説明

小型膜モジュール

【課題】小型膜モジュールの使用期限を延ばす。
【解決手段】小型膜モジュール1は、中空糸膜Aが長手方向に向けて収容される膜収容部10と、膜収容部10の長手方向の端面に接続され、中空糸膜Aの一次側に通じる第1のノズル20と、膜収容部10の側面に接続され、中空糸膜Aの二次側に通じる第2のノズル21と、第2のノズル21に取り付け自在な伸縮性のキャップ40と、を有している。キャップ40が取り付けられる部分のノズル軸方向の全ての位置において、キャップ40の内側寸法D1と第2のノズル21の外側寸法D2が、0.75≦D1/D2≦0.95の関係を満たしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型膜モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、血液浄化療法、血漿交換療法などの医療分野、水の浄化や水質の調整などの水処理分野、血漿分画製剤やバイオ医薬品などの製造工程におけるウィルス除去などの濾過処理には、内部に分離膜を内蔵した膜モジュールが用いられている。この種の膜モジュールは、例えば中空糸膜が収容された筒状の膜収容部を有し、当該膜収容部の長手方向の端部には、中空糸膜の一次側に通じるノズルが設けられ、膜収容部の側面には、中空糸膜の二次側に通じるノズルが設けられているものがある。
【0003】
そして、処理時には、膜モジュールの所定のノズルと処理用回路を接続し、被処理物である液体を特定のノズルから膜モジュール内に流入させ、中空糸膜を通過させ、他のノズルから流出させている。
【0004】
また、処理に使用される前の膜モジュールは、中空糸膜を無菌のウェット状態に維持する場合がある。このため、膜モジュールは、出荷時に内部に清浄な充填液が充填され、ノズルはキャップなどにより閉鎖されている(特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、膜モジュールでは、ノズルがキャップにより閉鎖されていても、内部の充填液が揮発してノズルとキャップの隙間から徐々に漏れる。このため、膜モジュール内の充填液は、時間が経つと次第に減っていく。かかる事情も下、膜モジュールの使用期限は、充填液が当初の量からフィルター性能を損なわない量に減少する時間を基準に定められている場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−259992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述の膜モジュールには、小型のものがある。例えば膜モジュールの性能を確認するための試用品は、性能試験時に用いられる高価な試験液の使用量を減らすため、通常使用される市販の膜モジュール(通常品)よりもサイズが小さく、分離膜を含まない空間の内容積が100mL以下である。
【0008】
この小型膜モジュールは、内容積が小さく充填液の絶対量が少ないため、少量でも充填液が減ると、内部の中空糸膜が外気に曝されたり乾燥状態となって使用できなくなる。また、ノズルのサイズが小さいため、キャップも簡易なものが用いられている。よって、小型膜モジュールの使用期限は通常の膜モジュールに比べて非常に短く設定されている。
【0009】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、小型膜モジュールの使用期限を延ばすことをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明は、小型膜モジュールであって、分離膜が長手方向に向けて収容される膜収容部と、前記膜収容部の長手方向の端面に接続され、前記分離膜の一次側に通じる第1のノズルと、前記膜収容部の側面に接続され、前記分離膜の二次側に通じる第2のノズルと、前記第1のノズルと前記第2のノズルの少なくとも一つのノズルに取り付け自在な伸縮性のキャップと、を有し、前記キャップが取り付けられる部分のノズル軸方向の全ての位置において、前記キャップの内側寸法D1と前記ノズルの外側寸法D2が、0.75≦D1/D2≦0.95の関係を満たしている。
【0011】
本発明によれば、キャップの内側寸法D1とノズルの外側寸法D2が、0.75≦D1/D2≦0.95の関係を満たし、キャップがノズルの形状に追従しているので、ノズルに対するキャップの気密性が高くなる。したがって、小型膜モジュール内の充填液が揮発して外部に漏れることが抑制され、小型膜モジュールの使用期限を延ばすことができる。
【0012】
前記小型膜モジュールにおいて、前記キャップが取り付けられるノズルの外側面は、前記膜収容部の壁面に接続される円柱面と、当該円柱面に接続され、径方向外側に延びる第1のリング面と、前記第1のリング面に接続され、径が次第に小さくなる傾斜面と、前記傾斜面に接続され、径方向内側に延びる第2のリング面と、を有していてもよい。
【0013】
前記ノズルの円柱面または/及び傾斜面に対応する部分のキャップの外径寸法D3と内径寸法D1とは、1.8≦D3/D1≦4.0の関係を満たしていてもよい。
【0014】
前記キャップの内側面は、前記ノズルの円柱面に対向するキャップ円柱面と、前記第1のリング面に対向するキャップリング面と、前記傾斜面に対向するキャップ傾斜面を有し、前記キャップ円柱面と前記キャップリング面により角部が形成されていてもよい。
【0015】
前記キャップは、前記ノズル内に差し込まれる内栓を有していてもよい。
【0016】
前記内栓の外周面と前記キャップ傾斜面が鋭角に接続されていてもよい。
【0017】
前記内栓の外周面と前記キャップ傾斜面のなす角度は、前記ノズルの傾斜面と前記ノズルの内側面のなす角度よりも小さくてもよい。
【0018】
前記内栓は、先端に近づくにつれて次第に径が小さくなっていてもよい。
【0019】
前記内栓の外周面と先端面との接続部に丸みが形成されていてもよい。
【0020】
前記内栓の外周面には、当該外周面から外側に突出する環状の突条部が形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、膜モジュールの使用期限を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】膜モジュールの構成の概略を示す断面図である。
【図2】第2のノズルの形状を示す断面図である。
【図3】キャップの形状を示す断面図である。
【図4】第2のノズルにキャップを取り付けた状態を示す断面図である。
【図5】内栓の外周面に突条部を形成したキャップの形状を示す断面図である。
【図6】内栓の外周面に突条部を形成したキャップを第2のノズルに取り付けた状態を示す断面図である。
【図7】充填液の残量率の実験結果を示すグラフである。
【図8】実験結果を示す表である。
【図9】従来のキャップ形状を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる膜モジュール1の構成の概略を示す縦断面の説明図である。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
膜モジュール1は、例えば図1に示すように中空糸膜Aを長手方向に向けて収容する円筒状の膜収容部10を有している。中空糸膜Aの両端部は、膜収容部10の内壁にポッティング剤Bによって固定されている。膜収容部10は、例えば筒状部10aの両側の開口を蓋部10bで閉鎖するように構成されている。
【0025】
膜収容部10の長手方向の両端部(蓋部10b)の壁面には、中空糸膜Aの一次側(膜の内側)に通じる第1のノズル20が形成されている。また、膜収容部10の筒状部10aの側壁面には、中空糸膜Aの二次側(膜の外側)に通じる2つの第2のノズル21が形成されている。例えば第2のノズル21は、膜収容部10の両端部の近傍にそれぞれ一つずつ設けられている。
【0026】
第2のノズル21は、膜収容部10の側壁面から突出し厚みのある略円筒状に形成されている。図2に示すように第2のノズル21の外側面は、膜収容部10の側壁面に接続される円柱面30と、円柱面30に接続され、径方向外側に向かって平坦に延びる第1のリング面31と、第1のリング面31に接続され、径が次第に小さくなる傾斜面32と、傾斜面32に接続され、径方向内側に延びる第2のリング面33を有している。第2のノズル21の内側面34は、通液流路を形成し、例えば一定の径を有する円柱面状、もしくは膜収容部10の側壁面に近づくにつれ径が増大していくテーパー状に形成されている。
【0027】
図1に示すように第2のノズル21には、着脱自在なキャップ40が取り付けられている。キャップ40は、例えばゴム製であり、伸縮性を有している。
【0028】
図3に示すようにキャップ40は、底面に挿入穴がある円柱状に形成されている。キャップ40の内側面は、第2のノズル21の円柱面30に対向するキャップ円柱面50と、第1のリング面31に対向するキャップリング面51と、傾斜面32に対向するキャップ傾斜面52を有し、第2のノズル21の外周面の形状に追従している。
【0029】
キャップ円柱面50は、径が一定で、キャップ底面から上方に向かって形成されている。キャップリング面51は、キャップ円柱面50の上端に接続され、径方向外側に向かって平坦に形成されている。キャップ傾斜面52は、キャップリング面51の外周端に接続され、上方に向かって次第に径が小さくなるように形成されている。キャップ円柱面50とキャップリング面51の接続部には、略直角の角部53が形成されている。
【0030】
キャップ40は、当該キャップ40が取り付けられる部分のノズル軸方向の全ての位置において、キャップ40の径方向の内側寸法D1(図3に示す)と第2のノズル21の径方向の外側寸法D2(図2に示す)が、0.75≦D1/D2≦0.95の関係を満たすように形成されている。よって、キャップ40の内側寸法D1は、第2のノズル21の外側寸法D2よりも小さくなっている。
【0031】
また、図3に示すように第2のノズル21の円柱面30及び傾斜面32に対応するキャップ部分、つまりキャップ40のキャップ円柱面50及びキャップ傾斜面52の外径寸法D3と内径寸法D1とは、1.8≦D3/D1≦4.0の関係を満たしている。よって、キャップ40のキャップ円柱面50及びキャップ傾斜面52は、十分な厚みを有している。
【0032】
また、キャップ40は、第2のノズル21内に差し込まれる円柱状の内栓60を有している。内栓60は、キャップ傾斜面52の先端に接続され、キャップ傾斜面52の内側を下方に向けて形成されている。内栓60の外周面61とキャップ傾斜面52は、鋭角に接続されている。この内栓60の外周面61とキャップ傾斜面52のなす角度θ1は、第2のノズル21の傾斜面32と第2のノズル21の内側面34のなす角度θ2(図2に示す)よりも小さくなっている。
【0033】
図3に示すように内栓60は、先端に近づくにつれて次第に径が小さくなっている。内栓60の外周面61と先端面62との接続部には、丸み63が形成されている。
【0034】
図1に示すように第1のノズル20は、例えば膜収容部10の長手方向の端面から外側に突出する略円筒状に形成されている。第1のノズル20には、着脱自在なキャップ80が取り付けられている。第1のノズル20とキャップ80は、例えば第1のノズル20にキャップ80を挿入し回転して接続するクイックツイスト式の接続機構により着脱自在になっている。例えば第1のノズル20には、環状の嵌め込み溝90が形成され、嵌め込み溝90内には、螺旋状のガイド部91が形成されている。キャップ80には、ガイド部91に係合する螺旋状の係合部92が形成されている。第1のノズル20の嵌め込み90内にキャップ80の係合部92を差し込み、キャップ80を1周以下で回転させることで、ガイド部91と係合部92が係合し、キャップ80が第1のノズル20に気密に接続される。
【0035】
以上の膜モジュール1は、例えば試用品の小型膜モジュールである。膜モジュール1は、通常品の膜モジュールとほぼ相似形状を有し、サイズが小さく、分離膜を含まない空間の内容積が100mL以下である。
【0036】
膜モジュール1は、膜収容部10内に充填液が充填され、図4に示すようにキャップ40、80が第2のノズル21と第1のノズル20に取り付けられた状態で出荷される。そして、使用時に、第2のノズル21及び第1のノズル20から所定のキャップ80、90が外され、そのノズルが処理用回路に接続される。
【0037】
本実施の形態によれば、キャップ40の内側寸法D1と第2のノズル21の外側寸法D2が、0.75≦D1/D2≦0.95の関係を満たし、キャップ40が第2のノズル21の形状に追従しているので、第2のノズル21に対するキャップ40の気密性が高くなる。したがって、小型膜モジュール1内の充填液が揮発して外部に漏れることが抑制され、小型膜モジュール1の使用期限を延ばすことができる。なお、D1/D2が0.75未満の場合、キャップ40の嵌め込みに力を要するため、キャップ40の気密性が安定せず、D1/D2が0.95を超える場合、十分な気密性が得られない。
【0038】
キャップ40が取り付けられる第2のノズル21の外側面は、膜収容部10の側面に接続される円柱面30と、円柱面30に接続され、径方向外側に延びる第1のリング面31と、第1のリング面31に接続され、径が次第に小さくなる傾斜面32と、傾斜面32に接続され、径方向内側に延びる第2のリング面33と、を有している。かかる構成の第2のノズル21に対しキャップ40の気密性が著しく向上する。
【0039】
第2のノズル21の円柱面30及び傾斜面32に対応するキャップ部分、つまりキャップ40のキャップ円柱面50及びキャップ傾斜面52の外径寸法D3と内径寸法D1とは、1.8≦D3/D1≦4.0の関係を満たしている。これにより、キャップ40のキャップ円柱面50及びキャップ傾斜面52は、十分な厚みを有している。このため、この部分においてキャップ40が第2のノズル21の外周面に強い力で押しつけられ、キャップ40の気密性がさらに向上する。なお、D3/D1が1.8未満の場合、キャップ40のキャップ円柱面50及びキャップ傾斜面52の厚みが十分でなく、キャップ40の気密性が下がる。また、D3/D1が4.0を超える場合は、厚みに従って気密性が増大することはなく、もはや厚みを増す必要はない。
【0040】
キャップ40の内側面は、第2のノズル21の円柱面30に対向するキャップ円柱面50と、第1のリング面31に対向するキャップリング面51と、傾斜面32に対向するキャップ傾斜面52を有し、キャップ円柱面50とキャップリング面51により角部53が形成されている。これにより、キャップ40と第2のノズル21の間からガスが漏れることが一層抑制される。
【0041】
キャップ40は、第2のノズル21内に差し込まれる内栓60を有しているので、第2のノズル21に対するキャップ40の気密性がさらに向上する。
【0042】
また、内栓60の外周面61とキャップ傾斜面52が鋭角に接続されているので、図4に示すようにその間に挿入される第2のノズル21に対するキャップ40の押圧力が増し、キャップ40の気密性をさらに向上している。
【0043】
さらに、内栓60の外周面61とキャップ傾斜面52のなす角度θ1は、第2のノズル21の傾斜面32と内側面34のなす角度θ2よりも小さいので、キャップ40を第2のノズル21に嵌め込んだ際のキャップ傾斜面52による傾斜面32への圧力が増し、キャップ40の気密性をさらに向上できる。
【0044】
内栓60は、先端に近づくにつれて次第に径が小さくなっているので、内栓60を第2のノズル21に差し込みやすくなり、また内栓60の気密性も向上する。
【0045】
内栓60の外周面61と先端面62との接続部に丸み73が形成されているので、内栓60の差し込みやすさと、内栓60の気密性をさらに向上できる。
【0046】
以上の実施の形態におけるキャップ40において、図5に示すように内栓60の外周面に当該外周面から外側に突出する環状の突条部80が形成されていてもよい。突状部80は、一つ形成されていてもよいし、複数形成されていてもよい。突条部80の高さは、突条部80があるその位置の内栓60の径の1%〜15%が好ましい。かかる場合、図6に示すように内栓60をノズル21に差し込んだ際、内栓60の気密性をさらに向上できる。
【0047】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0048】
例えば以上の実施の形態では、第2のノズル21に、ノズル形状に追従するキャップ40を適用したが、第1のノズル20のキャップに適用してもよいし、第2のノズル21と第1のノズル20の両方のキャップに適用してもよい。第1のノズル20のキャップに適用する場合、第1のノズル20の形状は、第2のノズル21のように形成されていてもよい。また、キャップ40が適用されるノズルは、2つの第2のノズル21の一方だけであってもよいし、第1のノズル20の一方だけであってもよい。さらに、第2及び第1のノズルの形状は、以上の実施の形態のものに限られず、他の形状のものであってもよい。また、キャップ40の形状も、0.75≦D1/D2≦0.95の関係を満たせばよく、ノズルの形状に応じて適宜選択できる。また、キャップ40は、内栓60を備えないものであってもよい。
【0049】
以上の実施の形態の膜モジュール1は、試用品のものであったが、本発明は、分離膜を含まない空間の内容積が100mL以下の他の小型膜モジュールに適用してもよい。
【実施例】
【0050】
図7、図8に本実施の形態におけるキャップ40の気密性に関する実験結果を示す。実験は、膜モジュール1に充填液を充填し、第2のノズル21をキャップ40で密閉した状態で、長期間充填液の残量を計測することで行った。なお、第1のノズル20のキャップには、気密性の高いクイックツイスト式のキャップを用いた。また、比較例として、図9に示すように内周面の内径がほぼ一定の従来のキャップ100を用いて同じ実験を行った。各実験は、複数のサンプルを用いて行った。ここで、キャップ40とキャップ100は、デュロメータを用いた試験(JIS K 6253)で硬さが40のシリコーンゴムを使用し、製造条件が同じものを使用した。
【0051】
図7に示すようにキャップ40は、従来のキャップ100に比べて充填液の減る速度が遅くなる。充填液の残存量が当初の2/3になるまでに要する日数は、キャップ40が平均404日であるのに対し、従来のキャップ100は、平均313日であった。また、複数のサンプルの充填液減少速度の標準偏差は、キャップ40が0.0020gであり、従来のキャップ100が0.0687gであった。よって、キャップ40は、高い気密性を安定的に発揮できる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、小型膜モジュールの使用期限を延ばす際に有用である。
【符号の説明】
【0053】
1 膜モジュール
10 膜収容部
20 第1のノズル
21 第2のノズル
40 キャップ
A 中空糸膜
D1 キャップの内径寸法
D2 第2のノズルの外径寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小型膜モジュールであって、
分離膜が長手方向に向けて収容される膜収容部と、
前記膜収容部の長手方向の端面に接続され、前記分離膜の一次側に通じる第1のノズルと、
前記膜収容部の側面に接続され、前記分離膜の二次側に通じる第2のノズルと、
前記第1のノズルと前記第2のノズルの少なくとも一つのノズルに取り付け自在な伸縮性のキャップと、を有し、
前記キャップが取り付けられる部分のノズル軸方向の全ての位置において、前記キャップの内側寸法D1と前記ノズルの外側寸法D2が、0.75≦D1/D2≦0.95の関係を満たしている、小型膜モジュール。
【請求項2】
前記キャップが取り付けられるノズルの外側面は、前記膜収容部の壁面に接続される円柱面と、当該円柱面に接続され、径方向外側に延びる第1のリング面と、前記第1のリング面に接続され、径が次第に小さくなる傾斜面と、前記傾斜面に接続され、径方向内側に延びる第2のリング面と、を有する、請求項1に記載の小型膜モジュール。
【請求項3】
前記ノズルの円柱面または/及び傾斜面に対応する部分のキャップの外径寸法D3と内径寸法D1とは、1.8≦D3/D1≦4.0の関係を満たしている、請求項2に記載の小型膜モジュール。
【請求項4】
前記キャップの内側面は、前記ノズルの円柱面に対向するキャップ円柱面と、前記第1のリング面に対向するキャップリング面と、前記傾斜面に対向するキャップ傾斜面を有し、
前記キャップ円柱面と前記キャップリング面により角部が形成されている、請求項2又は3に記載の小型膜モジュール。
【請求項5】
前記キャップは、前記ノズル内に差し込まれる内栓を有する、請求項4に記載の小型膜モジュール。
【請求項6】
前記内栓の外周面と前記キャップ傾斜面が鋭角に接続されている、請求項5に記載の小型膜モジュール。
【請求項7】
前記内栓の外周面と前記キャップ傾斜面のなす角度は、前記ノズルの傾斜面と前記ノズルの内側面のなす角度よりも小さい、請求項6に記載の小型膜モジュール。
【請求項8】
前記内栓は、先端に近づくにつれて次第に径が小さくなっている、請求項5〜7のいずれかに記載の小型膜モジュール。
【請求項9】
前記内栓の外周面と先端面との接続部に丸みが形成されている、請求項5〜8のいずれかに記載の小型膜モジュール。
【請求項10】
前記内栓の外周面に、当該外周面から外側に突出する環状の突条部が形成されている、請求項5〜9のいずれかに記載の小型膜モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−17990(P2013−17990A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2012−43371(P2012−43371)
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(507365204)旭化成メディカル株式会社 (65)
【Fターム(参考)】