屋根載置設備用取り付け金具及び屋根載置設備用取り付け構造
【課題】 取り付け金具の取り付け状態にバラツキがあっても屋根ふき材の表面に対する支持フレームの上下方向の角度の調整を可能にさせて取り付け角度のバラツキを軽減できる屋根載置設備用取り付け金具の提供。
【解決手段】 太陽電池モジュールを架設させるための支持フレーム9を屋根ふき材80に固定するために用いる屋根載置設備用取り付け金具Aである。屋根ふき材の表面に当接して取り付けられるベース板部1と、ベース板部の後端部から上側前端方向に折り返された押え板部2と、屋根ふき材接続部80に形成された軒向き突出部8aを挟むように形成された挟持開口部3と、ベース板部と押え板部を対向方向に挟圧させる挟圧用ボルト40及び挟圧用ナット41とを備え、ベース板部の左右両側に取り付け板部5が立ち上げ状態に形成され、取り付け板部の板面が支持フレームの延在方向と平行なフレーム取付面50に形成されている。
【解決手段】 太陽電池モジュールを架設させるための支持フレーム9を屋根ふき材80に固定するために用いる屋根載置設備用取り付け金具Aである。屋根ふき材の表面に当接して取り付けられるベース板部1と、ベース板部の後端部から上側前端方向に折り返された押え板部2と、屋根ふき材接続部80に形成された軒向き突出部8aを挟むように形成された挟持開口部3と、ベース板部と押え板部を対向方向に挟圧させる挟圧用ボルト40及び挟圧用ナット41とを備え、ベース板部の左右両側に取り付け板部5が立ち上げ状態に形成され、取り付け板部の板面が支持フレームの延在方向と平行なフレーム取付面50に形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールや温水器などのエネルギー収集装置を含む屋根載置設備を建物の横葺き屋根に設置する際に、その屋根載置設備を架設させるための支持フレームを屋根ふき材に固定するために用いる屋根載置設備用取り付け金具(以下、「取り付け金具」という)及びこの取り付け金具を使用した屋根載置設備用取り付け構造(以下、「取り付け構造」という)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池モジュール等の屋根載置設備を横葺き屋根に設置するための取り付け金具が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この従来の取り付け金具は、屋根ふき材接続部に形成された軒向き突出部(みえがかり部)に取り付けて使用するもので、屋根ふき材の表面に当接するように取り付けられるベース板部と、このベース板部の後端部から上側前端方向に折り返された押え板部と、前記ベース板部と押え板部の前端間に形成された鰐口状の挟持開口部と、この挟持開口部で前記軒向き突出部を挟持させた状態にベース板部と押え板部を対向方向に挟圧させる挟圧保持手段としてのボルト、ナットを備えている。
【0004】
そして、前記押え板部の基端部にベース板部の後端から上向きに折り曲げたのち下向きに折り曲げた折り返し立設部を形成させ、この折り返し立設部の頂部にベース板部と平行な枠受を形成させ、この枠受上に支持フレーム(モジュール枠)をボルト、ナットで固定する構造になっていた。
【0005】
ところで、屋根載置設備、特に太陽電池モジュールを屋根の上に設置する場合、歪みや捩じれなどが生じないようすることが肝要であり、そのためには支持フレームを取り付けたときに、屋根ふき材の表面に対する上下方向の角度にバラツキが生じないようにする必要がある。
【0006】
しかしながら、従来の取り付け金具のように折り返し立設部の頂部にベース板部と平行な枠受を形成させて、この枠受上に支持フレームを固定させるものでは屋根ふき材の表面に対する上下方向の角度変化を吸収させることができない。
【0007】
即ち、軒向き突出部に対する挟持開口部の咥え込み深さや挟圧保持手段としてのボルト、ナットの締め付け具合によって押え板部とベース板部との開き具合にバラツキが生じる。
このとき従来のように、前記枠受がベース板部と平行になるように折り返し立設部に形成されていると、屋根ふき材の表面に対する枠受の角度にバラツキが生じてしまうし、屋根自体のうねり等によっても枠受の角度にバラツキが生じ、この結果、枠受上に固定される支持フレームの上下方向の角度にバラツキが生じてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3096790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ベース板部と押え板部の前端間に形成された鰐口状の挟持開口部で軒向き突出部を挟持させる構造の取り付け金具では、上記したように、挟持開口部の咥え込み深さやボルト、ナットの締め付け具合、屋根自体のうねり等によって取り付け金具の取り付け状態にバラツキが生じてしまうのは、その取り付け作業が作業者による手作業である以上、これを解消させることは困難である。
【0010】
本発明は、取り付け金具の取り付け状態にバラツキが生じるのは仕方ないものとした上で、そのようなバラツキがあっても屋根ふき材の表面に対する支持フレームの上下方向の角度の調整を可能にさせて、その支持フレームの取り付け角度のバラツキを軽減できるようにした取り付け金具及び取り付け構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1にかかる取り付け金具は、
屋根の流れ方向に隣接する一方の屋根ふき材(8)の軒側端縁部に形成された軒側接続部(81)と、他方の屋根ふき材(8)の棟側端縁部に形成された棟側接続部(82)とを嵌合させて形成した屋根ふき材接続部(80)に軒向き突出部(8a)が形成されている横葺き屋根(R)上に、太陽電池モジュール等の屋根載置設備を架設させるための支持フレーム(9)を固定するために用いられる屋根載置設備用取り付け金具(A)であって、
屋根ふき材(8)の表面に当接するように取り付けられるベース板部(1)と、このベース板部(1)の後端部から上側前端方向に折り返された押え板部(2)と、前記軒向き突出部(8a)を挟むように前記ベース板部(1)と押え板部(2)の前端間に形成された挟持開口部(3)と、前記挟持開口部(3)で軒向き突出部(8a)を挟持させた状態にベース板部(1)と押え板部(2)を対向方向に挟圧させる挟圧用ボルト(40)及び挟圧用ナット(41)とを備え、
かつ前記ベース板部(1)の左右両側に取り付け板部(5)、(5)が立ち上げ状態に形成され、この左右の取り付け板部(5)、(5)の板面が前記支持フレーム(9)の延在方向と平行なフレーム取付面(50)、(50)に形成されると共に、この左右のフレーム取付面(50)、(50)に固定用ボルト孔(51)、(51)が形成されている構成とした。
【0012】
又、本発明の請求項2にかかる取り付け構造は、
請求項1記載の屋根載置設備用取り付け金具(A)を使用した取り付け構造であって、
前記左右のフレーム取付面(50)、(50)に支持フレーム(9)が直接に固定され、又は前記左右のフレーム取付面(50)、(50)に中間取り付け部材(7)を介して支持フレーム(9)が固定されている構成とした。
【発明の効果】
【0013】
本発明の取り付け金具(請求項1)は、ベース板部と押え板部の前端間に形成された鰐口状の挟持開口部で屋根ふき材接続部の軒向き突出部を挟持させることで、この取り付け金具を屋根ふき材に固定させ、その上でこの取り付け金具に太陽電池モジュール等の屋根載置設備を架設させるための支持フレームを固定させるものである。
【0014】
構成的には前記ベース板部の左右両側に取り付け板部が立ち上げ状態に形成され、この左右の取り付け板部の板面が支持フレームの延在方向と平行なフレーム取付面に形成されている点に特徴がある。
【0015】
従って、挟持開口部の咥え込み深さやボルト、ナットの締め付け具合、屋根自体のうねり等によって取り付け金具の取り付け状態にバラツキが生じたとしても、取り付け板部のフレーム取付面が支持フレームの延在方向と平行であるため、支持フレームの屋根ふき材の表面に対する上下方向の角度を調整することが可能になり、その支持フレームの取り付け角度のバラツキを軽減させることができる。
この結果、この支持フレーム上に架設させる太陽電池モジュール等の屋根載置設備を歪みや捩じれなどがない適正な状態に取り付けることができる。
【0016】
又、取り付け板部がベース板部の左右両側に形成されているため、従来のように枠受をベース板部の後端部に形成した折り返し立設部の頂部に形成させた場合と比べ、挟持開口部の前端から支持フレームに対する取り付け位置までの距離が短くなり、強風等で煽られてベース板部が上向きに屈曲変形した場合でも取り付け位置の変位量を減少させることができ、また、軒向き突出部に作用する曲げモーメントも減少させることができ、太陽電池モジュール等の屋根載置設備の取り付け状態を適正に保持させることができる。
【0017】
本発明の取り付け構造(請求項2)は、前記取り付け金具を使用した取り付け構造である。
この場合、支持フレームを前記左右のフレーム取付面に直接に固定させてもよいし、又は支持フレームを前記左右のフレーム取付面に中間取り付け部材を介して固定させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施例の取り付け金具を示す側面図。
【図2】第1実施例の取り付け金具を示す前面図。
【図3】第1実施例の取り付け金具を示す底面図。
【図4】第1実施例の取り付け金具を使用した取り付け構造の例を示す側面図。
【図5】第1実施例の取り付け金具を使用した取り付け構造の例を示す後面図。
【図6】第2実施例の取り付け金具を使用した取り付け構造の例を示す側面図。
【図7】第2実施例の取り付け金具を使用した取り付け構造の例を示す後面図。
【図8】第3実施例の取り付け金具を使用した取り付け構造の例を示す側面図。
【図9】第4実施例の取り付け金具を示す平面図。
【図10】第4実施例の取り付け金具を示す前面図。
【図11】第5実施例の取り付け金具を示す側面図。
【図12】第5実施例の取り付け金具を示す前面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本実施例の取り付け金具Aは、図4及び図5に示すように、屋根載置設備である太陽電池モジュール(図示省略)を横葺き屋根R上に設置するに際し、この太陽電池モジュールを架設させるための支持フレーム9を屋根ふき材8に固定するためのものである。
【0020】
前記横葺き屋根Rは、屋根のけた行き方向(図4の紙面表裏方向)に長い多数枚の屋根ふき材8を流れ方向(屋根の傾斜方向)に継ぎ足していくことで形成される。
前記各屋根ふき材8の軒側端縁部には軒側接続部81が形成されると共に棟側端縁部には棟側接続部82が形成されている。
【0021】
そして、屋根の流れ方向に隣接する屋根ふき材同士8,8は、上方の屋根ふき材8の軒側接続部81を、下方の屋根ふき材8の棟側接続部82に嵌合させて屋根ふき材接続部80を形成することにより接続され、この屋根ふき材接続部80には軒向き突出部8aが形成されている。
尚、各屋根ふき材8は棟側接続部82の上縁に形成された延長部83を釘84で野地板85に打ち付けることにより固定される。
【0022】
前記取り付け金具Aは、図1〜図3に示すように、屋根ふき材8の表面に当接するように取り付けられるベース板部1と、このベース板部1の後端部から上側前端方向に弾性を持つように折り返された押え板部2と、前記軒向き突出部8aを挟むように前記ベース板部1と押え板部2の前端間に形成された鰐口状の挟持開口部3と、前記挟持開口部3で軒向き突出部8aを挟持させた状態にベース板部1と押え板部2を対向方向に挟圧させる挟圧保持手段として図4に示すように挟圧用ボルト40と挟圧用ナット41を備えている。
【0023】
この実施例では、前記押え板部2の基端部に、ベース板部1の後端から上向きに折り曲げたのち下向きに折り曲げた折り返し立設部2aを形成させているが、この折り返し立設部2aは必ずしも必要でなく、ベース板部1の後端から上側前端方向に折り返しただけの押え板部2に形成しても良い。
又、挟持開口部3を形成するベース板部1及び押え板部2の前端にはそれぞれ内向きに折り曲げた爪部10、20が形成されている。
【0024】
前記ベース板部1及び押え板部2にはそれぞれ上向き凹部11、21が形成され、この上向き凹部11、21に挟圧用ボルト40を通すためのボルト孔12、22が形成されている。この場合、押え板部2のボルト孔22は図9に示したように前後方向に長い長孔に形成されている。
【0025】
前記取り付け金具Aの特徴的構成として、前記ベース板部1の左右両側に取り付け板部5、5が立ち上げ状態に形成され、この左右の取り付け板部5、5の板面が前記支持フレーム9の延在方向と平行なフレーム取付面50、50に形成されると共に、この左右のフレーム取付面50、50に固定用ボルト孔51、51が形成されている。
尚、取り付け板部5、5はベース板部1の左右両側に実施例のように折り曲げによって立ち上げ状態に形成させてもよいし、溶接して立ち上げ状態に形成させてもよい。
【0026】
尚、前記取り付け金具Aは、プレス機によって板材を打ち抜き加工、曲げ加工させることによって形成されている。
【0027】
前記取り付け金具Aの使用方法を説明する。
図4に示すように、まず、予め挟圧用ボルト40をベース板部1の底面側からボルト孔12、22に通しておく。このとき、挟圧用ナット41を挟圧用ボルト40に緩み状態で螺合させておくと、後のナット締め作業が楽になる。
【0028】
次に、取り付け金具Aを横葺き屋根Rの屋根ふき材接続部80に形成された軒向き突出部8aに取り付けるもので、この際、ベース板部1を屋根ふき材8の表面に当接させる状態にして挟持開口部3に軒向き突出部8aが入り込むように取り付け金具Aをセットさせる。
【0029】
次に、前記挟圧用ナット41を締め付けていくことにより挟持開口部3で軒向き突出部8aを挟持させて取り付け金具Aを固定させる。
【0030】
このようにして屋根ふき材8に固定させた取り付け金具Aに、屋根載置設備である太陽電池モジュールを架設させるための支持フレーム9を固定させるものである。
前記支持フレーム9は、開放部を下向きにした断面略コ字状のチャンネル形材で形成され、左右の側壁板90、90にフレームの長手方向に長い固定用長孔91、91が形成されている。
【0031】
図4に示した取り付け構造は、取り付け金具Aの左右のフレーム取付面50、50に支持フレーム9が直接に固定された取り付け構造になっている。
この場合、支持フレーム9を取り付け金具Aの左右の取り付け板部5、5に上から被せてフレーム取付面50、50となる取り付け板部5,5の外面(内面でも良い)と支持フレーム9側壁板90、90の内面(外面でもよい)とを面合させると共に、前記固定用ボルト孔51に固定用長孔91を符合させる。
そして、符合した固定用ボルト孔51と固定用長孔91に固定用ボルト92を通して固定用ナット93により締め付けることで支持フレーム9を取り付け金具Aに固定させることができる。
尚、前記フレーム取付面50、50に形成された固定用ボルト孔51,51に符合するように、取り付け板部5,5の内側から予め固定用ナット93を溶接しておけば、作業性はより向上する。
【0032】
この支持フレーム9の取り付けに際し、取り付け金具Aの挟持開口部3の咥え込み深さや挟圧ボルト40と挟圧ナット41との締め付け具合、屋根自体のうねり等によって取り付け金具Aの取り付け状態にバラツキが生じたとしても、取り付け板部5のフレーム取付面50が支持フレーム9の延在方向(長手方向)と平行であるため、支持フレーム9の屋根ふき材8の表面に対する上下方向の角度を調整することが可能になり、その支持フレーム9の取り付け角度にバラツキが生じるのを抑制させることができる。
【0033】
次に、図6及び図7は取り付け金具Aの左右のフレーム取付面50,50に中間取り付け部材7を介して支持フレーム9が固定された取り付け構造を示している。
前記中間取り付け部材7は、開放部を下向きにした断面略コ字状のチャンネル形材で形成され、左右の側板部70、70に取り付け金具Aに対する固定用ボルト孔71、71が形成され、上板部72に支持フレーム9に対する固定用ボルト孔73が形成されている。
【0034】
図6、図7に示した取り付け構造は、屋根ふき材8に取り付け金具Aを固定させた状態で、前記中間取り付け部材7を取り付け金具Aの左右の取り付け板部5、5の間に嵌め込んで、フレーム取付面50、50となる取り付け板部5、5の内面(外面でも良い)と中間取り付け部材7の側板部70、70の外面(内面でもよい)とを面合させると共に、フレーム取付面50の固定用ボルト孔51と側板部70の固定用ボルト孔71とを符合させ、符合した両固定用ボルト孔51、71に固定用ボルト74を通して固定用ナット75により締め付けることで中間取り付け部材7を取り付け金具Aに固定させる。
尚、前記側板部70、70の内面に固定用ボルト孔71、71に符合するように予め固定用ナット75を溶接しておけば、作業性はより向上する。
【0035】
次に、支持フレーム9を中間取り付け部材7の上に被せて、この中間取り付け部材7に形成した固定用ボルト孔73と支持フレーム9の上壁板94に形成されたフレームの長手方向に長い固定用長孔95とを符合させる。
そして、符合した固定用ボルト孔73と固定用長孔95に固定用ボルト96を通して固定用ナット97により締め付けることにより前記中間取り付け部材7を介して支持フレーム9を取り付け金具Aに固定させることができる。
尚、前記上板部72の内側に固定用ボルト孔97に符合するように予め固定用ナット93を溶接しておけば、作業性はより向上する。
【0036】
前記中間取り付け部材7を介在させた取り付け構造においても、取り付け金具Aの取り付け状態にバラツキが生じても、取り付け板部5,5のフレーム取付面50、50が支持フレーム9の延在方向(長手方向)と平行であるため、中間取り付け部材7を介して支持フレーム9の上下方向の角度を調整することが可能になり、その支持フレーム9の取り付け角度のバラツキを軽減させることができる。
【0037】
又、中間取り付け部材7を介在させた取り付け構造では、この中間取り付け部材7によって高さをかせぐことができるため取り付け金具Aに形成させる取り付け板部5の高さを低くすることが可能になり、取り付け金具Aをコンパクトに形成できる。
【0038】
次に、図8は取り付け金具Aの左右のフレーム取付面50、50に中間取り付け部材7を介して支持フレーム9が固定された取り付け構造において、前記フレーム取付面50に形成させる固定用ボルト孔51が取り付け板部5の立ち上げ方向に長い長穴に形成されている。
【0039】
このようにフレーム取付面50に形成させる固定用ボルト孔51を長穴に形成させると、支持フレーム9の上下方向の角度を容易かつ適正に調整することが更に可能になり、支持フレーム9の取り付け角度のバラツキを軽減させることができるし、支持フレーム9と屋根ふき材8との距離(支持フレーム9の取り付け高さ)の調整を容易に行うことができる。
【0040】
尚、取り付け金具Aのフレーム取付面50に形成させる固定用ボルト孔51を長穴に形成させることは、図4で示した支持フレーム9を取り付け金具Aに直接に固定させる取り付け構造についても適用できることは勿論である。
【0041】
次に、図9及び図10で示す取り付け金具Aは、挟持開口部3を形成するベース板部1及び押え板部2の前端部の左右幅B1を、左右の取り付け板部5、5間の左右幅B2よりも幅広く(B1>B2)形成したものである。
【0042】
このように挟持開口部3の左右幅B1を広く形成することにより、屋根ふき材接続部80に形成された軒向き突出部8aに対する挟持開口部3の挟持力を強力にさせることができ、取り付け金具Aの取り付け状態を強固かつ安定させることができる。
【0043】
次に、図11及び図12で示す取付金具Aは、挟持開口部3の近傍に固定用ボルト穴51を形成したものである。
【0044】
このように固定用ボルト穴51が挟持開口部3に近ければ近いほど、力点、作用点間の距離が減少し、軒向き突出部8aに作用する曲げモーメントを減少させることができる。
【符号の説明】
【0045】
A 屋根載置設備用取り付け金具
R 横葺き屋根
1 ベース板部
2 押え板部
3 挟持開口部
40 挟圧用ボルト
41 挟圧用ナット
5 取り付け板部
50 フレーム取付面
51 固定用ボルト孔
7 中間取り付け部材
8 屋根ふき材
8a 軒向き突出部
80 屋根ふき材接続部
81 軒側接続部
82 棟側接続部
9 支持フレーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールや温水器などのエネルギー収集装置を含む屋根載置設備を建物の横葺き屋根に設置する際に、その屋根載置設備を架設させるための支持フレームを屋根ふき材に固定するために用いる屋根載置設備用取り付け金具(以下、「取り付け金具」という)及びこの取り付け金具を使用した屋根載置設備用取り付け構造(以下、「取り付け構造」という)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池モジュール等の屋根載置設備を横葺き屋根に設置するための取り付け金具が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この従来の取り付け金具は、屋根ふき材接続部に形成された軒向き突出部(みえがかり部)に取り付けて使用するもので、屋根ふき材の表面に当接するように取り付けられるベース板部と、このベース板部の後端部から上側前端方向に折り返された押え板部と、前記ベース板部と押え板部の前端間に形成された鰐口状の挟持開口部と、この挟持開口部で前記軒向き突出部を挟持させた状態にベース板部と押え板部を対向方向に挟圧させる挟圧保持手段としてのボルト、ナットを備えている。
【0004】
そして、前記押え板部の基端部にベース板部の後端から上向きに折り曲げたのち下向きに折り曲げた折り返し立設部を形成させ、この折り返し立設部の頂部にベース板部と平行な枠受を形成させ、この枠受上に支持フレーム(モジュール枠)をボルト、ナットで固定する構造になっていた。
【0005】
ところで、屋根載置設備、特に太陽電池モジュールを屋根の上に設置する場合、歪みや捩じれなどが生じないようすることが肝要であり、そのためには支持フレームを取り付けたときに、屋根ふき材の表面に対する上下方向の角度にバラツキが生じないようにする必要がある。
【0006】
しかしながら、従来の取り付け金具のように折り返し立設部の頂部にベース板部と平行な枠受を形成させて、この枠受上に支持フレームを固定させるものでは屋根ふき材の表面に対する上下方向の角度変化を吸収させることができない。
【0007】
即ち、軒向き突出部に対する挟持開口部の咥え込み深さや挟圧保持手段としてのボルト、ナットの締め付け具合によって押え板部とベース板部との開き具合にバラツキが生じる。
このとき従来のように、前記枠受がベース板部と平行になるように折り返し立設部に形成されていると、屋根ふき材の表面に対する枠受の角度にバラツキが生じてしまうし、屋根自体のうねり等によっても枠受の角度にバラツキが生じ、この結果、枠受上に固定される支持フレームの上下方向の角度にバラツキが生じてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3096790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ベース板部と押え板部の前端間に形成された鰐口状の挟持開口部で軒向き突出部を挟持させる構造の取り付け金具では、上記したように、挟持開口部の咥え込み深さやボルト、ナットの締め付け具合、屋根自体のうねり等によって取り付け金具の取り付け状態にバラツキが生じてしまうのは、その取り付け作業が作業者による手作業である以上、これを解消させることは困難である。
【0010】
本発明は、取り付け金具の取り付け状態にバラツキが生じるのは仕方ないものとした上で、そのようなバラツキがあっても屋根ふき材の表面に対する支持フレームの上下方向の角度の調整を可能にさせて、その支持フレームの取り付け角度のバラツキを軽減できるようにした取り付け金具及び取り付け構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1にかかる取り付け金具は、
屋根の流れ方向に隣接する一方の屋根ふき材(8)の軒側端縁部に形成された軒側接続部(81)と、他方の屋根ふき材(8)の棟側端縁部に形成された棟側接続部(82)とを嵌合させて形成した屋根ふき材接続部(80)に軒向き突出部(8a)が形成されている横葺き屋根(R)上に、太陽電池モジュール等の屋根載置設備を架設させるための支持フレーム(9)を固定するために用いられる屋根載置設備用取り付け金具(A)であって、
屋根ふき材(8)の表面に当接するように取り付けられるベース板部(1)と、このベース板部(1)の後端部から上側前端方向に折り返された押え板部(2)と、前記軒向き突出部(8a)を挟むように前記ベース板部(1)と押え板部(2)の前端間に形成された挟持開口部(3)と、前記挟持開口部(3)で軒向き突出部(8a)を挟持させた状態にベース板部(1)と押え板部(2)を対向方向に挟圧させる挟圧用ボルト(40)及び挟圧用ナット(41)とを備え、
かつ前記ベース板部(1)の左右両側に取り付け板部(5)、(5)が立ち上げ状態に形成され、この左右の取り付け板部(5)、(5)の板面が前記支持フレーム(9)の延在方向と平行なフレーム取付面(50)、(50)に形成されると共に、この左右のフレーム取付面(50)、(50)に固定用ボルト孔(51)、(51)が形成されている構成とした。
【0012】
又、本発明の請求項2にかかる取り付け構造は、
請求項1記載の屋根載置設備用取り付け金具(A)を使用した取り付け構造であって、
前記左右のフレーム取付面(50)、(50)に支持フレーム(9)が直接に固定され、又は前記左右のフレーム取付面(50)、(50)に中間取り付け部材(7)を介して支持フレーム(9)が固定されている構成とした。
【発明の効果】
【0013】
本発明の取り付け金具(請求項1)は、ベース板部と押え板部の前端間に形成された鰐口状の挟持開口部で屋根ふき材接続部の軒向き突出部を挟持させることで、この取り付け金具を屋根ふき材に固定させ、その上でこの取り付け金具に太陽電池モジュール等の屋根載置設備を架設させるための支持フレームを固定させるものである。
【0014】
構成的には前記ベース板部の左右両側に取り付け板部が立ち上げ状態に形成され、この左右の取り付け板部の板面が支持フレームの延在方向と平行なフレーム取付面に形成されている点に特徴がある。
【0015】
従って、挟持開口部の咥え込み深さやボルト、ナットの締め付け具合、屋根自体のうねり等によって取り付け金具の取り付け状態にバラツキが生じたとしても、取り付け板部のフレーム取付面が支持フレームの延在方向と平行であるため、支持フレームの屋根ふき材の表面に対する上下方向の角度を調整することが可能になり、その支持フレームの取り付け角度のバラツキを軽減させることができる。
この結果、この支持フレーム上に架設させる太陽電池モジュール等の屋根載置設備を歪みや捩じれなどがない適正な状態に取り付けることができる。
【0016】
又、取り付け板部がベース板部の左右両側に形成されているため、従来のように枠受をベース板部の後端部に形成した折り返し立設部の頂部に形成させた場合と比べ、挟持開口部の前端から支持フレームに対する取り付け位置までの距離が短くなり、強風等で煽られてベース板部が上向きに屈曲変形した場合でも取り付け位置の変位量を減少させることができ、また、軒向き突出部に作用する曲げモーメントも減少させることができ、太陽電池モジュール等の屋根載置設備の取り付け状態を適正に保持させることができる。
【0017】
本発明の取り付け構造(請求項2)は、前記取り付け金具を使用した取り付け構造である。
この場合、支持フレームを前記左右のフレーム取付面に直接に固定させてもよいし、又は支持フレームを前記左右のフレーム取付面に中間取り付け部材を介して固定させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施例の取り付け金具を示す側面図。
【図2】第1実施例の取り付け金具を示す前面図。
【図3】第1実施例の取り付け金具を示す底面図。
【図4】第1実施例の取り付け金具を使用した取り付け構造の例を示す側面図。
【図5】第1実施例の取り付け金具を使用した取り付け構造の例を示す後面図。
【図6】第2実施例の取り付け金具を使用した取り付け構造の例を示す側面図。
【図7】第2実施例の取り付け金具を使用した取り付け構造の例を示す後面図。
【図8】第3実施例の取り付け金具を使用した取り付け構造の例を示す側面図。
【図9】第4実施例の取り付け金具を示す平面図。
【図10】第4実施例の取り付け金具を示す前面図。
【図11】第5実施例の取り付け金具を示す側面図。
【図12】第5実施例の取り付け金具を示す前面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本実施例の取り付け金具Aは、図4及び図5に示すように、屋根載置設備である太陽電池モジュール(図示省略)を横葺き屋根R上に設置するに際し、この太陽電池モジュールを架設させるための支持フレーム9を屋根ふき材8に固定するためのものである。
【0020】
前記横葺き屋根Rは、屋根のけた行き方向(図4の紙面表裏方向)に長い多数枚の屋根ふき材8を流れ方向(屋根の傾斜方向)に継ぎ足していくことで形成される。
前記各屋根ふき材8の軒側端縁部には軒側接続部81が形成されると共に棟側端縁部には棟側接続部82が形成されている。
【0021】
そして、屋根の流れ方向に隣接する屋根ふき材同士8,8は、上方の屋根ふき材8の軒側接続部81を、下方の屋根ふき材8の棟側接続部82に嵌合させて屋根ふき材接続部80を形成することにより接続され、この屋根ふき材接続部80には軒向き突出部8aが形成されている。
尚、各屋根ふき材8は棟側接続部82の上縁に形成された延長部83を釘84で野地板85に打ち付けることにより固定される。
【0022】
前記取り付け金具Aは、図1〜図3に示すように、屋根ふき材8の表面に当接するように取り付けられるベース板部1と、このベース板部1の後端部から上側前端方向に弾性を持つように折り返された押え板部2と、前記軒向き突出部8aを挟むように前記ベース板部1と押え板部2の前端間に形成された鰐口状の挟持開口部3と、前記挟持開口部3で軒向き突出部8aを挟持させた状態にベース板部1と押え板部2を対向方向に挟圧させる挟圧保持手段として図4に示すように挟圧用ボルト40と挟圧用ナット41を備えている。
【0023】
この実施例では、前記押え板部2の基端部に、ベース板部1の後端から上向きに折り曲げたのち下向きに折り曲げた折り返し立設部2aを形成させているが、この折り返し立設部2aは必ずしも必要でなく、ベース板部1の後端から上側前端方向に折り返しただけの押え板部2に形成しても良い。
又、挟持開口部3を形成するベース板部1及び押え板部2の前端にはそれぞれ内向きに折り曲げた爪部10、20が形成されている。
【0024】
前記ベース板部1及び押え板部2にはそれぞれ上向き凹部11、21が形成され、この上向き凹部11、21に挟圧用ボルト40を通すためのボルト孔12、22が形成されている。この場合、押え板部2のボルト孔22は図9に示したように前後方向に長い長孔に形成されている。
【0025】
前記取り付け金具Aの特徴的構成として、前記ベース板部1の左右両側に取り付け板部5、5が立ち上げ状態に形成され、この左右の取り付け板部5、5の板面が前記支持フレーム9の延在方向と平行なフレーム取付面50、50に形成されると共に、この左右のフレーム取付面50、50に固定用ボルト孔51、51が形成されている。
尚、取り付け板部5、5はベース板部1の左右両側に実施例のように折り曲げによって立ち上げ状態に形成させてもよいし、溶接して立ち上げ状態に形成させてもよい。
【0026】
尚、前記取り付け金具Aは、プレス機によって板材を打ち抜き加工、曲げ加工させることによって形成されている。
【0027】
前記取り付け金具Aの使用方法を説明する。
図4に示すように、まず、予め挟圧用ボルト40をベース板部1の底面側からボルト孔12、22に通しておく。このとき、挟圧用ナット41を挟圧用ボルト40に緩み状態で螺合させておくと、後のナット締め作業が楽になる。
【0028】
次に、取り付け金具Aを横葺き屋根Rの屋根ふき材接続部80に形成された軒向き突出部8aに取り付けるもので、この際、ベース板部1を屋根ふき材8の表面に当接させる状態にして挟持開口部3に軒向き突出部8aが入り込むように取り付け金具Aをセットさせる。
【0029】
次に、前記挟圧用ナット41を締め付けていくことにより挟持開口部3で軒向き突出部8aを挟持させて取り付け金具Aを固定させる。
【0030】
このようにして屋根ふき材8に固定させた取り付け金具Aに、屋根載置設備である太陽電池モジュールを架設させるための支持フレーム9を固定させるものである。
前記支持フレーム9は、開放部を下向きにした断面略コ字状のチャンネル形材で形成され、左右の側壁板90、90にフレームの長手方向に長い固定用長孔91、91が形成されている。
【0031】
図4に示した取り付け構造は、取り付け金具Aの左右のフレーム取付面50、50に支持フレーム9が直接に固定された取り付け構造になっている。
この場合、支持フレーム9を取り付け金具Aの左右の取り付け板部5、5に上から被せてフレーム取付面50、50となる取り付け板部5,5の外面(内面でも良い)と支持フレーム9側壁板90、90の内面(外面でもよい)とを面合させると共に、前記固定用ボルト孔51に固定用長孔91を符合させる。
そして、符合した固定用ボルト孔51と固定用長孔91に固定用ボルト92を通して固定用ナット93により締め付けることで支持フレーム9を取り付け金具Aに固定させることができる。
尚、前記フレーム取付面50、50に形成された固定用ボルト孔51,51に符合するように、取り付け板部5,5の内側から予め固定用ナット93を溶接しておけば、作業性はより向上する。
【0032】
この支持フレーム9の取り付けに際し、取り付け金具Aの挟持開口部3の咥え込み深さや挟圧ボルト40と挟圧ナット41との締め付け具合、屋根自体のうねり等によって取り付け金具Aの取り付け状態にバラツキが生じたとしても、取り付け板部5のフレーム取付面50が支持フレーム9の延在方向(長手方向)と平行であるため、支持フレーム9の屋根ふき材8の表面に対する上下方向の角度を調整することが可能になり、その支持フレーム9の取り付け角度にバラツキが生じるのを抑制させることができる。
【0033】
次に、図6及び図7は取り付け金具Aの左右のフレーム取付面50,50に中間取り付け部材7を介して支持フレーム9が固定された取り付け構造を示している。
前記中間取り付け部材7は、開放部を下向きにした断面略コ字状のチャンネル形材で形成され、左右の側板部70、70に取り付け金具Aに対する固定用ボルト孔71、71が形成され、上板部72に支持フレーム9に対する固定用ボルト孔73が形成されている。
【0034】
図6、図7に示した取り付け構造は、屋根ふき材8に取り付け金具Aを固定させた状態で、前記中間取り付け部材7を取り付け金具Aの左右の取り付け板部5、5の間に嵌め込んで、フレーム取付面50、50となる取り付け板部5、5の内面(外面でも良い)と中間取り付け部材7の側板部70、70の外面(内面でもよい)とを面合させると共に、フレーム取付面50の固定用ボルト孔51と側板部70の固定用ボルト孔71とを符合させ、符合した両固定用ボルト孔51、71に固定用ボルト74を通して固定用ナット75により締め付けることで中間取り付け部材7を取り付け金具Aに固定させる。
尚、前記側板部70、70の内面に固定用ボルト孔71、71に符合するように予め固定用ナット75を溶接しておけば、作業性はより向上する。
【0035】
次に、支持フレーム9を中間取り付け部材7の上に被せて、この中間取り付け部材7に形成した固定用ボルト孔73と支持フレーム9の上壁板94に形成されたフレームの長手方向に長い固定用長孔95とを符合させる。
そして、符合した固定用ボルト孔73と固定用長孔95に固定用ボルト96を通して固定用ナット97により締め付けることにより前記中間取り付け部材7を介して支持フレーム9を取り付け金具Aに固定させることができる。
尚、前記上板部72の内側に固定用ボルト孔97に符合するように予め固定用ナット93を溶接しておけば、作業性はより向上する。
【0036】
前記中間取り付け部材7を介在させた取り付け構造においても、取り付け金具Aの取り付け状態にバラツキが生じても、取り付け板部5,5のフレーム取付面50、50が支持フレーム9の延在方向(長手方向)と平行であるため、中間取り付け部材7を介して支持フレーム9の上下方向の角度を調整することが可能になり、その支持フレーム9の取り付け角度のバラツキを軽減させることができる。
【0037】
又、中間取り付け部材7を介在させた取り付け構造では、この中間取り付け部材7によって高さをかせぐことができるため取り付け金具Aに形成させる取り付け板部5の高さを低くすることが可能になり、取り付け金具Aをコンパクトに形成できる。
【0038】
次に、図8は取り付け金具Aの左右のフレーム取付面50、50に中間取り付け部材7を介して支持フレーム9が固定された取り付け構造において、前記フレーム取付面50に形成させる固定用ボルト孔51が取り付け板部5の立ち上げ方向に長い長穴に形成されている。
【0039】
このようにフレーム取付面50に形成させる固定用ボルト孔51を長穴に形成させると、支持フレーム9の上下方向の角度を容易かつ適正に調整することが更に可能になり、支持フレーム9の取り付け角度のバラツキを軽減させることができるし、支持フレーム9と屋根ふき材8との距離(支持フレーム9の取り付け高さ)の調整を容易に行うことができる。
【0040】
尚、取り付け金具Aのフレーム取付面50に形成させる固定用ボルト孔51を長穴に形成させることは、図4で示した支持フレーム9を取り付け金具Aに直接に固定させる取り付け構造についても適用できることは勿論である。
【0041】
次に、図9及び図10で示す取り付け金具Aは、挟持開口部3を形成するベース板部1及び押え板部2の前端部の左右幅B1を、左右の取り付け板部5、5間の左右幅B2よりも幅広く(B1>B2)形成したものである。
【0042】
このように挟持開口部3の左右幅B1を広く形成することにより、屋根ふき材接続部80に形成された軒向き突出部8aに対する挟持開口部3の挟持力を強力にさせることができ、取り付け金具Aの取り付け状態を強固かつ安定させることができる。
【0043】
次に、図11及び図12で示す取付金具Aは、挟持開口部3の近傍に固定用ボルト穴51を形成したものである。
【0044】
このように固定用ボルト穴51が挟持開口部3に近ければ近いほど、力点、作用点間の距離が減少し、軒向き突出部8aに作用する曲げモーメントを減少させることができる。
【符号の説明】
【0045】
A 屋根載置設備用取り付け金具
R 横葺き屋根
1 ベース板部
2 押え板部
3 挟持開口部
40 挟圧用ボルト
41 挟圧用ナット
5 取り付け板部
50 フレーム取付面
51 固定用ボルト孔
7 中間取り付け部材
8 屋根ふき材
8a 軒向き突出部
80 屋根ふき材接続部
81 軒側接続部
82 棟側接続部
9 支持フレーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根の流れ方向に隣接する一方の屋根ふき材(8)の軒側端縁部に形成された軒側接続部(81)と、他方の屋根ふき材(8)の棟側端縁部に形成された棟側接続部(82)とを嵌合させて形成した屋根ふき材接続部(80)に軒向き突出部(8a)が形成されている横葺き屋根(R)上に、太陽電池モジュール等の屋根載置設備を架設させるための支持フレーム(9)を固定するために用いられる屋根載置設備用取り付け金具(A)であって、
屋根ふき材(8)の表面に当接するように取り付けられるベース板部(1)と、このベース板部(1)の後端部から上側前端方向に折り返された押え板部(2)と、前記軒向き突出部(8a)を挟むように前記ベース板部(1)と押え板部(2)の前端間に形成された挟持開口部(3)と、前記挟持開口部(3)で軒向き突出部(8a)を挟持させた状態にベース板部(1)と押え板部(2)を対向方向に挟圧させる挟圧用ボルト(40)及び挟圧用ナット(41)とを備え、
かつ前記ベース板部(1)の左右両側に取り付け板部(5)、(5)が立ち上げ状態に形成され、この左右の取り付け板部(5)、(5)の板面が前記支持フレーム(9)の延在方向と平行なフレーム取付面(50)、(50)に形成されると共に、この左右のフレーム取付面(50)、(50)に固定用ボルト孔(51)、(51)が形成されていることを特徴とする屋根載置設備用取り付け金具。
【請求項2】
請求項1記載の屋根載置設備用取り付け金具(A)を使用した取り付け構造であって、
前記左右のフレーム取付面(50)、(50)に支持フレーム(9)が直接に固定され、又は前記左右のフレーム取付面(50)、(50)に中間取り付け部材(7)を介して支持フレーム(9)が固定されていることを特徴とする屋根載置設備用取り付け構造。
【請求項1】
屋根の流れ方向に隣接する一方の屋根ふき材(8)の軒側端縁部に形成された軒側接続部(81)と、他方の屋根ふき材(8)の棟側端縁部に形成された棟側接続部(82)とを嵌合させて形成した屋根ふき材接続部(80)に軒向き突出部(8a)が形成されている横葺き屋根(R)上に、太陽電池モジュール等の屋根載置設備を架設させるための支持フレーム(9)を固定するために用いられる屋根載置設備用取り付け金具(A)であって、
屋根ふき材(8)の表面に当接するように取り付けられるベース板部(1)と、このベース板部(1)の後端部から上側前端方向に折り返された押え板部(2)と、前記軒向き突出部(8a)を挟むように前記ベース板部(1)と押え板部(2)の前端間に形成された挟持開口部(3)と、前記挟持開口部(3)で軒向き突出部(8a)を挟持させた状態にベース板部(1)と押え板部(2)を対向方向に挟圧させる挟圧用ボルト(40)及び挟圧用ナット(41)とを備え、
かつ前記ベース板部(1)の左右両側に取り付け板部(5)、(5)が立ち上げ状態に形成され、この左右の取り付け板部(5)、(5)の板面が前記支持フレーム(9)の延在方向と平行なフレーム取付面(50)、(50)に形成されると共に、この左右のフレーム取付面(50)、(50)に固定用ボルト孔(51)、(51)が形成されていることを特徴とする屋根載置設備用取り付け金具。
【請求項2】
請求項1記載の屋根載置設備用取り付け金具(A)を使用した取り付け構造であって、
前記左右のフレーム取付面(50)、(50)に支持フレーム(9)が直接に固定され、又は前記左右のフレーム取付面(50)、(50)に中間取り付け部材(7)を介して支持フレーム(9)が固定されていることを特徴とする屋根載置設備用取り付け構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−97526(P2012−97526A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248194(P2010−248194)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(591089431)株式会社サニックス (29)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(591089431)株式会社サニックス (29)
【Fターム(参考)】
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