説明

寿命が延長された光起電力変換器

本発明は、光線(R)により供給される光子を収集するための領域(2)と、前記光子を電気エネルギーに変換するための領域(4)とを備え、収集領域(2)および変換領域(4)は、別個であり、光ルミネセンス粒子が加えられた流体は、収集領域(2)と変換領域(4)との間を流れ、前記粒子は、光子を収集し、光子を変換領域(4)に運搬し、そこで光子が再放出される、光起電力変換デバイスに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寿命が延長された光起電力変換デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
様々なタイプの光起電力セルが、光起電力変換デバイス内で使用され得る。
【0003】
一部のセルは、単結晶シリコン、多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンで作製され、セルは、固体とすることも、薄い層で形成することもできる。
【0004】
他のセルは、CIS(銅インジウムセレン)またはCdTe(テルル化カドミウム)タイプをガラスまたは金属上に堆積することによって薄膜で作製される。
【0005】
さらに他のセルは、ガラスまたはフレキシブルフィルム上に堆積された有機タイプのものである。
【0006】
欠点は、そのようなセルの製造および使用に関係している。
【0007】
シリコンベースのセルの場合、そのコストは、シリコンのコスト、およびそれらを作製するための方法のコストの両方により、相対的に高い。集光器(concentrator)を使用することにより、1つのセルを作製するために必要とされるシリコンの量を低減することは可能であるが、そのコストは、やはり高い。その上、シリコンベースの光起電力モジュールを構成する際に、一般には、高分子材料が実装されるが、それらは、紫外放射および湿気の影響を受けやすく、したがって、そのようなデバイスの寿命は低下する。
【0008】
寿命の問題は、紫外放射および湿気により、有機セルの場合にも見られる。
【0009】
さらには、セル、より一般には光起電力デバイスが受ける電磁放射は、赤外線でも放出される。それにもかかわらず、セルは、一般には、赤外線で放出される光子を変換することができない。したがって、この放射は、デバイスの加熱をもたらすのみである。この加熱は、変換収率を低減させるとともに、セルに損傷を与え、その寿命を低下させる場合がある。
【0010】
さらには、現在の光起電力変換デバイスは、そのセルが放射を受けるときに電力を生産するのみである。これは、日差しの少ない期間には、典型的には夜間には、電力の生成がないことを意味する。隔離され、光起電力デバイスにより電力供給される場所に配設されるシステムの場合、これは特に問題である。したがって、鉛二次電池などの、日差しのある期間の間に生成される電力の一部を貯蔵するための手段が、提供されなければならない。それにもかかわらず、この種の二次電池は、高い購入コストおよびメンテナンスコストを有する。さらには、そのような二次電池は、毒性の問題をもたらす。
【0011】
例えば米国特許第4135537号からの、赤外放射により引き起こされる加熱を安定させることがさらに可能である光起電力変換デバイスが存在する。そのようなデバイスは、光線に対して透明な面、および、発光放射を電力に変換するための光起電力パネルを備えるケースを備える。ケースは、熱交換器を備える回路に結合され、ルミネセンス粒子が加えられた流体が、ケース内を、および、ケースを通過する際に流体により収集される熱を収集するための熱交換器内を流れる。
【0012】
このデバイスは、流体を循環させることにより、セルを冷却することが意図されている。しかしながら、セルは、それでもなお、赤外放射により加熱される。
【0013】
その上、日差しの少ない期間での電力生成の問題が、依然として存在する。さらには、米国特許第4135537号のセルは、紫外放射を直接受ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第4135537号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明の目的の1つは、寿命が延長された光起電力デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の目的は、発光放射が収集される第1の領域と、発光放射を電力に変換するための光起電力セルを備える第2の領域とを備え、収集領域から変換領域への移送が、光ルミネセンス粒子により実行される光起電力変換デバイスにより実現される。
【0017】
有利には、リン光性の光ルミネセンス粒子を使用して、光子の再放出が、ある程度の遅延を伴って行われ、その結果、電力への変換が延期される。したがって、日差しのある期間とは無関係に電力を生成することが、意図され得る。
【0018】
その結果、光起電力セルは、もはや、発光放射を直接受けない。したがって、セルは、もはや、赤外放射により直接加熱されない。その上、光ルミネセンス粒子により再放出される光子は、可視スペクトル内であるので、太陽電池は、もはや、紫外放射を受けない。そのため、セルの寿命は増大する。
【0019】
さらには、光ルミネセンス粒子を含む流体により運搬される熱を取り出すための手段が提供され得る。
【0020】
本発明の要旨は、発光放射により供給される光子を収集するための領域と、前記光子を電気エネルギーに変換するための領域とを備え、収集領域および変換領域は、異なる筐体により形成され、光ルミネセンス粒子が加えられた流体は、収集領域と変換領域との間を流れるためのものであり、前記粒子は、光子を収集し、光子を変換領域に運搬し、そこで光子が再放出される、光起電力変換デバイスである。
【0021】
特に有利には、光ルミネセンス粒子は、リン光粒子である。これらは、例えば、硫化物もしくはセレン化物もしくは酸化物タイプのリン光体、ならびに、より詳細には、亜鉛硫化物もしくはドープされたアルカリのアルミン酸鉄(II)(ferrous aluminate)である。
【0022】
流体については、それは、アルカンまたはペルフルオロアルカンであってよい。
【0023】
光ルミネセンス粒子の質量濃度は、例えば、0.1%から30%の間で選択される。
【0024】
流体は、有利には、「量子カッティング」現象が発生することを可能にし、かつ/または、紫外光から可視光への、再放出される光子の波長変換を促進するナノ粒子をさらに含む場合がある。
【0025】
より詳細には、収集領域の筐体は、発光放射に対して透明な少なくとも1つの面を備える場合があり、光起電力変換領域の筐体は、光起電力セルで覆われるその内部構造の少なくとも内面の部分を有する場合があり、各筐体は、流体に対する供給ポートおよび排出ポートを備え、一方の筐体の排出ポートは、他方の筐体の供給ポートに接続される。
【0026】
有利には、本発明による光起電力変換デバイスは、光起電力変換収率が、変換器に入る前に流体を冷却することにより増大されること、および、熱エネルギーが取り出されることの両方を可能にする、熱交換器を備えることができる。
【0027】
ある実施形態では、変換領域は、流体の流れチャネルがエッチングされている、少なくとも1つのシリコンプレートを備え、プレートの、およびチャネルの表面の材料は、p-n接合を形成する。ある例示的な実施形態では、チャネルは、例えば、プレートの平面内に含まれる。別の例示的な実施形態では、チャネルは、貫通チャネルであり、有孔メンブレン(perforated membrane)を形成するように、プレートの平面に直交する。このように、内部構造は、例えば、プレートの集合体(assembly)を意味する。
【0028】
本発明による光起電力変換デバイスは、少なくとも2つのプレートの積層体を備えることができる。積層体のプレートは、並列に、流体で電力供給され得る。
【0029】
次いで、積層体のプレートの各対の間に挟まれる熱交換器を配設することが提供され得る。
【0030】
別の実施形態では、変換領域は、有機ポリマー、または、金属もしくはガラス上に堆積される、CIS、CIGSもしくはCdTeの薄膜で作製される光起電力セルを備える。
【0031】
例示的な実施形態では、デバイスは、薄膜により境界を画されるチャネルを備える。
【0032】
別の例示的な実施形態では、薄膜は、それ自体に巻き付けられて、らせん形のチャネルの境界を画す。
【0033】
デバイスは、有利には、チャネルを設けるために、膜の2つの巻きを相互に離して維持するように、膜の異なる巻きの間にスペーサを備え、スペーサは、巻きの間に固定されるか、そのダイプレスまたはエンボス加工により膜に形成されるかのいずれかである。
【0034】
ある代替の実施形態では、本発明による光起電力変換デバイスは、薄膜をそれ自体に折り返すことにより、および、この折り返された膜を巻くことにより形成される、相互に巻き付けられる2つのチャネルを備え、チャネルの一方は、光ルミネセンス粒子が加えられた流体を流すためのものであり、他方のチャネルは、熱移送流体を流すためのものである。
【0035】
例えば、流体の流れは、サーモサイフォン効果により、または、光起電力セルにより生成される電力により、まさに電力供給される電気ポンプにより実現される。
【0036】
収集領域と変換領域との間に、変換領域の上流に、熱交換器を配設することが提供され得る。
【0037】
本発明の要旨は、さらに、変換領域を作製する以下のステップ、すなわち、
- pまたはnドープのシリコンの基板にチャネルをエッチングするステップと、
- チャネルの内面のnまたはp型のドーピングを行い、それにより、nまたはp型の放出領域と、pまたはn型の収集領域とを形成するステップと、
- 電極を放出領域および収集領域上に堆積させるステップと、
- このように形成された前記構造をアニールするステップと
を含む、本発明による光起電力変換デバイスを製造するための方法である。
【0038】
この方法は、電極を堆積させるステップの前に、反射防止材料(antireflecting material)を堆積させるステップをさらに含むことができる。
【0039】
それは、ボンディングまたはハンダ付けにより、いくつかの積層されたプレートを集成する(assembling)ステップをさらに含むことができる。
【0040】
本発明の要旨は、さらに、
- 例えば、「ロールツーロール」タイプの連続的な方法により、CIS、CIGSまたはCdTeの有機ポリマーの膜を作製するステップと、
- 巻きの異なる層の間に隙間を残しながら、膜をそれ自体に巻き付けるステップと
を含む、本発明による光起電力変換デバイスを製造するための方法である。
【0041】
有利には、この方法は、異なる巻きの間の隙間を保証することを可能にするレリーフ(relief)を形成するために、膜を巻き付けるステップの前に、膜上に、スペーサの膜を構成する、または、スペーサの要素を配置するステップを含む。
【0042】
ある代替の実施形態では、本発明による光起電力変換デバイスを製造するための方法は、相互に巻き付けられる2つのチャネルを設けるために、膜を、それを巻き付けるステップの前に、それ自体に折り返すステップを含む。
【0043】
本発明は、以下の説明および添付図面に基づいて、よりよく理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明による光起電力変換システムの概略表現である。
【図2】図1のシステムで実施され得る、シリコンベースの光起電力変換器のある例示的な実施形態の詳細図であり、変換器は、チャネルを備える。
【図3】いくつかの層で形成される、図2の変換器の側面図である。
【図4】図1のシステムで実施され得る、シリコンベースの光起電力変換器の別の例示的な実施形態の詳細図であり、変換器は、メンブレンの形態を有する。
【図5】図4のある代替の変換器の詳細図である。
【図6A】図4の変換器の上面図である。
【図6B】図4による、複数の積層されたメンブレンを備える変換器の側面図である。
【図7】図1のシステムで実施され得る、薄膜ベースの光起電力変換器の別の例の上面図である。
【図8A】図7の代替の変換器の図である。
【図8B】図7の代替の変換器の図である。
【図9】図1のシステムで実施され得る、薄膜ベースの変換器の別の例示的な実施形態の斜視図である。
【図10】図9のある代替の変換器の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1では、発光放射パネル2、パネル2とは別個の光起電力変換器4、および、パネル2と変換器4との間に流体を流すための密閉回路6を備える、本発明による光起電力変換システムの概略表現が明らかになる。
【0046】
説明を通じて、流体の流れは、矢印Fにより記号で表される。
【0047】
発光放射パネル2は、流体を含むための空間の境界を画す筐体8、流体が内部空間を通って流れることを可能にするための、流体供給入口ポート10および流体排出ポート12を備える。筐体8の少なくとも1つの壁14は、発光放射Rに対して透明であり、筐体内を循環する流体が、発光放射にさらされることを可能にする。表される例では、発光放射は、太陽から来るが、他の供給源も考えられる。
【0048】
光起電力変換器はさらに、発光放射パネル2から来る流体が流れる空間の境界を画す筐体16を備える。この筐体16は、発光放射パネル2の筐体8と同様の方法で、流体供給ポート18および流体排出ポート20を備える。
【0049】
筐体16は、内部構造と呼ばれることになる、その壁の内面上に、以下の説明で理解されるように、空間のすべての方向に再放出される光子を収集するための、光起電力セル(図示せず)を備える。筐体16は、透明な外壁を備える必要がなく、その結果、その壁のすべては光起電力セルで覆われることが可能であり、それにより、以下で理解されるように、再放出される光子の収集率が向上することが可能になる。
【0050】
発光放射パネル2の筐体の排出ポート12は、光起電力変換器4の筐体の供給ポート18に接続され、光起電力変換器の筐体の排出ポート20は、発光放射パネル2の供給ポート10に接続される。
【0051】
両方の筐体は、近接して、または相互に離れて配設されてよく、そこには、ケースのパイプを備える。
【0052】
流体は、浮遊する光ルミネセンス粒子が加えられている。流体は、気体または液体である場合がある。キャリア流体は、電極を短絡させることを回避するために、導電体ではないように選択される。それは、例えば、安定したアルカンまたはペルフルオロアルカンであってよい。
【0053】
光ルミネセンス材料は、広範囲の電磁放射スペクトルで光子を吸収する特性を有し、それらは、可視スペクトルで、および紫外スペクトルでの両方で吸収し、吸収された光子を可視スペクトルで再放出する。さらには、これらの材料は、すべての方向で再放出する。上述のように、筐体16は、その内部構造のすべての内面上に光起電力セルを備えることができるので、3つの方向に再放出される光子は、効果的に収集され得る。
【0054】
流体は、このシステムでは、太陽電池パネル2と光起電力変換器4との間を、例えば、ポンプにより、またはサーモサイフォン効果により流れる。
【0055】
示される例では、システムはさらに、発光放射パネル2と光起電力変換器との間で、流体の流れ方向での変換器の上流である、回路6内に取り付けられる熱交換器22を備える。この交換器22は、流体により運搬される熱を引き取るためのものである。この有利な例では、熱を取り出すことがさらに実行される。したがって、本発明によるシステムのエネルギー効率は、さらに向上する。この配設はさらに、流体が、変換器に入る前に冷却されることを可能にし、したがって、その収率および寿命に関する熱の影響は、限定される。
【0056】
この熱交換器は、温水タンク中を流れ、住宅用の湯を生成することを可能にする、コイルタイプであってよい。この交換器22を、光起電力変換器と発光放射パネル2との間に配設することもまた提供され得る。
【0057】
次に、本発明による光起電力変換システムの動作が説明されることになる。
【0058】
このシステムは、光ルミネセンス粒子が加えられた流体で満たされ、すなわち、発光放射パネル2の筐体8、光起電力変換器の筐体16、および、パネル2と変換器4とを接続する導管である。パネル2内に位置する量の流体が、発光放射にさらされる。その波長が、可視および紫外のスペクトルにある光子は、光ルミネセンス粒子により、時間tに吸収される。その量の流体は、さらに、赤外放射により加熱される。
【0059】
その量の流体は、回路内を流れ、光起電力変換器4に入る。光ルミネセンス粒子は、時間t+xに、可視スペクトル内の光子を再放出し、そのような光子は、筐体16の内部構造に位置する光起電力セルにより収集される。上述のように、再放出される光子は、すべての空間の方向に再放出され、筐体16の内部構造のすべての内面上にセルが存在することが、光子の収集が最適化されることを可能にする。次いで、そのような光子は、電力に変換される。流体はさらに、光子を収集することと、それらを再放出することとの間で経過する時間とは関係なく、永続的に循環されることが可能である。
【0060】
流体がデバイスを通って継続的に移動する際には、リン光粒子により光子を収集することが、それらの再放出と同様に、継続的に行われることに留意することには価値がある。継続的な電流の生成は、このようにして実現される。
【0061】
本発明のために、変換器4は、発光放射に直接さらされず、他方では、再放出される光子は、可視スペクトル内でそうなる。したがって、変換器、およびより詳細には、光起電力モジュールは、このように、紫外放射にさらされない。したがって、変換器を作製するために使用されるポリマーの寿命は、変換器の既知のタイプに対して増大する。有機ポリマーの光起電力セルの場合では、それらは、やはり、紫外放射の影響を非常に受けやすいので、その寿命は、やはり増大する。
【0062】
その上、光起電力変換器4は、発光放射に直接さらされないので、それは、赤外放射にさらされない。したがって、セルの加熱は、限定され、発光放射にさらすことに関する、流体自体の熱のみによる。したがって、セルの収率は、減じられない。さらには、熱交換器を変換器4の上流に設けることにより、流体の温度は、変換器4に入る前に、さらに低下される。
【0063】
特に有利には、光ルミネセンス粒子としてリン光粒子を使用することが提供される。
【0064】
リン光性は、再放出現象が一時的に延期される、光ルミネセンスの特定のタイプである。吸収される光子は、中間エネルギー状態、典型的には(禁止された)三重項状態を通過し、これらの禁止状態から低エネルギー準位への、トラップされた光子の不可避の戻りが、動力学的に妨げられ、それが、発光放出を減速させる結果となり、したがって、大多数のリン光材料に関する、吸収されるエネルギーの再放出は、1ミリ秒の程度である。その寿命が数時間である三重項状態を有することは可能であり、それは、光子の、その吸収の数時間後の再放出を示唆する。
【0065】
この「延期される」再放出は、発光放射がないときに、電力生成を提供する利点を有する。確かに、日差しのある期間の間、典型的には日中に、リン光粒子により「捕獲された」光子は、特に、数時間「延期される」再放出の場合には、夜間に変換器内に再放出され、次いで、それが、電力を生成する。
【0066】
変換器は、リン光材料の強力な残光を使用して、永続的に動作されることが可能であり、それがさらされた後12時間まで、光子は再放出される。したがって、これは、実質的に一定の電力供給が、一日中いつでも必要とされる場合では、蓄電バッテリの容量を低減すること、または、それらを除去することさえも可能にする。
【0067】
流体を回路内に永続的に循環させることが、提供され得る。電気ポンプが使用されるとき、このポンプを駆動するために必要とされる電力は、まさに、本発明による変換システムにより生成されるものであってよい。
【0068】
さらに、有利には、セル収率を上昇させるために、「量子カッティング」現象が発生することを可能にするナノ粒子を流体に付加することが、提供され得る。「量子カッティング」は、紫外線で放出される1つの光子から、可視光に、または赤外線に近いスペクトルに出る2つの光子を与えることを可能にする機構である。1つのセルの理論上の収率は、例えば、30%から40%までで変化し得る。
【0069】
リン光粒子は、この再放出を時間的に延期することにより、高エネルギー光子(UV)を低エネルギー光子(可視)に変換する。
【0070】
リン光粒子の場合では、そのような三重項状態の寿命は、数時間上回る場合がある。これらの現象は「低速」であるので、発光クエンチングは、ほんのわずかしかなく、その結果、励起場は、より「効果的」である。
【0071】
例として、硫化カドミウム、またはアルカリ土類のスルホセレン化物もしくは硫化物、スルホセレン化物、酸硫化物などの、硫化物あるいはセレン化物が、リン光材料として選択され得る。
【0072】
さらには、アルミン酸塩、ガリウム酸塩、ケイ酸塩およびゲルマニウム酸塩、ハロリン酸塩およびリン酸塩、ヒ酸塩、バナジウム酸塩、ニオブ酸塩、タンタル酸塩、硫酸塩、タングステン酸塩、モリブデン酸塩などの酸化物タイプのリン光体の一群から、ならびに、金属ハロゲン化物タイプのリン光体から、粒子が選択され得る。
【0073】
そのような材料は、赤外線および紫外線の両方で吸収し、可視光で、赤色または緑色で再放出する利点を有する。
【0074】
特に有利には、亜鉛硫化物、または、希土でドープされたアルカリ土類(Sr)アルミン酸塩が、選択され得る。後者は、蛍光光子の放出領域が制御されることを可能にし、それは、変換器が最も効果的である放出帯域に応じて、光子の放出を適合させることを可能にする。
【0075】
有利には、より高い量子収率を有し、熱の影響をほとんど受けない、無機物のリン光材料が、さらに使用される場合がある。
【0076】
粒子のサイズは、有利には、0.1μmから1μmの間であり、濃度は、例えば、0.1%から30%の間の質量である。
【0077】
次に、本発明による光起電力変換システムで使用され得る光起電力変換器の様々な例示的な実施形態が、説明されることになる。
【0078】
図2および3は、3次元で放出される光子の最適化された収集を可能にする、光起電力変換器104の例示的な実施形態を示す。
【0079】
この変換器は、プレート形状のシリコン基板108にエッチングされているチャネル106を備え、チャネルは、プレートの平面内に含まれている。流体は、その第1の長手方向の端部が、変換器の筐体の供給ポートに接続され、その第2の端部が、変換器の筐体の排出ポートに接続されるチャネル内を流れるように意図される。このように、流体は、プレートの平面内を流れるように意図される。
【0080】
示される例では、チャネル106がエッチングされている基板108は、nドープであり、次いで、pドープのシリコン110の堆積が、基板108上に実行され、pドープのシリコンは、チャネルの内部を覆う。このように、p-n接合が、設けられ、それは、チャネル内を流れる流体により運搬される粒子によって再放出される光子により衝撃を与えられるときに、当業者に周知の方法で、電力を生成することになる。
【0081】
第1の電極112は、nドープの基板に接触して、プレートの後面上に堆積され、第2の電極114は、pドープのシリコン層に接触して、プレートの前面上に堆積され、この面は、特に、チャネルの上部から形成される。
【0082】
図3は、図2で示されるプレートと同様の、基礎の変換器104の積層体により形成される光起電力変換器116を示す。この変換器は、流体により再放出される光子の非常に大きな収集領域を提供する利点を有する。
【0083】
示される例では、プレートは、電気的に直列に接続される。有利には、これらの接続は、1つのプレートの正の電極を、次のプレートの負の電極と直接接触させることにより、簡単に実現される。次いで、ユーザデバイスまたは蓄電デバイスとの接続が、デバイスの端部の電極により簡単に行われる。したがって、接続の数は、劇的に低減される。変換器のプレートの並列接続も、当然実施され得る。
【0084】
この例示的な実施形態では、異なる変換器のプレートは、放射パネルから来る流体が同時に供給される場合があり、または、流体は、光子の最大量を収集するための、プレートに統合される流体ディスペンサによって、プレートからプレートに連続して循環させられる場合がある。
【0085】
流体を供給および排出することは、例えば、プレートの平面に直交する、2つの垂直なスパー(spur)により実施される。
【0086】
示される例では、異なるプレートのチャネルは、相互に直交する。とは言っても、あるプレートからのチャネルが、より高い、および、より低いプレートからのチャネルと直交し、プレートの供給が交差されるように、チャネルは相互に交差することができる。
【0087】
さらには、熱交換器は、変換器内に直接統合される場合があり、後者は、プレートの各対の間に設けられ、熱が除去され、再放出される光子は、光起電力セルにより変換される。
【0088】
次に、図2および3に示されるタイプの変換器を製造するための方法が、説明されることになる。
【0089】
この方法は、以下のステップ、すなわち、
- 機械的な切断加工、例えば、KOH、TMAH、RIEのエッチング、レーザエッチング、電気化学エッチング、または当業者に周知の他の任意のエッチング方法などの、ドライまたはウェットのエッチングなどの周知の技法を使用して、p(またはn)ドープのシリコン基板108にチャネル106をエッチングするステップと、
- 次いで、チャネル106のn(またはp)のドーピングを実行するステップであって、それにより、基板108の上部上にp-n接合が形成されるステップ(ある代替の実施形態では、エミッタは、ドープされたアモルファスシリコンを堆積させることにより作製され得る)と、
- 次いで、薄膜のセルの場合では、窒化ケイ素、または、TCO(透明導電性酸化物)などの反射防止材料の層を堆積させることを実行するステップと、
- 次いで、金属電極112、114を堆積させるステップ(n型エミッタ上の電極112は、例えば銀でできており、p型コレクタ上の電極114は、例えばアルミニウムでできている)と、
- (電極をチャネルの上部上に堆積させないこと、および、チャネルがない領域への堆積を制限することが考えられ得る。この場合では、電流を効果的に収集するために、図6Aでの電極214と同様にして、チャネルがない領域が、周期的に作製される。)
- 次いで、このように作製される構造の、850℃でのアニーリングを実行するステップと
を含む。
【0090】
図3のものと同様の構造が作製される場合では、異なるプレートが、例えばボンディングまたはハンダ付け等により、積層され、集成される。上記で説明されたように、プレートは、連続するプレートの電極の直接の接触により、電気的に相互に接続され、したがって、この集合体は、セルが簡単な方法で相互に電気的に接続されることを可能にする。
【0091】
例として、その厚さが、250μmから1000μmの間であり、有利には、600μmに等しい場合がある基板が、使用され得る。チャネルは、500μmの深さ、および、50μmから500μmの間の、有利には50μmの幅を有する。
【0092】
チャネル間の仕切り壁の幅は、10μmから500μmの間であり、有利には、20μmに等しい。
【0093】
n(またはp)ドープのシリコン層の厚さは、典型的には500nmである。
【0094】
電極112、114は、10μmの厚さを有する。
【0095】
チャネルの上部を覆わない電極114の場合では、および、チャネルがない領域が、周期的に作製される場合では、後者は、典型的には5mmごとに作製される場合がある。
【0096】
図4から6Bは、本発明による光起電力変換器204の別の例示的な実施形態を示す。
【0097】
この変換器もまた、シリコン基板208に作製されるチャネル206を備えるが、図2の変換器のチャネルとは異なり、これらは、流体の流れが、矢印216により記号で表される、基板の平面と直交する向きに発生するように作製される。
【0098】
このように、チャネル206は、軸が基板208の平面と実質的に直交する貫通チャネルを形成するように、基板にエッチングされる。軸が基板の平面に対して傾いているチャネルが、本発明の範囲から逸脱しないことは、十分に理解されたい。
【0099】
示される例では、チャネル206がエッチングされている基板208は、nドープであり、次いで、pドープのシリコン210の堆積が、基板208上に実行され、pドープのシリコンは、チャネルの内部を覆う。
【0100】
次いで、電極212および214の、基板の前面および後面上への堆積が実行される。
【0101】
電極は、プレートの縁部上にのみ(図4)、または、後面および前面の全体の表面上に堆積される場合があり、それは、電子を収集することをより容易にする。
【0102】
次いで、変換器は、流体が通って流れることが意図される、多数のチャネルで穴があけられたメンブレンを形成する。
【0103】
図6Aは、電極214を伴う図4の変換器の上面図を、メンブレンの表面をハッチングして示す。電子収集手段による電極の接続部は、参照218により示される。
【0104】
図6Bは、図4または5のものと同様の、メンブレンの積層体により形成される変換器を示す。図3の積層体と同様にして、メンブレンは、電気的に直列に接続され、収集手段に対しては、2つの接続部のみが必要とされる。
【0105】
この光起電力変換器では、流れは、変換器の1つの端部から別の端部へ実行される。光ルミネセンス流体は、異なるメンブレンを連続して通過し、再放出される光子が収集される。
【0106】
図4および5の変換器を製造するための方法は、図2および3のそれに非常に類似している。それは、それらとは、貫通チャネルであって、基板の平面内に含まれるチャネルではないものをエッチングすることにより異なるが、使用されるエッチング手段は、図2および3の変換器に対して使用されるものと同様である。
【0107】
チャネルは、例えば、20μmから100μmの間の、有利には50μmの直径を有する。
【0108】
図6Aの構造の場合では、チャネルがない領域は、例えば、5mmごとに実施される。
【0109】
図6Bのもののような積層体を作製する場合では、集合体は、分子接着、ボンディングまたはハンダ付けにより作製され得る。
【0110】
図7は、本発明による光起電力変換器304の例示的な実施形態を示し、光起電力セルは、例えば有機ポリマーの薄膜、またはCIS、CIGSもしくはCdTeの薄膜で作製される。
【0111】
この例では、チャネル306は、光起電力セルを形成し、相互に並列に設けられる薄膜308により、直接、筐体の内部で境界を画されている。
【0112】
図8Aおよび8Bは、このタイプの変換器の回路への例示的な接続を示す。2つの突端部310、312は、筐体の上面上に、2つの対向する頂点に設けられ、一方は流体の供給を提供し、他方は、流体の排出を提供する。
【0113】
膜上の電子収集は、従来通り、堆積された金属電極を使用して行われる。
【0114】
次に、そのような変換器を製造するための方法が説明されることになる。
【0115】
有機ポリマーで作製されるセルの膜は、従来の方法で製造される。例えば、膜は、高い優先度で、いわゆる「ロールツーロール」技法により、連続的に作製される。
【0116】
次いで、膜は、セルの相互の電気的な接続を行うボンディングにより集成され、それは、必要とされる直列/並列の連結が行われることを可能にする。
【0117】
例えばCIGSまたはCISの膜の場合では、それらは、ポリマーまたは金属上に堆積される。
【0118】
CISまたはCIGSの膜を製造するために使用される技法は、やはり、高い優先度で、連続的な「ロールツーロール」のタイプである。
【0119】
膜は、ボンディングにより、溶接により、必要とされる直列/並列の連結を行うことを可能にする、セルの相互の電気的な接続を行うことにより集成され得る。
【0120】
図9および10は、それ自体に巻き付けられる薄膜で作製される、光起電力変換器の他の2つの例示的な実施形態404、504を示す。
【0121】
図9では、変換器は、流体の流れを可能にするために、巻きの異なる層の間に設けられるチャネル406を備える。そのようなチャネル406は、巻きの異なる層の間に挟まれるスペーサ(図示せず)を使用することによって、または、例えばダイプレスによる薄膜の直接の構造化(structuration)によってのいずれかで得られ得る。このように得られるレリーフは、層間の隙間を決定する。
【0122】
流れは、巻軸Xに沿って、または巻きの方向でのいずれかで発生し得る。後者の場合では、巻軸Xで流体を取り込む、またはそれを排出するための手段を備える。
【0123】
図10の場合では、変換器504は、相互に巻かれる2つのチャネル506、508を形成し、2つの流体F1およびF2を巻きの中に同時に循環させることを可能にする、二重の巻きにより形成される。有利には、流体の一方のF1は、光ルミネセンス粒子が加えられた流体であり、他方の流体F2は、光ルミネセンス流体から熱を除去するための熱移送流体である。したがって、変換器は、さらに熱交換器を形成する。その目的のために、折り畳まれ、次いでそれ自体に巻き付けられる薄膜が使用される。
【0124】
巻軸Xで、光ルミネセンス流体F1の供給510、および熱移送流体F2の排出512が提供される。有利には、流体F1およびF2は、熱交換の効率を向上させる還流の方法で循環される。
【0125】
図9の変換器と同様の方法で、薄膜は、有利には、エッチング、エンボス加工、ダイプレスまたは他の任意の方法などの、様々な方法によりチャネルを得られるようにすることにより、表面の成長が提供され得る。
【0126】
光起電力セルにより形成される導管もまた、提供される場合があり、すなわち、変換器は、流体の流れのパイプラインに統合され得る。
【0127】
本発明は、特に、爆発の危険性のある地域でなど、すべての電力供給が回避されるべきである地域で使用される、防爆システムとして関心を引き起こすものである。
【符号の説明】
【0128】
2 発光放射パネル、太陽電池パネル、パネル
4 光起電力変換器、変換器
6 密閉回路
8 筐体
10 流体供給入口ポート、供給ポート
12 流体排出ポート、排出ポート
14 壁
16 筐体
18 流体供給ポート、供給ポート
20 流体排出ポート、排出ポート
22 熱交換器、交換器
104 光起電力変換器、変換器
106 チャネル
108 シリコン基板、基板
110 シリコン
112 金属電極、第1の電極、電極
114 金属電極、第2の電極、電極
116 光起電力変換器
204 光起電力変換器
206 チャネル
208 シリコン基板、基板
210 シリコン
212、214 電極
216 矢印
304 光起電力変換器
306 チャネル
308 薄膜
310、312 突端部
404 光起電力変換器
406 チャネル
504 光起電力変換器、変換器
506、508 チャネル
510 供給
512 排出

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光放射(R)により供給される光子を収集するための領域(2)と、前記光子を電気エネルギーに変換するための領域(4、104、204、304、404、504)とを備え、前記収集領域(2)および前記変換領域(4、104、204、304、404、504)は、異なる筐体(8、16)により形成され、光ルミネセンス粒子が加えられた流体は、前記収集領域(2)と前記変換領域(4、104、204、304、404、504)との間を流れるためのものであり、前記粒子は、光子を収集し、光子を前記変換領域(4、104、204、304、404、504)に運搬し、そこで光子が再放出される、光起電力変換デバイス。
【請求項2】
前記光ルミネセンス粒子は、リン光粒子である、請求項1に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項3】
前記リン光粒子は、硫化物またはセレン化物または酸化物タイプのリン光体である、請求項2に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項4】
前記リン光粒子は、亜鉛硫化物またはドープされたアルカリのアルミン酸鉄(II)である、請求項3に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項5】
前記リン光粒子の質量濃度は、0.1%から30%の間である、請求項1から4の一項に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項6】
前記流体は、アルカンまたはペルフルオロアルカンである、請求項1から5の一項に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項7】
前記流体は、「量子カッティング」現象が発生することを可能にし、かつ/または、紫外光から可視光への、前記再放出される光子の波長変換を促進するナノ粒子をさらに含む、請求項1から6の一項に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項8】
前記収集領域(2)の前記筐体(8)は、発光放射(R)に対して透明な少なくとも1つの面(14)を備え、前記光起電力変換領域(4、104、204、304、404、504)の前記筐体(16)は、光起電力セルで覆われるその内部構造の少なくとも内面の部分を有し、各筐体(8、16)は、前記流体に対する供給ポート(10、18)および排出ポート(12、20)を備え、一方の筐体(8、16)の前記排出ポート(12、20)は、他方の筐体(16、8)の前記供給ポート(18、10)に接続される、請求項1から7の一項に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項9】
熱交換器(22)を備える、請求項1から8の一項に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項10】
前記変換領域(104、204)は、流体の流れチャネル(106、206)がエッチングされている、少なくとも1つのプレートを備え、前記プレートの、および前記チャネル(106、206)の表面の材料は、p-nまたはn-p接合を形成する、請求項1から9の一項に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項11】
前記チャネル(106)は、前記プレートの平面内に含まれる、請求項10に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項12】
前記チャネル(206)は、貫通チャネルであり、有孔メンブレンを形成するように、前記プレートの平面に直交する、請求項10に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項13】
少なくとも2つのプレートの積層体を備える、請求項10から12の一項に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項14】
前記積層体の前記プレートは、並列に、前記流体が供給される、請求項13に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項15】
熱交換器が、前記積層体のプレートの各対の間に挟まれる、請求項13または14に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項16】
前記変換領域(304、404、504)は、有機ポリマー、または、金属もしくはガラス上に堆積される、CIS、CIGSもしくはCdTeの薄膜で作製される光起電力セルを備える、請求項1から9の一項に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項17】
前記薄膜により境界を画されるチャネル(306)を備える、請求項16に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項18】
前記薄膜は、それ自体に巻き付けられて、らせん形のチャネル(406、506、508)の境界を画す、請求項16に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項19】
前記チャネル(406、506、508)を設けるために、前記膜の2つの巻きを相互に離して維持するように、前記膜の異なる巻きの間にスペーサを備え、前記スペーサは、前記巻きの間に固定されるか、そのダイプレスまたはエンボス加工により前記膜に形成されるかのいずれかである、請求項18に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項20】
前記薄膜をそれ自体に折り返すことにより、および、この折り返された膜を巻くことにより形成される、相互に巻き付けられる2つのチャネル(506、508)を備え、前記チャネルの一方(506)は、光ルミネセンス粒子が加えられた前記流体(F1)の流れのためのものであり、他方のチャネル(508)は、熱移送流体(F2)の流れのためのものである、請求項18に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項21】
前記熱交換器は、前記収集領域と前記変換領域との間に、前記変換領域の上流に位置する、請求項9との組み合わせでの、請求項1から20の一項に記載の光起電力変換デバイス。
【請求項22】
請求項10から15の一項に記載の光起電力変換デバイスを製造するための方法であって、
前記変換領域を作製する以下のステップ、すなわち、
pまたはnドープのシリコンの基板(108、208)にチャネル(106、206)をエッチングするステップと、
前記チャネル(106、206)の内面のnまたはp型のドーピング(110)を行い、それにより、nまたはp型の放出領域と、pまたはn型の収集領域とを形成するステップと、
電極(112、212、114、214)を前記放出領域および前記収集領域上に堆積させるステップと、
このように形成された前記構造をアニールするステップと
を含む方法。
【請求項23】
前記電極を堆積させる前記ステップの前に、反射防止材料を堆積させるステップを含む、請求項22に記載の光起電力変換デバイスを製造するための方法。
【請求項24】
ボンディングまたはハンダ付けにより、いくつかの積層されたプレートを集成するステップを含む、請求項22または23に記載の光起電力変換デバイスを製造するための方法。
【請求項25】
請求項16から20の一項に記載の光起電力変換デバイスを製造するための方法であって、
例えば、「ロールツーロール」タイプの連続的な方法により、CIS、CIGSまたはCdTeの有機ポリマーの膜を作製するステップと、
巻きの異なる層の間に隙間を残しながら、前記膜をそれ自体に巻き付けるステップと
を含む方法。
【請求項26】
前記異なる巻きの間の前記隙間を保証することを可能にするレリーフを形成するために、前記膜を巻き付けるステップの前に、前記膜上に、スペーサの膜を構成する、または、スペーサの要素を配置するステップを含む、請求項25に記載の光起電力変換デバイスを製造するための方法。
【請求項27】
相互に巻き付けられる2つのチャネル(506、508)を設けるために、前記膜を、それを巻き付けるステップの前に、それ自体に折り返すステップを含む、請求項25または26に記載の光起電力変換デバイスを製造するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−516048(P2012−516048A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546786(P2011−546786)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050672
【国際公開番号】WO2010/084145
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(502124444)コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ (383)
【Fターム(参考)】