ガス流43の断熱膨張により、第一ガス流43の圧力及び温度が低下する。この圧力低下及び仕事遂行により、第一ガス流43の温度は約−121°Fへ低下し、それにより液体の生成がもたらされる。この二相流71は中間供給流として精留塔へ送られる。ターボ膨張機70により発生した仕事を用いて、貧塔底流52を昇圧し、残留ガス流86を生成させる。
【0030】
第二ガス流44は還流熱交換器60へ送られ、そこで第二ガス流44が凝縮され、約−128°Fまで補助冷却され、塔第一供給流61を生成させる。次に塔第一供給流61は、制御バルブのような膨張装置を通して、本質的に精留塔の圧力へフラッシュされる。塔第一供給流61の圧力のこの低下は蒸気の形成及び約−152°Fへの温度低下をもたらす。この二相流62は、精留塔50へ頂部供給流として送られる。
【0031】
第二液体流42は精留塔50へ送られ、価値あるC2+成分が回収される。精留塔50へ送る前に、第二液体流42を制御バルブを通して本質的に精留塔の圧力に膨張させ、その結果約−112°Fへ冷却することができる。液体のこの膨張により、幾らかの液体が蒸発し、それにより全流れ46が冷却され、二相流を生じ、それは精留塔50へ送られる。
【0032】
精留塔50は、好ましくは、リボイルされた吸収塔であり、それは、導入供給ガス流1中のC2+成分又はNGLの過半部分を含む塔底流54、及び残余のエタン、メタン及びそれより軽質の成分を含む塔頂流52を生ずる。精留塔50は、好ましくは、塔底流54中のNGLと共に塔50を出るメタンの量を調節するため、側流501及び503が供給されるリボイラー55を含む。更にプロセスの効率を向上させるため、導入供給ガス流1を冷却する一つ以上の副リボイラーを設けることができる。供給物の富化度及び送る条件により、精留塔50のための何らかの外部からの加熱が必要になることがあり、同様に冷却プロセスを補助するための冷却が必要になることがある。そのような冷却は、例えば、プロパン冷却装置により供給することができるであろう。
【0033】
典型的には、約290psiaの圧力及び約−139°Fの温度を有する塔頂流52は、還流熱交換器60で約−60°Fへ加温され、次に入口熱交換器10で95°Fへ加温され、加温された塔頂流78を生ずる。加温された塔頂流78は、ブースターコンプレッサー75へ送られ、そこで膨張機70により発生した仕事を用いて約297psiaへその圧力を上昇させ、圧縮塔頂ガス流76を生ずる。圧縮塔頂ガス流76は、次に空気冷却器79で約100°Fへ冷却され、再コンプレッサー80中に約810psiaへと更に圧縮するために送り、暖かい残留ガス流82を生ずる。暖かい残留ガス流82は、次に空気冷却器84中で約100°Fへ冷却され、次に残留ガス流86として更なる処理へと送る。
【0034】
本明細書に記載し図1に例示した先行技術プロセスを用いてシミュレーションを行なった。比較の目的で、幾つかのプロセス流のモル組成を表IIに与える。
【0035】
【表1】

【0036】
本発明についての説明
本発明は、富ガス流からのメタン及びそれより軽質の成分、C2成分、C3成分及びそれより重質の炭化水素を含有する導入供給ガス流を、実質的に全てのメタン及びそれより軽質の成分を含有する揮発性のより高いガス留分、及びC2成分、C3成分及びそれより重質の炭化水素の過半部分を含有する揮発性のより低い炭化水素留分へ、図2に示したように、分離する方法を有利に提供する。
【0037】
より具体的には、供給ガス流1は、好ましくは濾過され、乾燥された後に、このエタン回収プロセス100へ供給される。供給ガス流1は、水、一酸化炭素、及び硫化水素のような一定の不純物を含み得るが、それらはエタン回収プロセス100へ送る前に除去される。供給ガス流1は、好ましくは、約100°Fの温度及び約800psiaの圧力を有する。プロセス100へ供給された後、供給ガス流1は、好ましくは、供給ガス流1の約62%を含む第一供給流11と、供給ガス流1の残りの部分を含む第二供給流12へ分割される。第一供給流11は、入口熱交換器10中で、少なくとも塔頂流52又は他の適当な流れとの熱交換接触により冷却され、部分的に凝縮し、約−53°Fの温度を有する冷却された第一供給流2を生ずることができる。第二供給流12は、リボイラー55中で、少なくとも塔第一側流501、塔第二側流503、又はそれらの組合せとの熱交換接触により冷却され、約−50°Fの温度を有する冷却された第二供給流13を生ずることができる。第二冷却供給流13及び第一冷却流2は低温吸収塔20へ送られ、これら二つの流れのうち冷たい方は吸収塔20の頂部へ送られ、二つの流れの暖かい方は吸収塔20の底部へ送られる。低温吸収塔20での分離は、同じ組成を有するが、異なった温度を有する両方の流れによって促進される。それらの化学的ポテンシャルは異なっており、そのことが分離を促進する駆動力を与える。低温吸収塔20は、吸収容器20内に、少なくとも一つの充填床、又は他の物質移動領域を含む。物質移動領域は、分子を、その物質移動領域を含む容器を流下する液体から、その容器を通って上昇するガスへ移動させ、容器を通って上昇するガスから容器を流下する液体へ移動させることができる任意の型の装置を含むことができる。将来、物質移動領域の別の型が当業者に知られるようになるであろうが、それらも本発明の範囲内に入ると考えるべきである。
【0038】
第一蒸気流43及び第一液体流21の二つの流れが低温吸収塔を出る。第一蒸気流43は有利には膨張機70へ送られ、そこでその流れは約405psiaのより低い圧力へ膨張され、塔下方供給流71を生成する。第一蒸気流43の圧力の低下及び外部への仕事により、下方供給流71の温度もまた約−97°Fへ低下する。温度の低下は液体の形成を起こし、それは塔供給流71を二相にする。塔供給流71は、好ましくは塔下方供給流として精留塔50へ送られる。
【0039】
第一塔供給流46と共に、塔下方供給流71は精留塔50へ送られ、そこでそれらの流れは塔底流54及び塔頂流52へ分離される。塔頂流52を加温し、圧縮して残留ガス流86を生成させる。
【0040】
第一液体流21の少なくとも一部分は、頂部ストリッピング塔供給流として予備脱メタン化ストリッピング塔40へ送られる。予備脱メタン化ストリッピング塔40は、一つ以上の物質移動段階を含むのが好ましい。予備脱メタン化ストリッピング塔40中で、高メタン含量液体を少なくとも部分的にリボイルしてメタンを除去する。一つの態様においては、ストリッピング塔からの液体500をリボイラー55中で第二供給流12と接触させ、流れ505をストリッピング塔へ戻すことによりリボイル作用を達成することができた。ストリッピング塔40の頂部へ上昇する暖かい蒸気は、ストリッピング塔40を流下する冷たい一層重質の液体と密に接触する。その暖かい蒸気は液体流から一層軽質の液体をストリップする。ストリッピング塔40は、ストリッピング塔頂流44及びストリッピング塔底流45を生ずるのが好ましい。他の熱源又はストリッピング蒸気源は本発明に包含される。
【0041】
ストリッピング塔頂流44は、好ましくは、約−62°Fの温度を有し、図1に示した先行技術プロセスにおける還流流44よりも遥かに貧である。ストリッピング塔頂流44は、次に約−128°Fへ冷却され、それによって還流熱交換器60中で、少なくとも塔頂流52との熱交換接触により実質的に凝縮され、塔第二還流流62を生ずる。
【0042】
精留塔50すなわち予備脱メタン化器は、好ましくは、リボイルされた吸収塔型のもので、塔底流54及び塔頂流52を生ずる。塔底流54は、導入供給ガス流1中のC2+成分すなわちNGLの過半部分を含有する。塔頂流52は、残余のエタン、メタン及びそれより軽質の成分を含有する。精留塔50は、好ましくは、塔底流54中のNGLと共に出てくるメタンの量を制御するように操作することができるリボイラー55を含む。このプロセスの効率を更に増大するため、一つ以上の副リボイラーを設け、導入ガス流12を冷却し、高圧供給ガス流13の凝縮を助けつつ、このプロセスの効率を増大することができる。供給物の富化度及び送る条件によっては、精留塔50に対する何らか外部からの加熱が望ましく、同様に冷却プロセスを助ける冷却が望ましいことがあるであろう。そのような冷却は、例えば、プロパン冷却装置によって供給することができるであろう。
【0043】
好ましい態様においては、複数の還流流501、503は、精留塔50の下方部分から取り出され、リボイラー55中で第二供給流12との熱交換接触により加熱され、精留塔50のそれらが取り出された場所の直下へ戻される。
【0044】
塔頂流52は、典型的には、約400psiaの圧力及び約−134°Fの温度を有するのであるが、還流熱交換器60で約−62°Fへ加温され、次に入口熱交換器10で95°Fへ加温され、加温された塔頂流59を生成する。加温された塔頂流59は、ブースターコンプレッサー75へ送られ、そこで膨張機70により発生した仕事を用いて約420psiaへその圧力を上昇させ、加圧された塔頂ガス流76を生ずる。加圧塔頂ガス流76は、次に空気冷却器79で約100°Fへ冷却され、再コンプレッサー80中で更に約800psiaへ圧縮するために送られ、暖かい残留ガス流82を生ずる。暖かい残留ガス流82は、次に空気冷却器84中で約100°Fへ冷却され、次に残留ガス流86として更なる処理に送られる。
【0045】
本明細書中に記載したように、図1に示した先行技術プロセスは、精留塔50の頂部での平衡条件のため、最大エタン回収に限界がある。この限界を克服するため、本発明は、精留塔50へ戻る還流流中のC2+成分の量を減少させ、塔頂流52中にC2+成分が一層少なくなることから、一層高い回収率を可能とする。
【0046】
本発明は、残留ガス流86の一部分を取り除いて残留リサイクル流87を生じさせることによりこの限界を克服している。残留リサイクル流87は約−128°Fへ冷却され、それにより実質的に凝縮され、然る後、精留塔50へ、好ましくは頂部供給場所へ戻す。残留リサイクル流89は、本質的にC2+成分を含まないので、残留リサイクル流89は、精留塔50への良好な頂部還流源になる。第一及び第二塔供給流89及び62の量及び温度は、塔頂流52の塔頂温度が維持され、C2成分、C3成分及びそれより重質の炭化水素の過半部分が塔底流54において回収されるように、夫々維持される。
【0047】
本発明の第一の態様に従う方法を用いてシミュレーションを行なった。表IIの先行技術プロセスに関する結果と比較する目的で、幾つかのプロセス流のモル組成を表IIIに与える。
【0048】
【表2】

【0049】
表IIとIIIとを比較することにより、本発明の方法が遥かに貧な還流流を生じ、それによって図1に示した先行技術プロセスよりも一層高いC2+成分の回収率を与える結果になっていることは明らかである。
【0050】
表IVは、図1及び2に示した工程図の経済的比較を表すものである。生成物及び天然ガスの現在の推定価格に基づき、本発明の態様による図2の工程図は、所望の成分を一層多量に回収している。
【0051】
【表3】

【0052】
図3は、本発明のもう一つの好ましい態様を描いている。図3はエタン回収プロセス101を示しており、ここでコンプレッサー80は、リサイクル還流流87の圧力を残留ガス流86の圧力よりも高く上昇させるための付加的高圧段階すなわち別の高圧段階を有する。もし残留リサイクル流が、精留塔50へ戻される前に冷却された場合、完全に又は実質的に凝縮するのに充分な圧力を持たないならば、この態様を用いて、リサイクル還流流87を少なくとも実質的に凝縮させることができる。
【0053】
本発明の方法の態様に加えて、本明細書に記載の方法を遂行するために用いられる装置が有利には設けられる。本明細書に記載した方法を遂行するのに用いられる装置は、図2及び3に示されている。
【0054】
本発明の一つの利点として、本発明は、高いエタン回収率及び高いプロパン回収率を達成すると同時に、操作コストに関して有意なコスト節減を実現することができる。精留塔へ戻される還流流内のメタンの高い凝縮は、高い回収率を達成するのを助けると同時に、圧縮要件を低減し、それが実質的なコスト節減を与える結果になる。
【0055】
本発明を、その形態の幾つかだけについて記載してきたが、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の範囲から離れる事なく、種々の変化を行えることは当業者には明らかであるはずである。
【0056】
例えば、膨張行程、好ましくは等エントルピー膨張による膨張行程を、ターボ膨張機、ジュール・トンプソン膨張バルブ、液体膨張機、ガス又は蒸気膨張機等を用いて行なうことができる。もう一つの例として、物質移動領域は、トレイ又は同様な平衡分離段階、フラッシュ容器等とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、キャンベルに対して交付された米国特許第4,278,457号明細書に記載されているような先行技術プロセスによる、典型的なエタン及びそれより重質の成分を回収する方法の簡単化された工程図である。
【図2】図2は、本発明の態様による、低温吸収塔及び予備脱メタン化ストリッピング塔を用いたエタン及びそれより重質の成分を回収する方法の簡単化された工程図である。
【図3】図3は、本発明の態様による、残留リサイクル流の圧力を上昇させるための高段階コンプレッサーと共に、低温吸収塔及び予備脱メタン化ストリッピング塔を用いたエタン及びそれより重質の成分を回収する方法の簡単化された工程図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタン及びそれより軽質の成分、C2成分、C3成分及びそれより重質の炭化水素を含有する導入ガス流を、実質的に全てのメタン及びそれより軽質の成分を含む揮発性のより高いガス留分、及びC2成分、C3成分及びそれより重質の炭化水素の過半部分を含む揮発性のより低い炭化水素留分へ分離する方法であって、
供給ガス流を第一供給流と第二供給流へ分割する工程、
前記第一供給流と前記第二供給流とを冷却して部分的に凝縮し、第一冷却供給流と第二冷却供給流とを生成させる工程、
一つ以上の物質移動段階を含む吸収塔に前記第一冷却供給流及び第二冷却供給流を供給する工程、
前記吸収塔中で前記第一及び第二冷却供給流を分離し、第一蒸気流と第一液体流とを生成させる工程、
前記第一蒸気流を低圧へ膨張させて、前記第一蒸気流が精留塔下方供給流を形成する工程、
精留塔に、精留塔下方供給流、精留塔第一還流流、及び精留塔第二還流流を供給する工程、
前記第一液体流の少なくとも一部分を、一つ以上の物質移動段階を含む少なくとも部分的にリボイルされたストリッピング塔へ頂部ストリッピング供給流として供給し、それにより前記少なくとも部分的にリボイルされたストリッピング塔で前記第一液体流の少なくとも一部分を分離してストリッピング塔頂流及びストリッピング塔底流を生成させる工程、
前記ストリッピング塔頂流を冷却し、それにより実質的に凝縮し、精留塔へ送られる精留塔第二還流流を生成させる工程、
前記精留塔へ前記ストリッピング塔底流の少なくとも一部分を供給する工程、
前記ストリッピング塔底流の少なくとも一部分を、前記精留塔下方供給流、前記精留塔第一還流流、及び前記精留塔第二還流流と共に前記精留塔中で分離し、塔底流及び塔頂流を生成させる工程、
前記塔頂流を加温して残留ガス流を生成させる工程、
前記残留ガス流を、前記塔頂流を加温する工程の後、残留リサイクル流と揮発性残留ガス流とに分割し、残留ガス流を生成させる工程、
前記残留リサイクル流を冷却し、それにより実質的に凝縮し、然る後、前記残留リサイクル流を前記精留塔へ精留塔第一還流流として戻す工程、及び
前記精留塔第一及び第二還流流、精留塔下方供給流、ストリッピング塔底流の量及び温度を制御し、C2成分、C3成分及びそれより重質の炭化水素の過半部分を塔底流中に回収する工程;
を含む方法。
【請求項2】
塔頂流を加温した後に塔頂流を圧縮する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
塔頂流を圧縮する工程が、高圧段階を有するコンプレッサーを用いて塔頂流を圧縮し、リサイクル還流流の圧力が残留ガス流の圧力よりも高く上昇できるようすることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
塔底流中へのC2回収率が約95%である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
塔底流中へのC3回収率が約99%である。請求項1に記載の方法。
【請求項6】
更に、吸収塔と少なくとも部分的にリボイルされたストリッピング塔を一つの装置中に一緒に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
メタン及びそれより軽質の成分、C2成分、C3成分及びそれより重質の炭化水素を含む導入ガス流を、メタン及びそれより軽質の成分の実質的に全てを含有する揮発性のより高いガス留分と、C2成分、C3成分及びそれより重質の炭化水素の過半部分を含む揮発性のより低い炭化水素留分へ分離するための装置であって、
供給ガス流を第一供給流と第二供給流へ分割するための手段;
前記第一供給流を冷却し、部分的に凝縮して第一冷却供給流を生成させるための少なくとも一つの第一熱交換器:
前記第二供給流を冷却し、部分的に凝縮して第二冷却供給流を生成させるための少なくとも一つの第二熱交換器;
前記第一及び第二の冷却供給流を分離して第一蒸気流及び第一液体流を生成させるための一つ以上の物質移動段階を含む吸収塔;
前記第一蒸気流を低圧へ膨張させて、前記第一蒸気流が精留塔下方供給流を形成するための膨張機;
少なくとも部分的にリボイルされたストリッピング塔であって、一つ以上の物質移動段階、及び前記第一液体流の少なくとも一部分を含む頂部ストリッピング塔供給流を有し、それにより前記第一液体流の少なくとも一部分を分離してストリッピング塔頂流及びストリッピング塔底流を生成させる塔;
前記ストリッピング塔底流、精留塔下方供給流、精留塔第一還流流、及び精留塔第二還流流の少なくとも一部分を分離して塔底流及び塔頂流を生成させ、それにより、精留塔第一及び第二還流流、精留塔下方供給流、及びストリッピング塔底流の量及び温度を制御し、C2成分、C3成分及びそれより重質の炭化水素の過半部分を塔底流として回収するための精留塔;
前記ストリッピング塔頂流を冷却して、それにより実質的に凝縮し、精留塔第二還流流を生成させ、前記塔頂流を加温して残留ガス流を生成させるための少なくとも一つの第三熱交換器;及び
前記残留ガス流を残留リサイクル流及び揮発性残留ガス流へ分割するための手段;
を含み、
それにより前記少なくとも一つの第三熱交換器で前記残留リサイクル流を冷却し、それにより実質的に凝縮させ、然る後、前記残留リサイクル流を精留塔第一還流流として前記精留塔へ戻し、それにより、前記塔頂流を加温して前記残留ガス流を生成させた後に、前記残留ガス流を残留リサイクル流と揮発性残留ガス流へ分離する、
装置。
【請求項8】
塔頂流を加温する工程の後に、前記塔頂流を圧縮するためのコンプレッサーを更に含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
コンプレッサーが高圧段階を有し、リサイクル還流流の圧力が残留ガス流の圧力よりも高く上昇できる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
塔底流中へのC2回収率が約95%である、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
塔底流中へのC3回収率が約99%である、請求項7に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−532675(P2007−532675A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508561(P2007−508561)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/012829
【国際公開番号】WO2005/102968
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(503314554)エービービー ラマス グローバル、インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】