導電体検出センサ
【課題】金属ワイヤを埋めこんだシート状部材の切断面から飛び出した金属線等の導電体を簡便に正確に、しかも安いコストで検出する方法を提供する。
【解決手段】導電体検出センサヘッドに複数の電線を等間隔に巻き付け、隣接する複数の電線間に電圧をかける。通常状態では電流は流れないが、金属線等の導電体が電線間に接触すると電流が流れて飛び出し導電体の存在を検出する。平坦面である導電体検出センサのセンサヘッド底面をシート状部材の切断面上に接触させること、および/またはシート状部材切断面の前方・後方のコンベアベルトに接触させることにより、シート状部材の切断面からの飛び出しワイヤを検出する。検出センサヘッド面に形成した溝に電線を入れて巻くことにより、電線同士の接触や交差を防止できる。
【解決手段】導電体検出センサヘッドに複数の電線を等間隔に巻き付け、隣接する複数の電線間に電圧をかける。通常状態では電流は流れないが、金属線等の導電体が電線間に接触すると電流が流れて飛び出し導電体の存在を検出する。平坦面である導電体検出センサのセンサヘッド底面をシート状部材の切断面上に接触させること、および/またはシート状部材切断面の前方・後方のコンベアベルトに接触させることにより、シート状部材の切断面からの飛び出しワイヤを検出する。検出センサヘッド面に形成した溝に電線を入れて巻くことにより、電線同士の接触や交差を防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属線等の導電体を埋めこんだシート状部材の切断面から飛び出した導電体を検出するセンサとその検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤ用ゴム(ベルト)シートは、タイヤの製造初期段階では内部にスチールコード等の金属線が一定の角度で互いに平行に多数本埋設されている連続した帯状のシート状部材である。タイヤ製造の後段階において、このゴムシートを一定長で裁断し、裁断したゴムシートを成形ドラムに巻き付けてジョイントする。この定長裁断は、たとえば埋設されたスチールコードに沿ってリングカッター等で切断する。しかし、埋設スチールコードのウエーブや角度変化が大きいと、裁断後、切断面にスチールコードが露出したり飛び出したりする。極端な場合には、飛び出したスチールワイヤがゴムシートの上面に乗り上げたりする。
【0003】
図10はゴムシートをコンベアベルトで移動させて裁断した状態を示す模式図である。図10(a)は平面図で、ゴムシート103を載せたコンベア装置101を上方から見た図であり、図10(b)はその側面図で、ゴムシート103を載せたコンベア装置101を横方向から切断面104S、104Bが直線になるように見た図である。ゴムシート103は長い帯状の帯状ゴムシートでコンベア装置101のコンベアベルト102で運ばれてきて、リングカッターで裁断される。帯状のゴムシート103は通常スチールコードに沿って裁断されるので、裁断後のゴムシート104は図10(a)に示すように平行四辺形状である。すなわち、ゴムシート104の切断面104Sおよび104Bはゴムシート104の長手方向に対して一定角度で傾いている。
【0004】
ゴムシート103の切断時に埋設したスチールコード(金属線、或いは金属線に限らない導電性部材を総称してワイヤ或いは導電線或いは導電体とも言う)にカッターが接触してワイヤを切ったり引きちぎったりして、図10に示すように、ワイヤ106や107が露出して飛び出したりする場合がある。その飛び出し程度が大きければ、図10(b)に示すように、飛び出したワイヤ106が切断面近傍のゴムシート104上面に回り込んだり、或いは、飛び出したワイヤ107が切断面の横方向(ゴムシートの移動方向の前方または後方)に伸びたりする。(飛び出したワイヤを飛び出しワイヤとも述べる。)
【0005】
このような切断面からワイヤが露出したゴムシート(たとえば104のような)を成形ドラムに巻き付けてジョイントすると、他のゴム部材とスチールコードが直接触れたり、スチールコードとスチールコードとが重なったりして、使用中にセパレーションを発生する恐れがある。極端な場合には、自動車の走行中にバーストを起こす可能性もある。
【0006】
これらの問題を解決するためには、切断したゴムシートから金属線が飛び出しているかどうかを成形ドラムで裁断ゴムシートをジョイントする前に検出することが重要である。このような露出した金属線を検出する装置として、特許文献1にて提案されているものが使用されている。この検出装置においては、櫛歯型の2枚の電極板を平行にして、ゴムシート状部材に接触させる。この電極板を接触させながら、ベルトコンベアに搭載されたゴムシートを移動させる。図11は、特許文献1に示された従来の導電体検出センサを説明する図であるが、露出した金属線があれば、図11に示すように、2枚の電極板124aおよび124bに金属線122が接触するので、電圧を印加された電極板が露出した金属線により短絡して電流が流れる。この結果、金属線122が露出しているかどうかを検出することができる。尚、図11において、電極版124aおよび124bは絶縁板125により絶縁されているので、通常は電流が流れない。また、正常なゴムシート120では金属線122は絶縁性部材121に埋設されている。
【0007】
しかし、上記の櫛歯状電極は構造や形状が複雑でありその制作に多大の時間とコストがかかる。しかも、特許文献1に提案されている方法では、移動しているゴムシートに櫛歯状電極を接触させるか、或いは櫛歯状電極がゴムシート上を移動するために、ゴムシートに付着したゴミや樹脂カスが付着して導通性が悪くなり、露出した金属線があっても検出しない場合がある。従って、定期的にしかも頻繁に櫛歯状電極をクリーニングする必要があり、メンテナンスコストがかかる。また、接触性を上げるためには櫛歯状電極を大きな力で押し付ける必要があるため、ゴムシートに傷がついたり、或いは櫛歯の先端が曲がったりして、センサたる櫛歯状電極が損傷したりするため、センサの交換頻度が大きいという問題もある。さらに、露出した金属線が櫛歯に巻きついて、検出装置を破壊したり、ゴムシートを破損したりするという問題も発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平2−228547
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、制作費用が少なく、しかも簡単に制作することができる金属線等の導電体検出装置(センサ)を提供し、しかも上記問題点を解決し、寿命の長いセンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
複数の導電性電線を平行に等間隔で絶縁体であるセンサ本体(センサヘッド)に巻き付けたセンサを用いて、ゴムシートの切断面から飛び出した導電体(以下、ワイヤと呼ぶ)の有無を検出する。センサに巻き付いた複数の電線には電圧を印加しておくが、通常状態では複数の電線間は接続していないので電気は流れない。ゴムシートの切断面近傍の上面にこのセンサを接触させるか、近づける。ワイヤが上面側に飛び出していれば、ワイヤがセンサの複数の電線間に接触するので、これらの電線間に電気が流れる。また、このセンサをゴムシート切断面の端面側のコンベアベルトに接触させるか、近づける。ワイヤが切断面の横側に飛び出していれば、ワイヤがセンサの複数の電線間に接触するので、これらの電線間に電気が流れる。
【発明の効果】
【0011】
通常は複数の電線間には電気が流れないので、複数の電線間の電流または抵抗をモニターすれば、飛び出しワイヤが存在するかどうかを検出できる。
接触法という単純な直接的方法により飛び出しワイヤを検出しているので、感度も高く誤検出が少ない。絶縁体の周りに複数の電線を等間隔に巻き付けるだけの簡単なセンサなので、製作が容易である。構成部材も少なく汎用的な材料を使用できる。従って製造コストが非常に安い。また、単に接触するだけなので、部材の消耗は少なく、ゴミやかすなどの付着も少ない。しかも飛び出しワイヤ、ゴムシートやコンベアベルトに接触するのは主には電線だけであり、センサ本体(センサヘッド)は殆ど消耗しないので半永久的に使用できる。図10で示した方法では飛び出しワイヤのセンサへの巻き付けも懸念されるが、そのような心配は殆どなく、それによるセンサの破壊もない。電線が使用できなくなれば、交換するだけで良く、交換時間も短く交換コストも少ない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明のセンサの導電体検出原理を説明する図である。
【図3】図3は、溝を形成した本発明のセンサを説明する図である。
【図4】図4は、本発明の導電体検出センサを取り付けたベルトコンベアを上方から見た平面図である。
【図5】図5は、本発明の導電体検出センサを取り付けたベルトコンベアの立面図である。
【図6】図6は、本発明のセンサを用いてゴムシートから飛び出したワイヤを検出する動作方法を説明する図である。
【図7】図7は、本発明のセンサを用いてゴムシートから飛び出したワイヤを検出する動作方法を説明する図である。
【図8】図8は、電線を斜めに巻き付けたセンサのセンサヘッド底面を示す図である。
【図9】図9は、本発明の円柱型のセンサおよびその動作を示す図である。
【図10】図10は、ゴムシートをコンベアベルトで移動させて裁断した状態を示す模式図である。
【図11】図11は、従来の導電体検出センサを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明のセンサの実施形態を示す図であり、斜視図で示している、センサ10は、センサヘッド11、導電性電線12、13、端子電極14、15および検出回路などから構成されている。図1に示す実施形態のセンサヘッド形状は横長の直方体形状であり、図1において、正面側のセンサヘッド面11aはゴムシートへの接触側の面である。この面は通常下側になっているので、センサヘッド底面と呼ぶ。横長の直方体形状のセンサヘッド11の周りに2本の電線12(太い実践で示す)および13(太い破線で示す)が略平行にほぼ等間隔で巻かれている。すなわち、2本の電線はセンサヘッド底面11aにおいてセンサヘッドの長手方向に対して一定角度αをもって略平行に巻きつけられている。(尚、図1においては、見やすくするために、巻かれた電線は途中までしか記載していないが、実際には飛び出しワイヤの検出に必要な領域のセンサヘッド11全体に巻かれている。)尚、本明細書において記載しているシート状部材は板状の部材であり、シートの表面は絶縁性を有する。また、タイヤ用ゴムシートのように曲げることが可能な柔軟さを有するものもあれば、曲げることが困難なものも含まれる。また、タイヤ用を考慮してゴムという用語を用いているが、より一般的に高分子材料(ポリマー)すなわち、樹脂でも良く、ゴムを樹脂と置き換えても良い。さらに、樹脂に限らず、セラミック、金属酸化物や木材でも本発明に適用できる。
【0014】
2本の電線の両端は、センサヘッドの横側面11bおよび11cに取り付けた端子電極に接続されている。すなわち、電線12の両端は側面11bの端子電極14bおよび側面11cの端子電極14cに接続する。電線13もその両端は側面11bの端子電極15bおよび側面11cの端子電極15cに接続する。端子電極14と端子電極15との間には検出回路が構成されていて、2本の電線間に金属線等の導電体が接触すればそれを検出できるようになっている。たとえば、図1に示すように端子電極14cと端子電極15cとの間に電圧(Vで示す)が印加されている。通常は電線12と13の間には電流が流れないが、導電体が2本の電線12と13の両方にどこかで接触すれば、電線12と13の間に電流が流れるので、その電流を検出する(図1にAで示す)ことにより導電体が接触したかどうかを検出できる。
【0015】
上記より明白ではあるが、センサヘッドは絶縁材料で作製される。たとえば、ナイロン、アクリル、ポリカーボネート、PETやシリコーン樹脂などの絶縁性高分子樹脂、セラミックである。導電性材料に絶縁体を被覆したものでも良い。電線は導電性材料であり、表面が導電性であれば良いので、絶縁体に導電体を被覆したものでも良い。もちろん、導電体に金属をめっきしたものでも良い。
【0016】
センサヘッド底面11aは平坦な面であり、センサヘッド底面全体がゴムシートやコンベアベルトに均等に接触するようになっている。(実際に接触するのは、センサヘッド底面に巻かれた2本の電線であり、電線の厚み(直径)も全体に均一であることが望ましい。電線の断面は通常円形であるから、電線の厚みは電線の直径である。)図1に示すセンサヘッドは直方体形状であるが、ゴムシートへの接触側の面(センサヘッド底面)が平坦であれば、ゴムシートへ接触しない面の方は平坦でなくても良い。たとえば、断面が円柱形などの曲面であっても良い。たとえば、センサヘッドが円柱形を縦方向(円形面と垂直方向)に切断した形状(切断された面は平坦面である)でも良い。また、センサヘッドが三角柱や多角柱であっても良い。(この場合は、1つの側面(平坦面)がゴムシートへの接触側の面となる。)また、図1においては電線を2本にしているが、2本である必要はなく、3本でもそれ以上でも良い。すなわち、複数本の電線を使用することができる。その場合、複数本の電線を巻いていくが、互いに接触しないようにする必要がある。特に隣接する電線は接触したり交差したりしないようにして、通常は電線間に電流が流れないようにしなければならない。尚、コンベアベルトやゴムシートは絶縁体なので、センサの電線が接触しても隣接する電線間に電流が流れることはない。
【0017】
図2はゴムシートへの接触側の面であるセンサヘッド底面11aを示す図であり、本発明のセンサの導電体検出原理を示す図である。図2において、2本の電線12および13の巻き線の状態および導電体(以下ワイヤと呼ぶ)19と電線との接触状態が良く分かるように示されている。2本の電線は角度αをもってセンサヘッド面11aに巻きついている。電線12は、12-1が一回りして12-2、次に12-3、さらに12-4へとつながっている。また、電線13は、13-1が一回りして13-2、次に13-3、さらに13-4へとつながっている。2本の電線12および13はどの部分においても交差したり接触したりしていない。
【0018】
2本の電線12および13の厚み(直径)をそれぞれxおよびy、2本の電線12および13の間隔をzとすれば、2本の電線12および13のピッチpは(x+y)/2+zとなる。すなわち、2本の電線12および13はセンサヘッド底面11aにおいてピッチpをもって巻かれている。ピッチpはセンサヘッド底面11aの全体で等しいことが望ましいが、2本の電線12および13が途中で交差または接触しなければ、通常状態では2本の電線12および13間に電流が流れないので、ピッチpは多少変動しても良い。つまり、略平行に複数の電線を巻くということは、ピッチpを多少変動しながらも、すなわちほぼ等間隔に(略等間隔に)、複数の電線が交差または接触しないで複数の電線を巻くということである。ただし、ピッチpの変動が大きいと飛び出しワイヤの長さに対する接触率の変動が大きくなるので、検出感度が悪くなる。
【0019】
このセンサヘッド底面11aにワイヤが接触し、電線12および13のどこかに接触した場合を考える。たとえば、図2に示すように、電線13-1、12-2および13-2にワイヤ19が接触すると、電線13-1と12-2、および電線12-2と13-2がワイヤ19で短絡しているので、電線12と13との間に電流が流れて、ワイヤ19の存在を検知できる。
【0020】
図2に示すセンサヘッド底面11aにおいて、下辺(センサヘッド長手方向側面11f側)または上辺(センサヘッド長手方向側面11d側)の電線12および13の距離(電線12の中心と電線13の中心との距離)をrとするとp=rsinαの関係がある。0度<α<90度であるが、この式から分かるようにαを小さくして電線をより傾けて巻くとピッチpを小さくすることができる。従って、非常に短いワイヤでも検出できるようになる。ただし、センサヘッドの長手方向長さは有限(ゴムシートの切断面の長さより少し長い程度が最適である)なので、αの下限が存在するから、ピッチpの下限がある。また、2本の電線12および13の距離rを小さくすることによっても、より短いワイヤの検出が可能である。
【0021】
しかし、ピッチpを余り小さくすると隣同士の接触する可能性も大きくなるので、2本の電線が交差したり接触したりしないような間隔は必要となる。zを非常に小さくする方法として電線12および13の周囲を絶縁物で被覆する方法が有効である。この場合には、被覆した2本の電線を互いに接触させて平行に巻いていけば良いので、被覆絶縁物の厚み(電線2本の被覆絶縁物の厚みの和となる)がzとなる。尚、このような被覆電線を使用する場合には、センサヘッド底面に巻いた電線のゴムシートとの接触面側の絶縁物を除去する必要があることは言うまでもない。
【0022】
電線が巻かれるセンサヘッドの面(たとえば、センサヘッド底面11a)が平坦な場合は、巻かれた電線がすべったり或いはゆるんだりしてピッチpが変動する場合がある。pが変動すると検出効率が変化(低下)する。極端な場合には隣接する電線が接触したり交差したりする。接触や交差すると2本の電線間に常に電気が流れるのでセンサとして機能しない。これらを防止する方法として、センサヘッド11の面(たとえば、センサヘッド底面11a)において電線を巻きつける部分に沿って溝を作っておき、その溝に電線を入れてセンサヘッドに巻き付ければ、電線が動くことが少なくなり、検出の信頼性を向上させることができる。
【0023】
図3は、溝を形成した本発明のセンサを説明する図であり、図3(a)は図1で示したセンサの側面図である。(センサヘッド底面11aが下になり、側面11d側から見ている。)センサヘッド底面11aは平坦なので、電線12および13は、センサヘッド底面11a(ゴムシートと接触する側)からそれぞれの厚み(直径)xおよびyだけ飛び出している。センサヘッド底面11a(正確には、電線12および13)はゴムシートやコンベアベルトに接触したり、ワイヤの接触性を検出したりするので、同じ高さになっていること、すなわちxおよびyは等しいことが望ましい。また、2本の電線12および13の材質は導電性があれば異なっていても良いが、材料の消耗度や扱い安さなどから同じ材料であることが望ましい。図2(a)のセンサヘッドの側面11dにおいては、電線12および13はセンサヘッド11の長手方向に対してほぼ直角に巻いているが、これは電線ができるだけ滑らずに動かないようにするためである。尚、余り動かなければセンサヘッド側面についても斜めに巻いても良い。反対の側面11fやセンサヘッド底面11aの反対面(上面)11eについても同様である。
【0024】
図3(b)はセンサヘッド底面11aに溝16および17を形成し、その溝16および17に電線12および13をそれぞれ入れ込んで巻き付けた場合を示している。溝16および17の溝深さをそれぞれhおよびkとすれば、電線12はセンサヘッド底面11aからx−hだけ頭を出していて、電線13はセンサヘッド底面11aからy−kだけ頭を出している。ワイヤの接触状態を検出するので、電線12および13はセンサヘッド底面11aより頭を出している必要があるので、x>h、y>kである。電線12および13の(頭の)高さはそろっていることが望ましいので、x=yでかつh=kであることが好適である。製造する面からも同じ深さの溝を形成する方が容易である。尚、上記は溝の底に電線が接触している場合について説明しているが、溝の幅が電線の幅より小さい場合には電線を溝にて巻いても溝の底に電線が接触しない場合もある。この場合には上述の関係が成り立たない場合もある。このような場合においても電線の断面が略円形形状であれば、電線の下方の一部が溝に入って電線をある程度固定できる。しかし、電線を溝の底に接触させた方が電線の固定は確実になるので、電線を溝の底に接触できる程度の溝幅を取った方がより好適である。
【0025】
図3(b)においては、溝はセンサヘッド底面11aのみに形成しているが、センサヘッドの他の面(側面11dおよび11f、上面11e)にも溝を作製しても良い。このような溝に電線をはめることにより、電線の動きを抑えることができる。尚、センサヘッド底面11a以外の溝の深さは、電線の厚み(直径)より大きくても良い。すなわち、センサヘッド底面11a以外に巻かれた電線ではワイヤの接触を検出しないからである。逆に言えば、誤って電線に種々の導電材料に接触する場合をなくすためには、センサヘッド底面11a以外の溝の深さは、電線の厚みより大きくして、電線の頭がそれぞれの面の外側に出ないようにした方が望ましい。
【0026】
図3(c)は、センサヘッド底面11aに溝16および17を形成して、その溝に電線12および13を入れて巻き付けた状態を示す図である。溝16および溝17はセンサヘッドの長手方向に対して角度βを有して傾けて形成している。この斜めの溝に電線を入れてセンサヘッド11に巻き付けていく。すなわち、電線12を溝16に入れて巻いていく。同様に電線13を溝17に入れて巻いていく。電線が溝の底に接触させる場合は、溝幅を電線幅よりも少し大きくしておくと電線を確実に溝へ入れて容易に巻くことができる。(ここで記載した電線幅とは、電線の最大幅(直径)と必ずしも一致するわけではなく、電線が溝の側面に接触した場合の接触幅の最大値を言う。)また、この場合、溝の内部で電線が少し動く可能性もあるが、溝側面により横方向の動きは規制されているので、電線が交差したり接触したりすることはない。ただし、溝幅は必要以上に大きく形成しない方が良いことは言うまでもない。
【0027】
図3(b)では溝の形状をその断面が長方形上として記載しているが、電線の底部が溝に接触する場合においても種々の形状にすることができる。たとえば、台形形状や側面が多角形状や側面および/または底面が曲面形状の溝にすることもできる。また、溝形状を電線の形状に合わせて電線がぴったりと嵌まるような形状、たとえば、電線の断面形状が円形であれば、それに適合した断面が円形形状の溝にしても良い。電線の底部が溝に接触しない場合にも種々の形状を有する溝にすることができる。たとえば、断面が三角形状にすることもできる。この場合は、簡単に溝を形成できるという利点がある。
【0028】
図3(a)においては、電線の配置を分かりやすく説明するため1側面だけ示しており奥側は記載していないので、センサヘッド底面11aの奥側の電線は記載されていない。そこで、電線の位置関係を説明する。2本の電線12および13がセンサヘッド11の周囲に平行に巻き付けられている。センサヘッドの横側面11bの電極端子14bに電線12の一方の端が接続し、センサヘッドの長手方向側面11f(11dの反対面)を通りセンサヘッド上面11eを伝いA21につながる。A21はセンサヘッドの長手方向側面11dを伝いA11につながる。A11はセンサヘッド底面11aを伝い、さらに11fおよび11eを伝ってA22につながる。A22はセンサヘッドの長手方向側面11dを伝いA12につながる。これを繰り返して電線12はセンサヘッドの面を伝って巻かれていき、電線12の他方の端がセンサヘッドの側面11cの電極端子14cに接続される。
【0029】
電線13についても同様に、センサヘッドの横側面11bの電極端子15bに電線13の一方の端が接続し、センサヘッドの長手方向側面11f(11dの反対面)を通りセンサヘッド上面11eを伝いB21につながる。B21はセンサヘッドの長手方向側面11dを伝いB11につながる。B11はセンサヘッド底面11aを伝い、さらに11fおよび11eを伝ってB22につながる。B22はセンサヘッドの長手方向側面11dを伝いB12につながる。これを繰り返して電線13はセンサヘッドの面を伝って巻かれていき、電線13の他方の端がセンサヘッドの側面11cの電極端子15cに接続される。
【0030】
センサヘッド底面11aに溝を形成しない場合でも、センサヘッド底面11a以外の他の面11d、11e、11fの一部または全部に溝を形成するだけでも、電線の横方向ずれをかなり防止することができ、電線の接触や交差に対して有効である。センサヘッド底面11aに巻き付けられた電線は高さがそろっていた方が飛び出しワイヤの検出には好適である。従って、センサヘッド底面11aに溝を形成する場合には、溝の大きさをできるだけそろえた方が良いので、溝の製作に注意が必要である。これに対して、センサヘッド底面11a以外の他の面に形成する溝は余り精度は必要ない。従って、センサヘッド底面11aに溝を形成せず、他の面に溝を形成することは、電線の横方向ずれを抑えながら、センサを簡便に作製できるというメリットがある。
【0031】
このように電線12および13はセンサヘッド11の各面に密着しながらほぼ平行に巻き付けられていくので、互いに交差したり接触したりすることはなく、電極端子14(14bおよび/または14c)と電極端子15(15bおよび/または15c)の間に電圧を印加しても電流が流れることはない。図3(b)や図3(c)に示すように、センサヘッド底面やセンサヘッドの他の面に溝を形成して電線をはめこめば、電線の位置を固定し動きを抑えられるので、2本の電線が互いに交差したり接触したりする可能性は殆どなくなる。
【0032】
次に本発明のセンサを用いて、飛び出しワイヤの検出方法について説明する。
図4は本発明の導電体検出センサを取り付けたベルトコンベアを上方から見た模式図(平面図)である。ゴムシート22が矢印Wの方向へコンベアベルト21によって運ばれ、カッター搭載機28に取り付けられたカッター(図示せず)によって切断線25のように切断され、平行四辺形状のゴムシート23が作製される。ゴムシート22および23はその1平坦面がコンベアベルト21に固定されている(たとえば、コンベアベルトに取り付けられた磁石によってゴムシートが付着している)ので、切断されてもその位置は変化しないし、運搬中にもゴムシートの位置ずれはないか、あっても小さい。カッター搭載機28にはセンサ取り付けアーム29が取り付けられている、このアーム29にセンサ昇降用シリンダ27が配置され、このシリンダ27に本発明の導電体検出センサ26が取り付けられており、ゴムシートの切断面のワイヤ飛び出し状態を検出する。導電体検出センサ26はゴムシートの切断面23Sおよび23B全体を一挙に検出できるように、切断面方向に細長い直方体形状をしていて切断面全体をカバーできるようになっている。
【0033】
図5(a)および(b)は、図4に示す本発明の導電体検出センサを取り付けたベルトコンベアの正面図(立面図)である。図5(a)は導電体検出センサ26の長手方向を正面から見た図である。また、図5(a)は切断されたゴムシート23の切断面23Sまたは23Bを正面から見た図でもあり、ゴムシート23の先端側(ゴムシート23の移動方向前方側)切断面23Sまたは後端側(ゴムシート23の移動方向後方側)切断面23Bに沿ってセンサ26が配置されている。図5(b)は導電体検出センサ26の側面、すなわち導電体検出センサ26の長手方向と直角方向を正面から見た図である。また、図5(b)は切断されたゴムシート23の切断面23Sまたは23Bの垂直方向を正面から見た図でもあり、ゴムシート23の後端側切断面23Bの上方にセンサ26が配置されている。
【0034】
センサ26はセンサ昇降シリンダ27により上下に移動できるようになっていて、センサ26がゴムシート23の切断面(23Sまたは23B)上においてゴムシート23の上面に接触するか接近するかして、切断面23から飛び出てゴムシート23の上面に乗り上げたワイヤを検出できる。また、センサ26が、切断面(23Sまたは23B)の前方または後方においてコンベアベルト21の上面に接触して、切断面(23
Sまたは23B)から横方向へ飛び出たワイヤを検出できる。
【0035】
図6および図7は、本発明のセンサを用いてゴムシートから飛び出したワイヤを検出する動作方法を示す図である。その方法の基本は、ゴムシートの切断面エッジ上にセンサヘッド底面を接触させてワイヤを検出すること、およびゴムシートの切断面近傍のコンベアベルト上にセンサヘッドを接触させてワイヤを検出することである。図6は、切断されたゴムシート23の切断面のエッジ上にセンサヘッド底面を接触させてワイヤを検出する場合の状態を示す図である。図7は、ゴムシートの切断面近傍のコンベアベルト上にセンサヘッドを接触させてワイヤを検出する場合の状態を示す図である。
【0036】
図6(a)は平面図であり、位置関係が分かるように透視して描いている。センサ26はゴムシート切断面23Sまたは23Bのエッジとほぼ平行になっており、そのエッジ全体およびエッジ近傍のゴムシート上面にセンサヘッド底面が接触するように配置される。このようにすることによって、1回の接触動作により、ゴムシート切断面から飛び出してゴムシート上面に飛び出したワイヤの有無が検出可能となる。図6(a)においては説明のために、ゴムシート23の先端側の切断面23Sおよびゴムシート23の後端側の切断面23Bの両方においてセンサ26を配置しているが、通常は1つのセンサで検出動作を行う。
【0037】
図6(b)はセンサ26の側面側から見た図である。コンベアベルト21に乗せられた切断ゴムシート23の切断面のエッジ上およびエッジ近傍のゴムシート23上面にセンサ26が接触している。図6(b)から、ゴムシート切断面から飛び出してゴムシート上面に飛び出したワイヤがあれば、そのワイヤはセンサ26の底面に接触するので、上述した本発明の検出原理から飛び出しワイヤを検出できることが良く分かる。図6(b)においても説明のために、ゴムシート23の先端側の切断面23Sおよびゴムシート23の後端側の切断面23Bの両方においてセンサ26を配置しているが、通常は1つのセンサで検出動作を行う。図6(b)では、ゴムシートの切断面23Sや23Bから横方向に飛び出したワイヤ30を模式的に示しているが、このような飛び出しワイヤは、図6に示す方法では検出できないが、次の図7に示す方法により検出可能となる。
【0038】
図7(a)は平面図であり、センサ26はゴムシート切断面エッジとほぼ平行になっており、ゴムシート切断面23Sの前方近傍のコンベアベルト上またはゴムシート切断面23Bの後方近傍のコンベアベルト上にセンサ底面が接触するように配置される。このようにすることによって、1回の接触動作により、ゴムシート切断面23Sまたは23Bから横方向に飛び出したワイヤの有無が検出可能となる。図6(a)においては説明のために、ゴムシート23の先端側切断面23Sおよびゴムシート23の後端側切断面23Bの両方においてセンサ26を配置しているが、通常は1つのセンサで検出動作を行う。
【0039】
図7(b)はセンサ26の側面側から見た図である。コンベアベルト21に乗せられた切断ゴムシート23の切断面の横側(切断面23Sの前方近傍または切断面23Bの後方近傍)において、コンベアベルト21上にセンサ26が接触している。図7(b)から、ゴムシート切断面からゴムシート横方向に飛び出したワイヤがあれば、そのワイヤはセンサ26の底面に接触するので、上述した本発明の検出原理から飛び出しワイヤを検出できることが良く分かる。図7(b)においても説明のために、ゴムシート23の先端側の切断面23Sおよびゴムシート23の後端側の切断面23Bの両方においてセンサ26を配置しているが、通常は1つのセンサで検出動作を行う。図7(b)では、ゴムシートの切断面23Sや23Bから横方向に飛び出してゴムシート上面に乗り上げたワイヤ31を模式的に示しているが、このような飛び出しワイヤは、図7に示す方法では検出できないが、上述の図6に示した方法により検出可能である。
【0040】
図7(a)は平面図であり、センサ26はゴムシート切断面とほぼ平行に切断面前方の近傍全体または切断面後方の近傍全体のコンベアベルト上に乗るように配置される。このようにすることによって、1回の接触動作により、ゴムシート切断面から横方向に飛び出したワイヤの有無を検出することができる。
【0041】
図7(b)から分かるように、センサ26をゴムシート切断面23Sまたは23Bにできるだけ近づけることにより、短い飛び出しワイヤでも検出できるようになる。このためにセンサ切断面の位置を検出するセンサを設けたり、センサ26の移動を精密に行ったりすることも効果がある。さらに、コンベアベルトの移動を精密に行い、ゴムシート23の位置を正確にコントロールすることも重要である。
【0042】
尚、センサ26はゴムシート23やコンベアベルト21に完全に接触させずに、できるだけ接近させる(たとえば、ワイヤの厚み分程度まで)ことによっても飛び出しワイヤを検出することができる。
【0043】
次に本発明のセンサを用いた検出動作の一例に関して図4を参照して説明する。
(1)コンベアベルト21で運ばれてきたゴムシート22をカッター等で切断した後、切断されたゴムシート22をコンベアベルト21で送り、ゴムシート22の先端側切断面22S(切断後の切断ゴムシート23の先端側切断面23Sに相当)の前方で、センサ26を下降させてコンベアベルト21に接触させる。これにより、ゴムシート22の先端側切断面22Sから横方向(前方)側に飛び出したワイヤの有無を判定する。また、この時に、切断面22の位置決めを行い、センサ26を下降させることより、センサ26をより切断面22Sに接近させることができ、より正確にコンベアベルト21に接触させるか接近させることができる。
【0044】
(2)次にセンサ26を上昇させて、コンベアベルト21によりゴムシート22を少し送った後、センサ26を下降させ、ゴムシート22の先端側切断面22Sのエッジを含むゴムシート22上面に接触させるか接近させる。これにより、ゴムシート22の先端側切断面22Sから飛び出してゴムシート22の上面に回り込んだワイヤの有無を判定する。この時、図6に示すように、ゴムシート22の切断面22Sのエッジより外側(の空間)にもセンサ26の底面の一部を置いて、上述の(1)に示した工程で検出できない部分をカバーすると良い。たとえば、切断面22Sから飛び出してそのまま(横方向側への飛び出しが小さく)上方へ真っ直ぐに飛び出したワイヤなども検出することができる
【0045】
(3)次にセンサ26を上昇させて、コンベアベルト21をゴムシート1枚分の長さで送り、後端のゴムシート切断位置決めを行い、ゴムシート22の後端部を切断する。これにより切断ゴムシート23ができる。
【0046】
(4)次にコンベアベルトにより切断ゴムシート23を少し送って、センサ26との位置決めを行い、センサ26を下降させて、ゴムシート23の後端側切断面23Bのエッジを含むゴムシート23上面に接触させるか接近させる。これにより、ゴムシート23の後端側切断面23Bから飛び出してゴムシート23の上面に回り込んだワイヤの有無を判定する。この時、図6に示すように、ゴムシート23の切断面23Bのエッジより外側(の空間)にもセンサ26の底面の一部を置いて、後述の(5)に示した工程で検出できない部分をカバーすると良い。たとえば、切断面22Bから飛び出してそのまま(横方向側への飛び出しが小さく)上方へ真っ直ぐに飛び出したワイヤなども検出することができる
【0047】
(5)次にセンサ26を上昇させて、コンベアベルト21によりゴムシート23を少し送った後、ゴムシート23の後端側切断面23Bの後方で、センサ26を下降させてコンベアベルト21に接触させるか接近させる。これにより、ゴムシート23の後端側切断面23Bから横方向(後方)側に飛び出したワイヤの有無を判定する。また、この時に、切断面23の位置決めを行い、センサ26を下降させることより、センサ26をより切断面22Bに接近させることができ、より正確にコンベアベルト21に接触させるか接近させることができる。
【0048】
(6)上述の(1)、(2)、(4)および(5)の工程におけるワイヤ有無の判定で問題なければ、この後切断されたゴムシート23を成形ドラムへ巻きつけてゴムシート23の接合(スプライス)を行う。判定で問題があれば成形動作を一時停止して調査を行う。尚、上述の(1)、(2)、(4)および(5)の工程をすべて行うことにより、種々の飛び出しワイヤを検出することができ、飛び出しワイヤによる問題点をなくすことができる。一部の飛び出しワイヤの問題がなくなれば、上記の工程を省略することもできる。たとえば、ゴムシート切断面から上方へ飛び出すワイヤが非常に少なくなれば、上記の工程のうち、(2)や(4)を省くことも可能となる。また、たとえば、飛び出しワイヤが殆ど上方へ曲がるものであれば、上記の(2)および(4)の工程を行うだけで飛び出しワイヤを検出することができる。
【0049】
上述の検出動作においては、センサ(ヘッド)は切断面全体をカバーするくらいの長さを有するが、切断面の一部をカバーするサイズでも良い。ただし、その場合には、切断面全体の飛び出しワイヤを1回の動作で検出できないので、何回かに分けて行う必要がある。従って、検出動作時間が長くなるが、センサを小さくできるので、センサ作製費用や付随費用を抑えることができる。しかも切断面の特定領域に飛び出しワイヤが多ければ、その領域だけの飛び出しワイヤを検出するだけで良い場合もあるので、短いセンサでも十分役目を果たすことができる。
【0050】
図8は、センサヘッドの側面に溝35を設けてその溝を利用して電線を斜めに巻き付けたセンサのセンサヘッド底面11aを示す図である。複数の電線は区別せず黒く太い実線36で示す。図8は基本的には図2と同じ図であるが、種々の傾きで巻かれた電線の状態を示す。溝のピッチをrとすると、この溝に電線36が巻かれるので、センサヘッド底面11aの上辺、すなわちセンサヘッドの長手方向の側面11dと底面11aとの交線上の電線36の距離である。センサヘッド底面11aの底辺、すなわちセンサヘッドの長手方向の側面11fと底面11aとの交線にも同じ位置に溝が形成されていて、その底辺における電線36の中心間距離(電線36の中心から隣の電線の中心までの距離)もrである。また、斜めに巻かれた電線36のピッチをpとし、電線36の巻かれた角度をαとすれば、図2の場合と同じであるから、p=rsinαとなる。(尚、溝の深さは無視している。)タイヤ用のゴムシートにおいては、センサ26の長さが800mm〜1000mmあれば切断面をほぼカバーできる。また、センサヘッド底面の幅は20mm〜100mmあれば飛び出しワイヤを検出できる。もちろん、もっと長く幅も大きくすることもできるが、センサが大きくなるので、作成時間や費用を考慮して、適度な大きさを選定する必要がある。
【0051】
図8(a)においては、溝1つ離れた所に巻かれているので、センサ幅wが30mm、溝ピッチrが10mmとすると、αはほぼ72度で、電線36間のピッチpは約9.5mmである。図8(b)においては、溝2つ離れた所に巻かれているので、αは約56度で、pは約8.3mmとなる。図8(c)においては、溝3つ離れた所に巻かれているので、αは約45度で、pは約7.1mmとなる。図8(d)においては、溝4つ離れた所に巻かれているので、αは約37度で、pは約6.0mmとなる。このように溝ピッチrが一定の溝を形成しておけば、アナログ的に連続したαや電線ピッチpにはならないが、デジタル的により小さなαやピッチpに自由に設定できる。図8(d)の場合であれば、電線の厚み(直径)を1mmとすれば、電線の間隔は約5.0mmとなるので、電線に対して直角に接触するワイヤであれば、長さ約5.0mmのワイヤを検出することができる。もっとαを小さくすれば、さらに短い長さのワイヤを検出することができる。たとえば、8溝離れた所に巻いた場合(図8(e))は、αは約21度で、pは約3.5mmとなるので、電線の間隔は約2.5mmで長さ約2.5mmのワイヤを検出することができる。この程度の長さの飛び出しワイヤを検出できれば、ゴムタイヤシートの接合には問題がなくなる。ただし、どの程度の飛び出しワイヤを検出すれば実用的であるかは、材料や接合方法などの接合技術、作業効率、コスト、信頼性などとの関係も考慮して総合的に検討して設定する必要がある。すなわち、図8(a)の場合でも十分実用的なセンサを実現できる。
【0052】
溝ピッチを小さくした場合には、より細かくαやピッチpを選定できる。たとえば、溝ピッチを5mmとすれば、溝ピッチ10mmの場合の中間の値も選定できる。さらにピッチを小さくすれば検出できるワイヤの長さを短くできる。また、センサ幅を変化させることによってもαやピッチpを変化できる。センサ幅を大きくすれば角度αを大きくできる。また、電線の厚み(直径)を変化させることによっても電線の間隔を変えることができる。電線の厚み(直径)を大きくすれば電線の間隔を小さくできる。
【0053】
これまでのセンサはセンサヘッド底面が平坦面であり、その平坦面がゴムシート面(これも平坦面である)やコンベアベルト面(これも平坦面である)と接触するセンサについて説明してきた。次に、線でゴムシート面(これも平坦面である)やコンベアベルト面(これも平坦面である)と接触するセンサについて説明する。
【0054】
図9は、円柱型のセンサおよびその動作を示す図である。図9(a)は円柱型センサ40の模式図であり、円柱型センサヘッド41の周りに2本の電線42および43を一定のピッチ(p)を有して巻きつける。円柱型センサの場合にはどの部分も被検体に接触するので、ピッチpはどの部分でも一定とするのが良い。センサが回転するので、電線42および43の電極の取り出しは工夫が必要である。たとえば、図9(a)に示すように、電線を巻いた後電線の端の方を円柱型ヘッドの中に入れて円柱型センサヘッド41の底面41Sに導き、電線43を円形底面の中心電極43Sにつなぎ、電線42を同心円状の電極42Sに接続する。これらの電極42Sおよび43Sに電圧をかけておけば、円柱型センサ40が円柱の中心軸を中心にして回転するようにすれば、常に電線42および43に電圧Vをかけておくことができ、電流計Aで電線間42および43に流れる電流を検知できる。
【0055】
図9(b)は、円柱型センサの使用方法を示す模式図である。コンベアベルト44上に切断されたゴムシート45が乗っている。円柱型センサ40が回転しながらコンベアベルト44上およびゴムシート45上を接触または接近して移動していく。(矢印48で示す方向)ゴムシート45の先端側切断面45Sから飛び出たワイヤがあれば(たとえば、飛び出しワイヤ46S)、2本の電線42および43に接触するので、飛び出しワイヤを検出することができる。ゴムシート45の切断面45Sの部分でコンベアベルト44よりゴムシート45の厚み分高くなっているので、円柱型センサ40がその厚み分を乗り越えて回転するように、センサを上下に支持するたとえばシリンダに自由度を持たせるようにすると良い。
【0056】
円柱型センサ40はゴムシート45上も回転しながら移動して、ゴムシート45の後端側切断面45Bに接触または接近する。このとき切断面45Bから上方へ飛び出したワイヤがあれば(たとえば、飛び出しワイヤ46B)、2本の電線42および43に接触するので、飛び出しワイヤを検出することができる。センサ40はさらに回転しながら切断面45Bから下ってコンベアベルト44へ接触または接近していく。このときに切断面45Bか横方向への飛び出しワイヤを検出できる。
【0057】
尚、センサ40を移動させずにコンベアベルト44を移動していく方法もある。すなわち、コンベアベルト44を47の方向に動かして、コンベアベルト44上に乗せられたゴムシート45を移動してセンサ40と接触させる。この場合のセンサ40のワイヤ検出方法は上述した方法と同じである。(どちらが移動するかは、相対的なもので、見方を変えただけと考えれば良い。)センサ40を移動させない場合でもセンサ40は中心軸の周りに回転させるようにすることにより、コンベアベルト44やゴムシート45との接触抵抗を小さくすることができ、センサの寿命を伸ばすことができる。また、センサ40の中心軸はコンベアベルトの移動方向に対して直角に近くなっていると、コンベアベルト44の移動スピードに同期してセンサ40が回転できるので、やはり接触抵抗を小さくすることができる。この場合、ゴムシート45の切断面45Sおよび45Bはコンベアベルトの移動方向に対して一定角度傾斜しているので、一度に切断面45Sおよび45Bに接触または接近できないが、センサ40が回転しているので、切断面全体を検出することができる。従って、検出領域については問題ない。円柱型センサの方が固定式接触センサの場合に比べて、ゴムシートの切断面のエッジ部分についてはより接近して接触するので、飛び出しワイヤの検出感度は良い。
【0058】
この場合においても円柱型センサヘッド41に溝を作ってその溝に電線42および43を嵌めこんで巻き付けることもできる。円柱型センサの場合には、曲面全体がワイヤを検出することができるので、電線が円柱ヘッドの面より出るように溝の深さやサイズを決定する必要がある。円柱型センサは回転するので、溝を作製した方が巻き付けたワイヤの位置変動を少なくすることができる。
【0059】
以上説明したように、本発明の導電体検出センサを用いることにより、非常に簡便で高感度にタイヤ用ゴムシートの切断面から飛び出したワイヤを検出できる。しかもセンサの作製は容易であり、消耗も少なく寿命が長いセンサであるから、安い製造コストと低いランニングコストを実現できる。
【0060】
尚、本発明のセンサは、タイヤ用のゴムシートに限定されず、導電体を埋設した絶縁シートにおいても適用することができる。上述したゴムシートは、ゴム以外の種々の材料に適用できるので、一般的にシート状部材と呼んでも良い。本発明のセンサは大きさの制限はないので、測定対象のシート状部材によって大きさを変更して製造することも容易である。また、上述の説明において、1つの実施例において記載した内容であって他の実施例において記載しなかった内容であっても、お互いに矛盾なく適用できるものに関しても、当該実施例において適用できることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、タイヤ用ゴムシートの製造に適用できる。
【符号の説明】
【0062】
10 導電体検出センサ、11 センサヘッド、12 電線、13 電線、
14 端子電極、15 端子電極、16 溝、17 溝、19 導電体(ワイヤ)、
21 コンベアベルト、22 ゴムシート、23 ゴムシート、25 切断線、
26 導電体検出センサ、27 センサ昇降シリンダ、28 カッター搭載機、
29 センサ取り付けアーム、30 ワイヤ、31 ワイヤ、35 溝、36 電線、
40 円柱型センサ、41 円柱型センサヘッド、42 電線、43 電線、
44 コンベアベルト、45 ゴムシート、46S 飛び出しワイヤ、
46B 飛び出しワイヤ、101 コンベア装置、102 コンベアベルト、
103 (帯状)ゴムシート、104 ゴムシート、106 ワイヤ、107 ワイヤ、
120 ゴムシート、121 絶縁性部材、122 金属線、124a 電極版、
124b 電極版、125 絶縁版
【技術分野】
【0001】
本発明は金属線等の導電体を埋めこんだシート状部材の切断面から飛び出した導電体を検出するセンサとその検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤ用ゴム(ベルト)シートは、タイヤの製造初期段階では内部にスチールコード等の金属線が一定の角度で互いに平行に多数本埋設されている連続した帯状のシート状部材である。タイヤ製造の後段階において、このゴムシートを一定長で裁断し、裁断したゴムシートを成形ドラムに巻き付けてジョイントする。この定長裁断は、たとえば埋設されたスチールコードに沿ってリングカッター等で切断する。しかし、埋設スチールコードのウエーブや角度変化が大きいと、裁断後、切断面にスチールコードが露出したり飛び出したりする。極端な場合には、飛び出したスチールワイヤがゴムシートの上面に乗り上げたりする。
【0003】
図10はゴムシートをコンベアベルトで移動させて裁断した状態を示す模式図である。図10(a)は平面図で、ゴムシート103を載せたコンベア装置101を上方から見た図であり、図10(b)はその側面図で、ゴムシート103を載せたコンベア装置101を横方向から切断面104S、104Bが直線になるように見た図である。ゴムシート103は長い帯状の帯状ゴムシートでコンベア装置101のコンベアベルト102で運ばれてきて、リングカッターで裁断される。帯状のゴムシート103は通常スチールコードに沿って裁断されるので、裁断後のゴムシート104は図10(a)に示すように平行四辺形状である。すなわち、ゴムシート104の切断面104Sおよび104Bはゴムシート104の長手方向に対して一定角度で傾いている。
【0004】
ゴムシート103の切断時に埋設したスチールコード(金属線、或いは金属線に限らない導電性部材を総称してワイヤ或いは導電線或いは導電体とも言う)にカッターが接触してワイヤを切ったり引きちぎったりして、図10に示すように、ワイヤ106や107が露出して飛び出したりする場合がある。その飛び出し程度が大きければ、図10(b)に示すように、飛び出したワイヤ106が切断面近傍のゴムシート104上面に回り込んだり、或いは、飛び出したワイヤ107が切断面の横方向(ゴムシートの移動方向の前方または後方)に伸びたりする。(飛び出したワイヤを飛び出しワイヤとも述べる。)
【0005】
このような切断面からワイヤが露出したゴムシート(たとえば104のような)を成形ドラムに巻き付けてジョイントすると、他のゴム部材とスチールコードが直接触れたり、スチールコードとスチールコードとが重なったりして、使用中にセパレーションを発生する恐れがある。極端な場合には、自動車の走行中にバーストを起こす可能性もある。
【0006】
これらの問題を解決するためには、切断したゴムシートから金属線が飛び出しているかどうかを成形ドラムで裁断ゴムシートをジョイントする前に検出することが重要である。このような露出した金属線を検出する装置として、特許文献1にて提案されているものが使用されている。この検出装置においては、櫛歯型の2枚の電極板を平行にして、ゴムシート状部材に接触させる。この電極板を接触させながら、ベルトコンベアに搭載されたゴムシートを移動させる。図11は、特許文献1に示された従来の導電体検出センサを説明する図であるが、露出した金属線があれば、図11に示すように、2枚の電極板124aおよび124bに金属線122が接触するので、電圧を印加された電極板が露出した金属線により短絡して電流が流れる。この結果、金属線122が露出しているかどうかを検出することができる。尚、図11において、電極版124aおよび124bは絶縁板125により絶縁されているので、通常は電流が流れない。また、正常なゴムシート120では金属線122は絶縁性部材121に埋設されている。
【0007】
しかし、上記の櫛歯状電極は構造や形状が複雑でありその制作に多大の時間とコストがかかる。しかも、特許文献1に提案されている方法では、移動しているゴムシートに櫛歯状電極を接触させるか、或いは櫛歯状電極がゴムシート上を移動するために、ゴムシートに付着したゴミや樹脂カスが付着して導通性が悪くなり、露出した金属線があっても検出しない場合がある。従って、定期的にしかも頻繁に櫛歯状電極をクリーニングする必要があり、メンテナンスコストがかかる。また、接触性を上げるためには櫛歯状電極を大きな力で押し付ける必要があるため、ゴムシートに傷がついたり、或いは櫛歯の先端が曲がったりして、センサたる櫛歯状電極が損傷したりするため、センサの交換頻度が大きいという問題もある。さらに、露出した金属線が櫛歯に巻きついて、検出装置を破壊したり、ゴムシートを破損したりするという問題も発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平2−228547
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、制作費用が少なく、しかも簡単に制作することができる金属線等の導電体検出装置(センサ)を提供し、しかも上記問題点を解決し、寿命の長いセンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
複数の導電性電線を平行に等間隔で絶縁体であるセンサ本体(センサヘッド)に巻き付けたセンサを用いて、ゴムシートの切断面から飛び出した導電体(以下、ワイヤと呼ぶ)の有無を検出する。センサに巻き付いた複数の電線には電圧を印加しておくが、通常状態では複数の電線間は接続していないので電気は流れない。ゴムシートの切断面近傍の上面にこのセンサを接触させるか、近づける。ワイヤが上面側に飛び出していれば、ワイヤがセンサの複数の電線間に接触するので、これらの電線間に電気が流れる。また、このセンサをゴムシート切断面の端面側のコンベアベルトに接触させるか、近づける。ワイヤが切断面の横側に飛び出していれば、ワイヤがセンサの複数の電線間に接触するので、これらの電線間に電気が流れる。
【発明の効果】
【0011】
通常は複数の電線間には電気が流れないので、複数の電線間の電流または抵抗をモニターすれば、飛び出しワイヤが存在するかどうかを検出できる。
接触法という単純な直接的方法により飛び出しワイヤを検出しているので、感度も高く誤検出が少ない。絶縁体の周りに複数の電線を等間隔に巻き付けるだけの簡単なセンサなので、製作が容易である。構成部材も少なく汎用的な材料を使用できる。従って製造コストが非常に安い。また、単に接触するだけなので、部材の消耗は少なく、ゴミやかすなどの付着も少ない。しかも飛び出しワイヤ、ゴムシートやコンベアベルトに接触するのは主には電線だけであり、センサ本体(センサヘッド)は殆ど消耗しないので半永久的に使用できる。図10で示した方法では飛び出しワイヤのセンサへの巻き付けも懸念されるが、そのような心配は殆どなく、それによるセンサの破壊もない。電線が使用できなくなれば、交換するだけで良く、交換時間も短く交換コストも少ない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明のセンサの導電体検出原理を説明する図である。
【図3】図3は、溝を形成した本発明のセンサを説明する図である。
【図4】図4は、本発明の導電体検出センサを取り付けたベルトコンベアを上方から見た平面図である。
【図5】図5は、本発明の導電体検出センサを取り付けたベルトコンベアの立面図である。
【図6】図6は、本発明のセンサを用いてゴムシートから飛び出したワイヤを検出する動作方法を説明する図である。
【図7】図7は、本発明のセンサを用いてゴムシートから飛び出したワイヤを検出する動作方法を説明する図である。
【図8】図8は、電線を斜めに巻き付けたセンサのセンサヘッド底面を示す図である。
【図9】図9は、本発明の円柱型のセンサおよびその動作を示す図である。
【図10】図10は、ゴムシートをコンベアベルトで移動させて裁断した状態を示す模式図である。
【図11】図11は、従来の導電体検出センサを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明のセンサの実施形態を示す図であり、斜視図で示している、センサ10は、センサヘッド11、導電性電線12、13、端子電極14、15および検出回路などから構成されている。図1に示す実施形態のセンサヘッド形状は横長の直方体形状であり、図1において、正面側のセンサヘッド面11aはゴムシートへの接触側の面である。この面は通常下側になっているので、センサヘッド底面と呼ぶ。横長の直方体形状のセンサヘッド11の周りに2本の電線12(太い実践で示す)および13(太い破線で示す)が略平行にほぼ等間隔で巻かれている。すなわち、2本の電線はセンサヘッド底面11aにおいてセンサヘッドの長手方向に対して一定角度αをもって略平行に巻きつけられている。(尚、図1においては、見やすくするために、巻かれた電線は途中までしか記載していないが、実際には飛び出しワイヤの検出に必要な領域のセンサヘッド11全体に巻かれている。)尚、本明細書において記載しているシート状部材は板状の部材であり、シートの表面は絶縁性を有する。また、タイヤ用ゴムシートのように曲げることが可能な柔軟さを有するものもあれば、曲げることが困難なものも含まれる。また、タイヤ用を考慮してゴムという用語を用いているが、より一般的に高分子材料(ポリマー)すなわち、樹脂でも良く、ゴムを樹脂と置き換えても良い。さらに、樹脂に限らず、セラミック、金属酸化物や木材でも本発明に適用できる。
【0014】
2本の電線の両端は、センサヘッドの横側面11bおよび11cに取り付けた端子電極に接続されている。すなわち、電線12の両端は側面11bの端子電極14bおよび側面11cの端子電極14cに接続する。電線13もその両端は側面11bの端子電極15bおよび側面11cの端子電極15cに接続する。端子電極14と端子電極15との間には検出回路が構成されていて、2本の電線間に金属線等の導電体が接触すればそれを検出できるようになっている。たとえば、図1に示すように端子電極14cと端子電極15cとの間に電圧(Vで示す)が印加されている。通常は電線12と13の間には電流が流れないが、導電体が2本の電線12と13の両方にどこかで接触すれば、電線12と13の間に電流が流れるので、その電流を検出する(図1にAで示す)ことにより導電体が接触したかどうかを検出できる。
【0015】
上記より明白ではあるが、センサヘッドは絶縁材料で作製される。たとえば、ナイロン、アクリル、ポリカーボネート、PETやシリコーン樹脂などの絶縁性高分子樹脂、セラミックである。導電性材料に絶縁体を被覆したものでも良い。電線は導電性材料であり、表面が導電性であれば良いので、絶縁体に導電体を被覆したものでも良い。もちろん、導電体に金属をめっきしたものでも良い。
【0016】
センサヘッド底面11aは平坦な面であり、センサヘッド底面全体がゴムシートやコンベアベルトに均等に接触するようになっている。(実際に接触するのは、センサヘッド底面に巻かれた2本の電線であり、電線の厚み(直径)も全体に均一であることが望ましい。電線の断面は通常円形であるから、電線の厚みは電線の直径である。)図1に示すセンサヘッドは直方体形状であるが、ゴムシートへの接触側の面(センサヘッド底面)が平坦であれば、ゴムシートへ接触しない面の方は平坦でなくても良い。たとえば、断面が円柱形などの曲面であっても良い。たとえば、センサヘッドが円柱形を縦方向(円形面と垂直方向)に切断した形状(切断された面は平坦面である)でも良い。また、センサヘッドが三角柱や多角柱であっても良い。(この場合は、1つの側面(平坦面)がゴムシートへの接触側の面となる。)また、図1においては電線を2本にしているが、2本である必要はなく、3本でもそれ以上でも良い。すなわち、複数本の電線を使用することができる。その場合、複数本の電線を巻いていくが、互いに接触しないようにする必要がある。特に隣接する電線は接触したり交差したりしないようにして、通常は電線間に電流が流れないようにしなければならない。尚、コンベアベルトやゴムシートは絶縁体なので、センサの電線が接触しても隣接する電線間に電流が流れることはない。
【0017】
図2はゴムシートへの接触側の面であるセンサヘッド底面11aを示す図であり、本発明のセンサの導電体検出原理を示す図である。図2において、2本の電線12および13の巻き線の状態および導電体(以下ワイヤと呼ぶ)19と電線との接触状態が良く分かるように示されている。2本の電線は角度αをもってセンサヘッド面11aに巻きついている。電線12は、12-1が一回りして12-2、次に12-3、さらに12-4へとつながっている。また、電線13は、13-1が一回りして13-2、次に13-3、さらに13-4へとつながっている。2本の電線12および13はどの部分においても交差したり接触したりしていない。
【0018】
2本の電線12および13の厚み(直径)をそれぞれxおよびy、2本の電線12および13の間隔をzとすれば、2本の電線12および13のピッチpは(x+y)/2+zとなる。すなわち、2本の電線12および13はセンサヘッド底面11aにおいてピッチpをもって巻かれている。ピッチpはセンサヘッド底面11aの全体で等しいことが望ましいが、2本の電線12および13が途中で交差または接触しなければ、通常状態では2本の電線12および13間に電流が流れないので、ピッチpは多少変動しても良い。つまり、略平行に複数の電線を巻くということは、ピッチpを多少変動しながらも、すなわちほぼ等間隔に(略等間隔に)、複数の電線が交差または接触しないで複数の電線を巻くということである。ただし、ピッチpの変動が大きいと飛び出しワイヤの長さに対する接触率の変動が大きくなるので、検出感度が悪くなる。
【0019】
このセンサヘッド底面11aにワイヤが接触し、電線12および13のどこかに接触した場合を考える。たとえば、図2に示すように、電線13-1、12-2および13-2にワイヤ19が接触すると、電線13-1と12-2、および電線12-2と13-2がワイヤ19で短絡しているので、電線12と13との間に電流が流れて、ワイヤ19の存在を検知できる。
【0020】
図2に示すセンサヘッド底面11aにおいて、下辺(センサヘッド長手方向側面11f側)または上辺(センサヘッド長手方向側面11d側)の電線12および13の距離(電線12の中心と電線13の中心との距離)をrとするとp=rsinαの関係がある。0度<α<90度であるが、この式から分かるようにαを小さくして電線をより傾けて巻くとピッチpを小さくすることができる。従って、非常に短いワイヤでも検出できるようになる。ただし、センサヘッドの長手方向長さは有限(ゴムシートの切断面の長さより少し長い程度が最適である)なので、αの下限が存在するから、ピッチpの下限がある。また、2本の電線12および13の距離rを小さくすることによっても、より短いワイヤの検出が可能である。
【0021】
しかし、ピッチpを余り小さくすると隣同士の接触する可能性も大きくなるので、2本の電線が交差したり接触したりしないような間隔は必要となる。zを非常に小さくする方法として電線12および13の周囲を絶縁物で被覆する方法が有効である。この場合には、被覆した2本の電線を互いに接触させて平行に巻いていけば良いので、被覆絶縁物の厚み(電線2本の被覆絶縁物の厚みの和となる)がzとなる。尚、このような被覆電線を使用する場合には、センサヘッド底面に巻いた電線のゴムシートとの接触面側の絶縁物を除去する必要があることは言うまでもない。
【0022】
電線が巻かれるセンサヘッドの面(たとえば、センサヘッド底面11a)が平坦な場合は、巻かれた電線がすべったり或いはゆるんだりしてピッチpが変動する場合がある。pが変動すると検出効率が変化(低下)する。極端な場合には隣接する電線が接触したり交差したりする。接触や交差すると2本の電線間に常に電気が流れるのでセンサとして機能しない。これらを防止する方法として、センサヘッド11の面(たとえば、センサヘッド底面11a)において電線を巻きつける部分に沿って溝を作っておき、その溝に電線を入れてセンサヘッドに巻き付ければ、電線が動くことが少なくなり、検出の信頼性を向上させることができる。
【0023】
図3は、溝を形成した本発明のセンサを説明する図であり、図3(a)は図1で示したセンサの側面図である。(センサヘッド底面11aが下になり、側面11d側から見ている。)センサヘッド底面11aは平坦なので、電線12および13は、センサヘッド底面11a(ゴムシートと接触する側)からそれぞれの厚み(直径)xおよびyだけ飛び出している。センサヘッド底面11a(正確には、電線12および13)はゴムシートやコンベアベルトに接触したり、ワイヤの接触性を検出したりするので、同じ高さになっていること、すなわちxおよびyは等しいことが望ましい。また、2本の電線12および13の材質は導電性があれば異なっていても良いが、材料の消耗度や扱い安さなどから同じ材料であることが望ましい。図2(a)のセンサヘッドの側面11dにおいては、電線12および13はセンサヘッド11の長手方向に対してほぼ直角に巻いているが、これは電線ができるだけ滑らずに動かないようにするためである。尚、余り動かなければセンサヘッド側面についても斜めに巻いても良い。反対の側面11fやセンサヘッド底面11aの反対面(上面)11eについても同様である。
【0024】
図3(b)はセンサヘッド底面11aに溝16および17を形成し、その溝16および17に電線12および13をそれぞれ入れ込んで巻き付けた場合を示している。溝16および17の溝深さをそれぞれhおよびkとすれば、電線12はセンサヘッド底面11aからx−hだけ頭を出していて、電線13はセンサヘッド底面11aからy−kだけ頭を出している。ワイヤの接触状態を検出するので、電線12および13はセンサヘッド底面11aより頭を出している必要があるので、x>h、y>kである。電線12および13の(頭の)高さはそろっていることが望ましいので、x=yでかつh=kであることが好適である。製造する面からも同じ深さの溝を形成する方が容易である。尚、上記は溝の底に電線が接触している場合について説明しているが、溝の幅が電線の幅より小さい場合には電線を溝にて巻いても溝の底に電線が接触しない場合もある。この場合には上述の関係が成り立たない場合もある。このような場合においても電線の断面が略円形形状であれば、電線の下方の一部が溝に入って電線をある程度固定できる。しかし、電線を溝の底に接触させた方が電線の固定は確実になるので、電線を溝の底に接触できる程度の溝幅を取った方がより好適である。
【0025】
図3(b)においては、溝はセンサヘッド底面11aのみに形成しているが、センサヘッドの他の面(側面11dおよび11f、上面11e)にも溝を作製しても良い。このような溝に電線をはめることにより、電線の動きを抑えることができる。尚、センサヘッド底面11a以外の溝の深さは、電線の厚み(直径)より大きくても良い。すなわち、センサヘッド底面11a以外に巻かれた電線ではワイヤの接触を検出しないからである。逆に言えば、誤って電線に種々の導電材料に接触する場合をなくすためには、センサヘッド底面11a以外の溝の深さは、電線の厚みより大きくして、電線の頭がそれぞれの面の外側に出ないようにした方が望ましい。
【0026】
図3(c)は、センサヘッド底面11aに溝16および17を形成して、その溝に電線12および13を入れて巻き付けた状態を示す図である。溝16および溝17はセンサヘッドの長手方向に対して角度βを有して傾けて形成している。この斜めの溝に電線を入れてセンサヘッド11に巻き付けていく。すなわち、電線12を溝16に入れて巻いていく。同様に電線13を溝17に入れて巻いていく。電線が溝の底に接触させる場合は、溝幅を電線幅よりも少し大きくしておくと電線を確実に溝へ入れて容易に巻くことができる。(ここで記載した電線幅とは、電線の最大幅(直径)と必ずしも一致するわけではなく、電線が溝の側面に接触した場合の接触幅の最大値を言う。)また、この場合、溝の内部で電線が少し動く可能性もあるが、溝側面により横方向の動きは規制されているので、電線が交差したり接触したりすることはない。ただし、溝幅は必要以上に大きく形成しない方が良いことは言うまでもない。
【0027】
図3(b)では溝の形状をその断面が長方形上として記載しているが、電線の底部が溝に接触する場合においても種々の形状にすることができる。たとえば、台形形状や側面が多角形状や側面および/または底面が曲面形状の溝にすることもできる。また、溝形状を電線の形状に合わせて電線がぴったりと嵌まるような形状、たとえば、電線の断面形状が円形であれば、それに適合した断面が円形形状の溝にしても良い。電線の底部が溝に接触しない場合にも種々の形状を有する溝にすることができる。たとえば、断面が三角形状にすることもできる。この場合は、簡単に溝を形成できるという利点がある。
【0028】
図3(a)においては、電線の配置を分かりやすく説明するため1側面だけ示しており奥側は記載していないので、センサヘッド底面11aの奥側の電線は記載されていない。そこで、電線の位置関係を説明する。2本の電線12および13がセンサヘッド11の周囲に平行に巻き付けられている。センサヘッドの横側面11bの電極端子14bに電線12の一方の端が接続し、センサヘッドの長手方向側面11f(11dの反対面)を通りセンサヘッド上面11eを伝いA21につながる。A21はセンサヘッドの長手方向側面11dを伝いA11につながる。A11はセンサヘッド底面11aを伝い、さらに11fおよび11eを伝ってA22につながる。A22はセンサヘッドの長手方向側面11dを伝いA12につながる。これを繰り返して電線12はセンサヘッドの面を伝って巻かれていき、電線12の他方の端がセンサヘッドの側面11cの電極端子14cに接続される。
【0029】
電線13についても同様に、センサヘッドの横側面11bの電極端子15bに電線13の一方の端が接続し、センサヘッドの長手方向側面11f(11dの反対面)を通りセンサヘッド上面11eを伝いB21につながる。B21はセンサヘッドの長手方向側面11dを伝いB11につながる。B11はセンサヘッド底面11aを伝い、さらに11fおよび11eを伝ってB22につながる。B22はセンサヘッドの長手方向側面11dを伝いB12につながる。これを繰り返して電線13はセンサヘッドの面を伝って巻かれていき、電線13の他方の端がセンサヘッドの側面11cの電極端子15cに接続される。
【0030】
センサヘッド底面11aに溝を形成しない場合でも、センサヘッド底面11a以外の他の面11d、11e、11fの一部または全部に溝を形成するだけでも、電線の横方向ずれをかなり防止することができ、電線の接触や交差に対して有効である。センサヘッド底面11aに巻き付けられた電線は高さがそろっていた方が飛び出しワイヤの検出には好適である。従って、センサヘッド底面11aに溝を形成する場合には、溝の大きさをできるだけそろえた方が良いので、溝の製作に注意が必要である。これに対して、センサヘッド底面11a以外の他の面に形成する溝は余り精度は必要ない。従って、センサヘッド底面11aに溝を形成せず、他の面に溝を形成することは、電線の横方向ずれを抑えながら、センサを簡便に作製できるというメリットがある。
【0031】
このように電線12および13はセンサヘッド11の各面に密着しながらほぼ平行に巻き付けられていくので、互いに交差したり接触したりすることはなく、電極端子14(14bおよび/または14c)と電極端子15(15bおよび/または15c)の間に電圧を印加しても電流が流れることはない。図3(b)や図3(c)に示すように、センサヘッド底面やセンサヘッドの他の面に溝を形成して電線をはめこめば、電線の位置を固定し動きを抑えられるので、2本の電線が互いに交差したり接触したりする可能性は殆どなくなる。
【0032】
次に本発明のセンサを用いて、飛び出しワイヤの検出方法について説明する。
図4は本発明の導電体検出センサを取り付けたベルトコンベアを上方から見た模式図(平面図)である。ゴムシート22が矢印Wの方向へコンベアベルト21によって運ばれ、カッター搭載機28に取り付けられたカッター(図示せず)によって切断線25のように切断され、平行四辺形状のゴムシート23が作製される。ゴムシート22および23はその1平坦面がコンベアベルト21に固定されている(たとえば、コンベアベルトに取り付けられた磁石によってゴムシートが付着している)ので、切断されてもその位置は変化しないし、運搬中にもゴムシートの位置ずれはないか、あっても小さい。カッター搭載機28にはセンサ取り付けアーム29が取り付けられている、このアーム29にセンサ昇降用シリンダ27が配置され、このシリンダ27に本発明の導電体検出センサ26が取り付けられており、ゴムシートの切断面のワイヤ飛び出し状態を検出する。導電体検出センサ26はゴムシートの切断面23Sおよび23B全体を一挙に検出できるように、切断面方向に細長い直方体形状をしていて切断面全体をカバーできるようになっている。
【0033】
図5(a)および(b)は、図4に示す本発明の導電体検出センサを取り付けたベルトコンベアの正面図(立面図)である。図5(a)は導電体検出センサ26の長手方向を正面から見た図である。また、図5(a)は切断されたゴムシート23の切断面23Sまたは23Bを正面から見た図でもあり、ゴムシート23の先端側(ゴムシート23の移動方向前方側)切断面23Sまたは後端側(ゴムシート23の移動方向後方側)切断面23Bに沿ってセンサ26が配置されている。図5(b)は導電体検出センサ26の側面、すなわち導電体検出センサ26の長手方向と直角方向を正面から見た図である。また、図5(b)は切断されたゴムシート23の切断面23Sまたは23Bの垂直方向を正面から見た図でもあり、ゴムシート23の後端側切断面23Bの上方にセンサ26が配置されている。
【0034】
センサ26はセンサ昇降シリンダ27により上下に移動できるようになっていて、センサ26がゴムシート23の切断面(23Sまたは23B)上においてゴムシート23の上面に接触するか接近するかして、切断面23から飛び出てゴムシート23の上面に乗り上げたワイヤを検出できる。また、センサ26が、切断面(23Sまたは23B)の前方または後方においてコンベアベルト21の上面に接触して、切断面(23
Sまたは23B)から横方向へ飛び出たワイヤを検出できる。
【0035】
図6および図7は、本発明のセンサを用いてゴムシートから飛び出したワイヤを検出する動作方法を示す図である。その方法の基本は、ゴムシートの切断面エッジ上にセンサヘッド底面を接触させてワイヤを検出すること、およびゴムシートの切断面近傍のコンベアベルト上にセンサヘッドを接触させてワイヤを検出することである。図6は、切断されたゴムシート23の切断面のエッジ上にセンサヘッド底面を接触させてワイヤを検出する場合の状態を示す図である。図7は、ゴムシートの切断面近傍のコンベアベルト上にセンサヘッドを接触させてワイヤを検出する場合の状態を示す図である。
【0036】
図6(a)は平面図であり、位置関係が分かるように透視して描いている。センサ26はゴムシート切断面23Sまたは23Bのエッジとほぼ平行になっており、そのエッジ全体およびエッジ近傍のゴムシート上面にセンサヘッド底面が接触するように配置される。このようにすることによって、1回の接触動作により、ゴムシート切断面から飛び出してゴムシート上面に飛び出したワイヤの有無が検出可能となる。図6(a)においては説明のために、ゴムシート23の先端側の切断面23Sおよびゴムシート23の後端側の切断面23Bの両方においてセンサ26を配置しているが、通常は1つのセンサで検出動作を行う。
【0037】
図6(b)はセンサ26の側面側から見た図である。コンベアベルト21に乗せられた切断ゴムシート23の切断面のエッジ上およびエッジ近傍のゴムシート23上面にセンサ26が接触している。図6(b)から、ゴムシート切断面から飛び出してゴムシート上面に飛び出したワイヤがあれば、そのワイヤはセンサ26の底面に接触するので、上述した本発明の検出原理から飛び出しワイヤを検出できることが良く分かる。図6(b)においても説明のために、ゴムシート23の先端側の切断面23Sおよびゴムシート23の後端側の切断面23Bの両方においてセンサ26を配置しているが、通常は1つのセンサで検出動作を行う。図6(b)では、ゴムシートの切断面23Sや23Bから横方向に飛び出したワイヤ30を模式的に示しているが、このような飛び出しワイヤは、図6に示す方法では検出できないが、次の図7に示す方法により検出可能となる。
【0038】
図7(a)は平面図であり、センサ26はゴムシート切断面エッジとほぼ平行になっており、ゴムシート切断面23Sの前方近傍のコンベアベルト上またはゴムシート切断面23Bの後方近傍のコンベアベルト上にセンサ底面が接触するように配置される。このようにすることによって、1回の接触動作により、ゴムシート切断面23Sまたは23Bから横方向に飛び出したワイヤの有無が検出可能となる。図6(a)においては説明のために、ゴムシート23の先端側切断面23Sおよびゴムシート23の後端側切断面23Bの両方においてセンサ26を配置しているが、通常は1つのセンサで検出動作を行う。
【0039】
図7(b)はセンサ26の側面側から見た図である。コンベアベルト21に乗せられた切断ゴムシート23の切断面の横側(切断面23Sの前方近傍または切断面23Bの後方近傍)において、コンベアベルト21上にセンサ26が接触している。図7(b)から、ゴムシート切断面からゴムシート横方向に飛び出したワイヤがあれば、そのワイヤはセンサ26の底面に接触するので、上述した本発明の検出原理から飛び出しワイヤを検出できることが良く分かる。図7(b)においても説明のために、ゴムシート23の先端側の切断面23Sおよびゴムシート23の後端側の切断面23Bの両方においてセンサ26を配置しているが、通常は1つのセンサで検出動作を行う。図7(b)では、ゴムシートの切断面23Sや23Bから横方向に飛び出してゴムシート上面に乗り上げたワイヤ31を模式的に示しているが、このような飛び出しワイヤは、図7に示す方法では検出できないが、上述の図6に示した方法により検出可能である。
【0040】
図7(a)は平面図であり、センサ26はゴムシート切断面とほぼ平行に切断面前方の近傍全体または切断面後方の近傍全体のコンベアベルト上に乗るように配置される。このようにすることによって、1回の接触動作により、ゴムシート切断面から横方向に飛び出したワイヤの有無を検出することができる。
【0041】
図7(b)から分かるように、センサ26をゴムシート切断面23Sまたは23Bにできるだけ近づけることにより、短い飛び出しワイヤでも検出できるようになる。このためにセンサ切断面の位置を検出するセンサを設けたり、センサ26の移動を精密に行ったりすることも効果がある。さらに、コンベアベルトの移動を精密に行い、ゴムシート23の位置を正確にコントロールすることも重要である。
【0042】
尚、センサ26はゴムシート23やコンベアベルト21に完全に接触させずに、できるだけ接近させる(たとえば、ワイヤの厚み分程度まで)ことによっても飛び出しワイヤを検出することができる。
【0043】
次に本発明のセンサを用いた検出動作の一例に関して図4を参照して説明する。
(1)コンベアベルト21で運ばれてきたゴムシート22をカッター等で切断した後、切断されたゴムシート22をコンベアベルト21で送り、ゴムシート22の先端側切断面22S(切断後の切断ゴムシート23の先端側切断面23Sに相当)の前方で、センサ26を下降させてコンベアベルト21に接触させる。これにより、ゴムシート22の先端側切断面22Sから横方向(前方)側に飛び出したワイヤの有無を判定する。また、この時に、切断面22の位置決めを行い、センサ26を下降させることより、センサ26をより切断面22Sに接近させることができ、より正確にコンベアベルト21に接触させるか接近させることができる。
【0044】
(2)次にセンサ26を上昇させて、コンベアベルト21によりゴムシート22を少し送った後、センサ26を下降させ、ゴムシート22の先端側切断面22Sのエッジを含むゴムシート22上面に接触させるか接近させる。これにより、ゴムシート22の先端側切断面22Sから飛び出してゴムシート22の上面に回り込んだワイヤの有無を判定する。この時、図6に示すように、ゴムシート22の切断面22Sのエッジより外側(の空間)にもセンサ26の底面の一部を置いて、上述の(1)に示した工程で検出できない部分をカバーすると良い。たとえば、切断面22Sから飛び出してそのまま(横方向側への飛び出しが小さく)上方へ真っ直ぐに飛び出したワイヤなども検出することができる
【0045】
(3)次にセンサ26を上昇させて、コンベアベルト21をゴムシート1枚分の長さで送り、後端のゴムシート切断位置決めを行い、ゴムシート22の後端部を切断する。これにより切断ゴムシート23ができる。
【0046】
(4)次にコンベアベルトにより切断ゴムシート23を少し送って、センサ26との位置決めを行い、センサ26を下降させて、ゴムシート23の後端側切断面23Bのエッジを含むゴムシート23上面に接触させるか接近させる。これにより、ゴムシート23の後端側切断面23Bから飛び出してゴムシート23の上面に回り込んだワイヤの有無を判定する。この時、図6に示すように、ゴムシート23の切断面23Bのエッジより外側(の空間)にもセンサ26の底面の一部を置いて、後述の(5)に示した工程で検出できない部分をカバーすると良い。たとえば、切断面22Bから飛び出してそのまま(横方向側への飛び出しが小さく)上方へ真っ直ぐに飛び出したワイヤなども検出することができる
【0047】
(5)次にセンサ26を上昇させて、コンベアベルト21によりゴムシート23を少し送った後、ゴムシート23の後端側切断面23Bの後方で、センサ26を下降させてコンベアベルト21に接触させるか接近させる。これにより、ゴムシート23の後端側切断面23Bから横方向(後方)側に飛び出したワイヤの有無を判定する。また、この時に、切断面23の位置決めを行い、センサ26を下降させることより、センサ26をより切断面22Bに接近させることができ、より正確にコンベアベルト21に接触させるか接近させることができる。
【0048】
(6)上述の(1)、(2)、(4)および(5)の工程におけるワイヤ有無の判定で問題なければ、この後切断されたゴムシート23を成形ドラムへ巻きつけてゴムシート23の接合(スプライス)を行う。判定で問題があれば成形動作を一時停止して調査を行う。尚、上述の(1)、(2)、(4)および(5)の工程をすべて行うことにより、種々の飛び出しワイヤを検出することができ、飛び出しワイヤによる問題点をなくすことができる。一部の飛び出しワイヤの問題がなくなれば、上記の工程を省略することもできる。たとえば、ゴムシート切断面から上方へ飛び出すワイヤが非常に少なくなれば、上記の工程のうち、(2)や(4)を省くことも可能となる。また、たとえば、飛び出しワイヤが殆ど上方へ曲がるものであれば、上記の(2)および(4)の工程を行うだけで飛び出しワイヤを検出することができる。
【0049】
上述の検出動作においては、センサ(ヘッド)は切断面全体をカバーするくらいの長さを有するが、切断面の一部をカバーするサイズでも良い。ただし、その場合には、切断面全体の飛び出しワイヤを1回の動作で検出できないので、何回かに分けて行う必要がある。従って、検出動作時間が長くなるが、センサを小さくできるので、センサ作製費用や付随費用を抑えることができる。しかも切断面の特定領域に飛び出しワイヤが多ければ、その領域だけの飛び出しワイヤを検出するだけで良い場合もあるので、短いセンサでも十分役目を果たすことができる。
【0050】
図8は、センサヘッドの側面に溝35を設けてその溝を利用して電線を斜めに巻き付けたセンサのセンサヘッド底面11aを示す図である。複数の電線は区別せず黒く太い実線36で示す。図8は基本的には図2と同じ図であるが、種々の傾きで巻かれた電線の状態を示す。溝のピッチをrとすると、この溝に電線36が巻かれるので、センサヘッド底面11aの上辺、すなわちセンサヘッドの長手方向の側面11dと底面11aとの交線上の電線36の距離である。センサヘッド底面11aの底辺、すなわちセンサヘッドの長手方向の側面11fと底面11aとの交線にも同じ位置に溝が形成されていて、その底辺における電線36の中心間距離(電線36の中心から隣の電線の中心までの距離)もrである。また、斜めに巻かれた電線36のピッチをpとし、電線36の巻かれた角度をαとすれば、図2の場合と同じであるから、p=rsinαとなる。(尚、溝の深さは無視している。)タイヤ用のゴムシートにおいては、センサ26の長さが800mm〜1000mmあれば切断面をほぼカバーできる。また、センサヘッド底面の幅は20mm〜100mmあれば飛び出しワイヤを検出できる。もちろん、もっと長く幅も大きくすることもできるが、センサが大きくなるので、作成時間や費用を考慮して、適度な大きさを選定する必要がある。
【0051】
図8(a)においては、溝1つ離れた所に巻かれているので、センサ幅wが30mm、溝ピッチrが10mmとすると、αはほぼ72度で、電線36間のピッチpは約9.5mmである。図8(b)においては、溝2つ離れた所に巻かれているので、αは約56度で、pは約8.3mmとなる。図8(c)においては、溝3つ離れた所に巻かれているので、αは約45度で、pは約7.1mmとなる。図8(d)においては、溝4つ離れた所に巻かれているので、αは約37度で、pは約6.0mmとなる。このように溝ピッチrが一定の溝を形成しておけば、アナログ的に連続したαや電線ピッチpにはならないが、デジタル的により小さなαやピッチpに自由に設定できる。図8(d)の場合であれば、電線の厚み(直径)を1mmとすれば、電線の間隔は約5.0mmとなるので、電線に対して直角に接触するワイヤであれば、長さ約5.0mmのワイヤを検出することができる。もっとαを小さくすれば、さらに短い長さのワイヤを検出することができる。たとえば、8溝離れた所に巻いた場合(図8(e))は、αは約21度で、pは約3.5mmとなるので、電線の間隔は約2.5mmで長さ約2.5mmのワイヤを検出することができる。この程度の長さの飛び出しワイヤを検出できれば、ゴムタイヤシートの接合には問題がなくなる。ただし、どの程度の飛び出しワイヤを検出すれば実用的であるかは、材料や接合方法などの接合技術、作業効率、コスト、信頼性などとの関係も考慮して総合的に検討して設定する必要がある。すなわち、図8(a)の場合でも十分実用的なセンサを実現できる。
【0052】
溝ピッチを小さくした場合には、より細かくαやピッチpを選定できる。たとえば、溝ピッチを5mmとすれば、溝ピッチ10mmの場合の中間の値も選定できる。さらにピッチを小さくすれば検出できるワイヤの長さを短くできる。また、センサ幅を変化させることによってもαやピッチpを変化できる。センサ幅を大きくすれば角度αを大きくできる。また、電線の厚み(直径)を変化させることによっても電線の間隔を変えることができる。電線の厚み(直径)を大きくすれば電線の間隔を小さくできる。
【0053】
これまでのセンサはセンサヘッド底面が平坦面であり、その平坦面がゴムシート面(これも平坦面である)やコンベアベルト面(これも平坦面である)と接触するセンサについて説明してきた。次に、線でゴムシート面(これも平坦面である)やコンベアベルト面(これも平坦面である)と接触するセンサについて説明する。
【0054】
図9は、円柱型のセンサおよびその動作を示す図である。図9(a)は円柱型センサ40の模式図であり、円柱型センサヘッド41の周りに2本の電線42および43を一定のピッチ(p)を有して巻きつける。円柱型センサの場合にはどの部分も被検体に接触するので、ピッチpはどの部分でも一定とするのが良い。センサが回転するので、電線42および43の電極の取り出しは工夫が必要である。たとえば、図9(a)に示すように、電線を巻いた後電線の端の方を円柱型ヘッドの中に入れて円柱型センサヘッド41の底面41Sに導き、電線43を円形底面の中心電極43Sにつなぎ、電線42を同心円状の電極42Sに接続する。これらの電極42Sおよび43Sに電圧をかけておけば、円柱型センサ40が円柱の中心軸を中心にして回転するようにすれば、常に電線42および43に電圧Vをかけておくことができ、電流計Aで電線間42および43に流れる電流を検知できる。
【0055】
図9(b)は、円柱型センサの使用方法を示す模式図である。コンベアベルト44上に切断されたゴムシート45が乗っている。円柱型センサ40が回転しながらコンベアベルト44上およびゴムシート45上を接触または接近して移動していく。(矢印48で示す方向)ゴムシート45の先端側切断面45Sから飛び出たワイヤがあれば(たとえば、飛び出しワイヤ46S)、2本の電線42および43に接触するので、飛び出しワイヤを検出することができる。ゴムシート45の切断面45Sの部分でコンベアベルト44よりゴムシート45の厚み分高くなっているので、円柱型センサ40がその厚み分を乗り越えて回転するように、センサを上下に支持するたとえばシリンダに自由度を持たせるようにすると良い。
【0056】
円柱型センサ40はゴムシート45上も回転しながら移動して、ゴムシート45の後端側切断面45Bに接触または接近する。このとき切断面45Bから上方へ飛び出したワイヤがあれば(たとえば、飛び出しワイヤ46B)、2本の電線42および43に接触するので、飛び出しワイヤを検出することができる。センサ40はさらに回転しながら切断面45Bから下ってコンベアベルト44へ接触または接近していく。このときに切断面45Bか横方向への飛び出しワイヤを検出できる。
【0057】
尚、センサ40を移動させずにコンベアベルト44を移動していく方法もある。すなわち、コンベアベルト44を47の方向に動かして、コンベアベルト44上に乗せられたゴムシート45を移動してセンサ40と接触させる。この場合のセンサ40のワイヤ検出方法は上述した方法と同じである。(どちらが移動するかは、相対的なもので、見方を変えただけと考えれば良い。)センサ40を移動させない場合でもセンサ40は中心軸の周りに回転させるようにすることにより、コンベアベルト44やゴムシート45との接触抵抗を小さくすることができ、センサの寿命を伸ばすことができる。また、センサ40の中心軸はコンベアベルトの移動方向に対して直角に近くなっていると、コンベアベルト44の移動スピードに同期してセンサ40が回転できるので、やはり接触抵抗を小さくすることができる。この場合、ゴムシート45の切断面45Sおよび45Bはコンベアベルトの移動方向に対して一定角度傾斜しているので、一度に切断面45Sおよび45Bに接触または接近できないが、センサ40が回転しているので、切断面全体を検出することができる。従って、検出領域については問題ない。円柱型センサの方が固定式接触センサの場合に比べて、ゴムシートの切断面のエッジ部分についてはより接近して接触するので、飛び出しワイヤの検出感度は良い。
【0058】
この場合においても円柱型センサヘッド41に溝を作ってその溝に電線42および43を嵌めこんで巻き付けることもできる。円柱型センサの場合には、曲面全体がワイヤを検出することができるので、電線が円柱ヘッドの面より出るように溝の深さやサイズを決定する必要がある。円柱型センサは回転するので、溝を作製した方が巻き付けたワイヤの位置変動を少なくすることができる。
【0059】
以上説明したように、本発明の導電体検出センサを用いることにより、非常に簡便で高感度にタイヤ用ゴムシートの切断面から飛び出したワイヤを検出できる。しかもセンサの作製は容易であり、消耗も少なく寿命が長いセンサであるから、安い製造コストと低いランニングコストを実現できる。
【0060】
尚、本発明のセンサは、タイヤ用のゴムシートに限定されず、導電体を埋設した絶縁シートにおいても適用することができる。上述したゴムシートは、ゴム以外の種々の材料に適用できるので、一般的にシート状部材と呼んでも良い。本発明のセンサは大きさの制限はないので、測定対象のシート状部材によって大きさを変更して製造することも容易である。また、上述の説明において、1つの実施例において記載した内容であって他の実施例において記載しなかった内容であっても、お互いに矛盾なく適用できるものに関しても、当該実施例において適用できることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、タイヤ用ゴムシートの製造に適用できる。
【符号の説明】
【0062】
10 導電体検出センサ、11 センサヘッド、12 電線、13 電線、
14 端子電極、15 端子電極、16 溝、17 溝、19 導電体(ワイヤ)、
21 コンベアベルト、22 ゴムシート、23 ゴムシート、25 切断線、
26 導電体検出センサ、27 センサ昇降シリンダ、28 カッター搭載機、
29 センサ取り付けアーム、30 ワイヤ、31 ワイヤ、35 溝、36 電線、
40 円柱型センサ、41 円柱型センサヘッド、42 電線、43 電線、
44 コンベアベルト、45 ゴムシート、46S 飛び出しワイヤ、
46B 飛び出しワイヤ、101 コンベア装置、102 コンベアベルト、
103 (帯状)ゴムシート、104 ゴムシート、106 ワイヤ、107 ワイヤ、
120 ゴムシート、121 絶縁性部材、122 金属線、124a 電極版、
124b 電極版、125 絶縁版
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電体を埋めこんだシート状部材の切断面から飛び出した導電体の検出センサであって、前記検出センサの検出面を複数の導電性電線で略平行に複数回巻き付けたことを特徴とする導電体検出センサ。
【請求項2】
通常状態では隣接する導電性電線間は電気的に導通せず、導電体を埋めこんだシート状部材の切断面から飛び出した導電体が隣接した2本の導電性電線に接触したときに隣接する導電性電線間が電気的に道通することを利用して、前記飛び出した導電体を検出することを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載の導電体検出センサ。
【請求項3】
前記検出センサの検出面であるセンサヘッド底面が平坦面であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項または第2項に記載の導電体検出センサ。
【請求項4】
前記センサヘッド底面に形成された溝に導電性電線が入り込んで巻かれていることを特徴とする、特許請求の範囲第3項に記載の導電体検出センサ。
【請求項5】
前記溝に入り込んだ導電性電線の厚さの一部は前記センサヘッド底面より外側に出ていることを特徴とする、特許請求の範囲第1項〜第4項のいずれかの項に記載の導電体検出センサ。
【請求項6】
前記センサヘッド底面は前記シート状部材切断面全体をカバーする長さを有することを特徴とする、特許請求の範囲第1項〜第5項のいずれかの項に記載の導電体検出センサ。
【請求項7】
前記センサヘッド底面に巻かれた導電性電線は前記センサヘッド底面の長手方向に対して一定角度で傾いていることを特徴とする、特許請求の範囲第1項〜第6項のいずれかの項に記載の導電体検出センサ。
【請求項8】
特許請求の範囲第1項〜第7項のいずれかの項に記載の導電体検出センサを用いてシート状部材切断面から飛び出した導電体を検出する方法であって、
シート状部材を切断後、シート状部材切断面のエッジ部およびシート状部材上面に前記導電体検出センサを接触させるかまたは接近させて、飛び出し導電体を検出する工程、および
前記シート状部材の後端部を切断し切断シート状部材を分離し、前記切断シート状部材後端部の切断面のエッジ部および前記切断シート状部材上面に前記導電体検出センサを接触させるかまたは接近させて、飛び出し導電体を検出する工程、
を含むことを特徴とする導電体検出方法。
【請求項9】
前記シート状部材を切断後、前記シート状部材切断面の前方のコンベアベルトに前記導電体検出センサを接触させるかまたは接近させて、飛び出し導電体を検出する工程、および
前記切断シート状部材切断面の後方のコンベアベルトに前記導電体検出センサを接触させるかまたは接近させて、飛び出し導電体を検出する工程、
をさらに含むことを特徴とする、特許請求の範囲第8項に記載の導電体検出方法。
【請求項10】
センサ形状が円柱形状であり、検出面が円柱の側面であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項または第2項に記載の導電体検出センサ。
【請求項11】
円柱の側面に巻き付けられた複数の導電性電線の少なくとも一方の端は円柱底面に形成された中心部電極または同心円電極に接続されていることを特徴とする、特許請求の範囲第10項に記載の導電体検出センサ。
【請求項12】
円柱の側面に形成された溝に導電性電線が入り込んで巻き付けられていることを特徴とする、特許請求の範囲第10項または第11項に記載の導電体検出センサ。
【請求項13】
前記溝に入り込んだ導電性電線の厚さの一部は前記検出センサの検出面より外側に出ていることを特徴とする、特許請求の範囲第12項に記載の導電体検出センサ。
【請求項14】
前記検出センサの検出面は前記シート状部材切断面全体をカバーする長さを有することを特徴とする、特許請求の範囲第10項〜第13項のいずれかの項に記載の導電体検出センサ。
【請求項15】
前記検出センサの検出面に巻かれた導電性電線は検出面の長手方向に対して一定角度で傾いていることを特徴とする、特許請求の範囲第10項〜第14項のいずれかの項に記載の導電体検出センサ。
【請求項16】
特許請求の範囲第10項〜第15項のいずれかの項に記載の導電体検出センサを用いてシート状部材から飛び出した導電体を検出する方法であって、
シート状部材を切断後、円柱形状センサがシート状部材切断面のエッジを含む切断シート状部材上面に接触するか、または接近するかしながら、円柱形状センサが回転しながら切断シート状部材上面を移動することにより、シート状部材切断面から飛び出した導電体を検出する工程、および/または
円柱形状センサがシート状部材切断面のエッジを含む切断シート状部材上面に接触するか、または接近するかしながら、切断シート状部材が円柱形状センサに対して移動することにより、シート状部材切断面から飛び出した導電体を検出する工程、
を含むことを特徴とする導電体検出方法。
【請求項17】
円柱形状センサがシート状部材切断面の前方または後方のコンベアベルトに接触するか接近して、円柱形状センサが回転しながら移動し、シート状部材切断面を乗り越えてシート状部材上面に移動することによりシート状部材切断面から飛び出した導電体を検出する工程、および/または
円柱形状センサがシート状部材切断面の前方または後方のコンベアベルトに接触するか接近して、シート状部材が移動することにより、円柱形状センサがシート状部材切断面を越えてシート状部材上面に乗り上げることにより、シート状部材切断面から飛び出した導電体を検出する工程、
をさらに含むことを特徴とする特許請求の範囲第16項に記載の導電体検出方法。
【請求項1】
導電体を埋めこんだシート状部材の切断面から飛び出した導電体の検出センサであって、前記検出センサの検出面を複数の導電性電線で略平行に複数回巻き付けたことを特徴とする導電体検出センサ。
【請求項2】
通常状態では隣接する導電性電線間は電気的に導通せず、導電体を埋めこんだシート状部材の切断面から飛び出した導電体が隣接した2本の導電性電線に接触したときに隣接する導電性電線間が電気的に道通することを利用して、前記飛び出した導電体を検出することを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載の導電体検出センサ。
【請求項3】
前記検出センサの検出面であるセンサヘッド底面が平坦面であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項または第2項に記載の導電体検出センサ。
【請求項4】
前記センサヘッド底面に形成された溝に導電性電線が入り込んで巻かれていることを特徴とする、特許請求の範囲第3項に記載の導電体検出センサ。
【請求項5】
前記溝に入り込んだ導電性電線の厚さの一部は前記センサヘッド底面より外側に出ていることを特徴とする、特許請求の範囲第1項〜第4項のいずれかの項に記載の導電体検出センサ。
【請求項6】
前記センサヘッド底面は前記シート状部材切断面全体をカバーする長さを有することを特徴とする、特許請求の範囲第1項〜第5項のいずれかの項に記載の導電体検出センサ。
【請求項7】
前記センサヘッド底面に巻かれた導電性電線は前記センサヘッド底面の長手方向に対して一定角度で傾いていることを特徴とする、特許請求の範囲第1項〜第6項のいずれかの項に記載の導電体検出センサ。
【請求項8】
特許請求の範囲第1項〜第7項のいずれかの項に記載の導電体検出センサを用いてシート状部材切断面から飛び出した導電体を検出する方法であって、
シート状部材を切断後、シート状部材切断面のエッジ部およびシート状部材上面に前記導電体検出センサを接触させるかまたは接近させて、飛び出し導電体を検出する工程、および
前記シート状部材の後端部を切断し切断シート状部材を分離し、前記切断シート状部材後端部の切断面のエッジ部および前記切断シート状部材上面に前記導電体検出センサを接触させるかまたは接近させて、飛び出し導電体を検出する工程、
を含むことを特徴とする導電体検出方法。
【請求項9】
前記シート状部材を切断後、前記シート状部材切断面の前方のコンベアベルトに前記導電体検出センサを接触させるかまたは接近させて、飛び出し導電体を検出する工程、および
前記切断シート状部材切断面の後方のコンベアベルトに前記導電体検出センサを接触させるかまたは接近させて、飛び出し導電体を検出する工程、
をさらに含むことを特徴とする、特許請求の範囲第8項に記載の導電体検出方法。
【請求項10】
センサ形状が円柱形状であり、検出面が円柱の側面であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項または第2項に記載の導電体検出センサ。
【請求項11】
円柱の側面に巻き付けられた複数の導電性電線の少なくとも一方の端は円柱底面に形成された中心部電極または同心円電極に接続されていることを特徴とする、特許請求の範囲第10項に記載の導電体検出センサ。
【請求項12】
円柱の側面に形成された溝に導電性電線が入り込んで巻き付けられていることを特徴とする、特許請求の範囲第10項または第11項に記載の導電体検出センサ。
【請求項13】
前記溝に入り込んだ導電性電線の厚さの一部は前記検出センサの検出面より外側に出ていることを特徴とする、特許請求の範囲第12項に記載の導電体検出センサ。
【請求項14】
前記検出センサの検出面は前記シート状部材切断面全体をカバーする長さを有することを特徴とする、特許請求の範囲第10項〜第13項のいずれかの項に記載の導電体検出センサ。
【請求項15】
前記検出センサの検出面に巻かれた導電性電線は検出面の長手方向に対して一定角度で傾いていることを特徴とする、特許請求の範囲第10項〜第14項のいずれかの項に記載の導電体検出センサ。
【請求項16】
特許請求の範囲第10項〜第15項のいずれかの項に記載の導電体検出センサを用いてシート状部材から飛び出した導電体を検出する方法であって、
シート状部材を切断後、円柱形状センサがシート状部材切断面のエッジを含む切断シート状部材上面に接触するか、または接近するかしながら、円柱形状センサが回転しながら切断シート状部材上面を移動することにより、シート状部材切断面から飛び出した導電体を検出する工程、および/または
円柱形状センサがシート状部材切断面のエッジを含む切断シート状部材上面に接触するか、または接近するかしながら、切断シート状部材が円柱形状センサに対して移動することにより、シート状部材切断面から飛び出した導電体を検出する工程、
を含むことを特徴とする導電体検出方法。
【請求項17】
円柱形状センサがシート状部材切断面の前方または後方のコンベアベルトに接触するか接近して、円柱形状センサが回転しながら移動し、シート状部材切断面を乗り越えてシート状部材上面に移動することによりシート状部材切断面から飛び出した導電体を検出する工程、および/または
円柱形状センサがシート状部材切断面の前方または後方のコンベアベルトに接触するか接近して、シート状部材が移動することにより、円柱形状センサがシート状部材切断面を越えてシート状部材上面に乗り上げることにより、シート状部材切断面から飛び出した導電体を検出する工程、
をさらに含むことを特徴とする特許請求の範囲第16項に記載の導電体検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−128025(P2011−128025A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287003(P2009−287003)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】
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