説明

小型のリサイクル電池

【課題】 小型の電子機器設備に使用できる小型のリサイクル電池を提供する。
【解決手段】 陽極プレートと陰極プレートと吸水部材と、これらを覆うカバーとを備え、該陽極プレートは2つの表面と、該2つの表面に露出される少なくとも1つの陽極金属部と、該陽極金属部に貼設される活性炭と、該陽極金属部に連接されることにより、連接部を形成する陽極ワイヤと、前記連接部を被装する絶縁部材とを有し、該陰極プレートは陰極金属部となる基板と、該陰極金属部となる基板に連接されることにより、連接部を形成する陰極ワイヤと、前記連接部を被装する絶縁部材とを有し、前記吸水部材は前記陽極プレートと陰極プレートとの間に挟持され、該カバーは扁平状を呈し、前記陽極プレートと陰極プレートと前記吸水部材とを収容すると共に、少なくとも1つの水分供給用の供給孔が設けられた構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリサイクル電池であり、特に扁平状のカバーを有する小型のリサイクル電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
主要な一般的には電子機器設備の電源供給手段として乾電池が使用されるが、電池使用後には、使用済みの乾電池が廃棄され、水銀など環境を害する材料が漏れ公害となる恐れがある。
【0003】
故に、再利用できるリサイクル電池が開発されている。例えば、台湾実用新案登録第M275542号「リサイクル電池」特許文献1が案出されている。この発明は、前管口と後管口を有する金属管と、陽極孔を有し、更に前記前管口を塞ぐ前プラグと、供給孔を備え、前記後管口を塞ぐ後プラグと、前記金属管の内部に吸水部材と、前記前プラグと前記吸水部材の間に充填される活性炭とが設けられ、前記前プラグの陽極孔から前記活性炭に挿入され、前記陽極孔から突出するヘッドを有する陽極棒を備えたリサイクル電池である。
そして、このリサイクル電池は、前記後プラグの供給孔から前記吸水部材に水を供給することにより、水が吸水部材から活性炭に滲みこみ、前記リサイクル電池を活性化させ、再利用できるようになっている。
【特許文献1】台湾実用新案登録第M275542号「リサイクル電池」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来の「リサイクル電池」は、体積が大きく、小型の電子機器設備に使用し難い問題点を有する。
そこで、出願されたのが本発明であって、小型の電子機器設備に使用できる小型のリサイクル電池を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の請求項1の発明は、陽極プレート10と陰極プレート20と吸水部材30とこれらを覆うカバー40とを備え、前記陽極プレート10は2つの表面と、該2つの表面に露出される少なくとも1つの陽極金属部11と、前記陽極金属部11に貼設される活性炭12と、前記陽極金属部11に連接されることにより、連接部を形成する陽極ワイヤ13と、前記連接部を被装する絶縁部材14とを有し、該陰極プレート20は陰極金属部となる基板23と、該陰極金属部となる基板23に連接されることにより、連接部を形成する陰極ワイヤ21と、前記連接部を被装する絶縁部材22とを有し、該吸水部材30は前記陽極プレート10と陰極プレート20との間に挟持され、前記カバー40は扁平状を呈し、前記陽極プレート10と陰極プレート20と前記吸水部材30とを収容すると共に、少なくとも1つの水分供給用の供給孔41が設けられることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の小型のリサイクル電池において、前記カバーは、該カバーの内部と外部を連結する少なくとも1つの供給パイプ50を備え、該供給パイプ50は2つの管口が形成される外管51と、該外管51に挿設され、両端が夫々の管口から突出する吸収芯線52とを有することを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1に記載の小型のリサイクル電池において、前記陽極プレート70は、2つの表面を有する基板71を備え、前記基板71の表,裏面には陽極金属部が貼設されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の小型のリサイクル電池は、上記の課題を解決するものであり、薄片化されたリサイクル電池の部材を扁平状のカバーに収納することにより、リサイクル電池の体積を大幅に縮小し、小型の電子機器設備に使用できる。
前記カバー40は扁平状を呈し、前記陽極プレート10と陰極プレート20と前記吸水部材30とを収容すると共に、少なくとも1つの水分供給用の供給孔41が設けられることで、小型のリサイクル電池が使い尽くされた時点で、前記供給孔41から、該吸水部材30に水分が吸収されるように、前記カバー40の内部に水を容易に供給することにより、水が吸水部材30から活性炭12に滲みこみ、小型のリサイクル電池を活性化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明に係る小型のリサイクル電池の第1実施例を示す部分断面図であり、図2は本発明に係る小型のリサイクル電池の第1実施例を示す全体斜視図であり、図3は本発明に係る小型のリサイクル電池における陽極プレートの第1実施例の断面図であり、図4は本発明に係る小型のリサイクル電池における陰極プレートの側面図であり、図5は本発明に係る小型のリサイクル電池の第1実施例の使用状態を示す平面図である。図6は本発明に係る小型のリサイクル電池の第2実施例における陽極プレートを示す断面図であり、図7は本発明に係る小型のリサイクル電池の第3実施例を示す部分断面図であり、図8は本発明に係る小型のリサイクル電池の第3実施例を示す全体斜視図であり、図9は本発明に係る小型のリサイクル電池の第3実施例の使用状態を示す側面図である。
【実施例1】
【0011】
本発明に係る小型のリサイクル電池の第1実施例について、以下に説明する。
図1及び図2において、本発明の小型のリサイクル電池は、長方形の陽極プレート10と長方形の陰極プレート20と綿からなる吸水部材30と長方形のカバー40とを備え、更に図3に示すように、前記陽極プレート10は、2つの表面を有し、該2つの表面に露出される少なくとも1つの陽極金属部11を備え、該陽極金属部11には活性炭12が貼設されている。該陽極金属部11には、陽極ワイヤ13が連接される連接部を形成してなり、前記連接部は絶縁部材14によって被装されている。
【0012】
また、図4に示すように、前記陰極プレート20は陰極金属部となる基板23と、該陰極金属部となる基板23に連接されることにより、連接部を形成する陰極ワイヤ21と、前記連接部を被装する絶縁部材22とを有している。
【0013】
前記吸水部材30は前記陽極プレート10と陰極プレート20との間に挟持される。前記カバー40は扁平状を呈し、前記陽極プレート10と陰極プレート20と吸水部材30とを収容すると共に、前記カバー40の中央部には内部に貫通する少なくとも1つの水分供給用の供給孔41が設けられている。
【0014】
前記陽極金属部における陽極金属は、銅Cu、銀Ag、金Au、ニッケルNi、或いは前記金属の合金の中より選択されて使用される。
【0015】
前記陰極金属部となる基板は、マグネシウムMg、亜鉛Zn、或いは前記金属の合金からなる板材の中より選択されて使用される。
【0016】
本発明に係る小型のリサイクル電池の第1実施例を電卓など小型の電子機器設備に使用する時は、図5に示すように、カバー40の供給孔41を露出させる。該小型のリサイクル電池が使い尽くされた時点で、該供給孔41から、該吸水部材30に水分が吸収されるように、前記カバー40の内部に水を供給することにより、水が吸水部材30から活性炭12に滲みこみ、該小型のリサイクル電池を活性化させ、再利用できるようにする。
【実施例2】
【0017】
本発明に係る小型のリサイクル電池の第2実施例における陽極プレート70を図6に示す。
前記陽極プレート70は、陽極金属部75と活性炭72と陽極ワイヤ73と絶縁部材74とを備えると共に、さらに2つの表面を有する基板71を備え、前記陽極金属部75が該基板71の2つの表面にそれぞれ貼設されると共に、該基板71と前記陽極金属部75を貫通する連通孔76が穿設され、前記活性炭72が前記陽極金属部75に貼設されている。前記陽極ワイヤ73の端部が前記連通孔76に挿入されて、前記陽極金属部75に連接されることにより、連接部を形成し、前記絶縁部材74によって前記連接部が被装されるようになっているものである。
【0018】
前記陽極金属部75の陽極金属は、銅Cu、銀Ag、金Au、ニッケルNi、或いは前記金属の合金の中より選択されて使用される。
【実施例3】
【0019】
図7と図8に示すように、本発明に係る小型のリサイクル電池の第実施例は、前記第1実施例と殆ど等しく、異なる部分は、前記カバー40aの内部と外部を連結する貫通穴を有する1本の供給パイプ50を備えた点にある。
前記供給パイプ50は、2つの管口が形成される外管51と、該外管51に挿設され、両端が夫々の管口から突出する長さの吸収芯線52とを有しており、前記カバー40aの側面部に形成された供給孔41aに配設される。
【0020】
図9に示すように、本発明に係る小型のリサイクル電池の第3実施例を、水を使用した装飾部材61を備える時計60など、小型の電子機器設備に使用する時は、該小型のリサイクル電池が該時計60の内部に設置され、前記供給パイプ50で該カバー40aの内部と該装飾部材61とを連結し、該水の含む装飾部材61の水を前記吸収芯線52を介して該カバー40aの内部に提供でき、水が吸水部材30から活性炭12に滲みこみ、該小型のリサイクル電池を活性化させ、再利用できるようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は上記の構成を有し、リサイクル電池の体積を大幅に縮小し、小型の電子機器設備に使用できるので、リサイクル電池の対応できる分野を広げることができると共に、使用上の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る小型のリサイクル電池の第1実施例を示す部分断面図である。
【図2】本発明に係る小型のリサイクル電池の第1実施例を示す全体斜視図である。
【図3】本発明に係る小型のリサイクル電池における陽極プレートの第1実施例の断面図である。
【図4】本発明に係る小型のリサイクル電池における陰極プレートの第1実施例の側面図である。
【図5】本発明に係る小型のリサイクル電池の第1実施例の使用状態を示す平面図である。
【図6】本発明に係る小型のリサイクル電池の第2実施例における陽極プレートを示す断面図である。
【図7】本発明に係る小型のリサイクル電池の第3実施例を示す部分断面図である。
【図8】本発明に係る小型のリサイクル電池の第3実施例を示す全体斜視図である。
【図9】本発明に係る小型のリサイクル電池の第3実施例の使用状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0023】
10 陽極プレート
11 陽極金属部
12 活性炭
13 陽極ワイヤ
14 絶縁部材
20 陰極プレート
21 陰極ワイヤ
22 絶縁部材
23 基板
30 吸水部材
40 カバー
40aカバー
41 供給孔
41a供給孔
50 供給パイプ
51 外管
52 吸収芯線
60 時計
61 装飾部材
70 陽極プレート
71 基板
72 活性炭
73 陽極ワイヤ
74 絶縁部材
75 陽極金属部
76 連通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極プレート10と陰極プレート20と吸水部材30とこれらを覆うカバー40とを備え、前記陽極プレート10は2つの表面と、該2つの表面に露出される少なくとも1つの陽極金属部11と、前記陽極金属部11に貼設される活性炭12と、前記陽極金属部11に連接されることにより、連接部を形成する陽極ワイヤ13と、前記連接部を被装する絶縁部材14とを有し、該陰極プレート20は陰極金属部となる基板23と、該陰極金属部となる基板23に連接されることにより、連接部を形成する陰極ワイヤ21と、前記連接部を被装する絶縁部材22とを有し、該吸水部材30は前記陽極プレート10と陰極プレート20との間に挟持され、前記カバー40は扁平状を呈し、前記陽極プレート10と陰極プレート20と前記吸水部材30とを収容すると共に、少なくとも1つの水分供給用の供給孔41が設けられることを特徴とする小型のリサイクル電池。
【請求項2】
前記カバーは、該カバーの内部と外部を連結する少なくとも1つの供給パイプ50を備え、該供給パイプ50は2つの管口が形成される外管51と、該外管51に挿設され、両端が夫々の管口から突出する吸収芯線52とを有することを特徴とする請求項1に記載の小型のリサイクル電池。
【請求項3】
前記陽極プレート70は、2つの表面を有する基板71を備え、前記基板71の表,裏面には陽極金属部が貼設されることを特徴とする請求項1に記載の小型のリサイクル電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−34255(P2008−34255A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−206735(P2006−206735)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(505197344)
【Fターム(参考)】