説明

小型ポリマーレンズ

本発明は、焦点距離が調節可能な光学素子であって、選択した可撓性を有する第1透明層を有し、前記第1透明層は、電圧の印加時に収縮し、これにより前記第1透明層を屈曲させるように適合された圧電層を有し、前記圧電層は軸に対して対称に配置され、前記第1透明層は、前記軸に対して実質的に対称の貫通空洞を有する基板に適用され、透明ポリマーが前記第1透明層と表面を接して前記空洞内に配されている光学素子に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1透明層と、基板に配置され、選択された屈折率を有する軟質ポリマーまたは同様の透明可撓性材料とを有する焦点距離が調節可能なレンズ、ならびにそのレンズの製造方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、スキャン装置およびマシンビジョンのカメラなどの光学装置の最近の開発に伴い、高速でピント合わせが可能な小型レンズが求められている。携帯電話のカメラでは、画素数が増えているものの、その画素を最大限に活用するのに十分な品質の小型レンズが求められている。特にカメラが、バーコードの読み取りや、カメラの近くの物体の画像のスキャンなどの他の目的にも適合している場合、小型化に加えてピント合わせ能力も必要となる。また、レンズにピント合わせ機能を追加することで、高い開口の使用が可能となり、これにより、レンズの焦点深度が浅いことの影響を受けずに、システムの感光性を向上させることができる。
【0003】
従来のレンズは、多くの目的には大きくコストも高いと考えられており、他の解決策を見出すために研究が行われている。1つの有望な分野は、軟質ポリマーから形成されるレンズの開発にある。このようなレンズは、特定の光学特性を有し、静電力によって軟質ポリマーレンズを伸長させるか、または選択された形状を得るように軟質ポリマー表面を成型することで、ピント合わせ動作のために成型されうる。提案されている別の解決策として、屈折率分布型の軟質ポリマーの使用があるが、これは、十分に高い品質で製造するには複雑であることがわかっている。これらの解決策に関連する問題は、曲率と表面の連続性の点で、十分に優れたレンズ面を得ることにある。
【0004】
提案されているほかの解決策として、レンズ様の空洞に液体を入れる方法があり、この方法では、空洞の形状を調整して、レンズの焦点距離が調整される。この例が、特開2002−239769号公報、特開2001−257932号公報、特開2000−081503号公報、特開2000−081504号公報、特開平10−144975号公報、特開平11−133210号公報、特開平10−269599号公報および特開2002−243918号公報に開示されている。このほか、T.Kaneko et al:“Quick Response Dynamic Focusing Lens using Multi−Layered Piezoelectric Bimorph Acutator”,Micro−Opto−Mechanicle Systems,Richard R.A.Syms Editor,Proceedings of SPIE,Vol.4075(2000)の文献にも記載されている。上記は全て、空洞内部に封入したレンズとして機能する液体を利用しており、表面の少なくとも1つが、力を印加することによって成形されうる。この方式には、レンズを成形するために加える圧力により、流体または空洞を圧縮しなければならず、このために大きな力が必要となったり、あるいは、空洞から追い出された液体を収容するための別の室を設ける必要があるという不都合がある。温度の変動による体積の変化も問題となりうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−239769号公報
【特許文献2】特開2001−257932号公報
【特許文献3】特開2000−081503号公報
【特許文献4】特開2000−081504号公報
【特許文献5】特開平10−144975号公報
【特許文献6】特開平11−133210号公報
【特許文献7】特開平10−269599号公報
【特許文献8】特開2002−243918号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】T.Kaneko et al:“Quick Response Dynamic Focusing Lens using Multi−Layered Piezoelectric Bimorph Acutator”,Micro−Opto−Mechanicle Systems,Richard R.A.Syms Editor,Proceedings of SPIE,Vol.4075(2000)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このため、本発明の目的は、カメラからの距離範囲が長くても十分な光学品質を提供する、量産が可能な小型のピント合わせレンズ、ならびに携帯電話などの小型装置を提供することにある。これは、独立請求項に記載の事項によって達成される。
【0008】
本明細書において「軟質ポリマー」との用語は、広義に使用され、シリコンおよびポリマーゲルなどの多くの異なる材料を含んでもよい点に注意されたい。
【0009】
軟質ポリマーを使用することにより、ポリマーが、空気または他の圧縮可能な気体と接しており、このため、レンズの焦点距離を調整する際に必要な力が遙かに小さくて済むレンズを作製することが可能となる。また、異なる場所または施設に応じて生産工程が変更される場合であっても、ポリマーが所定の位置に保持される(keep in place)ため、生産が容易となる。上で述べたように、レンズの調整に必要な力を軽減し、周囲環境の温度および圧力の変動によって生じる歪みを低減させるために、圧縮可能な気体のリークチャネルまたは気泡を提供することも可能である。
【0010】
このように、本発明は、薄い可撓性膜および軟質ポリマーの特徴を利用することにより、有利な解決策を提供する。
【0011】
本発明は、レンズが、独立した部品が僅かしか使用されていない公知の技術に基づいているため、大量生産が容易であり、ウェブカメラ、携帯電話またはさまざまなタイプの分析装置のような小形カメラに適した、焦点距離が調節可能な小型レンズを特に提供する。例えば、レンズは、透明層に圧電層をスクリーン印刷し、この透明層を、開口がエッチングされているシリコン基板上に配置し、開口に軟質ポリマーを配することによって作製することができる。
【0012】
本発明について、本発明を例示する添付の図面を参照して、下記に更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1a】本発明の異なる実施形態を示す。
【図1b】本発明の異なる実施形態を示す。
【図2a】本発明の異なる実施形態を示す。
【図2b】本発明の異なる実施形態を示す。
【図3a】本発明の異なる実施形態を示す。
【図3b】本発明の異なる実施形態を示す。
【図4a】本発明の異なる実施形態を示す。
【図4b】本発明の異なる実施形態を示す。
【図4c】本発明の異なる実施形態を示す。
【図5a】本発明の異なる実施形態を示す。
【図5b】本発明の異なる実施形態を示す。
【図5c】本発明の異なる実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面からわかるように、本発明に係るレンズは、SiOまたはパイレックス(登録商標)などの可撓性材料から形成された第1のカバーガラス1と、基板4上または基板2に設けた孔に配された、既知の屈折率を有する光学的に透明なポリマーゲルなどの軟質ポリマー3とから形成される。本発明の好ましい実施形態によれば、カバーガラス1は、顕微鏡で標本を保持するために使用されるタイプの薄いガラス板である。このガラス板は、力を印加することによって成形するのに十分に柔軟であり、この条件下で破壊されない程度に十分に強力である。第1の光学面は、第1のカバーガラスによって構成されており、このため、成形可能であるが、かなり硬く、耐久性を有する面であるが、残りのレンズ材料は軟質ポリマーによって構成されている。好ましくは、軟質ポリマーとカバーガラスは、1つの光学面を構成するように屈折率が等しい。
【0015】
図1a,1bでは、軟質ポリマー3が、基板2に設けた孔の中に配されている。この実施形態は、基板としてシリコンを使用することにより作製することができる。基板の一方に、SiOまたはガラスなどの透明層が設けられる場合、反対の面からエッチングして、シリコン層にエッチストップ層を有する凹部を形成することができる。その後、凹部に軟質ポリマー3を充填する。次に、上部カバー層1と凹部の上に、それ自体公知の方法で(例えばスクリーン印刷法により)、駆動部(例えば圧電リング)5が設けられる。このリングは、電圧の印加時に、接線方向に収縮または膨張するように適合されている。薄い上部カバー層1と駆動部は、バイモルフ駆動部として協調して作用する。図1bでは、リング5は放射状に収縮し、カバー層1に隆起を形成させる。SiO層が曲面を与え、この曲面が、中央部において、実質的に球形の屈折面6を構成し、これによりレンズを提供することが実験によって示されている。
【0016】
図1bの下の部分には、軟質ポリマーの下面7が軟質ポリマーに追従して上に移動し、上に引っ張られてカバー層の隆起を形成し、このためメニスカスレンズを提供することが図示されている。図1a,1bにおいて、凹部は、例えばシリコンのエッチングプロセスによって直径が大きく形成されており、このため、下部屈折面の曲率は、上部屈折面6よりも小さく、このためレンズが提供される。上で述べたように、空気と界面を接している自由な軟質ポリマーを用いた他の軟質ポリマーレンズの経験から、下部面の中央部は、端部よりも曲率が小さく、このため、湾曲下部面7の効果が限られていることがわかっている。場合によっては、特別な光学特性が要求される場合、第1層1から開口が狭まっていくように、孔の形状を反転させてもよい。
【0017】
図2a,2bは、図1a,1bと本質的に同じ実施形態を示すが、第2層4を有する。この例では、下部レンズ面7は平面であり、このため、レンズは平凸レンズを提供する。図2a,2bに示す実施形態では、凹部の端は光軸と平行であり、シリコンに形成する場合は別のエッチング方法、あるいはドリル穿孔によって形成することができる。
【0018】
第2層4が十分な可撓性を有し、軟質ポリマーが十分に非圧縮性を有する場合、図1a,1bは極端な例を示しているが、ある程度は第1の面の移動に追従し、この効果とレンズの特性を制御するように開口の寸法を選択することができる。図面では、内圧と周囲環境の圧力を等しくし、レンズ面を変化させるのに必要な力を軽減するために、リークチャネル12が設けられている。これに加えて、あるいは、これに代えて、空洞内の光軸の外に、圧縮可能な気体の小さな気泡が提供されうる。
【0019】
図3a,3bに示すように、圧電素子によって印加する力の方向を反転させることにより、凹レンズを提供することもできる。図2と同様にリークチャネル12も提供されており、更に、空洞内に圧縮可能な気体11を提供するために、ポリマーの量も選択される。ポリマー3の量は、当然、レンズの光学活性領域を充填するのに十分でなければならず、圧電素子5によって印加される力が対称となるように、気体11は、好ましくは対称的な空間を充填していなければならない。
【0020】
図1a,bおよび2a,bに示す解決策は、通常のSiの製法によって作製することができる。下部面は、例えばガラスなどの平面基板であり、可撓性層は、シリコンウェハから形成され、孔が上部のSiOまたはガラス面まで形成される。軟質ポリマーが孔の中に配され、このため、基板(図2a,bの場合)と、シリコンディスクの壁と、上部のSiOまたはガラス層との間で圧搾される。表面に圧電素子または類似の構造を提供することによって、バイモルフ駆動部により表面の曲率が変更され、軟質ポリマーが表面に付着し、表面の移動に追従する。
【0021】
上で説明した全ての解決策において、調節可能な屈折面6,7を反射材料で形成して、これにより調整可能なミラーを提供することができる。図2とそれ以降の例では、図中の上層1と下層4は、両凸レンズ、両凹レンズまたはメニスカスレンズを提供するように、可撓性であってもよい。
【0022】
このため、本発明に係る光学素子は、レンズに力を印加する駆動部を、例えば携帯電話、スキャナまたはバーコードリーダのカメラにオートフォーカス機能を提供するための標準的な装置と組み合わせることによって、レンズの焦点距離を調整するためのシステムと組み合わせることができる。駆動部は、例えば、必要な焦点を越えたか、または調整の方向が間違っていることが判明した場合に、停止または前進の信号がシステムによって与えられるまで、焦点距離を調整するために、レンズに印加する力を増減させる。
【0023】
図4a,4b,4cは、本発明の好ましい実施形態を示すが、基板は示されておらず、圧電または電歪材料が、上層1の上にスクリーン印刷または堆積され、それ自体公知のリソグラフィプロセスによってパターニングされている。図4a,4b,4cに示す駆動部層5は、リング形状である。透明な駆動部(例えばポリマー膜またはPZT膜)と透明電極(例えばITO)と組み合わせて使用する別の実施形態によれば、駆動部が、上層を完全に覆ってもよい。上層1は薄いガラスシート、好ましくはパイレックス(登録商標)から形成されるが、サファイヤまたはSiOが使用されてもよい。軟質ポリマー様材料3は、好ましくは従来のゲルから形成されるが、要求される屈折率に応じて選択した軟質ポリマーまたはエラストマを使用することもできる。この例では、下層4はガラスから形成される。図4a,4b,4cに係る実施形態は、標準的なプロセスを使用した製造が容易な解決策を提供する。
【0024】
図5a,5b,5cには、シリンドリカルレンズを作製するための実施形態が示される。この利点は、上層を一次元的に屈曲させるのに必要な力が、ドーム形状の面を形成するのに必要な力よりも遙かに小さくて済むという点にある。従来のレンズと同じ特性を提供するために、2つのシリンドリカルレンズが、垂直な屈曲方向になるように、光軸に沿って直列に配置されうる。
【0025】
電源、ならびに本発明を利用するために必要な光学素子のための駆動回路、支持部およびハウジングなどの他の電子装置および/または機械装置は、選択した実施形態と、その実施形態が使用される状況に応じて、当業者にとって自明であると考えられるため、これらについては詳述しない。
【0026】
以上まとめると、本発明は、焦点距離が調節可能な光学素子であって、第1透明層と、その上に配置され、選択された屈折率を有する透明軟質ポリマー(例えばゲル)と、を有し、前記層は、選択した可撓性を有する材料(例えば薄いガラス層)から形成され、光学素子は、前記可撓性層に力を印加するための駆動部を有し、前記力は、前記軸に対して実質的に対称の平面または円形であり、これにより上層の近くのポリマー表面を屈曲させ、レンズ面を提供し、湾曲屈折面を提供する光学素子に関する。
【0027】
また、光学素子は、軟質ポリマーの反対の面に配置され、前記軟質ポリマーを実質的に覆っている第2透明層も有し、この第2層の近くの第2の屈折面7に、所定の形状を与える。別の実施形態では、第2透明層も可撓性であり、第2の屈折面を成形するための駆動部を有してもよい。層の一方が開口を有する場合、開口内のポリマーが、ポリマー室から押し出されるか、またはポリマー室に引き込まれ、表面が、レンズ状の屈折面を提供しうるが、上で説明したように、この表面の光学品質は限られていることがある。
【0028】
第1透明層はSiOによって構成されてもよく、光学素子は開口を有するSi基板を更に有し、前記開口内に前記軟質ポリマーが配される。
【0029】
また、下部透明層も、レンズの光学面の両方を制御するための圧電素子を有していてもよい。
【0030】
別法では、力駆動部が、ハウジング内に取り付けられ、選択された光軸に対して対称に配置され、光軸に平行な力を印加するように適合されうる。これは、層を屈曲させるために、層1,4の少なくとも一層に押し付けたリングを使用して提供することができ、この力は、機械的に、あるいは磁石、圧電素子または電気式駆動部によって印加することができる。
【0031】
本発明の別の実施形態によれば、実質的に円形の気泡が、選択された光軸において、前記第1層および/または第2層と、前記軟質ポリマーとの間に提供され、前記軟質ポリマーは導電性であり、前記第1層は、前記選択された光軸に対して対称の導電体のリング状パターンを有し、前記駆動部は、前記電極と前記軟質ポリマーとに接続された電圧源によって構成され、これにより、前記第1層上の選択された電極と前記軟質ポリマー間に力が与えられ、前記電極に対して軟質ポリマー表面が成形される。
【0032】
本発明の別の実施形態によれば、第2層は、軟質ポリマーの前記第1層とは反対の面に配置され、軟質ポリマーは電歪性である。駆動部は、各層に提供された少なくとも1つの円形の電極と、電極間に電圧を印加する電圧提供手段とによって構成され、これにより、軟質ポリマーは電圧に反応して、前記電圧の結果、膨張または収縮する。このように、電場に対するポリマーの反応の結果、屈折面が湾曲する。
【0033】
上で説明したように、駆動部は、光軸に対して円状に対称的な力を与えるように適合され、これにより、中心近くの前記第1透明層に、実質的に球形の屈曲を与える。しかし、駆動部を、光軸を含む平面に対して面対称の力を与えるように適合させ、これにより、前記第1透明層に円筒状の屈曲を与えることも可能であり、円筒状の屈曲は、光軸に対して垂直の軸を有する。このようなレンズを光軸に沿って2つ組み合わせることによって、1枚の従来のレンズと同様の結果を得ることができるが、駆動部によって印加される力が少なくて済む。
【0034】
本発明によるレンズは、数通りの方法で作製することができる。図1a〜2bに示すレンズは、一面にSiOまたはガラス層を有するシリコン板を提供するステップと、前記シリコン板に開口をエッチングするステップと、前記開口に、前記SiOまたはガラス層と接して軟質ポリマーを配するステップと、前記SiOまたはガラス層に力駆動部を配置するステップと、を有する方法によって製造することができる。次に、前記シリコン板の反対の面に第2層が設けられ、これにより、空洞内に軟質ポリマーが封入されうる。駆動部は、圧電または電歪リングであり、前記リングは、選択された光軸と同軸状に配置され、SiO層に力を印加して、これにより、前記第1層および前記軟質ポリマーに隆起またはドームを形成するように適合されている。
【0035】
別の実施形態では、レンズは、ガラス面に(例えば印刷法によって)駆動部を堆積するステップと、例えばエッチングまたは研削によって、前記ガラス面の反対の面からガラスを薄化するステップと、薄いガラス板の反対の面に軟質ポリマーを提供するステップと、によって作製される。このようにして、ガラスが、基板2と第1透明層1の両方を構成するようになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
焦点距離が調節可能な光学素子であって、選択した可撓性を有する第1透明層を有し、前記第1透明層は、電圧の印加時に収縮し、これにより前記第1透明層を屈曲させるように適合された圧電層を有し、前記第1透明層は、軸に対して実質的に対称の貫通空洞を有する基板に適用され、透明ポリマーが前記第1透明層と表面を接して前記空洞内に配されており、
前記第1透明層は、ガラス、サファイヤまたはSiO等の硬質材料によって構成され、前記圧電層は、前記軸に対して対称に配置されたリング状の圧電素子によって構成され、これにより、前記リングの中央部が、前記電圧の印加時に、実質的に球形の屈折面を得る光学素子。
【請求項2】
前記第1透明層はSiOから構成され、前記基板はSiから形成される請求項1に記載の光学素子。
【請求項3】
前記第1透明層および前記基板の両方はガラスから形成される請求項1に記載の光学素子。
【請求項4】
前記圧電層は、スクリーン印刷によって前記第1透明層に堆積されたシルクスクリーン印刷である請求項1に記載の光学素子。
【請求項5】
前記軟質ポリマーの反対の面に配置され、前記軟質ポリマーを実質的に覆っている第2透明層を更に有する請求項1に記載の光学素子。
【請求項6】
前記素子内の圧力を周囲環境と等しくするためのリークチャネルを更に有する請求項5に記載の光学素子。
【請求項7】
前記空洞内に、選択された量の圧縮可能な気体を更に有する請求項5に記載の光学素子。
【請求項8】
前記圧縮可能な気体は、前記軸に対して実質的に対称に分配される請求項7に記載の光学素子。
【請求項9】
前記圧電層は、前記光軸を含む平面に対して面対称の力を提供し、これにより、前記第1透明層に円筒状の屈曲を与えるように適合されている請求項1に記載の光学素子。
【請求項10】
前記前記軟質ポリマーはゲルである請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項11】
レンズの製造方法であって、
一面にSiOまたはガラス層を有するシリコン板を提供するステップと、
前記シリコン板に開口をエッチングするステップと、
前記開口に、前記SiOまたはガラス層と接して軟質ポリマーを配するステップと、
選択された光軸と同軸状に配置され、前記SiO層に力を印加するように適合されたリング状の圧電素子を、前記SiOまたはガラス層上に配置するステップと、を有し、これにより、前記リング形状の圧電素子の中央部において前記第1層および前記軟質ポリマーに隆起またはドームを形成する方法。
【請求項12】
前記シリコン板の反対の面に第2層が設けられ、これにより前記軟質ポリマーが空洞内に封入される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
レンズの提供方法であって、
ガラス基板の一面にリング状の圧電駆動部を堆積するステップと、
例えばエッチングまたは研削によって、前記ガラス基板の反対の面から前記ガラス基板を薄化して、薄い透明なガラス層を残したまま、選択した深さの空洞を設けるステップと、
前記リング状の圧電駆動部が前記空洞と反対の面にある中心部を取り囲むように、前記薄化したガラス層の面の一方に軟質ポリマーを配するステップと、を有する方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5a】
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【図5b】
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【図8c】
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【公表番号】特表2010−504555(P2010−504555A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529144(P2009−529144)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【国際出願番号】PCT/NO2007/000333
【国際公開番号】WO2008/035984
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(509079891)
【Fターム(参考)】