説明

封緘用タックラベル

【課題】 本発明は、一度剥離したことが簡単に判る封緘用タックラベルを提供することを課題とする。
【解決手段】 収納された商品を取出すための取出し口2が形成された包装材3の該取出し口2を封緘するために貼付され、少なくとも取出し口2を囲繞する範囲に対応するラベル基材6の裏面に、包装材3の表面に貼付され且つ剥離後再貼付可能な粘着領域7が設けられていると共に、ラベル基材6の端部裏面に非接着領域9が設けられている封緘用タックラベル1に於いて、粘着領域7と非接着領域9の間に、包装材3の表面に貼付される接着領域8が設けられ、該接着領域8は、剥離後再貼付不可能とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の取出し口を封緘する封緘用タックラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ティシュペーパー、ウェットシート、菓子などの食品、化粧品、薬などの様々な商品が、容器や袋などの様々な包装材に収納包装されている。
これら包装材のうち、収納された商品を取り出すための取出し口が形成された包装材も広く用いられている。
かかる包装材は、ウェットシートなどの密封性を要する商品を収納するために主として用いられている。該包装材は、複数枚のウェットシートを密封収納可能な袋本体からなり、該袋本体の一部分に、収納したウェットシートを取り出すための取出し口が形成されている。該取出し口は、通常、袋本体の一部分を切り込んだ切込み線などで構成されている。そして、かかる取出し口を封緘するため、袋本体の表面に、再貼付可能な封緘用タックラベル(以下、単に「タックラベル」という場合がある)が貼付されている。
このタックラベルは、取出し口を覆う範囲に対応したラベル基材の裏面に粘着剤が設けられており、該ラベル基材の端部を摘み片とするため、ラベル基材の端部が非接着領域とされている。
そして、ラベル基材の端部を摘んで封緘用タックラベルを包装材から引き剥がし、取り出し口から所望枚のウェットシートを取り出した後、該タックラベルを再貼付することによって、包装材は、再び封緘される。
【0003】
しかしながら、封緘用タックラベルは、上記のように、剥離後、再貼付することができるようになっているため、例えば悪戯目的で、該タックラベルを剥がしてウェットシートを抜き出し、その後、元の通りに再貼付される場合がある。また、タックラベルを剥がし、取出し口から異物を混入した後、元の通りに再貼付される場合がある。
このような問題点に鑑みて、従来、封緘用タックラベルに、別途、破断ラベルを貼付する対策が採られている。具体的には、この破断ラベルは、剪断力が加わることで簡単に破断する基材(例えば、比較的薄い紙基材など)の裏面に、粘着剤が塗工されている。該破断ラベル10は、例えば、図7に示すように、封緘用タックラベル11の封緘片部111の表面と包装材12の表面に跨るように貼付される。そして、封緘用タックラベル11を剥離すると、破断ラベル10が分断される。このため、一度剥離したことが簡単に見分けられるのである。
しかしながら、上記手段では、別個、破断ラベルを貼付しなければならない。従って、該破断ラベル自体の製造コストや、破断ラベルの貼付作業コストが必要となり、製品コストが大幅にアップするという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、別個のラベルを用いずに、一度剥離したことが簡単に判る封緘用タックラベルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記問題点に鑑みて、鋭意研究したところ、下記の手段を講ずることにより、製品コストの上昇を抑えつつ、一度剥離したかどうかを外見上簡単に見分けることができる封緘用タックラベルを開発した。
すなわち、本発明は、収納された商品を取出すための取出し口が形成された包装材の該取出し口を封緘するために貼付される封緘用タックラベルであって、少なくとも取出し口を囲繞する範囲に対応するラベル基材の裏面に、包装材の表面に貼付され且つ剥離後再貼付可能な粘着領域が設けられていると共に、ラベル基材の端部裏面に非接着領域が設けられている封緘用タックラベルに於いて、粘着領域と非接着領域の間に、包装材の表面に貼付される接着領域が設けられ、該接着領域は、剥離後再貼付不可能である封緘用タックラベルを提供する。
【0006】
上記封緘用タックラベルは、包装材の取出し口を覆うように、粘着領域を包装材の表面に貼付するとともに、接着領域を包装材の表面に貼付して使用される。
該タックラベルの非接着領域を手で摘み、これを引き剥がすことにより、包装材の取出し口が開放され、そこから収納された商品を取り出すことができる。
商品を取り出した後、タックラベルの粘着領域を包装材に再貼付することにより、取出し口を再び封止することができる。
本発明の封緘用タックラベルは、粘着領域と非接着領域の間に、剥離後再貼付不可能な接着領域が設けられているため、タックラベルを再貼付した際、接着領域が包装材に接着せず、該接着領域が包装材から浮いた状態となる。従って、タックラベルを一度剥離したことが外見上簡単に判別できる。
【0007】
本発明の好ましい態様では、上記接着領域のラベル基材に、エンボス又は罫線が形成されている上記封緘用タックラベルを提供する。
このようにエンボス又は罫線が設けられていることにより、接着領域に於いて、ラベル基材が反り易くなる。このため、タックラベルを包装材から一度剥離すると、接着領域に於いてラベル基材が湾曲する。従って、タックラベルを一度剥離したことが更に判別し易くなる。
【0008】
さらに、本発明の好ましい態様では、接着領域が、軟化点(環球法)80〜130℃の感熱性接着剤にて構成されている上記封緘用タックラベルを提供する。
上記軟化点の感熱性接着剤を用いることにより、タックラベルの通常の使用条件下において、感熱性接着剤は粘着性を示さない。このため、タックラベルを一度剥離した後、接着領域が包装材に付着する虞がなく、上記効果を確実に奏する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る封緘用タックラベルは、剥離後再貼付した際、接着領域が包装材から浮いた状態となる。このようにタックラベルの一部分が包装材から剥がれた状態になるので、タックラベルを一度剥離したことが外見上簡単に判別できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1及び図2に於いて、1は、収納された商品を取出すための取出し口2が形成された包装材3と、包装材3の取出し口2を封緘する封緘用タックラベル5と、を備える包装体を示す。
包装材3は、商品を収納できるものであれば特に限定されず、様々なものを用いることができる。
例えば、包装材3は、柔軟なシート体を密封袋状に形成したものが用いられる。具体的には、包装材3は、内部に商品を収納する収納部を有する袋本体31と、袋本体31に形成された取出し口2と、を備える。この取出し口2は、該袋本体31の収納部に通じる位置に形成されている。
袋本体31は、例えば、3方接着方式によって袋状に形成されている。すなわち、袋本体31は、1枚のシート体からなり、商品を包み込みながらシート体の両側端部を重ねて筒状にしてその重ね合わせ部を接着し(例えば熱シール)、この筒状体の両開口端部を封止すべく、両開口端部をそれぞれ接着することによって、密封袋状に形成されている。
また、袋本体31は、2枚のシート体から形成することもできる。この場合、2枚のシート体の間に商品を介在させた状態で、該2枚のシート体の周端部を接着することによって、密封袋状の袋本体31が形成される。
【0011】
取出し口2は、袋本体31の所定位置、例えば、袋本体31の上面に形成されている。該取出し口2は、袋本体(シート体)の一部を線状に切り込んだ破断線21によって囲繞された領域に形成される。つまり、タックラベル5を剥離した際に、破断線21によって囲われた袋本体31の一部分が切り取られ、該切取り部分に取出し口2が形成される。
もっとも、取出し口2は、破断線21にて切り取ることによって形成されるものに限られず、例えば、袋本体31の一部分を予め所定形状に開口し(例えば楕円開口など)、これを取出し口としてもよい。さらに、取出し口2は、例えば、袋本体の一部分に形成された直線状の切込み線で構成することもできる。
【0012】
袋本体31を構成するシート体としては、特に限定されず、合成樹脂シート(合成樹脂フィルムも同義である)、異種又は同種の合成樹脂の積層シート、合成樹脂とアルミニウム箔などの金属箔の積層シート(金属蒸着合成樹脂シートを含む)、合成樹脂と紙の積層シート、その他、各種の積層シートを用いることができる。収納する商品の種類に対応して、ガスバリア性、遮光性などが付与されている合成樹脂シートや積層シートを用いることが好ましい。また、シート体は、袋状に形成する際に熱シールできるようにするため、シーラント層を有するものが好ましい。シート体の厚みは、通常、50〜300μm程度のものが用いられる。
なお、包装材3は、柔軟なシート材を袋状に形成したものに限られず、例えば、紙や合成樹脂シートの組立て箱、合成樹脂の成形容器、ガラス製の容器、金属製の容器などを用いることもできる。また、包装材3は、商品を密封収納できるように構成されていることが好ましいが、収納する商品によっては、厳密に密封性が要求されない場合もある。
【0013】
包装材3に収納される商品は、特に限定されず、例えば、ウェットシート、ティシュペーパー、菓子などの食品、化粧品、薬などが挙げられる。
上記包装材3は、封緘用ラベル5によって取出し口3が封止されるので、密封性が要求される商品、例えば、ウェットシート、食品、薬などを収納することが特に効果的である。
なお、ウェットシートは、不織布、織物、紙などの各種シートに、水、アルコール、消毒剤、薬品、香料などの液体成分や固形成分を含浸させたものである。
【0014】
次に、本発明の特徴部分である封緘用タックラベル5について詳述する。
封緘用タックラベル5は、取出し口2及びその周辺部を覆うことができる封緘片部61と、封緘片部61の一辺61aから延設された摘み片部62と、が形成されたラベル基材6を有し、該ラベル基材6に、粘着領域7、接着領域8及び非接着領域9が設けられている。
封緘片部61は、例えば、平面視略長方形状に形成され、摘み片部62は、例えば、平面視半円状に形成されている。もっとも、封緘片部61及び摘み片部62は、これらの形状に限定されるものではなく、適宜の形状に変形可能である。また、封緘片部61の大きさは、取出し口2の大きさに応じて適宜設計され、摘み片部62の大きさは、指で摘むことができる程度の大きさに設計される。
なお、封緘片部61の面内には、平面視略U字状の切込み線63が形成されている。この切込み線63は、封緘片部61を貫通するもので、一辺61aと対向する他辺側の両隅部近傍にそれぞれ形成されている。かかる切込み線63は、タックラベル5を引き剥がした際に、該タックラベル5が完全に包装材3から剥がれてしまうことを防止する剥がれ止めとして機能する。
該ラベル基材6の材質は、特に限定されず、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートシート、二軸延伸ポリプロピレンシートなどの合成樹脂シート(合成樹脂フィルムも同義である)、異種又は同種の合成樹脂の積層シート、合成樹脂とアルミニウム箔などの金属箔の積層シート(金属蒸着合成樹脂シートを含む)、合成樹脂と紙の積層シート、その他、各種の積層シートを用いることができる。ラベル基材6は、基材そのものの性質によって反りが生じ易くなることから、例えば、塩化ビニル系樹脂やアミド系樹脂などを含む合成樹脂シート、及び該材質のシートが積層された積層シートを用いることが好ましい。また、ラベル基材6として積層シートを用いる場合、基材そのものの性質によって反りが生じ易くなることから、積層シートを構成する上下層の何れか一方の層が、他方の層よりも、室温または室湿度によって大きく収縮するものを用いることが好ましい(収縮率の異なる上下層)。このような反りが生じ得るラベル基材6を用いることによって、タックラベル5を剥離した後、該タックラベル5の接着領域が湾曲し易く、このためタックラベル5を一度剥離したことが、外見上判別し易くなる。
なお、ラベル基材6は、収納する商品の種類に対応して、ガスバリア性、遮光性などが付与されているシートを用いることが好ましい。
ラベル基材6の厚みは、通常、50〜300μm程度のものが用いられる。
【0015】
上記ラベル基材6の封緘片部61の裏面に、粘着領域7及び接着領域8が設けられ、ラベル基材6の摘み片部62の裏面に、非接着領域9が設けられている。
粘着領域7は、封緘片部61の裏面のうち、取出し口2を構成する開口縁部を囲繞する領域に少なくとも設けられている。
接着領域8は、封緘片部61の裏面のうち、粘着領域7と非接着領域9の間に設けられている。この接着領域8は、封緘片部61の一辺61a側(摘み片部が延設された辺)に平行な帯状に設けられている。接着領域8の幅W(図3参照)は、特に限定されないが、余りに短いと接着領域8を設けた意義がないことから、通常、5mm以上、好ましくは10mm以上とするのがよい。一方、接着領域8の幅Wが長いほど、剥離したことが外見上見分け易くなるが、余りに長いと材料ロスが生じるので、通常、30mm以下、好ましくは20mm以下とするのがよい。
粘着領域7は、包装材3の表面に貼付され且つ剥離後再貼付可能である。接着領域8は、包装材3の表面に貼付され、且つ剥離後再貼付不可能である。非接着領域9は、包装材3の表面に貼付不能である。この粘着領域7は、ラベル基材6に塗工された粘着剤を露出させることによって構成され、接着領域8は、ラベル基材6に塗工された接着剤を露出させることによって構成されている。
【0016】
具体的には、図3にも示すように、ラベル基材6の裏面全体には、粘着剤が塗工された粘着剤層71が形成されている。この粘着剤は、包装材3の表面に貼付でき、貼付後手で剥離することができ且つ剥離後再貼付可能なものであれば特に限定されない。該粘着剤としては、通常タックラベルで広く用いられている粘着剤、例えば、ゴム系、アクリル系、ウレタン系などの公知の感圧型粘着剤などを用いることができる。
ラベル基材6の摘み片部62の裏面全体には、粘着剤層71の粘着力を隠蔽するため、隠蔽層91が粘着剤層71に重ね塗りされている。かかる隠蔽層91が設けられることによって、摘み片部62の裏面に、包装材3と接着しない非接着領域9が構成される。このように摘み片部62の裏面が非接着とされているので、摘み片部62は、包装材3の表面に接着しない。従って、タックラベル5を引き剥がす際、該摘み片部62を簡単に摘むことができる。
隠蔽層91の形成方法は、特に限定されず、例えば、紫外線硬化型インキを塗工(印刷を含む)する、シリコーンを含むインキを塗工する、フィルムを貼り付けるなどの公知の非接着処理を行うことによって設けることができる。
【0017】
また、ラベル基材6の封緘片部61の裏面のうち、非接着領域9に隣接して、接着剤層81が粘着剤層71に重ね塗りされている。この接着剤層81は、封緘片部61の一辺61aから所定幅の範囲であって、封緘片部61の両側辺61b,61bに至るまで帯状に設けられている。該接着剤層81が設けられることによって、封緘片部61の裏面の一辺61a及び該一辺61aに連続する両側辺61b,61bの一部で囲われる帯状範囲に、接着領域8が構成される。
接着剤層81は、接着剤を塗工することによって設けられる。該接着剤は、包装材3の表面に貼付可能で且つ剥離後再貼付不可能な接着であれば特に限定されず、例えば、常温で粘着性があり且つ経時的に固化する接着剤(溶剤型接着剤、エマルジョン型接着剤、二液硬化型接着剤など)、常温で粘着性がなく且つ加熱することによって粘着性を発現し、加熱後経時的に固化する感熱性接着剤などを用いることができる。中でも、感熱性接着剤を用いることが好ましい。なぜなら、封緘用タックラベル5の取り扱いが簡便になるからである。
感熱性接着剤としては、例えば、ホットメルト型接着剤、パートコート型感熱接着剤などを用いることができる。
ホットメルト型接着剤は、常温では粘着性はないが加熱することによって接着可能となるものであって、加熱溶融によって塗工可能な接着剤である。該ホットメルト型接着剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレンアクリル酸共重合体などのエチレン系樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などのベース樹脂に粘着付与剤などの添加剤が配合されたものが例示される。
また、パートコート型感熱接着剤は、ホットメルト型接着剤と同様に、常温では粘着性はないが加熱することによって接着可能となるものであって、グラビアコーティングなどの印刷によって塗工可能な接着剤である。該パートコート型感熱接着剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの熱接着性樹脂と粘着付与剤などを有機溶剤などに溶解又は分散させた溶液などが例示され、該溶液を印刷法などで塗工した後、乾燥して使用する接着剤である。
【0018】
上記各感熱性接着剤の軟化温度は、特に限定されないが、軟化点が80〜130℃程度のものが好ましい。なぜなら、余りに軟化点が低い感熱性接着剤を使用すると、封緘用タックラベル5を引き剥がした後、高温となる部屋や人の体温などによって感熱性接着剤が粘着性を発現して、包装材3の表面に再貼付する虞があるからでる。一方、余りに軟化点が高い感熱性接着剤を使用すると、感熱性接着剤を加熱した際に、ラベル基材6が変形するなどの不都合を生じる虞があるからである。
ここで、軟化点とは、環球法軟化点(JIS K 6863)で測定した値をいう。
【0019】
ラベル基材6の封緘片部の裏面のうち、上記接着剤層81が設けられていない領域は、粘着剤層71が露出している。この粘着剤層71が露出した領域が、粘着領域7に相当し、該粘着領域7は、取出し口及びその周辺部を十分に覆うことができるように設けられている。
【0020】
なお、上記の例では、ラベル基材6の裏面全体に粘着剤層71を設け、該粘着剤層71の所望領域に隠蔽層91及び接着剤層81を重ね塗りすることにより、各領域7,8,9を形成する方法であるが、これに代えて、次のような方法でもよい。
図3(c)に示すように、ラベル基材6の封緘片部61の裏面のうち、取出し口2及びその周辺部を覆う範囲にのみ粘着剤層71を塗工し、粘着領域7を形成する。さらに、封緘片部61の一辺61a及び該一辺61aに連続する両側辺61b,61bの一部で囲われる帯状範囲に接着剤層81を塗工し、接着領域8を形成する。摘み片部62の裏面は、ラベル基材6の裏面を露出させ、非接着領域9とする。
【0021】
上記封緘用タックラベル5は、通常、離型紙上に仮貼付されて供給される。
該タックラベル5は離型紙から引き剥がして使用される。次に、タックラベル5の封緘片部61の粘着領域7を包装材3の取出し口2及びその周辺部に対面させ、タックラベル5を包装材3に貼付する。タックラベル5の接着領域8の接着剤として感熱性接着剤が用いられている場合には、包装材3に貼付した後、該接着領域8を所定温度に加熱して感熱性接着剤を接着させる。このようにして、図1に示すように、タックラベル5の粘着領域7及び接着領域8が包装材3の表面に接着した包装体1を作製できる。
次に、包装材3に収納された商品を取り出す際には、非接着の摘み片部62を手で摘んで、図4(a)に示すように、タックラベル5を引き剥がす。該タックラベル5は、先ず接着領域8が包装材3の表面から剥離し、続いて、粘着領域7が包装材3の表面から剥離する。なお、粘着領域7が剥離する際、袋本体31の破断線21で囲繞された部分33が、該粘着領域7に接着したままで袋本体31から切り取られることによって、取出し口2が開口する。該取出し口2から商品Xを取り出した後、タックラベル5を元の通りに再貼付する。この再貼付時、粘着領域7は、包装材3の表面に貼付される。一方、接着領域8は、剥離後再貼付不能な接着剤からなるので、包装材3の表面に接着せず、図4(b)に示すように、封緘片部61の一部分が包装材3の表面から浮いた状態となる。
このように再貼付後、タックラベル5の一部分が包装材3の表面から浮いた状態となるので、外見上に於いて、タックラベル5を一度剥離したことが簡単に判別できる。なお、タックラベル5の一部分が包装材3から完全に浮いたように見えないこともあり得るが、タックラベル5の摘み片部62を摘むと、接着領域8が剥がれていることが判別できる。
【0022】
尚、本発明は、上記実施形態に限られず、適宜設計変更することができる。以下、本発明の各変形例を説明するが、上記実施形態と同様の構成については、説明を省略し、用語及び図番を援用する場合がある。
上記封緘用タックラベル5のラベル基材6に、罫線加工やエンボス加工を施すことが好ましい。例えば、図5に示すように、ラベル基材6の接着領域8に、折り罫線41が形成される。該折り罫線41は、封緘片部61の一方の側辺61bから、これに対向する他方の61bにかけて形成されていることが好ましい。特に、折り罫線41は、図示したように、接着領域8と粘着領域7の境界部分又は該境界部分の近傍位置(接着領域寄り)であって、封緘片部61の一方の側辺61bから他方の61bにかけて形成されていることが好ましい。
なお、折り罫線41とは、ラベル基材6の上面(又は下面)からラベル基材6の厚み方向に形成される長線状の凹みである。
折り罫線41がラベル基材6に形成されていることによって、タックラベル5を引き剥がした後、折り罫線41に於いてラベル基材6が湾曲する。従って、タックラベルを一度引き剥がした後、接着領域8が包装材3の表面から上方(又は下方)に反るように湾曲するので、タックラベル5を一度剥離したことが更に判別し易くなる。
【0023】
また、上記折り罫線41に併用して、又は折り罫線41に代えて、ラベル基材6の接着領域8に、エンボスを施しても良い。例えば、図6に示すように、ラベル基材6の接着領域8に、ラベル基材6の上面に凹状のエンボス42が形成される。なお、ラベル基材6の下面から凹状のエンボスを形成してもよい。エンボス42とは、ラベル基材6の上面(又は下面)からラベル基材6の厚み方向に形成される所定形状の凹みであり、通常、エンボスロールを用いてラベル基材6を押圧することによって形成できる。
このようにラベル基材6の接着領域8にエンボス42を施した場合も、タックラベル5を一度引き剥がした後、接着領域8が包装材3の表面から上方(又は下方)に反るように湾曲するので、タックラベル5を一度剥離したことが更に判別し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態に係る包装体を上面側から見た平面図、(b)は、同側面図。ただし、封緘用タックラベルのラベル基材の裏面の隠蔽層及び接着剤層は不図示(図4も同様)。
【図2】図1のA−A線縦断面図。
【図3】(a)は、封緘用タックラベルを下面側から見た底面図、(b)は、同(a)のB−B線縦断面図、(c)は、変形例に係る封緘用タックラベルの縦断面図。ただし、同(a)に於いて、粘着領域を薄墨塗りで、接着領域を網掛けで、非接着領域を斜線で表している。
【図4】(a)は、封緘用タックラベルを引き剥がした状態の包装体を示す側面図、(b)は、封緘用タックラベルを再貼付した状態の包装体を示す側面図。
【図5】(a)は、変形例に係る封緘用タックラベルを上面側から見た平面図、(b)は、同(a)のC−C線縦断面図。
【図6】(a)は、変形例に係る封緘用タックラベルを上面側から見た平面図、(b)は、同(a)のD−D線縦断面図。
【図7】従来の封緘用タックラベルが貼付された包装体を示す平面図。
【0025】
1…包装体、2…取出し口、3…包装材、41…折り罫線、42…エンボス、5…封緘用タックラベル、6…ラベル基材、61…封緘片部、62…摘み片部、7…粘着領域、8…接着領域、9…非接着領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納された商品を取出すための取出し口が形成された包装材の該取出し口を封緘するために貼付され、少なくとも取出し口を囲繞する範囲に対応するラベル基材の裏面に、包装材の表面に貼付され且つ剥離後再貼付可能な粘着領域が設けられていると共に、ラベル基材の端部裏面に非接着領域が設けられている封緘用タックラベルに於いて、
粘着領域と非接着領域の間に、包装材の表面に貼付される接着領域が設けられ、該接着領域は、剥離後再貼付不可能であることを特徴とする封緘用タックラベル。
【請求項2】
エンボス又は罫線が、接着領域に形成されている請求項1に記載の封緘用タックラベル。
【請求項3】
接着領域が、軟化点(環球法)80〜130℃の感熱性接着剤にて構成されている請求項1または2に記載の封緘用タックラベル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−44632(P2008−44632A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219501(P2006−219501)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】