説明

小型入力端末

【課題】現在の携帯型ITの英文入力の主流は、たとえばABCを一個の鍵に割り当て、この鍵を1度押し下げるとAが、2度押し下げるとBが、3度押し下げるとCが入力されるように設定したものである。この方式においては、鍵の押し下げ回数が多いだけではなく、字母によって押し下げ回数が大きく異なる。
【解決手段】3行3列の入力鍵盤において、2個のヴァーチャルな鍵盤を手動で切り換えることにより、表鍵盤9個、裏鍵盤9個、計18個の鍵を設定し、英文において出現度の高い字母を切り替え操作の不要な表鍵盤に置く。さらに英文単語綴りにおける字母の相補性を利用することによって、4個の鍵についてそれぞれ1個の鍵に3個の字母を割り当て、1個の鍵に2個の字母を割り当てることによって、26個のアルファベットを17個の鍵に割り当てることによって、鍵の押し下げ数を減少させるとともに、入力時の神経の疲労を減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は小型入力端末の英文入力方式に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、小型電話端末等の小型機器は、半導体技術の発展によって以前のパーソナルコンピューターに匹敵する極めて高度の機能を持つにいたっている。
【0003】
したがってこれらの小型入力端末においても、一般的なパーソナルコンピューターと同様に、高度の文字、符号の入力機能や編集機能、あるいはインターネットへの接続等にふさわしい操作性が求められている。
【0004】
しかしながら、これらの小型入力端末においては、最大限の小型化が必須の前提的要請となっており、パーソナルコンピューターの鍵ボードの5分の1にも満たない鍵数しか備えられておらず、そのためにこの要求を満たすことはきわめて困難であった。
【0005】
特に小型入力端末における英文入力の主流は、現在、小型電話に一般的な、ABC、DEF、GHI、JKL、MNO、PQRST、UVW、XYZの合計8組のアルファベット字母群をそれぞれ各1個の鍵に置いて、連続押し下げ数の差異によって、各鍵に割り当てられた3個乃至4個のアルファベットの入力を行うという方式を取っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、総じて言えば、従来のテン鍵型よりさらに鍵数を削減した3行3列の9鍵型の小型入力端末を提唱し、この少数の鍵によって、英文入力の特性に対応した形の鍵盤システムを構築することを通じて、より合理的なインターフェイスを提供することにある。
【0007】
9鍵型の小型入力端末における英文入力の困難は、アルファベット26字母という多数の入力対象を、最大限9個の鍵によって処理せざるを得ない点にある。
【課題を解決するための手段】
「英文入力問題の解決」
【0008】
英文入力において英文入力に必要な鍵数を半減するためには、手動によって鍵盤の切替を行うほか無い。
【0009】
そこで、本発明は別に設けた鍵盤切替鍵を手動によって押し下げることによって、英文入力に必要なハード鍵の数を半減する。
【0010】
すなわち、本発明の英文入力においては、小型入力端末に使用する3行3列の9鍵型の英文入力鍵盤において、アルファベット26字母を、二つの鍵盤に振り分けて、その一方の、英文入力に入った最初に出現する鍵盤を、英文入力表鍵盤とし、この鍵盤を用いた入力中に、鍵盤切替鍵を押し下げることによって、もう一方の英文入力裏鍵盤が呼び出されるように設定した小型入力端末を提唱する。
【0011】
さらに、この鍵盤切替鍵を押し下げることによって呼び出された英文入力裏鍵盤による入力がなされたあと、自動的に鍵盤がもとの英文入力表鍵盤にもどるように設定する。
【0012】
このような、方式を取ることによって、本発明は、従来の一つの鍵に3個あるいは4個のアルファベット字母を配置した鍵盤を採用する小型入力端末の入力に際して、鍵の押し下げ数が多く、かつ押し下げ数が鍵によって不均等であるという欠陥を克服し、リズミカルで高速の英文入力を追求するのである。
【0013】
このように、英文入力に入った最初に出現する鍵盤を、英文入力表鍵盤とし、この鍵盤を用いた入力中に、鍵盤切替鍵を押し下げることによって、もう一方の英文入力裏鍵盤が呼び出されるように設定した小型入力端末においては、裏鍵盤におかれた鍵に設定された字母を入力するためには、表鍵盤に置かれた鍵に設定された字母を入力するよりも、常に1回の余計な鍵の押し下げが必要となる。
【0014】
そこで、表鍵盤に使用頻度の高い字母を、裏鍵盤に使用頻度の低い字母を設定することが必要になる。
【0015】
このような英文におけるアルファベット字母の出現頻度を確認するために、ほぼスタンダードな英語と見なしうるものとして、インターネット上のアメリカ合衆国憲法、およびそれに関連する行事の紹介の英文をアトランダムに集成して、そこでのアルファベット字母の出現頻度を検討する。
【0016】
集成の結果得られた英文は、合計44434字母(コンマ、ピリオド等の符号を含む)となったが、コンマ、ピリオド等の符号を除いた各字母の出現数は、a(3400)、b(710)、c(1523)、d(1529)、e(5448)、f(1044)、g(707)、h(2216)、i(3093)、j(164)、k(153)、l(1882)、m(1045)、n(3371)、o(3319)、p(813)、q(38)、r(2737)、s(2913)、t(4049)、u(1125)、v(493)、w(530)、x(193)、y(620)、z(36)、の合計43151字母となった。
【0017】
この場合、各符号の出現数は、,(667)、.(476)、?(5)、!(4)、:(72)、;(59)、の1283個である。
【0018】
以上の結果に基づいて、本発明においては、英文入力の際に最初に入る英文入力表鍵盤に属する鍵にできるだけ英文において出現率の高い字母を載せることにする。
【0019】
しかし、アルファベットは26個あり、一つの鍵をヴァーチャルな二つの鍵に分割して、2倍の入力を受け持たせて、これを鍵盤切替鍵の手動押し下げによって切り替えたとしても、最大限18個の鍵を提供できるだけであり、アルファベット26字母に対応するシステムは作りえない。
【0020】
この困難に対して、本発明は英文単語の綴りにおける字母の相補的配置という状況を利用して、一つのハード鍵に複数の字母の入力を受け持たせてこれらを2個のヴァーチャルな鍵盤に振り分けてそれらを手動によって交代させるという方法を採用することによって、この困難を克服する。
【0021】
すなわち、本発明は上記の英文単語の綴りに見られる相補性を利用して、ckq、hiy、gj、sxz、uvwの14個5組の英文字母を、それぞれひとつの鍵に設定した小型入力端末を提唱するのであるが、この相補性の検証は後述することにして、ここではその結果だけを示すことにする。
【0022】
この発明によって、英文入力に必要な鍵数を、26個から17個に減らすことができる。
【0023】
この17個の鍵を用いた英文入力に当たっては、二つの方式が想定できる。
【0024】
第一は、複数の字母の入力を担った鍵を押し下げると、同時に複数の字母が入力されるという方式であり、この場合にはこうして入力された複数の綴りをあらかじめ登録されている辞書と引き当てて、正しい綴りを自動的に確定するという過程が必要である。
【0025】
第二は、複数の字母の入力を担った鍵を押し下げる場合に、従来の携帯電話で一般的に取られていた方式と同様に、複数の字母を鍵の押し下げ数によって差別化し、入力の時点で単語綴りが確定されるという方式である。
【0026】
第一の方式の場合には、たとえば、ckqの3個の字母の入力を担った鍵を押し下げて、たとえばcomeという単語を入力する場合には、come、kome、qomeの3種類の綴りが同時に入力され、この入力結果を予め登録された辞書と対照することにより、自動的にcomeという綴りが決定されるのである。
【0027】
この方式においては、従来の携帯電話に一般的な方式とは異なり、複数の字母の入力を担った鍵を1回押し下げるだけで、複数の字母が同時に入力されるので、単純に前掲の字母の使用頻度に対応する鍵盤構成が可能である。
【0028】
そこで、この場合には、前掲の合衆国憲法関係文献の合計44384字母(コンマ、ピリオド等の符号を含む)からコンマ、ピリオド等の符号の出現数1283個を差し引いた合計43151個の字母を、この17個の鍵に割り当てた時の字母の出現頻度に基づいて、表鍵盤に、a(3400)、e(5448)、hiy(5929)《h(2216)、i(3093)、y(620)》、n(3371)、o(3319)、r(2737)、sxz(3142)《s(2913)、x(193)、z(36)》、t(4049)、uvw(2148)《u(1125)、v(493)、w(530)》の合計15字母(出現頻度33543)、裏鍵盤に、b(710)、ckq(1714)《c(1523)、k(153)、q(38)》、d(1529)、f(1044)、gj(871)《g(707)、j(164)》、l(1882)、m(1045)、p(813)の合計11字母(出現頻度9608)に二分割して振り分けることができる。
【0029】
図1は、このようにして構成された英文入力表鍵盤と英文入力裏鍵盤を示している。
【0030】
第一の方式をより全面的に考察するために、ここでは、アメリカ合衆国憲法の前文の出だしの部分を取り上げて、実際にこの方式がどの程度の実用性を持つものかを試験的に簡単に検証する。
【0031】
アメリカ合衆国憲法の前文の出だしの部分は、We the people of the United States,in order to form a more perfect Union,establish justice・・・・・・で始まっている。
【0032】
このなかで、1個の鍵に複数の字母が設定されている単語は、We、the、the、United、States、in、perfect、Union、establish、justiceの10個である。
【0033】
Weの場合は、いずれも表鍵盤から、we、ve、ueの3個の綴りが同時に入力され、このなかで英語として成立するweのみが本文として仮入力され、入力者がスペース鍵を打てばそのまま確定するので、一般的な入力の場合と基本的に同一である。
【0034】
theの場合もいずれも表鍵盤から、the、tye(海運の述語でヤードを上げ下げする鎖)、tie(結ぶ)の3個の綴りが同時に英語として成立するが、文脈や使用頻度からtheが本文として仮入力され、tieとtyeが画面のディスプレーに表示され、入力者がスペース鍵を打ってそのまま確定された場合は、一般的な入力の場合と基本的に同一であり、tieが本文の続きとして仮入力された場合は、シフト鍵を押してヴァーチャルな入力画面からこれを選択するので、一般的な入力の場合より1個余分に鍵が押し下げられる。
【0035】
Unitedの場合は、unhted、united、unyted、vnhted、vnited、vnyted、wnhted、wnited、wnyted、の9個の綴りが同時に入力され、このなかで英語として成立するunitedのみが本文として仮入力され、入力者がスペース鍵を打てばそのまま確定するので、一般的な入力の場合と基本的に同一であるが、この綴りのなかで、uniteの各字母はいずれも表鍵盤から入力されるが、dの字母は裏鍵盤から入力されるので、1回余計な鍵の押し下げが必要となる。
【0036】
Statesの場合は、いずれも表鍵盤から、states、xtates、ztates、statex、statez、xtatex、xtatez、ztatex、ztatezの9個の綴りが同時に入力され、このなかで英語として成立するstatesのみが本文として仮入力され、入力者がスペース鍵を打てばそのまま確定するので、一般的な入力の場合と基本的に同一である。
【0037】
inの場合は、いずれも表鍵盤からin、yn、hnの3個の綴りが同時に入力され、このなかで英語として成立するinのみが本文として仮入力され、入力者がスペース鍵を打てばそのまま確定するので、一般的な入力の場合と基本的に同一である。
【0038】
perfectの場合は、perfect、perfekt、perfeqtの3個の綴りが同時に入力され、このなかで英語として成立するperfectのみが本文として仮入力され、入力者がスペース鍵を打てばそのまま確定するので、一般的な入力の場合と基本的に同一であるが、pfの2字母が裏鍵盤から入力されるので、2回余計な鍵の押し下げが必要となる。
【0039】
Unionの場合は、いずれも表鍵盤からunion、ynion、hnion、unyon、unhon、ynyon、ynhon、hnyon、hnhonの9個の綴りが同時に入力され、このなかで英語として成立するunionのみが本文として仮入力され、入力者がスペース鍵を打てばそのまま確定するので、一般的な入力の場合と基本的に同一である。
【0040】
establishの場合は、esで3種類、tabliで3種類、sで3種類、hで3種類の綴りが成立し、これらを掛け合わせた、establisy、establisiから始まって、合計81通りの綴りが入力されるが、lの字母は裏鍵盤から入力されるので、1回余計な鍵の押し下げが必要となる。
【0041】
この81通りの綴りを全て書き出すのは煩瑣を極める。
【0042】
そこで、まずtablの部分を含む単語が幾通り存在するかを、同じ合衆国憲法関係の文献をはじめとする文献によって検索してみる。
【0043】
その結果は、tablの部分を含む単語として存在するのは、table、establish、notable、comfortable、profitable、suitable等の限られた単語であり、さらにtabli、tably、tablhまで広げて検索すると、tablhを含む単語は存在せず、tabliを含む単語はestablishのみ、tablyを含む単語は、notably、comfortably、profitably、suitablyに限られる。
【0044】
これらの、establish以外の単語は、語頭にes、ex、ezのいずれかの綴りを持つという条件に適合せず、また語尾に、sh、sy、si、xh、xy、xi、zh、zy、ziのいずれかの綴りを持つという条件に適合しない。
【0045】
したがって、本発明の方法によって、establishを入力した場合は、81通りの綴りが可能性として存在するが、実際にこのなかで英語として成立するestablishのみが本文として仮入力され、入力者がスペース鍵を打てばそのまま確定するので、lの字母が裏鍵盤から入力される以外は、一般的な入力の場合と基本的に同一である。
【0046】
justiceの場合は、jで2種類、uで3種類、sで3種類、iで3種類、cで3種類の綴りが成立し、これらを掛け合わせた、合計162通りの綴りが入力される。
【0047】
この162通りの綴りを全て書き出すのは一層煩瑣を極める。
【0048】
そこで、このjusticeの綴りを、その入力を受け持つ鍵ごとに、jg−uvw−sxz−t−hiy−ckq−eと分解して、まず最初の、jg−uvw−sxz−tの部分の入力で単語が特定できるか否かを検証する。
【0049】
この、jg−uvw−sxz−tの4個の要素を組み合わせると、2×3×3×1で、18通りの組み合わせが成立する。
【0050】
それらは、just、juxt、juzt、jvst、jvxt、jvzt、、jwst、jwxt、jwzt、gust、guxt、guzt、gvst、gvxt、gvzt、、gwst、gwxt、gwzt、の18種類の綴りである。
【0051】
これらの同時に入力される18種類の綴りのなかで英語として成立するのは、just、juxta(近いという意味の連結形)、gust(好み、味覚),のみである。
【0052】
これらの3個の綴りのなかで、juxtaは、tのあとにaではなくhiyが入力されるので、この段階で消え去り、gustはそのあとにくる3字母としては、aveを要求して、gustave(男子の名)となる以外の綴りはありえないので、これも失格である。
【0053】
こうして、実際にはjusticeが本文として仮入力され、入力者がスペース鍵を打てばそのまま確定するので、jが裏鍵盤に属することによって、1回余分な鍵の押し下げが必要になる以外は、一般的な入力の場合と基本的に同一である。
【0054】
以上の場合では、第一方式によって、合計74字母からなる英文を、最大限6回の鍵の押し下げ数の増加で入力できることになる。
【0055】
以上によって、この9鍵の入力鍵によって、普通のパソコンとあまり変わらない形で英文が入力できることが明らかになった。
【0056】
従って、本発明の第一の方式の基本的要素の一つは、3行3列のテン鍵型の英文入力の場合の入力鍵盤において、ひとつの鍵に設定される複数のアルファベット字母がワンタッチで同時に入力される仕組みを設定する点にある。
【0057】
この、ひとつの鍵に設定される複数のアルファベット字母がワンタッチで同時に入力される仕組みは、単に、3行3列の9鍵型の英文入力の場合の入力鍵盤においてのみ意味を持つわけではなく、一般にこれとは異なった鍵配置を持った鍵盤、あるいはこれより鍵数の多い鍵盤、あるいは少ない鍵盤においても重要な働きを示す。
【0058】
以上のように、本発明の第一方式は小型入力端末の域を超えたパソコンなみの入力性能を実現しているが、この方式を採用した場合には、同時に生じる相当多数の単語綴りを辞書に引き当てて正当な綴りを確定するために、新たに膨大なソフトの製作とその統合の作業が必要となる点にネックがある。
【0059】
これに対して、本発明の第二の方式は、やや入力性能が落ちるが、従来のソフトをそのまま利用できるという利点がある。
【0060】
しかし、本発明の基本は、本発明に言う表鍵盤から鍵盤切替鍵を押し下げて裏鍵盤に入るが、裏鍵盤の鍵を押し下げるや否や自動的に表鍵盤に戻るように設定されている点にある。
【0061】
そこで、本発明の第一方式のように、ckq、gjの鍵を裏鍵盤に置いた場合には、たとえば1回の鍵の押し下げでcを、2回の押し下げでkを、3回の押し下げでqを撰ぶという方式を取ることには困難が生じる。
【0062】
この困難を避けるために、本発明の第二の方式においては、図2に示すように、ckq、gjの鍵を表鍵盤に置き、その代わりにnとrの鍵を裏鍵盤に置くことにする。
【0063】
すなわち、本発明の第一方式の裏鍵盤からckq(1714)《c(1523)、k(153)、k(153)、q(38)》、gj(871)《《g(707)、j(164)》》の2組の鍵を表鍵盤に移し、これに対応して、表鍵盤からn(3371)、r(2737)の2組の鍵を裏鍵盤に移すことにする。
【0064】
差し引きすれば、表鍵盤に属する字母の出現数は、3371+2737=6108の式に従って6108減り、逆に1714+871=2585の式に従って増え、差し引き3523減って合計30020となり、逆に裏鍵盤は、差し引き3523増えて合計13131となる。
【0065】
すなわち、本発明の第一方式の場合に英文入力表鍵盤に属する字母は33543個、英文入力裏鍵盤に属する字母は9608個であって、表鍵盤に属する字母は裏鍵盤に属する字母の約3・5倍であったのに対して、第二方式の場合は、約2・3倍となり、その差だけ鍵盤切替鍵を押し下げる回数が増加する。
【0066】
ここであらためて、本発明の第二方式によって、前掲のアメリカ合衆国憲法の前文の出だしの部分の、We the people of the United States,in order to form a more perfect Union,establish justice(合計74字母)を入力する場合に必要な鍵の押し下げ数を、各字母の後ろに記してみる。
【0067】
W(3)e(1)t(1)h(1)e(1)p(2)e(1)o(1)p(2)l(2)e(1)o(1)f(2)t(1)h(1)e(1)U(1)n(2)i(2)t(1)e(1)d(2)S(1)t(1)a(1)t(1)e(1)s(1),i(2)n(2)o(1)r(2)d(2)e(1)r(2)t(1)o(1)f(2)o(1)r(2)m(2)a(1)m(2)o(1)r(2)e(1)p(2)e(1)r(2)f(2)e(1)c(1)t(1)U(1)n(2)i(2)o(1)n(2),e(1)s(1)t(1)a(1)b(2)l(2)i(2)s(1)h(1)j(2)u(1)s(1)t(1)i(2)c(1)e(1)
【0068】
上記の場合の全体としての鍵の押し下げ数の合計は、104回であり、これはパソコンの場合の74字母で74回の押し下げ数の、約1・4倍になる。
【0069】
さらにこの第二方式の104回の押し下げ数に対して、同じ文章を一般的な携帯電話での入力方式で入力した場合の、押し下げ数は以下のようである。
【0070】
W(1)e(2)t(1)h(2)e(2)p(1)e(2)o(3)p(1)l(3)e(2)o(3)f(3)t(1)h(2)e(2)U(2)n(2)i(3)t(1)e(2)d(1)S(4)t(1)a(1)t(1)e(2)s(4),i(3)n(2)o(3)r(3)d(1)e(2)r(3)t(1)o(3)f(3)o(3)r(3)m(1)a(1)m(1)o(3)r(3)e(2)p(1)e(2)r(3)f(3)e(2)c(3)t(1)U(2)n(2)i(3)o(3)n(2),e(2)s(4)t(1)a(1)b(2)l(3)i(3)s(4)h(2)j(1)u(2)s(4)t(1)i(3)c(3)e(2)
【0071】
上記の場合の全体としての鍵の押し下げ数の合計は、161回であり、これはパソコンの場合の74字母で74回の押し下げ数の、約2・2倍であり、本発明の第二方式の1・5倍になる。
【0072】
以上によって、本発明の第二方式の場合の鍵の押し下げ回数は、ちょうどパソコンと従来の携帯電話の中間、ややパソコンよりにあることが分かる。
【0073】
本発明の第二方式が従来の携帯電話に対して優位に立つ点としては、さらに、本方式の場合には、wを入力する場合に3回の鍵の押し下げを必要とするのを除いて、その他の全ての字母が1回あるいは2回の押し下げで入力できるので、動作の波動が小さく、その分、入力時の神経の疲労が軽減される点が挙げられる。
【0074】
この場合、本発明の第二方式で3回の鍵の押し下げが必要となるのは、qyzwの4字母に限られ、この4字母の前記資料中での出現頻度は、全体で43151回出現する字母のなかで、q38、y620、w530、z36、を合わせた1224回であり、全体の2・8%に過ぎない。
【0075】
本発明で言う単語綴りに見える字母の相補性とは、たとえば、come、kome、qomeの場合に示したように、ある一組の字母の中である字母が含まれる単語に於いて、その字母をその一組のなかの他の字母によって置き換えられない、あるいは例外的にしか置き換えられないという現象を指している。
【0076】
この問題を、全面的に言語学的に論じることは困難であるが、以上の挙例によって、ほぼ実用的意味を持つ度合いでこの現象が存在していることを示しえたと考える。
【0077】
このような現象を、もう少し敷衍して説明すれば、たとえば上記のcome、kome、qomeの場合、ckqの全てを含む字母κ(カッパ)を想定して、これらの綴りが一旦、統一的にκomeと入力され、そのあとで英語の正書法に従って、comeと書き改められるというように考えることができる。
【0078】
一定程度の例外を含みながらも、このような原理が本発明の第一方式、第二方式を通じて作用しているのなら、たとえば、abcという単語綴りにおいて互いに疎遠な要素の組み合わせを選び、その中からさらに個別の字母を選ぶという作業よりは、ckqという単語綴りにおいて互いに近縁の要素の組み合わせを選び、その中からさらに個別の字母を選ぶという作業の方が、入力時の神経の疲労を軽減させるものと想像できる。
【産業上の効果】
【0079】
以上のように、本発明においては、字母の合理的な配置およびディスプレー画面と鍵盤の協働を通じて、従来の小型端末とは次元を異にする、よりパソコンに近づいた操作性と機能性が実現した。
【0080】
そこから予想されることは、第一に、小型端末へのアクセスが著しく容易になり、小型端末のユーザーが一層増加すること、および小型端末の使用面が拡大することである。
【0081】
第二に、従来はパソコンを通じて、従って一定の場所的なあるいは場合によっては一定の時間的な制約のもとで行われていたデータ検索や情報交換が、そうした制約を脱して、ユーザーに密着した形で、かつてのペンや鉛筆、手帳のごと鍵筆記用具のような形で使用される可能性を与える。
【0082】
現代の著しく拡大した国際交流の局面においても、従来の煩瑣な入力方式を持つ小型電話は、英語による交流を担いえず、国際情報、国際交流はもっぱらパソコンによって行わざるを得なった。
【0083】
しかし、本発明によって、小型入力端末を通じた国際情報、国際交流が著しく発展すると予想される。
【0084】
そしてそこでは、小型入力端末が日常的な交流にまで入り込むため、国際的な関係においても、具体的な人間関係における感情的な面にまで踏み込んだ交流が推進されると予想される。
【0085】
以上のように、本発明は従来の産業構造や人間関係の変革にまで及ぶ作用を発揮すると予想される。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】9鍵英文入力鍵盤単語登録型 (a)9鍵英文入力鍵盤単語登録型表鍵盤 (b)9鍵英文入力鍵盤単語登録型裏鍵盤 (c)9鍵英文入力鍵盤単語登録型表裏鍵盤
【図2】9鍵英文入力鍵盤字母選択型 (a)9鍵英文入力鍵盤字母選択型表鍵盤 (b)9鍵英文入力鍵盤字母選択型裏鍵盤 (c)9鍵英文入力鍵盤字母選択型表裏鍵盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
英文を入力する場合において、ckq、hiy、gj、sxz、uvwの5組のアルファベットの入力をそれぞれ1個の鍵に割り当て、その他のアルファベットの入力はそれぞれ1個の鍵に割り当て、合計17個の鍵によって入力する鍵盤をもつ入力端末。
【請求項2】
請求項1において、この17個の鍵を英文入力に入った時点で最初に入力される鍵盤と、そこから鍵盤切替鍵を押し下げることによって入る鍵盤に振り分け、最初に入力される鍵盤に、a、ckq、e、gj、hiy、o、sxz、t、uvwの字母の入力を担う9個の鍵を置き、そこから鍵盤切替鍵を押し下げることによって入る鍵盤に、b、d、f、l、m、n、p、rの8個の字母の入力を担う8個の鍵を置いた鍵盤を持つ入力端末。
【請求項3】
請求項2において、最初の鍵盤から鍵盤切替鍵を押し下げることによって入る鍵盤に、それを押し下げると、その直前に入力された字母あるいは範囲を指定された既に入力済みの字母あるいは字母群を、それが大文字であった場合には小文字に、それが小文字であった場合には大文字に変えるように設定された鍵を置いた入力端末。
【請求項4】
請求項1乃至2において、ckq、hiy、gj、sxz、uvwの5組のアルファベットの入力において、たとえば、ckqの3個の字母を1個の鍵に割り当てた鍵においては、その鍵を1回押し下げるとcが、2回連続して押し下げられるとkが、三回連続して押し下げられるとqが入力されるように設定された入力端末。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−28706(P2011−28706A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189553(P2009−189553)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(500299942)
【Fターム(参考)】