説明

導電性多層物品における導電性ブリッジ

方法が、第1の導電性回路パス(22)を準備し、第2の導電性回路パス(24)を別個に準備することを含む。第1の導電性回路パスの部分は、第1の所定の電気的接合位置(26)において、第2の導電性回路パスの部分に近接して配置される。第1の接合位置において、第1の回路パスと第2の回路パスとの間に第1の電気絶縁障壁層(28)が挿置され、第1の接合位置において、第1の回路パスが第2の回路パスに機械的に接合される。機械的接合は、第1の接合位置において、第1の回路パスと第2の回路パスとの間に導電性接合パスを提供するように構成される。望ましくは、機械的接合は、超音波接合及び/又は圧力接合を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気回路を相互接続する方法に関する。より具体的には、本発明は、電気絶縁層の厚さを通って電気回路を相互接続するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電気回路は、紙、織布、不織布、及びポリマー・フィルムのような可撓性基材に印刷され、又は他の方法で適用されている。電気回路は、通常のインク印刷技術を用いて適用された導電性インクを含み、バッジ、ラベル、及びタグのような様々な製品が印刷された回路を含む。特定の配置において、印刷された回路は、ドレープ、ガウン、衣類、パーソナルケア吸収性製品等のような衛生用品に用いられている。他の配置においては、電気/電子回路は、幼児用使い捨ておむつ内に設置された濡れセンサのような、選択されたパーソナルケア製品内に設置されたセンサを設けるために用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,591,298号
【特許文献2】米国特許第6,517,671号
【特許文献3】米国特許出願第11/303,283号(代理人整理番号第22,139号)
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Dictionary of Fiber & Textile Technology、Hoechst Celanese Corporation(North Carolina)出版、1990年
【非特許文献2】Brown,R著、Handbook of Polymer Testing、Marcel Dekker Inc、New York、Basel、1999年
【発明の概要】
【0005】
概説すると、本発明は、第1の導電性回路パスを準備し、第2の導電性回路パスを別個に準備することを含む、独特のプロセス及び方法を提供するものである。第1の所定の接合位置において、第1の導電性回路パスの部分が、第2の導電性回路パスの部分に近接して配置される。第1の接合位置において、第1の回路パスと第2の回路パスとの間に第1の電気絶縁性の障壁層が介在され、第1の接合位置において、第1の回路パスが第2の回路パスに機械的に接合される。この機械的接合は、第1の接合位置において、第1の回路パスと第2の回路パスとの間に導電性接合パスを設けるように構成される。特定の態様において、この機械的接合は、超音波接合を含むものとすることができる。別の態様では、第1の導電性回路パスを、センサ・データを提供するセンサ機構に作動的に接続することができる。更に別の態様においては、第2の導電性回路パスを、センサ・データを受信し、選択された信号データを提供する電子プロセッサ機構に作動的に接続することができる。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のインクで印刷された回路構成は、単層のポリマー・フィルム、その他の電気絶縁材料からなる可撓性基材の片側に、導電性インクの印刷を含むものであった。絶縁基材の片側に配置されたインク印刷回路は、該印刷回路を、絶縁基材の反対側に配置された協働するセンサ又は他の外部の電気的監視装置に接続しようとするときに問題が生じることがある。絶縁基材の厚さを通して形成された導電性経路を相互接続することにより、基材の所望の特性が大きく損なわれることがある。例えば、基材が実質的に液体不透過性であることが望まれる場合、絶縁基材の厚さを通って導電性通路を形成することにより、所望のレベルの液体不透過性を大きく低下させるものとなっていた。結果として、液体不透過性の基材及び協働する監視装置が衣類上に用いられるとき、衣類の着用者に過度の刺激をもたらす可能性のある衣類上の位置に相互接続用導電性経路を配置する必要があった。さらに、着用者の活動中に基材材料が動くことによって生じる機械的応力疲労のために、故障に十分に耐えることができる、強力で信頼できる電気的及び機械的相互接続を形成することは困難であった。
【0007】
種々の態様及び特徴を組み込むことにより、本方法は、電気絶縁基材の両側に配置された導電性回路パスの間に所望の相互接続用導電性経路を提供することができる。相互接続用導電性経路は、基材の厚さ寸法を貫通して延びるようにすることができ、相互接続用導電性経路の形成は、基材の所望の特性を有効に保持するように構成することができる。例えば、相互接続用導電性経路の形態は、基材の所望の液体不透過性障壁特性を有効に保持するような構成にすることができる。結果として、相互接続用導電性経路は、より広範囲の位置に配置することができ、より大きい汎用性を与える助けになり得る。例えば、導電性経路が、絶縁基材の片側に配置された回路パスを該基材の反対側に配置された協働するセンサ又は他の外部の電気的監視装置に相互接続するとき、導電性経路は、着用者に改善された快適性を与える位置において監視装置を使い勝手よく協働的に配置するのを可能にする位置にすることができる。
【0008】
付加的な態様においては、相互接続用導電性経路の形態は、選択された部品間に所望のレベルの機械的接合強度を与えるような構成にすることができる。結果として、相互接続用導電性経路の形態は、改善された信頼性をもたらすような構成とすることができる。第1の導電性回路パスが第1の基材に適用され、第2の導電性回路パスが第2の基材に適用される場合には、機械的接合は、相互接続経路の機械的強度を補うような構成とすることができる。例えば、第1の基材の部分を第2の基材の部分に接合して、接合された相互接続用導電性経路の全体の機械的強度を増大させることができる。より大きい機械的強度は、使用者の動きによって生じる応力に起因する、相互接続用導電性経路の機械的疲労が引き起こす導電性経路の電気的故障を減少させる助けになる。付加的に、より少ない基材材料層を用いて、より複雑な回路パスのアレイを生成することができる。低減された基材材料層は、最終製品全体の厚さを低減させ、所望の最終製品の可撓性を増大させる助けになる。
本発明は、添付の図面と併せて本発明の以下の説明を参照することによってより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の回路パスが基材の第1の主対向面上に配置され、かつ、導電性接合パスを用いて、基材の反対側の第2の主対向面上に配置された第2の回路パスに接続されている、代表的な障壁層基材の上面図である。
【図1A】図1のセクション1A−1Aに沿って取った、基材及び関連した回路パスの代表的な断面図である。
【図2】第1の回路パスが第1の基材上に配置され、第2の回路パスが第2の基材上に配置され、第3の回路パスが第3の基材上に配置され、第1の回路パスは、第2の基材の厚さを通って第1の導電性接合パスに沿って第2の回路パスに接続され、第2の回路パスは、第3の基材の厚さを通って第2の導電性接合パスに沿って第3の回路パスに接続される、代表的な配置の上面図である。
【図3】導電性接合パスの抵抗を求めるための代表的な概略構成図である。
【図4】絶縁基材の内側表面に配置され、基材を貫通して導電性経路に沿って、基材の反対側の外側に配置された回路パス及び協働プロセッサに相互接続する、センサ又は他の外部電気的監視装置を有する代表的な物品の部分的に切り取られた斜視図である。
【図5】第2の回路パスへの基材を通って導電性接合パス上に配置された第1の回路パスと、基材の反対側の外側表面に配置された協働プロセッサとの別の代表的な構成の部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示に用いられる「含む」、「含んでいる」という用語、及び「含む」を語根とするその他の派生語は、記載されるいずれかの特徴、要素、完全体、段階、又は構成部品の存在を指定する、幅広い解釈ができる用語であることが意図されており、1つ又はそれ以上のその他の特徴、要素、完全体、段階、構成部品、又はそれらのグループの存在又は追加を除外することが意図されるものではないことに留意すべきである。
【0011】
「粒子」、「複数の粒子」、「微粒子」、「複数の微粒子」等の用語は、一般に、材料が別個の単位の形態であることを意味する。この単位は、顆粒、粉体、球体、粉砕状材料等、及びそれらの組み合わせを含むことができる。粒子は、例えば、立方体、棒状、多面体、球状又は半球状、円形又は半円形、角状、不規則形状等といったいずれの所望の形状を有することもできる。針、フレーク、及び繊維のような大きい最大寸法/最小寸法比を有する形状も、本明細書に包含することが考慮される。「粒子」又は「微粒子」という用語はまた、1つより多くの個々の粒子、微粒子等を含む凝集を含むこともできる。さらに、粒子、微粒子、又はそれらの任意の所望の凝集は、1より多い種類の材料から構成することができる。
【0012】
ここで用いられる「不織」という用語は、相互に織り込まれているが、識別可能な繰り返し様式は有さない個々の繊維又はフィラメントの構造をもつ布ウェブを指す。
【0013】
ここで用いられる「スパンボンド」又は「スパンボンデッド繊維」という用語は、溶融熱可塑性材料のフィラメントを、複数の微細な、通常は円形の紡糸口金の毛細管から押し出し、次いで押し出されたフィラメントの直径を急速に減少させることによって形成される繊維を指す。
【0014】
ここで用いられる「メルトブローン繊維」という用語は、溶融熱可塑性材料を、複数の微細な、通常は円形のダイ毛細管を通して、溶融スレッド又はフィラメントとして、高速の通常は加熱されたガス(例えば空気)流内に押し出し、これにより溶融熱可塑性材料のフィラメントを細くしてその直径を減少させることによって形成される繊維を指す。その後、メルトブローン繊維は、高速ガス流によって運ばれ、収集面上に堆積されて不規則に分配されたメルトブローン繊維のウェブを形成する。
【0015】
ここで用いられる「コフォーム」という用語は、メルトブロー・ポリマー材料を空気中に形成しながら、同時に、空気中に浮遊させたセルロース繊維をメルトブローン繊維の流れの中に吹き込むことによって形成される、メルトブローン繊維とセルロース繊維の混合物を記述するためのものである。木質繊維を含有するメルトブローン繊維は、小孔のあるベルトで与えられるような形成表面上に収集される。形成表面は、形成表面上に配置されたスパンボンド布材料のような気体透過性材料を含むことができる。
【0016】
ここで用いられる「吸収性物品」という語句は、体液を吸収し収容する装置を指し、より具体的には、身体から排出された種々の液体を吸収し収容するために皮膚に押し当てて又はその近くに配置される装置を指す。ここで用いられる「使い捨て」という用語は、一回使用した後、洗濯されるか又は他の形で吸収性物品として復元又は再使用されることを意図しない吸収性物品を記述するのに用いられる。このような使い捨て吸収性物品の例は、これらに限られるものではないが、外科用ドレープ、ガウン、及び滅菌ラップを含む医療関連製品、婦人用衛生製品(例えば、生理用ナプキン、パンティライナ、タンポン、陰唇間装置等)、幼児用おむつ、子供用トレーニングパンツ、成人用失禁製品等のようなパーソナルケア吸収性製品、並びに吸収性拭取材、カバーマットを含む。
【0017】
例えばパーソナルケア吸収性製品の多くのような使い捨て吸収性物品は、液体透過性上面シートと、上面シートに接合された実質的に液体不透過性の裏面シートと、上面シートと裏面シートとの間に配置され保持される吸収性コアとを含むことができる。上面シートは、吸収性物品によって保持又は貯蔵されることを意図した液体に対して、有効に透過性であり、裏面シートは、意図した液体に対して実質的に不透過性であるか、又は他の形で有効に不透過性とすることができる。吸収性物品はまた、液体吸い上げ層、液体分布層、障壁層等といった他の構成部品、及びそれらの組み合わせを含むこともできる。使い捨て吸収性物品及びその構成部品は、身体対向面及び衣類対向面を与えるように働くことができる。ここで用いられる「身体対向面」とは、通常の使用の間に着用者の身体に向けて配置されるか、又はこれと隣接して設置されることを意図した物品又は構成部品の表面を意味し、それに対して、「外側表面」又は「外側対向面」は、その反対側にあって、通常の使用の間、着用者の身体と反対向きとなるように配置されることを意図している。吸収性物品が着用されたときに、そうした外側表面は、着用者の下着の方を向くか又はこれと隣接するように配置され得る。
【0018】
図1乃至図5を参照すると、電気的障壁層の厚さを通って、有効な導電性経路を形成する独特の方法が、第1の導電性回路パス22を準備し、第2の導電性回路パス24を別個に準備することを含む。第1の回路パスの一部分は、第1の所定の導電性接合位置26が第2の導電性回路パスの一部分に近接するように配置することができ、第1の接合位置において第1の回路パスと第2の回路パスとの間に介在するように、第1の電気絶縁性障壁層28を有効に設けることができる。第1の回路パス22は、第1の接合位置26において第2の回路パス24に機械的に接合され、この機械的接合は、第1の接合位置26において少なくとも障壁層28の厚さ寸法42を通って、第1の回路パスと第2の回路パスとの間に第1の導電性接合パス30を提供するように構成されている。機械的接合は、超音波接合を含むことが望ましい。
【0019】
本発明の方法は、その種々の態様及び特徴を単独で又は所望の組み合わせで組み込むことによって、電気絶縁基材の両側に配置された導電性回路パスの間に、所望の相互接続用導電性経路を提供することができる。この方法は、電気絶縁材料の介在する障壁層の厚さ寸法を通って、選択された回路パスを効率的かつ経済的に相互接続することができる。相互接続用導電性経路は、基材の厚さ寸法を貫通して延びることができ、相互接続用導電性経路の形態は、基材の所望の特性を有効に保持するような構成にすることができる。例えば、相互接続用導電性経路の形態は、基材の所望の液体不透過性障壁特性を有効に保持する構成とすることができる。結果として、相互接続用導電性経路は、より広範囲の位置に配置することができ、より大きい汎用性を与えるのを助けることができる。例えば、導電性経路が、絶縁基材の片側に配置された回路パスを、該基材の反対側に配置された協働するセンサ又は他の外部電気監視装置に相互接続するとき、導電性経路は、着用者に対して改善された快適性を与える位置に監視装置を使い勝手よく協働的に配置するのを可能にする位置に置くことができる。
【0020】
付加的な態様において、相互接続用導電性経路の形成は、選択された部品間に所望のレベルの機械的接合強度を与えるように構成することができる。結果として、相互接続用導電性経路の形成は、改善された信頼性を与えるように構成することができる。第1の導電性回路パスが第1の基材に適用され、第2の導電性回路パスが第2の基材に適用された場合、機械的接合の分布及び配置は、相互接続用経路の機械的強度を補い、導電性接合パスの耐久性を増大させるように構成することができる。例えば、第1の基材の部分(例えば、第1の回路パスに隣接して配置された部分)を第2の基材の部分(例えば、第2の回路パスに隣接して配置された部分)に接合して、対応する局所的な接合パスの機械的強度を補い、これにより、接合された相互接続用導電性経路の全体的な機械的強度を増大させることができる。より大きい機械的強度は、相互接続用導電性経路の機械的疲労による導電性経路の電気的故障を減少させる助けになり得る。疲労は、例えば、使用者の動きにより生じる応力及び歪みに起因し得る。付加的に、より少ない基材材料層を用いて、より複雑な回路パスのアレイを生成することができる。低減された基材材料層は、最終製品全体の厚さの低減させ、所望の最終製品の柔軟性を増大させる助けになり得る。
【0021】
第1の導電性回路パス22は第1の導電性材料を含むことができ、第2の導電性回路パス24は第2の導電性材料を含むことができる。第1の導電性材料及び第2の導電性材料は、所望であれば異なるものであっても、又は、実質的に同じものであってもよい。同様に、任意の付加的な導電性回路パスが、対応する導電性材料を含むこともでき、各々の導電性材料は、他の任意の用いられる導電性材料と異なるものであっても、又は実質的に同じものであってもよい。本方法の種々の配置において、個々の回路パスは、任意の有効な導電性材料を含むものとすることができる。好適な導電性材料は、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、炭素ドープ材料、導電性ポリマー等、並びにそれらの組み合わせを含むことができる。導電性材料は、導体箔、導電性ラミネート、導電性トレース、導電性インク等、及びそれらの組み合わせの形態を有することができる。
【0022】
個々の回路パスは、電子的なものであっても又は非電子的なものであってもよい付加的な部品を含むことができる。電子部品は、レジスタ、コンデンサ、インダクタ等のような受動部品、及びそれらの組み合わせを含むことができる。能動部品は、トランジスタ、ダイオード、演算増幅器、集積回路部品、マイクロプロセッサ部品等、及びそれらの組み合わせを含むことができる。
【0023】
いずれかの有効な技術を用いることによって、電気絶縁障壁層28となるように構成された第1の基材、その他の任意の用いられる電気絶縁層を設けることができる。例えば、選択された障壁層は、対応する回路パスに用いられる対応する導電性材料と一体形成することができる。代替的に、選択された障壁層は、別個に設けられる障壁材料の層とすることができ、これは、後で対応する又は関連した回路パス材料にされる。障壁層は、所望のように、実質的にモノリシックとしてもよく、又はサブコンポーネント、サブレイヤ、薄層(lamina)、階層(stratum)等を含んでもよい。
【0024】
本方法の種々の配置において、個々の電気絶縁障壁層は、任意の有効な電気絶縁材料を含むことができる。好適な電気絶縁材料は、例えば、ガラス、ガラス繊維、セルロース、セルロース繊維、ゴム、天然又は合成エラストマー、エラストマー繊維、プラスチック、ポリマー・フィルム等、及びそれらの組み合わせを含むことができる。
【0025】
図1及び図1Aを参照すると、第1の導電性回路パス22は、電流に対して実質的に非導電性である第1の基材に適用することができ、第1の基材は、第1の電気絶縁障壁層28を設ける構成とすることができる。特定の構成においては、第1の導電性回路パス22は、第1の基材の第1の主対向面32に適用することができ、第2の導電性回路パス24は、第1の基材の反対側の第2の主対向面34に適用することができる。
【0026】
図2を参照すると、代替的な配置が、第1の基材の第1の主対向面32に適用された第1の導電性回路パス22と、第2の基材に適用された、別個に設けられた第2の導電性回路パス24とを有することができる。所望の特徴においては、個々の基材は、電流に対して実質的に非導電性となるように構成することができる。従って、第1の基材は、第1の電気絶縁障壁層28を提供するように構成することができ、第2の基材は、第2の電気絶縁障壁層36を提供するように構成することができる。
【0027】
特定の配置において、導電性経路(例えば、導電性接合パス30)を形成するのに用いられる機械的接合は、相互接続用経路の機械的強度を補うことによって、増大した信頼性を与えるように構成することができる。例えば、第1の基材の少なくとも選択された部分(例えば、接合パス30に隣接した障壁層28の部分)を第2の基材の少なくとも選択された部分(例えば、接合パス30に隣接した障壁層36の部分)に接合し、対応する局所的接合パスの機械的強度を増大させ、隣接して接合された相互接続用導電性経路の機械的取り付け強度を増大させる助けになり得る。より高い機械的取り付け強度は、相互接続用導電性経路の機械的疲労によって引き起こされる導電性経路の電気的故障を減少させる助けになり得る。このような疲労は、使用者の日常の動きによって生じる応力及び歪みから引き起こされ得る。
【0028】
付加的に、提示された方法は、第3の導電性回路パス38を提供し、第2の所定の接合位置40において、第3の回路パス38の部分に近接して第2の回路パス24の部分を配置することを含むことができる。第2の接合位置40において、第2の回路パス24と第3の回路パス38との間に第2の電気絶縁障壁層36を挿置することができ、第2の接合位置において、第2の回路パス24を第3の回路パス38に機械的に接合することができ、第2の接合位置40の配置において、機械的接合は、第2の障壁層36の厚さ寸法42を通って、第2の回路パス24と第3の回路パス38との間に第2の導電性接合パス50を有効に設けるように構成される。
【0029】
図2を参照すると、例えば、代表的な構成が、第1の基材(例えば、障壁層28)上に設置され作動的に取り付けられた第1の回路パス22と、第2の基材(例えば、障壁層36)上に設置され作動的に取り付けられた第2の回路パス24と、第3の基材(例えば、障壁層52)上に設置され作動的に取り付けられた第3の回路パス38とを有することができる。特定の態様においては、第1の回路パス22は、第2の基材の厚さを通って延びる第1の導電性接合パス30に沿って、第2の回路パス24に作動的に接続することができる。付加的に、第2の回路パス24は、第3の基材の厚さを通って延びる、別個に設けられた別の導電性接合パス50に沿って、第3の回路パス38に作動的に接続することができる。結果として、より少ない基材材料層を用いて、より複雑な回路パスのアレイを効率的に生成することができる。低減された基材材料層は、最終製品全体の厚さを低減させる助けになり、所望の最終製品の可撓性を増大させる助けになり得る。
【0030】
同様の方法で、本発明のさらなる組み合わせ及びより複雑な構成を提供するように、付加的な導電性回路パス及び付加的な電気絶縁層を交互に積層し、対応する所定の接合位置において対応する回路パス間に導電性障壁層を挿置することができる。対応する所定の接合位置において、対応する回路パスの部分を互いに近接して作動的に配置することができ、機械的接合を用いて、対応する接合位置において対応する障壁層の両側にある回路パス間に導電性接合パスを設けることができる。
【0031】
任意の適切な材料によって、個々の基材層又は電気絶縁障壁層を提供することができる。例えば、基材又は障壁材料は、ポリマー・フィルム、織布、不織布、スパンボンド布、メルトブローン布、コフォーム布材料、エラストマーフィルム、エラストマー複合材料、非導電性コーティング、非導電性ラミネート等、及びそれらの組み合わせを含むことができる。
【0032】
個々の基材層又は障壁層は、天然材料及び/又は合成材料を含むことができる。所望の配置においては、個々の基材層又は障壁層は、合成ポリマー材料を含むことができる。このようなポリマー材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、溶融押し出し可能ポリマー布等、及びそれらの組み合わせを含むことができる。
【0033】
選択された軟化点を有する材料によって、個々の基材層又は電気絶縁障壁層を提供することができる。本開示の目的のために、軟化点とは、材料が有効な方法で可塑的に流れることができる温度である。材料の可塑的な流れは、ここで述べられる接合方法又は技術のいずれかによって開始することができる。特定の態様においては、個々の基材又は障壁材料の軟化点温度は、少なくとも最小で約38℃とすることができる。所望の利点をもたらすために、軟化点は、代替的に少なくとも約50℃とすることができ、随意的に少なくとも約60℃とすることができる。他の態様においては、所望の効果をもたらすために、個々の基材又は障壁材料の軟化点は、約150℃又はそれ以上までとすることができる。
【0034】
軟化点温度が低すぎる場合には、接合位置において過剰な変形の問題が生じることがあり、接合位置における導電率が低くなりすぎることがある。軟化点温度が高すぎる場合には、所望の機械的接合を達成することができず、接合位置における導電率は不適切なものになり得る。
【0035】
材料の軟化点温度の適切な判断は、ASTM D1525−06、Standard Test Method for Vicat Softening Temperature of Plasticsに従って測定することができるビカット軟化温度である。概説すると、ビカット軟化温度とは、特定の荷重下で、端部が平坦にされた針が試験片を1mmの深さまで貫入する温度である。この温度は、材料が高温用途に用いられるときに予想される軟化点を示す。試験中、試験片は試験装置内に置かれるので、貫入する針は、縁部から少なくとも1mmだけその表面に載っている。10N又は50Nの荷重が試験片にかけられる。次いで、試験片は23℃の油浴の中に下ろされる。浴は、針が1mm貫入するまで、1時間当たり50℃の割合で加熱される。試験片は、3mmから6.5mmまでの間の厚さであり、少なくとも10mmの幅及び長さであり、最小厚さを達成するために、3層しか積層することができない。ビカット軟化試験は、針が1mm貫入する温度を求める。軟化点温度を求めるのに適した装置は、ATLAS HDV2 DTUL/ビカット試験機又は同等の装置とすることができる。
【0036】
提示された方法の別の特徴は、選択された可撓性値を有するように、個々の基材層又は電気絶縁障壁層を構成することを含むことができる。可撓性とは、破断することなく繰り返し撓む又は屈曲する能力、及び曲げやすさに関し、柔軟(可撓性が高い)から硬い(可撓性が低い)までの範囲に及ぶことができる。材料の可撓性及び「風合い」は、布又は他の材料の触覚特性に関連し得る。このような触覚特性は、例えば、柔らかさ、硬さ、弾性、粒度、弾力性、及び手で触ることによって知覚される他の特性のパラメータを含むことができる。例えば、非特許文献1を参照されたい。
【0037】
材料の撓み剛性(すなわち、硬度)を測定し、対応する可撓性値を得るために、通常用いられる試験は、典型的には、屈曲又は曲げ試験と呼ばれる。一般に、撓み剛性は、曲げに対する抵抗性であり、より具体的には、如何なる張力も存在しないときに単位曲率に曲げられる単位幅のストリップのどちらかの端部における曲げ偶力である(ASTM D1388)。
【0038】
選択された基材の可撓性値を求めるために、試験材料が、4点荷重式曲げ試験(非特許文献2を参照されたい)によって屈曲される。好適な4点荷重式曲げ試験は、KES純曲げ試験である。この試験は、KAWABATA、KES−FB−2型曲げ試験機、又は実質的に同等の装置を用いて行うことができる。KAWABATA曲げ試験機は、日本国京都府所在の事業所を有する会社である、カトーテック株式会社(KATO TECH Co.,LTD.)から入手可能であり、KAWABATA装置は、KES純曲げ試験を行うための詳細な指示を含む。
【0039】
KES純曲げ試験は、可撓性材料を測定するために高い感度を有する。KES試験は純曲げ試験であるので、通常の応力だけが存在し、剪断応力はない。KES純曲げ試験においては、曲げ剛性値は、−2.5cm-1から2.5cm-1までの湾曲間の曲げである曲げ曲線の最初の傾斜から獲得され、一定の湾曲速度は0.5cm-1/秒で変化する。
【0040】
曲げ剛性を用いて可撓性値をもたらすことができ、
ここで、
曲げ剛性=0.5cm-1から1.5cm-1までの湾曲と、
−0.5cm-1から−1.5cm-1までの湾曲
の間の曲げ曲線の平均傾斜
である。
【0041】
特定の態様においては、可撓性値(曲げ剛性値)は、少なくとも最小で約0.0015グラム重量(gf)*cm2/cmとすることができる。他の態様においては、可撓性値は、最大で約0.03gf*cm2/cmとすることができる。所望の効果をもたらすために、可撓性値は、代替的に最大で約0.028gf*cm2/cmとすることができ、随意的に約0.025gf*cm2/cmまでとすることができる。
【0042】
可撓性値が所望の値の範囲外にある場合には、材料は、荒すぎる感触をもつことがある。付加的に、材料は、関連した回路パス、回路部品、又は回路接続部にかかる過剰な疲労応力及び歪みを許容することがある。
【0043】
液体状態の関連した導電性材料から対応する導電性材料を印刷することによって、第1の回路パス22及び/又は第2の回路パス24のような個々の導電性回路パスを適用することができる。例えば、第1の導電性回路パスは、液体状態の第1の導電性材料から第1の導電性材料を印刷することによって適用することができ、第2の導電性回路パスは、液体状態の第2の導電性材料から第2の導電性材料を印刷することによって適用することができる。
【0044】
個々の導電性材料は、導電性インクを含むことができる。導電性インクは、導電性材料を含み、様々な印刷工程を用いて、選択された基材の上に印刷するように調合することができる。導電性インクは、典型的には、1つ又はそれ以上の樹脂及び/又は溶剤を含む媒体(vehicle)を含む。例えば、酸化防止剤、平滑化剤、フロー剤、及び乾燥剤などの当技術分野において周知の様々な他のインク添加物を、導電性インク内に含ませることができる。導電性インクは、ペースト形態、スラリー形態、又は分散形態とすることができる。一般に、インクはまた、所望のレオロジーのために当業者により容易に調節することができる1又はそれ以上の溶剤も含む。インクの調合は、導電性粒子を、例えば溶剤及び樹脂のような媒体で十分に濡らすように、粉砕機内で混合されることが望ましい。
【0045】
導電性材料は、銀、銅、金、パラジウム、白金、炭素、又はこれらの粒子の組み合わせを含むことができる。導電性材料の平均粒子サイズは、約0.5μmから約20μmまでの間の範囲内とすることができる。望ましくは、平均粒子サイズは、約2μmから約5μmまでの間とすることができる。或いは、平均粒子サイズは、約3μmとすることができる。導電性トレース又は回路パスにおける導電性材料の量は、乾燥重量ベースで約60重量%から約90重量%までの間とすることができる。望ましくは、導電性トレースにおける導電性材料の量は、乾燥重量ベースで、約75重量%から約85重量%までの間とすることができる。
【0046】
導電性粒子は、フレーク及び/又は粉体とすることができる。特定の配置においては、導電性フレークは、約2から約50までの間、望ましくは約5から約15までの間の平均アスペクト比を有する。アスペクト比は、粒子の最大線寸法と粒子の最小線寸法の比である。例えば、楕円体の粒子のアスペクト比は、長軸に沿った寸法を短軸に沿った寸法で割ったものである。フレークについては、アスペクト比は、フレークの全長にわたる最長寸法をその厚さで割ったものである。
【0047】
好適な導電性フレークは、実質的に約2μmから約18μmまでの間の粒子サイズ分布を有するP185−2フレーク、実質的に約0.5μmから約5μmまでの間の粒子サイズ分布を有するP264−1及びP264−2フレーク、実質的に約1μmから約10μmまでの間の粒子サイズ分布を有するP204−2フレーク、実質的に約1μmから約8μmまでの間の粒子サイズを有するP204−3フレーク、実質的に約2μmから約9μmまでの間の粒子サイズ分布を有するP204−4フレーク、実質的に約1μmから約9μmまでの間の粒子サイズ分布を有するEA−2388フレーク、実質的に約0.5μmから約22μmまでの間の粒子サイズ分布を有し、約2.8μmの平均値を有するSA−0201フレーク、実質的に約1μmから約6μmまでの間の粒子サイズ分布を有するRA−0001フレーク、実質的に約2μmから約17μmまでの間の粒子サイズ分布を有するRA−0015フレーク、及び実質的に約2μmから約62μmまでの間の粒子サイズ分布を有し、約12μmの平均値を有するRA−0076フレークの商品名のもとで、METALOR社(米国マサチューセッツ州、Attleboro所在の事務所を有する会社)により販売されているものを含むことができる。
【0048】
好適な銀粉末は、実質的に約0.4μmから約4μmまでの間の粒子サイズ分布を有し、約1.2μmの平均値を有するC−0083P粉体、実質的に約0.4μmから約6.5μmまでの間の粒子サイズ分布を有し、約1.7μmの平均値を有するK−0082P粉体、及び実質的に約1μmから約4μmまでの間の粒子サイズ分布を有するK−1321P粉体の商品名で、METALOR社によって販売されているものを含むことができる。
【0049】
導電性インクは、樹脂を含むことができる。好適な樹脂は、例えば、ポリマー、ポリマー配合物、脂肪酸等、及びそれらの組み合わせを含むことができる。特定の配置においては、アルキド樹脂を用いることもできる。このような樹脂の例は、Lawter International社(米国ウィスコンシン州Kenosha所在の事業所を有する会社)からの、LV−2190、LV−2183、及びXV−1578アルキド樹脂を含む。Kerley Ink社(米国イリノイ州Broadview所在の事業所を有する会社)から入手可能なCrystal Gloss Metallic Amber樹脂、Z−kyd樹脂、及びアルカリ精製アマニ油樹脂もまた好適である。Ron Ink Company社(米国ニューヨーク州Rochester所在の事業所を有する会社)から入手可能なもののような大豆樹脂もまた好適である。
【0050】
導電性インクの調合に用いられる溶剤は、当技術分野において周知であり、当業者であれば、特定の印刷用途に用いるための多数の適切な溶剤を容易に識別することができる。溶剤は、一般に、湿量ベースで約3重量%から約40重量%までのインクを含むことができる。この量は、任意の所定の印刷方法についての、樹脂の粘度、溶剤の溶媒和特性、並びに導電性粒子サイズ、分布、及び表面形態を含む様々な要因に応じて変化し得る。一般に、所望のインク・レオロジーが達成されるまで、溶剤をインク混合物に添加することができる。所望のレオロジーは、用いられる印刷方法に応じたものとすることができ、熟練した印刷業者及びインク製造業者により周知である。
【0051】
導電性インク内の溶剤は、炭化水素溶剤のような無極性溶媒、水、イソプロピルアルコールのようなアルコール、及びそれらの組み合わせを含むことができる。特定の配置では、脂肪族炭化水素溶剤を用いることができる。好適な溶剤の例は、Exxon Corporation社(米国テキサス州ヒューストン所在の事業所を有する会社)からのISOPAR H脂肪族炭化水素溶剤、Exxon Corporation社からのEXX−PRINT M71a及びEXX−PRINT 274aの脂肪族及び芳香族炭化水素溶剤、並びに、Lawter International社(米国ウィスコンシン州Keshosha)からのMCGEE SOL 52、MCGEE SOL 47、及びMCGEE SOL 470の脂肪族及び芳香族炭化水素溶剤を含む。
【0052】
種々の印刷技術を用いて、個々の導電性回路パス又はトレースを生成することができる。印刷技術は通常のものであり、市販されている。例えば、これらに限られるものではないが、オフセット・リソグラフィ印刷(湿式、無水、及び乾式)、フレキソ印刷、グラビア印刷(直接方式又はオフセット方式)、凹版印刷、インクジェット印刷、電子写真式印刷(例えば、レーザジェット及び写真複写)、及び活版印刷を含む、紙又は他の基材上にインクを印刷するための当技術分野において周知の印刷技術を用いて、選択された基材に導電性インクを適用することができる。これらの印刷方法は望ましいものである、その理由は、回路基板上にトレースを形成する従来の方法は、複数の段階を含み(例えば、フォトレジスト、硬化、及びエッチング)、時間を要し、環境に優しくなく、比較的費用がかかるためである。本発明の基材上に印刷するために、市販の印刷機が用いられることが好ましい。市販の印刷機は、印刷後にインクを乾燥させるための付加的な乾燥能力を必要とし、又はポリマー・フィルムを処理するために(例えば、静電荷を処理するために)変更を必要とすることがある。これらの種類の変更は、当技術分野において周知であり、通常、市販の印刷機を購入する際に注文することができる。印刷技術に応じて、毎分約150フィートから毎分約300フィートまでの範囲の印刷速度を容易に達成することができる。例えば、毎分約1000フィート又はそれ以上といった、さらに速い印刷速度を達成できることも考えられる。
【0053】
導電性インクは、乾燥した導電性トレース又は回路パスが、用いられる印刷工程に応じて約1μmから約8μmまでの範囲内の厚さ寸法を有するような量で堆積できることが望ましい。例えば、十分な導電率を達成するためには、通常、約2μmから約3μmまでのインクフィルム厚をもたらす一回の印刷操作で十分である。随意的に、選択された基板上に、導電性インクを2回又はそれ以上の回数印刷し、選択された基材により多くの導電性インクを与えることができる。特定の配置においては、導電性インクは、何度も印刷するときに起こり得る見当合わせの問題を避けるために一回だけ印刷される。
【0054】
随意的に、導電性インクを選択された乾燥温度で乾燥させて、所望の導電性トレース又は回路パスの形成を助けることができる。特定の態様において、トレースをその関連した協働基材内に埋め込むステップの前に、乾燥を行なうことができる。乾燥温度は、基材又は障壁層材料に対する過剰な損傷を回避するように選択されることが望ましい。
【0055】
閉じ込められた溶剤を含有する泡を最小にし、及び/又は急速な溶剤蒸発によるピンホール又はクレーターを最小にするために、導電性インクを選択された乾燥温度で乾燥して、溶剤又はキャリアの一部又は全てを取り除くことができる。導電性インクは、対流式オーブンなどの炉を用いて、或いは、赤外線乾燥及び高周波乾燥、又は紫外線(UV)放射を用いて乾燥することができる。特定の配置においては、加熱装置は、印刷された基材の通過を可能にするように設計することができ、その結果、導電性インクの連続的な乾燥が可能になり、大量生産を容易にすることができる。用いられる乾燥温度は、用いられるインク、選択された基材の軟化温度、及び乾燥時間又はベルト速度によって決まる。典型的な乾燥温度は、約125°Fから約150°Fまで(約52℃〜66℃)の範囲内とすることができる。UVが用いられるとき、乾燥温度は室温とすることができる。乾燥ステップの後、随意的な埋め込みステップの前に、回路要素を冷却することが可能になる。代替的に、トレースが乾燥温度まで加熱されたとき、埋め込みステップと共に乾燥ステップを連続的に達成することができる。
【0056】
本方法の様々な構成において、接合によって機械的接合をもたらすことができ、そこでは、赤外線放射の周波数を下回る機械エネルギー(例えば、振動)又は電磁エネルギーを有する周波数によって、適用される接合エネルギーの少なくとも約80%が提供された。赤外線放射の周波数を下回るエネルギーを有する周波数によって、適用される接合エネルギーの、望ましくは少なくとも約90%、より望ましくは約100%までが提供された。より特定的には、300GHz(ギガヘルツ)を下回る適用される機械又は電磁エネルギー周波数によって、機械的接合を引き起こすこともできる。従って、機械的接合は、赤外線放射のエネルギーを実質的に排除し、赤外線放射の周波数より高い周波数を実質的に排除するエネルギー周波数によって引き起こされた。機械的接合は、例えば、超音波接合、圧力接合、高周波溶接、マイクロ波溶接等、及びそれらの組み合わせを含むことができる。所望の配置において、提示された方法は、超音波接合、又は超音波接合と圧力接合の組み合わせを組み込むことができる。
【0057】
用いられる機械的接合は、作動的に連続的な電気的接続を与えることができる機械的接合部を形成する。所望の特徴において、機械的接合は、協働する回路パス間に(例えば、第1の回路パスと協働する第2の回路パスとの間に)挿置された障壁層材料(例えば、障壁層28)の厚さを通る接合パス(例えば、接合パス30)に沿って、有効な導電性相互接続部を形成することができる。機械的接合部を通る導電率は、接合パスによって相互接続される個々の回路パスを形成するのに用いられる部品材料の導電率の関数とすることができる。特定の態様においては、接合パスを通る導電率は、相対的により低い導電率を有する回路パスの導電率の少なくとも約80パーセントとすることができる。望ましくは、接合パスを通る導電率は、相対的により低い導電率を有する回路パスの導電率の少なくとも約90%とすることができる。より望ましくは、機械的接合部を通る導電率は、相対的により低い導電率を有する回路パスの導電率の少なくとも約95%とすることができる。
【0058】
超音波接合は、選択された接合領域に中程度のクランプ圧力を印加し、所望の接合部が達成されるまで、選択された接合領域に超音波周波数の振動剪断作用を施すことによって、固体材料を作動的に接合する通常の方法である。超音波接合システムの詳細な説明は、種々の刊行物に記載されている。例えば、1997年1月7日に発行された「MACHINE FOR ULTRASONIC BONDING」という名称の特許文献1、及び、2003年2月11日に発行された、Jack Lee Couillard他による「RAMPED ULTRASONIC BONDING ANVIL AND METHOD FOR INTERMITTENT BONDING」という名称の特許文献2を参照されたい。
【0059】
本方法の所望の構成においては、個々の接合位置(26、40)に配置された回路パスの少なくとも部分における個々の導電性材料は、選択された厚さ寸法を有することができる。代表的に示すように、例えば、第1の回路パス22の導電性材料は厚さ23を有することができ、第2の回路パス24の導電性材料は厚さ25を有することができる。後の接合作業の前に決定されるように、特定の特徴により、選択され組み合わされた厚さを有する個々の接合位置において、導電性材料の少なくとも部分を構成することができる。特定の態様においては、接合のために指定された回路パスにおける導電性材料の組み合わされた厚さは、少なくとも最小で約9μmとすることができる。改善された性能をもたらすために、個々の接合位置における導電性材料の組み合わされた厚さは、代替的に少なくとも約10μmとすることができ、随意的に少なくとも約12μmとすることができる。他の態様においては、所望の利点を提供するために、個々の接合位置における導電性材料の組み合わされた厚さ(接合の前に決定されるような)は、最大で約50μm又はそれ以上とすることができる。
【0060】
更に別の特徴においては、個々の接合位置(26、40)に配置された回路パスの少なくとも部分における導電性材料は、選択され組み合わされた厚さ(接合する前の)を有することができ、それは、接合のために指定された回路パスの間に挿置された基材又は障壁層の厚さの選択された百分率である。特定の態様においては、組み合わされた厚さ(接合する前の)は、挿置された基材又は障壁層の厚さの少なくとも最小で約5%とすることができる。改善された性能をもたらすために、組み合わされた厚さは、代替的に挿置された基材又は障壁層の厚さの少なくとも約25%とすることができ、随意的に装置された基材又は障壁層の厚さの少なくとも約50%とすることができる。他の態様においては、所望の利点をもたらすために、個々の接合位置における導電性材料の組み合わされた厚さは、挿置された基材又は障壁層の厚さの約60%まで又はそれ以上とすることができる。
【0061】
接合作業は、選択された接合パターンを有する有効な接合を含むことができ、接合パターンは、対応する相互接続接合パスを通って第1の回路パスから第2の回路パスに延びる所望の導電性経路を破壊する、又は他の形での過度に中断するのを実質的に回避するように構成することができる。接合パターンは著しく非連続的なものにしてもよく、かつ、所望の構成においては、指定された接合位置にわたって断続的な分散型アレイの形で分散された複数の接合部材(例えば、接合ピン)を有する接合機構によって提供することができ、ここで、個々の接合部材は、離間配置され、閉鎖された接合領域の選択された百分率を提供するように作動的に構成される。特定の態様においては、接合面積率は、少なくとも最小で約5%とすることができる。所望の利点をもたらすために、接合面積率は、代替的に少なくとも約7%とすることができ、随意的に少なくとも約10%とすることができる。別の態様においては、接合面積率は、最大で約50%又は60%とすることができる。所望の性能をもたらすために、接合面積率は、代替的に約30%又は40%までとすることができ、随意的に約20%までとすることができる。特定の構成においては、接合面積率は、約13%とすることができる。
【0062】
個々の導電性回路パス(例えば、回路パス22及び/又は回路パス24)は、特に対応する接合位置にほぼ近接して、選択された電気抵抗率値を有することができる。所望の態様においては、抵抗率値は、実質的にゼロΩ/m(オーム/メートル)とすることができる。他の態様においては、電気抵抗率値は、最大で約1MΩ/m(メガオーム/メートル)以下とすることができる。改善された有効性を提供するために、抵抗値は、代替的に約1KΩ/m(キロオーム/メートル)以下とすることができ、随意的には約100Ω/m以下とすることができる。
【0063】
別の態様においては、個々の導電性回路パスの抵抗率値は、実質的に導電性材料1ミル当たり0オーム・パー・スクエア(Ω/スクエア毎ミル)とすることができ、ここで、1ミル=0.001インチである。抵抗率値は、代替的に0.1Ω/スクエア毎ミルほどにも低くすることができ、随意的に1Ω/スクエア毎ミルほどにも低くすることができる。さらに他の態様においては、抵抗率値は、最大で約33KΩ/スクエア毎ミル以下とすることができる。改善された効果をもたらすように、抵抗率値は、代替的に約16KΩ/スクエア毎ミル以下とすることができ、随意的に約8KΩ/スクエア毎ミル以下とすることができる。
【0064】
「オーム・パー・スクエア毎ミル」によって抵抗率値を求めるための好適な手順は、ASTM F1896−98(2004年再承認)、Test Method for Determining the Electrical Resistivity of a Printed Conductive Materialである。
【0065】
提示された方法の更に別の態様は、個々の導電性接合パス(例えば、電気的接合パス30及び/又は50)が、選択された電気抵抗率値をもたらすように構成された構成を有することができる。特定の態様においては、抵抗率値はゼロオームほどにも低くすることができる。抵抗率値は、代替的に0.1Ωほどまで低くしてもよく、所望の性能をもたらすために、随意的に0.5Ωほどまで低くしてもよい。他の態様においては、電気抵抗率値は、最大で約1KΩ以下としてもよい。改善された性能をもたらすために、抵抗率値は、代替的に約100Ω以下としてもよく、随意的に約10Ω以下としてもよい。
【0066】
抵抗値が大きすぎるか、さもなければ所望の値の範囲外にある場合、過剰な電源消費及び過剰な設計上の複雑さが生じることがある。付加的に、関連した回路における測定感度及び測定精度が低下することがある。
【0067】
図3を参照すると、個々の接合パスの抵抗は、次の手順を用いることによって求めることができる。すなわち、(a)作用地点Aから、導電性充填材パスにすぐ近接し、相対的に地点Aに最も近い地点Aaまでの第1の回路パスの抵抗を測定し、第1の抵抗値R1を求める。(b)作用地点Bから、導電性充填材パスにすぐ近接し、相対的に地点Bに最も近い地点Bbまでの第2の回路パスの抵抗を測定し、第2の抵抗値R2を求める。(c)地点AからAaまで直接走り、導電性充填材パスを直接通り、地点BbからBまで直接通る、パスに沿った全体の抵抗を測定し、全体の抵抗値RTを求める。
【0068】
次に、RB=RT−R1−R2であり、ここで、RB=点Aと点Bとの間に挿置された個々の接合パスの抵抗である。
【0069】
個々の電気的接合位置はまた、選択された接合強度をもたらすように構成することもできる。特定の態様においては、第1の導電性回路パス22が第1の基材(例えば、層28)の第1の主対向面32に適用され、別個に提供された第2の導電性回路パス24が第2の基材(例えば、層36)の主対向面に適用されたとき、接合強度を増大させることができる。
【0070】
接合位置における機械的接合強度は、部品材料強度の関数として測定することができ、特定の態様においては、最も低い部品部材強度を有する部品材料強度の少なくとも10パーセントとすることができる。望ましくは、導電性機械的接合の強度は、最も低い部品部材強度を有する部品材料強度の少なくとも40パーセントとすることができる。より望ましくは、導電性機械的接合の強度は、最も低い部品部材強度を有する部品材料強度の少なくとも80パーセントとすることができる。
【0071】
特定の特徴においては、個々の接合位置は、剪断力で測定される選択された接合長さを有することができる。個々の接合位置における接合の剪断強度は、対応する相互接続回路パスと共に用いられる最も弱い基材又は障壁材料の引張強度の約100%まで又はそれより多くとすることができる。代替的に、個々の電気的接合位置の接合強度は、対応する相互接続回路パスと共に用いられる最も弱い基材又は障壁材料の引張強度の約200%まで又はそれより多くとすることができる。改善された利点をもたらすために、接合強度率は、随意的に、対応する相互接続回路パスと共に用いられる最も弱い基材又は障壁材料の引張強度の約300%まで又はそれより多くとすることができる。別の態様においては、個々の接合位置における接合の剪断強度は、対応する相互接続回路パスと共に用いられる最も弱い基材又は障壁材料の引張強度の少なくとも約10%とすることができる。所望の性能をもたらすために、個々の電気的接合位置の接合剪断強度率は、代替的に少なくとも約40%とすることができ、随意的に、対応する相互接続回路パスと共に用いられる最も弱い基材又は障壁材料の引張強度の約80%までとすることができる。
【0072】
材料の引張強度を判定するための好適な手順は、ASTM D3039/D3039M−00(ポリマー・マトリクス複合材の引張特性のための標準試験方法(Standard Test Method for Tensile Properties of Polymer Matrix Composite Materials))である。材料の剪断強度を求めるための好適な手順は、ASTM D3518/D3518M−94、±45°の積層物の引張試験によるポリマー・マトリクス複合材の平面内剪断応答のための標準試験方法(Standard Test Method for In−Plane Shear Response of Polymer Matrix Composite Materials by Tensile Test of a ±45° Laminate)である。
【0073】
個々の電気的接合位置の接合強度率を求めるために、次の計算式、すなわち
%接合強度=100*(接合の剪断強度)÷(基材の引張強度)
が用いられる。
【0074】
接合位置は、いずれの有効な構成を有してもよい。例えば、接合位置における接合は、いずれの有効な形状又は分布を有してもよい。接合形状は、不規則なものであって、又は実質的に規則的なものであってもよい。接合分布は、所望のように、パターン化されていなくても、又はパターン化されていてもよく、選択されたパターンは、所望のように規則的なものであっても、又は不規則なものであってもよい。更に別の特徴において、個々の電気的接合位置は、選択された接合領域の上に延びるように構成することができる。コンタクトの導電性の表面領域が、相互接続接合パスの抵抗率の値に著しく影響を与え得ることを認識すべきである。接合は、十分なレベルの強度及び高い導電率をもたらす接合領域を生成するように構成されることが望ましい。
【0075】
特定の態様においては、接合面積は、少なくとも最小で約3.5mm2とすることができる。所望の利点をもたらすために、接合面積は、代替的に少なくとも約10mm2とすることができ、随意的に少なくとも約25mm2とすることができる。他の態様においては、接合面積は、最大で約1000mm2又はそれ以上とすることができる。所望の改善された有効性をもたらすために、接合面積は、代替的に約100mm2までとすることができ、随意的に約35mm2までとすることができる。
【0076】
接合面積が所望値の外である場合には、接合面積及び接合パスの強度及び導電率が低くなりすぎることがあり、又は、接合面積が、所望の回路パスを支持するために使用可能な基材面積を減少させすぎることがある。
【0077】
別の特徴は、実質的に液体不透過性となるように構成された個々の接合位置を有することができる。より特定的には、接合位置は、接合面積にわたって、約1mmの距離だけ接合面積の周りを超えて延びる領域において実質的に液体不透過性とすることができる。本発明の種々の構成において、作動的に液体不透過性の材料は、かなりのレベルの漏れを許容することなく、少なくとも約45cmの水頭柱を支持することができる構成を有することができる。液体浸透性に対する材料の抵抗を求めるのに適した技術は、1968年12月31日付の連邦試験法規格FTMS191 Method 5514、又は実質的に同等の手順である。
【0078】
更に別の特徴においては、個々の回路パス(例えば、回路パス22、24、及び/又は38)には、選択されたクロスデッケル幅寸法44(例えば、図1及び図2)を与えることができる。特定の態様において、クロスデッケル幅は、少なくとも最小で約0.01cmとすることができる。[改善された]所望の利点をもたらすために、クロスデッケル幅は、代替的に少なくとも約0.02cmとすることができ、随意的に少なくとも約0.03cmとすることができる。他の態様においては、クロスデッケル幅は、最大で約1cmまで又はそれ以上とすることができる。所望の有効性をもたらすために、クロスデッケル幅は、代替的に約0.5cmまでとすることができ、随意的に約0.1cmまでとすることができる。
【0079】
個々の回路パスのクロスデッケル幅が所望の値の範囲外である場合、導電性材料のコストが高くなりすぎることがある。結果として、最終製品の製造コストが所望の範囲外になり得る。
【0080】
個々の回路パスの面積及び幅寸法は、標準的な顕微鏡技術を用いることによって求め得ることを容易に認識すべきである。このような技術は通常のものであり、当技術分野において周知である。
【0081】
図4及び図5を参照すると、本方法の別の態様が、選択されたセンサ・データを提供できるセンサ機構46に作動的に接続された少なくとも1つの導電性回路パス(例えば、回路パス22)を含むことができる。更に別の態様においては、少なくとも別の導電性回路パス(例えば、回路パス24)を、センサ・データを作動的に受信し、選択された信号データを提供できる電子プロセッサ機構48に作動的に接続することができる。
【0082】
任意の適切な検出用、感知用、又は尋問用装置若しくはシステムを作動的に用いて、本方法を組み込んだセンサ機構46を設けることができる。好適なセンサ機構は、例えば、湿り度センサ、運動センサ、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、位置センサ、近接センサ、光センサ、臭気センサ等、及びそれらの組み合わせを含むことができる。
【0083】
本方法を用いて生成されるセンサ・データ内に、任意の適切な情報又はデータを作動的に含ませ得ることを認識すべきである。好適なセンサ・データは、例えば、抵抗、電圧、静電容量、インダクタンス、湿り度、運動、温度、湿度、圧力、位置、近接性、光、臭気等、及びそれらの組み合わせに関するデータを含むことができる。
【0084】
電子プロセッサ機構48と共に、任意の適切な分析用、計算用、又は評価用装置若しくはシステムを作動的に含ませることができる。好適な電子プロセッサ機構は、例えば、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、アナログ・デジタル変換器、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、Field Programmable Gate Array)、EEPROM(電気的消去書込み可能な読出し専用メモリ、Eletrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、電子記憶装置等、及びそれらの組み合わせを含むことができる。電子プロセッサは、デジタル又はアナログ・データを収集し、処理し、格納し、分析し、変換し、フィードバックの提供することなど等、及びそれらの組み合わせを実行することができる。
【0085】
本方法を用いて生成される信号データ内に、任意の適切な情報又はデータを作動的に含ませ得ることを認識すべきである。好適な信号データは、例えば、光、音、触覚、臭気、生体電気インパルス、バイオメトリック・データ、運動、振動、無線通信等に関するデータ、及びそれらの組み合わせを含むことができる。
【0086】
所望の配置において、電子プロセッサ機構48は、信号データを別の比較的遠隔の場所に転送するように構成することができる。代表的に図示したように、例えば、本発明の方法は、無線通信リンクを用いて信号データを遠隔受信装置56に送信するように構成することができる。
【0087】
図4及び図5は、本発明を組み込むように構成することができる、代表的に図示したパーソナルケア物品のような好適な物品の一例を示す。代表的に図示したように、物品60は、例えば、幼児用おむつ又は育児用トレーニングパンツを提供するように構成することができる。物品は、外側カバー層62と、外側カバーの身体側表面に沿って配置された第1の回路パスと、外側カバーの外向き衣類側表面に沿って配置された少なくとも第2の回路パスとを有することができる。代表的に図示したように、第1の補助回路パス22aを外側カバーの身体側表面に沿って配置し、第2の補助回路パス24aを外側カバーの外向き衣類側表面に沿って配置することができる。
【0088】
特定の構成においては、第1の回路パス22及び22aを、選択されたセンサ機構に作動的に接続することができる。代表的に示した配置において、例えば、センサ機構は、湿り度センサとすることができる。
センサ機構は、例えば、無線、音声、視覚、及び/又は監視されるイベントの触覚による表示に関する1つ又はそれ以上の機能又は操作を与えるように構成することができる。付加的に、センサ機構は、例えば、ユーザが所望するように、イベントの数、イベント間の時間の長さ、及び選択されたイベントに関するいずれかの他の統計値に関する機能又は操作の1つ又はそれ以上を与えるように構成することができる。代表的に図示したように、センサ機構は、物品60内にあり、かつ、選択された閾値レベルを超えて存在する水性液の存在を検出するように構成される内蔵センサとすることができる。
【0089】
付加的に、第2の回路パス24及び24aは、選択された電子プロセッサ機構に作動的に接続することができる。代表的に図示した配置においては、例えば、電子プロセッサ機構は、マイクロコントローラとすることができる。電子プロセッサ機構は、例えば、データの変換(アナログからデジタル、又はデジタルからアナログ)、データの格納、所定の応答のトリガ、ユーザによる割り込みの許容、信号調節の提供、アルゴリズムの計算及び処理等、及びそれらの組み合わせを行うように構成することができる。
【0090】
代表的に図示したように、第1の回路パス(22及び/又は22a)の少なくとも選択部分は、第1の所定の電気的接合位置26において第2の回路パス(24及び/又は24a)の少なくとも有効な部分に近接して配置される。外側カバー62は、第1の回路パスと第2の回路パスとの間に挿置された位置を有し、かつ、第1の接合位置において第1の回路パスと第2の回路パスとの間に挿置された電気絶縁障壁層をもたらす材料で構成される。第1の回路パス22及び/又は22aは、第2の回路パス24及び/又は24aに、外側カバー62の厚さ寸法を通って、第1の接合位置に配置された機械的接合により作動的に接続するように構成される。機械的接合は超音波接合を含むことが望ましい。機械的接合は、第1の接合位置において指定された第1の回路パスと指定された第2の回路パスとの間に導電性接合パス30を与えるように構成される。代表的に図示したように、別個に設けられた外部電子プロセッサ機構48は、第2の回路パス24及び/又は24aに作動的に接続することができる。所望の配置において、電子プロセッサ機構48は、外側カバー62の外側表面上の第2の回路パス24及び/又は24aに、取り外し可能に取り付けるか又は他の方法で取り外し可能に接続することができる。従って、導電性接続を用いて、内部に配置されたセンサ機構を、別個に設けられた外部電子プロセッサ機構に、有効な導電性接続により作動的に接続することができる。
【0091】
物品60はまた、上面シート又は身体側ライナ層64と、外側カバー層62と上面シート層64との間に配置された吸収性構造体66とを含むことができる。付加的に、物品60は、当技術分野において周知の通常の配置において、所望のように、ファスナ、弾性部材、転写層、分散層等の他の部品を含むことができる。
【0092】
外側カバー層62は、任意の有効な材料で構成することができ、有効に液体透過性であるように構成しても又は構成しなくてもよい。特定の構成においては、外側カバー層62は、有効に液体不透過性層をもたらすように構成することができる。外側カバー層は、例えば、ポリマー・フィルム、織布、不織布等、及びそれらの組み合わせ又は複合物を含むことができる。例えば、外側カバー層62は、織布又は不織布に積層されたポリマー・フィルムを含むことができる。特定の特徴において、ポリマー・フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等、及びそれらの組み合わせから構成することができる。付加的に、ポリマー・フィルムをマイクロエンボス加工することができる。外側カバー層62は、体液の通過を阻止しながら、物品の外、特に吸収体(例えば、貯蔵部又は吸収性構造体66)の外への空気及び水蒸気が十分な通過を有効に可能にすることが望ましい。
【0093】
上面シート層64は、任意の有効な材料で構成することができ、複合材料とすることもできる。例えば、上面シート層は、織布、不織布、ポリマー・フィルム等、及びそれらの組み合わせを含むことができる。不織布の例は、スパンボンド布、メルトブロー布、コフォーム布、カーデッド・ウェブ、ボンデッド・カーデッド・ウェブ等、及びそれらの組み合わせを含む。例えば、上面シート層は、織布、不織布、有効に液体透過性に構成されたポリマー・フィルム等、及びそれらの組み合わせを含むことができる。上面シート層を構成するのに適した材料の他の例は、レーヨン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン又は他の熱接合可能な繊維のボンデッド・カーデッド・ウェブ、ポリプロピレンとポリエチレンのコポリマーのようなポリオレフィン、線状低密度ポリエチレン、ポリ乳酸のような脂肪族エステル、微細穿孔フィルム・ウェブ、網状材料等、並びにそれらの組み合わせとを含むことができる。
【0094】
上面シート層64はまた、その身体側表面の少なくとも一部分を界面活性剤で処理し、上面シートをより親水性にすることができる。界面活性剤は、そこに達した体液がより速やかに上面シート層に浸透するのを可能にすることができる。界面活性剤はまた、そこに達した月経流体のような体液が、上面シート層を通って物品の他の構成部品(例えば、吸収性身体構造体66)に浸透せずに、上面シート層から流れ出る可能性を減らすこともできる。特定の構成においては、界面活性剤は、吸収体の上部身体側表面を覆う上面シート層64の上部身体側表面の少なくとも一部分にわたって実質的に均一に分布させることができる。
【0095】
上面シート層64は、典型的に、吸収性構造体の上部身体側表面の上に延びるが、代替的に、物品の周りにさらに延びて吸収性構造体を部分的又は完全に取り囲む又は囲むことができる。代替的に、上面シート層64及び外側カバー層62は、吸収性構造体66の終端の周縁端部を超えて外向きに延びる周縁マージンを有することができ、その延びたマージンは、吸収性構造体を部分的又は完全に取り囲む又は囲むように相互に結合することができる。
【0096】
吸収性構造体66は、吸収性繊維及び/又は吸収性微粒子材料のマトリクスを含むことができる。吸収性繊維は、天然繊維又は合成繊維を含むことができる。吸収性構造体66はまた、超吸収性材料を含むこともでき、この超吸収性材料は、選択されたサイズ及び形状を有する粒子の形態とすることができる。本発明に用いるのに適した超吸収性材料は、当業者には周知である。原則として、水膨潤性であり、一般に水不溶性であり、ヒドロゲルを形成するポリマー吸収性材料(超吸収体)は、水中でその重量の少なくとも約10倍、望ましくは約20倍、場合によっては約100倍又はそれ以上を吸収することができる。
【0097】
さらに、吸収性構造体66は、複合物を含むことができる。吸収性複合物は、例えば、所望のように、取り込み層、分配層、及び/又は貯蔵/保持層を含むことができる。
【0098】
センサ・システムを含むパーソナルケア物品の例は、2005年12月15日に出願された、Andrew Long他による「GARMENTS WITH EASY−TO−USE SIGNALING DEVICE」という名称の特許文献3に記載されている。この文書の開示全体が、本明細書と整合性が取れる方法で引用によりここに組み入れられる。
【0099】
本発明の技術は、例えば、外側カバーの液体不透過性障壁特性を損なうことなく、外側カバーの外側表面のどこかに半耐久性の警告部品が配置された製品のための湿り度インジケータを提供するように構成することができる。他の構成においては、本発明の技術を用いて、ジャケットを構成するのに用いられる使い捨て材料内に内部配線ハーネスが組み込まれたEKGジャケットを生成することができる。このジャケットはまた、配線ハーネスを、ジャケットの外側表面上に配置された電気的インターフェースに作動的に相互接続する、ジャケット材料の厚さを通る導電性経路を有することもできる。次に、インターフェースは、EKG監視装置又はシステムに作動的に接続され得る。さらに他の構成においては、本発明の技術を用いて、ラップ又は絆創膏の所望の液体不透過性障壁特性を損なうことなく、滅菌ラップ又は絆創膏に埋め込まれたセンサへの電気的接続を生成することができる。
【0100】
以下の実施例は、本発明の特定の構成を説明し、かつ、本発明のより詳細な理解を与えるために提示される。これらの実施例は、決して本発明の範囲を制限することを意図するものではない。当業者であれば、本開示全体の完全な検討から、特許請求の範囲内の他の配置が容易に明らかになるであろう。
【実施例】
【0101】
実施例1−3:
第1の材料が、厚さ12μmのポリエステル基材層と、厚さ12μmのアルミニウム箔によって提供された第1の回路パスとから構成される複合フィルムであった。導電性アルミニウム・インクをポリエステル基材の上に印刷することによって、厚さ12μmのアルミニウム回路パスを容易に提供できると考えられる。第2の材料は、厚さ0.75ミル(0.00075インチ)のポリフィルムから構成され、厚さ100nmの第2の銅回路パスが、フィルムの片側に印刷されていた。
【0102】
接合する前に、銅回路パスが0.75ミルのポリフィルムの片側上にあり、アルミニウム回路パスが0.75ミルのポリフィルムの反対側に押し当たるように、材料が配置された。アルミニウム回路パスは、銅回路パスと作動的に位置合わせされ、アルミニウム箔材料は、0.75ミルのポリフィルムの厚さを通って、印刷された銅回路パスに接合された。サンプルを接合するために、BRANSON社製超音波ボンダ931型が用いられた。20kHzのボンダは、50PSIの接合圧力に設定され、エネルギーを670ジュールに制限するエネルギー・モードに設定された。接合時間は、変えることが可能であった。ボンダの超音波ホーンは、6インチ×3/8インチ=3ゲインホーンであり、接合のために選択された印刷された銅回路パスに対して配置された。ボンダのアンビルは、アルミニウム箔回路パスを支持するポリエステル基材に対して配置され、アルミニウム回路パスと作動的に位置合わせされた。アンビルは、複数の円形の切頭接合ピンによって与えられた非連続的な接合パターンを与えるように構成され、接合ピンは、40度の円錐角と、約0.965mmの上部直径と、約0.889mmの高さとを有していた。接合ピンは、接合位置の上にほぼ互い違い配列で分散された。さらに、接合ピンは、約13.3%の閉鎖された接合面積率を与えるように構成された。3つの接合されたサンプルが生成され、接合操作の結果は、次の表1に要約される。
【0103】
表1

【0104】
比較実施例4
第1の材料は、第1の銅回路パスがおよそ100nmの厚さでフィルムの一方の表面上に導電的に印刷された、第1の0.75ミルのポリフィルムから構成された。第2の材料は、厚さ100nmの第2の銅回路パスが第2のフィルムの片側上に印刷された、第2の厚さ0.75ミルのポリフィルムから構成された。
【0105】
接合する前に、第1の銅回路パスが第1の0.75ミルのポリフィルムの片側上にあり、第2の銅回路パスが第1の0.75ミルのポリフィルムの反対側に対して配置されるように、材料が配置された。第2の銅回路パスは第1の銅回路パスと作動的に位置合わせされ、第1の銅回路パスは、第1の0.75ミルのポリフィルムの厚さを通って、第2の銅回路パスに接合された。サンプルを接合するために、BRANSON社製の超音波ボンダ931型が用いられた。
【0106】
フィルム材料の厚さを通って第1の銅回路パスと第2の銅回路パスとの間に導電性接合パスを形成しようとして、接合圧力、エネルギー、時間、及びアンビル表面が変えられたが、生成された接合パスは、1Mオームより大きい過剰に高い抵抗を有していた。
【0107】
サンプルは、接合された回路パスの間に挿置されたフィルムの厚さを通って十分に低い抵抗(及び十分に高い導電性)を有する接合パスを提供するように、指定された接合位置においてより厚い導電性材料の印刷が必要とされることを実証する。接合エネルギー、圧力、時間、及び超音波ボンダの様式は、大きく変更可能であり、導電性部品を収容する基材によって決まる。
【0108】
当業者であれば、本発明は、その範囲から逸脱することなく多くの変更及び変形が可能であることを認識するであろう。従って、上述した詳細な説明及び実施例は、単に説明のためのものであることを意図し、添付の特許請求の範囲に述べられるような本発明の範囲をどのような形でも制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0109】
22、22a:第1の導電性回路パス
24、24a:第2の導電性回路パス
26、40:接合位置
28、36:電気絶縁障壁層
30、50:導電性接合パス
38:第3導電性回路パス
46:センサ機構
48:電子プロセッサ機構
60:物品
62:外側カバー層
64:上面シート層
66:吸収体構造体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導電性回路パスを準備し、
第2の導電性回路パスを別個に準備し、
第1の所定の接合位置において、前記第2の導電性回路パスの部分に近接して前記第1の導電性回路パスの部分を配置し、
前記第1の接合位置において、前記第1の回路パスと前記第2の回路パスとの間に挿置された第1の電気絶縁障壁層を準備し、
前記第1の接合位置において、前記第1の回路パスを前記第2の回路パスに機械的に接合する、
ステップを含み、
前記機械的接合は、前記第1の接合位置において、前記第1の回路パスと前記第2の回路パスとの間に導電性接合パスを提供するように構成されたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記機械的接合は超音波接合を含み、
前記第1の導電性回路パスは、電流に対して実質的に非導電性である第1の基材に適用され、
前記第1の基材は、前記第1の電気絶縁障壁層を提供するように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の導電性回路パスは、液体状態の第1の導電性材料から第1の導電性材料を印刷することによって適用されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の基材は、約150℃までの軟化点温度を有する第1の基材材料によって提供されたことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の基材は、約150℃までの軟化点温度を有する第1のフィルム又は不織布材料によって提供されたことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の基材は、約150℃までの軟化点温度と、約0.03gf*cm2/cmまでの可撓性値とを有する第1のフィルム又は不織布材料によって提供されたことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記別個に準備された第2の導電性回路パスは、電流に対して実質的に非導電性である第2の基材に適用されたことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の導電性回路パスは、液体状態の第2の導電性材料から第2の導電性材料を印刷することによって適用されたことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の基材は、約150℃までの軟化点温度を有する第2のフィルム又は不織布材料によって提供されたことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の基材は、約150℃までの軟化点温度と、約0.03gf*cm2/cmまでの可撓性値とを有する第1のフィルム又は不織布材料によって提供されたことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の導電性回路パスは、センサ・データを提供するセンサ機構に作動的に接続され、
前記第2の導電性回路パスは、前記センサ・データを受信し、信号データを提供する電子プロセッサ機構に作動的に接続されたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記接合パスは、前記第1の回路パスと前記第2の回路パスの間に約1KΩ以下の抵抗値を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記接合位置は、少なくとも約5%であり、約60%までである接合面積率を有する機構と接合されたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の接合位置に配置された前記回路パスの少なくとも部分における導電性材料は、接合前に、前記第1の回路パスと前記第2の回路パスの間に挿置された前記障壁層の厚さの少なくとも約5%である組み合わされた厚さを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の導電性回路パスは、約1KΩ/m以下の抵抗率値を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の導電性回路パスは、約100KΩ/m以下の抵抗率値を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の接合位置は、前記障壁層の引張強度の少なくとも約10%である接合剪断強度をもたらすように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記接合位置は、少なくとも約3.5mm2の接合面積を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の接合位置は、実質的に液体不透過性となるように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の導電性回路パスは、電流に対して実質的に非導電性である第1の基材に適用され、
前記第1の基材は、前記第1の電気絶縁障壁層を提供するように構成され、
前記第1の導電性回路パスは、液体状態の第1の導電性材料から第1の導電性材料を印刷することによって前記第1の基材に適用され、
前記第1の基材は、約150℃までの軟化点温度と、約0.03gf*cm2/cmまでの可撓性値とを有する第1の基材材料によって提供され、
前記第1の接合位置において前記第1の回路パスと前記第2の回路パスとの間に導電性接合パスを提供するための前記機械的接合は、該第1の接合位置において該第1の回路パスを該第2の回路パスに超音波により接合することによってもたらされ、
前記第1の導電性回路パスは、約100KΩ/m以下の抵抗率を有し、
前記第1の接合位置は、前記障壁層の引張強度の少なくとも約10%である接合剪断強度をもたらすように構成され、
前記第1の接合パスは、前記第1の回路パスと前記第2の回路パスとの間に約1KΩ以下の抵抗値を有し、
前記第1の接合位置は実質的に液体不透過性である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−503196(P2010−503196A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526216(P2009−526216)
【出願日】平成19年8月14日(2007.8.14)
【国際出願番号】PCT/IB2007/053232
【国際公開番号】WO2008/026120
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】