説明

小屋裏部屋構造体及びその施工方法

【課題】小屋裏部屋の内面の段差等を無くすことにより小屋裏部屋の外観品質(仕上げ品質)を向上させることができる小屋裏部屋構造体及び施工時間を短縮することができる小屋裏部屋構造体の施工方法を得る。
【解決手段】小屋裏部屋構造体22の水平天井32と斜め天井30との間の隙間46並びに斜め天井30と垂直壁28との間の隙間52に、先端部がテーパ形状に形成された長尺状の勾配調整木材を介装し、釘で固定した。勾配調整木材の先端部のテーパ角度は隙間46、52の角度に一致している。従って、石膏ボード36、40、44の内側面に段差等が生じなく、小屋裏空間24の外観品質(仕上げ品質)を向上させることができる。また、従来のビス固定から釘固定に変更できる等の理由から施工時間を短縮することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物本体部と屋根部との間のスペースに設置される小屋裏部屋構造体及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、住宅ニーズの多様化を背景として、住宅の小屋裏空間を有効活用することが行われている。
【0003】
ここで、下記特許文献1には、小屋裏空間を有効活用する際に有効な仕上げに関する技術が開示されている。簡単に説明すると、図25に示されるように、この先行技術では、垂直に配置された壁150に対して山形となるように斜めに配置された左右一対の下地用ボード152、154を含んで構成された勾配天井156に対し、硬質プラスチック製の複数種類の天井下地ジョイナ158、160を配設し、その上で化粧シート162が貼着されて仕上げがなされている。
【0004】
より具体的には、壁150と下地用ボード152とが交差する部分では、垂直に配置され釘で壁150に固定される取付部158Aと、この取付部158Aの中間部から斜め方向へ延出されると共に釘で野縁164に固定される略コ字状断面の挟持部158Bと、によって構成された天井下地ジョイナ158が使用される。取付部158Aと挟持部158Bとの接続部位には略V字状の切り込み166が形成されており、壁150と下地用ボード152との交差角に適合するようになっている。
【0005】
また、下地用ボード152、154同士が交差する部分では、略V字状に形成され釘で野縁168に固定される取付部160Aと、この取付部160Aの下端部から互いに離反する方向へ延出されと共に釘で野縁168に固定される略コ字状断面の挟持部160Bと、によって構成された天井下地ジョイナ160が使用される。取付部160Aの下端部にはV字状の切り込み170が形成されており、隣接する下地用ボード152、154の交差角に適合するようになっている。
【特許文献1】実開平5−35923号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記先行技術による場合、天井下地ジョイナ158、160を用いて下地用ボード152、154を壁150、野縁164、168に固定した後、室内側から化粧シート162を貼着する構成であるため、小屋裏空間172の外観品質(仕上げ品質)が低下するという問題がある。
【0007】
すなわち、天井下地ジョイナ158、160を用いて下地用ボード152、154を壁150や野縁164、168に固定して支えるためには、天井下地ジョイナ158、160にある程度の強度が必要となるが、そのためには天井下地ジョイナ158、160の板厚を厚くする必要がある。従って、下地用ボード152、154と天井下地ジョイナ158、160の挟持部158B、160Bの下部との間、並びに壁150と天井下地ジョイナ160の取付部160Aの下部との間に段差174、176がそれぞれ生じる。その結果、化粧シート162を貼着しても、段差174、176が形成された部位が目に付くので、小屋裏空間172の外観品質(仕上げ品質)が低下するという問題がある。
【0008】
本発明は上記事実を考慮し、小屋裏部屋の内面の段差等を無くすことにより小屋裏部屋の外観品質(仕上げ品質)を向上させることができる小屋裏部屋構造体及び施工時間を短縮することができる小屋裏部屋構造体の施工方法を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の本発明に係る小屋裏部屋構造体は、少なくとも床面に対して垂直に配置された垂直壁及びこの垂直壁に対して斜めに配置された斜め天井を含んで構成された小屋裏部屋構造体であって、前記垂直壁と前記斜め天井との接合端面間の隙間に、両端面の交差角に一致するテーパ形状部を有する勾配調整部材を介装させ、当該勾配調整部材を垂直壁と斜め天井とに釘にて固定した、ことを特徴としている。
【0010】
請求項2記載の本発明に係る小屋裏部屋構造体は、建物本体部と屋根部との間のスペースに設置され、少なくとも床面に対して水平に配置された水平天井及びこの水平天井に対して斜めに配置された斜め天井を含んで構成された小屋裏部屋構造体であって、前記水平天井と前記斜め天井との接合端面間の隙間に、両端面の交差角に一致するテーパ形状部を有する勾配調整部材を介装させ、当該勾配調整部材を水平天井と斜め天井に釘にて固定した、ことを特徴としている。
【0011】
請求項3記載の本発明に係る小屋裏部屋構造体は、請求項2記載の発明において、前記水平天井の端部には前記勾配調整部材が予め固定されており、前記斜め天井における水平天井側の端部には組付時に当該勾配調整部材に係止されて斜め天井を組付位置に保持するための係止部材が設けられている、ことを特徴としている。
【0012】
請求項4記載の本発明に係る小屋裏部屋構造体の施工方法は、少なくとも床面に対して垂直に配置された垂直壁と床面に対して平行に配置された水平天井と垂直壁の上端部と水平天井の端部との間に斜めに掛け渡される斜め天井とを含んで構成された小屋裏部屋構造体を、建物本体部と屋根部との間のスペースに設置する際に適用される小屋裏部屋構造体の施工方法であって、水平天井の端部に斜め天井の上端部との間の隙間を埋める第1の勾配調整部材を予め固定し、斜め天井の下端部に垂直壁の上端部との間の隙間を埋める第2の勾配調整部材を予め固定すると共に、当該斜め天井の上端部に組付時に前記第1の勾配調整部材に係止される係止部材を予め設定しておき、床面に垂直壁を立設させると共に水平天井を所定の組付位置に保持した後に、係止部材を第1の勾配調整部材に係止させつつ第2の勾配調整部材を垂直壁の上端部にセットすることで斜め天井を垂直壁の上端部と水平天井の端部との間に組付け、その後に各部の本固定を行う、ことを特徴としている。
【0013】
請求項1記載の本発明によれば、建物本体部と屋根部とのスペースには、少なくとも床面に対して垂直に配置された垂直壁及びこの垂直壁に対して斜めに配置された斜め天井を含んで構成された小屋裏部屋構造体が設置される。
【0014】
ここで、本発明では、垂直壁と斜め天井との接合端面間の隙間に両端面の交差角に一致するテーパ形状部を有する勾配調整部材が介装され、当該勾配調整材は釘で垂直壁及び斜め天井に固定される。このため、勾配調整部材は垂直壁及び斜め天井から小屋裏部屋内へ露出しない。従って、従来技術のように小屋裏部屋の内面に段差等が生じることもない。その結果、仕上げ材等を使った仕上げ面がフラットな面で良好に仕上がる。
【0015】
請求項2記載の本発明によれば、建物本体部と屋根部とのスペースには、少なくとも床面に対して水平に配置された水平天井及びこの水平天井に対して斜めに配置された斜め天井を含んで構成された小屋裏部屋構造体が設置される。
【0016】
ここで、本発明では、水平天井と斜め天井との接合端面間の隙間に、両端面の交差角に一致するテーパ形状部を有する勾配調整部材を介装させ、当該勾配調整部材は水平天井及び斜め天井に釘にて固定される。このため、勾配調整部材は水平天井及び斜め天井から小屋裏部屋内へ露出しない。従って、従来技術のように小屋裏部屋の内面に段差等が生じることもない。その結果、仕上げ材等を使った仕上げ面がフラットな面で良好に仕上がる。
【0017】
請求項3記載の本発明によれば、水平天井の端部には勾配調整部材が予め固定されており、斜め天井における水平天井側の端部には係止部材が設けられているので、斜め天井を組付ける際には、水平天井に固定された勾配調整部材に係止部材を係止させることにより、斜め天井を所定の組付位置に保持することが可能となる。
【0018】
ここで、斜め天井は床面に対して斜めに配置されるため、一般には組付位置(セット位置)に保持するのに手間がかかる。しかし、本発明のように係止部材で勾配調整部材に係止させるようにすれば、斜め天井の取付作業の作業効率が格段に向上する。
【0019】
請求項4記載の本発明によれば、まず、下準備として、水平天井の端部に、斜め天井の上端部との間の隙間を埋める第1の勾配調整部材を予め固定しておく。また、斜め天井の下端部に、垂直壁の上端部との間の隙間を埋める第2の勾配調整部材を予め固定しておく。さらに、斜め天井の上端部に、組付時に第1の勾配調整部材に係止される係止部材を予め設定しておく。
【0020】
そして、建物本体部と屋根部との間のスペースの床面に垂直壁を立設させると共に、床面に対して水平に水平天井を所定の組付位置に保持する。その後、係止部材を第1の勾配調整部材に係止させつつ第2の勾配調整部材を垂直壁の上端部にセットすることにより、斜め天井が垂直壁の上端部と水平天井の端部との間に位置決めされた状態で組付けられる。その後、各部の本固定が行われることにより、小屋裏部屋構造体が形成される。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、請求項1記載の小屋裏部屋構造体は、建物本体部と屋根部との間のスペースに設置され、少なくとも床面に対して垂直に配置された垂直壁及びこの垂直壁に対して斜めに配置された斜め天井を含んで構成された小屋裏部屋構造体において、垂直壁と斜め天井との接合端面間の隙間に、両端面の交差角に一致するテーパ形状部を有する勾配調整部材を介装させ、当該勾配調整部材を垂直壁と斜め天井とに釘にて固定したので、勾配調整部材が垂直壁及び斜め天井から小屋裏部屋内へ露出することがなく、その結果、小屋裏部屋の外観品質(仕上げ品質)を向上させることができるという優れた効果を有する。
【0022】
請求項2記載の小屋裏部屋構造体は、建物本体部と屋根部との間のスペースに設置され、少なくとも床面に対して水平に配置された水平天井及びこの水平天井に対して斜めに配置された斜め天井を含んで構成された小屋裏部屋構造体において、水平天井と斜め天井との接合端面間の隙間に、両端面の交差角に一致するテーパ形状部を有する勾配調整部材を介装させ、当該勾配調整部材を水平天井と斜め天井に釘にて固定したので、勾配調整部材が斜め天井及び水平天井から小屋裏部屋内へ露出することがなく、その結果、小屋裏部屋の外観品質(仕上げ品質)を向上させることができるという優れた効果を有する。
【0023】
請求項3記載の本発明に係る小屋裏部屋構造体は、請求項2記載の発明において、水平天井の端部に勾配調整部材を予め固定しておき、斜め天井における水平天井側の端部に組付時に当該勾配調整部材に係止されて斜め天井を組付位置に保持するための係止部材を設けたので、建物本体部と屋根部との間のスペースで行われる小屋裏部屋構造体の施工作業の全体の施工(作業)時間を大幅に短縮することができると共に作業者の作業労力を軽減することができるという優れた効果を有する。
【0024】
請求項4記載の本発明に係る小屋裏部屋構造体の施工方法は、少なくとも床面に対して垂直に配置された垂直壁と床面に対して平行に配置された水平天井と垂直壁の上端部と水平天井の端部との間に斜めに掛け渡される斜め天井とを含んで構成された小屋裏部屋構造体を、建物本体部と屋根部との間のスペースに設置する際に適用される小屋裏部屋構造体の施工方法において、水平天井の端部に斜め天井の上端部との間の隙間を埋める第1の勾配調整部材を予め固定し、斜め天井の下端部に垂直壁の上端部との間の隙間を埋める第2の勾配調整部材を予め固定すると共に、当該斜め天井の上端部に組付時に前記第1の勾配調整部材に係止される係止部材を予め設定しておき、床面に垂直壁を立設させると共に水平天井を所定の組付位置に保持した後に、係止部材を第1の勾配調整部材に係止させつつ第2の勾配調整部材を垂直壁の上端部にセットすることで斜め天井を垂直壁の上端部と水平天井の端部との間に組付け、その後に各部の本固定を行う方法としたので、施工時間を短縮することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図1〜図24を用いて、本発明に係る小屋裏部屋構造体の一実施形態について説明する。
【0026】
まず、図1〜図5を用いて本実施形態に係る小屋裏部屋構造体がどのようなものかを概念的に説明する。
【0027】
(小屋裏部屋構造体の全体構成の説明)
図2(A)には、ユニット住宅10の概略構成図が示されている。この図に示されるように、ユニット住宅10は、基礎12上に据え付けられた建物本体部としての複数の一階ユニット14と、一階ユニット14上に据え付けられた建物本体部としての複数の二階ユニット16と、二階ユニット16上に設置された(切妻型の)屋根部18と、によってその外郭が構成されている。
【0028】
二階ユニット16と屋根部18との間には、図2(A)図示状態で略二等辺三角形状のスペース20が設けられている。本実施形態では、このスペース20の中央に、ユニット形状とは異なる異形の左右対称形状とされた小屋裏部屋構造体22が設置されている。これにより、図2(B)に示されるように、小屋裏部屋構造体22の内部に小屋裏空間24が形成されている。
【0029】
ここで、上記小屋裏部屋構造体22の構成要素について概念的な名称を付けることにする。この図において、床面26に対して左右平行に垂直に立設されているのが垂直壁28であり、小屋裏部屋構造体22の壁面を構成する部分である。また、等脚台形の斜辺の位置に配置されているのが斜め天井30であり、小屋裏部屋構造体22の屋根の一部を構成する部分である。さらに、等脚台形の上底の位置に配置されているのが水平天井32であり、小屋裏部屋構造体22の屋根の他の一部(残り)を構成する部分である。なお、垂直壁28は、壁下地34に石膏ボード36が内張りされて構成されている。同様に、斜め天井30は、斜め天井下地38に石膏ボード40が内張りされて構成されている。さらに、水平天井32は、水平天井下地42に石膏ボード44が内張りされて構成されている。
【0030】
図3(B)には、図2(B)のA線矢視部の接合構造(A部納まり)が拡大して示されている。この図に示されるように、斜め天井30の上端部30Aと水平天井32の幅方向の端部32Aとは内側の端縁が線接触するように突き合わされており、このため両者の端面間には断面形状が三角形状の隙間46が形成されている。そして、この隙間46に断面形状が三角形状(テーパ形状、楔形状)とされた勾配調整部材としての長尺状の勾配調整木材48が介装され、釘50で斜め天井30の上端部30A及び水平天井32の幅方向の端部32Aにそれぞれ固定されている。勾配調整木材48の頂角θ1は、斜め天井30の上端部30Aの端面と水平天井32の幅方向の端部32Aの端面とが交差する角度に一致するように予め設定されている。従って、勾配調整木材48の一方の側面48Aは斜め天井30の上端部30Aの端面に密着されており、又他方の側面48Bは水平天井32の幅方向の端部32Aの端面に密着されている。
【0031】
また、図4(B)には、図2(B)のB線矢視部の接合構造(B部納まり)が拡大して示されている。この図に示されるように、斜め天井30の下端部30Bと垂直壁28の上端部28Aとは内側の端縁が線接触するように突き合わされており、このため両者の端面間には断面形状が三角形状の隙間52が形成されている。そして、この隙間52に断面形状が台形状(テーパ形状、楔形状)とされた勾配調整部材としての長尺状の勾配調整木材54が介装され、釘50で斜め天井30の下端部30B及び垂直壁28の上端部28Aにそれぞれ固定されている。勾配調整木材48の頂角θ2は、斜め天井30の下端部30Bの端面と垂直壁28の上端部28Aの端面とが交差する角度に一致するように予め設定されている。従って、勾配調整木材54の一方の側面54Aは斜め天井30の下端部30Bの端面に密着されており、又他方の側面54Bは垂直壁28の上端部28Aの端面に密着されている。
【0032】
図1には、上述した接合構造を使って組み立てた木造の小屋裏部屋構造体22の分解斜視図が示されている。
【0033】
この図に示されるように、小屋裏部屋構造体22は、矩形枠状に構成されて頂部に配置される水平天井58の他、各々矩形枠状に構成されて外周部に配置される複数の妻側間仕切り60及び複数の桁側間仕切り62を備えている。なお、これらの妻側間仕切り60及び桁側間仕切り62が上述した垂直壁28に相当する部材である。
【0034】
妻側間仕切り60の上端部と水平天井58の小梁との間には、矩形枠状に構成された一又は二以上の妻側傾斜天井64と三角枠状に構成された左右一対の寄棟妻側傾斜天井66が斜めに配置されている。同様に、桁側間仕切り62の上端部と水平天井58の大梁との間には、各々矩形枠状に構成された一又は二以上の桁側傾斜天井68と三角枠状に構成された左右一方(又は左右一対)の寄棟桁側傾斜天井70が斜めに配置されている。これらの妻側傾斜天井64、寄棟妻側傾斜天井66、桁側傾斜天井68、及び寄棟桁側傾斜天井70が上述した斜め天井30に相当する部材である。
【0035】
上述した水平天井58の妻側の小梁と妻側傾斜天井64の上端部との突合せ部の隙間(図1では分解しているので符号は省略する)には、水平天井58の妻側の小梁のスパン長よりも若干長い勾配調整木材72が介装され、図示しない釘にて双方の梁材に固定されている。なお、勾配調整木材72の内側の端部は、頂角が双方の梁材の突合せ端面同士が交差する角度に一致するように面取りされている。
【0036】
以下同様にして、水平天井58の桁側の大梁と桁側傾斜天井68の梁材との突合せ部の隙間に勾配調整木材74が介装及び固定され、妻側間仕切り60の上端部と妻側傾斜天井64及び寄棟妻側傾斜天井66の下端部との突合せ部の隙間に勾配調整木材76が介装及び固定され、桁側間仕切り62の上端部と桁側傾斜天井68及び寄棟桁側傾斜天井70の下端部との突合せ部の隙間に勾配調整木材78が介装及び固定され、寄棟妻側傾斜天井66の斜材と寄棟桁側傾斜天井70の斜材との突合せ部の隙間に勾配調整木材80が介装及び固定されている。
【0037】
なお、上記勾配調整木材72、74、76、78、80の断面形状は、三角形状、四角形状、五角形状等、納まりとの関係で最適な多角形状を選択すればよい。つまり、使用する勾配調整木材72、74、76、78、80の内側の端部が、その接合相手となる部材の端面同士の成す角度(交差角)に合致するテーパ形状部を有する形状に形成されていればよい(後述する施工方法参照)。
【0038】
図5には、上記の如くして構成された小屋裏部屋構造体22の納まりイメージが、小屋裏空間24内側に視点をおいた状態で示されている。この図に示されるように、各部材に石膏ボード36、40、44が内張りされた状態では、表面に段差等は生じなく、フラットな面の集合体として小屋裏空間24が構成されている。
【0039】
(小屋裏部屋構造体の施工方法の説明)
次に、図6〜図24を用いて、一事例に係る小屋裏部屋構造体の施工方法について手順を追って説明する。なお、以下においては、小屋裏部屋構造体の施工方法として説明するが、捉え方によっては、小屋裏部屋構造体の製造方法として把握することもできる。
【0040】
図6には、切妻と寄棟とを組み合わせた寄せ切りタイプの小屋裏部屋構造体22の主な作業工程の流れが示されている。
【0041】
この図に示されるように、第1作業工程では、小屋裏部屋構造体22のアッセンブリの製作作業が行われる。この作業は二階ユニット16を作業場として行われる。つまり、夏季等に小屋裏部屋構造体22を施工する場合、小屋裏空間24はかなり高温多湿になるため、作業者保護の観点から、施工作業はできるだけ二階ユニット16を利用して行うようにし、小屋裏部屋構造体22の最終的な組立作業のみを小屋裏空間24で行うことにより、小屋裏空間24での作業時間を短縮し、作業者への負担を極力軽減させようというものである。
【0042】
かかる観点から、まず、二階ユニット16を作業場として、予め小屋裏部屋構造体22のアッセンブリが製作される。つまり、二階ユニット16内で、図1に示されるような水平天井58、妻側間仕切り60、桁側間仕切り62、妻側傾斜天井64、寄棟妻側傾斜天井66、桁側傾斜天井68、寄棟桁側傾斜天井70、勾配調整木材72、74、76、78、80、石膏ボードといったすべての部材が寸法も含めて各要素ごとにアッセンブリ化される。
【0043】
例えば、図7に示されるように、桁側間仕切り62であれば片面につき3個、左右合わせて合計6個予め用意しておく。また、勾配調整木材78も桁側間仕切り62を3個連結したときの長さでカットしておく。図示はしていないが、石膏ボード36も同様に裁断しておく。
【0044】
また、図8に示されるように、勾配調整木材も、AタイプからDタイプまで寸法ごとに4種類の台形断面のものを予め用意しておき、裁断だけすればすぐに使えるようにしておく。
【0045】
勾配調整木材の使い分けは、例えば、図1に示されるような水平天井58を有する寄せ切りタイプの小屋裏部屋構造体22の場合、図9に示されるように、桁側傾斜天井68の上端部と水平天井58の幅方向の端部との接合部ではBタイプの勾配調整木材74が使用され、桁側傾斜天井68の下端部と桁側間仕切り62の上端部との接合部ではAタイプの勾配調整木材78が使用される。また、図10に示されるように、寄棟妻側傾斜天井66と寄棟桁側傾斜天井70との接合部では、Dタイプの勾配調整木材80が使用される。
【0046】
さらに、例えば、図11に示されるように、水平天井58が無い場合には、隣合う桁側傾斜天井68の上端部同士の接合部では、Cタイプの勾配調整木材81が使用される。
【0047】
なお、上記第1作業工程においては、必要な部材や組み立て方等が一目で解るようにアッセンブリ図引当表が使用される。
【0048】
第2作業工程では、第1作業工程で製作したアッセンブリが二階ユニット16から小屋裏空間24へ荷揚げされると共に、アッセンブリ同士が相互に連結される。この荷揚げ作業は、小屋裏空間24の床面26に形成された作業口を使って行われる。
【0049】
また、アッセンブリ同士の連結というのは、水平天井58を例にすると、図12(A)に示される水平天井下地58Aに石膏ボード58Bを釘及び接着剤で接合して、図12(B)に示されるような水平天井58を構成し、更に図12(C)及び図13に示されるように、水平天井下地58Aの三辺にBタイプの勾配調整木材72、74を釘やステープル82でそれぞれ固定して、アッセンブリを組み上げることである。
【0050】
一方、傾斜天井を例にすると、妻側では、図14(A)に示されるように、妻側傾斜天井64と左右一対の寄棟妻側傾斜天井66とを相互に連結した後、図14(B)に示されるように、Aタイプの勾配調整木材76を組付け、更に妻側傾斜天井64の上端部に一対の端材84を取り付ける。
【0051】
また、桁側では、図15(A)に示されるように、3個の桁側傾斜天井68と1個の寄棟桁側傾斜天井70とを相互に連結して一枚物のパネルとした後、図15(B)に示されるように、Aタイプの勾配調整木材78を組付け、更に一対の端材84を取り付ける。勾配調整木材78は、図16に示されるように、台座86を利用して桁側傾斜天井68を下向きに(即ち、室内側の面が下側となるように)水平に置いて、勾配調整木材78が桁側傾斜天井68に対して上下にずれて所定長さ桁側傾斜天井68よりも下方へ突出するようにして、ステープル82で取り付けられる。
【0052】
第3作業工程では、墨打ちが行われる。
【0053】
第4作業工程では、間仕切りの取付作業が行われる。具体的には、図17に示されるように、第3作業工程で墨打ちされた桁下地面墨88に沿って桁側間仕切り62が取り付けられる。同様に、妻下地面墨90に沿って妻側間仕切り60が取り付けられる。なお、本図では、見やすくするために3個の桁側間仕切り62を仮想線(二点鎖線)で描くに当たって若干離して描いているが、実際には相互に連結されている。以下の図18等においても適宜同様の描き方をしている。
【0054】
第5作業工程では、水平天井の取付作業が行われる。具体的には、図18に示されるように、フローリングの端材等を利用して作られた十字形状の水平天井支え治具92を寄棟側にセットして、切妻側の妻側間仕切り60の上端部と水平天井支え治具92の上端部とに掛け渡すようにして水平天井58を載せる。なお、図18及び次に使用する図19では、水平天井支え治具92を見やすくするために短めに描いている。
【0055】
第6作業工程では、傾斜天井の取付作業が行われる。具体的には、図19に示されるように、アッセンブリ化された妻側傾斜天井64及び寄棟妻側傾斜天井66並びにアッセンブリ化された桁側傾斜天井68及び寄棟桁側傾斜天井70が、水平天井58と妻側間仕切り60、桁側間仕切り62との間にそれぞれ載置される。
【0056】
このとき、図20に示されるように、桁側傾斜天井68の上端部に取り付けられた一対の端材84を、既に水平天井58に固定されている勾配調整木材74の頂面に載せる(係止させる)ようにして、アッセンブリ化された桁側傾斜天井68及び寄棟桁側傾斜天井70が水平天井58と桁側間仕切り62との間にセットされる。セットされた状態では、桁側傾斜天井68の上端部が水平天井58の勾配調整木材74の下側の側面に密着状態で当接し、かつ桁側傾斜天井68及び寄棟桁側傾斜天井70の下端部に取り付けられた勾配調整木材78の下側のテーパ面が桁側間仕切り62の上端部に密着状態で当接される。つまり、端材84を勾配調整木材74へのフック及び位置決め手段として用いることにより、桁側傾斜天井68及び寄棟桁側傾斜天井70を簡単かつ迅速に所定の組付位置にセットすることができる。
【0057】
第7作業工程では、各アッセンブリが本固定されると共に、グラスウールの取付作業が行われる。具体的には、本固定については、図21に示されるように、手順1から手順5までこの順に行われる。まず、手順1で、寄棟妻側傾斜天井66と寄棟桁側傾斜天井70の水下部のコーナー同士が固定される。次に、手順2で、寄棟妻側傾斜天井66と寄棟桁側傾斜天井70の水上部のコーナー同士が固定される。次に、手順3で、水平天井58と妻側傾斜天井64、桁側傾斜天井68とがそれぞれ固定される。次に、手順4で、水平天井58と切妻側の妻側間仕切り60とが固定される。そして最後に、手順5で、Cタイプの勾配調整木材80を隅棟部二箇所にセットして固定する。
【0058】
図22に示されるように、グラスウール94については、水平天井58及び桁側傾斜天井68を覆う単位ごとに取り付けられる。このとき、所定枚数ごとに、垂直壁28に相当する部分の石膏ボード36への荷重負担を軽減するための吊り木96が取り付けられる。この吊り木96で天井を吊ることにより、石膏ボード36への荷重負担が減らされる。天井側への取付が終了したら、桁側間仕切り62及び妻側間仕切り60へグラスウール94が横貼りされる。なお、この際、グラスウール94のずり落ちを防止するため、押え木98が取り付けられる。
【0059】
第8作業工程では、石膏ボードの貼付け作業が行われる。例えば、図23に示されるように、妻側間仕切り60の中央部に石膏ボード36が釘50で固定される。その後、予めきめられた所定の順序で石膏ボード36、40、44が固定されていく。なお、このとき、図24に示されるように、例えば、桁側傾斜天井68に石膏ボード40を固定する際には、桁側間仕切り62側にサンプル用の石膏ボード100を当てて、桁側傾斜天井68に取り付ける石膏ボード40と表面が一致することを確認してから取り付けるようにする。
【0060】
最後の第9作業工程では、雑巾摺りの取付作業が行われる。
【0061】
〔本実施形態の作用並びに効果〕
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0062】
本実施形態に係る小屋裏部屋構造体22では、ユニット住宅10の二階ユニット16と屋根部18とのスペース20に、垂直壁28、斜め天井30及び水平天井32を含んで構成された小屋裏部屋構造体22を設置するに際して、斜め天井30の上端部30Aと水平天井32の幅方向の端部32Aとの接合端面間の隙間46(図2(B)のA線矢視部)並びに垂直壁28の上端部28Aと斜め天井30の下端部30Bとの接合端面間の隙間52(図2(B)のB線矢視部)に、両端面の交差角θ1、θ2に一致するテーパ形状部を有する勾配調整木材48、54を介装し、釘50で斜め天井30の上端部30A及び水平天井32の幅方向の端部32A並びに垂直壁28の上端部28A及び斜め天井30の下端部30Bにそれぞれ固定することとしたので、勾配調整木材48、54が垂直壁28や斜め天井30、水平天井32の室内側の仕上げ面(小屋裏空間24の内側)へ露出しない。従って、従来技術のように小屋裏部屋の内面に天井下地ジョイナによる段差等が生じることもない。その結果、仕上げ材等を使った仕上げ面がフラットな面(イメージ的には、前述した図5のような室内仕上げ面となる)で良好に仕上がる。よって、本実施形態に係る小屋裏部屋構造体22によれば、小屋裏部屋の外観品質(仕上げ品質)を向上させることができる。
【0063】
また、本実施形態に係る小屋裏部屋構造体22では、接合部の隙間46、52に勾配調整木材48、54を介装させたので、施工作業時間を短縮することができる。具体的に説明すると、従来の接合構造及び施工方法による場合、図3(A)に示されるように、水平天井32の幅方向の端部32Aと斜め天井30の上端部30Aとの端面間に隙間46が形成されても、特に何も施さなかったため、固定具としては長いビス56で固定する方法を採らざるを得なかった。
【0064】
しかし、本実施形態では、図3(B)に示されるように、当該隙間46にこの隙間46を埋めるスペーサ的な部材として勾配調整木材48を介装したので、水平天井32の幅方向の端部32A(木材)と勾配調整木材48とを釘50で固定すると共に、斜め天井30の上端部30A(木材)と勾配調整木材48とを釘50で固定することが可能となる。一般に、ビス固定に比べて釘固定の方がエアガンを使用できるのでスピーディーに作業を進めることができる。従って、従来の接合構造・施工方法に比べて、作業時間の大幅な短縮を図ることができる。また、これにより、生産コストを低減することができる。
【0065】
さらに、本実施形態に係る小屋裏部屋構造体22では、接合部の隙間46、52に勾配調整木材48、54を介装させたので、石膏ボード36の上端部を斜めカットする手法から垂直カットする手法に変更することができる。具体的に説明すると、従来の接合構造及び施工方法による場合、図4(A)に示されるように、垂直壁28の上端部28Aに斜め天井30の下端部30Bを乗り上げさせ、ビス56で下側から固定する構造を採っていたため、垂直壁28の石膏ボード36を斜め天井30の石膏ボード40の位置まで延ばし、かつ石膏ボード36の上端部36Aを屋根勾配に合わせて斜めにカットする必要があった。この斜めカット作業は時間がかかるだけでなく、仕上がり品質に直接影響が出るため、作業自体も難しいものであった。
【0066】
しかし、本実施形態では、図4(B)に示されるように、垂直壁28の上端部28Aと斜め天井30の下端部30Bとを突き合わせ、両者間の隙間52にスペーサ的な部材として勾配調整木材54を介装したので、垂直壁28の上端部28A(木材)と勾配調整木材54とをと釘50で固定すると共に、斜め天井30の下端部30B(木材)と勾配調整木材54とを釘50で固定することが可能となる。このため、石膏ボード36の上端部36Aを斜めカットする必要が無くなる。その結果、本実施形態によれば、作業時間の大幅な短縮を図ることができると共に、仕上がり品質を向上させることができる。また、石膏ボード36の上端部36Aを延長する必要がなくなるので、その分、歩留まりも良くなる。さらに、ここでも、従来のビス固定から釘固定に変えることができるので、その点からも作業時間の短縮を図ることができる。
【0067】
また、本実施形態に係る小屋裏部屋構造体22では、水平天井32(図1の構成では、水平天井58)の幅方向の端部32Aと垂直壁28(図1の構成では、妻側間仕切り60、桁側間仕切り62)の上端部28Aとの間に、斜め天井30(図1の構成では、妻側傾斜天井64、寄棟妻側傾斜天井66、桁側傾斜天井68、寄棟妻側傾斜天井70)を取り付ける際に、予め取り付けておいた端材84をフック替わりに使用する構造としたので、斜め天井30を極めて容易に所定の組付位置にセットすることができる。このため、斜め天井30の組付作業が非常に効率良くなり、高温多湿環境下での作業時間の短縮及び作業労力の軽減に大きく寄与している。
【0068】
さらに、本実施形態に係る小屋裏部屋構造体22の施工方法によれば、まず、下準備として、水平天井32の幅方向の端部32Aに、斜め天井30の上端部30Aとの間の隙間46を埋める第1の勾配調整部材としての勾配調整木材48を予め固定してお、又斜め天井30の下端部30Bに、垂直壁28の上端部28Aとの間の隙間52を埋める第2の勾配調整部材としての勾配調整木材54を予め固定しておき、更に斜め天井30の上端部30Aに、組付時に水平天井32の幅方向の端部32Aの勾配調整木材48に係止される係止部材としての端材84を予め設定し、垂直壁28を立設させると共に水平天井支え治具92を用いて床面26に対して水平に水平天井32を所定の組付位置に保持し、その後、端材84を勾配調整木材48に係止させつつ勾配調整木材54を垂直壁28の上端部28Aにセットすることにより、斜め天井30が垂直壁28の上端部28Aと水平天井32の幅方向の端部32Aとの間に位置決めされた状態で組付けられ、その後、各部の本固定を行うようにしたので、斜め天井30を簡単かつ迅速に組付けることができる。従って、二階ユニット16と屋根部18との間のスペース20での施工時間を大幅に短縮することができる。また、作業労力も軽減される。
【0069】
〔実施形態の補足説明〕
なお、本実施形態に係る小屋裏部屋構造体22は収納スペースとして活用することができるのはもとより、小屋裏空間24の高さをある程度確保できる場合には、居室スペースとしても活用することができる。特に、本実施形態に係る小屋裏部屋構造体22では、室内の仕上がり品質がとても良いので、居室スペースとして利用するのに好適である。なお、居室スペースとして利用する場合は、床面26をフローリングにする等の造作が施されるのが好ましい。
【0070】
また、上述した本実施形態に係る小屋裏部屋構造体22では、水平天井32を使用する構造を採用していたが、請求項1記載の本発明には、水平天井32を有さず斜め天井30のみで天井が構成された切妻タイプ等の小屋裏部屋構造体も含まれる。さらに言及すると、上述した施工事例では、説明用の事例として好適な寄せ切りタイプの小屋裏部屋構造体22を挙げたが、この屋根構造を造ることができるということは、当然に切妻タイプ、寄棟タイプの屋根構造にも対応することができることを意味するが、請求項1及び請求項2記載の本発明は、代表的な前記3タイプ以外の屋根構造を除外するものではない。つまり、二階ユニット16と屋根部18との間のスペース20に設置される小屋裏部屋構造体という性質上、あまり複雑な屋根構造は現実には採用されないと予想して上記3タイプを中心に考えただけで、必要に応じて上記3タイプ以外の屋根構造に対応することは事案に応じて可能であるという意味である。
【0071】
さらに、上述した本実施形態では、ユニット住宅10に対して本発明を適用したが、これに限らず、ユニット住宅以外の住宅形式の住宅に対して本発明を適用してもよいし、必ずしも用途が住宅である必要はなく、店舗や作業場等に利用されるユニット建物に対して本発明を適用してもよい。さらに言及すると、一般木造住宅に対して本発明を適用しても差し支えない。ただ、ユニット建物に対して本発明を適用すると、予め工場生産される建物ユニットを順次据え付けて構成されるユニット建物に、木造組立形式の小屋裏部屋構造体22を組み合わせることで、ユニット建物としての自由度が増す(付加価値が増す)という利点がある。
【0072】
また、勾配調整木材48、54等は必ずしもスパン長に一致する長さを有する一本物である必要はなく、数本に分割されていても差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本実施形態に係る小屋裏部屋構造体の全体構成を示す分解斜視図である。
【図2】(A)は図1に示される小屋裏部屋構造体を備えたユニット住宅の概略構成図であり、(B)は(A)の小屋裏空間の拡大図である。
【図3】(B)は図2(B)のA線矢視部の接合構造(A部納まり)の拡大図であり、(A)は対比用に示したもので従来構造を用いた場合のA部納まりの拡大図である。
【図4】(B)は図2(B)のB線矢視部の接合構造(B部納まり)の拡大図であり、(A)は対比用に示したもので従来構造を用いた場合のB部納まりの拡大図である。
【図5】本実施形態に係る小屋裏部屋構造体の納まりイメージを示す内部空間側から見た斜視図である。
【図6】本実施形態に係る小屋裏部屋構造体の施工手順を示す作業工程図である。
【図7】第1作業工程における勾配調整木材の裁断要領を説明するための斜視図である。
【図8】予め用意される勾配調整木材の種類を示す表である。
【図9】水平天井と各傾斜天井との間及び各傾斜天井と各間仕切りとの間における勾配調整木材の使用例を示す拡大図である。
【図10】寄棟妻側傾斜天井と寄棟桁側傾斜天井との間における勾配調整木材の使用例を示す拡大図である。
【図11】切妻タイプにおいて隣り合う桁側傾斜天井間における勾配調整木材の使用例を示す拡大図である。
【図12】第2作業工程における水平天井の組付手順を示す斜視図である。
【図13】図12に示される勾配調整木材を水平天井に固定する際の要領を示す拡大図である。
【図14】第2作業工程における妻側傾斜天井の組付手順を示す斜視図である。
【図15】第2作業工程における桁側傾斜天井の組付手順を示す斜視図である。
【図16】図14及び図15に示される傾斜天井に勾配調整木材を固定する際の要領を示す拡大図である。
【図17】第4作業工程における間仕切り取付の様子を示す斜視図である。
【図18】第5作業工程における水平天井取付の様子を示す斜視図である。
【図19】第6作業工程における傾斜天井取付の様子を示す斜視図である。
【図20】桁側傾斜天井の取付時の様子を示す側面図である。
【図21】第7作業工程におけるアッセンブリの本固定の手順を示す斜視図である。
【図22】第7作業工程におけるグラスウール取付の様子を示す斜視図である。
【図23】第8作業工程における石膏ボード貼りの様子を示す正面図である。
【図24】石膏ボードを貼る際の表面位置合わせの様子を示す拡大側面図である。
【図25】天井下地ジョイナを使った従来例を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
【0074】
14 一階ユニット(建物本体部)
16 二階ユニット(建物本体部)
18 屋根部
20 スペース
22 小屋裏部屋構造体
26 床面
28 垂直壁
30 斜め天井
32 水平天井
46 隙間
48 勾配調整木材(勾配調整部材)
50 釘
52 隙間
54 勾配調整木材(勾配調整部材)
58 水平天井
60 妻側間仕切り(垂直壁)
62 桁側間仕切り(垂直壁)
64 妻側傾斜天井(斜め天井)
66 寄棟妻側傾斜天井(斜め天井)
68 桁側傾斜天井(斜め天井)
70 寄棟桁側傾斜天井(斜め天井)
72 勾配調整木材(第1の勾配調整部材)
74 勾配調整木材(第1の勾配調整部材)
76 勾配調整木材(第2の勾配調整部材)
78 勾配調整木材(第2の勾配調整部材)
80 勾配調整木材(勾配調整部材)
81 勾配調整木材(勾配調整部材)
84 端材(係止部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物本体部と屋根部との間のスペースに設置され、少なくとも床面に対して垂直に配置された垂直壁及びこの垂直壁に対して斜めに配置された斜め天井を含んで構成された小屋裏部屋構造体であって、
前記垂直壁と前記斜め天井との接合端面間の隙間に、両端面の交差角に一致するテーパ形状部を有する勾配調整部材を介装させ、当該勾配調整部材を垂直壁と斜め天井とに釘にて固定した、
ことを特徴とする小屋裏部屋構造体。
【請求項2】
建物本体部と屋根部との間のスペースに設置され、少なくとも床面に対して水平に配置された水平天井及びこの水平天井に対して斜めに配置された斜め天井を含んで構成された小屋裏部屋構造体であって、
前記水平天井と前記斜め天井との接合端面間の隙間に、両端面の交差角に一致するテーパ形状部を有する勾配調整部材を介装させ、当該勾配調整部材を水平天井と斜め天井に釘にて固定した、
ことを特徴とする小屋裏部屋構造体。
【請求項3】
前記水平天井の端部には前記勾配調整部材が予め固定されており、
前記斜め天井における水平天井側の端部には組付時に当該勾配調整部材に係止されて斜め天井を組付位置に保持するための係止部材が設けられている、
ことを特徴とする請求項2記載の小屋裏部屋構造体。
【請求項4】
少なくとも床面に対して垂直に配置された垂直壁と床面に対して平行に配置された水平天井と垂直壁の上端部と水平天井の端部との間に斜めに掛け渡される斜め天井とを含んで構成された小屋裏部屋構造体を、建物本体部と屋根部との間のスペースに設置する際に適用される小屋裏部屋構造体の施工方法であって、
水平天井の端部に斜め天井の上端部との間の隙間を埋める第1の勾配調整部材を予め固定し、
斜め天井の下端部に垂直壁の上端部との間の隙間を埋める第2の勾配調整部材を予め固定すると共に、当該斜め天井の上端部に組付時に前記第1の勾配調整部材に係止される係止部材を予め設定しておき、
床面に垂直壁を立設させると共に水平天井を所定の組付位置に保持した後に、係止部材を第1の勾配調整部材に係止させつつ第2の勾配調整部材を垂直壁の上端部にセットすることで斜め天井を垂直壁の上端部と水平天井の端部との間に組付け、その後に各部の本固定を行う、
ことを特徴とする小屋裏部屋構造体の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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