説明

少なくとも1つのランプ及び少なくとも1つのOLEDを含む発光装置

本発明は、光を生成するように構成される少なくとも1つのランプと、少なくとも1つのOLEDと、を含む発光装置であって、少なくとも1つのOLEDが、少なくとも1つのランプによって生成される光の少なくとも一部を透過させるように構成される、発光装置を提供する。本発明の発光装置は、有利には、2つの種類の光、すなわち、例えば照明目的に関して使用され得るランプの「通常」光、及び、発光目的に関して使用され得るOLEDの光、を提供する選択肢をもたらし得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのランプ及び少なくとも1つのOLEDを含む発光装置を含む発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
異なる光源を含む発光装置又はランプシステムは当業分野において知られている。例えば、米国特許第6,688,753号は、好ましくはコンパクト蛍光放電管である第1発光要素と、好ましくは複数のLEDを含む第2発光要素と、を有する発光装置を記載している。動作において、第1発光要素は、かなり高い光出力を有する。動作において、第2発光要素は、第1発光要素の光出力と比較して相対的に低い光出力を有する。第1若しくは第2発光要素、又は両方がオンに切り替えされ得る。発光装置は、発光装置におけるトグル機能を用いて、配向性光(夜間灯)及び通常光との間における遠隔制御切り替えを可能にする。
【0003】
米国特許出願第2005/0265023号も、緑−青における色点を有するガス放電灯、黄色−赤における色点を有するLED、並びに、ガス放電灯及びLEDからの光の追加的な混合に関する光学コンポーネントを有する、照明用のハイブリッドシステムを記載している。青及び緑色放射蛍光灯は、特に、ガス放電灯として適切であり、赤−黄色放射AlGaInPのLED又は赤色放射AlGaAsのLEDが、LEDとして適している。これらの高効率光源からの光の追加的な混合により、米国特許出願第2005/0265023号は、3つの原色を含み、且つ白色光の高効率な生成に特に適される、良好な演色性を呈する高効率な光源を提供する。
【0004】
これらの従来技術は、例えば、1つは対象物を照らすため、もう1つは輝度機能を有するためのなどの、2つの(個別の)ビームを有するランプを提供することが可能でないという、又はそれらは、複雑な若しくは容積が大きい構造を有するという、1つ又は複数の欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上述の欠点のうちの1つ又は複数を好ましくは更に軽減する代替的な発光装置を提供することである。特定の実施例において、本発明の目的は、少なくとも1つのランプ及び少なくとも1つのOLEDが、装置から異なる角度で離れ得る光のビームを供給する発光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に従うと、発光装置は、(a)光を生成するように構成される少なくとも1つのランプと、(b)光を生成するように構成される少なくとも1つのOLEDと、を含み、前記少なくとも1つのOLEDが、前記少なくとも1つのランプによって生成される前記光の少なくとも一部を透過させるように構成される。
【0007】
特定の実施例において、本発明に従う発光装置は、更に、前記少なくとも1つのランプの光の少なくとも一部を操作し、且つ、操作される光で前記少なくとも1つのOLEDの少なくとも一部を照らすように構成されるビーム操作器を有する。OLEDは、ランプによって生成される(操作される)光の少なくとも一部を透過する。
【0008】
更に別の特定の実施例において、本発明は、ランプ及びビーム操作器が少なくとも1つのランプの光をビームに操作(処理、"manipulate")するように構成され、少なくとも1つのOLEDが、(操作される)ランプ光のビームの実質的に外側に光を供給するように構成される、発光装置を提供する。
【0009】
特定の実施例において、本発明は、前記少なくとも1つのランプが、光を第1ビームへ生成するように構成され、前記少なくとも1つのOLEDが光を第2ビームへ生成するように構成され、この場合に、前記少なくとも1つのOLEDに対する法線に対して、前記第1ビームが、カットオフ角β1を有し、第2ビームが、カットオフ角γ2及び任意選択的にカットオフ角γ1を有し、γ2>γ1であり好ましくは、γ2≧β1である、発光装置を提供する。
【0010】
本発明の発光装置は、有利には、2つの種類の光、すなわち、例えば照明目的に関して使用され得るランプの「通常」光、及び、発光(lumination)目的に関して使用され得るOLEDの光、を提供する選択肢を可能にし得る。
【0011】
更に、本発明の発光装置の実施例は、(同時に)例えば、一般店舗照明に関する照明システム、及び例えば指示照明などに関する輝度システムの機能を充足し得る。例えば、店舗において、発光装置は、店舗の特定の部分において提示される商品の種類に依存して、ランプによる一般照明及び輝度光を供給し得る。本発明に従う発光装置によって生成される2種類の光は、異なる色効果を与えるようにも使用され得る。更に、本発明の発光装置は、配向性光(夜間光)又は避難指示(OLED)及び照明(ランプ)の機能をも提供し得る。これらの複数の機能は、同時に又は連続的に実行され得る。他の実施例では、発光装置が「コロナ」効果を有する光を提供するよう可能にする。
【0012】
本発明の発光装置は、相対的に小型な装置が構成され、上述のように多くの機能が1つの発光装置において組み合わせられ得るという更なる有利な点を有する。
【0013】
本発明の実施例は、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図面を参照にして、例示の目的のみとして、以下に説明され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、ダウンライト又は管状発光照明器具などの、本発明の発光装置の実施例の概略側面図である。
【図2a】図2aは、本発明の発光装置において使用する、OLED及びこのOLEDを含む窓枠のそれぞれをより詳細に描画する概略図である。
【図2b】図2bは、本発明の発光装置において使用する、OLED及びこのOLEDを含む窓枠のそれぞれをより詳細に描画する更なる概略図である。
【図2c】図2cは、本発明の発光装置において使用する、OLED及びこのOLEDを含む窓枠のそれぞれをより詳細に描画する更なる概略図である。
【図2d】図2dは、本発明の発光装置において使用する、OLED及びこのOLEDを含む窓枠のそれぞれをより詳細に描画する更なる概略図である。
【図3a】図3aは、OLEDの実施例を概略的に描画する。
【図3b】図3bは、光線軌跡を概略的に描画する。
【図3c】図3cは、縁部輝度強度分布を概略的に描画する。
【図3d】図3dは、更なる縁部輝度強度分布を概略的に描画する。
【図3e】図3eは、OLEDの更なる実施例を概略的に描画する。
【図3f】図3fは、更なる実施例の光線軌跡を概略的に描画する。
【図3g】図3gは、更なる実施例の縁部輝度強度分布を概略的に描画する。
【図3h】図3hは、更なる実施例の更なる縁部輝度強度分布を概略的に描画する。
【図4】図4は、本発明の発光装置の別の実施例の概略側面図である。
【図5】図5は、本発明の発光装置の更に別の実施例の概略側面図である。
【図6】図6は、本発明の発光装置の別の実施例の概略上面図である。
【図7】図7は、本発明の発光装置の更に別の実施例の概略上面図である。
【図8a】図8aは、本発明の発光装置を用いて達成され得る特定の光分布を概略的に描画する。
【図8b】図8bは、本発明の発光装置を用いて達成され得る特定の光分布を概略的に描画する。
【図8c】図8cは、本発明の発光装置を用いて達成され得る特定の光分布を概略的に描画する。
【図8d】図8dは、本発明の発光装置を用いて達成され得る特定の光分布を概略的に描画する。
【図9】図9は、本発明の発光装置の更に別の実施例の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1、4乃至7、及び9を参照すると、本発明は、
(a)光11を生成するように構成される少なくとも1つのランプ10(光源10とも示される)と、
(b)光21を生成するように構成される少なくとも1つのOLED20(光源10とも示される)と、
を含む発光装置1であって、前記少なくとも1つのOLED20が、前記少なくとも1つのランプ10によって生成される光11の少なくとも一部を透過させるように構成される、発光装置を提供する。図面から確認され得るように、少なくとも1つのランプ10は、少なくとも1つのOLED20の少なくとも一部を照らす(又は照射)する要に構成され、少なくとも1つのOLED20は、(装置1の動作において)少なくとも1つのランプ10によって生成される光11の少なくとも一部を透過させる。
【0016】
装置1によって生成される光、すなわち両方の光源10及び20によって生成される光は、参照符号32によって示される。2つの光源10・20によって生成される光は、図2乃至5において特に示されるように、角度的に実質的に分離され得る(separated substantially angularly)が、例えば図6に示されるように、実質的に重ねられるようにもされ得る。したがって、実施例において、発光装置1によって生成される光32は、角度的に分離され得る2つ以上のビームを含み得る。「角度的に分離される」という用語は、観者が見る角度に依存して異なるビームを識別し得る状況を示す。
【0017】
発光装置1の個別の光源10・20は、初めに概略的に以下に説明され、発光装置1の実施例は、その後より詳細に説明される。
【0018】
光源(ランプ10及びOLED20)
少なくとも1つのランプ10は、フィラメントランプ、蛍光灯(特に、TL(tubular luminescent:管状発光)ランプ及びCFL(compact fluorescent lamps:小型蛍光灯)、ハロゲンランプ、低圧ガス放電灯、高圧ガス放電灯、LED及び任意選択的にOLEDの群から選択される1つ又は複数のランプを含み得る。少なくとも1つのランプ10は、好ましくは、通常約50Lm(lumen)以上の消費者使用に関する低光束応用例から、オフィス照明における約3000Lmの応用例、及び発光装置毎の光束が約5000又は更に10,000Lmを越え得るスタジアム照明にまで及ぶ、照明目的に関して適している。したがって、少なくとも1つのランプは、約25Lmないし20,000Lmの範囲から選択される光の輝度光束(更に光束として記される)を提供することが可能である。ある実施例において、少なくとも1つのランプ10は、可変光束を有する。ランプ10は、好ましくは、低圧ガス放電ランプ(CFL、TL)及びLEDの群から選択される1つ又は複数のランプを含む。この場合、「LED」又は「複数のLED(発光ダイオード)」という用語は、単数又は複数のOLED(有機発光ダイオードダイオード)を含まない。ここで説明されるランプ10は、当業者にとって知られるランプであり得る。
【0019】
「少なくとも1つのランプ」という用語は、1つより多くのランプが使用される、すなわち複数のランプ、例えば、(例えば、米国特許出願第2005/0225986号又は国際特許出願第2003048634号などに記載される)2つ以上のLEDなどの複数のLED、又は異なる色温度を有する2つの蛍光灯のシステムなどの実施例を含む。この場合、「ランプ」という用語は、「少なくとも1つのランプ」も含む。したがって、「少なくとも1つのランプ」又は「ランプ」という用語は、1つ以上のランプを含む。
【0020】
少なくとも1つのOLED20は、1つ以上のOLEDを含み得る。この場合、「OLED」という記載は、「少なくとも1つのOLED」も示す。したがって、「少なくとも1つのOLED」又は「OLED」という用語は、1つ以上のOLED、すなわち複数のOLEDを含む。
【0021】
OLEDの性能は、年とともに向上してきており、将来には、照度(illuminance)発光装置においても適用され得るレベルにまで更に向上するものと予想されている。現在、OLEDは、既に、発光(luminance)応用例において適用され得る。他の光源と比較して、OLEDは、オフ及び動作時における、平坦性、柔軟性、及び透明性などの固有の特徴を有する。一般的に、最も商業的に入手可能なOLEDの性能は、未だ照度基準を満さない。このことは、今なお、(現在商業的に入手可能な)OLEDを一般照明市場において適用することの障害であり得るが、このことは、近い将来において異なり得る。しかし、OLEDは、完璧に発光効果に関して適している。
【0022】
OLEDは、当業分野において知られている。しかし、理解のために、このようなOLEDの実施例が、以下に概略的に説明される。2つの種類のOLED:
−活性層がポリマーであるOLED(PolyLeds)と、
−活性層が低分子であるOLED(SmOLED)と、
に区別され得る。OLED装置は、活性層、カソード、アノード及び基板からなる。活性有機層は、ポリマー型有機LEDに関しては、空孔輸送層(例えば、100nm)及び発光ポリマー(例えば、約80nm)からなる。低分子型の有機LEDは、いくつかの更なる層:空孔注入層、空孔ブロック層、及び電子輸送層からなる。発光OLED層は、例えば、コダック、三菱及びコニカミノルタ(Kodak、Mitsubishi、Konica Minolta)などのよく知られた供給業者によって製造される炭化水素型構造である。OLED活性層は、例えばインジウムスズ酸化物(ITO)などでスパッタされ得る基板に載せられ、これにより、空孔注入電極として機能する約150nmのITO層を形成する。有機層の上部に加えられるカソードは、電子注入(層)が100nmのオーダであることを保証し得る。基板並びにカソード及びアノードの両方が、例えばITOタイプの材料などの材料の透明伝導酸化物から選択される場合、透明素子が構築され得る。全体として、両方の有機LEDにおける完全なスタックは、一般的に約200nmを越えない。装置は、全体として、約10μm(約0.6μmの実際のバリア及び数μmの追加的な保護被膜)の追加的な層を形成し得る薄膜封止(encapsulation)を用いて封止され得る。装置の厚さは、したがって、基板厚さによって主に決定される。ガラス封止の場合、使用される最小厚さは約0.4mmであり、これは、おおまかに、印刷手法で多く使用される80gram/m2紙の厚さの4倍である。現在、領域は、ページ上の寸法にまで拡張され得る。最新の発光ポリマーの性能は、急速に向上している。OLEDの輝度レベルは、OLEDが電流駆動であるので、電源の電流/電圧設定を変更することによって調整され得る。このことは全て当業分野において知られている。
【0023】
白色放射OLEDは、約50Cd/m2の輝度を有することを知られており、3V、3mA/cm2(1.5Lum)、12Cd/Aの効率が低分子素子に関して報告されている。
【0024】
少なくとも1つのOLED20は、好ましくは、飽和色(すなわち、少なくとも70%の純度)を有する光を生成する。このことは、表示に関して有用である。代替的に、異なる色のOLEDのスタックが用いられ得、これにより、調整可能な表示色の照明器具をもたらし得る(以下も参照)。
【0025】
図2aは、概略的に、当業分野において知られるような上述の単数又は複数の基板及び/又は電極を有する第1層23及び第2層24の間で挟まれる有機層22を有するOLED20を示す。単数若しくは複数の基板及びアノード若しくはアノード/カソード又はカソードなど詳細は、更には説明も描画もされないので、上述の記載を参照されたい。このことは、当業分野において知られており、例えば、「M. Fujita et al., Electronics Letters, 27th November 2003, vol. 39 (24) or N.K. Patel et al., IEEE Journal on selected topics in quantum electronics, vol. 8 (2), March/April 2002, pages 346-361.」を参照されたい。基板を含むOLED20の厚さd20は、約0.3ないし20mmの範囲に一般的にある。
【0026】
一般的に、従来技術のOLED素子は、更に、有機層/ITO層−基板、及び基板−空気の1つ又は複数の界面において特定の構造を有する。これらの構造は、OLED20から効率的に有機層22において生成された光を結合するのに必要であり、例えば、表面荒さ、シリカマイクロ半球構造、マイクロレンズ等の構造を記載しているPatelらの文献を同様に参照されたい。光の出力結合を向上させる他の構造も可能である。これらの構造が有機層22の両側に存在し、透明電極/基板が使用される場合、光は、有機層に対して両方向へ放射され(図2aにおいて、OLED光が面20a及び20bから逃げ得る)、これらの構造が、1つの側においてのみ配置され(すなわち、面20a又は20bにおいて)、例えば、反射層が他の側に存在する場合、有機層において生成される光は、実質的に1つの方向へ放射される(図2aにおいて、OLED光は、面20a又は図20bから逃げ得る)。好ましい実施例において、これらの構造は、少なくとも上述の界面において、存在せず、以下も参照されたい。したがって、何の構造も、面20a及び/又は面20bからのOLED光からの出力結合を増強するように設けられていない。面20a及び20bは、当業分野において知られる、有機層22と並行に配置される(すなわち、第1層23及び第2層24のそれぞれの)OLEDの外部表面である。
【0027】
ここで使用されるOLEDは、透明である。透明OLEDは、実質的に透明なコンポーネント(基板、カソード及びアノード)のみを有し、オフにされる場合、好ましくは少なくとも50%の透明、好ましくは約70%の透明、更に好ましくは少なくとも約85%まで又はそれ以上である。透明OLEDがオンにされる場合、透明OLEDは、両方の方向へ光を通過させる。本発明において使用されるOLEDは、好ましくは、特に(1つ以上の)少なくとも1つのOLEDがオンに切り替えられる(動作している)場合に、少なくとも1つのランプ10によって生成される可視光11に対して少なくとも50%透明であり、好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも85%透明である。この場合、「少なくとも50%」という語句は、少なくとも1つのランプ10によって生成される光11の可視波長領域(すなわち380nm〜780nmの範囲内)にわたり透過が、OLED20が動作中であり且つこのような光11との直交する照射を仮定する場合に、少なくとも1つのOLED20によって少なくとも50%に関して伝達され得ることを意味する。
【0028】
OLEDは折り畳み可能又は曲げることが可能であり、このことは、図6に示される(以下も参照)ように曲面における応用例に関して特に関連し得る。折り畳み可能なOLEDは、柔軟性のある金属ホイル又はプラスチック製の基板、カソード及びアノードなどを有する。
【0029】
本文書で「光」という用語は、可視放射(VIS)、すなわち約380?780nmの範囲における放射を特に参照する。実施例において、1つ又は複数のランプ10によって又は1つ又は複数のOLED20によって生成される光は、白色放射(すなわち、白色光)を含むが、別の実施例において、1つ又は複数のこれらの光源10・20は、色付きの光をも生成し得る。商業的に入手可能なランプ10及び(白色)光を放射する透過型OLED20が使用され得る。少なくとも1つのランプ10が複数のLEDなど1つより多いランプを有する場合、又は少なくとも1つのOLED20が1つより多いOLEDを有する場合、対応するランプ又は対応するOLEDは、異なる色の放射を生成し得る。例えば、青色、緑色及び赤色の1セットがランプ10として使用され得る。(生成される光の)多重色を有するこのような多重光源がランプ10として使用される場合、これらの光源は、好ましくは、(色混合によって)白色光を生成することが可能であるように構成されることが好ましい。
【0030】
発光装置1
上述のように、少なくとも1つのOLED20は少なくとも1つのランプ10によって生成される光11の少なくとも一部を透過させるように構成される。装置1において、少なくとも1つのランプ10は、少なくとも1つのOLED20の少なくとも一部を照らすように構成される。OLED20が透過的であるという事実により、少なくとも1つのランプ10によって生成される光11の少なくとも一部は、少なくとも1つのOLED20によって透過される。例えば、図1及び4ないし7の実施例などにおいて概略的に示されるような、このような構成は、2つの光源10・20の比較的小型な構成を可能にする。
【0031】
図1、4、5及び7において発光装置1の実施例は、更に、ハウジング50を含む。ハウジング50は、少なくとも1つの開口52(又は窓)を有し、この開口52を介して、少なくとも1つのランプ10の光11は、ハウジングの内装から逃げ得る。更なる実施例において、発光装置1は、光11に発光装置1から逃げさせるように構成される1つの開口52のみを有する、すなわちハウジング50は1つの開口のみを有する。ランプ10は、ハウジング50の中において囲まれて配置される。図1、4、5及び7において概略的に示される実施例は、特に、ダウンライト発光装置又は管状発光オフィス照明装置の側面図を参照する。「ダウンライト」という用語は、当業者に知られており、そして、一般的に、光の大半が、特に、床又は地面へ下方へ向けられる照明を参照する。発光装置1は、照明器具としても呼ばれ得る。
【0032】
開口52は、少なくとも1つのOLED20を含み得る。例えば、1つ以上のOLED20は、開口52内に、又はこの開口の1つの側部にもうけられ得る。図1において、少なくとも1つのOLED20は、開口52の1つの側部において実質的に構成されるが、当業者にとって明らかであるように、ハウジング50及び開口52の形状は、いかなる幾何形状をも有し得、そして、付随して、発光装置1における少なくとも1つのOLED20の配置は、少なくとも1つのランプ10の光11の少なくとも一部が、(この光11の少なくとも一部を透過させる)少なくとも1つのOLED20を照射するという条件で、当業者によって選択され得る。少なくとも1つのOLED20は、当業者にとって知られるいずれかの手法で、開口52の内部、前部又は後部に一体化され得る。したがって、少なくとも1つのOLED20は、ある種の窓枠(参照符号40で示される)として少なくとも一部は構成され、この窓枠40を介して、ランプ10の光11の少なくとも一部は透過され得る。この窓枠40は、(少なくとも1つの)OLED20であり得る、又は少なくとも1つのOLED20が配置される(以下も参照)透過型材料であり得る。いずれの場合であっても、OLED20が動作している場合、少なくとも1つのランプ10の可視光11に関する窓枠40の透過性は、直交照射を仮定すると(上記参照)、少なくとも50%、好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも85%である。
【0033】
本発明に従う発光装置1は、更に、少なくとも1つのランプ10の光11の少なくとも一部を操作し、且つ、少なくとも1つのOLED20の少なくとも一部を操作された光で照らすように構成される1つ以上のビーム操作器を含み得る。ビーム操作器30は、反射器及びコリメータの群から選択される1つ以上の装置を含み得る。発光装置1の幾何学形状(特に、ハウジング50及びハウジング50に対する少なくとも1つのランプ10の配置)及び/又はビーム操作器30により、光11は、ビーム18として装置1を離れる。
【0034】
ハウジング50は、好ましくは、ビーム操作器30として、単数又は複数の反射器51としても示される、少なくとも一部が反射型の壁51を含む。反射要素又は反射被膜若しくは層は、当業者にとって知られている。ハウジング50の内部壁の少なくとも一部は、好ましくは反射型である。より好ましくは、実質的に、少なくとも1つのランプ10から光11を受けるハウジング50の内部壁全体が、反射壁51を含む。このようにして、少なくとも1つのランプの光11は、実質的に、開口52において(すなわち、少なくとも1つのOLED20の少なくとも一部において)コリメータされる。したがって、これらの図において、ビーム操作器30は、少なくとも1つのランプ10を少なくとも部分的に囲み、且つ、少なくとも1つのランプ10の光11の少なくとも一部を(ビーム18へ)操作するように構成される、反射層、被膜又は要素を含む。
【0035】
ビーム操作器30は、コリメータ含み得る。例えば、ランプ10は、1つ以上のLEDの光をコリメートする1つ以上のコリメータを有する1つ以上のLEDを含み得る。各LEDは、それぞれ1つのコリメータを有し得るが、複数のLEDが1つのコリメータも有し得る。コリメータを有するLED又はコリメータを有するLEDの群は、当業分野において知られている。
【0036】
したがって、特定の実施例において、本発明は、少なくとも1つのランプ10の光11の少なくとも一部を操作し、且つ、少なくとも1つのOLED20の少なくとも一部を操作された光で照らすように構成される(1つ以上の)ビーム操作器30を更に含む発光装置1を提供する。単数又は複数の透明OLED又は、単数又は複数のビーム操作器30によってコリメートされた光11の少なくとも一部を透過させ、且つ、この(コリメートされた)光によって照らされる。この実施例において、少なくとも一部のOLED20は、開口52の内部、前部又は後部に配置され、これにより、少なくとも1つのランプ10の操作された光11は、少なくとも1つのOLED20を照らし、また、開口52を介して、操作された光11の少なくとも一部は透過される。ある実施例において、少なくとも1つのランプ10の光11の全体光束の好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも90%が、少なくとも1つのOLED20を照らす(更に以下も参照)。当業者にとって明らかであるように、開口52を含むハウジング50の1つ又は複数の幾何形状、ハウジング50に対する少なくとも1つのランプ10の配置、及び1つ以上のビーム操作器30の任意選択的な存在は、少なくとも1つのランプ10の光11の全体光束(好ましくは少なくとも40%)の少なくとも一部を(開口52に含まれる)少なくとも1つのOLED20へ方向付け、ビーム18が生成される。
【0037】
図1、4、5及び7において、開口52は、ランプ10の光に対して少なくとも部分的に透明である窓枠40を含む。窓枠40は、1つ以上のOLED20から構成され得、すなわち、窓枠40は、上述の少なくとも1つのOLEDである、又は窓枠40は、例えばガラス板内に又はその上に配置される1つ以上の透明OLEDを含み得る(以下参照)。したがって、「窓枠」という用語は、開口52の中、前部、又は後部に配置され、1つ以上のOLED20を含む、板などの透明装置を参照する。窓枠40は、好ましくは、平坦であるが、ある実施例において、曲げられた窓枠40も適用され得る。概略的に示される本文書での好ましい実施例(図1、4、5及び7)は、実質的に平坦な窓枠40を含む。したがって、特定の実施例において、少なくとも1つのランプ10は、少なくとも周囲に配置されるビーム操作器30内に配置され、更に、少なくとも1つのOLED20を含む窓枠40を含む。窓枠40は、ランプ10からの光11の少なくとも一部を透過させるように構成される。
【0038】
窓枠40は、例えば、ガラス板若しくは透明プラスチック、又はいずれかの他の実質的に透明な材料であり得る、又は、少なくとも1つのOLED20が配置され得る。例えば、特にOLED20が折り畳み可能でない場合、例えば、基板がガラス製である場合、窓枠40は、1つ以上のOLED20であり得る。
【0039】
しかし、別の実施例において、概略的に図2bにおいて示されるように、1つ以上のOLED20は、例えば、ガラス(単数又は複数のOLED20)などのシートにも含まれ得る、又はガラス板又は透明プラスチック間に挟まれる。
【0040】
窓枠40は、約0.3〜20mmなどの、(窓が単数又は複数のOLEDが配置される透明板を含む場合)約20mmまでd20の範囲(窓が1つ以上のOLEDからなる場合の)である厚さd40を有するがより大きい厚さも可能である。異なる色のより多くのOLEDが1つの照明器具において使用される場合、OLEDは、互いに重ねられ又は隣り合わせに配置され得る。
【0041】
OLED(例えば、サンドウィッチ構造の)を組み込むように使用され得る、及び/又は、OLEDが適用され得る、透明材料は、例えば、ガラス、PMA(polymethyl acrylate)、PMMA(polymethyl methacrylate)(Plexiglas又はPerspex)、CAB(cellulose acetate butyrate)、PVC(polycarbonate、polyvinyl chloride)、PET(polyethylene terephthalate)、及びPETG(glycol modified polyethylene terephthalate)の群などから選択され得、これらの材料は、透明シートとして提供され得る。別の実施例において、シート材料は、例えば、PMA又はPMMA、特にPMMAなどのアクリレート類を含み得る。このような材料も、透明プラスチックとして当業分野において知られている。更に別の実施例において、シートは、PERSPEXTM又はPRISMEXTMとして商業的に知られている透明プラスチックを含む。当業者に知られている他の実質的に透明な材料も使用され得る。2つ(以上)の材料の組み合わせも使用され得る。
【0042】
図1、4、5及び7において概略的に示される実施例は、1つのビームが実質的に1つ以上のOLED20によって生成される光21含み、もう1つのビームが実質的に1つ以上のランプ10によって生成される光11を含む、2つのビームを供給するように構成される発光装置1が設けられ得るという特定の有利な点を有し得る。OLED20は、全ての方向へ光を放射するランバート型放射器である。このことは、現在のOLEDの性能を用いると特に、従来型のランプのビームにおいて、OLED20は、「従来型」ランプの光束と比較して相対的に低い光束を有し得、観者によって知覚され得ないことを意味する。従来型ランプのビームの外側において、OLED光は見られるようになり、輝度表示照明などが達成され得る。
【0043】
図1、4、5及び7に概略的に示される実施例において、ランプ10及び任意選択的なビーム操作器30が光11をビーム18へ操作するように構成され、少なくとも1つのOLED20が光21を実質的にビーム18の外側に提供するように構成され得る発光装置1が提供される。ここでの「実質的にビーム18の外側に」なる用語は、これらのビーム18及び28が発光装置1を離れるカットオフ角(以下参照)が実質的に一致しない状況を参照する。このようにして、少なくとも1つのランプ10及び少なくとも1つのOLED20が実質的に角度的に分離されしたがって異なる角度で装置1を離れる光のビーム18・28を提供する発光装置1が提供され得る。例えば、このことは、ビーム18は、ビーム28が実質的に発光装置1を離れる位置から空間的に分離された1つ以上の位置で発光装置1を実質的に離れるという事実が理由であり得る。代替的に、又は上述のことと組み合わせて、このことは、ビーム18は、ビーム28が実質的に発光装置1を離れる角度とは異なる角度で発光装置1を実質的に離れるという事実が理由でもあり得る。
【0044】
このことは、更に、図2aないし3hを参照して説明される。図2aないし3hは、概略的に、このことが本発明の実施例において達成され得るのかを示している。結果は、図3bないし3d、3fないし3h、概略図2c、4及び5に示されている。上述のように、OLED20は、第1面20a及び第2面20bを有し、これらは、有機層20にほぼ並行にある。上述のように、従来型のOLEDは、一般的に、装置から出る、すなわち第1面20a、第2面20b又は面20a及び20bの両方から、例えば、面20a及び/又は20bに直交する方向へ(有機層からの)光の結合を促進するための構造を有する。更に、装置20は、面20a及び/又は20bにほぼ直交する縁部20cを有する。縁部20cは、1つ以上の縁部20cを参照し得る。縁部20cは、有機層にほぼ直交するように配置される装置20の縁部であり、縁部20a及び20bは、OLED20における有機層22にほぼ並行な第1及び第2層のそれぞれの外側面、すなわち、それぞれOLED20の前面及び後面である。
【0045】
しかし、本発明において、界面22−24、22−23、24−外部又は23−外部のうちの1つ以上において光の結合を向上させる構造がないことが好ましいので、光21は、全ての表面20a、20b及び20cにおいてOLED20を離れるが、優先的には、側面すなわち縁部20cで離れる。このことは、図3a、3b及び3cにおいて示される。商業的に入手可能な光学的光線トレースプログラムがOLED20の出力をシミュレートするのに使用されている。
【0046】
初めに、長方形縁部20c(図3a)を有するOLED20がシミュレートされている(ほぼ並行な第1及び第2面20a・20cに対して直角である)。この場合、縁部における輝度は、OLEDの上部表面20bからよりも3倍高い(図3b)。縁部輝度強度分布は、図3c及び3bにおいて示される。A方向はy軸に並行であり、B方向は、x軸に並行であり、C方向は、z軸に並行である(図4も参照)。このことは、光21が(本質的に)縁部20cから入来し、床及び天井との並行な配置を仮定すると、床方向及び天井方向の2つの方向へ照らすことを意味する。同様に、このことは、1つ以上のOLED20を含む窓枠40へ適用され得る。この場合、OLED光21は、全ての表面40a、40b及び40cで窓枠40を離れるが、優先的には、側面すなわち縁部40cにおいて離れる。縁部40cは、有機層にほぼ直交するように配置される窓枠40の縁部であり、縁部40a及び40bは、OLED20における有機層22にほぼ並行な第1及び第2層のそれぞれの外側面、すなわち、それぞれOLED20の前面及び後面である。
【0047】
好ましい実施例において、しかし、1つ以上の傾斜縁部20cを有するOLED20が、図2c及び図3dに概略的に示されるように、適用される。このことは、図2dにおいて概略的に示されるように、1つ以上の傾斜縁部40cを有する窓枠40も含む。図2dは、概略的に、透明材料に一体化される複数のOLEDを含む窓枠40を例示する。前面40a及び後面40bは、単数又は複数のOLEDの単数又は複数の有機層20に本質的に並行である。窓枠40の単数又は複数の縁部40cは、角度αで傾けられ得る。このことは、内部又は表面に1つ以上のOLED20が設けられる窓枠40が、傾斜縁部40cを含み得ることを意味する。傾斜縁部20cを有するOLED20の光線トレース結果は、図3f、3g及び3h(縁部輝度強度分布)に示される。この場合、光は、ほぼOLED20から入来し、特定の角度で天井又は床のいずれかを実施的に照らす。この場合、縁部20c又は40cにおける輝度は、OLED20の上部表面20bからよりも少なくとも約3倍高く、しかし、より高くあり得る。図3f及び3hにおいて、OLED20は、約45°の角度αを有する縁部20cを用いて使用され、図3gにおいてαは、0°よりもわずかに大きい。
【0048】
特定の実施例において、少なくとも1つのOLED20、又は少なくとも1つのOLEDを含む窓枠40を有する発光装置1が提供され、この場合、少なくとも1つのOLED20、又は少なくとも1つのOLEDを含む窓枠40は、それぞれ縁部20c又は40cに実質的に光21を放射するように構成される。ここでの「実質的に」又は「ほぼ」なる用語は、OLED20(又は窓枠40)を離れる光21の全体光束の少なくとも50%がこれらの縁部の外部表面全体から離れる状況を参照する。縁部20c及び40cは、それぞれ有機層22の平面に直交する、又は、任意選択的には傾けられる、OLED又は窓の縁部に関連する。代替的に又は任意追加的に、縁部は、図9に示されるように、OLED20に直交する法線18aに沿った、凹形状、凸形状又は波型形状を有する端部表面20f・40fを有する。このようにして、特別装飾照明又は照明的効果に関して適している所望な指定ビーム形状が得られる。図2c及び図2dにおいて、角度αは、縁部20c及び40cの傾きを反映する。図2aにおいて、この角度αは0°であり、αは、好ましくは0°より大きく且つ90°より小さい(1)、又は90°より大きく180°より小さい(2)。単数又は複数有機層22が天井(又は床)にほぼ並行である構成を仮定すると、前者の構成(1)は、例えば、床などの、装置1の下に位置される目標物を優先的に照らすのに有利であり、後者の構成(2)は、例えば天井などの、装置1の上に位置される目標物を優先的に照らすのに有利である。このようにして、装置1は、少なくとも1つのランプ10によって生成される光11のビーム18及び少なくとも1つのOLED20によって生成される光21のビーム28が装置1を分離された角度で離れ得る装置1が提供される。一方で、図3b、3c及び3bにおいて、他方で、図3f、3g及び3hにおいて確認され得るように、傾斜縁部20c及び40cの使用は、縁部20c及び40cから逃げる光の増加及び/又は再分配を生じさせる。例えば、図3b(傾きα=0)における上方及び下方への光の相対的に対称的な分布は、傾斜縁部を使用する場合、相対的により下方へ向けられる光を有する図3fの分布に変更される。
【0049】
理解のために、窓枠40に関する更なる参照が、以下にされ、上述のように、この窓枠40は、1つ以上のOLED20からなり得る(上記も参照)、又は1つ以上のOLED20を含み得る。
【0050】
したがって、ある実施例において、窓枠40は、少なくとも1つのOLED20に対する法線に対して角度α(傾斜角)で傾けられる少なくとも1つの縁部40cを有し、この場合に0°<α<90°又は90°<α<180°である。この法線は、前面40a及び底面40b(又は20a及び20b)のそれぞれに対する法線にほぼ並行である。図2b及び2dにおいて、両方の描画される縁部(図2bにおける縁部20c及び図2dにおける縁部40cのそれぞれ)は、傾斜角αを有する。傾斜角αは、各縁部40cに関して異なり得る。窓縁は、円形で1つの縁部40cのみを有し得る、又は三角形、正方形、長方形など異なる形状を有し得る。1つ以上の縁部は、同一の傾斜角αを有し得る。しかし、αは、単数又は複数の縁部40cに沿って変化もし得る。偶数の縁部40c(≧2)を有するシステムにおいて、少なくとも1つの縁部40cは、互いに対向して配置され、これらの対向縁部(20c)は、独立して角度αで傾けられ得る。「独立して」という用語は、ここでは、傾斜角αが対向縁部40cに対して同一であり得る構成を参照するが、当然同一でなくもあり得る。傾斜角αは、単数又は複数の縁部40cにわたり変化し得る。このことは、1つ以上の縁部40cが存在する場合、異なる縁部40cが異なる傾斜角αを有し得、及び/又は1つ(円形)又は複数の(三角形、正方形、及び長方形など)の縁部が変化する傾斜角αを有し得ることを意味する。長方形又は正方形枠40を仮定する場合、2つの対向する縁部40cは、好ましくは、傾斜角αで独立して傾けられ、両方は、好ましくは、同一の傾斜角αを有する。
【0051】
図4は、発光装置1の特定の実施例を示し、この場合、ビーム18が窓枠40に対する法線18aを有し、ビーム18が、窓枠40に対する法線18aに対して角度β1でビームを実質的に制限し、加えて、この場合、少なくとも1つのOLED20が、光21をビーム28へ生成するように構成され、OLEDビーム28は、窓枠40に対する法線18aに対して最小角γ1と窓枠40に対する法線18aに対して最大角γ2とを有するビームに実質的に制限される。実際、法線18aは、OLED20に対する法線(又は有機層22に対する法線)である。したがって、γ2>γ1、γ2>0°であり、好ましくは、γ2≧β1(図4において、γ2はβ1より大きい)、γ1≧0°、β1>0°である。
【0052】
ここで、ほぼ平坦な窓枠40が示されるが、他の実施例において、1つ以上のOLED20を有する窓枠40も曲げられ得る。当業者にとって明らかであるように、窓枠40は、複数の窓枠をも有し得、1つ以上のこの窓枠40は、1つ以上のOLED20を含む。
【0053】
図4は、法線18aに対する対称的な光分布を仮定し、この場合、角度β1=β1'、γ1=γ1'及びγ2=γ2'である。ここでは、γ2>γ1である。他に示されていない場合は、ほぼ対称的な光分布が仮定される(鏡面対称:図8a、8b及び8dも参照)。更に、図4は、発光装置1の水平配置、すなわち、窓枠40が床及び天井に対してほぼ並行であることを仮定する。当業者にとって明らかであるように、本発明は、このような実施例に制限されない。図4において、観者が18'に位置され、そして左又は右に移動した場合、この観者は、ほぼ同様な光分布を経験し得(図3b、3c及び3dも参照)、同じようにして、後方へ移動する又は立ち上がる観者も、同様に、ほぼ同様な光分布を経験し得る。したがって、β1、γ1及びγ2を参照する場合、他に示されない場合は、以下のように、β1'、γ1'及びγ2'にもそれぞれ参照がされる。これらの角度はビーム18及び28の2次元の記述、すなわちX(又はB)及びZ(又はC)の平面における記述に関して参照することを注意されたい。当業者にとって知られているように、Y(又はA)及びZ(又はC)の平面における光分布は、前者とは異なり得る(図8aないし8dの記述において以下を参照)。
【0054】
更に、図4は、発光装置1が、例えば照明器具における管状発光ランプなどとして、構成される実施例を概略的に例示する。図4において(しかし図5及び7においても)確認され得るように、光32の大部分は、下方へ向けられる。したがって、角度18'は、直角であり、このほぼ水平な配置において、「天底」としても記され得る。
【0055】
本発明の可能な実施例のうちの1つを例示する概略的な図4において、2つの明確な照明領域が確認され得、1つの領域180は、角度β1(ここではβ1=β1')によって制限されるビーム18によって実質的に照らされ、別の領域280では、少なくとも1つのOLED20からの発光は角度γ2(ここではγ2=γ2')によって制限されるビーム18の形式で受け取られる。当業者にとって、そして例えば、図3b、3c、3d、3f、3g及び3hからも明らかであるように、少なくとも1つのOLED20は、γ1≠0°である場合、γ1(及びγ1')より小さい角度でも照射され得る。しかし、αが90°より小さく且つ0°より大きい場合において特に、角度γ1(γ1≠0°である)とγ2との間の光束は、γ1に制限される領域に対してより更に向上され得る(図3h参照)。
【0056】
角度γ2及びβ1、及びある実施例において角度γ1は、特に、カットオフ角を参照する。カットオフ角という用語は、当業者にとって知られており、垂線(ここにおいて、18'に対する点線)に対する光源における直接光(すなわち、それぞれビーム18及び28)の方向から引かれる線によって形成される角度を言及し、前記カットオフ角を越えると直接光は放射されない。「カットオフ角を越えると直接光は放射されない」というフレーズは、「European Standard EN I 12464-I (-SC/02168, revised December 11, 2002)」の意味で理解されるべきであり、この場合、制限は、≦1000cd/m2の輝度に設定される。したがって、γ2及びγ1、又はγ1=0°である場合のγ2単独は、好ましい実施例におけるビーム28を規定し、この場合、γ2より小さい角度(且つγ1≠0°である場合にγ1より大きい角度)で、発光装置1の少なくとも1つのOLED20は、1000cd/m2を越える輝度を提供し、そして、γ2と等しい又はより大きい角度且つ(γ1≠0°である場合に)γ1と等しい又はより小さい角度)で、発光装置1の少なくとも1つのOLED20は、≦1000cd/m2の輝度を提供する。同様に、β1は、好ましい実施例におけるビーム18を規定し、この場合、β1より小さい角度で、発光装置1の少なくとも1つのランプ10は、1000cd/m2を越える輝度を提供し、そして、β1と等しい又はより大きい角度で、発光装置1の少なくとも1つのランプ10は、≦1000cd/m2の輝度を提供する。したがって、この実施例における発光装置1が動作状態にあり、観者がγ2と等しい又はより大きい視角で装置1を見る場合、少なくとも1つのOLED20及び少なくとも1つのランプ10の輝度は、≦1000cd/m2になる。視角が減らされγ2よりも小さくなるが、γ1(γ≠0°である場合)より大きい場合、1000cd/m2より多いOLED輝度が観察される。β1より小さい角度において、1000cd/m2より多いランプ10輝度が受け取られ得る。
【0057】
したがって、発光装置のある実施例において、少なくとも1つのランプ10は、光21をビーム18へ生成するように構成され、少なくとも1つのOLED20は、光21をビーム28へ生成するように構成され、この場合、少なくとも1つのOLED20に対する法線に対して、第1ビーム18が、カットオフ角β1を有し、第2ビームが、カットオフ角γ2及び任意選択的にカットオフ角γ1を有し、γ2>γ1であり、好ましくは、γ2≧β1である。≧β1の角度において、第1ビーム18による発光装置1の輝度と、≧γ2である角度において、第2ビーム28による発光装置1の輝度とは、好ましくは、独立して、≦1000cd/m2である。<β1の角度において、第1ビーム18による発光装置1の輝度と、<γ2(且つγ1≠0°である場合により大きい)である角度において、第2ビーム28による発光装置1の輝度とは、独立して、>1000cd/m2である。γ≒0°である場合、ビーム28は1つのカットオフ角のみを有する。
【0058】
好ましい実施例において、γ2>β1(すなわち、β1<γ2及びβ1>0°)である。このようにして、「コア」ビーム18が例えば照明などに関して使用され、ビーム28における光が発光効果を提供する発光装置1が提供され得、光効果は、少なくとも1つのランプ10のビーム18の周りに生成され得、ハロー(後光)に類似する。
【0059】
オフィス応用例を鑑みると特に、β1は、ギラツキを軽減させるために0<β1≦65°、別の実施例において0<β1≦55°、そして更に別の実施例において0<β1≦30°、であるように選択されるのが好ましい。一般照明応用例における天井照明として使用される発光装置10を仮定すると、β1≦65°及び好ましくはβ1≦30°である場合、ギラツキは最小化される。ビーム28におけるOLED光21が一般的に弱い方であるので、OLED光21によるギラツキは、ほぼ無くあり得る。ある実施例において、γ1≧30°、好ましくはγ2≦65°である。好ましくは、γ2≧β1、より好ましくはγ2>β1である。より更なる実施例において、0<β1≦10°であり、このような構成は、少なくとも1つのランプ10が比較的狭い角度β1で光18を供給する、「アクセント照明」として使用され得る。
【0060】
別の好ましい実施例において、γ1≧β1である。特にγ1≧β1である場合、少なくとも1つのOLED20は、図4に示されるように、光の第1ビーム18の実質的に外側に光のビーム28を供給するように構成される。「光の第1ビーム18の実質的に外側に光の第2ビーム28」というフレーズは、当業者にとって明らかである。このことは、特に、少なくとも1つのOLED20が領域180の外側の領域にビーム28を実質的に供給するような光の分布を言及する。このような構成は、少なくとも1つのランプ10及び少なくとも1つのOLED20からの光32を有する装置10を提供する一方で、ランプ10のビーム18の外側において、OLED光21が(「ビーム」28として)見ることが出来るようになり、輝度表示発光が得ることが可能である。ある実施例において、OLED光28が支配的でありしたがって見ることが可能である角度分布は、表示看板(indication signs)を探している店舗主にとって一般的なことである。OLED20の幾何形状を(上述されるように傾斜縁部20c及び40cのそれぞれに対して)成形することによって、OLED光の角度光束分布は、上述されるように、効果を向上させるように更に調整され得る。したがって、本発明の実施例は、(従来型光源であり得る)ランプ10及びOLED20の角度光束分布の間の差は、相対的に分厚い又は複雑な光学系を用いることなく、比較的容易に獲得され得る発光装置1を提供する。しかし、γ2>β1であるいずれかの構成に関しても、OLED光28がランプ光18から角度的に分離され、このビーム18の外側に見られる発光効果が生成される。
【0061】
他の実施例において、γ1≦β1であり、特にγ1=0°でもある場合、ビーム18及び28は少なくとも部分的に重なり合う。このような実施例は、例えば少なくとも1つのOLED20が色付き光を提供することが可能である場合、例えば色変化を提供するのに使用され得る。更に、γ2>β1でもある場合、ビーム18による照明及びビーム28からの発光の上述の組み合わせが達成され得る。
【0062】
別の実施例において、γ2=β1である。γ1=0°且つγ2=β1である場合、ビーム18及び28は本質的に重なり合う、すなわち、ビーム18及びビーム28は、ほぼ同一のカットオフ角を有する。γ1≠0°(すなわちγ1>0°)且つγ2=β1である場合、ビーム18及び28は本質的に重なり合うが、ビーム28の強度は、窓枠40に対する法線18aにおいて相対的な最小値を有し、このような構成を有する発光装置1の輝度強度を示し得る図3hも参照されたい。これらの実施例も、色変化を提供するように使用され得る。
【0063】
同様に別の実施例において、2°<γ2≦65°、0°<β1≦30°、及びγ2>β1である。このような実施例は、特に0<β1≦10°である場合、ランプ10を「アクセント照明」として有する発光(OLED光21)に関して使用され得る。
【0064】
別の特定の実施例において、γ2<β1である。このようにして、ビーム28としての少なくとも1つのOLED20のOLED光21は、少なくとも1つのランプ10のビーム18内に見受けられ得る。このような構成は、光32の「コロナ」効果を提供し得る。例えば、OLED20が赤色光を提供し、ランプ10が白色光を提供する場合、赤色光スポットがビーム18内に観察され得る。
【0065】
図9において発光装置1の代替実施例において概略的に示されるように、発光装置1は、OLED20の凹状表面20f及び窓枠40の凸状表面40fをそれぞれ有する。このことは、法線18aにほとんど直交する方向への狭いビーム28を生じさせ、この場合、γ1は約80°であり、γ2は、約100°であり、γ1=γ1'及びγ2=γ2'である。
【0066】
更に別の実施例において、図7に概略的に例示されように、ランプ1は、2つの開口を含み、これらの開口は、少なくとも1つのランプ10からの光をこれらの開口を通じて好ましくは異なる方向へ通過させるように構成される。図7において、ランプ1は、第1開口52(1)及び第2開口52(2)を含み、これらの開口は、この実施例において、少なくとも1つのランプ10に対して、互いに対向している。この実施例において、1つ以上のビーム操作器30が、2つの方向へ、すなわちビーム操作器30における開口52(1)及び開口52(2)の方向へ(ここで、ハウジング50における開口)光11を操作するように構成される。したがって、別の好ましい実施例において、本発明は、少なくとも1つのランプ10が、第1開口52(1)の方向へ少なくとも1つのランプ10によって生成される光11の光束全体の少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%を提供し、且つ、第2開口52(2)の方向へ光11の光束全体の少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%を提供する要に構成される第1開口52(1)及び第2開口52(2)を更に含む発光装置1を提供する。開口52(1)及び52(2)を通ずる光束は、例えば、100:0(上述のように開口がない)、80:20、60:40、70:30及び20:80などの比率を有し得る。光束のパーセントは、100%にまで加えられる。第1開口52(1)は、図4、5及び6において開口52として示される開口である。少なくとも1つのOLED20を有するのはこの開口である。当業者にとって明らかであるように、第2開口52(2)も少なくとも1つのOLEDを有し得る。
【0067】
図7に概略的に示される実施例において、光11の少なくとも一部は、第2開口52(2)を介して発光装置1から逃げる。ビーム操作器30は、少なくとも1つのランプ10の光11の光束全体の少なくとも一部を下方へ反射し、少なくとも1つのランプ10の光11の光束全体の少なくとも一部を別の方向へ反射するように構成され得る。この上方/下方光分布は、下の部屋及び上の天井の両方を照らすための吊し照明器具において使用され得る。この特定の実施例において、透明OLED20は、床へ反射するビームに、天井へ向けられるビームに、又は両方に配置される。これらの実施例において、透明OLED20は、したがって、ランプ10の光束全体の一部のみを透過させる。本発明は、吊し発光装置1に制限されない。
【0068】
したがって、当業者にとって明らかであるように、1つ以上の開口52を含むハウジング50の1つ以上の幾何形状、ハウジング50に対する少なくとも1つのランプ10の配置、及び1つ以上のビーム操作器30の任意選択的な存在(並びに任意選択的なビーム操作器30に対するランプの配置)は、光11の光束全体の少なくとも一部を(開口52(1)に含まれる)少なくとも1つのOLED20へ向け、ビーム18が生成される一方で、光11の光束全体の少なくとも一部は、第2開口52(2)を介して発光装置1から逃げる。
【0069】
当業者にとって明らかであるように、開口52(1)及び52(2)は交代可能であり、例えば、開口52(1)の代わりに、開口52(2)が少なくとも1つのOLED20を含み得る。β1、γ1及びγ2に関する条件で上述される好ましい実施例は、発光装置の1つ以上の開口又は窓52を言及し、これらは、図7における開口52(1)及び図4及び5における開口1など、使用時に、特に上述の使用時において、発光装置1のほぼ下方向へビーム18を提供するように構成されるべきである。
【0070】
更に別の実施例において、本発明に従う発光装置1は、例えば、壁を照らすために(ウォールウォッシュ応用例)、少なくとも1つのランプ10の非対称なビームを提供し、OLEDは案内(ガイダンス)に関して使用される。ここで、β1≠β1'であり、β1>β1'又はβ1<β1'のいずれかである。例えば、β1は約0°であり得、β1'は約80°であり得る。当業者にとって明らかであるように、このことは、β1'は約0°であり得、β1は約80°であり得る実施例と等価である。β1及びβ1'のうちの1つは、好ましくは≦10°であり、β1及びβ1'のうちの他方は>10°であり、好ましくは>45°、より好ましくは約60°及び90°の間、好ましくは約85°より少なくあり得る。この場合、ビーム18の光分布は非対称であり得、ビーム28の光分布はなお対称であり得るが、非対称でもあり得る。例えば、傾斜角αは単数又は複数の縁部40cにわたり変化する(すなわち、1つ以上の縁部に関してα及び/又は2つ以上の縁部に関して異なる傾斜角αを変化させる)場合、非対称なビーム28が動作においてOLED20によって生成され得る。好ましい実施例において、γ2及びγ2'の両方が好ましくはビーム28を規定し、この場合(すなわち、γ2及びγ2'より小さい角度で)発光装置1の少なくとも1つのOLED20は、1000cd/m2を越える輝度を供給し、γ2及びγ2'と等しい又はより大きい角度で、発光装置1の少なくとも1つのOLED20は、≦1000cd/m2の輝度を提供する。好ましくは、γ2及びγ2'は、独立して両方とも約65°より小さい。
【0071】
したがって、特定の実施例において、少なくとも第1ビーム18は、非対称な分布を有する。より別の実施例において、少なくとも第2ビーム28は、非対称な分布を有する。
【0072】
本発明の発光装置1は、店舗、病院、診療所、オフィス、通路、トンネル、屋内避難経路、乗船通路(例えば、飛行機又は電車における)、エレベータ、エスカレータ、パブ・レストラン及びホテルなどのホスピタリティエリアなど、一般照明及び表示灯が必要とされ得るいかなる環境においても適用され得る。
【0073】
特定の実施例において、例えば、店舗、特に天井の高い店舗などにおいて、輝度照明が使用され得、これにより、例えば、肉に関しては赤、野菜に関しては緑、及び魚に関しては青などの、特定の買い物の内容で領域を示すようにされる。現在、このことは、2つのランプシステム、すなわち、一般「店舗」照明に関する照明システム及び表示照明に関する照明システム、の導入を必要とする。この問題は、本発明の発光装置1によって解決され得る。したがって、発光装置1として上述されるハイブリッドOLED−ランプシステムの実施例は、(従来型の単数又は複数のランプ/単数又は複数のLEDによる)一般照明の機能10と、単数又は複数のOLED20による表示照明の機能を組み合わせる。単数又は複数のOLED20はほぼ透明であるので、2つの光源10・20は、容積を最小にするために互いに重ねて配置されるのが好ましい。このような応用例に関して、少なくとも1つのOLED20は、色付きの光21を生成するように構成される。
【0074】
本発明のランプを用いて達成され得る特性輝度強度の例は、図8aないし8dに概略的に例示される。これらの図において、破線は、y方向への光の輝度強度を反映し、一方で、実線は、x方向への光の輝度強度を反映する(図4も参照)。これらの図は、ビーム18における光に特に関連し得、ビーム28における少なくとも1つのOLED20の光は、同一に分布され得るが、好ましくは、上述されるように、異なって分布され得る。図8aは、典型的に、発光管応用例(TL)を例示する。図4において、発光装置1は蛍光管である場合、x方向へ動く観者は、y方向へ動く場合とは別の光分布を経験する。図8bは、概略的に、両方の分布がほぼ等しいダウンライト応用例を概略的に例示する。後者の場合において、輝度強度分布は、両方の方向において類似し得る。図8cは、ウォールウォッシュ応用例を概略的に例示する。この場合、光分布は、少なくともビームの1つの方向において、非対称である。本発明において、これは、特にビーム18であり得る。そして図8dは、発光装置1の上面からも光が逃げる応用例を例示する。
【0075】
「輝度(luminance)」という用語は、当業者にとって知られており、表面の明るさの尺度を言及する。「照度(illuminance及びillumination)」という用語は、当業者にとって知られており、表面に入射する光の量を言及する。
【0076】
上述されるように、「少なくとも1つのランプ10」という用語は、複数のランプも含み得る。その実施例は、図5に概略的に示される。この図において、2つのランプが「ランプ」10として適用される。このような照明器具は、多くの場合、オフィス照明において使用される。同様に、複数のOLEDも使用され得る。
【0077】
図1、4、5及び7において概略的に例示される発光装置1は、例えば、ビーム18及び/又はビーム28の(更なる)操作に関するルーバなど、示されない更なる構成を有し得る。ルーバに加えて又は隣接して、発光装置1は、少なくとも1つの方向へのOLED光28を実質的に遮るように構成される要素を含み得る。OLED光は本質的に縁部20c及び40cからそれぞれ2つの方向へ逃げるので、これらの方向のうちの1つが遮られ得る。図3b/3c及び3f/3gを特に参照すると、上方へ放射される光の少なくとも一部を遮ることは興味深くあり得る。同様に、発光装置1は、スポットライトにおいて時々使用されるような反射器などの、少なくとも1つのランプの光11の少なくとも一部を遮る要素も含み得る。
【0078】
図6に概略的に例示される、より別の実施例において、少なくとも1つのOLED20は、本文書では参照符号10として示される、管型発光管(TL)又は蛍光灯において配置され得る。単数又は複数のOLED20が、ランプ10の外側表面に巻かれる、折り畳まれる、覆われる、又は装着され得る。このような発光装置1は、それ自体、装置1によって放射される光32がOLEDの強度及び/又は色を選択することによって変調され得るという有利な点を有する。例えば、少なくとも1つのOLED20は、蛍光灯の白色光11を色付きの光へ修正し得る。このような発光装置は、所望な応用例に応じて、照明用の光11と発光用の光21を提供する機能性を組み合わせるある種の多目的発光装置1でもあり得る。
【0079】
発光装置は、光強度及び任意選択的に1つ以上の光源10・20の色を制御する(示されない)制御器を更に含み得る。このことは、少なくとも1つのランプ10を形成する複数の光源のうちの個別の光源の強度又は色、及び/又は少なくとも1つのOLED20を形成する複数のOLEDのうちの個別のOLEDの強度又は色を制御することを含み得る。制御器は、ユーザの雰囲気など、発光装置1の応用例に依存して、光源10・20の強度を制御する又は所望な色を選択する、タッチ制御及びスライドスイッチなどスイッチなどを有する「ハードウェアのみの」システムであり得る。更に、光源10・20の強度及び/又は色は、(示されない)センサによって測定され得る外部供給源(太陽など)の光強度、温度、時間などの外部パラメータに依存し得る。制御器は、リモートコントロールを介して操作され得る。制御器は、バラストなどの、例えば光源を制御するための当業分野において知られる手段を用いて1つ以上の光源10・20の強度を制御し得る。
【0080】
更に別の実施例において、制御器は、実行可能な命令を有するメモリと、
(i)(1)1つ以上のセンサ、及び
(2)ユーザ入力装置、
の群から選択される1つ以上の要素からの1つ以上の入力信号を受け、
(ii)1つ以上の光源10・20の強度及び/又は色を制御するために1つ以上の出力信号を送信する、
入力/出力ユニットと、実行可能な命令に基づき1つ以上の入力信号を1つ以上の出力信号へ処理するように構成される処理器と、を含み得る。
【0081】
制御器は、それ自体、1つ以上の第1光源10及び第2光源20をオン及びオフに切り替える機能、光11の強度を決定する機能、光21の強度を決定する機能、光32の強度を決定する機能、光11の色を決定する機能、光21の色を決定する機能、光32の色を決定する機能、光11、光21及び光32のうちの1つ又は複数ものの光の1つ以上の色又は強度が時間、温度及び外部供給源の光強度などの1つ以上の外部パラメータに依存するか否かを決定する機能、のうちの1つ以上の機能を提供し得る。
【0082】
「上部」及び「底部」、並びに「左」及「右」なる用語は交代可能であることを特記されるべきである。
【0083】
上述の実施例は、本発明を制限するものよりもむしろ例証するものであり、当業者が、添付の請求の範囲から逸脱することなく、多数の代わりの実施例を設計することが可能であることを注意しなければならない。請求項における如何なる参照符号も請求項の範囲を制限するように解釈されてはならない。「有する・備える」という動詞及びその活用形の使用は、請求項に記載される以外の要素又はステップの存在を排除しない。単数形の構成要素は、複数個の斯様な構成要素の存在を排除しない。本発明は、いくつかの個別の構成要素を有するハードウェアを用いて、及び適切にプログラムされた計算機を用いて実施され得る。いくつかの手段を列挙している装置請求項において、これらの手段のいくつかは1つの同じハードウェアの項目によって、実施化することが可能である。特定の手段が、相互に異なる従属請求項において引用されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利になるように使用されていることができないと示すものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.光を生成するように構成される少なくとも1つのランプと、
b.光を生成するように構成される少なくとも1つのOLEDと、
を含む発光装置であって、前記少なくとも1つのOLEDが、前記少なくとも1つのランプによって生成される前記光の少なくとも一部を透過させるように構成される、発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置であって、前記少なくとも1つのランプが、フィラメントランプ、蛍光灯、発光管、ハロゲンランプ、低圧ガス放電灯、高圧ガス放電灯、LED及びOLEDの群から選択される1つ又は複数のランプを含む、発光装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の発光装置であって、前記少なくとも1つのOLEDが、ポリLED及び低分子OLEDの群から選択される1つ又は複数のOLEDを含む、発光装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発光装置であって、前記少なくとも1つのランプが、前記少なくとも1つのランプによって生成される前記光の全光束の少なくとも40%で前記少なくとも1つのOLEDの少なくとも一部を照らすように構成される、発光装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発光装置であって、当該発光装置が、前記少なくとも1つのランプの光の少なくとも一部を操作し、且つ、操作される光で前記少なくとも1つのOLEDの少なくとも一部を照らすように構成されるビーム操作器を更に有する、発光装置。
【請求項6】
請求項5に記載の発光装置であって、前記ビーム操作器が、反射器及びコリメータメータの群から選択される1つ又は複数の装置を含む、発光装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の発光装置であって、前記少なくとも1つのランプが、少なくとも一部の周囲に配置されるビーム操作器の中に配置される、発光装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の発光装置であって、更に、前記少なくとも1つのOLEDを含む窓枠を含む、発光装置。
【請求項9】
請求項8に記載の発光装置であって、前記窓枠が、前記少なくとも1つのOLEDに対する法線に対して角度αで傾けられる少なくとも1つの縁部を有し、この場合に0°<α<90°又は90°<α<180°であり、好ましくは、少なくとも2つの対向する縁部が角度αで独立して傾けられている、発光装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の発光装置であって、前記少なくとも1つのランプが、光を第1ビームへ生成するように構成され、前記少なくとも1つのOLEDが光を第2ビームへ生成するように構成され、この場合に、前記少なくとも1つのOLEDに対する法線に対して、前記第1ビームが、カットオフ角β1を有し、第2ビームが、カットオフ角γ2及び任意選択的にカットオフ角γ1を有し、γ2>γ1であり、好ましくは、γ2≧β1である、発光装置。
【請求項11】
請求項10に記載の発光装置であって、角度≧β1における前記第1ビームによる当該発光装置の輝度、及び、角度≧γ2における前記第2ビームによる当該発光装置の輝度、が独立して1000cd/m2以下である、発光装置。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の発光装置であって、γ1=0°である、発光装置。
【請求項13】
請求項10乃至12のいずれか一項に記載の発光装置であって、γ2=β1である、発光装置。
【請求項14】
請求項10乃至12のいずれか一項に記載の発光装置であって、γ2≧β1である、発光装置。
【請求項15】
請求項10又は11に記載の発光装置であって、γ1≧β1である、発光装置。
【請求項16】
請求項10、11、13乃至15のいずれか一項に記載の発光装置であって、0°<β1≦65°である、発光装置。
【請求項17】
請求項10又は11に記載の発光装置であって、2°<γ2≦65°、0°<β1≦30°、γ2>β1である、発光装置。
【請求項18】
請求項10乃至12のいずれか一項に記載の発光装置であって、γ2<β1である、発光装置。
【請求項19】
請求項9に記載の発光装置であって、前記少なくとも1つの縁部が、前記OLEDに対する前記法線に沿って曲面を有する、発光装置。
【請求項20】
請求項10乃至19に記載の発光装置であって、少なくとも1つの前記第1ビームが、非対称な分布を有する、発光装置。
【請求項21】
請求項1乃至20のいずれか一項に記載の発光装置であって、前記少なくとも1つのOLEDが、前記少なくとも1つのランプの可視光に関して少なくとも70%の透過率を有する、発光装置。
【請求項22】
請求項1乃至21のいずれか一項に記載の発光装置であって、更に、第1開口及び第2開口を有し、前記少なくとも1つのランプが、好ましくは、前記少なくとも1つのランプによって生成される光の全光束の少なくとも20%を前記第1開口の方向へ供給し、前記光の全光束の少なくとも20%を前記第2開口の方向へ供給する、発光装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図3g】
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【図3h】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−517234(P2010−517234A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546844(P2009−546844)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050154
【国際公開番号】WO2008/090492
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】