説明

屋内栽培用棚ユニット

【課題】照明装置をバランスよく上側に付勢する付勢部材を設けることによって、照明装置の撓みを防止することができるとともに、植物の成状態が変化した場合や異なる植物を栽培する場合に、植物を載置した棚板と照明装置の間隔を容易に変更できる、屋内栽培用棚ユニットを提供する。
【解決手段】棚板10と、照明装置20と、棚板10及び照明装置20を支持するフレーム30と、照明装置20に設けられ、照明装置20を上下(棚板10に近接又は離反する)方向に移動させる一対の相対可動装置40、40と、照明装置20の外縁(本実施形態では、枠部材42の四隅)に設けられ、照明装置20を上方向に付勢する複数の付勢部材50と、前記棚板10に周設されるとともに、前記一対の相対可動装置40、40を支持する一対のフレーム35、35と、を備えて構成される屋内栽培用棚ユニット1とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内で行われる育成対象物の人工光による育成に用いられる、屋内栽培用棚ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光の代わりに人工光を照射することによって、屋内でも育成対象物(例えば植物や菌類など)を育成できることが一般的に知られている。例えば、植物に照射する人工光の光源として、発熱の少ない冷陰極蛍光ランプを使用することによって、周囲の温度変化を少なくできる。これによって、植物を載置する棚板と冷陰極蛍光ランプを配置する棚板の間隔を狭くすることで、棚全体を小型化できる培養・育成装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−75083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている発明は、支柱によって、板状の棚板を水平に支持する構造としている。しかし、前述の構造では、1段毎の棚板の面積を広くすることで、多くの植物を1度に同じ棚板に載置して効率よく植物を栽培しようとすると、その棚板(棚板に載置されている植物)全体を照らす為の照明装置の面積も広くしなければならない。しかし、照明装置の面積を広くした場合、照明装置は、自重により撓んでしまう(例えば、長手方向に撓んでしまう)と言う問題があった。
【0004】
また、照明装置を撓まないようにするために、照明装置を構成する枠などにリブなどを設けることも考えられるが、照明装置のコストが高くなるとともに、リブにより照明装置における光発生器の配置スペースが限られてしまうという問題もあった。
【0005】
また、各段の下の棚板と上の棚板の間隔は、その間に配置される柱の長さで決まってしまい、棚を一度組み立ててしまうと、その後各段の棚板の間隔を変えるには、一度、棚を分解して再調整しなければならないという問題があった。
【0006】
本発明は、斯かる実情に鑑み、照明装置をバランスよく上側に付勢する付勢部材を設けることによって、照明装置の撓みを防止することができるとともに、植物の成状態が変化した場合や異なる植物を栽培する場合に、植物を載置した棚板と照明装置の間隔を容易に変更できる、屋内栽培用棚ユニットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者の鋭意研究によって、上記目的は下記の手段によって達成される。
【0008】
(1)本発明は、育成対象物が載置される棚板と、前記棚板の上側に配置されて前記棚板に向かって光を照射する照明装置と、前記棚板及び前記照明装置の周囲を囲むように立設されるフレームと、前記フレームに固定されて、前記照明装置又は前記棚板を上方向に付勢する複数の付勢部材と、前記棚板と前記照明装置を近接及び離反する方向に往復移動させる相対可動装置と、を備えることを特徴とする、屋内栽培用棚ユニットである。
【0009】
(2)また、本発明は、前記付勢部材によって付勢される前記照明装置又は前記棚板は、水平方向に移動自在に支持されていることを特徴とする、(1)に記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0010】
(3)また、本発明は、前記フレームと、前記付勢部材によって付勢される前記照明装置又は前記棚板との間には、前記照明装置又は前記棚板が水平方向に移動自在とするための隙間が形成されていることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0011】
(3)また、本発明は、前記付勢部材は、前記照明装置又は前記棚板の複数の対向する位置に設けられていることを特徴とする、(1)乃至(3)のいずれかに記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0012】
(5)また、本発明は、前記付勢部材は、前記棚板と前記照明装置の間に設けられることを特徴とする、(1)乃至(4)のいずれかに記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0013】
(6)また、本発明は、前記付勢部材は、圧縮コイルばねであることを特徴とする、(1)乃至(5)のいずれかに記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0014】
(7)また、本発明は、前記照明装置は、光を発生する光発生器、及び前記光発生器の周縁を囲む枠部材を有して構成されており、前記付勢部材は、前記照明装置の前記枠部材を上方に付勢しており、前記相対可動装置は、前記枠部材の一対の対向外縁の中央近傍にそれぞれ設けられる直動機構と、前記一対の直動機構を連結するように設けられ、前記直動機構を同時に且つ同じ方向に可動させる連動機構と、を備えて構成されることを特徴とする、(1)乃至(6)のいずれかに記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0015】
(8)また、本発明は、前記直動機構は、ネジシャフトと、該ネジシャフトに設置されて該ネジシャフトの回転に伴って軸方向に移動するスライド部材と、前記ネジシャフトに設けられるプーリ又はスプロケットと、を備えて構成されるとともに、前記連動機構は、前記一対の直動機構の該一対のスプロケットの間に張設されて、前記一対のプーリ又はスプロケットを同時に回転させるベルト部材と、を備えて構成されることを特徴とする、(7)に記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0016】
(9)また、本発明は、前記照明装置は、光を発生する光発生器、及び前記光発生器の周縁を囲む枠部材を有して構成されており、前記付勢部材は、前記照明装置の前記枠部材を上方に付勢しており、前記照明装置の外縁近傍には、水平方向の移動規制部材を更に備えるとともに、前記フレームは、前記移動規制部材と間隔を空けて配置されるストッパーを備え、前記照明装置が前記フレームの外側方向に移動する場合に、前記移動規制部材が前記ストッパーに当接して、前記照明装置の前記フレームの外側方向の水平移動を規制することを特徴とする、(1)乃至(8)のいずれかに記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0017】
(10)また、本発明は、前記フレームは、鉛直方向に延在する筒状部材とされることで、該筒状部材の内部に前記付勢部材が収容されており、前記フレームには、鉛直方向にスライド用開口が形成されており、前記照明装置には、前記スライド用開口を介して前記フレーム内に挿入されて、前記付勢部材によって上方向に付勢される受部材が突出形成されていることを特徴とする、(1)乃至(9)のいずれかに記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0018】
(11)また、本発明は、前記フレームにおける前記スライド用開口の周縁は、前記ストッパーによって構成されていることを特徴とする、(10)に記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0019】
(12)また、本発明は、前記付勢部材を支持するとともに、該付勢部材の変形を防止する支持部材を更に備え、前記支持部材は、前記付勢部材の内側に係合し、該付勢部材を内側で支持する内側支持部材と、前記付勢部材の外側に係合し、該支持部材を外側で支持する外側支持部材と、を備えて構成されていることを特徴とする、(1)乃至(11)のいずれかに記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0020】
(13)また、本発明は、前記内側支持部材は、前記棚板から前記照明装置方向に立設する下側支持部材と、前記照明装置から前記下側支持部材に対向するように設けられる上側支持部材と、を備えて構成されていることを特徴とする、(12)に記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0021】
(14)また、本発明は、前記下側支持部材の長さと前記上側支持部材の長さの合計が、前記付勢部材の圧縮時の長さよりも短いことを特徴とする、(13)に記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0022】
(15)また、本発明は、前記外側支持部材は、前記筒状部材とされた前記フレームの該筒状部材の内部に設けられていることを特徴とする、(10)又は(11)に記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0023】
(16)また、本発明は、前記ネジシャフトに連結され、該ネジシャフトを回転するモータを更に備えていることを特徴とする、(8)乃至(15)のいずれかに記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0024】
(17)また、本発明は、前記光発生器は、前記枠部材内においてスライド可能に支持されていることを特徴とする、(9)乃至(16)のいずれかに記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0025】
(18)また、本発明は、前記光発生器は、白熱灯又は蛍光灯又はこれらの組合せであることを特徴とする、(9)乃至(14)のいずれかに記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0026】
(19)また、本発明は、少なくとも前記棚板及び前記照明装置を複数備え、複数の前記棚板及び前記照射装置を、鉛直方向に棚状態で連結することを特徴とする、(1)乃至(18)のいずれかに記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【0027】
(20)また、本発明は、前記鉛直方向に棚状態で連結した前記棚板及び前記照射装置は、更に水平方向に連結することを特徴とする、(19)に記載の屋内栽培用棚ユニットである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、棚板を上側方向に付勢する付勢部材を設けることによって、棚板の撓みを防止することができるとともに、育成対象物の育成状態が変わった場合や同じ棚で異なる育成対象物を栽培する場合に、育成対象物を載置した棚板と人工光源を配置した棚板の間隔を容易に変更できる、屋内栽培用棚ユニットを提供できるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0030】
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態にかかる屋内栽培用棚ユニットについて説明する。同図は、屋内栽培用棚ユニット1の分解した状態を示す概略斜視図である。
【0031】
屋内栽培用棚ユニット1は、棚板10と、棚板10の上側で、棚板10に対向するように配置される照明装置20と、棚板10及び照明装置20の周囲を囲むように立設されるフレーム30と、照明装置20の一対の対辺の中央近傍に設けられ、照明装置20を鉛直(棚板10に近接又は離反する)方向に移動させる一対の相対可動装置40、40と、フレーム30に設けられ、照明装置20の外縁の四隅を上方向に付勢する付勢部材50と、前記棚板10に周設されるとともに、前記一対の相対可動装置40、40を支持する一対のフレーム35、35と、備えて構成されている。また、棚板10の上面には、栽培用トレイ100が置かれるとともに、栽培用トレイ100の任意の位置には、複数の植物が載置される。
【0032】
本実施形態では、主に植物の栽培を例に示すが、屋内において人工光で栽培又は育成(培養)できるものであれば、植物に限定されるものでない。例えば、菌類などの培養に用いても好ましい。
【0033】
棚板10は、長方形の平板部材である。棚板10は、棚板10の自重や載置する栽培用トレイ100及び植物の重さに耐え得るように剛性の高い鉄等の金属で構成されている。棚板10は、周囲を囲むように立設される4つのフレーム30に溶接などによって固定されている。なお、棚板10は、栽培用トレイ100、栽培用トレイ100に載置する植物を乗せた場合でも、撓まない程度の剛性を備えているものであればよく、前述した金属製に限定されるものではない。また、棚板10は、曲げやリブ等を設けて撓みに対する剛性を向上するようにしても良い。
【0034】
また、棚板10は、フレーム30に直接に固定するものに限定されず、例えば、フレーム30で囲った枠組みの中に、複数の棚板10を棚状にして組み付けたラックを別途収納するようにしても好ましい。
【0035】
棚板10の四隅近傍には、照明装置20方向に立設して設けられた下側支持部材14(以下、下側ガイドと言うことがある)が設けられている(図2参照)。下側ガイド14は、後述する圧縮バネである付勢部材50の内側に係合するように構成され、付勢部材50をガイドするようになっている。
【0036】
照明装置20は、枠部材22と、光発生器24と、を備えて構成されている。
【0037】
枠部材22は、金属製で長方形の枠状部材である。枠部材22の長手方向には、1又は複数の光発生器24が、棚板10に向かって光を照射するように配置されている。枠部材22は、長方形の四隅近傍にそれぞれ受部材22Aが突出して設けられるとともに、枠部材22の一対の長辺22E、22Eの真ん中近傍には、相対可動装置40のスライド部材44と係合するシャフト係合部材22Bが突出して設けられている。
【0038】
受部材22Aは、フレーム30に形成されるスライド用開口32を介してフレーム30に挿入される。また、受部材22Aは、フレーム30との間に所定の隙間(例えば、5mm)を有する用に構成されている(図3参照)。つまり、照明装置20は、フレーム30との隙間によって、水平面内において微少な移動ができるようになっている。
【0039】
また、受部材22Aには、棚板10方向(鉛直下側方向)に突出するように、概略円筒形状の上側支持部材23(以下、上側ガイドと言うことがある)が設けられ、この上側ガイド23は、下側ガイド14と同様に、圧縮バネである付勢部材50の内側に係合するようになっている。
【0040】
なお、付勢部材50は、下側ガイド14と上側ガイド23との間にガイドされていない内部空間L3が設けられるように構成されている(図3(a)参照)。つまり、付勢部材50は、下側ガイド14と上側ガイド23によって、付勢部材50の全長の全範囲をガイドされているわけではなく、内部空間L3部分は水平方向に自由に動ける状態となっている。したがって、照明装置20は、バネの弾性及び内部空間L3の存在によって、フレーム30との隙間分だけ、水平方向に自由に移動ができるようになっている。
【0041】
換言すると、照明装置20は、下側ガイド14及び上側ガイド23を介して、フレーム30に設けられる付勢部材50によって支持されている。また、付勢部材50には、下側ガイド14及び上側ガイド23にガイドされていない内部空間L3を有するとともに、照明装置20の受部材22Aとフレーム30の間には隙間が設けられている。したがって、照明装置20は、圧縮バネである付勢部材50の弾性によって水平面内で微少移動できるようになっている。つまり、照明装置20の枠部材22が多少撓んだ場合でも、一対の相対可動装置40、40のスライド部材44、44とネジシャフト42、42が噛むのを防止することができ、照明装置20をスムーズにスライドすることができる。
【0042】
ネジシャフト係合片22Bは、略中央に嵌合孔22Cを有し、この嵌合孔22Cに相対可動装置40のスライド部材44(詳細は後述)の外周部分が嵌合して固定される。したがって、照明装置20の枠部材22は、スライド部材44と一体となり、ネジシャフト42の長手方向に移動できるようになっている。
【0043】
また、図1では省略しているが、枠部材22の一対の短辺22D、22D及び長辺22E、22Eの両端部近傍には、移動規制部材25が設けられている(図3参照)。この移動規制部材25は、照明装置20が水平方向に揺動した場合に、フレーム30に設けられているストッパー32(図3参照)と当接し、フレーム30の外側まで移動できないようになっている。
【0044】
光発生器24は、具体的には、電圧を印可することで発光する白熱灯や蛍光灯等の発光素子である。複数の光発生器24を枠部材22の長手方向に整列配置し、棚板10に載置される植物に向かって、満遍なく人工光を照射できるようになっている。なお、本実施形態では、枠部材22の枠内に複数の光発生器24を配置しているが、人工光を植物に向かって満遍なく、且つムラ無く照射できるものであれば、これに限定されるものでないことは言うまでもない。例えば、照明装置20の略全面を発光部とした板状の光発生器を一枚配置してもよい。この場合、光発生器24は、面状態で均一な光りを発することができるため、植物に対して、人工光をムラ無く、効率よく照射することができる。
【0045】
なお、光発生器24は、植物や菌類などの育成対象物を生成できる光(波長)を生成する光源であることが好ましく、例えば、LED(発行ダイオード)、白熱ランプ、蛍光灯、ナトリウムランプ、メタルハライドランプ等、又はこれらの組合せでも好ましい。また、光発生器24は、栽培対象である植物の種類や育成の状態(段階)によって、光の波長を変えるようにしても好ましい。具体的には、光発生器24は、植物の発芽段階では、赤外線に近い赤色光を照射し、茎伸長段階では、紫外線に近い青色光を照射できるように構成することが好ましい。
【0046】
前述したように、フレーム30は、断面が略L字形状の板金部材であり、棚板10及び照明装置20の周囲を囲むように立設されている。なお、フレーム30は、L字の曲げ内側に付勢部材50及び照明装置20の受部材22Aの少なくとも一部を収容できるようになっている。なお、フレーム30の内部に付勢部材50及び照明装置20の受部材22Aの少なくとも一部を収容できるものであれば、L字形状に限定されるものでなく、例えば、半円形状や、長手方向に延在する開口を有する筒状部材などでも好ましい。
【0047】
フレーム30は、棚板10及び照明装置20を支持できる剛性を備えていればよく例えば、高剛性の樹脂を使用しても好ましい。
【0048】
本実施形態では、フレーム30は、棚板10及び照明装置20の周囲の四隅に対応する位置に合計4つ立設される例を示したが、勿論、フレーム30の数は4つに限定されるものではない。例えば、長手方向側に対応する2つのフレーム30、30を一体にしてもよく(この場合、断面は略コの字形状となる)、4つのフレームを一体になるように形成(この場合、フレーム30は、棚板10の外縁の略全周に対向するように周設され、断面は概略ロの字形状になる)しても好ましい。
【0049】
また、フレーム30は、L字となる開口近傍の内側(照明装置20側)にストッパー32(図3参照)が設けられている。また、ストッパー32によって形成されるスライド用開口33を介して、フレーム30の内部に照明装置20の受部材22が挿入される。したがって、照明装置20は、鉛直方向に延在するスライド用開口33に沿って、鉛直方向に移動できるようになっている。
【0050】
なお、照明装置20が水平面内で大きく移動した場合には、照明装置20の移動規制部材25はストッパー32に当接し、照明装置20の水平面内の移動が規制される(図3参照)。
【0051】
また、相対可動装置40は、外周にネジ部42aが形成されたネジシャフト42と、ネジシャフト42(単に、シャフトと言うことがある)のネジ部42aと螺合するネジ孔44aが形成されたスライド部材44と、を備えて構成されている(ネジシャフト42とスライド部材44を合わせて直動機構と言う)。これにより、スライド部材44は、ネジシャフト42の回転に伴って、ネジシャフト42上を軸方向に直線的に移動できるようになっている。また、ネジシャフト42は、固定ジグにより回転可能に軸支された状態で、棚板10の一対の長辺22E、22Eの中央近傍に周設される一対のフレーム35、35に配設される。つまり、照明装置20は、ネジシャフト42の回転に伴って、フレーム35に対して鉛直方向に移動することができる。換言すると、照明装置20は、フレーム35の内側に固定されている棚板10に対して近接及び離反できるようになっている。
【0052】
なお、相対可動装置40は、本実施形態で示したように、ネジシャフト42とネジシャフト42に螺合するスライド部材44による、いわゆるボールネジ機構に限定されるものではなく、棚板10と照明装置20を近接及び離反できるものであれ良い。例えば、エアシリンダやリニアモータなどを用いても良い。
【0053】
また、一対の相対可動装置40、40のネジシャフト42、42は、連動機構46により同時に同じ方向に回転するように構成されている。連動装置46はベルト部材48を備えて構成されている。ベルト部材48は、金属製のチェーンベルトであり、一対のネジシャフト42、42のそれぞれに固定されるスプロケット47、47の間に巻かれる、動力伝達部材である。
【0054】
スプロケット47は、金属製の歯車状の動力伝達部材である。一対のスプロケット47、47に、金属製のチェーンベルト48を噛み合わせて巻くことによって、片方のスプロケット47の回転が他方のスプロケット47に伝達され、それに接続されているネジシャフト44が回転する仕組みになっている。
【0055】
この連動機構46により、一対のスライド部材44、44は、一対のネジシャフト42、42に対して同時に同じ方向にスライドすることができ、ネジ孔44aにネジ部22aが噛むことがなく、照明装置20は、鉛直方向にスムーズにスライドすることができる。
【0056】
なお、連動機構46は、一方の直動機構の動力を他方の直動機構へ伝達できるものであればよく、本実施形態に限定されるものではない。例えば、チェーンベルト48の代わりに、ゴムベルトなどを用いても良い。この場合、スプロケット47の代わりにプーリなどを用いるよって、連動機構46を軽量、且つ安価に製作することができる。
【0057】
更に、ネジシャフト42には、ラチェットハンドル49が係合するようになっており、ラチェットハンドル49によって、ネジシャフト42を時計回り又は反時計回りに回転することができる。ネジシャフト42の回転手段は、ラチェットハンドル49によるものに限定されるものではなく、例えば、電動モータを接続することによって自動で回転させても良いことは言うまでもない。
【0058】
次に、付勢部材50の構造及び機能について説明する。
【0059】
図2は、屋内栽培用棚ユニット1を側面方向から見た断面図である。なお、図2は、付勢部材50の構造を分かり易く表すため、特に図示したものを除き、棚板10、枠部材22、フレーム30、付勢部材50以外の構成物は省略している。
【0060】
圧縮バネ等である付勢部材50は、その下側において、棚板10から鉛直上側方向に立設された下側ガイド14に係合している。また、付勢部材50の上側において、照明装置20の受部材22Aから鉛直下側方向に設けられた上側ガイド23に係合している。また、前述したように、付勢部材50の下側ガイド14と上側ガイド23の間には、下側ガイド14及び上側ガイド23にガイドされない内部空間L3が設けられている。したがって、付勢部材50は、この内部空間L3部分において、バネの弾性により僅かに撓むことで、支持している照明装置20を水平方向に微少に移動することができる。
【0061】
なお、本実施形態の屋内栽培用棚ユニット1の棚板10及び受部材22Aの四隅の4か所に配置された付勢部材50はすべて同じ構造となっている。
【0062】
一方、棚板10は、その周囲を囲むように鉛直方向に立設される4つのフレーム30の任意の位置に固定されている。したがって、照明装置20は、フレーム30に固定された棚板10に対して近接及び離反するように移動する(同図(a)及び(b)参照)。
【0063】
また、同図(b)に示されるように、付勢部材50が最も縮んだ状態において、下側ガイド14と上側ガイド23が衝突しないようになっている。つまり、下側ガイド14の長さL1と上側ガイド23の長さL2の合計は、付勢部材50の圧縮時の長さlよりも短くなっている。このような構成にしていることにより、付勢部材50は、照明装置20を水平方向に移動させるために必要な内部空間L3を確保できる。
【0064】
また、付勢部材50は、フレーム30のL字の内側でもガイドされるようになっている。これにより、付勢部材50は、フレーム30によって外周側でガイドされ、下側ガイド14又は上側ガイド23から外れるのを確実に防止することができる。
【0065】
なお、付勢部材50となる圧縮バネのバネ係数は、照明装置20の重さ大きさなどによって、適宜選択して変えることが好ましい。
【0066】
また、付勢部材50は、圧縮状態で組みつけられているため、上側で支持している照明装置20に対して、常に伸びようとする方向に力を及ぼしている。つまり照明装置20は、四隅に配置された合計4つの付勢部材50によって、全体を鉛直上側に均等に押し上げる力を受けている。これにより、照明装置20の面積を広くする場合において、照明装置20の自重などにより、特に長手方向の端部側が下方向に撓もうとする力を、この四隅に配置された付勢部材50によって上側に押し上げることによって、照明装置20が撓むのを防止することができる。
【0067】
換言すると、屋内で植物を効率よく栽培する場合には、面積の広い棚板10の上にできるだけ多くの植物を一度に載置することが好ましく、そのため棚板10全体に人工光を照射できる大きな照明装置20が必要となる。また、面積の広い照明装置20の枠部材22では、枠が撓まないように強度補強のための梁を設けるのが一般的であるが、枠内に梁を設けることによって、光発生器24を設置するスペースが限られてしまい、植物へ均等に光を照射することができなくなってしまう恐れがある。このため、照明装置20の枠部材22の内側には強度補強のための梁などを設けないことが望まれる。一方、本実施形態の枠部材22は、小スペースで、且つ簡易な機構で、効率的に昇降できるように、一対の相対可動装置40、40を枠部材22の一対の長辺の中央に装置する構造としている。しかし、枠部材22は、一対の長辺22E、22Eの中央で一対の相対可動装置40、40によって支持されるために、中央から折れ曲がるような撓みが生じ易い。特に、枠部材22の面積が広くなるほど(大きくなるほど)、撓みが大きくなり照明装置20の昇降が困難になる場合がある。そこで、前述した付勢部材50は、枠部材22の四隅の下側から上方向に均等に押し上げる力を与えることによって、この撓みを防止し、照明装置20を広くした場合でも、照明装置20の円滑な昇降を行うことができるようにしたものである。
【0068】
次に、照明装置20の移動を任意の範囲内で規制する機構(移動規制部材25及びストッパー32)について説明する。
【0069】
図3は、照明装置20とフレーム30の関係を示す、照明装置20側から見た平面図である。なお、照明装置20の規制機構を分かりやすく表すため、特に図示した場合を除き、光発生器24などの構成物は省略する。
【0070】
前述したように、枠部材22の短辺22Dの両端部近傍には、移動規制部材25(Y軸方向の移動規制部材をY方向移動規制部材25Aと言う)が設けられ、長辺22Eの両端部近傍にも、移動規制部材25(X軸方向の移動規制部材をX方向移動規制部材25Bと言う)が設けられている。
【0071】
フレーム30側には、Y方向移動規制部材25AとY軸方向に任意の隙間(例えば、5mm)を隔てた位置にストッパー32(Y軸方向のストッパーをストッパー32Aと言う)が設けられている。これにより、枠部材22がY軸方向に撓んだり、振動などによってY軸方向に5mm以上動いた場合には、Y方向移動規制部材25Aとストッパー32Aが当接し、枠部材22のY軸方向の移動が規制される(同図(b)参照)。
【0072】
また、フレーム30のX方向移動規制部材25BとX軸方向に任意の隙間(例えば、5mm)を隔てた位置にストッパー32(X軸方向のストッパーをストッパー32Bと言う)が設けられている。これにより、枠部材22がX軸方向に撓んだり、振動などによってX軸方向に任意の隙間分(5mm)以上動いた場合には、X方向移動規制部材25Bとストッパー32Bが当接し、枠部材22のX軸方向の移動が規制される(同図(C)参照)。
【0073】
このように、枠部材22の四隅近傍にY、X方向の移動規制部材25を設け、枠部材22の四隅に周設されるフレーム30の対応する位置にストッパー32を設けることによって、枠部材22が撓んだり、枠部材22がフレーム30の外側まで移動するのを防止することができる。したがって、照明装置20が大きく撓むことにより、昇降できなくなるのを防止するとともに、付勢部材50から外れるのを防止することができる。
【0074】
なお、前述した屋内栽培用棚ユニット1を鉛直方向に重ねてもよい。図4は、屋内栽培用ユニット1を鉛直方向に3段重ねた状態の屋内栽培用棚ユニット2の側面図である。第1実施形態に係る屋内栽培用棚ユニット1と同じものについては、同一の番号を付すとともに、説明及び図示は省略する。
【0075】
屋内栽培用棚ユニット2において、棚板10は、フレーム30に任意の間隔で固定されている。各フレーム30には、それぞれ付勢部材50及び照明装置20が設けられている。したがって、照明装置20は、対応する各棚板10に対して個別に昇降できるようになっている。
【0076】
つまり、棚板10毎に、照明装置20の高さを調整することで、棚板10毎に異なる植物を栽培したり、育成状態の異なる植物を栽培することが可能となる。
【0077】
また、図5に示されるように、複数の屋内栽培用棚ユニット2を連続して配置するようにしてもよい。このようにすることによって、例えば、植物の育成初期段階においては、棚板10と照明装置20の距離が近く設定された屋内栽培用棚ユニット3Aで栽培し、植物が生長し茎伸長段階などでは、棚板10と照明招致20の距離がより離されて設定された屋内栽培用棚ユニット3Bに連続的に移動することによって、植物を効率的に栽培することができる。勿論、屋内栽培用棚ユニット3Aで使用する照明装置20の光の波長と、屋内栽培用棚ユニット3Bで使用する照明装置20の光の波長を異なるものを使用してもよいことは言うまでもない。
【0078】
なお、棚板10の底面を回転ローラとしても好ましい。例えば、長手方向に連続する回転ローラとすることで、栽培用トレイ100を出し入れし易くなり、例えば、図5に示されるように、屋内栽培用棚ユニット2を連続的に配置した場合には、次の棚ユニットにローラにより自動で搬送することがでる。
【0079】
また、相対可動装置40により棚板10を昇降するようにしても好ましく、相対可動装置40を操作することによって、棚板10と照明装置20を同時に反対方向に昇降するようにしても好ましい。棚板10と照明装置20を同時に反対方向に昇降させることによって、棚板10と照明装置20の調整ストロークが長い場合でも、迅速に調整することができる。
【0080】
また、付勢部材50を照明装置20の上側(照明装置20と図示しないフレームの間)に設けても良い。この場合、付勢部材50は引っ張りバネにして、照明装置20の四隅を上方向に持ち上げるようにすることがより好ましい。
【0081】
また、棚板10又は栽培用トレイ100に水平方向にフォトダイオードとフォトトランジスタからなる物体検知センサを設けても良い。これによって、植物が一定のサイズまで生長したのを検出し、自動で次の棚ユニットに搬送することができる。
【0082】
また、光発生器24を枠部材22内の水平方向に移動可能に構成してもよい。これによって、小さい光発生器24を植物のある場所まで移動することができ、効率よく植物に人工光を照射することができる。
【0083】
屋内栽培用棚ユニット1は、棚板10と、枠状の枠部材22と光発生器24と、を備える照明装置20と、棚板10及び照明装置20の四隅近傍の周囲を囲むように立設され、棚板10を支持するフレーム30と、を備えて構成される。また、フレーム30に配設され、棚板10又は照明装置20を鉛直上方向に付勢しつつ支持する付勢部材50と、枠部材22の一対の長辺22E、22Eの中央近傍に配設され、棚板10又は照明装置20を鉛直方向に移動させる一対の相対可動装置40、40とを備える構成とした。したがって、枠部材22は、付勢部材50によって、自重による撓みを抑えられるとともに、棚板10に対して近接又は離反するように移動することができる。
【0084】
また、付勢部材50によって付勢される棚板10又は照明装置20は、水平面内において移動自在に支持されるので、照明装置20の枠部材22が撓んだ場合でも、枠部材22は、任意の範囲で自在に微少移動し、フレーム30に固定されるネジシャフト42と照明装置20に固定されるスライド部材44の軸を同心とすることができる。これによって、照明装置20は、枠部材22が多少撓んだ場合でも、鉛直方向に移動することができる。
【0085】
また、フレーム30と、付勢部材50によって付勢される照明装置20又は棚板10との間には、照明装置20又は棚板10が水平方向に移動自在とするための隙間が形成されている。したがって、照明装置20は、水平方向に微少に移動することによって、フレーム30に固定されるネジシャフト42と照明装置20に固定されるスライド部材44の軸を合わせることによって、多少撓んだ場合でも垂直方向にスライドすることができる。
【0086】
また、付勢部材50は、枠部材22の一対の短辺22D、22D及び一対の長辺22E、22Eの両端近傍に設けられている。したがって、付勢部材50は、棚板10又は照明装置20の枠部材22の全体を押し上げ(上方に付勢する)、枠部材22の撓みを抑えることができる。
【0087】
また、付勢部材50は、圧縮コイルバネを使用している。圧縮コイルバネで照明装置20の四隅を持ち上げることによって、照明装置20の撓みを防止することができる。
【0088】
また、相対可動装置40は、枠部材22の一対の長辺22E、22Eの略中央に設けられる直動機構(例えば、ネジシャフト42とスライド部材44)と、前記直動機構を同時に且つ同じ方向に可動させる連動機構46とを備えて構成されている。したがって、照明装置20は、狭いスペースの中で、効率よく昇降できる機構を構成することができる。
【0089】
また、直動機構は、ネジシャフト42とネジシャフト42に沿って摺動するスライド部材44とを備えて構成されるとともに、連動機構46は、一対のネジシャフト42、42に係合して巻着付けられるベルト部材48とを備えている。したがって連動機構46は、ベルト部材48に連動して回転する一対のスプロケット47、47を介して、一対のネジシャフト42、42を同時に同方向に回転させることができる。
【0090】
また、照明装置20の外周には、移動規制部材25(Y方向移動規制部材25A、X方向移動規制部材25B)が設けられ、照明装置20の四隅に周設されるフレーム30には、照明装置20側に突出し、移動規制部材25に当接する位置にストッパー32(ストッパー32A、32B)が設けられている。したがって、照明装置20が、フレーム30から外側に移動するのを防止することができる。
【0091】
また、フレーム30は、鉛直方向に延在する筒状部材とされることで、筒状部材の内部に付勢部材50が収容されており、フレーム30には、鉛直方向にスライド用開口33が形成されており、照明装置20には、スライド用開口33を介してフレーム30内に挿入されて、付勢部材によって上方向に付勢される受部材22Aが突出形成されている。したがって、照明装置20は、スライド用開口33を介して、フレーム30に沿って鉛直方向に移動することができる。
【0092】
また、フレーム30におけるスライド用開口33の周縁は、ストッパー32によって構成されているので、照明装置20が、水平面内で大きく移動した場合に、移動規制部材25がストッパー32に当接して、照明装置20の移動を規制することができる。
【0093】
また、付勢部材50を支持するとともに、付勢部材50の変形を防止する支持部材(下側ガイド14及び上側ガイド23、フレーム30の内側)を備え、下側ガイド14及び上側ガイド23は、付勢部材50を内側で支持するとともに、フレーム30の内側は、付勢部材50の外周を支持する。したがって、付勢部材50は、バネの内側と外形で支持されるため、より確実に支持されることができる。
【0094】
また、下側ガイド14の長さL1と、上側ガイド23の長さL2の合計は、付勢部材50を最も圧縮した際の長さlよりも短くなるように構成され、付勢部材50の内側には内部空間L3を有するように構成されている。したがって、照明装置20は、付勢部材50を介して、水平方向に微少移動をすることができる。
【0095】
また、ネジシャフト42に連結され、ネジシャフト42を自動で回転させるモータを更に備えているので、照明装置20の昇降を自動で、迅速に行うことができる。
【0096】
また、光発生器24は、枠部材22内で水平方向に移動可能に設けられている。したがって、植物の位置により、光発生器24を移動させ、効率よく光の照射を行うことができる。
【0097】
また、照明装置20は、前述したように白熱灯や蛍光灯、又はこれらの組合せで構成することができる。したがって、植物の種類や育成段階に応じて効率よく、最もよく育成できる光源により栽培することができる。
【0098】
また、棚板10と、照明装置20を有する屋内栽培用棚ユニット1を鉛直方向に複数重ねた屋内栽培用棚ユニット2とすることができる。したがって、個々の棚板10と照明装置20の高さを調整することによって、棚板10ごとに異なる植物を栽培できる。
【0099】
また、屋内栽培用棚ユニット2を水平方向に連続させることができる。これによって、植物の育成段階に応じて、屋内栽培用棚ユニット3Aから屋内栽培用棚ユニット3Bへ連続的に搬送することができる。
【0100】
尚、本発明の屋内栽培用棚ユニットは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明の屋内栽培用棚ユニットは、屋内で行われる植物の人工光栽培の分野で利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】第1実施形態に係る屋内栽培用棚ユニット1の分解斜視図である。
【図2】(a)棚板10と枠部材22が離反した状態を示す、同屋内栽培用棚ユニット1の側面から見た断面図である。(b)棚板10と枠部材22が近接した状態を示す、同屋内栽培用棚ユニット1の側面から見た断面図である。
【図3】(a)同屋内栽培用棚ユニット1の平面図である。(b)Y方向規制部材25Aとストッパー32Aが当接した状態を示す、同屋内栽培用棚ユニット1のK部拡大図である。(c)X方向規制部材25Bとストッパー32Bが当接した状態を示す、同屋内栽培用棚ユニット1のK部拡大図である。
【図4】(a)屋内栽培用棚ユニット2の側面図であり、(b)屋内栽培用棚ユニット2の正面図である。
【図5】屋内栽培用棚ユニット3の側面図である。
【符号の説明】
【0103】
1 屋内栽培用棚ユニット
10 棚板
20 照明装置
22 枠部材
24 光発生器
30 フレーム
35 フレーム
40 相対可動装置
50 付勢部材
100 栽培用トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
育成対象物が載置される棚板と、
前記棚板の上側に配置されて前記棚板に向かって光を照射する照明装置と、
前記棚板及び前記照明装置の周囲を囲むように立設されるフレームと、
前記フレームに固定されて、前記照明装置又は前記棚板を上方向に付勢する複数の付勢部材と、
前記棚板と前記照明装置を近接及び離反する方向に往復移動させる相対可動装置と、
を備えることを特徴とする、屋内栽培用棚ユニット。
【請求項2】
前記付勢部材によって付勢される前記照明装置又は前記棚板は、水平方向に移動自在に支持されていることを特徴とする、
請求項1に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項3】
前記フレームと、前記付勢部材によって付勢される前記照明装置又は前記棚板との間には、前記照明装置又は前記棚板が水平方向に移動自在とするための隙間が形成されていることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項4】
前記付勢部材は、前記照明装置又は前記棚板の複数の対向する位置に設けられていることを特徴とする、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項5】
前記付勢部材は、前記棚板と前記照明装置の間に設けられることを特徴とする、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項6】
前記付勢部材は、圧縮コイルばねであることを特徴とする、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項7】
前記照明装置は、光を発生する光発生器、及び前記光発生器の周縁を囲む枠部材を有して構成されており、
前記付勢部材は、前記照明装置の前記枠部材を上方に付勢しており、
前記相対可動装置は、
前記枠部材の一対の対向外縁の中央近傍にそれぞれ設けられる直動機構と、
前記一対の直動機構を連結するように設けられ、前記直動機構を同時に且つ同じ方向に可動させる連動機構と、
を備えて構成されることを特徴とする、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項8】
前記直動機構は、ネジシャフトと、該ネジシャフトに設置されて該ネジシャフトの回転に伴って軸方向に移動するスライド部材と、前記ネジシャフトに設けられるプーリ又はスプロケットと、を備えて構成されるとともに、
前記連動機構は、前記一対の直動機構の該一対のスプロケットの間に張設されて、前記一対のプーリ又はスプロケットを同時に回転させるベルト部材と、
を備えて構成されることを特徴とする、
請求項7に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項9】
前記照明装置は、光を発生する光発生器、及び前記光発生器の周縁を囲む枠部材を有して構成されており、
前記付勢部材は、前記照明装置の前記枠部材を上方に付勢しており、
前記照明装置の外縁近傍には、水平方向の移動規制部材を更に備えるとともに、
前記フレームは、前記移動規制部材と間隔を空けて配置されるストッパーを備え、
前記照明装置が前記フレームの外側方向に移動する場合に、前記移動規制部材が前記ストッパーに当接して、前記照明装置の前記フレームの外側方向の水平移動を規制することを特徴とする、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項10】
前記フレームは、鉛直方向に延在する筒状部材とされることで、該筒状部材の内部に前記付勢部材が収容されており、
前記フレームには、鉛直方向にスライド用開口が形成されており、
前記照明装置には、前記スライド用開口を介して前記フレーム内に挿入されて、前記付勢部材によって上方向に付勢される受部材が突出形成されていることを特徴とする、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項11】
前記フレームにおける前記スライド用開口の周縁は、前記ストッパーによって構成されていることを特徴とする、
請求項10に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項12】
前記付勢部材を支持するとともに、該付勢部材の変形を防止する支持部材を更に備え、
前記支持部材は、前記付勢部材の内側に係合し、該付勢部材を内側で支持する内側支持部材と、
前記付勢部材の外側に係合し、該支持部材を外側で支持する外側支持部材と、
を備えて構成されていることを特徴とする、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項13】
前記内側支持部材は、前記棚板から前記照明装置方向に立設する下側支持部材と、
前記照明装置から前記下側支持部材に対向するように設けられる上側支持部材と、
を備えて構成されていることを特徴とする、
請求項12に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項14】
前記下側支持部材の長さと前記上側支持部材の長さの合計が、前記付勢部材の圧縮時の長さよりも短いことを特徴とする、
請求項13に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項15】
前記外側支持部材は、前記筒状部材とされた前記フレームの該筒状部材の内部に設けられていることを特徴とする、
請求項10又は11に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項16】
前記ネジシャフトに連結され、該ネジシャフトを回転するモータを更に備えていることを特徴とする、
請求項8乃至15のいずれか1項に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項17】
前記光発生器は、前記枠部材内においてスライド可能に支持されていることを特徴とする、
請求項9乃至16のいずれか1項に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項18】
前記光発生器は、白熱灯又は蛍光灯又はこれらの組合せであることを特徴とする、
請求項9乃至14のいずれか1項に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項19】
少なくとも前記棚板及び前記照明装置を複数備え、
複数の前記棚板及び前記照射装置を、鉛直方向に棚状態で連結することを特徴とする、
請求項1乃至18のいずれか1項に記載の屋内栽培用棚ユニット。
【請求項20】
前記鉛直方向に棚状態で連結した前記棚板及び前記照射装置は、更に水平方向に連結することを特徴とする、
請求項19に記載の屋内栽培用棚ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−110241(P2010−110241A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−284146(P2008−284146)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(508330858)大日本興業株式会社 (2)
【出願人】(508330331)株式会社セネコム (1)
【Fターム(参考)】