説明

対物レンズ駆動装置および光ピックアップ装置

【課題】 駆動機構の構成が極めて簡素で、且つ、発熱の惧れがなく、さらに、低振動、低消費電力、低騒音を実現できる対物レンズ駆動装置および光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】 駆動源として高分子アクチュエータ108を用いる。高分子アクチュエータ108の一端は、ハウジング101のアクチュエータ支持基板109に固着され、他端は、対物レンズ106を保持するレンズホルダー107に固着されている。高分子アクチュエータ108は、フォーカス駆動エリアおよびトラッキング駆動エリアの導電性高分子層に電位が印加されることにより、フォーカス方向およびトラッキング方向に湾曲する。これに伴い、対物レンズ106がフォーカス方向およびトラッキング方向に駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対物レンズ駆動装置および光ピックアップ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CDプレーヤやDVDプレーヤ等に搭載されている光ピックアップ装置には、対物レンズをフォーカス方向およびトラッキング方向に駆動する対物レンズアクチュエータが搭載されている。かかる対物レンズアクチュエータとしては、コイルとマグネット間の電磁駆動力を利用するものが広く用いられている。
【特許文献1】特開2003−16660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、かかるアクチュエータによれば、対物レンズを弾性支持するサスペンションワイヤーの他にコイル、マグネット等の駆動機構部が必要となるため、構成が複雑になるとの問題がある。また、振動等が光ピックアップ装置の性能に悪影響を及ぼす惧れもある。
【0004】
そこで、本発明は、駆動手段の構成が極めて簡素で小型薄型化を図り易く、且つ、振動等による影響が生じ難く、さらに、低消費電力、低騒音を実現できる対物レンズ駆動装置およびピックアップ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に鑑み本発明は、以下の特徴を有する。
【0006】
請求項1の発明は、対物レンズ駆動装置において、前記対物レンズをフォーカス方向およびトラッキング方向に変位可能に支持する支持部材を備え、該支持部材は、サーボ電圧の印加によってドーパントイオンが導電性高分子材料に出入りすることにより形状が前記フォーカス方向およびトラッキング方向に変位する構造体を具備することを特徴とする。
【0007】
かかる請求項1に記載の対物レンズ駆動装置において、前記支持部材は、請求項2に記載のように、柱状形状を有し、且つ、長手方向に直交する断面領域が、前記ドーパントイオンの出入りによって前記フォーカス方向に変位する構造体の領域と、前記ドーパントイオンの出入りによって前記トラッキング方向に変位する構造体の領域に区分されるようにして構成することができる。
【0008】
このとき、前記構造体は、請求項3に記載のように、柱状形状を有する芯線の表面に、前記フォーカス方向に変位する領域と前記トラッキング方向に変位する領域に区分して形成することができる。
【0009】
より具体的には、請求項4に記載のように、前記構造体は、前記芯線の表面に形成された共通電極と、前記各領域に分割されて形成された分割電極と、前記共通電極と分割電極の間に形成された導電性高分子材料層および該導電性高分子材料層にドーパントイオンを出入りさせる固体電解質層を備えるようにして形成することができる。
【0010】
上記構成を有する対物レンズ駆動装置にあっては、請求項5に記載のように、前記対物レンズをフォーカス方向およびトラッキング方向に変位可能に支持する複数の支持部材から前記支持部材を構成し、且つ、それぞれの支持部材を、前記フォーカス方向に変位する構造体の領域と、前記トラッキング方向に変位する構造体の領域が、サーボ電圧の印加によって、それぞれ前記対物レンズのフォーカス駆動方向およびトラッキング駆動方向に変位するようにして配するよう構成することができる。
【0011】
請求項6の発明は、ビーム収束体をフォーカス方向およびトラッキング方向に駆動するアクチュエータを備えた光ピックアップ装置において、前記ビーム収束体をフォーカス方向およびトラッキング方向に変位可能に支持する支持部材を備え、該支持部材は、サーボ電圧の印加によってドーパントイオンが導電性高分子材料に出入りすることにより形状が前記フォーカス方向およびトラッキング方向に変位する構造体を有することを特徴とする。
【0012】
かかる光ピックアップ装置においては、上記請求項2ないし5について示したと同様の構成を採ることができる。これらについては、それぞれ、請求項7ないし10において示されている。
【0013】
なお、本発明における「支持部材」は、実施形態において「高分子アクチュエータ108」として示されている。また、本発明における「ビーム収束体」は、実施形態において「対物レンズ106」として示されている。かかる「ビーム収束体」は、これ以外にも、リレーレンズやフォログラムレンズ、あるいは、フォログラムレンズと発光部が一体化したもの等によっても実現され得る。以下の実施形態は、本発明の一つの実施形態を例示するものであって、本発明ないし各構成要件の用語の意義を何ら制限するものではない。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、サーボ電圧の印加によって支持部材自身の形状が変位する構成であるため、コイル、マグネット等のアクチュエータが不要となり、対物レンズ駆動装置および光ピックアップ装置の構成を単純・簡素なものとすることができる。
【0015】
また、上記発明における構造体は、発熱や機械的振動が殆ど生じないため、駆動手段からの熱や振動によって光ピックアップ装置の特性が悪化するといった問題が生じることもない。さらに、この構造体は、消費電力が小さく、また、駆動時に騒音が殆ど生じないため装置の低消費電力化、低騒音化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
【0017】
図1に、光ピックアップ装置の構成を示す。
図示の如く、光ピックアップ装置は、光学系を装着するためのハウジング101と、所定波長のレーザ光を出射する半導体レーザ102と、半導体レーザ102からのレーザ光を分割するビームスプリッタ103と、ビームスプリッタ103を通過した光を平行光に変換するコリメータレンズ104と、コリメータレンズ104を通過したレーザ光を上方向に立ち上げるミラー105と、ミラー105によって立ち上げられたレーザ光を収束させる対物レンズ106を備えている。
【0018】
また、対物レンズ106を保持するレンズホルダー107と、レンズホルダー107をフォーカス方向およびトラッキング方向に変位可能に片持ち支持する4つの高分子アクチュエータ108と、高分子アクチュエータ108の非支持側端部が固着されるアクチュエータ支持基板109を備えている。かかるアクチュエータの構成により、対物レンズ106は、フォーカス方向およびトラッキング方向に変位可能に支持される。なお、高分子アクチュエータ108の構造および動作については追って詳述する。
【0019】
さらに、光ピックアップ装置は、ビームスプリッタ103にて反射されたレーザ光を収束させる収束レンズ110と、収束レンズ110によって収束されたレーザ光を受光して再生RF信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号等を生成するための電気信号を出力する光検出器111を備えている。
【0020】
かかる光ピックアップ装置は、ハウジング101が一対のガイドシャフト201、202にて支持されることにより、ディスク径方向に移動可能に、光ディスク装置内のシャーシに装着される。
【0021】
図2に、アクチュエータの構成を示す。
【0022】
図示の如く、高分子アクチュエータ108は、細長い円柱状構造を有している。また、図中の断面図に示すように、高分子材料層を有する構造体が芯線の周りに形成されており、この構造体は、フォーカス方向に変位する領域(フォーカス駆動エリア)とトラッキング方向に変位する領域(トラッキング駆動エリア)に区分されている。フォーカス駆動エリアとトラッキング駆動エリアは、それぞれ同一寸法の円弧領域を占めている。それぞれの高分子アクチュエータ108は、一対のフォーカス駆動エリアの対向方向が対物レンズ106のフォーカス駆動方向に一致し、一対のトラッキング駆動エリアの対向方向が対物レンズ106のトラッキング駆動方向に一致するようにして配置されている。
【0023】
図3に、高分子アクチュエータ108の断面構造を示す。なお、同図(a)は、高分子アクチュエータ108を長手方向に直交する方向に切断したときの断面図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A’断面図である。
【0024】
同図(a)に示す如く、高分子アクチュエータ108は、芯線の周りに共通電極層(電極層B)と、導電性高分子層A、Bと、固体電解質層Aと、分割電極層A、Cが積層された構造となっている。さらに、外表面に絶縁層が形成されている。
【0025】
一般に、高分子は、モノマー分子を互いに重合させて、分子の長い鎖を形成することにより生成される。ここで、モノマー分子が、重合時に、隣り同士の分子間で電子の受け渡しを行える性質を有する場合には、生成後の高分子は導電性高分子となる。つまり、高分子自体が導電性を有することとなる。この導電性は、半導体の導電性に近いものとなる。
【0026】
なお、導電性高分子の形成に適する代表的なモノマー分子として、ピロールやチオフェンがある。これらが重合すると、ポリピロールやポリチオフェンとなる。
【0027】
上記重合時に、ドーパントと呼ばれる種々のイオンを取り込ませることにより、イオン種の極性に依存して、導電性高分子自体がp型やn型の特性を持つようになる。この状態で、導電性高分子を電解質溶液に浸し、例えば電解質溶液側を負、導電性高分子層側を正として電位を印加したとすると、取り込まれているドーパントイオンが正極性を持つ場合には、ドーパントイオンが電解質溶液の中に出て行く。また、これとは逆の電位を印加した場合には、ドーパントイオンが導電性高分子内に取り込まれる。なお、ドーパントイオンが負極性を持つ場合には、これとは逆の挙動を示す。
【0028】
ここで、導電性高分子に出入りするイオンの量は、印加される電位差によって決まる。つまり、所定の電位が印加されると、それと電気化学的に平衡状態になるように導電性高分子内の取り込みイオンの量(数or電荷量)が一義的に決まる。なお、イオンが取り込まれた(または、出て行った)状態で電位の印加を遮断した場合には、導電性高分子と電解質溶液の間で実質的にはイオンの出入りは起こらない。
【0029】
ところで、上記のようにして重合時にドーパントイオンを取り込ませると、これによって、導電性高分子の素材自体にドーパントイオンによって確保された(ドーパントイオンと逆の極性を持った)イオンのポケットが形成される。ここで、導電性高分子に取り込まれるドーパントイオンにはさまざまな大きさがある。この大きさを適宜選択することにより、導電性高分子への物理的なもぐり込み速度を制御することができる。
【0030】
導電性高分子材料への電位印加によってイオンが取り込まれると、導電性高分子材料自体の体積は増加する。逆に、イオンが出て行くと体積は減少する。なお、図3に示す「導電性高分子層A」と「導電性高分子層B」は、逆極性のドーパントイオンのポケットを持つ材料である。従って、これら2つの材料に同じ電位を印加した場合には、一方は体積増加し、他方は体積減少するようになる。このため、これら2つの材料層を、芯線を挟んで対向するように配置して高分子アクチュエータを構成すると、この高分子アクチュエータは、体積減少した方に湾曲するようになる。
【0031】
図3に示す高分子アクチュエータ108は、かかる導電性高分子の特性を利用して構成されたものである。なお、同図に示す高分子アクチュエータ108においては、上記説明中の電解質溶液に代えて固体電解質層Aが用いられている。
【0032】
かかる高分子アクチュエータ108において、フォーカス駆動エリアまたはトラッキング駆動エリアの導電性高分子層A、Bに、図4(a)(b)に示す如くして同じ電位を印加すると、一方の導電性高分子層は体積が増加し、他方は体積が減少する。これにより、高分子アクチュエータ108は、全体が円弧形状に変形(湾曲)する。
【0033】
ここで、導電性高分子層A、Bが上記フォーカス駆動エリアのものである場合、高分子アクチュエータ108はフォーカス方向に屈曲する。また、導電性高分子層A、Bが上記トラッキング駆動エリアのものである場合には、高分子アクチュエータ108はトラッキング方向に屈曲する。この場合、高分子アクチュエータ108は、一端がアクチュエータ支持基板109に固着されているため、レンズホルダー107側の自由端がフォーカス方向およびトラッキング方向に変位する。よって、対物レンズ106は、この変位に伴って、フォーカス方向およびトラッキング方向に変位する。
【0034】
したがって、高分子アクチュエータ108に対し、図4(a)(b)に示す如くしてサーボ信号を印加することにより、対物レンズ106をフォーカス方向およびトラッキング方向に駆動することができる。
【0035】
図5に、上記構造を有する高分子アクチュエータの製造工程を示す。
【0036】
まず、同図(a)の工程において、芯線表面に真空蒸着等によって電極層Bを形成する。次に、同図(b)の工程において、電極層Bの被覆表面の半分を芯線長手方向にマスクした後、被覆表面の他半分に導電性高分子層Bを形成する。この工程においては、図6を参照して、芯線を断面半円形の型にはめ込んだ後(工程b−1)、芯線の上から樹脂等を塗り固めてマスクを形成し(工程b−2)、片面にマスクが形成された芯線を型から外し(工程b−3)、さらに、電解重合によって表面に導電性高分子層Bを形成する(工程b−4)。このとき、マスクが絶縁体であればマスク部分には導電性高分子層Bが重合形成されない。その後、マスクとマスク表面に形成された導電性高分子層Bを除去する。
【0037】
図5に戻り、さらに、(c)の工程において、導電性高分子層Bを覆うようにして芯線長手方向にマスクした後、導電性高分子層Aを形成する。その後、マスクとマスク表面に形成された導電性高分子層Aを除去する。この工程においては、図7を参照して、導電性高分子層Bが形成されていない芯線部分を断面半円形の型にはめ込んだ後(工程c−1)、芯線の上から樹脂等を塗り固めてマスクを形成し(工程c−2)、片面にマスクが形成された芯線を型から外し(工程c−3)、さらに、電解重合によって表面に導電性高分子層Aを形成する(工程c−4)。このとき、上記図6の場合と同様、マスクが絶縁体であればマスク部分には導電性高分子層Aが重合形成されない。その後、マスクとマスク表面に形成された導電性高分子層Aを除去する。
【0038】
図5に戻り、次に、同図(d)の工程において、導電性高分子層A、Bの表面に固体電解質層Aを一様に形成する。さらに、同図(e)の工程において、固体電解質層A表面に、4分割で電極層A、Cを形成する。電極層A、Cの形成は、固体電解質層A表面に一様に電極層を形成した後、これを4分割するようにして芯線長手方向に切れ目を刻む(レーザカッティング、等)ことにより行うことができる。あるいは、分割線部分をマスクしながらスパッタ等によって蒸着形成するようにしても良い。しかる後、最外周面に樹脂等により絶縁層を形成する。
【0039】
上記実施形態によれば、対物レンズ駆動機構を極めてシンプルな構成とすることができ、当該駆動機構の小型・薄型化を図ることができる。また、フォーカス方向およびトラッキング方向の駆動時に導電性高分子アクチュエータから熱や振動が発生することがないため、熱や振動によって光ピックアップ装置の特性が悪化するといった問題が生じることもない。さらに、導電性高分子アクチュエータは消費電力が小さく騒音も殆どないため、光ピックアップ装置の低消費電力化、低騒音化を図ることもできる。
【0040】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、他に種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0041】
たとえば、上記実施形態では、固体電解質層を配することによりドーパントイオンを導電性高分子層に脱注入するようにしたが、導電性高分子層を電解質溶液に浸すような構成をとることによりドーパントイオンを導電性高分子層に脱注入するようにすることもできる。
【0042】
また、導電性高分子層と固体電解質層の積層状態および積層数は上記実施形態のものに限定されるものではなく、高分子アクチュエータをフォーカス方向およびトラッキング方向に変位させ得るものであれば、他の積層状態および積層数を採るようにしても良い。
【0043】
さらに、上記実施形態では、共通電極(電極層B)を芯線表面に形成するようにしたが、芯線を導電性材料にて形成し、これを共通電極として用いるようにしても良い。また、高分子アクチュエータの断面を円形としたが、これ以外の断面形状とすることもできる。
【0044】
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施形態に係る光ピックアップ装置の構成を示す図
【図2】実施形態に係るアクチュエータの構成を示す図
【図3】実施形態に係る高分子アクチュエータの構造を示す図
【図4】実施形態に係る高分子アクチュエータの駆動状態を示す図
【図5】実施形態に係る高分子アクチュエータの製造プロセスを示す図
【図6】実施形態に係る高分子アクチュエータの製造プロセスを示す図
【図7】実施形態に係る高分子アクチュエータの製造プロセスを示す図
【符号の説明】
【0046】
106 対物レンズ
108 フォーカス用高分子アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記対物レンズをフォーカス方向およびトラッキング方向に変位可能に支持する支持部材を備え、該支持部材は、サーボ電圧の印加によってドーパントイオンが導電性高分子材料に出入りすることにより形状が前記フォーカス方向およびトラッキング方向に変位する構造体を具備する、
ことを特徴とする対物レンズ駆動装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記支持部材は、柱状形状を有しており、且つ、長手方向に直交する断面領域が、前記ドーパントイオンの出入りによって前記フォーカス方向に変位する構造体の領域と、前記ドーパントイオンの出入りによって前記トラッキング方向に変位する構造体の領域に区分されている、
ことを特徴とする対物レンズ駆動装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記構造体は、柱状形状を有する芯線の表面に、前記フォーカス方向に変位する領域と前記トラッキング方向に変位する領域に区分されて形成されている、
ことを特徴とする対物レンズ駆動装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記構造体は、前記芯線の表面に形成された共通電極と、前記各領域に分割されて形成された分割電極と、前記共通電極と分割電極の間に形成された導電性高分子材料層および該導電性高分子材料層にドーパントイオンを出入りさせる固体電解質層を具備する、
ことを特徴とする対物レンズ駆動装置。
【請求項5】
請求項2ないし4の何れかにおいて、
前記支持部材は、前記対物レンズをフォーカス方向およびトラッキング方向に変位可能に支持する複数の支持部材からなっており、それぞれの支持部材は、前記フォーカス方向に変位する構造体の領域と、前記トラッキング方向に変位する構造体の領域が、サーボ電圧の印加によって、それぞれ前記対物レンズのフォーカス駆動方向およびトラッキング駆動方向に変位するようにして配されている、
ことを特徴とする対物レンズ駆動装置。
【請求項6】
ビーム収束体をフォーカス方向およびトラッキング方向に駆動するアクチュエータを備えた光ピックアップ装置において、
前記ビーム収束体をフォーカス方向およびトラッキング方向に変位可能に支持する支持部材を備え、該支持部材は、サーボ電圧の印加によってドーパントイオンが導電性高分子材料に出入りすることにより形状が前記フォーカス方向およびトラッキング方向に変位する構造体を具備する、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記支持部材は、柱状形状を有しており、且つ、長手方向に直交する断面領域が、前記ドーパントイオンの出入りによって前記フォーカス方向に変位する構造体の領域と、前記ドーパントイオンの出入りによって前記トラッキング方向に変位する構造体の領域に区分されている、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記構造体は、柱状形状を有する芯線の表面に、前記フォーカス方向に変位する領域と前記トラッキング方向に変位する領域に区分されて形成されている、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記構造体は、前記芯線の表面に形成された共通電極と、前記各領域に分割されて形成された分割電極と、前記共通電極と分割電極の間に形成された導電性高分子材料層および該導電性高分子材料層にドーパントイオンを出入りさせる固体電解質層を備える、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項10】
請求項7ないし9の何れかにおいて、
前記支持部材は、前記ビーム収束体をフォーカス方向およびトラッキング方向に変位可能に支持する複数の支持部材からなっており、それぞれの支持部材は、前記フォーカス方向に変位する構造体の領域と、前記トラッキング方向に変位する構造体の領域が、サーボ電圧の印加によって、それぞれ前記ビーム収束体のフォーカス駆動方向およびトラッキング駆動方向に変位するようにして配されている、
ことを特徴とする光ピックアップ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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