説明

小型マッサージ器

【課題】首や腕、ふくらはぎ、足等のマッサージを所望に応じて行う小型マッサージ器において、マッサージ効果を高めつつも、低温やけどの受傷を確実に回避できるようにする。
【解決手段】施療子12と、該施療子12を隠蔽する柔軟なカバー13を有するとともに、温風または冷風を供給する送風機14と、該送風機14で供給するエアの温度を制御する温度制御手段を内蔵した小型マッサージ器11において、前記カバー13における前記施療子12に対応する部位に、前記送風機14からのエアが溜まるエア溜め部31を形成する。送風機14から温風が供給された時に、前記エア溜め部31に対応する部分13aが温度の高い高温部31aとなり、この高温部31aの周りに、順次それよりも温度の低い第2の部位13b、第3の部位13cができるというように、カバー13の面方向で温度差を生じさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば首、肩、腰、腕、ふくらはぎ、足など人体の局所に対して温風や冷風を供給しながら、揉み・叩きなどのマッサージをする小型マッサージ器に関し、より詳しくは、体感の向上や低温やけどの防止を図れるような小型マッサージ器に関する。
【0002】
なお、この発明で「小型マッサージ器」には、単独で使用されるもののほか、例えば椅子型マッサージ機などにユニットとして組み込まれて使用されるものも含む。
【背景技術】
【0003】
温風または冷風を被施療部に作用させながらマッサージをする小型マッサージ器としては、例えば下記特許文献1に開示されている。
【0004】
この小型マッサージ器は、温風(または冷風)を機器内に吹き出すことによって、施療子を覆うカバーを介して人体の被施療部に対して温熱施療が可能な構造である。カバーが非通気性素材からなる場合には、機器内に供給された温風でカバーが膨らみ、伝熱作用により被施療部が暖められる。特に、カバーが通気性素材からなる場合には、カバーを通して吹き出る温風によって被施療部が温熱施療されることになる。これにより、体感を向上するとともに、血行を促進してマッサージ効果を高めることができる。
【0005】
しかし、このように機器内に温風を吹き出す構成では、機器内部全体に熱が伝わるため、被施療部の周りのマッサージを受けない部分にも広く伝熱効果が生じる。このとき、身体の被施療部の周辺部分は、カバーを介して小型マッサージ器に支えられており、常に温風で暖められたカバーに触れた部位ができる。加えて、その部位には荷重がかかることから、圧迫された状態となることが多い。
【0006】
このため、長時間にわたって機器を使用した際などに圧迫された状態となった部位に低温やけどを受傷してしまうおそれがある。したがって、被施療部に温風を作用させる場合に、ヒータをON・OFFして温風の温度を制御(例えば下記特許文献2参照)し、低温やけどを回避するマッサージ機も提案されているが、何度以下ならば安全であるかは被施療者の身体的状態によって異なるため、温度制御だけでは確実性が高くない。
【0007】
特に、ふだん足の感覚が鈍くなってマッサージを必要とする糖尿病患者や身体が不自由な人が使用した場合に、低温やけどの発生率や重症度が高まるおそれが考えられる。また、一定の糖尿病患者の場合には自己認識が足りないことが多いから、低温やけどを未然に防ぐ手段を講じる必要性が特に高い。
【0008】
また、機器内に温風を吹き出すので、内部部品は吹き出された温風にさらされており、長時間の使用によっては施療子自体も蓄熱することから、施療子の熱による低温やけども懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−268713号公報
【特許文献2】特開2006−51062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、この発明は、マッサージ効果を高めつつも、低温やけどの受傷を確実に回避できるようにすることを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのための手段は、施療子と、該施療子を隠蔽する柔軟なカバーを有するとともに、温風または冷風を供給する送風手段と、該送風手段で供給するエアの温度を制御する温度制御手段を内蔵した小型マッサージ器であって、前記カバーにおける前記施療子に対応する部位に、前記送風手段からのエアが溜まるエア溜め部が形成され、前記カバーに面方向での温度差が設けられる小型マッサージ器である。
【0012】
前記エア溜め部は、供給されるエアを一時的に留めるもの、あるいはエアの流れを遅くするものであればよく、非通気性素材や通気性素材により、たとえば袋状や、内部にエア流通のための空間を有する層状などに形成される。
【0013】
すなわち、前記送風手段から供給された温風または冷風は、温度制御手段によって温度制御された状態で、まず前記エア溜め部に溜り、カバーを介して被施療部に伝熱作用をもたらす。温風の場合には被施療部を加温して、マッサージ効果を高める。冷風の場合には、たとえば夏季の使用においても被施療部に清涼感を与えて、放熱作用によって快適なマッサージを行う。
【0014】
そして、エア溜め部において熱を奪われ、または熱を奪い、エア溜め部に供給されたときよりも温度が低下しまたは上昇したエアは、エア溜め部の周囲において、その低下しまたは上昇した温度を作用させる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、カバーの面方向においては、施療子に対応する部位と、その部位以外の部位とで、温度差ができるので、施療子によるマッサージを受ける部位を中心として温度を作用させられる。このため、温熱施療による体感向上が図れる上に、施療作用の及ばない人体の部位や小型マッサージ器のケーシングなど、不要な部位に温度作用を与えることはない。したがって、特に加熱する場合には、温度制御手段の作用と相俟って、低温やけどの不測の受傷を完全に防止できる。
【0016】
また、機器内で温風を吹き出す場合と異なり、内部部品を不必要に温風にさらすことはないので、内部部品の劣化を抑制できる。また、吹き出すエアの量を少なくでき、省エネ効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】小型マッサージ器の斜視図。
【図2】エア溜め部の縦断面図。
【図3】エア溜め部の正面図。
【図4】エア溜め部の横断面図。
【図5】他の例に係るエア溜め部の横断面図。
【図6】他の例に係るエア溜め部の横断面図。
【図7】他の例に係るエア溜め部の横断面図。
【図8】他の例に係るエア溜め部の横断面図。
【図9】小型マッサージ器を組み込んだ椅子型マッサージ機の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
図1は、例えば首、肩、腰、腕、ふくらはぎ、足など、人体の局所に対して自由にマッサージができる小型マッサージ器11(以下、「マッサージ器」という。)の斜視図であり、このマッサージ器は、周知の機構で駆動する左右一対2個の施療子12と、これら施療子12を隠蔽する柔軟なカバー13を有するとともに、温風または冷風を供給する送風機14と、この送風機14で供給するエアの温度を制御する温度制御手段(図示せず)を内蔵している。
【0019】
前記施療子12は、揉みと叩きのマッサージを行うもので、マッサージ器11の前面側に突き出すように設けられている。
【0020】
そして、このマッサージ器11においては、前記送風機14を駆動させたときに2個の施療子12に対応する部位とその周囲とで温度が異なるように、前記カバー13の面方向で温度差ができるように構成される。すなわち、2個の施療子12が接触する2箇所の部位13a(第1の部位)と、その周囲で使用者の身体に接触して支持する部位13b(第2の部位)と、第2部位13bの周辺で機器を隠蔽する部位13c(第3の部位)とで温度が異なることとなる(図1の仮想線参照)。
【0021】
このために、カバー13における前記施療子12に対応する部位に、前記送風機14からのエアが溜まるエア溜め部31(前記2箇所の第1の部位13a)が形成されている。エア溜め部31は、前記送風機14から温風が供給されたときにはその周囲よりも高温になる高温部31aとなり、また送風機14から冷風が供給されたときにはその周囲よりも低温になる低温部31bとなる。
【0022】
図2は、前記エア溜め部31を示す縦断面図、図3は正面図、図4は横断面図である。これらの図に示すように、エア溜め部31は、カバー13の裏面に、エア溜め形成部材32を固定することで、袋状に形成されている。カバー13もエア溜め形成部材31も、伸縮性を有する非通気性の柔軟な素材で構成されている。素材としては、ゴムや合成樹脂を少なくとも一部に含むものであるとよい。
【0023】
また、エア溜め形成部材32は、前記カバー13の裏面との間に適宜厚の空間33を形成すべく断面略薄皿状に形成され、内面には、複数本のリブ32aが一体に設けられている。このリブ32aは、エア溜め形成部材32が押圧されて厚み方向に圧縮されたときに、内部の前記空間33を保とうとするためのものであり、前記リブ32aで仕切られる空間同士は連通している。また、リブ32aの形状や配置は適宜設定される。
【0024】
そして、エア溜め形成部材32の外周壁部32bには、エア溜め部31に導入されたエアを周囲に排出するための排出口32cを有する。排出口32cは、適宜大の孔で形成され、配置や個数は適宜設定される。
【0025】
さらに、前記送風機14からのエアを2個のエア溜め部31に導くために、エア溜め形成部材32は、送気路形成部材41によって送風機14と接続される。送気路形成部材41は、非通気性の柔軟素材からなり、図3に示したように平面視略Y字状に形成されている。つまり、基端部が前記送風機14の吹き出し口14aに接続され、二股に分けた先端部がエア溜め形成部材32に接続される。
【0026】
送気路形成部材41の前記エア溜め形成部材32に対する接続は、図2に仮想線で示したように、エア溜め形成部材32の下端側に対して行われるとよい。身体を支持する部分を避けると共に、暖められたエアは上昇するからである。
【0027】
このように構成されたエア溜め部31を有するカバー13は、被施療部を乗せると、図4に仮想線で示したように、人体の一部の形に沿って延びながら変形し、左右一対の施療子12の間に入り込むように柔軟に変形するとともに、施療子12の動きに円滑に追従する。
【0028】
前記送風機14は、周知の構成であり、図示しないファンとヒータを有し、ファンを駆動中にヒータをONすると温風が生成される。ヒータをOFFした状態でファンを駆動すると冷風を供給できる。
【0029】
前記温度制御手段は、周知の構成であり、前記送風機から供給するエアの温度を制御すべく、図示しない温度センサと、温度調節回路と、サーミスタなどを有する。前記サーミスタは、所定の設定温度を検知して、これに基づいてヒータがON・OFF制御される。具体的には、動作後に所定温度(例えば42℃)まで上昇するように設定し、所定温度への上昇後、ヒータをOFFして、温度を降下させる。そして、予め設定した所定温度(例えば37℃)まで下がるとヒータをONし、温度が上昇して所定温度(例えば38℃)になるとヒータをOFFするという制御動作を繰り返して、一定範囲の温度を保つように制御する。この場合、前記サーミスタは、前記送風機14の吹き出し口14aあるいはこれの近傍に設けられ、温度制御手段の制御が、これらの部分の温度に基づいてなされるように構成する。サーミスタとして、例えば小型のチップ型サーミスタなどを用い、しかも施療子12に当たらない部位に埋め込めるならば、サーミスタは前記エア溜め部31に設けてもよい。
【0030】
なお、前記ヒータは、施療子12が駆動しているときにのみONできるように制御され、安全性が確保される。
【0031】
図1中、18はケーシング、18aはケーシング前面の開口部、19は人体の一部を乗せたときに感触を良くするためのクッションである。
【0032】
このように構成されたマッサージ器11では、次のような動作がなされる。
【0033】
マッサージ器11をONして施療子12を適宜動作させると、所望のマッサージが行える。このとき、送風機14を作動させて温風を発生させると、吹き出し口14aから出た温風は、送気路形成部材41を通って2つのエア溜め部31に送り込まれ、エア溜め部31を膨張させる。そして、エア溜め部31に入ったエアは、カバー13を介して人体の被施療部に熱を与え、体感を向上させ、施療子12によるマッサージ効果を高める。そして、熱交換により温度が低下すると、排出口32cからエア溜め部31の周囲に出て、カバー13を介してその部分に接する人体の一部を温熱施療する。
【0034】
このように温熱施療されている間、カバー13における第1の部位13aは被施療部を施療子12で押圧される。すなわちカバー13が被施療部に押し付けられる状態となるが、エア溜め形成部材32によって二重構造になっていることから、身体への伝熱が緩和される。またエア溜め部31に対応する部分では施療子12が動いているので、被施療部の同一箇所が加熱されたままの状態で継続して圧迫されるようなことはない。このため、機器内部で温められた施療子によって温熱施療が可能であるとともに、カバー13からの過剰な伝熱による低温やけどを回避できる。
【0035】
また、その周囲の第2部位13bでは施療子12によるマッサージを受けないためカバー13によって身体が支持され、カバー13が身体に接触したままの状態となるものの、第2の部位13bの存在によって温度が低くなっているので、たとえ圧迫された状態のまま加温されても、温度が第1の部位13aよりも低いので、低温やけどのおそれをより低減できるとともに、暖められたエアによって適度な温度による快適なマッサージが可能となる。
【0036】
ヒータを動作せず、温風ではなく冷風を発生させた場合には逆に、施療子12によるマッサージを受ける部分を中心に被施療部とその周囲に清涼感与え、被施療部からの放熱を促すことができる。
【0037】
このように、カバー13における面方向で温度差ができるようにするとともに、温風や冷風が作用する中心となる部分13aと施療子12が作用する部分が同一であるので、特に温風を作用させたときに低温やけどが起きるような不都合を回避できる。従来のような温度制御のみでは、人体の状態や被施療部の状態によってどの程度であると低温やけどを受傷しうるか明瞭ではなかったので、低温やけどの完全な防止は困難であったが、カバー13の面方向での温度差をつけることによって、完全な防止を期待できる。このため、例えば糖尿病などによって抹消神経障害による知覚障害があって使用には特に注意が必要な者に対して、取扱説明書で注意を呼びかけても貫徹できなかった安全性を、確保できるようになる。
【0038】
また、温風や冷風を機器内に吹き出すのではなく、エア溜め部31に供給する構成であるので、機器内の全体が温風等にさらされる場合とは異なり、ケーシング18等が熱せられることもなく、低温やけどの完全防止のための一助となる。
【0039】
そのうえ、温風等が機器内の部品に直接吹き付けられることがないため、施療子の蓄熱によって生じるやけどを防止するとともに、適度な温熱施療が可能となる。
【0040】
さらに、前記エア溜め部31はリブ32aを有するので、施療子12が被施療部に当たる際の当たりを緩和でき、人体に対する痛みを和らげることができる上に、たとえ施療子12が熱をもったとしても、熱さの伝達を抑えられる。
【0041】
また、エア溜め部31は、単に薄皿状に形成されたエア溜め形成部材32で構成され、その外周壁32bに排出口32cを形成してエア溜め部31よりも温度が低いまたは高い部分(第2の部位13b、第3の部位13c)をエア溜め部31の周囲に形成するようにしたので、簡素な構成で、所望の温度分布を得られる。
【0042】
しかも、エア溜め部31が非通気性の素材で袋状に形成されているので、機器内にエアを吹き出す構成に比して、エアの供給量を少なくすることができる。この結果、省エネのほか、騒音低減などの利点も得られる。
【0043】
加えて、温度制御のためのサーミスタは、送風機14の吹き出し口14aまたはエア溜め部31、あるいはこれらの近傍に設けられ、送風機14の吹き出し口14aやエア溜め部31の温度に基づいて制御されるので、適切な温度管理ができ、前述の低温やけど防止効果をより確実なものすることができる。
【0044】
以下、図5〜図8を用いて他の例を説明する。この説明において、前述の構成と同一または同等の部位については、同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0045】
図5は、他の例に係るエア溜め部31の横断面図であり、このエア溜め部31は、空間33厚さの異なる2種類のエア溜め部31d,31eを有するものである。すなわち、前記高温部31aまたは低温部31bに対応する部分に空間33厚さの厚い2個の第1エア溜め部31dを有し、これら第1エア溜め部31dに挟まれる位置とそれらの周囲に、第1エア溜め部31dよりも空間33厚さの薄い第2エア溜め部31eを有する。
【0046】
このように容積が異なる2種類のエア溜め部31d,31eを有する構成では、より細かな温度分布を得ることができる。
【0047】
図6は、他の例に係るエア溜め部31の横断面図であり、このエア溜め部31は、空間33内に、本発明のリブとして、前記リブ32aに代えて、柔軟性を有し高い開口率を有するシート状の立体織物35を装入して構成されたものである。立体織物35が、内部に入ったエアや面に沿って流れるエアを溜めることができるうえに、厚み方向に延びるモノフィラメントによりリブ32aを備えた場合と同様の効果を得られる。しかも、この場合には、立体織物35の全体が均一な密度を有するので、施療子12によるマッサージを受けたときの被施療部に対する当たりがやわらかく、へたりも少なく、快適なマッサージを実現できる。
【0048】
図7は、他の例に係るエア溜め部31の断面図であり、このエア溜め部31は、カバー13の裏面に、内部に空間を有する柔軟なシート状の立体織物35を貼り付けて構成されたものである。送気路形成部材41との接続は、送気路形成部材41のエア出口を、立体織物35の端面に臨ませて、直接または間接的に接続される。
【0049】
立体織物35の端面に供給されたエアは、一部は外に漏れるものの、内部の空間に入り、そこに留まろうとする。このため、前述と同様の作用効果を得られる。なお、立体織物35の端面が、エア溜め部31に導入されたエアを周囲に排出する排出部35aとなる。
【0050】
そして、この場合も、立体織物35が内部に空間を有するので、エアを溜めることができるうえに、リブ32aを備えた場合と同様の効果を得られる。しかも、立体織物35の全体が均一な密度を有するので、施療子12によるマッサージを受けたときの被施療部に対する当たりがやわらかく、へたりも少なく、快適なマッサージを実現できる。
【0051】
図8は、図7のように立体織物35の貼付で形成されたエア溜め部31において、厚さの異なる2種類の立体織物35を用いて、図5に示したエア溜め部31と同様に細かな温度分布を得るようにしたものである。
【0052】
なお、立体織物35の厚さを異ならせるほか、立体織物35を構成するモノフィラメントの比熱を異ならせることによって、同様の作用効果を得ることもできる。例えば施療子12に対応する部分のモノフィラメントよりも、その周囲のモノフィラメントの比熱が高ければ、施療子12に対する部分が温度上昇しても、その上昇よりも温度上昇を抑えることができる。
【0053】
また、立体織物35の厚さと素材の比熱の違いを組み合わせても、同様の作用効果を得られる。
【0054】
このことは、前記エア溜め形成部材32を固定してエア溜め部31を形成する場合でも同様である。エア溜め形成部材32やカバー13の一部に比熱の異なる材料を適用することによって、カバー13の面方向における温度差をつけやすくなる。
【0055】
この発明の構成と、前記一形態の構成との対応において、
この発明の送風手段は、前記送風機14に対応し、
以下同様に、
排出部は、排出口32c、排出部35aに対応し、
リブは、リブ32a、立体織物35に対応するも、
この発明は、前記の構成のみに限定されるものではなく、その他の構成を採用することができる。
【0056】
例えば排出部は、単なる孔ではなく、逆止弁を有するものであってもよい。
また、リブを省略してもよい。
さらにカバーやエア溜め形成部材は通気性を有する材料で形成することもできる。
【0057】
さらにまた、小型マッサージ器11は、図9に示したような椅子型マッサージ機51に、マッサージを行うユニットとして組み込んで使用することもできる。椅子型マッサージ機51のほか、ベッド型など、その他の各種の形態のマッサージ機であってもよい。
【符号の説明】
【0058】
11…小型マッサージ器
12…施療子
13…カバー
14…送風機
14a…吹き出し口
31…エア溜め部
31a…高温部
31b…低温部
32a…リブ
32c…排出口
35…立体織物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施療子と、該施療子を隠蔽する柔軟なカバーを有するとともに、温風または冷風を供給する送風手段と、該送風手段で供給するエアの温度を制御する温度制御手段を内蔵した小型マッサージ器であって、
前記カバーにおける前記施療子に対応する部位に、前記送風手段からのエアが溜まるエア溜め部が形成され、前記カバーに面方向での温度差が設けられる
小型マッサージ器。
【請求項2】
前記温度制御手段の制御が、前記送風手段の吹き出し口または前記エア溜め部の温度に基づいてなされる
請求項1に記載の小型マッサージ器。
【請求項3】
前記エア溜め部が、非通気性の素材で袋状に形成された
請求項1または請求項2に記載の小型マッサージ器。
【請求項4】
前記エア溜め部に導入されたエアを周囲に排出する排出部を有する
請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の小型マッサージ器。
【請求項5】
前記エア溜め部が、厚み方向で圧縮されたとき内部の間隔を保つリブを有する
請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の小型マッサージ器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−45132(P2012−45132A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189073(P2010−189073)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000136491)株式会社フジ医療器 (137)
【Fターム(参考)】