説明

導電性潤滑油組成物

本発明は、シリコーンオイルを除く潤滑油基油(A)に非金属系帯電防止剤(B)を添加した潤滑油組成物であって、40℃における動粘度が25mm/s以下、粘度指数が100以上、引火点が150℃以上であり、かつ25℃の体積抵抗率が1×1010Ω・cm以下であることを特徴とする導電性潤滑油組成物である。 また、本発明は、前記潤滑油組成物からなる軸受油である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、導電性潤滑油組成物に関し、さらに詳しくは軸受油、特に流体軸受油、焼結含油軸受油などに好適な導電性潤滑油組成物に関するものである。
【背景技術】
磁気ディスクや光ディスクに代表されるスピンドルモータの軸受けとして、近年、静粛性や耐久性付与のために、流体軸受や焼結含油軸受などのすべり軸受を採用するケースが増えてきている。
これらの軸受は、軸と軸受内面を潤滑油よって隔て、軸にかかる加重を支え、軸と軸受間におこる摩擦を低減させているのが特徴である。
従って、これら軸受の性能は、潤滑油の性能に大きく依存すると言える。
これらすべり軸受の潤滑油に求められる性能としては、粘度,耐久性,帯電防止性などがある。
このうち、粘度については、スピンドルモータの電力損失,軸受剛性を決定するために欠かかせないものであるが、最近の情報関連分野機器〔特にCD,DVD,HDD,レーザープリンタ(ポリゴンミラー)〕に使用されるスピンドルモーターは年々、高速化(1万〜5万回転)しているため、最近の傾向として高速時の電力損失が少ない低粘度が選定されている。
一方、潤滑油の粘度が低下すると、一般的に油の蒸発量が多くなる。
そのため、安易な低粘度油の採用は、油の損失を招き、軸受内の潤滑不良、最悪の場合は軸受の損傷を引き起こしてしまう。
この点に配慮し、低粘度と低蒸発性を満足する軸受用潤滑油の基油として、例えば、特開11−315292号公報(第1頁)にはエステル系化合物、特開2000−63860号公報(第1頁)にはモノエステル、特開2001−107046号公報(第1頁)には炭酸エステル、特開2001−172656号公報(第1頁)及び特開2001−240885号公報(第1頁)にはポリ−α−オレフィンとエステルとの併用、特開2001−279284号公報(第1頁)にはジエステルとポリオールエステルとの併用、特開2001−316687号公報(第1頁)にはネオペンチルグリコールエステル、特開2002−97482号公報(第1頁)には芳香族エステル又はジエステル、特開2002−146381号公報(段落[0007])にはモノエステル、特開2002−155944号公報(第1頁)にはシュウ酸、マロン酸、コハク酸などからなる特殊ジエステルなど多くの提案がされている。
一方、すべり軸受において、油膜で隔てられた軸と軸受は完全に非接触となる。
従って、流動帯電により静電気が発生しやすく、これらの放電により、重要な電子部品、磁気部品(ハードデイスクのMRヘッド)が支障をきたすおそれがある。
従って、磁気ディスクなどの精密器械に使用されるすべり軸受には、特に静電気をアースして、電子部品、磁気部品を保護する必要がある。
このような観点から、上記で示された従来の軸受用潤滑油は、低粘度、低蒸発性は満足するものの、このままでは体積抵抗率が大きく、静電気を発生させやすいという問題を抱えている。
これに対して、金属または金属酸化物からなる導電性微粒子を配合した例が報告されているが(例えば、特開平10−30096号公報(第1頁)、特開平11−315292号公報(段落[0023])参照)、このような微粒子を含む油剤は、モータの始動、停止時に摩擦面に微粒子が介在してしまうため、軸受の異常摩耗を引き起こしてしまう。
また、このような金属粒子を含まない潤滑油として、スルホン酸やフェネート、サリチレートなどの有機金属塩を添加した例も提案されている(特開平2001−234187号公報(第1頁)参照)。
しかし、これら有機金属塩系の帯電防止剤は、多量に添加しないと帯電防止性を発揮しない。
また、長時間の使用に際し劣化変質し、油に不溶の無機塩(スラッジ)を生成してしまうという問題がある。
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、すべり軸受油としての性能を損なうことなく、異常摩耗やスラッジを発生させず、かつ潤滑油の流動帯電によって発生する静電気をアースできる導電性潤滑油組成物を提供することを目的とする。
【発明の開示】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、非金属系帯電防止剤を添加すると共に、特定の性状を一定範囲に限定することにより、前記の課題を解決することを見出し本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、シリコーンオイルを除く潤滑油基油(A)に非金属系帯電防止剤(B)を添加した潤滑油組成物であって、40℃における動粘度が25mm/s以下、粘度指数が100以上、引火点が150℃以上、好ましくは200℃以上であり、かつ25℃の体積抵抗率が1×1010Ω・cm以下であることを特徴とする導電性潤滑油組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記潤滑油組成物からなる軸受油を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の導電性潤滑油組成物は、潤滑油基油(A)に非金属系帯電防止剤(B)を添加したものであって、該組成物の特性は、少なくとも下記▲1▼〜▲4▼の条件を満たすことが必要である。
まず、本発明の潤滑油組成物は、▲1▼40℃における動粘度が25mm/s以下であることを必須とし、さらに22mm/s以下であると好ましく、10mm/s以下であると特に好ましい。
この動粘度が、25mm/sを超えると、潤滑油基油の粘度が高くなり、充分な省電力効果が得られない。
次に、本発明の潤滑油組成物は、▲2▼粘度指数が100以上であることを必須とし、120以上であることが好ましく、さらに125以上が好ましく、特に130以上が好ましい。
100未満では温度に対する粘度変化が大きくなる。
また、本発明の潤滑油組成物は、▲3▼引火点(COC法)は、150℃以上であることを必須とする。
引火点が150℃未満であると基油の使用中に蒸発して減少する量が多くなり、寿命が短くなる。
また、本発明の潤滑油組成物は、▲4▼25℃の体積抵抗率が1×1010Ω・cm以下であることを必須とする。
体積抵抗率が1×1010Ω・cmを超えると、帯電防止性能が低下する。
さらに、本発明の潤滑油基油は、JIS K2265により測定した流動点が−30℃以下であると好ましく、−40℃以下であるさらに好ましい。
以上のような条件を満たす本発明の潤滑油組成物に用いられる(A)成分としての潤滑油基油は、炭素、水素及び酸素からなる化合物(以下、「含酸素化合物」という)を含むことが好ましい。
含酸素化合物は、具体例には、エーテル,エステル又はカーボネート構造を有するものが好ましく、特にエーテル化合物が好ましい。
前記エステル化合物としては、具体的には、ネオペンチルグリコール,トリメチロールプロパン,ペンタエリスリトールなどの多価アルコールと脂肪酸との縮合反応から得られるポリオールエステル、アジピン酸,セバチン酸などの二塩基酸と一価のアルコールの縮合反応からなるジエステル,脂肪酸と一価のアルコールの縮合反応からなるモノエステルなどが好ましく用いられる。
また、前記エーテル化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物又はその混合物が好ましい。

(I)式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜24のアルキル基,フェニル基,又は炭素数7〜24のアルキルアリール基を示し、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数2〜18のアルキレン基を示し、a、b及びcは、それぞれ独立に、0〜8(好ましくは、0〜5)の数を示し、a〜cの合計は0〜8(好ましくは、0〜5)である。
(R−O)、(R−O)及び(R−O)は、構成単位ごとに同一でも異なっていてもよい。
前記R及びRの示すアルキル基としては、それぞれ直鎖状,分岐状,環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ヘキシル基,2−エチルヘキシル基,3,5,5−トリメチルヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,3,7−ジメチルオクチル基,ノニル基,2−ペンチルノニル基,デシル基,2−オクチルウンデカニル基,ドデシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基などが挙げられ、特に、2−エチルヘキシル基,3,5,5−トリメチルヘキシル基,オクチル基,3,7−ジメチルオクチル基,ノニル基,2−ペンチルノニル基,デシル基,2−オクチルウンデカニル基が好ましい。
前記R及びRの示すアルキルアリール基としては、それぞれアルキルフェニル基やアルキルナフチル基などが挙げられ、アルキル部位としては、前記した具体例が挙げられ、特に、オクチル基,デシル基,ドデシル基が好ましい。
前記R、R及びRの示すアルキレン基としては、それぞれ直鎖状,分岐状,環状のいずれであってもよく、例えば、エチレン基,プロピレン基,ブチレン基,ヘキシレン基,ノニレン基,デシレン基,ドデシレン基,シクロペンチレン基,シクロヘキシレン基などが挙げられ、特に、エチレン基,プロピレン基,ブチレン基,ヘキシレン基,ノニレン基,デシレン基が好ましい。
前記エーテル化合物は、さらに下記一般式(II)で表されるモノエーテル化合物が好ましい。

式中、R及びRは、どちらか一方が炭素数1〜24のアルキル基であり、もう一方が炭素数1〜24のアルキル基、フェニル基、又は炭素数7〜24のアルキルアリール基である。
上記一般式(I)及び(II)で表されるエーテル化合物は、それぞれ単一で用いてもよく、互いに混合して用いてもよい。
また、これらエーテル化合物は前記エステル化合物と混合してもよい。
さらに、該エーテル化合物及び/又はエステル化合物を炭化水素基材に対して好ましくは20〜80質量%の割合で混合してもよい。
本発明の潤滑油基油は、前記含酸素化合物に加え、種々の炭化水素化合物を含有することができる。
この場合でも前記▲1▼〜▲4▼の条件を満たすことが必要である。
前記含酸素化合物と混合する炭化水素化合物としては、本発明の潤滑油基油の効果を損なわないものであれば特に限定されず、例えば、鉱油(80ニュートラル鉱油等)、ポリα−オレフィン〔粘度グレード4mm/s又は8mm/s(100℃)等〕、エチレン−プロピレン共重合物、アルキルベンゼン(プロピルベンゼン、ブチルベゼン等)などが挙げられ、特に、ポリα−オレフィンが好ましい。
ただし、本発明の潤滑油基油は、シリコーンオイルは含まない。
シリコーンオイルは、上記の条件を満たしたとしても、潤滑性が劣るためである。
次に、本発明において、前記潤滑油基油(A)に添加される非金属系帯電防止剤(B)としては、アミン誘導体、コハク酸誘導体、ポリ(オキシアルキレン)グリコール又は多価アルコールの部分エステルが好ましく、この場合の添加量は、組成物全量基準で0.01〜10質量%が好ましい。
具体的には、アミン誘導体としては、下式のポリ(オキシエチレン)アルキルアミン(ただし、Rは炭素数1〜18のアルキル基である。)、

下式のポリ(オキシエチレン)アルキルアミド(ただし、Rは炭素数1〜18のアルキル基である。)、

テトラエチレンペンタミン(TEPE)などのポリエチレンイミンと脂肪酸を用いた反応縮合物などが挙げられるが、好ましくはTEPEとステアリン酸との反応縮合物である。
また、コハク酸誘導体としては、ポリブテニルコハク酸イミドなどが好ましく挙げられる。
また、ポリ(オキシアルキレン)グリコールとしては、下記一般式(III)で表される化合物又はその混合物が好ましい。

(III)式中、R〜Rは、前記一般式(I)における場合と同じである。
ただし、d、e及びfは、それぞれ独立に、0〜50の数を示し、d〜fの合計は9〜50である。
(R−O)、(R−O)及び(R−O)は、構成単位ごとに同一でも異なっていてもよい。
これらの化合物のうち、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル
10O(CHCHO)H(ただし、R10は炭素数1〜18のアルキル基である。nは1〜10の数である。)、
ポリ(オキシエチレン)アルキルフェニルエーテル
11−Q−O(CHCHO)H(ただし、R11は炭素数1〜18のアルキル基であり、Qは芳香族残基である。nは1〜10の数である。)及びポリ(オキシエチレン)グリコール脂肪酸エステル
12COO(CHCHO)H(ただし、R12は炭素数1〜18のアルキル基である。nは1〜10の数である。)
などがより好ましい。
また、多価アルコールの部分エステルとしては、ソルビタンモノオレート,ソルビタンジオレートなどの下式で示されるソルビタン脂肪酸エステル

(ただし、R13は炭素数1〜18のアルキル基である。n,mは、それぞれ1〜10の数である。)、
グリセリンモノオレート,グリセリンジオレートなどの下式で示されるグリセリン脂肪酸エステル

(ただし、R14は炭素数1〜18のアルキル基である。n,mは、それぞれ1〜10の数である。)、
及びネオペンチルグリコール,トリメチロールプロパン,ペンタエリスリトールなどの多価アルコールと炭素数1〜24の脂肪酸の部分エステル化合物などが挙げられる。
本発明の潤滑油組成物において、特に、アルキル基からなるモノエーテル(成分A)に、テトラエチレンペンタミンと脂肪酸(特にステアリン酸)を用いた反応縮合物(成分B)を添加してなる潤滑油組成物は、低粘度,低蒸発性,耐熱性及び帯電防止性の全ての性能に優れており好ましい。
また、本発明の潤滑油基油は、目的に応じて上記以外の添加剤を配合して潤滑油組成物とし、それぞれの用途に適合した潤滑油として使用すると好ましい。
添加剤としては、公知のものなど各種のものが使用可能であり、例えば、下記の酸化防止剤、油性剤、摩擦低減剤、防錆剤、金属付活性剤、泡消剤及び粘度指数向上剤などが含まれる。
(1)酸化防止剤の例としては、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤及び硫黄系化合物などが挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、モノオクチルジフェニルアミン、モノノニルジフェニルアミンなどのモノアルキルジフェニルアミン系、4,4’−ジブチルジフェニルアミン、4,4’−ジペンチルジフェニルアミン、4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン、4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、4,4’−ジノニルジフェニルアミンなどのジアルキルジフェニルアミン系、テトラブチルジフェニルアミン、テトラヘキシルジフェニルアミン、テトラオクチルジフェニルアミン、テトラノニルジフェニルアミンなどのポリアルキルジフェニルアミン系、α−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、ブチルフェニル−α−ナフチルアミン、ペンチルフェニル−α−ナフチルアミン、ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン、ヘプチルフェニル−α−ナフチルアミン、オクチルフェニル−α−ナフチルアミン、ノニルフェニル−α−ナフチルアミンなどのナフチルアミン系を挙げることができ、中でもジアルキルジフェニルアミン系ものが好ましい。
上記のアミン系酸化防止剤は、一種又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールなどのモノフェノール系、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)などのジフェノール系を挙げることができる。
上記のフェノール系酸化防止剤は、一種又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。
硫黄系化合物としては、フェノチアジン、ペンタエリスリトール−テトラキス−(3−ラウリルチオプロピオネート)、ビス(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、チオジエチレンビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル))プロピオネート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−メチルアミノ)フェノールなどが挙げられる。
これらの酸化防止剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で0.01〜10質量%の範囲であり、0.03〜5質量%の範囲が特に好ましい。
(2)油性剤の例としては、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪族飽和及び不飽和モノカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの重合脂肪酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシ脂肪酸、ラウリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族飽和及び不飽和モノアルコール、ステアリルアミン、オレイルアミンなどの脂肪族飽和及び不飽和モノアミン、ラウリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの脂肪族飽和及び不飽和モノカルボン酸アミド等が挙げられる。
これら油性剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で0.01〜10質量%の範囲であり、0.1〜5質量%の範囲が特に好ましい。
(3)摩擦調整剤の例としては、一般に油性剤又は極圧剤として用いられているものを使用することができ、特にリン酸エステル、リン酸エステルのアミン塩及び硫黄系極圧剤が挙げられる。
リン酸エステルとしては、下記の一般式(IV)〜(VIII)で表されるリン酸エステル、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性亜リン酸エステルを包含する。

上記一般式(IV)〜(VIII)において、R15〜R17は炭素数4〜30のアルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基及びアリールアルキル基を示し、R15〜R17は同一でも異なっていてもよい。
リン酸エステルとしては、トリアリールホスフェート、トリアルキルホスフェート、トリアルキルアリールホスフェート、トリアリールアルキルホスフェート、トリアルケニルホスフェートなどがあり、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ベンジルジフェニルホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、エチルジブチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、エチルフェニルジフェニルホスフェート、ジエチルフェニルフェニルホスフェート、プロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフェート、トリプロピルフェニルホスフェート、ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ジブチルフェニルフェニルホスフェート、トリブチルフェニルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリデシルホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリミリスチルホスフェート、トリパルミチルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリオレイルホスフェートなどを挙げることができる。
酸性リン酸エステルとしては、例えば、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、トリデシルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、イソステアリルアシッドホスフェートなどを挙げることができる。
亜リン酸エステルとしては、例えば、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホオスファイト、トリラウリルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリオレイルホスファイトなどを挙げることができる。
酸性亜リン酸エステルとしては、例えば、ジブチルハイドロゲンホスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、ジオレイルハイドロゲンホスファイト、ジステアリルハイドロゲンホスファイト、ジフェニルハイドロゲンホスファイトなどを挙げることができる。
以上のリン酸エステル類の中で、トリクレジルホスファート、トリフェニルホスフェートが好適である。
さらに、これらとアミン塩を形成するアミン類としては、例えば、一般式(IX)

(式中、R18は、炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基もしくはアリールアルキル基又は炭素数2〜30のヒドロキシアルキル基を示し、pは1、2又は3を示す。また、R18が複数ある場合、複数のR18は同一でも異なっていてもよい。)
で表させるモノ置換アミン、ジ置換アミン又はトリ置換アミンが挙げられる。
上記一般式(IX)におけるR18のうちの炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。
モノ置換アミンの例としては、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ベンジルアミンなどを挙げることができ、ジ置換アミンの例としては、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、ジオレイルアミン、ジベンジルアミン、ステアリル・モノエタノールアミン、デシル・モノエタノールアミン、ヘキシル・モノプロパノールアミン、ベンジル・モノエタノールアミン、フェニル・モノエタノールアミン、トリル・モノプロパノールなどを挙げることができ、トリ置換アミンの例としては、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリラウリルアミン、トリステアリルアミン、トリオレイルアミン、トリベンジルアミン、ジオレイル・モノエタノールアミン、ジラウリル・モノプロパノールアミン、ジオクチル・モノエタノールアミン、ジヘキシル・モノプロパノールアミン、ジブチル・モノプロパノールアミン、オレイル・ジエタノールアミン、ステアリル・ジプロパノールアミン、ラウリル・ジエタノールアミン、オクチル・ジプロパノールアミン、ブチル・ジエタノールアミン、ベンジル・ジエタノールアミン、フェニル・ジエタノールアミン、トリル・ジプロパノールアミン、キシリル・ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミンなどを挙げることができる。
硫黄系極圧剤としては、分子内に硫黄原子を有し、潤滑油基油に溶解又は均一に分散して、極圧性や優れた摩擦特性を発揮しうるものであればよい。
このようなものとしては、例えば、硫化油脂、硫化脂肪酸、硫化エステル、硫化オレフィン、ジヒドロカルビルポリサルファイド、チアジアゾール化合物、チオリン酸エステル(チオフォスファイト、チオフォスフェート)、アルキルチオカルバモイル化合物、チオカーバメート化合物、チオテルペン化合物、ジアルキルチオジプロピオネート化合物などを挙げることができる。
ここで、硫化油脂は硫黄や硫黄含有化合物と油脂(ラード油、鯨油、植物油、魚油等)を反応させて得られるものであり、その硫黄含有量は特に制限はないが、一般に5〜30質量%のものが好適である。
その具体例としては、硫化ラード、硫化なたね油、硫化ひまし油、硫化大豆油、硫化米ぬか油などを挙げることができる。
硫化脂肪酸の例としては、硫化オレイン酸などを、硫化エステルの例としては、硫化オレイン酸メチルや硫化米ぬか脂肪酸オクチルなどを挙げることができる。
硫化オレフィンとしては、例えば、下記の一般式(X)

(式中、R19は炭素数2〜15のアルケニル基、R20は炭素数2〜15のアルキル基又はアルケニル基を示し、qは1〜8の整数を示す。)
で表される化合物などを挙げることができる。
この化合物は、炭素数2〜15のオレフィン又はその二〜四量体を、硫黄、塩化硫黄等の硫化剤と反応させることによって得られ、該オレフィンとしては、プロピレン、イソブテン、ジイソブテンなどが好ましい。
ジヒドロカルビルポリサルファイドとしては、下記の一般式(XI)

(式中、R21及びR22は、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基又は環状アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、rは1〜8の整数を示す。)
で表される化合物である。
ここで、R21及びR22がアルキル基の場合、硫化アルキルと称される。
上記一般式(XI)におけるR21及びR22は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ドデシル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基などを挙げることができる。
このジヒドロカルビルポリサルファイドとしては、例えば、ジベンジルポリサルファイド、各種ジノニルポリサルファイド、各種ジドデシルポリサルファイド、各種ジブチルポリサルファイド、各種ジオクチルポリサルファイド、ジフェニルポリサルファイド、ジシクロヘキシルポリサルファイドなどを好ましく挙げることができる。
チアジアゾール化合物としては、例えば、下記一般式(XII)

(式中、R23及びR24は、それぞれ水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基を示し、f及びgは、それぞれ0〜8の整数を示す。)
で表される1,3,4−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール化合物、1,4,5−チアジアゾールなどが好ましく用いられる。
このチアジアゾール化合物としては、例えば、2,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、4,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルジチオ)−1,2,3−チアジアゾールなどを好ましく挙げることができる。
チオリン酸エステルとしては、アルキルトリチオフォスファイト、アリール又はアルキルアリールチオフォスフェート、ジラウリルジチオリン酸亜鉛などが挙げられ、特にラウリルトリチオフォスファイト、トリフェニルチオフォスフェートが好ましい。
アルキルチオカルバモイル化合物としては、例えば、下記一般式(XIII)

(式中、R25〜R28は、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基を示し、hは1〜8の整数を示す。)
このアルキルチオカルバモイル化合物としては、例えば、ビス(ジメチルチオカルバモイル)モノスルフィド、ビス(ジブチルチオカルバモイル)モノスルフィド、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド、ビス(ジブチルチオカルバモイル)ジスルフィド、ビス(ジアミルチオカルバモイル)ジスルフィド、ビス(ジオクチルチオカルバモイル)ジスルフィドなどを好ましく挙げることができる。
さらに、チオカーバメート化合物としては、例えば、ジアルキルジチアカルバミン酸亜鉛を、チオテルペン化合物としては、例えば、五硫化リンとピネンの反応物を、ジアルキルチオジプロピオネート化合物としては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートなどを挙げることができる。
これらの中で、極圧性、摩擦特性、熱的酸化安定性などの点から、チアジアゾール化合物、ベンジルサルファイドが好適である。
これら摩擦調整剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で0.01〜10質量%の範囲であり、0.05〜5質量%の範囲が特に好ましい。
配合量が0.01質量%未満の場合は、他成分との相乗効果による摩擦特性の向上効果が不十分な場合があり、配合量が10質量%を超えても、配合量に相当する効果の向上がみられない場合がある。
(4)防錆剤の例としては、例えば、ドデセニルコハク酸ハーフエステル、オクタデセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸アミドなどのアルキル又はアルケニルコハク酸誘導体、ソルビタンモノオレエート、グリセリンモノエレエート、ペンタエリスリトールモノオレエートなどの多価アルコール部分エステル、ロジンアミン、N−オレイルザルコシンなどのアミン類、ジアルキルホスファイトアミン塩等が使用可能である。
これら防錆剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で0.01〜5質量%の範囲であり、0.05〜2質量%の範囲が特に好ましい。
(5)金属不活性化剤の例としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、チアジアゾール系、没食子酸エステル系の化合物等が使用可能である。
これら金属不活性化剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で0.01〜0.4質量%であり、0.01〜0.2質量%の範囲が特に好ましい。
(6)消泡剤の例としては、液状シリコーンが適しており、メチルシリコーン、フルオロシリコーン、ポリアクリレートが使用可能である。
これら消泡剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で0.0005〜0.01質量%である。
(7)粘度指数向上剤の例としては、ポリアルキルメタクリレート、ポリアルキルスチレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体などのオレフィン共重合体が使用可能である。
これら粘度指数向上剤の好ましい配合量は、組成物全量基準で0.1〜15質量%であり、0.5〜7質量%の範囲が特に好ましい。
本発明の導電性潤滑油組成物の用途としては、例えば、軸受油、特に流体軸受油、焼結含油軸受油などとして好適に用いることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
1.潤滑油の諸特性は下記の方法に従って測定した。
(1)動粘度
JIS K2283に準拠し40℃で測定した。
(2)粘度指数
JIS K2283に準拠して測定した。
(3)引火点(COC法)
JIS K2265に準拠して測定した。
(4)流動点
JIS K2269に準拠して測定した。
(5)体積抵抗率
JIS C2102に準拠して測定した。
(6)薄膜残さ試験(残油率、耐熱性の評価) JIS K2504の潤滑油安定試験に示されている容器及び恒温空気浴を用い、サンプル量を1gとして、80℃、1000時間後の残さ量を測定した。
それを百分率で表し残油率とした。
また、1000時間後の油剤外観を観察し、油に不溶なスラッジの有無を確認した。
なお、測定中は、絶えず空気を恒温空気浴に10リットル/hrの割合で流し込んだ。
2.構造解析
以下の製造例で得られた化合物について、ガスクロマトグラフィー分析装置(分析装置:日立263−70型、カラム:ジーエルサイエンス株式会社製OV−1パックドカラム(2m))にて、99%以上の純度(ピーク面積より算出)を確認し、このものにつき核磁気共鳴装置(H−NMR,13C−NMR:日本電子株式会社製GSX400)にて構造を決定した。
3.製造例
製造例1
2リットルガラス製フラスコに、2−オクチル−1−ドデカノール300g、1−ブロモオクタン300g、テトラブチルアンモニウムブロマイド30g、水酸化ナトリウム水溶液500g(水酸化ナトリウム150gを水350gに溶解したもの)を入れ、50℃で20時間攪拌し反応させた。
反応終了後、反応混合物を分液ロートに移し、水相をろ別し、残った有機相を水500ミリリットルで5回洗浄した。
有機相から減圧蒸留により、以下の構造のエーテル化合物を分離した。

製造例2
2リットルガラス製フラスコに、2−ヘキシル−1−デカノール300g、1−ブロモデカン300g、テトラブチルアンモニウムブロマイド30g、30%水酸化ナトリウム水溶液500g(水酸化ナトリウム150gを水350gに溶解したもの)を入れ、50℃で20時間攪拌し反応させた。
反応終了後、反応混合物を分液ロートに移し、水相をろ別し、残った有機相を水500ミリリットルで5回洗浄した。
有機相から減圧蒸留により、以下の構造のエーテル化合物を分離した。

製造例3
2リットルガラス製フラスコに、2−オクチル−1−ドデカノール300g、1−ブロモデカン300g、テトラブチルアンモニウムブロマイド30g、30%水酸化ナトリウム水溶液500g(水酸化ナトリウム150gを水350gに溶解したもの)を入れ、50℃で20時間攪拌し反応させた。
反応終了後、反応混合物を分液ロートに移し、水相をろ別し、残った有機相を水500ミリリットルで5回洗浄した。
有機相から減圧蒸留により、以下の構造のエーテル化合物を分離した。

4.基油及び添加剤
以下の実施例及び比較例で用いた基油及び添加剤は、それぞれ第1表及び第2表に示されている。


実施例1〜12及び比較例1〜6
第3表の処方により潤滑油組成物を調製し、上記(1)〜(6)の特性について測定した。
その結果を第3表に示す。



【産業上の利用可能性】
以上詳細に説明したように、本発明の導電性潤滑油組成物は、すべり軸受油としての性能を損なうことなく、異常摩耗やスラッジを発生させず、潤滑油の流動帯電によって発生する静電気をアースすることが可能なために、軸受油、特に流体軸受油や焼結含油軸受油として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーンオイルを除く潤滑油基油(A)に非金属系帯電防止剤(B)を添加した潤滑油組成物であって、40℃における動粘度が25mm/s以下、粘度指数が100以上、引火点(COC法)が150℃以上であり、かつ25℃の体積抵抗率が1×1010Ω・cm以下であることを特徴とする導電性潤滑油組成物。
【請求項2】
前記40℃における動粘度が20mm/s以下である請求項1記載の導電性潤滑油組成物。
【請求項3】
前記粘度指数が120以上である請求項1に記載の導電性潤滑油組成物。
【請求項4】
さらに、流動点が−40℃以下である請求項1に記載の導電性潤滑油組成物。
【請求項5】
炭素、水素及び酸素からなる潤滑油基油(A)に、非金属系帯電防止剤(B)として、アミン誘導体,コハク酸誘導体,ポリ(オキシアルキレン)グリコール及び多価アルコールの部分エステルから選ばれた少なくとも一種の化合物を、0.01〜10質量%添加してなる請求項1に記載の導電性潤滑油組成物。
【請求項6】
潤滑油基油(A)が、エステル化合物を含有するものである請求項1に記載の導電性潤滑油組成物。
【請求項7】
エステル化合物が、多価アルコールと脂肪酸との縮合反応からなるポリオールエステル,二塩基酸と一価のアルコールの縮合反応からなるジエステル,及び脂肪酸と一価のアルコールの縮合反応からなるモノエステルから選ばれた少なくとも一種の化合物である請求項6記載の導電性潤滑油組成物。
【請求項8】
潤滑油基油(A)が、エーテル化合物を含有するものである請求項1に記載の導電性潤滑油組成物。
【請求項9】
エーテル化合物が、下記一般式(I)で表される化合物である請求項8載の導電性潤滑油組成物。

(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜24のアルキル基、フェニル基、又は炭素数7〜24のアルキルアリール基を示し、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数2〜18のアルキレン基を示し、a、b及びcは、それぞれ独立に、0〜8の数を示し、a〜cの合計は0〜8である。(R−O)、(R−O)及び(R−O)は、構成単位ごとに同一でも異なっていてもよい。)
【請求項10】
エーテル化合物が、下記一般式(II)で表されるモノエーテル化合物である請求項9記載の導電性潤滑油組成物。

(式中、R及びRは、どちらか一方が炭素数1〜24のアルキル基であり、もう一方が炭素数1〜24のアルキル基、フェニル基、又は炭素数7〜24のアルキルアリール基である。)
【請求項11】
潤滑油基油(A)がエーテル化合物であり、非金属系帯電防止剤(B)がアミン誘導体である請求項5記載の導電性潤滑油組成物。
【請求項12】
非金属系帯電防止剤(B)としてのアミン誘導体が、テトラエチレンペンタミンと脂肪酸の反応縮合物である請求項5記載の導電性潤滑油組成物。
【請求項13】
前記潤滑油基油(A)が、さらに炭化水素化合物を含有するものである請求項1に記載の導電性潤滑油組成物。
【請求項14】
さらに、酸化防止剤、油性剤、摩擦低減剤、防錆剤、金属付活性剤、泡消剤及び粘度指数向上剤から選ばれる少なくとも一種類の添加剤を配合してなる請求項1に記載の導電性潤滑油組成物。
【請求項15】
請求項1に記載の導電性潤滑油組成物からなる軸受油。

【国際公開番号】WO2004/090082
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【発行日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−505268(P2005−505268)
【国際出願番号】PCT/JP2004/004852
【国際出願日】平成16年4月2日(2004.4.2)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】