説明

導波路を備えた装置、方法、およびシステム

【課題】集積光学にレーザインスライダ光供給を効果的に行うための装置を提供する。
【解決手段】光源202は入力面に結合され、光源からの光を導波路205のコア層206に、および導波路の伝搬長さの一部に沿ってコア層の横に配置される屈折率分布型材料層216に、向ける。光は光源から入力面に放射される。これに対応して、屈折率分布型材料層は光を少なくとも伝搬長さの部分に沿ってコア層に向ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
背景
本発明は、熱補助型磁気記録(HAMR)のような用途に用いられる光学コンポーネントに関する。
【背景技術】
【0002】
HAMR装置は、超常磁性効果を解消することができる磁気記録媒体(たとえばハードディスクドライブ)を用いるが、この超常磁性効果は一般的な磁気媒体の面積上のデータ密度を制限してしまう。このような媒体に記録するためには、媒体の小さな部分を局所的に加熱しながら磁気書込ヘッドによって書込を行わなければならない。レーザのようなコヒーレント光源は、これらホットスポットを作成するためのエネルギを供給することができ、たとえば書込ヘッドを収納するスライダに組込まれている光学コンポーネントは、このエネルギを媒体に照射するよう構成されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
ここに記載されているさまざまな実施例は、熱補助型磁気記録ヘッドの近接場トランスデューサ用の選択された導波モードにおいて光の提供を容易にする方法、システム、および装置に向けられている。一実施例において、装置の導波路は、導波路の伝搬長さに沿って延在するコア層を含む。コア層の少なくとも一部を囲んで、クラッド層が伝搬長さに沿って設けられている。屈折率分布型材料層は、伝搬長さの一部に沿ってコア層の横に配置され、光は入力面を介して導波路に放射される。屈折率分布型材料層は、入力面からの光を少なくとも伝搬長さの部分に沿ってコア層に向けるよう構成されている。
【0004】
別の実施例において、方法は光源を入力面に結合するステップを含み、光源からの光は、a)導波路のコア層に、およびb)導波路の伝搬長さの一部に沿って、コア層の横に配置される屈折率分布型材料層に、向けられる。光は光源から入力面に放射され、屈折率分布型材料層は光を少なくとも伝搬長さの部分に沿ってコア層に向ける。
【0005】
上記およびその他の特徴ならびにさまざまな実施例の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面に照らして理解される。
【0006】
説明は以下の図面を参照し、同じ参照符号は複数の図面において同様の/同じコンポーネントを示すために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】例示的実施例に係る、ハードドライブ装置の斜視図である。
【図2A】例示的実施例に係る、ディスクドライブスライダの光源、導波路、および結合層の断面図である。
【図2B】例示的実施例に係る積層結合層の構成の斜視図である。
【図3A】例示的実施例に係るGRIN結合層および導波路の断面図である。
【図3B】例示的実施例に係るGRIN結合層および導波路の断面図である。
【図4】図3Bの断面形状の図3Aに示されるような、GRIN結合層に関連する電界の演算された振幅プロフィルを示す図である。
【図5A】例示的実施例に係るさらなるスライダ集積光学コンポーネントの簡略図である。
【図5B】例示的実施例に係るさらなるスライダ集積光学コンポーネントの簡略図である。
【図6A】別の例示的実施例に係るレーザインスライダ光供給システムのレイアウトを示す斜視図である。
【図6B】別の例示的実施例に係るレーザインスライダ光供給システムのレイアウトを示す上面図である。
【図7】例示的実施例に係るプロシージャを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
熱補助型磁気記録(HAMR)において、情報ビットは上昇した温度で記憶層に記録されている。記憶層の加熱領域は一部の構成において、記録密度を決定する。たとえば、加熱領域の大きさは装置の潜在的データ記憶密度に反比例し得る。たとえば、加熱領域が小さければ小さいほど、潜在的データ記憶密度は大きくなる。したがって、このような装置は小さな媒体領域を加熱するために電磁エネルギを提供する機能を含むことができ、できるだけエネルギ損失を抑えて行われるよう努める。
【0009】
小さい限定されたホットスポットを得る1つの方法は、ハードドライブスライダの空気ベアリング面近くにある、たとえばプラズモン光学アンテナまたはアパチャのような光学近接場トランスデューサ(NFT)を用いることである。光は光源(たとえばレーザダイオード)から、異なる屈折率を有するコアおよびクラッドからなるスライダに組込まれた光導波路に放射される。導波路は、コアおよびクラッドのそれぞれの屈折率間に高い対比を含み得る。導波路に伝搬される光は、たとえば平面固体浸没鏡(PSIM)のような光学的集光エレメントに向けられ、エネルギを光学NFTに集束させる。他の方法として、導波路を直接光学NFTに結合することができる。これらの方法で直面する問題の1つは、如何に光を低いコストで、優れたアライメント許容差および高い光供給効率で、スライダに統合された導波路に放射するかである。
【0010】
NFTおよびPSIMは、スライダと一体的に形成される集積光学装置であり得る。集積光学の分野は、基板上の光学装置の構造に関連し、場合によっては電子コンポーネントとの組合せに関連し、機能的システムまたはサブシステムをもたらす。たとえば、光は、層堆積技術を用いて基板上に作成された導波路を介してコンポーネント間で伝達することができる。これらの導波路は材料の層として形成でき、中間の層はコアとして屈折率n1を有し、上面および底面の層はクラッドとして屈折率n2およびn3を有する。n2=n3、n1>n2、およびn1>n3のような構成において、光は光ファイバと同様に導波路を通って伝搬され得る。他の光学コンポーネントも、上記のNFTおよびPSIMを含めて、同様の態様で形成することができる。
【0011】
HAMRスライダにおいて、記録処理の際に媒体を熱するための光エネルギを供給する目的のために、光はこれら集積光学コンポーネントに放射される。光をスライダに放射する1つの方法は、フリースペースからであり、これは自由空間光供給と呼ばれる、スライダに製造された回折格子結合器による。別の方法は、レーザダイオードのようなレーザ光源をスライダに配置することであり、これはレーザインスライダ光供給と呼ばれる。自由空間光供給アセンブリは大量生産するには高価である。それに対して、レーザインスライダ光供給はウェハレベルで集積することができ、大量生産により適すると一般に考えられる。
【0012】
本開示は、集積光学にレーザインスライダ光供給を効果的に行うための装置および技術に立脚している。このような装置において、一般に光はレーザダイオードのような光源から出力される。光源はスライダと別に製造される電気光学装置であり得る。装置は製造の際、ボンディング操作によってスライダに結合され、これによりレーザを電源投入する電気的接続をもたらし、さらにレーザをスライダの光学コンポーネントに光学的に結合する。
【0013】
このようなアセンブリにおける1つの問題は、光源の出力を集積光学コンポーネントと効率的に結合することである。たとえば、レーザダイオードのような商業的に入手可能な光源は、光を媒体に供給するために、スライダによって運ぶのに必要な導波路には理想的に適さないビームプロフィルを有するかもしれない。以下でより詳細に説明されるように、このような記録装置は、記録媒体を熱するためにスライダを通って光を供給するために用いられるチャネルまたは平面導波路に適するプロフィルに光を集束させ得るスライダ統合カプラを用いることができる。
【0014】
ここに記載される技術は、たとえば図1に示されるハードドライブ装置100のような磁気データ記憶装置の読出/書込ヘッドで用いることができる。装置100は一般に、スピンドル軸110を中心として回転する少なくとも1つの磁気ディスク102を含む。装置100はさらにアーム104を含み、その端にはトランスデューサヘッド106が取付けられ、これはディスク102から読出すまたは書込む際に、ディスクの表面上に位置付けられる。アーム104はアクチュエータ108によって駆動されて、ディスク102の半径方向に移動する。アーム104の移動により、トランスデューサヘッド106はディスク102上に位置付けられて、ディスク102上のトラックから読出すまたは書込む。この種のハードドライブは、複数のアーム104および積み上げられた構造で配置されるディスク106を含むことができ、さらにディスク102の両面に対して読出す/書込む読出/書込ヘッドを含むことができる。
【0015】
トランスデューサヘッド106(「スライダ」とも呼ばれる)は、磁気読出および書込ヘッドの両方を含むことができる。読出ヘッドは、変動する磁場、たとえば符号化された磁気媒体と読出ヘッドとの間の相対的な動きによって引起される磁束の方向の変化を検出することによって動作する。読出ヘッドは磁束変化を、媒体に記憶されているデータを表わす電気アナログ信号に変換する。書込ヘッドは書込ポールを囲む導体を通って送られる電流に応答して動作し、書込ポールの先端に磁場を生成する。この磁場はディスク102の表面に局所的にある局所磁場の配向を変え、それによりデータがディスク102に持続的に記憶される。
【0016】
上記のように、HAMR記録装置は、書込処理の際、ディスク102上に電磁エネルギを集める。スライダ106は、図2Aに示されるように、向上したレーザインスライダ光供給を有し得る。レーザ202は、スライダ106の基板204上に取付けられる。レーザ202は光を端面から平面導波路205に送り、導波路205は少なくともコア206およびクラッド層208、210を含む。軸によって示されるように、光はX方向に伝搬され、導波路の面はX−Y面に平行である。
【0017】
熱補助型磁気記録のためのきっちりと限定されたモードを得るために、コア層206は高い屈折率の誘電材料、たとえばTa、TiO、SiN、SiC、および/またはZnSを用いる。クラッド層208および210も誘電体であるが、A1、SiO、および/またはMgFのように、より低い屈折率を有する。導波路205はレーザ202からの光を、記録媒体を熱するために、NFTおよび/または他の光学コンポーネントに送るために用いることができる。
【0018】
コア206とクラッド層208、210との間の屈折率の対比が高い205のような導波路は、レーザ202および導波路205のそれぞれのプロフィル212および214によって示されるように、レーザダイオード202から出る光のビームプロフィルとは必ずしも一致しない。光を有効に結合するために、TiSiO、SiON、および/またはZnS−SiOのような低い屈折率のさらなるコア層216を用いることができる。ここで示されるように、層216はコア層206の伝搬長さ(X方向)に沿って部分的にしか延在しない。層216はコア層206の伝搬長さ全体に沿って延在することもできる。たとえば、層216の焦点距離は導波路205の端から端までの長さにあるまたはこれに近い。
【0019】
HAMRの用途で現在用いられる導波路では、クラッド層208、210にはAl23が望ましく、さらにコア層206にはTa25を用いることが望ましい。このAl23の屈折率はn=1.64であり、Ta25の屈折率はn=2.10である。この場合、さらなるコア層216はn=1.70の屈折率を有することが望ましいかもしれない。しかし、n=1.70の誘電材料は一般にない。その結果、本開示の一局面は、所望の有効な屈折率を有する材料の代わりとなる、コア層216をマルチレイヤとして形成することに関連する。
【0020】
一実施例において、コア層216は、図2Bに示されるように、多層構造によって形成することができる。コア層216のこの部分は、2つ以上の材料220および222の周期的に積層されるスラブから形成される。この周期的構造の単体セルは、異なる比誘電率ε1およびε2を有する材料からなる、厚さd1およびd2の薄片によって形成される。各層の厚さが光の波長よりもはるかに小さければ、スラブは有効な異方性メタ材料であると考えることができ、その誘電率εは以下の式[1]によって与えられ、ここでεx = εy = (c1 ε1 + c2ε2) およびεz = ε1 ε2/ (c2 ε1 + c1 ε2)であり、係数はc1 = d1 / (d1+ d2) およびc2= d2 / (d1 + d2)である。
【0021】
【数1】

【0022】
材料層220および222の一方の屈折率がn=1.70より大きく、他方がn=1.70よりも小さければ、d1およびd1を選択することにより、実効屈折率n=1.70を得ることができる。一例として、酸化イットリウムYは高い屈折率n1=1.78を有する層として選択することができ、アルミナAlは低い屈折率n2=1.64の層として選択することができる。横電場導波モード(光がしばしば端面発光レーザ源から送られるモード)では、電場は導波面に対して平行である。このような場合、多層neffの実効屈折率は以下の式[2]によって与えられる。
【0023】
【数2】

【0024】
上記の例のようにY23およびAl23層を用いると、d1=40nmおよびd=60nmならば、neff=1.697である。層216において均質材料層の代わりにこの積層された材料の格子を用いても、レーザダイオード202を配置する際の結合効率または許容差は低下しないことが、数値モデリングで示されている。したがって、層216は、寸法d1およびd2を変えることにより、および/または目標の実効屈折率よりも高いおよび低い屈折率をそれぞれ有する層220および222として材料を選択することにより、広範囲の実効屈折率を有して作成することができる。
【0025】
本発明の別の実施例において、層216の実効屈折率は、導波路205の1つ以上の方向に沿って変動させることができる。一例として、結合層は屈折率分布型(GRIN)材から作成することができ、図3Aに一例が示されている。光源(図示されていない)は端面306を介して、導波路コア302およびGRIN結合層304に光を放射する。導波路コア302は囲んでいるクラッド層308、310に対して高い屈折率の比を有する。
【0026】
広い強度プロフィルを有する入力光は、結合層304のGRIN材を通って、導波路302内に効率的に結合される。GRIN材の屈折率は徐々に変わる。この変動は屈折率プロフィル曲線312によって示される。この構成において、x−y面に対して平行であるGRIN層304の断面は、実質的に均質な屈折率を示し得る。このような場合、断面の屈折率は、その断面がどのz場所にあるかに応じて、互いに異なり得る。
【0027】
この例では、GRIN層304の屈折率は、導波路コア302近くで最も高く、クラッド層308で最も低い。一実施例において、層304のGRIN層は、GRIN/コアインターフェイスにおいてコア層302と同じ屈折率、およびGRIN/クラッドインターフェイスにおいてクラッド層308と同じ屈折率を有する。GRIN材は双曲線、放物線、対数、直線など、如何なる形の屈折率プロフィル312を有することができる。GRIN層は、入力面306から特定の長さ314で先が切取られてもよい。この長さ314は、層304の焦点距離に対応する。
【0028】
GRIN層304は高い屈折率および低い屈折率を有する2つの誘電物質の同時堆積および/またはゾーンスパッタリングによって製造することができる。GRIN層304は2つの誘電物質の代替の層単位の堆積によっても製造することができる。これは図2Bに示される層216と同様であるが、z方向において層寸法d1および/またはd2が変動する。各層の厚さは、積層が所望の屈折率プロフィル(たとえば双曲線または放物線)にほぼ従うように選択される。
【0029】
図3Aの結合部は1つのGRIN層部304を含むが、図3Bに示されるように、2つ以上の層を用いることにより、同様の効果を得ることができる。一般に、光は2つのGRIN層324および325ならびにコア層322を含み得る面326を通して送られる。図示されるGRIN層324、324は実質的に対称、すなわち同じ厚さおよび長さ334、335ならびに鏡像プロフィル332、333を有する。しかし、層324、324が非対称であるよう、これらまたは他のパラメータを変えることによって利点があり得る。GRINプロフィル332、333は図3Aのプロフィル312と異なる。図3Aでは、屈折率の最も大きい変化は、GRIN/クラッドインターフェイス近くで起こるのに対して、図3Bでは屈折率の最も大きい変化は、GRIN/コアインターフェイス近くで起こる。
【0030】
図4を参照して、振幅プロフィル400は、例示的実施例に係るGRINカプラの数値的モデリングの結果を示す。このモデルでは、Al23がクラッド層として用いられ、Ta25が厚さ120nmのコア層として用いられ、一般にコアは図4において領域404に対応する。屈折率(n)はAl23に対してn=1.6としてモデリングされ、Ta25に対してn=2.09としてモデリングされた。入射ビームはガウスプロフィルを有すると見なされ、ビーム直径は1.387μmであり、光波長λ=830nmである。これらの特性は、既知の端面発光ダイオードレーザからの出力をシミュレーションする。
【0031】
GRIN材は10層のスタックとしてシミュレーションされ、各層の厚さは150nmである。各層の屈折率n(z)は均一であり、n(z) = n0 sech(α z)によって定められる。n0はTa25コア層の屈折率(nO=2.09)と同じに選択され、α=0.4897μm-1である。変数zはGRIN/コア層のインターフェイスからGRIN層への距離である。GRIN結合セグメント(一般に図4において領域402に対応)はx方向に3.6μmであり、z方向に1.5μm厚さである。プロフィル400は、GRIN層を伝搬する光であって、部分404においてTa205導波路に結合される光の演算的予測を示す。結合効率はこの例では82%である。
【0032】
光源、カプラおよび導波路は、電磁エネルギを記録媒体に送る光学システムのほんの一部である。図5Aにおいて、例示的実施例に係る、レーザインスライダ光供給システムの簡略レイアウトが示される。本実施例では、光を結合するために平面GRINレンズ502と、集光のための放物面固体浸没鏡(PSIM)504を用いる。端面発光ダイオードレーザ(EEL)または表面発光レーザ(SEL)506から出る光は分岐される。x−z面の光は平面GRINカプラによって平面導波路に結合され、図3Aに示されるように、その後導波路内に閉じ込められる。x−y面に伝搬する光は、軸外し放物面鏡508によって平行となり、次にPSIM504によって(たとえば、NFTへ)集光されて、回折限界光スポットを作成する。一部の構成では、光源506の大きさは、それが取付けられるスライダと比べて大きくてもよい。この場合は、光エネルギを所望の場所、たとえばスライダの書込トランスデューサに隣接した場所に送るために、光をより遠回りの経路を通す必要があるかもしれない。これは光源とPSIM/NFTとの間に付加的鏡を用いることを伴うかもしれない。このようなレイアウトの例示的実施例は図5Bに示される。
【0033】
図5Bにおいて、レーザインスライダ光供給システムはグリッドで示され、x−y面のコンポーネント寸法が一般に示される。光源522(たとえば、EEL)は光をGRINレンズ524に送り、これは放物面コリメータ525によって平行にされる。EEL522の長さは500μmであり、磁気スライダは770μm×230μmである。光はPSIM530に経路付けられることが意図され、PSIM530は負のx方向においてスライダのエッジから約400μmの場所にある。PSIM530のx場所は、EEL522、GRINレンズ524およびコリメータ525の合わせられた長さよりも小さいので、さらなる鏡526および528を用いて光ビームをPSIM530に経路付ける。鏡は真っ直ぐおよび/または湾曲してもよい。
【0034】
図6Aおよび図6Bを参照して、それぞれの斜視図および上面図は、例示的実施例に係るレーザインスライダ光供給システムの別のレイアウトを示す。光源602はEELまたはSEL装置を含むことができる。光源602は結合されて光を導波路テーパ604および平面GRINレンズ606に送る。テーパ604およびレンズ606は、光源602からの光を結合して三次元チャネル導波路608に送り、光をスライダの別の場所に届ける。テーパ604の形状は(図示されているように)線形、または放物曲線のような曲線に従ってもよい。GRINレンズ606は、x−y面に投影されたテーパの形に従う、またはx−y面に投影された他の断面形状(たとえば矩形)を有し得る。
【0035】
図7を参照して、フロー図はレーザをスライダ集積光学に供給するためのプロシージャ702が示される。このプロシージャは、光源を入力面に結合すること704に係わり、光源からの光をa)導波路のコア層に、およびb)導波路の伝搬長さの一部に沿って、コア層の横に配置される屈折率分布型材料層に向けられる。光は光源から放射706されて入力面に送られ、屈折率分布型材料層は光を少なくとも伝搬長さの部分に沿ってコア層に向ける。プロシージャ702はさらに、任意にコア層からの光を熱補助型磁気記録ヘッドの近接場トランスデューサに向けることに係わる。
【0036】
例示的実施例の説明は、図示および説明のために提示されている。本発明を開示された内容そのままにまたは限定することは意図されない。多くの変形および変更は上の教示に照らして可能である。開示された実施例のいずれかまたはすべての特徴は個々にまたは組合せて与えることができ、限定する意図はなく、図示だけのためにある。本発明の範囲は、詳細な説明に限定されるのではなく、添付の請求項に合わせて定められる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
導波路を備え、導波路は
導波路の伝搬長さに沿って延在するコア層と、
伝搬長さに沿って、コア層の少なくとも一部を囲むクラッド層と、
伝搬長さの一部に沿ってコア層の横に配置される屈折率分布型材料層とを含み、光が入力面を介して導波路に放射され、屈折率分布型材料層は入力面からの光を少なくとも伝搬長さの部分に沿ってコア層に向けるよう構成されている、装置。
【請求項2】
屈折率分布型材料は、コア層およびクラッド層のそれぞれの屈折率間にある実効屈折率の範囲を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
屈折率分布型材料層は、異なる屈折率の第1および第2の材料の多層スラブを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
屈折率分布型材料層は、双曲線形状の屈折率プロフィルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
屈折率分布型材料層は、放物線形状の屈折率プロフィルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
屈折率分布型材料層およびコア層の少なくとも一部は平坦であり、屈折率分布型層は、屈折率分布型材料層の面に平行な断面に沿って均質な屈折率を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
コア層の部分は、面上にテーパ状の断面形状を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
導波路は、コア層からの光を、熱補助型磁気記録ヘッドの近接場トランスデューサに与えるよう構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
光は端面発光レーザダイオードおよび面発光レーザダイオードの少なくとも一方から導波路に放射される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
方法であって、
光源を入力面に結合するステップを備え、光源からの光をa)導波路のコア層に、およびb)導波路の伝搬長さの一部に沿って、コア層の横に配置される屈折率分布型材料層に向け、さらに
光源からの光を入力面に放射し、屈折率分布型材料層は光を少なくとも伝搬長さの部分に沿って、コア層に向けるステップを備える、方法。
【請求項11】
屈折率分布型材料層は、異なる屈折率の第1および第2の材料の多層スラブを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
屈折率分布型材料層は、双曲線形状の屈折率プロフィルと放物線形状の屈折率プロフィルの少なくとも一方を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
コア層からの光を熱補助型磁気記録ヘッドの近接場トランスデューサに向けるステップをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
光源を入力面に結合するステップは、端面発光レーザダイオードおよび面発光レーザダイオードの少なくとも一方の出力を入力面に結合することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
システムであって、
レーザと、
レーザに結合される熱補助型磁気記録スライダとを備え、スライダは
導波路の伝搬長さに沿って延在するコア層および伝搬長さに沿ってコア層の少なくとも一部を囲むクラッド層を有する導波路と、
伝搬長さの一部に沿って、コア層の横に配置される屈折率分布型材料層と、
レーザからコア層および屈折率分布型材料層に放射される光を受ける入力面とを含み、屈折率分布型材料層は、導波路を伝搬するのに適する異なるプロフィルにレーザのビームプロフィルを適合するよう構成されている、システム。
【請求項16】
屈折率分布型材料層および導波路のコア層の少なくとも一部は平坦であり、屈折率分布型層は、屈折率分布型材料層の面に平行な断面に沿って均質な屈折率を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
少なくともコア層は、面上にテーパ状の断面形状を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
面に平行であり、かつ導波路のコア層からの光を受取るよう結合されている平面コリメータをさらに備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
コリメータからの光を受取り、磁気媒体を熱するために集光するよう結合される固体浸没鏡をさらに備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
レーザは端面発光レーザダイオードおよび面発光レーザダイオードの少なくとも一方を含む、請求項16に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−58300(P2013−58300A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−198536(P2012−198536)
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【出願人】(500373758)シーゲイト テクノロジー エルエルシー (278)
【Fターム(参考)】