説明

導電性高分子

【課題】より低い比抵抗を示し、電極材料に好適な導電性高分子を提供すること。
【解決手段】本発明の導電性高分子は、アクセプタ性置換基を有するポリエチレンジオキシチオフェン部位12と、ドナー性置換基を有するポリスチレンスルホネート部位11と、を具備し、前記ポリエチレンジオキシチオフェン部位12とポリスチレンスルホネート部位11とで高分子錯体が形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高導電率を実現できる導電性高分子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータや携帯機器が急速に高性能化されており、ディスプレイとマトリクススイッチなどを組み合わせたタッチパネルが搭載されてきており、画面上の表示を押さえることで機器を操作することができ、より操作性が向上してきている。一方、携帯機器は、小型化が進んできており、さらに、ウェアラブルな形態のものも開発されている。このようなウェアラブルな形態の機器においては、機器全体を折り畳んだり、巻いたりできることが必要である。このような使用形態においては、タッチパネルを構成するディスプレイやマトリクススイッチの透明電極も折り畳んだり、巻いたりできることが必要であり、このような要求に対応できる材料が求められる。
【0003】
このような要求を満足する透明電極材料としては、導電性ポリマーであるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)と、ポリスチレンスルホネート(PSS)との高分子錯体であるPEDOT/PSSが主流となっている。このPEDOT/PSSは、成膜性が良く、種々の用途で使用できるので、期待されている透明電極材料である。このPEDOT/PSSは、幾つかの商品名で市場に出されている(例えば、Baytron(Bayer、H.C.Starck、純正化学)、Orgacon(AGFA)、Denatron(長瀬産業))。また、特許文献1には、PEDOTを用いた有機透明電極について開示されている。
【特許文献1】特表2007−531233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したPEDOT/PSSで構成された膜の比抵抗は、約3×10−3Ωcmであり、導電性高分子としては非常に優れた特性である。しかしながら、この比抵抗を無機半導体や金属の比抵抗と比べると1桁〜2桁高く、PEDOT/PSSの応用展開を広める上でネックとなっており、より比抵抗の低いPEDOT/PSSが望まれている。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、より低い比抵抗を示し、電極材料に好適な導電性高分子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の導電性高分子は、アクセプタ性置換基を有するポリエチレンジオキシチオフェン部位と、ドナー性置換基を有するポリスチレンスルホネート部位と、を具備し、前記ポリエチレンジオキシチオフェン部位とポリスチレンスルホネート部位とで高分子錯体が形成されていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、PEDOT部位のアクセプタ性置換基の導入がHOMOのエネルギー準位を上げ、PSS部位のドナー性置換基の導入がLUMOのエネルギー準位を下げるので、バンドギャップEgを小さくなる。このため、キャリア密度が増加して導電率が高くなる。その結果、電極材料に好適な導電性高分子を実現することができる。
【0008】
本発明の導電性高分子は、前記アクセプタ性置換基が、−NO、−NH、−F、−Cl及び−Brからなる群より選ばれた置換基であることが好ましい。
【0009】
本発明の導電性高分子は、前記ドナー性置換基が、−NR(ここで、R=CH、C)であることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の導電性高分子によれば、アクセプタ性置換基を有するポリエチレンジオキシチオフェン部位と、ドナー性置換基を有するポリスチレンスルホネート部位と、を具備し、前記ポリエチレンジオキシチオフェン部位とポリスチレンスルホネート部位とで高分子錯体が形成されているので、より低い比抵抗を示し、電極材料に好適な導電性高分子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明者は、PEDOT/PSSの比抵抗の低下(導電率を向上)方法を鋭意研究した。まず、導電率σ(=1/ρ比抵抗の逆数)=neμで表わされる。ここで、nはキャリア密度、eは単位電荷、μは移動度である。したがって、導電率σを向上させるには、キャリア密度nを増加させれば良い。図2に導電性高分子の一種であるPAN(熱処理ポリアクリロニトリル)のバンドギャップと比抵抗との間の関係を示す。図2から分かるように、このPANは、熱処理条件でバンドギャップEgが0.29eV〜2.14eVまで変化し、バンドギャップが約1eV以下の場合、室温で真性キャリア(HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)からLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)へのキャリアの熱励起)の顕著な影響が現れ、導電率が数桁向上する。このような関係から、キャリア密度を増加させるには、バンドギャップEgを1eV以下(ここでは0.1〜1.0eV)に低下させれば良いことが分かる。
【0012】
PEDOT/PSSのバンドギャップEgは1.6〜1.7eV(610nm)である。このバンドギャップでは、室温(298°K)での熱励起キャリアは期待できない。そこで、本発明者は、PEDOT/PSSに適切な置換基を導入することでバンドギャップを低下させて熱励起キャリアが期待できるバンドギャップにすることを着想した。
【0013】
ここで、ドナー分子からアクセプタ分子に部分的な電荷移動が起こり、その結果として電荷を帯びた分子同士が軌道相互作用や静電相互作用などの引力によって形成された電荷移動錯体においては、バンドギャップを小さくするためには、ドナー分子にドナー性置換基を導入してHOMOのエネルギー準位を上げ、アクセプタ分子にアクセプタ性置換基を導入してLUMOのエネルギー準位を下げることが行われる。
【0014】
本発明者は、PEDOT/PSSのうちドナー分子として機能するPEDOTにドナー性置換基を導入し、PEDOT/PSSのうちアクセプタ分子(p型ドーパント)として機能するPSSにアクセプタ性置換基を導入してバンドギャップを調べた。その結果、バンドギャップが未置換のPEDOT/PSSより大きくなったことが分った。本発明者は、この知見に基づいて、PEDOT/PSSのうちドナー分子として機能するPEDOTにアクセプタ性置換基を導入し、PEDOT/PSSのうちアクセプタ分子として機能するPSSにドナー性置換基を導入してバンドギャップを調べた。その結果、未置換のPEDOT/PSSよりもバンドギャップが小さくなったことが分った。そこで、本発明者は、電荷移動錯体と異なり、PEDOT/PSSにおいて、ドナー分子として機能するPEDOTにアクセプタ性置換基を導入し、アクセプタ分子として機能するPSSにドナー性置換基を導入することにより、バンドギャップを小さくして、熱励起キャリア密度を上げて導電率を高くできることを見出し本発明をするに至った。
【0015】
すなわち、本発明の骨子は、アクセプタ性置換基を有するポリエチレンジオキシチオフェン部位と、ドナー性置換基を有するポリスチレンスルホネート部位と、を具備し、前記ポリエチレンジオキシチオフェン部位とポリスチレンスルホネート部位とで高分子錯体が形成されていることにより、より低い比抵抗を示し、電極材料に好適な導電性高分子を提供することである。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る導電性高分子を示す図である。図1に示す導電性高分子は、ポリスチレンスルホネート(PSS)部位11と、このスルホン基を介して担持されたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)部位12と、から主に構成されている。この導電性高分子においては、図1に示すように、ポリスチレンスルホネート部位11の表面のスルホン基(SO)と、PEDOTのイオウ原子(S)との間の配位結合により高分子錯体を構成している。
【0017】
ここで、バンドギャップEgを1eV以下にするための導入置換基を探索するために、実測バンドギャップEgと計算Egとの間の相関関係を調べた。バンドギャップEgの実測値が既知なものは、PEDOT/PSS、PITN/PSS(ポリイソチアナフテン/ポリスチレンスルホネート)、PNITN/PSS(ポリニトロイソチアナフテン/ポリスチレンスルホネート)の3種類であり、この導電性高分子について、実測バンドギャップEgと、分子軌道計算による計算Egとの間の相関関係を確認して、いわゆる検量線を作成した。その結果を図3に示す。なお、分子軌道法によるバンドギャップEgの計算には、使用ソフトとして、WinMOPAC(SV版)(富士通社製)を用い、ハミルトニアンPM3 最適構造(OPTIMIZED STRUCTURE)の計算を行った。また、バンドギャップEgは、ELUMO−EHOMOから求めた。また、モデル分子は1量体モデル分子とした。
【0018】
したがって、PEDOTのアクセプタ性置換基及びPSSのドナー性置換基は、キャリア密度を増加させるバンドギャップEgが1eV以下であること、及び図3の関係から、実測値のバンドギャップ0.1eV〜1.0eVに対応する半経験的分子軌道法によるバンドギャップが6.6eV〜7.8eVとなる組み合わせであることが好ましい。このような条件を満足するアクセプタ性置換基としては、−NO、−NH、−F、−Cl及び−Brからなる群より選ばれた置換基が挙げられ、このような条件を満足するドナー性置換基としては、−NR(ここで、R=CH、C)が挙げられる。
【0019】
このような導電性高分子においては、PEDOT部位のアクセプタ性置換基の導入がHOMOのエネルギー準位を上げ、PSS部位のドナー性置換基の導入がLUMOのエネルギー準位を下げるので、バンドギャップEgを小さくなる。このため、キャリア密度が増加して導電率が高くなる。その結果、電極材料に好適な導電性高分子を実現することができる。
【0020】
このような導電性高分子は、PEDOTにアクセプタ性置換基を導入し、PSSにドナー性置換基を導入し、置換基を導入したPEDOTと置換基を導入したPSSとを反応させて高分子錯体を形成することにより得ることができる。
【0021】
具体的には、PEDOTにアクセプタ性置換基(Y)を導入する場合、例えば、図4に示すように、2,5−エチルエチルカルボキシ(3,4−ヒドロキシ)チオフェンと、アクセプタ性置換基を有する1−γ置換ジクロルエタンとを反応させて、1,5−カルボキシル(γ置換3,4−ジオキシ)チオフェンを得て、その反応生成物を加水分解することにより、3,4−(1−γ置換)ジオキシチオフェンとし、その後、Pt触媒下で200℃で加熱処理を行うことによりアクセプタ性置換基を導入したエチレンジオキシチオフェン(EDOT)を得る。そして、このEDOTをPSSと反応させる。
【0022】
PSSにドナー性置換基(X)を導入する場合、例えば、図5に示すように、ドナー性置換基を導入したスチレンを付加重合させて、このポリスチレンを発煙硫酸で処理することによりにスルホン酸基を導入する。なお、芳香族化合物をスルホン化する方法としては、発煙硫酸を用いる方法に限らず、スルホン化剤であるクロルスルホン酸、無水硫酸、濃硫酸などを塩素系溶剤に溶解し、反応させる方法などが挙げられる。
【0023】
それぞれ置換基を導入したPEDOTとPSSとを反応させる場合には、図4に示す反応で得られた、アクセプタ性置換基が導入されたEDOTと、図5に示す反応で得られた、ドナー性置換基が導入されたPSSとを触媒下で反応させる。このとき、EDOTが重合してPEDOTとなり、PEDOTとPSSとが高分子錯体を形成して、PEDOT/PSSが得られる。なお、EDOTの重合反応の際の触媒としては、Fe(SO/Na、FeCl/Naなどを挙げることができる。
【0024】
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
(実施例1)
図4〜図6に示す反応で得られた置換基導入PEDOT/PSSを水−IPA(イソプロピルアルコール)溶媒(7:3)に分散した状態で塗液調整を行った。なお、PEDOTに導入したアクセプタ性置換基を−NOとし、PSSに導入したドナー性置換基を−N(Cとした。
【0025】
次いで、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人・デュポン社製、易接着処理品)上にブレードコータを用いて上記塗液を塗布し、このPETフィルムに、130℃×15分の加熱処理を施した。得られた導電性高分子塗膜について面積抵抗値を調べた。面積抵抗値については、4探針法(三菱化学社製)で計測した。得られた面積抵抗値について、置換基を導入しないPEDOT/PSS(市販PEDOT/PSSの塗液(Baytron PH500)をPETフィルム表面にスピンコートしたもの)の比抵抗(2.7×10−3Ωcm)に対してどの程度かで評価した。その結果を上記計算Eg(eV)及び実測Eg(eV)と共に下記表1に示す。なお、表1において、置換基を導入しないPEDOT/PSSの比抵抗に比べて5倍以上改善が見られたものを◎とし、置換基を導入しないPEDOT/PSSの比抵抗に比べ改善が見られたものを○とし、置換基を導入しないPEDOT/PSSの比抵抗に比べ改善が見られないものを×とした。
【0026】
(実施例2)
PEDOTに導入したアクセプタ性置換基を−NHとし、PSSに導入したドナー性置換基を−N(Cとしたこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子塗膜を得た。得られた導電性高分子塗膜について面積抵抗値を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
【0027】
(実施例3)
PEDOTに導入したアクセプタ性置換基を−Fとし、PSSに導入したドナー性置換基を−N(Cとしたこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子塗膜を得た。得られた導電性高分子塗膜について面積抵抗値を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
【0028】
(実施例4)
PEDOTに導入したアクセプタ性置換基を−Clとし、PSSに導入したドナー性置換基を−N(Cとしたこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子塗膜を得た。得られた導電性高分子塗膜について面積抵抗値を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
【0029】
(実施例5)
PEDOTに導入したアクセプタ性置換基を−Brとし、PSSに導入したドナー性置換基を−N(Cとしたこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子塗膜を得た。得られた導電性高分子塗膜について面積抵抗値を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
【0030】
(実施例6)
PEDOTに導入したアクセプタ性置換基を−NOとし、PSSに導入したドナー性置換基を−N(CHとしたこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子塗膜を得た。得られた導電性高分子塗膜について面積抵抗値を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
【0031】
(比較例1)
PEDOTに導入したアクセプタ性置換基を−Iとし、PSSに導入したドナー性置換基を−N(Cとしたこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子塗膜を得た。得られた導電性高分子塗膜について面積抵抗値を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
【0032】
(比較例2)
PEDOTに導入したアクセプタ性置換基を−COCHとし、PSSに導入したドナー性置換基を−N(Cとしたこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子塗膜を得た。得られた導電性高分子塗膜について面積抵抗値を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
【0033】
(比較例3)
PEDOTに導入したアクセプタ性置換基を−COOHとし、PSSに導入したドナー性置換基を−N(Cとしたこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子塗膜を得た。得られた導電性高分子塗膜について面積抵抗値を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
【0034】
(比較例4)
PEDOTに導入したアクセプタ性置換基を−COOCHとし、PSSに導入したドナー性置換基を−N(Cとしたこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子塗膜を得た。得られた導電性高分子塗膜について面積抵抗値を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
【0035】
(比較例5)
PEDOTに導入したアクセプタ性置換基を−NOとし、PSSに導入したドナー性置換基を−OHとしたこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子塗膜を得た。得られた導電性高分子塗膜について面積抵抗値を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
【0036】
(比較例6)
PEDOTに導入したアクセプタ性置換基を−NOとし、PSSに導入したドナー性置換基を−OCHとしたこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子塗膜を得た。得られた導電性高分子塗膜について面積抵抗値を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
【0037】
(比較例7)
PEDOTに導入したアクセプタ性置換基を−NOとし、PSSに導入したドナー性置換基を−OCとしたこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子塗膜を得た。得られた導電性高分子塗膜について面積抵抗値を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
【0038】
(比較例8)
PEDOTに導入したアクセプタ性置換基を−NOとし、PSSに導入したドナー性置換基を−CHとしたこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子塗膜を得た。得られた導電性高分子塗膜について面積抵抗値を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
【0039】
(比較例9)
PEDOTに導入したアクセプタ性置換基を−NOとし、PSSに導入したドナー性置換基を−Cとしたこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子塗膜を得た。得られた導電性高分子塗膜について面積抵抗値を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
【表1】

【0040】
表1から分かるように、実施例1〜実施例6の導電性高分子は、バンドギャップが1.0eV以下であり、面積抵抗値が小さく、導電率の高いものであった。このため、薄くしても十分な電気伝導性を発揮することができ、透明性を高くすることが可能である。これは、PEDOT及びPSSに置換基が導入されたために、バンドギャップが小さくなり、キャリア密度が増加して導電率が上がったためであると考えられる。一方、比較例1〜比較例9の導電性高分子は、バンドギャップが1.0eVを超えており、面積抵抗値が大きいものであった。これは、PEDOT及びPSSに置換基が導入されたが、バンドギャップが小さくならず、キャリア密度が増加しなかったためであると考えられる。
【0041】
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。また、また、各層の厚さや材質については本発明の効果を逸脱しない範囲で適宜設定することができる。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、フレキシブルディスプレイやその他の電子機器の電極に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態に係る導電性高分子を示す図である。
【図2】バンドギャップと比抵抗との間の関係を示す図である。
【図3】実測バンドギャップと計算バンドギャップとの間の関係を示す図である。
【図4】PEDOTに置換基を導入する反応を説明するための図である。
【図5】PSSに置換基を導入する反応を説明するための図である。
【図6】PEDOTとPSSとの反応を説明するための図である。
【符号の説明】
【0044】
11 ポリスチレンスルホネート部位
12 ポリエチレンジオキシチオフェン部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセプタ性置換基を有するポリエチレンジオキシチオフェン部位と、ドナー性置換基を有するポリスチレンスルホネート部位と、を具備し、前記ポリエチレンジオキシチオフェン部位とポリスチレンスルホネート部位とで高分子錯体が形成されていることを特徴とする導電性高分子。
【請求項2】
前記アクセプタ性置換基が、−NO、−NH、−F、−Cl及び−Brからなる群より選ばれた置換基であることを特徴とする請求項1記載の導電性高分子。
【請求項3】
前記ドナー性置換基が、−NR(ここで、R=CH、C)であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の導電性高分子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−286875(P2009−286875A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−139816(P2008−139816)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】