説明

射出発泡成形機及びこれを用いた射出発泡成形方法

【課題】キャビティ内に射出充填した発泡性溶融樹脂を、金型を寸開することにより発泡させ、高精度の発泡成形品が得られるようにする射出発泡成形機に関し、固定型盤に対して可動型盤を進退可能に駆動するコアバック装置の構成と作動方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る射出発泡成形機は、コアバック装置が、ボールねじナット13と、該ボールねじナット13を型開閉方向に進退動作させる駆動機構と、ボールねじナット13が前進して当接するストッパー部材18と、ボールねじナット13とストッパー部材18が当接後に両者を連結する連結装置70と、を備え、ボールねじナット13と駆動機構は、可動型盤又は固定型盤のいずれか一方の型盤に固定され、ストッパー部材18はもう一方の型盤に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビティ内に射出充填した発泡性溶融樹脂を、金型を寸開することにより発泡させ、高精度の発泡成形品が得られるようにする射出発泡成形機に関し、特に、固定型盤に対して可動型盤を進退可能に駆動するコアバック装置の構成と作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
射出発泡成形は、射出成形機により可塑化した発泡性樹脂を金型内に高速で射出充填し、射出充填が終わり金型に接している成形品の表面が冷却して硬化した後、金型の間隔を広げてキャビティの容積を拡大し、成形品の内圧を下げ成形品の内部を発泡膨張させて、軽くて丈夫な成形品を得ることを狙いとしたもので、この射出発泡成形方法は従来から知られている。
【0003】
特許文献1に示す従来例の発泡性樹脂成形装置は、固定型盤に設けられた固定金型と、可動型盤に設けられた可動金型との間に、形成されるキャビティへ発泡剤混合樹脂を射出後、可動金型を型開き方向へ所定距離移動させて成形を行う発泡成形用の射出成形機において、可動型盤と固定型盤のいずれか一方に、サーボモータとねじを用いて他方の盤と当接し、可動金型と固定金型を離間させるための可動金型移動機構(コアバック装置)を設けたもので、サーボモータとねじの組合せによって可動金型を型開き方向へ移動させる際の速度、および停止位置を高精度に制御することで、高品質の発泡成形品を得ることを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−321262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、可動型盤に固定されてはいるが、固定型盤とは当接しているだけで固定されていないコアバック装置は、可動型盤が型開き方向へ移動しすぎた場合、コアバック装置が固定型盤と当接していた面が離れてしまい、可動型盤を引き戻すなどの位置補正ができないので可動型盤の位置制御精度および成形品の肉厚精度を高めることが難しい。このため型締油室側に背圧を加えてバックアップ力を作用させ、コアバック装置が常に固定型盤から離れないようにする必要があった。しかし、バックアップ力はコアバック力と逆方向の力であり、コアバックの抵抗となるため、バックアップ力が過度に大きいとコバック力も過剰に大きな力が必要となる。過大なバックアップ力に抗して可動型盤を動作させるためには、コアバック装置を高容量の大型の装置が必要となる不具合が生じる。このためバックアップ力は当接している面が離れない程度の必要最小限にして、コアバック装置を大型にしない方が望ましい。しかし、コアバック装置が固定型盤と当接して離れない程度にするには、バックアップ力を成形品の発泡力と同等レベルに抑えることが望ましいが、発泡性樹脂の発泡力は樹脂原料や成形条件により異なるため、必要最小限のコアバック力を得るための調整は樹脂原料毎あるいは成形条件毎の試行錯誤が必要となり多くの手間を要した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の問題点に対し、本発明は以下の各手段により課題の解決を図る。
(1) 第1の手段の射出発泡成形機は、可動型盤と、固定型盤と、両型盤の4隅に型締め用の油圧シリンダと、該油圧シリンダにより型締駆動されるタイバーと、可動型盤を固定型盤から離間する方向に移動させるコアバック装置と、該コアバック装置による可動型盤の移動速度、停止位置を制御する制御装置と、を備えた射出発泡成形機であって、
コアバック装置が、進退動作部材と、該進退動作部材を型開閉方向に進退動作させる進退駆動部材と、進退動作部材が前進して当接するストッパー部材と、進退動作部材とストッパー部材が当接後に、進退動作部材とストッパー部材を連結する連結装置と、を備えたコアバック装置であり、
進退動作部材と進退駆動部材は、可動型盤又は固定型盤のいずれか一方の型盤に固定され、ストッパー部材はもう一方の型盤に固定されていることを特徴とする。
【0007】
(2) 第2の手段の射出発泡成形機は、上記第1の手段の射出発泡成形機において、コアバック装置の連結装置が、ストッパー部材側に備えられたことを特徴とする。
【0008】
(3) 第3の手段の射出発泡成形機は、上記第1の手段の射出発泡成形機において、コアバック装置の連結装置が、進退動作部材側に備えられたことを特徴とする。
【0009】
(4) 第4の手段の射出発泡成形機は、上記第1の手段〜第3の手段のいずれかの手段の射出発泡成機において、コアバック装置の連結装置が割りナット部材と該割りナット部材を開閉する割りナット部材開閉駆動装置を備えたことを特徴とする。
【0010】
(5) 第5の手段の射出発泡成形機は、上記第4の手段の射出発泡成形機において、コアバック装置の進退動作部材およびストッパー部材のそれぞれの当接部にフランジ形状を備え、当該フランジ部の進退動作部材およびストッパー部材のそれぞれの当接面の反対側面に傾斜を設け、割りナット部材の内側面に進退動作部材およびストッパー部材のフランジ部の傾斜と対応する傾斜を設けたことを特徴とする。
【0011】
(6) 第6の手段の射出発泡成形機は、上記第1の手段または第2の手段の射出発泡成形機において、進退動作部材が端部に雌ねじを形成したナット部材を備えた進退動作部材であり、ストッパー部材側に備えられた連結装置が、端部にナット部材の雌ねじ形状と対応する雄ねじを有し回転自由に支持されたねじ部材と、該ねじ部材を回転駆動するねじ回転駆動装置を備え、ねじ部材の回転により進退動作部材とストッパー部材を螺合連結する連結装置であることを特徴とする。
【0012】
(7) 第7の手段の射出発泡成形機は、上記第1の手段または第2の手段の射出発泡成形機において、進退動作部材が端部に雄ねじ部材を設けた進退動作部材であり、前記ストッパー部材側に備えられた前記連結装置が、端部に前記進退動作部材の雄ねじ部材と対応する雌ねじを形成し、該雌ねじを回転自由に支持したナット部材と、ナット部材を回転駆動するナット回転駆動装置とを備え、ナット部材の回転により前記進退動作部材と前記ストッパー部材を螺合連結する連結装置であることを特徴とする。
【0013】
(8) 第8の手段の射出発泡成形機は、上記第1の手段または第2の手段の射出発泡成形機において、コアバック装置が進退動作部材の端部に磁性体製のフランジを備えと、ストッパー部材の端部に環状の電磁石を取付けた電磁石フランジを設けたストッパー部材とを備え、適時に前記電磁石に電流を通して進退動作部材とストッパー部材を磁力連結するコアバック装置であることを特徴とする。
【0014】
(9) 第9の手段の射出発泡成形機は、上記第1の手段及び第3の手段の射出発泡成形機において、コアバック装置が進退動作部材の端部に環状の電磁石を取付けた電磁石フランジを備え、ストッパー部材の端部に磁性体製のフランジを備え、適時に前記電磁石に電流を通して進退動作部材とストッパー部材を磁力連結するコアバック装置であることを特徴とする。
【0015】
(10) 第10の手段の射出発泡成形方法は、上記第1〜第9のいずれかの手段の射出発泡成形機を用いた発泡成形方法であって、型締め用の油圧シリンダで型締駆動されるタイバーにより可動型盤と固定型盤を型締めし、可動側金型と固定側金型とで形成されたキャビティ内に発泡性樹脂を射出して発泡成形を行うとき、コアバック装置の進退動作部材を前進させてストッパー部材に当接させるステップと、コアバック装置の連結装置を作動させて進退動作部材とストッパー部材を隙間無く連結するステップと、進退動作部材を更に前進させて可動型盤を固定型盤から離間する方向に所定距離移動させて金型を開くステップと、コアバック装置の連結装置を作動させて進退動作部材とストッパー部材の連結を解くステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1〜請求項9に係わる発明は上記第1の手段〜第9の手段の射出発泡成形機であり、コアバック装置の連結装置を作動させて進退動作部材とストッパー部材を連結することで、可動型盤と固定型盤とをコアバック装置を介して連結させることができるので、コアバック装置を進退駆動制御する制御装置によって、発泡成形品の肉厚に大きく影響する可動型盤と固定型盤間の距離を高精度で制御できる。
【0017】
請求項10に係わる発明は上記第10の手段の射出発泡成形方法であり、可動型盤と固定型盤を型締めしたとき、コアバック装置の連結装置を作動させて進退動作部材とストッパー部材を連結した状態でコアバック動作を行うので、可動金型のコアバック移動(寸開動作制御)および停止位置制御の精度が向上し、可動金型のオーバーランを防止し、コアバック装置の作動速度と寸開距離を制御することが容易となり、コアバック制御の設定が容易となるとともに、可動型盤の位置制御精度および成形品の肉厚精度を向上させることができる。
【0018】
請求項2に係わる発明は、上記第2の手段の射出発泡成形機であり、重さのある連結装置を、固定部材であり高剛性構造を容易に得られるストッパー側に設けたので、連結装置の位置保持、振動抑制が容易となる。
【0019】
請求項3に係わる発明は、上記第3の手段の射出発泡成形機であり、連結装置及び進退動作駆動措置を動作軸側に集約して設けたので、動作ユニットを1体としてモジュール構造として、組み立て精度向上および取付作業性向上が容易となる。
【0020】
請求項4及び請求項5に係わる発明は、上記第4及び第5の手段の射出発泡成形機であり、コアバック装置の連結装置割りナット部材に進退動作部材およびストッパー部材に設けた傾斜と対応する傾斜を設けたもので、当該斜面のクサビ効果により、割りナット部材を前進させる(割りナットを閉める)だけで、割りナット部材、進退動作部材、およびストッパー部材を隙間無く連結でき、且つ進退動作部材とストッパー部材を引き離すような力が加わっても、斜面同士の摩擦により割りナット部材開閉装置が小型であっても、進退動作部材とストッパー部材の連結を維持することができる。
【0021】
請求項6及び請求項7に係わる発明は、上記第6及び7の手段の射出発泡成形機であり、コアバック装置の連結手段は進退動作部材とストッパー部材のいずれか一方の部材に設置したボルトと、もう一方の部材に設置した前記のボルトに螺合するナットによるもので、進退動作部材とストッパー部材の連結力を向上させる必要がある場合、ボルトおよびナットの組数を増やすだけで、連結力を容易に向上させることができる。
【0022】
請求項8及び請求項9に係わる発明は、上記第8及び9の手段の射出発泡成形機であり、進退動作部材とストッパー部材を電磁力結合しようとするもので、連結装置自体には機械的動作部材がないので、摩耗が発生する箇所が少なく、かつ構造を簡略化できるため故障などの不具合を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係わる射出発泡成形機の側面図及び油圧制御系統図である。
【図2】図1のコアバック装置とタイバーの配置を示す可動型盤の正面図である。
【図3】図1の第1の実施形態のコアバック装置の配置を示す上面図である。
【図4】図3のコアバック装置のA部拡大図である(2点鎖線は型閉工程後の進退動作部材側を示す)。
【図5】図3のコアバック装置の動作軸部材とストッパー部材が連結された状態を示す側面図である。
【図6】図5の連結部の詳細図である。
【図7】図5のB方向矢視図である。
【図8】図5のC方向矢視図である。
【図9】図1の射出発泡成形機に取付けた第2の実施形態のコアバック装置の配置を示す上面図である。
【図10】図9のコアバック装置のD部拡大図である。
【図11】図10のE方向矢視図である。
【図12】図9のコアバック装置の動作軸部材が移動してストッパー部材に当接した状態を示す側面図である。
【図13】図9のコアバック装置の動作軸部材とストッパー部材が連結された状態を示す側面図である。
【図14】図1の射出発泡成形機に取付けた第3の実施形態のコアバック装置の配置を示す上面図である。
【図15】図14のコアバック装置のF部拡大図である。
【図16】図15のG方向矢視図である。
【図17】図15のコアバック装置の動作軸部材が移動してストッパー部材に当接した状態を示す側面図である。
【図18】図17のH方向矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
この実施の形態は油圧型締式射出成形機を発泡成形に適応させたものである。
[第1の実施の形態]
第1の実施形態を図に基づいて説明する。図1は射出発泡成形機の側面図及び油圧制御系統図、図2は図1のコアバック装置とタイバーの配置を示す可動型盤の正面図、図3は図1の第1の実施形態のコアバック装置の配置を示す上面図、図4は図3のコアバック装置のA部拡大図(2点鎖線は型閉工程後の進退動作部材側を示す)、図5は図3のコアバック装置の進退動作部材とストッパー部材が連結された状態を示す側面図、図6は図5の連結部の詳細図、図7は図5のB方向矢視図、図8は図5のC方向矢視図である。
【0025】
図1において、符号1は基盤で、基盤1の一端には固定側金型4を取付けた固定型盤2が固設されている。固定型盤2にはストロークが短く断面積の大きな4基の型締シリンダ2aが内蔵され、型締シリンダ2aによって駆動されるラム6はタイバー7に直結され、図2に示すように、固定型盤2の各角隅に中心線に対して対称に設けられ油圧による型締動作を行うことができる。
【0026】
基盤1の上には固定型盤2に対向して可動側金型5を取付けた可動型盤3が移動可能に載置される。可動型盤3はボールねじ軸22と同ボールねじ22軸に螺合し可動型盤3に固設しているボールねじナット23を組み合わせた型盤開閉手段40によって基盤1の上を移動して可動側金型5を固定側金型4に対して開閉させることができる。
【0027】
型盤開閉手段40は、ボールねじ軸22が基盤1に固設された支持台41、支持台42において軸受けを介してラジアル方向、スラスト方向を支え、回転自由に支持される構成である。ボールねじ軸22はサーボモータ46、小コグベルトプーリー45、コグベルト43、大コグベルトプーリー44を経て回転駆動される。
【0028】
制御装置30からの制御信号によりサーボモータ46が回されるとボールねじ軸22が回転駆動され、ボールねじナット23が軸方向に押圧されて可動型盤3を移動(可動型盤3の前進または後退)させる。
【0029】
型締シリンダ2aの中を摺動するラム6はその可動型盤3側面にタイバー7が一体に直結され、固定型盤2に対向する可動型盤3が型閉のため近づいてきたとき、タイバー7は可動型盤3の角隅に空けられた複数の挿通孔をそれぞれ貫通する。
【0030】
型閉時、可動型盤3が固定型盤2側へ移動し、各タイバー7が可動型盤3の挿通孔を突き通り、固定側金型4と可動側金型5が当接した時、タイバー固定手段11がタイバー7を可動型盤3に固定するようになっている。8は射出シリンダである。
【0031】
型閉後、型締シリンダ2aにより型締めされ、射出シリンダ8より溶融樹脂がキャビティ9内に射出される。その後、金型接触面の樹脂が固化した時点で、コアバック装置20が寸開作動して固定側金型4,可動側金型5を開き、キャビティ9内の樹脂圧を降下させて溶融樹脂が発泡膨張する。可動型盤3に単数又は複数の型内圧センサ29が取付けられ、可動側金型5を貫通してキャビティ9内の樹脂圧を検出することができる。この型内圧センサ29は、キャビティ9内の発泡圧力を把握するために設けたものの、発泡圧力を把握する必要がない場合は、設けなくても支障ない。コアバック装置20は、図1、図2、図3に示すように、固定型盤2、可動型盤3の4角に4組設置される。
【0032】
コアバック装置20の具体的な構造を、図3及びそのA部拡大図である図4によって説明する。コアバック装置20は、ボールねじナット13と、ボールねじナット13と螺合してボールねじナット13を進退動作させる動作軸部材12のボールねじ軸と、動作軸部材12を駆動する駆動機構48(減速機付サーボモータ)と、ボールねじナット13が前進により当接するストッパー部材18と、ボールねじナット13とストッパー部材18が当接後に、ボールねじナット13とストッパー部材18を連結する連結装置70を備えている。
【0033】
ボールねじ軸である動作軸部材12は、図3に示すように、可動型盤3に固設された取付け部材49に取付けられた図示しない多重のボールベアリングによってラジアル方向は自由に、スラスト方向を拘束して支えられている。ストッパー部材18は固定型盤2に固設された支持板47に取付けられる。
【0034】
図4及び図6に示すように、ボールねじナット13の端部には、割りナット部材17に嵌めるテーパー面15aを有するテーパーフランジ15が設けられている。図3に示す駆動機構48(減速機付サーボモータ)が図1に示す制御装置30の指令により回転速度と停止位置を制御しながら動作軸部材12を回転駆動するとき、ボールねじナット13が軸方向に移動する。ボールねじナット13は、図7及び図8に示す回り止めバー19により回転を抑えられている。
【0035】
動作軸部材12にはボールねじナット13が螺合され、ボールねじナット13は可動型盤3に取付けられた回り止めバー19により回り止めされているので、動作軸部材12が回転駆動されるとボールねじナット13は回転方向を拘束された状態で動作軸部材12の軸方向に移動することができる。型締が行われたときに、ボールねじの回転は、図5に示すようにボールねじナット13の端面に取付けられたテーパーフランジ15の端面が丁度ストッパー部材18の端面に当るように制御される。
【0036】
本実施形態では進退動作部材をボールねじナット13として示したが、進退動作部材をボールねじナット13ではなく、ボールねじ軸としてもよい。この場合、ボールねじナット13は型開閉方向に固定で、且つ回転自由に支持されるように型盤側に固定され、ボールねじ軸は回転方向に固定で、型開閉方向に移動自由に支持される必要がある。
【0037】
連結装置70は、図4に示すように、ボールねじナット13に固設したナットフランジ14と、割りナット部材17と、ナットフランジ14の側面の突き出し部材14aと、該突き出し部材14aに対称に取り付けられ割りナット部材17を上下に開閉する一対のエアシリンダ16を備えている。本実施形態では連結装置70はボールねじナット13に固設した例を示したが、連結装置70をボールねじナット13ではなくストッパー部材18側に備えても良い。
【0038】
ストッパー部材18の端部にもテーパーフランジ15のテーパー面15aに相対するテーパーフランジ18aが形成されており、動作軸部材12とストッパー部材18が当接し、連結装置70が連結作用を行ったとき、図6に示すように、動作軸部材のテーパーフランジ15のテーパー面15aとストッパー部材18のテーパーフランジ18aが割りナット部材17に挟まれて、クサビ効果により型開閉方向に隙間無く連結されるようになっている。このとき割りナット部材17を上下に開閉するエアシリンダは、リンクを用いて1つのエアシリンダで、上下の割りナット部材17を開閉する構造としてもよい。
【0039】
型締め、発泡膨張のための可動型盤3の移動等を行う油圧系統について説明する。図1において、型締シリンダ2aの油圧制御回路は、制御装置30、油圧ポンプ26、油圧ポンプ26から送り出される作動油の油圧を高圧、低圧の2段階に切り換え可能な電磁比例制御リリーフ弁27、各型締シリンダ2aへの作動油を型締用油室2bと型開用油室2cと切換えることができるロジック弁28と油タンク25とで構成される。
【0040】
型締シリンダ2aはタイバー7を進退させるためのラム6により型開用油室2cと型締用油室2bに仕切られており、更に型開用油室2cと型締用油室2bを連通させるバイパス油圧配管33,36と、バイパス油圧配管33,36上に型開用油室2cと型締用油室2bを連通/非連通を切換えるロジック弁28を備え、型締め時は型開用油室2cと型締用油室2bを非連通とし、コアバック動作中はロジック弁28を開いて型開用油室2cと型締用油室2bと油タンク25を連通できるように構成してある。
【0041】
射出発泡成形機における型締め、および樹脂射出充填後のコアバック動作と金型内の成形品の発泡膨張工程を説明する。
型締時には型盤開閉手段40により型閉した後、タイバー固定手段11によりタイバー7を可動型盤3に固定し、型盤開閉手段40は可動型盤3に対してフリー状態を保ち、ロジック弁28を型開用油室2cと型締用油室2bを非連通に切換え、油圧ポンプ26と電磁比例制御リリーフ弁27により発生させた高圧油を4個の油圧シリンダに送って型締めする。
【0042】
型締め直前あるいは型締め中あるいは型締め後、コアバック装置20の動作軸部材12を駆動して、ボールねじナット13を前進させ、ボールねじナット端面のテーパーフランジ15を固定型盤2に固設されたストッパー部材18の端面に当てる。このときテーパーフランジ15端面がストッパー部材18の端面に当接する位置を制御プログラムに記憶してあれば、その位置に止めておけば良い。あるいは、型締めによる金型圧縮に伴う固定型盤2と可動型盤3の距離の縮小時に、コアバック装置が共に圧縮され、コアバック装置に過大な負荷が発生しないように、あるいは位置精度に狂いが生じないように、テーパーフランジ15端面がストッパー部材18の端面に当接する位置から、型締時の金型圧縮量程度、テーパーフランジ15の端面を予め後退させた状態で待機させてもよい。
【0043】
この状態で溶融樹脂をキャビティ9内に射出する。射出後、キャビティ9の内面に接する溶融樹脂表面が固化した時点で以下に説明するような発泡寸開膨張行程が行われる。
上記の手順にてテーパーフランジ15の端面を予め後退させた場合は、型締め終了後の金型の圧縮が復元した後に、テーパーフランジ15の端面がストッパー部材18の端面に当接するように、端面を前進させてテーパーフランジ15端面がストッパー部材18の端面に当接させた後、そうでない場合は、射出前あるいは射出中あるいは射出後であり、且つテーパーフランジ15とストッパー部材18が当接した状態で、連結装置70のエアシリンダ16を前進させて割りナット部材17を閉め、動作軸部材のテーパーフランジ15のテーパー面15aとストッパー部材のテーパーフランジ18aが割りナット部材17のテーパー面に挟まれて型開閉方向に隙間無く連結する。
【0044】
この後、コアバック作動が行われる。制御装置30に内蔵されたコアバック専用プログラムは、4組のコアバック装置20の寸開制御の停止目標位置を設定し、各コアバック装置20のコアバック速度と停止位置を独立に制御する。このとき、4組のコアバック装置20はそれぞれ制御装置30により独立に制御されても、又は、同期制御されてもどちらでもよい。また発泡成形品の形状によっては、故意に発泡後の成形品肉厚に差を持たせる、或いは、成形品部位による固化速度に差に対応して発泡状態を均一化するために、寸開の速度や停止位置を均等にしないで、計算又は実測の結果より、各コアバック装置20毎に、停止目標位置を独立に設定してもよい。
【0045】
キャビティ9内の樹脂が発泡膨張し、可動側金型5に型開方向に発泡力Fpがかかる。樹脂の発泡膨張時に、発泡力Fpとコアバックの力Fcを加えた力Fp+Fcによって可動型盤3を型開方向に移動する。この可動型盤3の移動とともにタイバー固定手段11によって可動型盤3に一端を固定されているタイバー7も型開方向に移動する。タイバー7のもう一方の一端に一体となっているラム6が型締シリンダ2a内を移動する際に、型締シリンダ2aの型締用油室2bに背圧を生じる。この型締用油室2bの圧油はFp+Fcとバランスをとるように、徐々に抜き、抜けた圧油の分量だけ、ラム6、タイバー7は金型の開側に移動する。
【0046】
この型締用油室2bの背圧がコアバックを安定して制御するためのバックアップ力となるが、型締用油室2bの背圧が大きいと、この背圧に対向するコアバック装置20の駆動力を大きくしなければならないので、電磁比例制御リリーフ弁27を操作して油圧配管35に流入する作動油圧を低圧に切換え、ロジック弁28を操作して油圧配管37の作動油を型開用油室2cに通じるバイパス油圧配管36に供給することにより、ラム6が型開方向に移動するにともなう型開用油室2cが拡大するに伴い発生する型開用油室2c内の負圧を減じ、ラム6の動作抵抗を減らすことによって必要コアバック力を縮減することができる。これによりコアバック装置20を小型にしてコスト減を図ることができる。
また、型締用油室2bの背圧は、Fp+Fcとバランスをとるように、徐々に抜くのではなく、コアバック動作の安定制御のために、積極的に一定圧力値に制御してもよい。
【0047】
キャビティ9内の樹脂が発泡し、コアバック装置20の圧力による移動量が発泡樹脂の厚さ(金型寸開量)が所定寸法になる値に到達したら、コアバック装置20を停止する。このとき、成形品の高外観(高表面転写性)を得るためには、キャビティ内壁に成形品表面が押し付けられた状態を維持できるように、樹脂の膨張力(発泡圧力)が残った状態で金型の間隔を保持し、樹脂を固化させることが好ましい。
【0048】
薄肉の成形品の場合、コアバック移動量は小さいが、可動側金型5の移動速度は樹脂の発泡膨張速度を超えないように制御することが好ましい。型内圧センサ29によりキャビティ9内の樹脂圧を計測して、この樹脂圧がマイナスにならぬように、可動側金型5の移動速度、即ち、コアバック装置20の前進速度を樹脂圧が一定値になるようにフィードバック制御しても良いし、樹脂の発泡膨張速度を予め計算、又は、実測して求めておき、その速度より低い速度になるように制御しても良い。
【0049】
可動型盤3と固定型盤2を型締めしたとき、コアバック装置20の連結装置70を作動させて動作軸部材12に螺合しているボールねじナット13のテーパーフランジ15とストッパー部材18を隙間無く連結することにより、可動型盤3がコアバック装置20から離れないので、可動側金型5(可動型盤3)のオーバーランを防止し、あるいは必要によっては可動型盤3を引き戻すことにより、コアバック装置20の作動と寸開距離を精度良く目標の位置に制御することが容易となり、可動型盤3の位置制御精度および成形品の肉厚精度を向上させることができる。
【0050】
更には、ボールねじナット13のテーパーフランジ15とストッパー部材18の連結動作は、割りナット部材17の最内径位置がテーパーフランジ15、およびストッパー部材18の当接部の最外径位置よりも微少量外側の位置から、テーパー面同士が押し当てられる位置までエアシリンダを小ストローク前進させるだけで良く、且つ連結解放動作は、連結動作とは逆に、割りナット部材17の最内径位置がテーパーフランジ15、およびストッパー部材18の当接部の最外径位置よりも微少量外側に至る程度までエアシリンダを小ストローク後退させるだけでよいので、連結装置の動作時間が短く、成形サイクルを短縮でき、生産性を向上できる。
【0051】
また本実施例ではコアバック装置を固定型盤2、可動型盤3の4隅に4組設置した例を示したが、型盤開閉手段40をコアバック装置と兼用できる場合は、型盤の中心軸に対し型盤開閉手段40の設置されている位置と反対側に本発明のコアバック装置20を2組設置してもよいし、型盤の上下あるいは左右の中心線に対し型盤開閉手段40の設置されている位置と反対側に本発明のコアバック装置20を2組設置してもよい。またこの場合、型盤開閉手段は電動モータ駆動でなく、油圧駆動(例えば油圧シリンダ)であっても支障ない。
【0052】
またコアバック動作が停止し、連結装置70により可動型盤3の動作を規制し、可動型盤3を停止させようとしても、可動型盤3が停止せずに、動作慣性などにより可動型盤3が移動を続けた場合で、連結装置70に過度な引っ張り応力が発生し連結装置70が破損してしまう虞がある場合は、連結装置70の強度上、発生応力の許容応力を超えないように、何らかの応力リミッタを設けることが好ましい。
【0053】
[第2の実施の形態]
本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、コアバック装置20の動作軸部材12とストッパー部材18とを連結する連結装置70の構成であり、それ以外の構成は同じであり、作用も完全に同じであるので共通部分については説明を省くことにする。
【0054】
第2の実施の形態を図に基づいて説明する。図9は図1の射出発泡成形機に取付けた第2の実施形態のコアバック装置の配置を示す上面図、図10は図9のコアバック装置のD部拡大図、図11は図10のE方向矢視図、図12は図9のコアバック装置の動作軸部材が移動してストッパー部材に当接した状態を示す側面図、図13は図9のコアバック装置の動作軸部材とストッパー部材が連結された状態を示す側面図である。
【0055】
図において、コアバック装置50の第1の実施の形態と同じ可動型盤3に取付け部材49を介して固設されたボールねじ軸である動作軸部材12に、第1の実施の形態と同じボールねじナット13が螺合し、ボールねじナット13に複数の雌ねじ51aを形成したナットフランジ51が固設されている。このとき複数の雌ねじ51aは、同一円周上でも、上下でも、左右でも、ボールねじナット13の中心軸を挟むように設けることが好ましい。特にボールねじナット13の中心軸に対し対象に設けることが更に好ましい。ボールねじナット13、ナットフランジ51は取付け部材49に固設された回り止めバー19により回転を抑えられている。
【0056】
ストッパー部材52は固定型盤2に支持板47を介して固設されており、ストッパー部材52に固設されたフランジ52b、52cにねじバー53が回転自由に支持されている。ねじバー53はナットフランジ51のナットの雌ねじ51aに対向した位置に設置され、同雌ねじ51aに螺合可能な雄ねじ53aが形成されている。ねじバー53は直結したモータ54により回転駆動することができる。このとき、ねじバー53は、プーリーや歯車を介してモータ54と連結させてもよい。モータ54はねじバー53と同時に進退移動するが回り止め板55により回転方向を抑制される。このとき、ねじバー53をプーリーや歯車を介してモータ54と連結した場合は、ねじバー53のみ進退移動させる構造としても良い。ねじバー53にはフランジ53bが設けられ、ねじバー53は外周に設けられた圧縮ばね61により動作軸部材12の方向に押されている。
【0057】
コアバック装置50の動作について説明する。射出発泡成形機における型締め時、動作軸部材12のボールねじを制御して、ボールねじナット13を前進させ、ボールねじナット13の端部に設けられたナットフランジ51をストッパー部材52の端面に当接させる。ねじバー53はナットフランジ51に押され圧縮ばね61は縮み、ねじバー53の先端に押力がかかる。この状態でモータ54が回転駆動すれば、ねじバー53の雄ねじ53aがナットフランジ51のナットの雌ねじ51aにねじ込まれ、動作軸部材12とストッパー部材52は連結される。
【0058】
図示しないが、本実施形態とは異なる構造として、このコアバック装置50は、ねじバー53をナットフランジ51に固設し、ストッパー部材52側に雌ねじ51aを回転自由に支持し、雌ねじ51aを駆動するモータ54とともに設置しても良いし、あるいは、ナットフランジ51側にねじバー53を回転自由に支持し、ねじバー53を回転駆動するモータ54とともに設置し、雌ねじ51aをストッパー部材52に固設しても良い。
【0059】
発泡射出成形工程におけるコアバック装置50の動作については第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
【0060】
[第3の実施の形態]
本実施の形態が第1及び第2の実施の形態と異なる点は、コアバック装置20の動作軸部材12とストッパー部材18とを連結する連結装置70の構成であり、それ以外の構成は同じで、作用も完全に同じであるので共通部分については説明を省くことにする。
【0061】
第3の実施の形態を図に基づいて説明する。図14は図1の射出発泡成形機に取付けた第3の実施形態のコアバック装置の配置を示す上面図、図15は図14のコアバック装置のF部拡大図、図16は図15のG方向矢視図、図17は図15のコアバック装置の動作軸部材が移動してストッパー部材に当接した状態を示す側面図、図18は図17のH方向矢視図である。
【0062】
図において、コアバック装置60は、第1の実施の形態と同じ可動型盤3に取付け部材49を介して固設された動作軸部材12であるボールねじ軸に、第1の実施の形態と同じボールねじナット13が螺合し、ボールねじナット13に固設した磁性体製のフランジ63と、環状の電磁石65を取付けた電磁石フランジ64aを設けたストッパー部材64と、電磁石65を励起する電流をON、OFFしてフランジ63と電磁石フランジ64aを連結する図示しない電源と制御装置とよりなり、ボールねじナット13、フランジ63は取付け部材49に固設された回り止めバー19により回転を抑えられている。
【0063】
コアバック装置60は、射出発泡成形機における型締め時、動作軸部材12のボールねじ軸を回転駆動させてボールねじナット13を前進させて、ボールねじナット13の端部に設けられたフランジ63の端面63aをストッパー部材64の電磁石フランジ64aに当接させた後に、電磁石65に電流を通して動作軸部材12とストッパー部材64を磁力連結する。
【0064】
このとき、コアバック装置60の動作軸部材12のボールねじナット13に環状の電磁石65を取付け、ストッパー部材64の端部を磁性体製のフランジとした構成としても同様の連結手段が得られる。
【0065】
発泡射出成形工程におけるコアバック装置60の動作については第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
【符号の説明】
【0066】
1 基盤
2 固定型盤
2a 型締シリンダ
2b 型締用油室
2c 型開用油室
3 可動型盤
4 固定側金型
5 可動側金型
6 ラム
7 タイバー
8 射出シリンダ
9 キャビティ
11 タイバー固定手段
12 動作軸部材
13 ボールねじナット(進退動作部材)
14,51 ナットフランジ
14a 突き出し部材
15 テーパーフランジ
15a テーパー面
16 エアシリンダ
17 割りナット部材
18 ストッパー部材
18a テーパーフランジ
19 回り止めバー
20,50,60 コアバック装置
22 ボールねじ軸
23 ボールねじナット
25 油タンク
26 油圧ポンプ
27 電磁比例制御リリーフ弁
28 ロジック弁
29 型内圧センサ
30 制御装置
33 バイパス油圧配管
35 油圧配管
36 バイパス油圧配管
37 油圧配管
40 型盤開閉手段
41 支持台
42 支持台
43 コグベルト
44 大コグベルトプーリー
45 小コグベルトプーリー
46 サーボモータ
47 支持板
48 駆動機構
49 取付け部材
52 ストッパー部材
52b フランジ
52c フランジ
53 ねじバー
53b フランジ
54 モータ
55 回り止め板
61 圧縮ばね
63 フランジ
63a 端面
64 ストッパー部材
64a 電磁石フランジ
65 電磁石
70 連結装置
Fc コアバックの力
Fp 発泡力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動型盤と、固定型盤と、両型盤の4隅に型締め用の油圧シリンダと、該油圧シリンダにより型締駆動されるタイバーと、可動型盤を固定型盤から離間する方向に移動させるコアバック装置と、該コアバック装置による前記可動型盤の移動速度、停止位置を制御する制御装置と、を備えた射出発泡成形機であって、
前記コアバック装置が、進退動作部材と、該進退動作部材を型開閉方向に進退動作させる進退駆動部材と、前記進退動作部材が前進して当接するストッパー部材と、前記進退動作部材と前記ストッパー部材が当接後に、前記進退動作部材と前記ストッパー部材を連結する連結装置と、を備えたコアバック装置であり、
前記進退動作部材と前記進退駆動部材は、前記可動型盤又は前記固定型盤のいずれか一方の型盤に固定され、前記ストッパー部材はもう一方の型盤に固定されていることを特徴とする射出発泡成形機。
【請求項2】
請求項1に記載する射出発泡成形機において、前記コアバック装置の前記連結装置が、前記ストッパー部材側に備えられたことを特徴とする射出発泡成形機。
【請求項3】
請求項1に記載する射出発泡成形機において、前記コアバック装置の前記連結装置が、前記進退動作部材側に備えられたことを特徴とする射出発泡成形機。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載する射出発泡成形機において、前記コアバック装置の前記連結装置が割りナット部材と該割りナット部材を開閉する割りナット部材開閉駆動装置を備えたことを特徴とする射出発泡成形機。
【請求項5】
請求項4に記載する射出発泡成形機において、前記コアバック装置の前記進退動作部材および前記ストッパー部材のそれぞれの当接部にフランジ形状を備え、当該フランジ部の前記進退動作部材および前記ストッパー部材のそれぞれの当接面の反対側面に傾斜を設け、前記割りナット部材の内側面に前記進退動作部材および前記ストッパー部材のフランジ部の前記傾斜と対応する傾斜を設けたことを特徴とする射出発泡成形機。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載する射出発泡成形機において、前記進退動作部材が端部に雌ねじを形成したナット部材を備えた進退動作部材であり、前記ストッパー部材側に備えられた前記連結装置が、端部に前記ナット部材の雌ねじ形状と対応する雄ねじを有し回転自由に支持されたねじ部材と、該ねじ部材を回転駆動するねじ回転駆動装置を備え、前記ねじ部材の回転により前記進退動作部材と前記ストッパー部材を螺合連結する連結装置であることを特徴とする射出発泡成形機。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載する射出発泡成形機において、前記進退動作部材が端部に雄ねじ部材を設けた進退動作部材であり、前記ストッパー部材側に備えられた前記連結装置が、端部に前記進退動作部材の雄ねじ部材と対応する雌ねじを形成し、該雌ねじを回転自由に支持したナット部材と、前記ナット部材を回転駆動するナット回転駆動装置とを備え、前記ナット部材の回転により前記進退動作部材と前記ストッパー部材を螺合連結する連結装置であることを特徴とする射出発泡成形機。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載する射出発泡成形機において、前記コアバック装置が前記進退動作部材の端部に磁性体製のフランジを備えと、前記ストッパー部材の端部に環状の電磁石を取付けた電磁石フランジを設けたストッパー部材とを備え、適時に前記電磁石に電流を通して前記進退動作部材と前記ストッパー部材を磁力連結するコアバック装置であることを特徴とする射出発泡成形機。
【請求項9】
請求項1または請求項3に記載する射出発泡成形機において、前記コアバック装置が前記進退動作部材の端部に環状の電磁石を取付けた電磁石フランジを備え、前記ストッパー部材の端部に磁性体製のフランジを備え、適時に前記電磁石に電流を通して前記進退動作部材と前記ストッパー部材を磁力連結するコアバック装置であることを特徴とする射出発泡成形機。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載する射出発泡成形機を用いた射出発泡成形方法であって、
前記型締め用の前記油圧シリンダで型締駆動される前記タイバーにより前記可動型盤と前記固定型盤を型締めし、可動側金型と固定側金型とで形成されたキャビティ内に発泡性樹脂を射出して発泡成形を行うとき、前記コアバック装置の前記進退動作部材を前進させて前記ストッパー部材に当接させるステップと、前記コアバック装置の前記連結装置を作動させて前記進退動作部材と前記ストッパー部材を隙間無く連結するステップと、前記進退動作部材を更に前進させて前記可動型盤を前記固定型盤から離間する方向に所定距離移動させて金型を開くステップと、前記コアバック装置の前記連結装置を作動させて前記進退動作部材と前記ストッパー部材の連結を解くステップと、を含むことを特徴とする射出発泡成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−86382(P2012−86382A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232596(P2010−232596)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(505139458)三菱重工プラスチックテクノロジー株式会社 (50)
【Fターム(参考)】