説明

導電性織編物、その製造方法及び製造装置

【課題】本発明は導電性織編物、その製造方法及び製造装置に関するもので、特に、織編物に共に織られる導電線の一部を選択的に織編物の外部に露出させて導電線の結線、各種素子やモジュールの接続などを迅速で簡便に行うことによって、作業性と生産性を向上させることができる導電性織編物、その製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】
本発明に係る導電性織編物は、長手方向に沿って配置される複数本の経糸;前記経糸に編まれる複数本の緯糸;及び長手方向に沿って配置されて織られる少なくとも一本の導電線を含んで面状に織って構成すると共に、前記導電線が前記経糸及び/または緯糸に編まれて前記導電性織編物に一体に拘束される導電線織り区間と、前記導電線が前記経糸及び/または緯糸に編まれずに、前記導電性織編物の外部に所定の長さだけ露出する導電線露出区間を有するように構成されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は導電性織編物、その製造方法及び製造装置に関するもので、より詳細には、織編物に共に織られる導電線の一部分を選択的に織編物の外部に露出させ、導電線の結線、各種素子やモジュールの接続などを迅速で簡便に行うことによって、作業性と生産性を向上させることができる導電性織編物、その製造方法及び製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、寝台カバー、カーテン、衣服などの製造に用いる編物や織物のような布(以下、「織編物(fabric)」と通称する)は天然繊維糸や人造繊維糸により織られるもので、その種類が多様であり、使用目的によって保温性、吸水性、伸縮性などそれぞれ固有の性質と特性を有している。
【0003】
そして、産業社会の高度化、及び先端化に伴って、現代人は従来のように寒さを防止できる保温性と、十分な活動性を保障するための伸縮性、及び汗を吸収できる吸水性に加えて、新しい機能を有する織編物を要求している。
【0004】
例えば、電流の通電が可能なため各種電子機器を設けて便利に利用でき、自ら発熱作用を行ったり冷却作用を行ったりする織編物を要求している。このような織編物は、軽くて薄いながらも季節に関係なく使用することができる寝台、知能型衣類などが実現できるためである。
【0005】
これによって、繊維分野においてはこのような社会的ニーズを満たし、未来の繊維分野を先導するための多様な努力と研究開発活動を行っており、その代表的な研究成果として炭素繊維糸を編んで構成した面状発熱体が開発されている。
【0006】
このように炭素繊維糸で織った面状発熱体は電源の供給時に発熱を行うので、温熱作用を必要とする物品に適用することが可能であるが、炭素繊維糸の特性上、伸縮性が全くないため、クッション作用が要求される寝台用素材や、伸縮性と活動性を必要とする衣服などに適用できない短所がある。また、使用中に継続的な摩擦力が作用する場合、炭素繊維糸の微細な組織が解けて損傷したり、微細な電気スパークが発生したりするため、十分な耐久性と安全性を確保することができなかった。
【0007】
そして、ウェアラブルコンピュータ、MP3などのような電子機器を備えたスマート衣類の場合には、衣類の内部に、操作ボタン、電源部、各種電子素子などを電気的に連結し電気信号の伝達を行うための導電線を必要とするが、炭素繊維糸で製造した面状発熱体はこのような機能を全く行うことができない限界点を有している。このような問題点を解決するための方案のうち、銅線のような導電線を衣服に別途に縫う方法を提示できるが、銅線は全く伸縮性を有していないため、衣服としての活動性と着用感が良くない。また、洗濯時に衣服の内部に設けた導電線と操作ボタンなどを除去しなければならないため、使用が非常に不便であるという短所を有している。
【0008】
これによって本出願人は前述した従来の問題点を解決するための方案として、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3などを出願した。
【0009】
これらの特許文献によれば、導電線を織り方により伸縮性を有する織編物として構成できるので、別途に導電線を縫わずに発熱を行うようにしたり電気の通電、電気信号の伝達を行ったりすることができる寝台や衣服などが実現できた。
【0010】
しかし、本出願人が先出願した導電性織編物は電源供給部との接続や回路を構成するために織編物内に繊維糸と共に織った導電線を互いに結線する作業、各種素子やモジュールを接続する作業などが面倒という短所がある。すなわち、導電性織編物を構成する繊維糸中に含まれた導電線をいちいち捜し出して互いに連結しなければならないため、導電線を捜し出す作業が難しく、多くの時間が必要になって作業性と生産性が低下し、導電線を捜し出す過程で周辺の繊維糸が損傷するという短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国特許出願番号第10−2008−0050545号(発明の名称:導電性パッド及びその製造方法)
【特許文献2】韓国特許出願番号第10−2008−0128928号(発明の名称:導電性パッド)
【特許文献2】韓国特許出願番号第10−2008−0128928号(発明の名称:導電性パッド及びその製造装置)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、前述した従来の問題点を解決するためになされた本発明は、織編物に共に織られる導電線の一部分を選択的に織編物の外部に露出させて、導電線の結線、各種素子やモジュールの接続などを迅速で簡便に行うことによって、作業性と生産性を向上させた導電性織編物、その製造方法及び製造装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した目的を達成するための本発明に係る導電性織編物は、導電性織編物において、長手方向に沿って配置される複数本の経糸;前記経糸に編まれる複数本の緯糸;及び長手方向に沿って配置されて織られる少なくとも一本の導電線を含んで面状に織られ、前記導電線が前記経糸及び/または緯糸に編まれて前記導電性織編物に一体に拘束される導電線織り区間と、前記導電線が前記経糸及び/または緯糸に編まれずに、前記導電性織編物の外部に所定の長さだけ露出する導電線露出区間を有するように構成したことを特徴とする。
【0014】
前記導電性織編物は、前記導電線を織る時に共に供給され、前記導電線織り区間では前記導電線が前記経糸及び/または緯糸に拘束され、前記導電線露出区間では前記経糸及び/または緯糸に編まれる過程で前記導電線が前記導電性織編物に拘束されないように織られる拘束及び解除用の緯糸をさらに含むことができる。
【0015】
前記緯糸は、前記導電線を基準に内側で、前記経糸と編まれる第1経糸編み用の緯糸;前記導電線を基準に外側で、前記導電線の配置幅に該当する幅の範囲に編まれない供給除外空間を提供するように前記経糸と編まれる第2経糸編み用の緯糸;及び前記供給除外空間に該当する位置で、前記導電線を選択的に拘束するように前記経糸に編まれる拘束及び解除用の緯糸を含み、前記拘束及び解除用の緯糸は、前記導電線織り区間で前記導電線が前記経糸及び第1経糸編み用の緯糸に共に拘束されるように編まれ、前記導電線露出区間では前記導電線が前記経糸及び第1経糸編み用の緯糸に拘束されない範囲内で編まれることが好ましい。
【0016】
前述した目的を達成するための本発明に係る導電性織編物の製造方法は、複数本の経糸を長手方向に沿って供給する経糸供給過程、複数本の緯糸を供給する緯糸供給過程、及び前記経糸に前記緯糸を編む織編物織り過程を織機により行う導電性織編物の製造方法において、前記緯糸の供給方向に少なくとも一本以上の導電線を供給する導電線供給過程を含み、前記織編物織り過程は、前記導電線を共に織る導電線織り過程を備え、前記導電線織り過程は、前記導電線を前記経糸に編む導電線織り段階と、前記導電線織り段階の遂行中に供給される前記導電線が前記経糸に編まれないようにして前記導電性織編物の外部に所定の長さだけ露出させる導電線露出段階を含むことを特徴とする。
【0017】
前述した目的を達成するための本発明に係る導電性織編物の製造装置は、導電性織編物の製造装置において、経糸供給部から供給される複数本の経糸を長手方向に沿って織る経糸織り部;緯糸供給部から供給される複数本の緯糸を織る緯糸織り部;導電線供給部から供給される少なくとも一本以上の導電線を織る導電線織り部;前記経糸織り部側の前記経糸を引いて前記緯糸織り部及び前記導電線織り部との相互作用を通じて前記経糸、緯糸及び導電線の織り動作が可能にする経糸誘導部;及び前記経糸織り部、緯糸織り部、導電線織り部、及び経糸誘導部を作動させて前記経糸に対して直交方向に前記緯糸を編み、前記導電線を前記経糸に選択的に編む織り部駆動装置を含むことを特徴とする。
【0018】
前述した目的を達成するための本発明に係る導電性織編物の製造装置は、導電性織編物の製造装置において、経糸供給部から供給される複数本の経糸を長手方向に沿って織る経糸織り部;前記経糸織り部の上側に配置され、導電線供給部から供給される少なくとも一本以上の導電線を経糸方向に沿って織る導電線織り部;前記導電線織り部の一側に配置され、前記導電性織編物の一側面を形成するように緯糸供給部から供給される複数本の第1経糸編み用の緯糸を経糸に織る第1緯糸織り部;前記導電線織り部の他側に配置され、前記導電性織編物の他側面を形成するように緯糸供給部から供給される複数本の第2経糸編み用の緯糸を経糸に織る第2緯糸織り部;前記経糸織り部側の前記経糸を引くように対向して配置され、前記第1及び第2緯糸織り部及び前記導電線織り部との相互作用を通じて前記経糸、第1及び第2経糸編み用の緯糸及び導電線が編まれるように動作する経糸誘導部;及び前記第1及び第2経糸編み用の緯糸が前記経糸に対して直交方向に編まれ、前記導電線が前記経糸方向に選択的に編まれるように前記経糸織り部、第1及び第2緯糸織り部、導電線織り部、及び経糸誘導部を作動させる織り部駆動装置を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る導電性織編物、その製造方法及び製造装置によれば、導電線が経糸及び/または緯糸に編まれて導電性織編物に一体に拘束される導電線織り区間と、導電線が経糸及び/または緯糸に編まれずに、導電性織編物の外部に所定の長さだけ露出する導電線露出区間と、を備えているので、導電線の結線、各種素子やモジュールの接続などのための部位に導電線露出区間を形成して、迅速で簡便に結線や接続作業を行うことができる効果がある。これによって、導電性織編物を用いた物品の製造、メンテナンス、及び使用時に作業性と生産性を顕著に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1aは本発明の第1実施形態に係る導電性織編物を説明するための図面であり、図1b及び図1cは本発明の第1実施形態に係る導電性織編物を説明するための断面構造を概略的に示す図面であり、図1dは本発明の第1実施形態に係る導電性織編物の第1変形例を示す図面であり、図1eは本発明の第1実施形態に係る導電性織編物の第2変形例を示す図面であり、図1fは本発明の第1実施形態に係る導電性織編物の第3変形例を示す図面である。
【図2】図2aは本発明の第2実施形態に係る導電性織編物を説明するために全体の外観を概略的に示す図面であり、図2bから図2dは本発明の第2実施形態に係る導電性織編物を説明するために要部を示す図面である。
【図3】図3は本発明の第1実施形態に係る導電性織編物の製造方法を説明するための工程のブロック図である。
【図4】図4aは本発明の第1実施形態に係る導電性織編物の製造装置の構成を示す概略図であり、図4bは本発明の第1実施形態の変形例に係る導電性織編物の製造装置の構成を示す概略図である。
【図5】図5aは本発明の第1実施形態に係る導電性織編物の製造装置の全体的な構造を概略的に示す正面図であり、図5bは図5aにおけるF部の拡大斜視図である。
【図6】図6aは本発明の第1実施形態に係る導電性織編物の製造装置の要部斜視図であり、図6bは本発明の第1実施形態の変形例に係る導電性織編物の製造装置の要部斜視図である。
【図7】図7は本発明の第2実施形態に係る導電性織編物の製造方法を説明するための工程のブロック図である。
【図8】図8は本発明の第2実施形態に係る導電性織編物の製造装置の構成を示す概略図である。
【図9】図9は本発明の第2実施形態に係る導電性織編物の製造装置の要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面の図1aから図9に基づいて詳細に説明し、図1aから図9において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付ける。一方、各図面において一般的な技術から当業者が容易に理解できる構成と、それについての作用及び効果に対する図示及び詳細な説明は簡略または省略し、本発明に関連した部分を中心に示した。
【0022】
添付図面において図1aは本発明の第1実施形態に係る導電性織編物を説明するための図面、図1b及び図1cは本発明の第1実施形態に係る導電性織編物を説明するための断面構造を概略的に示す図面であって、図1bは導電線織り区間の断面を示す図であり、図1cは導電線露出区間の断面を示す図である。以下の説明において、経糸は導電性織編物の長手方向に配置される線糸を意味し、緯糸は経糸に編まれる線糸を意味する。
【0023】
図1aから図1cに示すように、本発明に係る導電性織編物1は布形態の面状体として形成され、電流の供給時に発熱作用を行う発熱用導電線、電流の通電のための通電用導電線、及び電気信号の伝達が可能な信号伝達用導電線を選択的に含む織編物である。この織編物は、長手方向に沿って配置される複数本の経糸11、この経糸11に対して直交する方向に編まれる複数本の緯糸12、及び長手方向に沿って配置されて織られる複数本の導電線13を含む。
【0024】
特に、本発明に係る導電性織編物1は図1a及び図1bに示すように、導電線13が経糸11及び/または緯糸12に編まれて導電性織編物に一体に拘束される導電線織り区間aと、図1a及び図1cに示すように導電線13が経糸及び/または緯糸に編まれずに、導電性織編物の外部に所定の長さだけ露出する導電線露出区間bと、が繰り返して構成された点に特徴がある。
【0025】
経糸11は導電性織編物1を長手方向に伸縮性を有しないように構成しようとする場合に通常の繊維糸を適用し、導電性織編物1を長手方向に伸縮性を有するように構成しようとする場合にはスパン糸などのような伸縮性繊維糸を適用して構成する。
【0026】
緯糸12は通常の繊維糸を適用すると共に、高強度を必要とする場合にはケブラー糸、アラミド糸などの高張力繊維糸を適用して構成する。
【0027】
導電線13は図1aに拡大して示すように、複数本の絶縁された導電糸131を複数本の繊維糸132で被覆するために、一つの束に編んで形成したものを適用する。この時、導電糸131は電流の通電が可能であれば、多様な素材と直径を有するものから選択して適用することができるが、本実施形態おいては数十ないし数百マイクロメーター(μm)程度の直径を有するステンレス線、チタニウム線、銅線などに絶縁被覆層を形成した金属糸(通常、エナメル線という)のうちから選択し、その外周面には外皮層として複数本の繊維糸132を外嵌して構成する。そして、導電線13を構成する導電糸131の本数は導電性織編物の用途、目的などによって多様に変更することができるが、本実施形態おいては5から20本を一つに縛って導電糸を構成する。
【0028】
また、導電線13は経糸方向に沿って一字状構造または波状構造に配置されるように織る。この時、導電線13を一字状構造に織る場合には、後述する第2変形例に示すように導電線が伸縮性を有するように構成することが好ましい。
【0029】
[実施形態]
次に、図1dは本発明の第1実施形態に係る導電性織編物の第1変形例を示す図面であって、ここに示すように、導電性織編物は、導電線の配置経路に沿って支持線15を織る構成を有する。
【0030】
支持線15は導電線13の左右側に織られ、導電線を経糸及び緯糸に拘束することによって変形を防止する役割をする。すなわち、導電線13が金属糸で構成された場合、緯糸及び経糸に供給される繊維糸との柔軟性の違いによって導電性織編物1の表面や背面に突出する。この時、支持線15が左右側で緯糸及び経糸を取る補強線としての機能を行うので、導電線の捻りを防止できる。このために、支持線15は複数の繊維糸を掛けて緯糸及び経糸に比べて直径(デニール)を大きくすることが好ましい。
【0031】
図1eは本発明の第1実施形態に係る導電性織編物の第2変形例を示す図面であって、ここに示す導電性織編物は、長手方向に沿って配置される複数本の経糸11、この経糸に対して直交する方向に編まれる複数本の緯糸12、及び長手方向に沿って配置されて織られる複数本の導電線13を用いて導電線織り区間aと導電線露出区間bを有する面状体に構成する。この時、導電線13は経糸方向に沿って一字状構造に配置されるように織られている。
【0032】
この時、導電線13は、図1eに拡大して示すように、内部中心に配置されてスパン糸のように伸縮性を有する材質で形成した伸縮性芯線133、この芯線133に巻き取られる複数本の絶縁された導電糸134、及びこの導電糸134の外周面に複数本の繊維糸を巻き取って伸縮性を有するように形成した外皮層135を含む。
【0033】
図1fは本発明の第1実施形態に係る導電性織編物の第3変形例を示す図面であって、導電線織り区間の断面を示し、導電線露出区間の断面は省略した。
【0034】
図1fを参照すると、導電性織編物は別の拘束及び解除用の緯糸14をさらに含む。この緯糸14を用いて、導電線13を経糸11及び/または緯糸12に対して選択的に拘束して面状体内に導電線を埋め込む導電線織り区間aと面状体外部に導電線を露出させる導電線露出区間bを提供することができる。
【0035】
すなわち、拘束及び解除用の緯糸14は導電線13を織る時に共に供給されて導電線織り区間aで導電線13が経糸及び/または緯糸に対して拘束されるように編み、導電線露出区間bでは経糸及び/または緯糸を編む過程で、導電線13が導電性織編物1に対して拘束されないように編んで構成する。
【0036】
図2aは本発明の第2実施形態に係る導電性織編物を説明するために全体の外観を概略的に示す図面であり、図2bから図2dは本発明の第2実施形態に係る導電性織編物を説明するための要部を示す図面である。特に、図2bは導電線織り区間である図2aのC部の一部を示す図面であり、図2cは導電線露出区間である図2aのD部の一部を示す図面であり、図2dは導電線が配置されない領域である図2aのE部を示す図面であって、第1実施形態と同一及び類似の構成については重複説明を省略する。これと共に、本発明の第2実施形態で導電線は前述した第1実施形態と同様に、経糸方向に沿って一字状構造または波状構造に配置されるように織ることができるが、波状構造に配置されたものについてのみ説明する。
【0037】
図2aから図2c、及び図2dを参照すると、本発明の第2実施形態に係る導電性織編物1'は、長手方向に沿って配置される複数本の経糸11、この経糸11に対して直交する方向に編まれる複数本の緯糸12、及び長手方向に沿って配置されて織られる複数本の導電線13を備える。この時、緯糸12は導電線13を基準に内側に該当する位置で経糸11と編まれる第1経糸編み用の緯糸12a、導電線13を基準に外側に該当する位置で導電線13の配置幅に該当する幅の範囲で供給除外空間を提供するように経糸11と編まれる第2経糸編み用の緯糸12b(図2d参照)、及び供給除外空間に該当する位置で導電線13を選択的に拘束するように経糸に編まれる拘束及び解除用の緯糸12c(図2b及び図2c参照)を含む。
【0038】
拘束及び解除用の緯糸12cは、導電線織り区間a(図2a及び図2b参照)では導電線が経糸11と第1経糸編み用の緯糸12aに対して共に拘束されるように編み、導電線露出区間b(図2a及び図2c参照)では導電線13が経糸11と第1経糸編み用の緯糸12aに対して拘束されないように編んで構成する。
【0039】
そして、導電線13は波状構造をなすように織られ、この導電線13の配置経路に沿ってその両側には第1実施形態と同様に、支持線15が織られて導電線を支持するように構成できる。
【0040】
図3は本発明の第1実施形態に係る導電性織編物の製造方法を説明するための工程のブロック図である。
【0041】
図3を参照すると、本発明の第1実施形態に係る導電性織編物の製造方法は、織機により図1aに示す形態の導電性織編物を製造する方法に関するものである。この製造方法は複数本の経糸を長手方向に沿って供給する経糸供給過程(S1)、複数本の緯糸を供給する緯糸供給過程(S2)、緯糸の供給方向に導電線を供給する導電線供給過程(S3)、及び経糸に対して直交方向に緯糸を編む織編物織り過程(S4)を含み、織編物織り過程(S4)は導電線13を共に織る導電線織り過程(S41)をさらに含んでいる。
【0042】
導電線織り過程(S4)は、経糸11と緯糸12を互いに編む過程で、導電線13を経糸11及び/または緯糸12に編む導電線織り段階(S411)と、導電線織り段階(S411)の遂行中に供給される導電線13が経糸11及び/または緯糸12に編まれないようにして導電線13が導電性織編物の外部に所定の長さだけ露出するような導電線の露出段階(S412)を備えた点に特徴がある。
【0043】
経糸供給過程(S1)と緯糸供給過程(S2)は一般的な繊維織編物の織り過程と同様に、リールに繊維糸の経糸と緯糸をそれぞれ巻き取って準備し、経糸は織機の経糸織り部に供給し、緯糸は織機の緯糸織り部に供給する。
【0044】
導電線織り段階(S411)は図1aに示す形態の導電性織編物を織る場合に、緯糸12を経糸11に編み結合する過程で導電線13が経糸11及び緯糸12と共に編まれて拘束されるようにして行う。
【0045】
そして、導電線露出段階(S412)は緯糸12を経糸11に編み結合する過程で、緯糸12が導電線13に編まれないようにして行う。
【0046】
一方、図1fに示す形態の導電性織編物を織る場合には、導電線13を緯糸12により拘束するのではなく、導電線13を経糸11及び/または緯糸12に編み結合する。このために、拘束及び解除用の緯糸14を供給する別の拘束及び解除用の緯糸の供給過程(S5)を備えることによって、導電線織り過程(S41)が可能になっている。
【0047】
導電線織り段階(S411)は拘束及び解除用の緯糸14を経糸11及び/または緯糸12に編み結合する過程を通じて、導電線13が導電性織編物に編まれて拘束されるように行う。そして、導電線織り段階(S411)は、導電線13が経糸方向に沿って一字状構造または波状構造に配置されるように織る。
【0048】
そして、導電線露出段階(S412)は拘束及び解除用の緯糸14を経糸11に編み結合する過程を行うと共に、拘束及び解除用の緯糸14が導電線13に編まれないようにして行う。
【0049】
このような本発明の第1実施形態に係る導電性織編物の製造方法は、以下で具体的に説明する導電性織編物の製造装置により行うことができる。
【0050】
図4aは本発明の第1実施形態に係る導電性織編物の製造装置の構成を示す概略図であり、図4bは本発明の第1実施形態の変形例に係る導電性織編物の製造装置の構成を示す概略図であり、図5aは本発明の第1実施形態に係る導電性織編物の製造装置の全体的な構造を概略的に示す正面図であり、図5bは図5aにおけるF部の拡大斜視図であり、図6aは本発明の第1実施形態に係る導電性織編物の製造装置の要部斜視図であり、図6bは本発明の第1実施形態の変形例に係る導電性織編物の製造装置の要部斜視図である。図6a及び図6bは経糸織り部310、緯糸織り部320、導電線織り部330、経糸誘導部340を示す図面である。
【0051】
図4a、図5a、図5b、及び図6aを参照すると、本発明の第1実施形態に係る導電性織編物の製造装置は、経糸11、緯糸12、及び導電線13を供給するための経糸供給部210、緯糸供給部220、及び導電線供給部230と、織り過程を行うようにフレーム300上に構成される経糸織り部310、緯糸織り部320、導電線織り部330、経糸誘導部340、及び織り部駆動装置350を備える。
【0052】
経糸供給部210、緯糸供給部220、及び導電線供給部230は図4aに示すように、経糸11、緯糸12、及び導電線13が巻き取られているリールであって、導電性織編物の織りに要求される経糸、緯糸、及び導電線の本数に対応する数で構成され、リール装着台200に装着される。この時、リールは経糸、緯糸、及び導電線を巻き取るためのスプールであって、中心巻き取り棒の両側に円状の離脱防止板が形成された構造になっている。
【0053】
経糸織り部310は図4a及び図6aに示すように、経糸供給部210から供給される複数本の経糸11を長手方向に沿って織る構成で、フレーム300に横設される第1支持台311に経糸11を通す複数の経糸針312が配設される。
【0054】
導電線織り部330は導電線供給部230から供給される少なくとも一本以上の導電線13を織る構成で、経糸織り部310の上側に配置されて、横設される第2支持台331に、導電線が通される少なくとも一つ以上の導電線針332が配設され、この第2支持台331の上側には導電線13の移動を案内するように導電線案内棒333が横設されている。
【0055】
緯糸織り部320は緯糸供給部220から供給される複数本の緯糸12を織る構成で、第2支持台331に接して横設される第3支持台321に、緯糸12が通される複数の緯糸針322が配設され、この第3支持台321の上側には緯糸の移動を案内するように緯糸案内棒323が横設されている。
【0056】
経糸誘導部340は経糸織り部310側の経糸11を引いて緯糸織り部320及び導電線織り部330との相互作用を通じて経糸11、緯糸12及び導電線13が編まれるように動作する構成で、第1支持台311に対向して横設される第4支持台341に、経糸針312に通された経糸11を引っ張る複数の引き針342が配設されている。そして、引き針342は針台の端部に手鉤(鼻)が形成された構造になって、前進時には経糸針312側の経糸11を掛け、後進時に経糸を引くようになっている。
【0057】
織り部駆動装置350は進行する経糸11に対して直交方向に緯糸12を編み、導電線13を経糸11に選択的に編むことができるように経糸織り部310、緯糸織り部320、導電線織り部330、及び経糸誘導部340を作動させる構成で、経糸織り部310、緯糸織り部320、導電線織り部330の作動領域を選択的に調節できるように構成されることによって、導電線13が経糸11及び/または緯糸12に編まれて導電性織編物1に一体に拘束される導電線織り区間aと、導電線13が経糸及び/または緯糸に編まれずに、導電性織編物1の外部に所定の長さだけ露出する導電線露出区間bを繰り返し形成しながら織る。
【0058】
そして、織り部駆動装置350は図5aに示すように、第1ないし第4支持台311、331、321、341に駆動力を伝達できるように接続され、第1支持台311を上下方向に並進運動させ、第2及び第3支持台331、321を横方向及び上下方向に並進運動させ、第4支持台341を前後方向に並進運動させるように構成される。このために、織り部駆動装置350は第1支持台駆動部351、第4支持台駆動部352、支持台昇降駆動部353、及び横方向駆動部354を備える。
【0059】
第1支持台駆動部351は第1支持台311を上下に移動させる構成で、第4支持台341の前進動作によって引き針342が前進しながら経糸11を容易に掛けることができるように第1支持台311を上昇させて経糸針312を持ち上げ、第4支持台341の後進時には第1支持台311を下降させながら経糸針312が下方移動するような動作を行う。この第1支持台駆動部351は第1支持台311を上下に移動させることができる構造であれば、特に制限なく多様なメカニズムを有するように構成できる。例えば、第1支持台駆動部351をモーター(不図示)により回転する軸上のカム(不図示)として設け、このカムの回転動作によって第1支持台311を昇降させるように構成したり、電気シリンダー(不図示)または空圧シリンダー(不図示)から構成したり、ロードの前後進動作によって第1支持台を昇降させるように構成することもできる。その他にも第1支持台駆動部351はモーター、プーリー、タイミングベルトなどを備えたベルト駆動装置(不図示)で構成することもできる。
【0060】
第4支持台駆動部352は第4支持台341を前後進させる構成で、引き針342が前進及び後進できるように第4支持台341を前後進させる構造であれば、カムを備えたモーター、電気シリンダー及び空圧シリンダーなどの広く知らされた多様なメカニズムを有するように構成することができる。
【0061】
支持台昇降駆動部353は第2及び第3支持台331、321を上下に昇降させる構成で、図5aに示すようにフレーム300の両側に設けられ、第2及び第3支持台331、321が挿入される昇降ブロック353a、この昇降ブロック353aを上下に昇降させる昇降駆動装置353bからなる。この時、昇降駆動装置353bは電気シリンダー、空圧シリンダー、カムを備えたモーター、ベルト駆動装置などから構成することができる。
【0062】
横方向駆動部354は、図5a及び図5bに示すように第2及び第3支持台331、321を横方向に移動させる構成で、フレーム300の一側に第2及び第3支持台331、321の一側端部と連結されるように、対応する数で構成した連結棒354a、各連結棒354aと接続されるカム部材354b、出力軸にカム部材354bが接続されて第2及び第3支持台に駆動力を提供するモーター354c、及びカム部材354bの回動角度を検知して制御部(不図示)に印加することによって、モーター354cの駆動を制御するための検知センサー354dを備える。
【0063】
一方、前述した図1fに示す形態の導電性織編物を織るための導電性織編物の製造装置は、図4b及び図6bに示すように導電線13が緯糸12により拘束されるのではなく、導電線13を経糸11及び/または緯糸12に編み結合する拘束及び解除用の緯糸14を織るための拘束及び解除用の織り部360をさらに備えなければならない。
【0064】
拘束及び解除用の織り部360はリール装着台200に別途に追加する緯糸供給部240から供給される複数本の緯糸を用いて導電線織り区間aでは導電線13が経糸11及び/または緯糸12に拘束されるように編み、導電線露出区間bでは経糸11及び/または緯糸12に編まれるが、導電線13が導電性織編物1に拘束されないように編むために構成されたものである。
【0065】
そして、拘束及び解除用の織り部360は、第2支持台331に対向する第3支持台321の対向位置に横設される第5支持台361に拘束及び解除用の緯糸14を通す複数の拘束及び解除用針362が、導電線13の配置領域に配設されている。
【0066】
これと共に、織り部駆動装置350は第5支持台361を横方向及び上下方向に移動させる。この時、導電線織り区間aでは第5支持台361の横方向並進運動範囲を拘束及び解除用の緯糸14が導電線13に編まれる範囲で作動させ、導電線露出区間bでは第5支持台361の横方向並進運動の範囲を拘束及び解除用の緯糸14が導電線13に編まれない範囲で作動させるように構成している。
【0067】
このために、第2及び第3支持台331、321を上下に昇降させるように構成した支持台昇降駆動部353の昇降ブロック353aに第5支持台361を挿設し、第5支持台を横方向に移動させるための連結棒354a、カム部材354b、モーター354c、及び検知センサー354dから構成されたもう一つの横方向駆動部354をさらに備えている。
【0068】
一方、図5aに示す番号301は、織り部駆動装置350の駆動信号を入力するための入力部であって、この入力部301から入力された信号によって制御部(不図示)は織り部駆動装置350を制御して経糸及び緯糸の編み形態、導電線の横方向移動距離、導電線が波状構造に編まれる場合、導電線屈曲部の振幅、屈曲回数などを調節できる。
【0069】
図7は本発明の第2実施形態に係る導電性織編物の製造方法を説明するための工程のブロック図である。
【0070】
図7を参照すると、本発明の第2実施形態に係る導電性織編物の製造方法は、織機により図2aないし図2dに示す形態の導電性織編物を製造する方法に関するもので、前述した第1実施形態に係る導電性織編物の製造方法と同様に、経糸供給過程(S1)、緯糸供給過程(S2)、導電線供給過程(S3)、及び織編物織り過程(S4)を備え、織編物織り過程(S4)は導電線を共に織る導電線織り過程(S41)を含んでいる。
【0071】
導電線織り過程(S41)は、導電線13を経糸11に編む導電線織り段階(S411)と、導電線織り段階(S411)の遂行中に供給される導電線13が経糸11に編まれないようにして導電性織編物1'の外部に所定の長さだけ露出させる導電線露出段階(S412)を備える。
【0072】
緯糸供給過程(S2)は第1緯糸供給過程(S21)、第2緯糸供給過程(S22)、及び拘束及び解除用の緯糸供給過程(S23)を含む。
【0073】
第1緯糸供給過程(S21)は導電線13を基準に内側で経糸11と編まれる第1経糸編み用の緯糸12aを供給する段階で、導電線織り過程(S41)の遂行後に導電性織編物1'の内側面に配列される緯糸面が形成されるようにできる。
【0074】
第2緯糸供給過程(S22、図2c及び図2d参照)は導電線13を基準に外側で経糸11と編まれる第2経糸編み用の緯糸12bを供給するが、導電線13の配置幅に該当する幅の範囲では第2経糸編み用の緯糸の供給を排除して供給除外空間を提供するようにできる。
【0075】
拘束及び解除用の緯糸供給過程(S23、図2b参照)は、第2緯糸供給過程(S22)で形成された供給除外空間に対応する離間した位置で導電線13を選択的に経糸11に編み結合する用途の拘束及び解除用の緯糸12cを供給する過程である。
【0076】
導電線織り段階(S411)(図2aのa領域参照)は第1及び第2経糸編み用の緯糸12a、12bと拘束及び解除用の緯糸12cを同時に経糸11に編み結合する過程を行う(図2d参照)。この時、拘束及び解除用の緯糸12cにより導電線13が経糸11と第1経糸編み用緯糸12aに共に編まれて拘束されるようにして行う(図2b参照)。そして、導電線織り段階(S411)は導電線13が経糸11方向に沿って一字状構造にも織ることができるが、本実施形態においては導電線13を波状構造に配置して織る。
【0077】
そして、導電線露出段階(S412、図2aのb領域参照)は第1及び第2経糸編み用の緯糸12a、12bを経糸11に編み(図2d参照)、拘束及び解除用の緯糸12cを経糸に編み、導電線が経糸と第1経糸編み用の緯糸に拘束されない範囲内で編む段階である(図2c参照)。この時、後述する第5支持台361の横方向移動範囲を小さくして拘束及び解除用の緯糸12cが導電線13に編まれずに、経糸11にだけ編まれるようにして作業を行うと、導電線13は導電性織編物1'の外部に露出して導電線露出区間bを形成するようになる。
【0078】
一方、導電線織り段階(S411)は導電性織編物1'に織られた導電線13の突出や捻りを防止するために、その配置経路に沿って左右側に支持線15を配置して導電線13と共に供給して織ることが好ましい。このために、後述(図9参照)するように、導電線13を織る導電線針332の左右側に該当する第2支持台331に支持線針334を設けて支持線15を通して供給することが好ましい。
【0079】
このような本発明の第2実施形態に係る導電性織編物の製造方法は、以下で具体的に説明する導電性織編物の製造装置により行うことができる。
【0080】
図8は本発明の第2実施形態に係る導電性織編物の製造装置の構成を示す概略図であり、図9は本発明の第2実施形態に係る導電性織編物の製造装置の要部斜視図であって、第2実施形態に係る導電性織編物の製造装置の全体外観構造と織り部駆動装置350は、第1実施形態に似ているので具体的な図示を省略した。そして、第1実施形態に係る導電性織編物の製造装置と類似した構成についての重複説明は省略する。
【0081】
図5a、図5b、図8、図9を参照すると、本発明の第2実施形態に係る導電性織編物の製造装置は、経糸11、第1及び第2経糸編み用の緯糸12a、12b、拘束及び解除用の緯糸12c、及び導電線13を供給するための経糸供給部210、緯糸供給部220、及び導電線供給部230を備え、織り過程を行うようにフレーム300上に構成される経糸織り部310、第1緯糸織り部370、第2緯糸織り部380、導電線織り部330、経糸誘導部340、及び織り部駆動装置350を備える。
【0082】
経糸供給部210、緯糸供給部220、及び導電線供給部230は第1実施形態と同様に、経糸、緯糸、及び導電線が巻き取られているリールで構成する一方、第2実施形態における緯糸は第1及び第2経糸編み用の緯糸12a、12b、拘束及び解除用の緯糸12cに分け、これらをそれぞれ別途のリールに巻き取って構成する。
【0083】
経糸織り部310は経糸供給部210から供給される複数本の経糸を長手方向に沿って織る構成で、フレーム300に横設される第1支持台311に、経糸11が通される複数の経糸針312が設けられている。
【0084】
導電線織り部330は経糸織り部310の上側に配置され、導電線供給部230から供給される少なくとも一本以上の導電線13を経糸方向に沿って織る構成で、横設される第2支持台331に導電線13を通す少なくとも一つ以上の導電線針332が設けられている。
【0085】
そして、第2支持台331は図9に示すように、導電線13の配置経路に沿って左右側に配置されて支持線15を織ることができるように、導電線針332の左右側に支持線15が通される支持線針334を設けることが好ましい。この時、支持線針334は支持線15の離間距離に合わせて導電線針332と一定の離隔距離を置いて設けられる。
【0086】
経糸誘導部340は経糸織り部310側の経糸11を引くように対向して配置され、第1及び第2緯糸織り部370、380及び導電線織り部310との相互作用を通じて経糸11、第1及び第2経糸編み用の緯糸12a、12b及び導電線13が編まれるように動作する構成で、横設される第4支持台341に、経糸針312に通された経糸11を引っ張る複数の引き針342が設けられている。
【0087】
第1緯糸織り部370は導電線織り部330の一側に配置され、導電性織編物1'の一側面を形成するように緯糸供給部220から供給される複数本の第1経糸編み用の緯糸12aを経糸11に織る構成で、第2支持台331の内側に接して横設される第3a支持台371に、第1経糸編み用の緯糸12aを通す複数の緯糸針372が配設され、この第3a支持台371の上側には第1経糸編み用の緯糸の移動を案内するための緯糸案内棒373が横設されている。
【0088】
第2緯糸織り部380は導電線織り部330の他側に配置され、導電性織編物1'の他側面を形成するように緯糸供給部220から供給される複数本の第2経糸編み用の緯糸12bを経糸11に織る構成で、第3a支持台371に対向する第2支持台331の外側に接して横設される第3b支持台381に、第2経糸編み用の緯糸12bを通す複数の緯糸針382が配設され、この第3b支持台371の上側には第2経糸編み用の緯糸12bの移動を案内するための緯糸案内棒383が横設されている。
【0089】
織り部駆動装置350は第1及び第2経糸編み用の緯糸12a、12bが経糸11に対して直交方向に編まれ、導電線13が経糸方向に選択的に編まれるように経糸織り部310、第1及び第2緯糸織り部370、380、導電線織り部330、及び経糸誘導部340を作動させるように構成されている。
【0090】
特に、織り部駆動装置350は第1及び第2緯糸織り部370、380、導電線織り部330などの作動領域を選択的に調節できるように構成され、導電線13が経糸11及び/または第1及び第2経糸編み用の緯糸12a、12bに編まれて導電性織編物1'に一体に拘束される導電線織り区間aと、導電線が経糸及び/または第1及び第2経糸編み用の緯糸に編まれずに、導電性織編物の外部に所定の長さだけ露出する導電線露出区間bと、を有する導電性織編物を織ることができるように構成された点に特徴がある。
【0091】
このために、織り部駆動装置350は第1支持台311を上下方向に並進運動させ、第2、第3a、第3b支持台331、371、381を横方向及び上下方向に並進運動させ、第4支持台341を前後方向に並進運動させるために、第1ないし第4支持台に駆動力を伝達できるように機構的に接続される第1支持台駆動部351、第4支持台駆動部352、支持台昇降駆動部353、及び横方向駆動部354を備える。そして、前述した第1実施形態に似ているので具体的な説明は省略するが、横方向駆動部354は第3b支持台381を駆動させるための連結棒354a、カム部材354b、モーター354c、及び検知センサー354dをさらに備えている。
【0092】
一方、第2実施形態に係る導電性織編物の製造装置は図9に示すように、第2緯糸織り部380を、導電線針332の配置幅に該当する幅の範囲で緯糸針382を配置しない針未設置区間eを有するように構成し、この針未設置区間eに対応する領域で拘束及び解除用の緯糸12cを選択的に編む拘束及び解除用の織り部360を備えた点に特徴がある。
【0093】
拘束及び解除用の織り部360において、第2緯糸織り部380に接して配置され、織り部駆動装置350により横方向及び上下方向に移動する第5支持台361には針未設置区間eに対応する領域に導電糸編み用針363が配設されている。
【0094】
第5支持台361は織り部駆動装置350の作動によって導電糸編み用針362を横方向及び上下方向に移動させながら、導電線織り区間aと導電線露出区間bを有するように織り過程を行う。すなわち、図2b及び図9に示すように、導電線織り区間aでは導電糸編み用針362の移動距離(第5支持台の横方向並進運動範囲)を、拘束及び解除用の緯糸12cが導電線13に編まれる範囲に制限して作動させ、図2c及び図9に示すように導電線露出区間bでは導電糸編み用針362の移動距離(第5支持台の横方向並進運動範囲)を、拘束及び解除用の緯糸12cが導電線13に編まれない範囲に制限して作動させる。
【0095】
一方、前述した第2実施形態に係る導電性織編物の製造装置を用いて導電性織編物を織る過程を簡略に説明する。
【0096】
まず、入力部301を通じて導電線13が波状構造に編まれる導電線織り区間aと所定の間隔ごとに導電線露出区間bが形成されるように設定して、織り部駆動装置350を作動させると、第1支持台駆動部351の作動により経糸11が上下に移動しながら引き針342の方に供給される。したがって、第4支持台駆動部352の作動によって前後進される第4支持台341に配置された引き針342が経糸11を引いてループ(鼻)を形成し、支持台昇降駆動部353及び横方向駆動部354の作動により第2、第3a、第3b、及び第5支持台331、371、381、361が上下及び横方向に並進運動しながら織り過程を行う。
【0097】
これをより具体的に説明すると、第1支持台311の上昇動作時に第4支持台341が前進しながら引き針342が前進し、第2、第3a、第3b、及び第5支持台331、371、381、361が上昇すると同時に、横方向一側(横方向駆動部側の方向)に移動する。引き続き、第1支持台311の下降動作と第4支持台341の後進動作が同時に行われながら、引き針342が経糸11を引いてループを形成する。この時、第2、第3a、第3b、及び第5支持台331、371、381、361はそれぞれ設定した移動距離程度、横方向一側(横方向駆動部側)に引き続き移動しながら順次的に下降し、第1及び第2経糸編み用の緯糸、導電線、及び拘束及び解除用の緯糸12a、12b、13、12cは経糸11と編まれるようになる。
【0098】
引き続き、第1支持台311が上昇し、第4支持台341が前進しながら引き針342が前進し、第2、第3a、第3b、及び第5支持台331、371、381、361は上昇動作と共に反対に横方向他側(横方向駆動部の反対方向)に移動する。引続き第1支持台311の下降動作が行われ、第4支持台341の後進動作が行われながら引き針342が経糸11を引いてループを形成するようになる。この時、第2、第3a、第3b、及び第5支持台331、371、381、361はそれぞれ設定した移動距離程度、横方向他側(横方向駆動部)に引き続き移動しながら順次的に下降し、第1及び第2経糸編み用の緯糸12a、12b、導電線13、及び拘束及び解除用の緯糸12cはもう一度経糸11と編まれるようになる。
【0099】
このように、第1支持台311の昇降動作及び第4支持台341の前後進動作と同時に第2、第3a、第3b、及び第5支持台331、371、381、361の昇降と一側及び他側に移動する動作が繰り返して行われると、経糸11の両側に第1及び第2経糸編み用の緯糸12a、12bが配置され、拘束及び解除用の緯糸12cの内側に該当する位置で導電線13が配置された形態(図2b参照)の導電性織編物1’が織られて下方に排出される。
【0100】
この時、導電性織り区間aでは制御部(不図示)の制御下に、第5支持台361と連結された横方向駆動部354のモーター354cの回転範囲を増加させて、導電糸編み用の針362の移動距離(第5支持台351の横方向並進運動範囲)を、拘束及び解除用の緯糸12cが導電線13に編まれる範囲に制限して作動させることによって、図2bに示すような導電性織編物1'の導電線織り区間aを形成する。
【0101】
反対に、導電線露出区間bでは制御部の制御下にモーター354cの回転範囲を減少させて導電糸編み用針362の移動距離(第5支持台の横方向並進運動範囲)を、拘束及び解除用の緯糸12cが導電線13に編まれない範囲に制限して作動させることによって、図2cに示すような導電性織編物1'の導電線露出区間bを形成する。
【産業上の利用可能性】
【0102】
以上のように、本発明に係る導電性織編物、その製造方法及び製造装置によれば、導電線が経糸及び/または緯糸に編まれて導電性織編物に一体に拘束される導電線織り区間と、導電線が経糸及び/または緯糸に編まれずに、導電性織編物の外部に所定の長さだけ露出する導電線露出区間と、を備えているので、導電線の結線、各種素子やモジュールの接続などのための部位に導電線露出区間を形成して、迅速で簡便に結線や接続作業を行うことができる効果がある。これによって、導電性織編物を用いた物品に多様に適用できる。
【0103】
一方、前述のような本発明に係る導電性織編物、その製造方法及び製造装置をいくつかの好ましい実施形態によって記述したが、前述の説明及び図面は単に例を挙げて説明したものであり、当業者ならば、添付の特許請求範囲に開示した本発明の範疇及び思想から外れずに、多くの変形及び修正がなされ得ることがわかるはずである。

【図1a】

【図1b】

【図1c】

【図1d】

【図1e】

【図1f】

【図2a】

【図2b】

【図2c】

【図2d】

【図4a】

【図4b】

【図5a】

【図5b】

【図6a】

【図6b】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性織編物において、
長手方向に沿って配置される複数本の経糸;
前記経糸に編まれる複数本の緯糸;及び
長手方向に沿って配置されて織られる少なくとも一本の導電線を含んで面状に織られ、
前記導電線が前記経糸及び/または緯糸に編まれて前記導電性織編物に一体に拘束される導電線織り区間と、前記導電線が前記経糸及び/または緯糸に編まれずに、前記導電性織編物の外部に所定の長さだけ露出する導電線露出区間と、を有するように構成されたことを特徴とする導電性織編物。
【請求項2】
前記導電線を織る時に共に供給され、前記導電線織り区間では前記導電線が前記経糸及び/または緯糸に拘束され、前記導電線露出区間では前記経糸及び/または緯糸に編まれる過程で前記導電線が前記導電性織編物に拘束されないように織られる拘束及び解除用の緯糸をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性織編物。
【請求項3】
前記緯糸は、前記導電線を基準に内側で、前記経糸と編まれる第1経糸編み用の緯糸;前記導電線を基準に外側で、前記導電線の配置幅に該当する幅の範囲に編まれない供給除外空間を提供するように前記経糸と編まれる第2経糸編み用の緯糸;及び前記供給除外空間に該当する位置で、前記導電線を選択的に拘束するように前記経糸に編まれる拘束及び解除用の緯糸を含み、
前記拘束及び解除用の緯糸は、前記導電線織り区間で前記導電線が前記経糸及び第1経糸編み用の緯糸に共に拘束されるように編まれ、前記導電線露出区間では前記導電線が前記経糸及び第1経糸編み用の緯糸に拘束されない範囲内で編まれることを特徴とする請求項1に記載の導電性織編物。
【請求項4】
前記導電性織編物が長手方向に伸縮性を有するように、前記経糸は伸縮性繊維糸からなることを特徴とする請求項3に記載の導電性織編物。
【請求項5】
前記導電線の捻りを防止するために、その配置経路に沿って左右側に配置されて織られる支持線をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の導電性織編物。
【請求項6】
前記導電線は経糸方向に沿って一字状構造または波状構造に配置されるように織られたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の導電性織編物。
【請求項7】
前記導電線は複数本の絶縁された導電糸を複数本の繊維糸で被覆して編み、一つの束に形成されたことを特徴とする請求項6に記載の導電性織編物。
【請求項8】
前記導電線は、内部中心に配置される伸縮性芯線;前記芯線に巻き取られる複数本の絶縁された導電糸;及び前記導電糸の外周面に伸縮性を有するように形成される外皮層を含むことを特徴とする請求項6に記載の導電性織編物。
【請求項9】
複数本の経糸を長手方向に沿って供給する経糸供給過程、複数本の緯糸を供給する緯糸供給過程、及び前記経糸に前記緯糸を編む織編物織り過程を織機により行う導電性織編物の製造方法において、
前記緯糸の供給方向に少なくとも一本以上の導電線を供給する導電線供給過程を含み、
前記織編物織り過程は、前記導電線を共に織る導電線織り過程を備え、前記導電線織り過程は前記導電線を前記経糸に編む導電線織り段階と、前記導電線織り段階の遂行中に供給される前記導電線が前記経糸に編まれないようにして前記導電性織編物の外部に所定の長さだけ露出させる導電線露出段階を含むことを特徴とする導電性織編物の製造方法。
【請求項10】
前記緯糸供給過程は、前記導電線を前記経糸に編み結合する用途の拘束及び解除用の緯糸を供給する拘束及び解除用の緯糸供給過程を含み、
前記導電線織り段階は、前記拘束及び解除用の緯糸を前記経糸に編み結合する過程を通じて前記導電線が前記経糸及び緯糸に共に編まれて拘束されるように行い、
前記導電線露出段階は、前記拘束及び解除用の緯糸を前記経糸に編み結合する過程を行うと共に、前記拘束及び解除用の緯糸が前記導電線に編まれないように行うことを特徴とする請求項9に記載の導電性織編物の製造方法。
【請求項11】
前記緯糸供給過程は、前記導電線を基準に内側で前記経糸と編まれる第1経糸編み用の緯糸を供給する第1緯糸供給過程;前記導電線を基準に外側で前記経糸と編まれる第2経糸編み用の緯糸を供給すると共に、前記導電線の配置幅に該当する幅の範囲では前記第2経糸編み用の緯糸の供給を排除した供給除外空間を提供する第2緯糸供給過程;及び前記供給除外空間に対応して離間した位置で前記導電線を選択的に前記経糸に編み結合する用途の拘束及び解除用の緯糸を供給する拘束及び解除用の緯糸供給過程を含み、
前記導電線織り段階は、前記第1及び第2経糸編み用の緯糸と前記拘束及び解除用の緯糸を同時に前記経糸に編み結合する過程を行うと共に、前記拘束及び解除用の緯糸により前記導電線が前記経糸と第1経糸編み用の緯糸に共に編まれて拘束されるように行い、
前記導電線露出段階は、前記第1及び第2経糸編み用の緯糸を前記経糸に編み、前記拘束及び解除用の緯糸を経糸に編むと共に、前記導電線が前記経糸と第1経糸編み用の緯糸に拘束されない範囲内で編まれるように行うことを特徴とする請求項9に記載の導電性織編物の製造方法。
【請求項12】
前記導電性織編物が長手方向に伸縮性を有するように、前記経糸供給過程で供給する経糸は伸縮性繊維糸からなることを特徴とする請求項11に記載の導電性織編物の製造方法。
【請求項13】
前記導電線織り段階は前記導電線の捻りを防止するために、その配置経路に沿って左右側に前記支持線を配置して前記導電線と共に供給して織ることを特徴とする請求項11に記載の導電性織編物の製造方法。
【請求項14】
前記導電線織り段階は、前記導電線が経糸方向に沿って一字状構造または波状構造に配置されるように織ることを特徴とする請求項9ないし請求項13のいずれかに記載の導電性織編物の製造方法。
【請求項15】
前記導電線は、複数本の絶縁された導電糸を複数本の繊維糸で被覆して編んで一つの束に形成したもの、または
伸縮性芯線と、この芯線に巻き取られる複数本の絶縁された導電糸と、前記導電糸の外周面に巻き取られる繊維糸とからなって伸縮可能に構成したものから選択されたいずれかを用いて行うことを特徴とする請求項14に記載の導電性織編物の製造方法。
【請求項16】
導電性織編物の製造装置において、
経糸供給部から供給される複数本の経糸を長手方向に沿って織る経糸織り部;
緯糸供給部から供給される複数本の緯糸を織る緯糸織り部;
導電線供給部から供給される少なくとも一本以上の導電線を織る導電線織り部;
前記経糸織り部側の前記経糸を引いて前記緯糸織り部及び前記導電線織り部との相互作用を通じて前記経糸、緯糸及び導電線の織り動作が可能にする経糸誘導部;及び
前記経糸織り部、緯糸織り部、導電線織り部、及び経糸誘導部を作動させて前記経糸に対して直交方向に前記緯糸を編み、前記導電線を前記経糸に選択的に編む織り部駆動装置を含むことを特徴とする導電性織編物の製造装置。
【請求項17】
前記織り部駆動装置は、前記緯糸織り部、前記導電線織り部などの作動領域を選択的に調節できるように構成され、前記導電線が前記経糸及び/または緯糸に編まれて前記導電性織編物に一体に拘束される導電線織り区間と、前記導電線が前記経糸及び/または緯糸に編まれずに、前記導電性織編物の外部に所定の長さだけ露出する導電線露出区間と、が繰り返し形成されるように織ることを特徴とする請求項16に記載の導電性織編物の製造装置。
【請求項18】
前記経糸織り部は、フレームに横設される第1支持台に配置された複数の経糸針を備え、前記経糸針には経糸が通され、
前記導電線織り部は、前記経糸織り部の上側に横設される第2支持台に配置された少なくとも一つ以上の導電線針を備え、前記導電線針には導電線が通され、
前記緯糸織り部は、前記第2支持台に接して横設される第3支持台に配置された複数の緯糸針を備え、前記緯糸針には緯糸が通され、
前記経糸誘導部は、前記第1支持台に対向して横設される第4支持台に配置された複数の引き針を備え、前記引き針は前記経糸針に通された経糸を引っ張り、
前記織り部駆動装置は、前記第1から第4支持台に駆動力を伝達できるように接続されて、前記第1支持台を上下方向に並進運動させ、前記第2及び第3支持台を横方向及び上下方向に並進運動させ、前記第4支持台を前後方向に並進運動させるように構成されたことを特徴とする請求項17に記載の導電性織編物の製造装置。
【請求項19】
前記緯糸供給部から供給される複数本の緯糸を用いて、前記導電線織り区間では前記導電線が前記経糸及び/または緯糸に拘束され、前記導電線露出区間では前記経糸及び/または緯糸に編む過程で前記導電線が前記導電性織編物に拘束されないように前記複数本の緯糸を織る拘束及び解除用の織り部をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の導電性織編物の製造装置。
【請求項20】
前記織り部駆動装置は、前記第1支持台を上下に移動させる第1支持台駆動部;前記第4支持台を前後進させる第4支持台駆動部;前記第2及び第3支持台を上下に昇降させる支持台昇降駆動部;及び前記第2及び第3支持台を横方向に移動させる横方向駆動部を含むことを特徴とする請求項16または請求項19に記載の導電性織編物の製造装置。
【請求項21】
前記横方向駆動部は、前記フレームの一側に、前記第2及び第3支持台の一側端部と連結されるように対応する数で構成された連結棒;前記各連結棒と接続されるカム部材;前記カム部材が接続される出力軸を通じて前記第2及び第3支持台に駆動力を提供するモーター;及び前記カム部材の回動角度を検知してモーターの駆動を制御するための検知センサーを備えることを特徴とする請求項20に記載の導電性織編物の製造装置。
【請求項22】
前記拘束及び解除用の織り部は、前記第2支持台に対向する前記第3支持台の対向位置に横設される第5支持台に配置された複数の針を備え、前記針には拘束及び解除用の緯糸が通され、前記針は前記導電線の配置領域に配置されるように構成し、
前記織り部駆動装置は前記第5支持台を横方向及び上下方向に移動させ、前記導電線織り区間では前記拘束及び解除用の緯糸が導電線に編まれる範囲内で前記第5支持台の横方向並進運動が行われ、前記導電線露出区間では前記拘束及び解除用の緯糸が前記導電線に編まれない範囲内で前記第5支持台の横方向並進運動が行われるように構成したことを特徴とする請求項20に記載の導電性織編物の製造装置。
【請求項23】
導電性織編物の製造装置において、
経糸供給部から供給される複数本の経糸を長手方向に沿って織る経糸織り部;
前記経糸織り部の上側に配置され、導電線供給部から供給される少なくとも一本以上の導電線を経糸方向に沿って織る導電線織り部;
前記導電線織り部の一側に配置され、前記導電性織編物の一側面を形成するように緯糸供給部から供給される複数本の第1経糸編み用の緯糸を経糸に織る第1緯糸織り部;
前記導電線織り部の他側に配置され、前記導電性織編物の他側面を形成するように緯糸供給部から供給される複数本の第2経糸編み用の緯糸を経糸に織る第2緯糸織り部;
前記経糸織り部側の前記経糸を引くように対向して配置され、前記第1及び第2緯糸織り部及び前記導電線織り部との相互作用を通じて前記経糸、第1及び第2経糸編み用の緯糸及び導電線が編まれるように動作する経糸誘導部;及び
前記第1及び第2経糸編み用の緯糸が前記経糸に対して直交方向に編まれ、前記導電線が前記経糸方向に選択的に編まれるように前記経糸織り部、第1及び第2緯糸織り部、導電線織り部、及び経糸誘導部を作動させる織り部駆動装置を含むことを特徴とする導電性織編物の製造装置。
【請求項24】
前記織り部駆動装置は、前記第1及び第2緯糸織り部、前記導電線織り部などの作動領域を選択的に調節できるように構成され、前記導電線が前記経糸及び/または第1及び第2経糸編み用の緯糸に編まれて前記導電性織編物に一体に拘束される導電線織り区間と、前記導電線が前記経糸及び/または第1及び第2経糸編み用の緯糸に編まれずに、前記導電性織編物の外部に所定の長さだけ露出する導電線露出区間と、が繰り返し形成されるように織ることを特徴とする請求項23に記載の導電性織編物の製造装置。
【請求項25】
前記経糸織り部は、フレームに横設される第1支持台に配置された複数の経糸針を備え、前記経糸針には経糸が通され、
前記導電線織り部は、前記経糸織り部の上側に横設される第2支持台に配置された少なくとも一つ以上の導電線針を備え、前記導電線針には導電線が通され、
前記第1緯糸織り部は、横設される第3a支持台に配置された複数の緯糸針を備え、前記緯糸針には第1経糸編み用の緯糸が通され、
前記第2緯糸織り部は、横設される第3b支持台に配置された複数の緯糸針を備え、前記緯糸針には第2経糸編み用の緯糸が通され、
前記経糸誘導部は、横設される第4支持台に配置された複数の引き針を備え、前記引き針は前記経糸針に通された経糸を引っ張り、
前記織り部駆動装置は、前記第1から第4支持台に駆動力を伝達できるように接続され、前記第1支持台を上下方向に並進運動させ、前記第2、第3a及び第4b支持台を横方向及び上下方向に並進運動させ、前記第4支持台を前後方向に並進運動させるように構成されたことを特徴とする請求項24に記載の導電性織編物の製造装置。
【請求項26】
前記第2緯糸織り部は前記導電線針の配置幅に該当する幅の範囲では前記緯糸針が配置されない針未設置区間を有するように構成し、
前記第2緯糸織り部に接して配置されて前記織り部駆動装置により横方向及び上下方向に移動する第5支持台は拘束及び解除用の織り部を備え、前記拘束及び解除用の織り部は前記針未設置区間に対応する領域に配置された導電糸編み用針を有し、
前記織り部駆動装置は前記第5支持台を横方向及び上下方向に移動させ、前記導電線織り区間で前記拘束及び解除用の緯糸が導電線に編まれる範囲内で前記第5支持台の横方向並進運動が行われ、前記導電線露出区間では前記拘束及び解除用の緯糸が前記導電線に編まれない範囲内で前記第5支持台の横方向並進運動が行われるように構成したことを特徴とする請求項25に記載の導電性織編物の製造装置。
【請求項27】
前記第2支持台は、前記導電線針の両側に設けられた支持線針を備え、前記支持線針には前記導電線の配置経路に沿って左右側に配置されて織られる支持線が通されることを特徴とする請求項26に記載の導電性織編物。
【請求項28】
前記織り部駆動装置は、前記第1支持台を上下に移動させる第1支持台駆動部;前記第4支持台を前後進させる第4支持台駆動部;前記第2、第3a、第3b、第5支持台を上下に昇降させる支持台昇降駆動部;及び前記第2、第3a、第3b、第5支持台を横方向に移動させる横方向駆動部を含むことを特徴とする請求項23または請求項27に記載の導電性織編物の製造装置。
【請求項29】
前記横方向駆動部は、前記フレームの一側に、前記第2、第3a、第3b、第5支持台の一側端部と連結されるように対応する数で構成された連結棒;前記各連結棒と接続されるカム部材;前記カム部材が接続される出力軸を通じて前記第2、第3a、第3b、第5支持台に駆動力を提供するモーター;及び前記カム部材の回動角度を検知してモーターの駆動を制御するための検知センサーを含むことを特徴とする請求項28に記載の導電性織編物の製造装置。

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図3】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2013−517389(P2013−517389A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548886(P2012−548886)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/KR2011/000232
【国際公開番号】WO2011/087286
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(512185198)シルバレイ カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】SILVERAY CO., LTD
【Fターム(参考)】