小型車両の車体構造
【課題】 簡易な構造にして雨水を合理的に案内処理することができる小型車両の車体構造を提供する。
【解決手段】 骨材31をモール材32で覆ってフロントピラー21を構成し、モール材32に断面略コ字形の溝部32aを形成して両フロントピラーの溝部によりフロントウインドウパネル25をその両側部で把持して設け、更に、ルーフパネル9の両側部に前後方向へ延びる樋部9aを設け、フロントピラーモール材の溝部32aとは反対の側にルーフパネル樋部9aからの雨水を下部へ案内する樋部32dを設けた。これにより、フロントウインドウパネル25を簡易な構造で取り付けることができるとともに、ルーフに溜まった雨水を着座部から外れた位置に存するフロントピラー樋部32dによって車体下方へ案内処理する。
【解決手段】 骨材31をモール材32で覆ってフロントピラー21を構成し、モール材32に断面略コ字形の溝部32aを形成して両フロントピラーの溝部によりフロントウインドウパネル25をその両側部で把持して設け、更に、ルーフパネル9の両側部に前後方向へ延びる樋部9aを設け、フロントピラーモール材の溝部32aとは反対の側にルーフパネル樋部9aからの雨水を下部へ案内する樋部32dを設けた。これにより、フロントウインドウパネル25を簡易な構造で取り付けることができるとともに、ルーフに溜まった雨水を着座部から外れた位置に存するフロントピラー樋部32dによって車体下方へ案内処理する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1人或いは2人程度が乗車する小型車両に関し、特に、ルーフからの雨水を合理的に案内処理することができる簡易な車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、排気ガスの低減や消費エネルギーの低減などの観点から、1人或いは2人程度が乗車して移動することができる小型車両が開発され、実用にも供されている。このような小型車両は、例えば小排気量のエンジンや電動モータ(更には、エンジンと電動モータとの併用)を動力源として備えており、少人数が低燃費にして低排出ガス量で手軽に移動することができる手段として利用される。
【0003】このような小型車両としては、例えば特開平9−286348号号公報に記載される小型車両が知られている。この小型車両は、アルミニュームなどの金属製パイプ材で構成した枠型の車体フレームに、上下半割りの樹脂製ボディーカバーを被せた車体構造であり、上側のボディカバーがルーフを構成し、下側のボディーカバーが乗員着座部を構成して、これらボディーカバーにより乗員が着座するキャビンを構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種の小型車両の車体構造では、軽量であることに加え、構造を簡単化して部品点数や組み立て工数の削減により低コスト化することが要求される。更に、例えば降雨中にあっても乗員が快適に移動できるように、簡単な車体構造の小型車両にあっても、乗員着座部を覆うルーフに溜まった雨水を乗員にかからぬように処理することが要求される。
【0005】本発明は、上記従来の事情に鑑みなされたもので、簡易な構造にして雨水を合理的に案内処理することができる小型車両の車体構造を提供することを目的とする。なお、本発明の更なる目的は、以下の説明において明らかなところである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る小型車両は、乗員着座部の前方両側に立設されたフロントピラーと、乗員着座部の後方に立設されたリアピラーとにより、乗員着座部の上方にルーフパネルを支持した車体構造を有しており、長尺な骨材をモール材で覆ってフロントピラーを構成し、モール材の互いに対向する側に断面略コ字形の溝部を形成して両フロントピラーの溝部によりフロントウインドウパネルをその両側部で把持して設け、更に、ルーフパネルの両側部に前後方向へ延びる樋部を設け、フロントピラーモール材の溝部とは反対の側にフロントピラーに沿って延びてルーフパネル樋部からの雨水を下部へ案内する樋部を設けた車体構造である。これにより、フロントウインドウパネルを簡易な構造で取り付けることができるとともに、ルーフに溜まった雨水を着座部から外れた位置に存するフロントピラー樋部によって車体下方へ案内処理することができる。
【0007】また、本発明に係る小型車両の車体構造では、両フロントピラーの上部と下部とにそれぞれクロスメンバを両フロントピラー間に架渡して設け、これらクロスメンバに押えパネルを取り付けることによりフロントウインドウパネルの上部と下部とをラバー部材を介して挟持した。これにより、フロントウインドウパネルをより簡易な構造で取り付けることができる。
【0008】また、本発明に係る小型車両の車体構造では、乗員着座部を構成するボディーカバーに対して、車体前部を構成するフロントボディカバーを別部品として構成し、乗員着座部ボディーカバーの縁部をフロントボディカバーの縁部より若干張り出して形成し、乗員着座部ボディーカバーとフロントボディカバーとの取り付け合せ部でフロントピラー樋部からの雨水を下部へ案内する樋部を構成した。これにより、車体ボディーを簡易な構造で構成することができるとともに、ルーフに溜まった雨水をフロントピラー樋部を介して車体側部から下方へ案内処理することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を、図に示す一実施形態を用いて具体的に説明する。図1〜図5に示すように、本例の小型車両は前輪1と後輪2とにそれぞれ2つ車輪を備えた四輪車であり、中央部に1人の乗員が着座するシート3が備えられている。この小型車両の基本的な車体構造は、アルミニュームなどの金属製パイプ材で構成した枠型の車体フレーム4に、図6に示すように前部を構成するフロントボディーカバー5、中央部を構成するセンターボディーカバー6、後部を構成するリアボディーカバー7の3分割された樹脂製ボディーカバー8を被せたものであり、更に、センターボディーカバー7の上方に樹脂製のルーフパネル9を配して乗員の着座シート3上方を覆ってキャビンを構成している。
【0010】ここで、図2に示すように、車体フレーム4から前方へ張り出してアルミニュームなどの金属製フロントビーム11が設けられており、これら3本のフロントビーム11がフロントボディーカバー5の内側に設けられることにより正面からの加重を支持吸収するようになっている。また、車体フレーム4の前部にはピボット13を中心として一対のフロントアーム12が揺動自在に取り付けられており、それぞれのフロントアーム12の先端部で前輪1を回転自在に支持し、図外の操舵機構を介してステアリングホイール14からの操舵力が加えられることにより、前輪1が向きを変えて車両の走行方向が任意に変更できるようになっている。
【0011】また、車体フレーム4の後部には一対のピボット15を中心として枠型のスイングフレーム16が揺動自在に取り付けられており、このスイングフレーム16上にエンジン、変速機、ディファレンシャル機構などを一体化したパワーユニット17が設けられている。そして、このパワーユニット17のディファレンシャル機構から張り出された一対のアクスルシャフト18の先端にそれぞれ後輪2が取り付けられており、パワーユニット17からの動力により後輪2を駆動するようになっている。なお、図2において19はパワーユニット17のエンジンから引き出された排気管及びマフラーである。また、スイングフレーム16と車体フレーム4との間には図示していない懸架機構が設けられている。
【0012】次に、上記小型車両の車体構造を更に詳しく説明する。ルーフパネル9は一対のフロントピラー21と一対のリアピラー22とによって取り付け支持されている。フロントピラー21はその下端が車体フレーム4に支持されて立設され、フロントボディカバー5とセンターボディカバー6との接合部から若干後方へ傾けて上方へ延びている。また、リアピラー22はその下端が車体フレーム4に支持されて立設され、センターボディカバー6とリアボディーカバー7との接合部から略垂直に上方へ延びている。
【0013】これらフロントピラー21と一対のリアピラー22は、アルミニュームなどの金属製長尺パイプ材を骨材として表面を樹脂やラバーでモールディんグ被覆した構成であり、ルーフパネル9を支えるに十分な剛性及び強度を有している。なお、本例では、シート3の側部に立設されるリアピラー22を左右で連結したU字形として、シート3に着座した乗員の側部及び上部を囲むロールバーを構成している。
【0014】図7及び図8に詳示するように、ルーフパネル9は樹脂成形によって形成された全体的に湾曲した形状であり、その両側部にはそれぞれ前後方向へ延びる溝状の樋部9aが形成され、その後端部には樋部9aに連続する溝状の樋部9bが形成され、これら3方の縁部に設けられた樋部9a、9bによりルーフパネル9上に溜まった雨水を受け止めて排水し、着座部に垂れ落ちないようになっている。なお、ルーフパネル9を後方へも湾曲した形状とした本例では、樋部9bの底部に貫通孔9cを穿設して、ルーフパネル9の後部に溜まった雨水をリアピラー22の後方へ排水するようにしている。
【0015】キャビンの前方両側に立設されたフロントピラー21はルーフパネル9を取り付け支持するとともに、これらフロントピラー21間で透明な樹脂やガラスからなるフロントウインドウパネル25をその両側部から把持取り付けている。図9に詳示するように、フロントピラー21は金属製パイプから成る骨材31を樹脂製のモール材32により被覆した構造であり、両フロントピラーモール材32の互いに対向する側には断面略コ字形の溝部32aがピラーの長手方向に延びて形成されて、フロントウインドウパネル25の両側部をそれぞれの溝部32aに嵌合把持することにより、フロントウインドウパネル25をその両側部でフロントピラー21に取り付けている。
【0016】フロントピラーモール材32は、図10に詳示するように、骨材31の外径と略等しい内径を有して筒形であり、長手方向に割面を有してフロントウインドウパネル25を把持する側で筒を開くことができるようになっている。そして、モール材32の割面部には溝部32aを構成する一対の突片32bが形成されているとともに、各突片32bの基部には若干の弾性を有して互いに嵌合可能な鉤部32cが形成されており、モール材32を割面で開いて骨材31に被せ、突片32b間にフロントウインドウパネル25の縁部を挟んで鉤部32c同士を嵌合させることにより、フロントピラー骨材31をモール材32で被覆するとともにフロントピラー21にフロントウインドウパネル25を取り付けることができる。
【0017】更に、フロントピラーモール材32の割面とは反対側にはフロントピラー21に沿って延びる車両前方へ開いた樋部32dが形成されており、左右の樋部32dはその上端でルーフパネル25の前端部で左右の樋部9aに連通している。これにより、樋部9aに受け止められたルーフパネル25上の雨水がフロントピラー21に沿った樋部32d内を案内されて下部へ排水されることとなり、ルーフの側部やフロントウインドウの側部から雨水がキャビン内へ垂れ込まないようになっている。したがって、このような構造とすることにより、フロントピラー21へのモール材32とフロントウインドウパネル25との取り付け、更には、フロントウインドウ側部の雨樋の形成を、極めて少ない部品点数で且つ簡単な組み立て作業で一挙に行うことができる。
【0018】フロントウインドウパネル25の上端部と下端部とは、左右のフロントピラー21間に架渡して取り付けられた上部クロスメンバ35と下部クロスメンバ36とに取り付けられている。すなわち、図11に詳示するように、上部クロスメンバ35はフロントピラー骨材31の上端部に溶接して取り付けられて、ルーフパネル9の先端部に略連続して設けられており、また、下部クロスメンバ36はフロントピラー骨材31の下端部に溶接して取り付けられて、フロントボディーカバー5の後端部に略連続して設けられている。そして、これら上部クロスメンバ35と下部クロスメンバ36は断面段形に形成されて十分な強度及び剛性を有しており、これら段部に断面コ字形のラバー部材37、38を装着したフロントウインドウパネル25の上端部と下端部とを収め、その上からクロスメンバと略同じ長さの押さえパネル39、40をネジ止めなどにより取り付けて、フロントウインドウパネル25の上端部と下端部とをラバー部材37、38によって防水した状態でフロントピラー21間に固定している。
【0019】ボディーカバー8は図6に詳示したように、フロントボディーカバー5と、センターボディーカバー6と、リアボディーカバー7との3分割構造であり、これら樹脂製部品5、6、7はそれぞれ所要の形状に成形されている。すなわち、フロントボディーカバー5は、丸みを帯びたフロントフード部5aの前部にはフロントバンパー部5bを膨出し、両側部には前輪1を覆うフロントフェンダー部5cを膨出した形状であり、更にフロントフード部5aにはフロントライトユニットを収めるための孔5dが形成されている。
【0020】センターボディーカバー6は、シート3が設けられるシートベース部6aが形成されたキャビンフロアー部6bの前部にダッシュパネル部6cを形成した形状であり、リアボディーカバー7は、丸みを帯びたリアフード部7aの後部にリアバンパー部7bを膨出し、両側部に後輪2を覆うリアフェンダー部7cを膨出した形状である。なお、リアバンパー部7bの上部には、それぞれテールライトユニット45を収める一対の孔(図示せず)が形成されている。なお、キャビンの前部に設けられるインナーカバー50はボディーカバー部品5、6、7とは別備品で構成されており、このインナーカバー50には速度計などのメータ類を収めるメータカバー部51、ステアリングコラムを通すコラムカバー部52、メータカバー部51の周囲に物入れを構成する物入れ枠部53が一体成形されている。
【0021】フロントボディーカバー5の後端とセンターボディーカバー6の前端とがネジ止めなどで接合され、センターボディーカバー6の後端とリアボディーカバー7の前端とがネジ止めなどで接合されて一体のボディーカバー8が構成され、インナーカバー50はダッシュパネル部6cの上部に取り付けられる。また、フロントボディーカバー5とセンターボディーカバー6との接合部からフロントピラー21が上方へ延び、センターボディーカバー6とリアボディーカバー7との接合部からリアピラー22が上方へ延びる。
【0022】ここで、図12に詳示するように、ダッシュパネル部6cの車幅方向への張出し量は、フロントフェンダー部5cの後端縁の車幅方向への張出し量より若干大きくなっており、フロントボディーカバー5とセンターボディーカバー6とを接合させることにより、この接合部にフロントピラー樋部32dに連続した車体の下方向へ延びる樋部60が形成されて、ルーフからフロントピラー樋部32dを介して案内されてきた雨水を樋部60を通して排水している。
【0023】すなわち、ダッシュパネル部6cの側縁部には、樋用の突片6dが車体の下方向へ連続して設けられ、この樋用突片6dの若干内側に接合用の突片6eが設けられており、フロントフェンダー部5cの後端縁を樋用突片6dと接合用突片6eとの間に差し入れて、フロントフェンダー部5cを接合用突片6eに接合することにより、樋用突片6dとフロントフェンダー部5cとの間の残余の空間に溝状の樋部60が形成されている。したがって、このような構造とすることにより、フロントボディーカバー5とセンターボディーカバー6との取り付け、更には、ボディーカバー部の雨樋の形成を、極めて少ない部品点数で且つ簡単な組み立て作業で一挙に行うことができる。
【0024】なお、上記の説明では内燃機関エンジンで駆動する1人乗りの四輪車を例にとって説明したが、本発明では、例えば、駆動源を電動モータや内燃機関エンジンと電動モータとを併用した形式のものとしたり、複数の乗員が乗車できるようにしたり、三輪車形式としたり、更には、懸架形式を他のものにしたりと言ったように、種々な変更を加えることができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、小型車両においてフロントピラーのモール材にフロントウインドウパネルを把持する溝部と、ルーフからの雨水を下部へ案内する樋部とを形成したため、フロントウインドウパネルを簡易な構造で取り付けることができるとともに、ルーフに溜まった雨水を着座部から外れた位置で車体下方へ案内処理することができる。更に、本発明によると、フロントピラーの上部と下部とにそれぞれ架設したクロスメンバに押えパネルを取り付けることによりフロントウインドウパネルの上部と下部とをラバー部材を介して挟持するようにしたため、フロントウインドウパネルをより簡易な構造で強固に取り付けることができる。更に、本発明によると、センターボディーカバーとフロントボディカバーとの取り付け合せ部でフロントピラー樋部からの雨水を下部へ案内する樋部を構成したため、車体ボディーを簡易な構造で構成することができるとともに、ルーフに溜まった雨水をフロントピラー樋部を介して車体側部から下方へ案内処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る小型車両の平面図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る小型車両の底面図である。
【図3】 本発明の一実施形態に係る小型車両の左側面図である。
【図4】 本発明の一実施形態に係る小型車両の正面側から見た斜視図である。
【図5】 本発明の一実施形態に係る小型車両の背面側から見た斜視図である。
【図6】 本発明の一実施形態に係るボディーカバーの分解斜視図である。
【図7】 本発明の一実施形態に係るルーフパネルの一部を省略した左側面図である。
【図8】 本発明の一実施形態に係るルーフパネルの一部を背面側から見て示す図である。
【図9】 図4中のIX―IX矢視断面でフロントピラーを示す図である。
【図10】 本発明の一実施形態に係るフロントピラーの構成を示す断面図である。
【図11】 フロントウインドウパネルの取り付け構造を示す透視断面図である。
【図12】 図4中のXII―XII矢視断面でフロントボディカバーとセンターボディーカバーとの接合部を示す断面図である。
【符号の説明】
3:シート、 5:フロントボディーカバー、6:センターボディーカバー、 7:リアボディーカバー、9:ルーフパネル、 9a:ルーフ樋部、21:フロントピラー、 22:リアピラー、25:フロントウインドウパネル、 31:フロントピラー骨材、32:フロントピラーモール材、 32a:モール材溝部、32d:モール材樋部、 35、36:クロスメンバ、37、38:ラバー材、 39、40:押えパネル、60:ボディーカバー樋部、
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1人或いは2人程度が乗車する小型車両に関し、特に、ルーフからの雨水を合理的に案内処理することができる簡易な車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、排気ガスの低減や消費エネルギーの低減などの観点から、1人或いは2人程度が乗車して移動することができる小型車両が開発され、実用にも供されている。このような小型車両は、例えば小排気量のエンジンや電動モータ(更には、エンジンと電動モータとの併用)を動力源として備えており、少人数が低燃費にして低排出ガス量で手軽に移動することができる手段として利用される。
【0003】このような小型車両としては、例えば特開平9−286348号号公報に記載される小型車両が知られている。この小型車両は、アルミニュームなどの金属製パイプ材で構成した枠型の車体フレームに、上下半割りの樹脂製ボディーカバーを被せた車体構造であり、上側のボディカバーがルーフを構成し、下側のボディーカバーが乗員着座部を構成して、これらボディーカバーにより乗員が着座するキャビンを構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種の小型車両の車体構造では、軽量であることに加え、構造を簡単化して部品点数や組み立て工数の削減により低コスト化することが要求される。更に、例えば降雨中にあっても乗員が快適に移動できるように、簡単な車体構造の小型車両にあっても、乗員着座部を覆うルーフに溜まった雨水を乗員にかからぬように処理することが要求される。
【0005】本発明は、上記従来の事情に鑑みなされたもので、簡易な構造にして雨水を合理的に案内処理することができる小型車両の車体構造を提供することを目的とする。なお、本発明の更なる目的は、以下の説明において明らかなところである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る小型車両は、乗員着座部の前方両側に立設されたフロントピラーと、乗員着座部の後方に立設されたリアピラーとにより、乗員着座部の上方にルーフパネルを支持した車体構造を有しており、長尺な骨材をモール材で覆ってフロントピラーを構成し、モール材の互いに対向する側に断面略コ字形の溝部を形成して両フロントピラーの溝部によりフロントウインドウパネルをその両側部で把持して設け、更に、ルーフパネルの両側部に前後方向へ延びる樋部を設け、フロントピラーモール材の溝部とは反対の側にフロントピラーに沿って延びてルーフパネル樋部からの雨水を下部へ案内する樋部を設けた車体構造である。これにより、フロントウインドウパネルを簡易な構造で取り付けることができるとともに、ルーフに溜まった雨水を着座部から外れた位置に存するフロントピラー樋部によって車体下方へ案内処理することができる。
【0007】また、本発明に係る小型車両の車体構造では、両フロントピラーの上部と下部とにそれぞれクロスメンバを両フロントピラー間に架渡して設け、これらクロスメンバに押えパネルを取り付けることによりフロントウインドウパネルの上部と下部とをラバー部材を介して挟持した。これにより、フロントウインドウパネルをより簡易な構造で取り付けることができる。
【0008】また、本発明に係る小型車両の車体構造では、乗員着座部を構成するボディーカバーに対して、車体前部を構成するフロントボディカバーを別部品として構成し、乗員着座部ボディーカバーの縁部をフロントボディカバーの縁部より若干張り出して形成し、乗員着座部ボディーカバーとフロントボディカバーとの取り付け合せ部でフロントピラー樋部からの雨水を下部へ案内する樋部を構成した。これにより、車体ボディーを簡易な構造で構成することができるとともに、ルーフに溜まった雨水をフロントピラー樋部を介して車体側部から下方へ案内処理することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を、図に示す一実施形態を用いて具体的に説明する。図1〜図5に示すように、本例の小型車両は前輪1と後輪2とにそれぞれ2つ車輪を備えた四輪車であり、中央部に1人の乗員が着座するシート3が備えられている。この小型車両の基本的な車体構造は、アルミニュームなどの金属製パイプ材で構成した枠型の車体フレーム4に、図6に示すように前部を構成するフロントボディーカバー5、中央部を構成するセンターボディーカバー6、後部を構成するリアボディーカバー7の3分割された樹脂製ボディーカバー8を被せたものであり、更に、センターボディーカバー7の上方に樹脂製のルーフパネル9を配して乗員の着座シート3上方を覆ってキャビンを構成している。
【0010】ここで、図2に示すように、車体フレーム4から前方へ張り出してアルミニュームなどの金属製フロントビーム11が設けられており、これら3本のフロントビーム11がフロントボディーカバー5の内側に設けられることにより正面からの加重を支持吸収するようになっている。また、車体フレーム4の前部にはピボット13を中心として一対のフロントアーム12が揺動自在に取り付けられており、それぞれのフロントアーム12の先端部で前輪1を回転自在に支持し、図外の操舵機構を介してステアリングホイール14からの操舵力が加えられることにより、前輪1が向きを変えて車両の走行方向が任意に変更できるようになっている。
【0011】また、車体フレーム4の後部には一対のピボット15を中心として枠型のスイングフレーム16が揺動自在に取り付けられており、このスイングフレーム16上にエンジン、変速機、ディファレンシャル機構などを一体化したパワーユニット17が設けられている。そして、このパワーユニット17のディファレンシャル機構から張り出された一対のアクスルシャフト18の先端にそれぞれ後輪2が取り付けられており、パワーユニット17からの動力により後輪2を駆動するようになっている。なお、図2において19はパワーユニット17のエンジンから引き出された排気管及びマフラーである。また、スイングフレーム16と車体フレーム4との間には図示していない懸架機構が設けられている。
【0012】次に、上記小型車両の車体構造を更に詳しく説明する。ルーフパネル9は一対のフロントピラー21と一対のリアピラー22とによって取り付け支持されている。フロントピラー21はその下端が車体フレーム4に支持されて立設され、フロントボディカバー5とセンターボディカバー6との接合部から若干後方へ傾けて上方へ延びている。また、リアピラー22はその下端が車体フレーム4に支持されて立設され、センターボディカバー6とリアボディーカバー7との接合部から略垂直に上方へ延びている。
【0013】これらフロントピラー21と一対のリアピラー22は、アルミニュームなどの金属製長尺パイプ材を骨材として表面を樹脂やラバーでモールディんグ被覆した構成であり、ルーフパネル9を支えるに十分な剛性及び強度を有している。なお、本例では、シート3の側部に立設されるリアピラー22を左右で連結したU字形として、シート3に着座した乗員の側部及び上部を囲むロールバーを構成している。
【0014】図7及び図8に詳示するように、ルーフパネル9は樹脂成形によって形成された全体的に湾曲した形状であり、その両側部にはそれぞれ前後方向へ延びる溝状の樋部9aが形成され、その後端部には樋部9aに連続する溝状の樋部9bが形成され、これら3方の縁部に設けられた樋部9a、9bによりルーフパネル9上に溜まった雨水を受け止めて排水し、着座部に垂れ落ちないようになっている。なお、ルーフパネル9を後方へも湾曲した形状とした本例では、樋部9bの底部に貫通孔9cを穿設して、ルーフパネル9の後部に溜まった雨水をリアピラー22の後方へ排水するようにしている。
【0015】キャビンの前方両側に立設されたフロントピラー21はルーフパネル9を取り付け支持するとともに、これらフロントピラー21間で透明な樹脂やガラスからなるフロントウインドウパネル25をその両側部から把持取り付けている。図9に詳示するように、フロントピラー21は金属製パイプから成る骨材31を樹脂製のモール材32により被覆した構造であり、両フロントピラーモール材32の互いに対向する側には断面略コ字形の溝部32aがピラーの長手方向に延びて形成されて、フロントウインドウパネル25の両側部をそれぞれの溝部32aに嵌合把持することにより、フロントウインドウパネル25をその両側部でフロントピラー21に取り付けている。
【0016】フロントピラーモール材32は、図10に詳示するように、骨材31の外径と略等しい内径を有して筒形であり、長手方向に割面を有してフロントウインドウパネル25を把持する側で筒を開くことができるようになっている。そして、モール材32の割面部には溝部32aを構成する一対の突片32bが形成されているとともに、各突片32bの基部には若干の弾性を有して互いに嵌合可能な鉤部32cが形成されており、モール材32を割面で開いて骨材31に被せ、突片32b間にフロントウインドウパネル25の縁部を挟んで鉤部32c同士を嵌合させることにより、フロントピラー骨材31をモール材32で被覆するとともにフロントピラー21にフロントウインドウパネル25を取り付けることができる。
【0017】更に、フロントピラーモール材32の割面とは反対側にはフロントピラー21に沿って延びる車両前方へ開いた樋部32dが形成されており、左右の樋部32dはその上端でルーフパネル25の前端部で左右の樋部9aに連通している。これにより、樋部9aに受け止められたルーフパネル25上の雨水がフロントピラー21に沿った樋部32d内を案内されて下部へ排水されることとなり、ルーフの側部やフロントウインドウの側部から雨水がキャビン内へ垂れ込まないようになっている。したがって、このような構造とすることにより、フロントピラー21へのモール材32とフロントウインドウパネル25との取り付け、更には、フロントウインドウ側部の雨樋の形成を、極めて少ない部品点数で且つ簡単な組み立て作業で一挙に行うことができる。
【0018】フロントウインドウパネル25の上端部と下端部とは、左右のフロントピラー21間に架渡して取り付けられた上部クロスメンバ35と下部クロスメンバ36とに取り付けられている。すなわち、図11に詳示するように、上部クロスメンバ35はフロントピラー骨材31の上端部に溶接して取り付けられて、ルーフパネル9の先端部に略連続して設けられており、また、下部クロスメンバ36はフロントピラー骨材31の下端部に溶接して取り付けられて、フロントボディーカバー5の後端部に略連続して設けられている。そして、これら上部クロスメンバ35と下部クロスメンバ36は断面段形に形成されて十分な強度及び剛性を有しており、これら段部に断面コ字形のラバー部材37、38を装着したフロントウインドウパネル25の上端部と下端部とを収め、その上からクロスメンバと略同じ長さの押さえパネル39、40をネジ止めなどにより取り付けて、フロントウインドウパネル25の上端部と下端部とをラバー部材37、38によって防水した状態でフロントピラー21間に固定している。
【0019】ボディーカバー8は図6に詳示したように、フロントボディーカバー5と、センターボディーカバー6と、リアボディーカバー7との3分割構造であり、これら樹脂製部品5、6、7はそれぞれ所要の形状に成形されている。すなわち、フロントボディーカバー5は、丸みを帯びたフロントフード部5aの前部にはフロントバンパー部5bを膨出し、両側部には前輪1を覆うフロントフェンダー部5cを膨出した形状であり、更にフロントフード部5aにはフロントライトユニットを収めるための孔5dが形成されている。
【0020】センターボディーカバー6は、シート3が設けられるシートベース部6aが形成されたキャビンフロアー部6bの前部にダッシュパネル部6cを形成した形状であり、リアボディーカバー7は、丸みを帯びたリアフード部7aの後部にリアバンパー部7bを膨出し、両側部に後輪2を覆うリアフェンダー部7cを膨出した形状である。なお、リアバンパー部7bの上部には、それぞれテールライトユニット45を収める一対の孔(図示せず)が形成されている。なお、キャビンの前部に設けられるインナーカバー50はボディーカバー部品5、6、7とは別備品で構成されており、このインナーカバー50には速度計などのメータ類を収めるメータカバー部51、ステアリングコラムを通すコラムカバー部52、メータカバー部51の周囲に物入れを構成する物入れ枠部53が一体成形されている。
【0021】フロントボディーカバー5の後端とセンターボディーカバー6の前端とがネジ止めなどで接合され、センターボディーカバー6の後端とリアボディーカバー7の前端とがネジ止めなどで接合されて一体のボディーカバー8が構成され、インナーカバー50はダッシュパネル部6cの上部に取り付けられる。また、フロントボディーカバー5とセンターボディーカバー6との接合部からフロントピラー21が上方へ延び、センターボディーカバー6とリアボディーカバー7との接合部からリアピラー22が上方へ延びる。
【0022】ここで、図12に詳示するように、ダッシュパネル部6cの車幅方向への張出し量は、フロントフェンダー部5cの後端縁の車幅方向への張出し量より若干大きくなっており、フロントボディーカバー5とセンターボディーカバー6とを接合させることにより、この接合部にフロントピラー樋部32dに連続した車体の下方向へ延びる樋部60が形成されて、ルーフからフロントピラー樋部32dを介して案内されてきた雨水を樋部60を通して排水している。
【0023】すなわち、ダッシュパネル部6cの側縁部には、樋用の突片6dが車体の下方向へ連続して設けられ、この樋用突片6dの若干内側に接合用の突片6eが設けられており、フロントフェンダー部5cの後端縁を樋用突片6dと接合用突片6eとの間に差し入れて、フロントフェンダー部5cを接合用突片6eに接合することにより、樋用突片6dとフロントフェンダー部5cとの間の残余の空間に溝状の樋部60が形成されている。したがって、このような構造とすることにより、フロントボディーカバー5とセンターボディーカバー6との取り付け、更には、ボディーカバー部の雨樋の形成を、極めて少ない部品点数で且つ簡単な組み立て作業で一挙に行うことができる。
【0024】なお、上記の説明では内燃機関エンジンで駆動する1人乗りの四輪車を例にとって説明したが、本発明では、例えば、駆動源を電動モータや内燃機関エンジンと電動モータとを併用した形式のものとしたり、複数の乗員が乗車できるようにしたり、三輪車形式としたり、更には、懸架形式を他のものにしたりと言ったように、種々な変更を加えることができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、小型車両においてフロントピラーのモール材にフロントウインドウパネルを把持する溝部と、ルーフからの雨水を下部へ案内する樋部とを形成したため、フロントウインドウパネルを簡易な構造で取り付けることができるとともに、ルーフに溜まった雨水を着座部から外れた位置で車体下方へ案内処理することができる。更に、本発明によると、フロントピラーの上部と下部とにそれぞれ架設したクロスメンバに押えパネルを取り付けることによりフロントウインドウパネルの上部と下部とをラバー部材を介して挟持するようにしたため、フロントウインドウパネルをより簡易な構造で強固に取り付けることができる。更に、本発明によると、センターボディーカバーとフロントボディカバーとの取り付け合せ部でフロントピラー樋部からの雨水を下部へ案内する樋部を構成したため、車体ボディーを簡易な構造で構成することができるとともに、ルーフに溜まった雨水をフロントピラー樋部を介して車体側部から下方へ案内処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る小型車両の平面図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る小型車両の底面図である。
【図3】 本発明の一実施形態に係る小型車両の左側面図である。
【図4】 本発明の一実施形態に係る小型車両の正面側から見た斜視図である。
【図5】 本発明の一実施形態に係る小型車両の背面側から見た斜視図である。
【図6】 本発明の一実施形態に係るボディーカバーの分解斜視図である。
【図7】 本発明の一実施形態に係るルーフパネルの一部を省略した左側面図である。
【図8】 本発明の一実施形態に係るルーフパネルの一部を背面側から見て示す図である。
【図9】 図4中のIX―IX矢視断面でフロントピラーを示す図である。
【図10】 本発明の一実施形態に係るフロントピラーの構成を示す断面図である。
【図11】 フロントウインドウパネルの取り付け構造を示す透視断面図である。
【図12】 図4中のXII―XII矢視断面でフロントボディカバーとセンターボディーカバーとの接合部を示す断面図である。
【符号の説明】
3:シート、 5:フロントボディーカバー、6:センターボディーカバー、 7:リアボディーカバー、9:ルーフパネル、 9a:ルーフ樋部、21:フロントピラー、 22:リアピラー、25:フロントウインドウパネル、 31:フロントピラー骨材、32:フロントピラーモール材、 32a:モール材溝部、32d:モール材樋部、 35、36:クロスメンバ、37、38:ラバー材、 39、40:押えパネル、60:ボディーカバー樋部、
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乗員着座部の前方両側に立設されたフロントピラーと、乗員着座部の後方に立設されたリアピラーとにより、乗員着座部の上方にルーフパネルを支持して設けた小型車両の車体構造において、長尺な骨材をモール材で覆ってフロントピラーを構成し、モール材の互いに対向する側には断面略コ字形の溝部を形成して両フロントピラーの溝部によりフロントウインドウパネルをその両側部で把持して設け、更に、ルーフパネルの両側部には前後方向へ延びる樋部を設け、フロントピラーモール材の溝部とは反対の側にはフロントピラーに沿って延びてルーフパネル樋部からの雨水を下部へ案内する樋部を設けたことを特徴とする小型車両の車体構造。
【請求項2】 請求項1に記載の小型車両の車体構造において、両フロントピラーの上部と下部とにそれぞれクロスメンバを両フロントピラー間に架渡して設け、これらクロスメンバに押えパネルを取り付けることによりフロントウインドウパネルの上部と下部とをラバー部材を介して挟持したことを特徴とする小型車両の車体構造。
【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の小型車両の車体構造において、乗員着座部を構成するボディーカバーに対して、車体前部を構成するフロントボディカバーを別部品として構成し、乗員着座部ボディーカバーの縁部をフロントボディカバーの縁部より若干張り出して形成し、乗員着座部ボディーカバーとフロントボディカバーとの取り付け合せ部でフロントピラー樋部からの雨水を下部へ案内する樋部を構成したことを特徴とする小型車両の車体構造。
【請求項1】 乗員着座部の前方両側に立設されたフロントピラーと、乗員着座部の後方に立設されたリアピラーとにより、乗員着座部の上方にルーフパネルを支持して設けた小型車両の車体構造において、長尺な骨材をモール材で覆ってフロントピラーを構成し、モール材の互いに対向する側には断面略コ字形の溝部を形成して両フロントピラーの溝部によりフロントウインドウパネルをその両側部で把持して設け、更に、ルーフパネルの両側部には前後方向へ延びる樋部を設け、フロントピラーモール材の溝部とは反対の側にはフロントピラーに沿って延びてルーフパネル樋部からの雨水を下部へ案内する樋部を設けたことを特徴とする小型車両の車体構造。
【請求項2】 請求項1に記載の小型車両の車体構造において、両フロントピラーの上部と下部とにそれぞれクロスメンバを両フロントピラー間に架渡して設け、これらクロスメンバに押えパネルを取り付けることによりフロントウインドウパネルの上部と下部とをラバー部材を介して挟持したことを特徴とする小型車両の車体構造。
【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の小型車両の車体構造において、乗員着座部を構成するボディーカバーに対して、車体前部を構成するフロントボディカバーを別部品として構成し、乗員着座部ボディーカバーの縁部をフロントボディカバーの縁部より若干張り出して形成し、乗員着座部ボディーカバーとフロントボディカバーとの取り付け合せ部でフロントピラー樋部からの雨水を下部へ案内する樋部を構成したことを特徴とする小型車両の車体構造。
【図1】
【図2】
【図7】
【図9】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図12】
【図10】
【図11】
【図2】
【図7】
【図9】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図12】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2001−191951(P2001−191951A)
【公開日】平成13年7月17日(2001.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−5332(P2000−5332)
【出願日】平成12年1月14日(2000.1.14)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成13年7月17日(2001.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成12年1月14日(2000.1.14)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]