嵌合式折板屋根用受金具
【課題】正圧、負圧に対する強度が高く、簡便な作業のもとで確実に折板屋根を固定、支持できる受金具を提案する。
【解決手段】長尺帯状体の長手方向の複数個所に曲げ加工を施して折板屋根を直接配置する頂板部2を形成するとともに建築構造物の梁に固定する底板部1およびそれら頂板部2、底板部1を相互につなぐ傾斜側壁部3をそれぞれ一体的に形成した山型形状からなり、前記頂板部2に折板屋根を設置、相互に連係、嵌合させて前記折板屋根を固定、支持する嵌合式折板屋根用受金具において、前記長尺帯状体を、前記底板部1の形成部位を除く幅方向の中央部に該長尺帯状体の長手方向に連続的に伸延する溝部5が形成された耳付きの溝型断面を有するもので構成し、前記頂板部2と前記傾斜側壁部3との境界のそれぞれに、前記溝部5を残したまま曲げ加工され、前記折板屋根の顎部に連係、嵌合して該折板屋根を抜け止め保持するオーバーハング状の係止顎部4を設ける。
【解決手段】長尺帯状体の長手方向の複数個所に曲げ加工を施して折板屋根を直接配置する頂板部2を形成するとともに建築構造物の梁に固定する底板部1およびそれら頂板部2、底板部1を相互につなぐ傾斜側壁部3をそれぞれ一体的に形成した山型形状からなり、前記頂板部2に折板屋根を設置、相互に連係、嵌合させて前記折板屋根を固定、支持する嵌合式折板屋根用受金具において、前記長尺帯状体を、前記底板部1の形成部位を除く幅方向の中央部に該長尺帯状体の長手方向に連続的に伸延する溝部5が形成された耳付きの溝型断面を有するもので構成し、前記頂板部2と前記傾斜側壁部3との境界のそれぞれに、前記溝部5を残したまま曲げ加工され、前記折板屋根の顎部に連係、嵌合して該折板屋根を抜け止め保持するオーバーハング状の係止顎部4を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折板屋根を固定、支持するのに用いて好適な受金具(タイトフレーム)に関するものであり、板厚の増加を伴ったり補強用のフランジを形成することなしに該受金具の強度を高めるとともに、該折板屋根を簡便かつ、確実に固定、支持しようとするものである。
【背景技術】
【0002】
前記受金具は、一般に建築構造物の梁等に溶接あるいはねじ止めにより所定の間隔をおいて複数個並列に設置されて使用されるものである。
【0003】
普通、折板屋根を直接受ける頂板部と、この頂板部の両端部から下方に向けて延在させてなる一対の傾斜側壁部と、それぞれの傾斜側壁部の末端部に延在させて建築構造物の梁等に固定される底板部にて構成された、山型形状をなしている。
【0004】
また、前記受金具は、その頂板部と傾斜側壁部との間に形成されたオーバーハング状の顎部を、折板屋根に設けられた顎部に連係させて該折板屋根を抜け止め支持し、かつ、隣接配置される折板屋根同士をその重ね合わせ部分で相互にハゼ掛けして締めこむことによって接続するのが一般的な構造である。
【0005】
このような構造からなる受金具の先行技術としては、下記特許文献1〜3に開示されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−98710号公報
【特許文献2】特許第3850771号公報
【特許文献3】実開昭54−18018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来、この種の受金具については、風の負圧に対して折板屋根が浮き上がることがないように顎部によって抜け止めがなされているのみならず、積雪荷重や積載荷重を考慮した場合に正圧に対しても十分な強度を有している必要がある。
【0008】
また、折板屋根の抜け止めを司る顎部はその先端ができるだけ鋭角になっており、かつ、折板屋根の顎部に長い範囲にわたって連係していること、建築構造物の梁等(母屋)に直接固定される底板部(足元)の強度が積雪等の横荷重に対しても十分であること、さらに、コストが安価であること、等も求められている。
【0009】
しかしながら、上記特許文献1〜3に開示されている受金具においては、以下に述べるような不具合があり、かかる要求をすべて満足するものは今のところ存在しておらず、未だ改善の余地が残されていた。
【0010】
すなわち、特許文献1は、顎部を一体的に備えた構造からなっているが、強度を改善するためのフランジ部が顎部以外に設けられており、曲げ加工の難しい顎部については一枚板であることからその部位の強度が十分でなく、正圧や負圧に対する顎部の強度を高めるには板厚を増加させることによって対処せざるを得ず、重量増しやコストアップが避けられない。
【0011】
また、特許文献2は、ヘッド部および脚部に強度補償のためにフランジを屈曲形成した構造のものであるが、受金具を成型する際の曲げ加工において曲率半径の違いから板余りが生じ、その板余り部分が切り欠かれていることから、正圧に対しては、十分な剛性が確保されているとは言えず、風圧によるあおりや横方向の荷重(積載荷重)に対しては切り欠かれた部位からずれてしまうことが懸念される。
【0012】
さらに、特許文献3は、受金具の脚部を切り起こして顎部を形成しているため、脚部の強度が低下することが懸念され、そのためにその部位の板厚を増すことによって対応しており、重量増しやコストの上昇が避けられない。
【0013】
本発明は、板厚増加を伴ったり、補強のためのフランジ部(外フランジ)を設けることなしに強度を高めることが可能であり、かつ、折板屋根を簡便かつ確実に固定、支持できる受金具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、長尺帯状体の長手方向の複数個所に曲げ加工を施して折板屋根を直接受ける頂板部を形成するとともに建築構造物の梁に固定する底板部およびそれら頂板部、底板部を相互につなぐ傾斜側壁部をそれぞれ一体的に形成した山型形状からなり、前記頂板部に前記折板屋根を設置、相互に連係、嵌合させて該折板屋根を固定、支持する嵌合式折板屋根用受金具であって、
前記長尺帯状体は、前記底板部の形成部位を除いた幅方向の中央部に該長尺帯状体の長手方向に沿って延伸する溝部が形成された耳付きの溝型断面を有し、
前記頂板部と前記傾斜側壁部との境界のそれぞれに、前記溝部を残したまま曲げ加工され、前記折板屋根の顎部に連係、嵌合して該折板屋根を抜け止め保持するオーバーハング状の係止顎部を設けたことを特徴とする嵌合式折板屋根用受金具である。
【0015】
前記頂板部は、長手方向に沿う形状を凸形状または凹形状とするのが好ましい。
【0016】
前記係止顎部は、長尺帯状体の厚さの二倍よりも小さいアール(r)が形成された曲げ先端部を有するものが望ましく、また、該係止顎部は、切り欠きがない、切り欠き代替の張り出し成型構造からなるものが好ましい。前記底板部と前記傾斜側壁部との境界領域には、該底板部、傾斜側壁部とを相互につなぐ三角形状の側壁を備えた補強リブを設けるのが好ましい。
【0017】
さらに、前記係止顎部については、その部位の一部分の厚さを、予め、圧下(圧延)により薄くしてから曲げ加工を施すのが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
長尺帯状体(平板)に曲げ加工を施し、その幅方向の中央部に長手方向に沿って連続的に伸びる逆台形状あるいは湾曲形状からなる溝部(リブ)を設けた耳付きの溝形断面となし、この部材にさらに曲げ加工を施して受金具を成型することにより、該溝部の側壁、底壁が荷重を支える補強用のリブとして機能することとなり、板厚を増したり補強用のフランジを別途に形成せずとも受金具の強度が高められる。
【0019】
長尺帯状体の成型周長(長手方向に沿う寸法)は、曲率半径の違いから該帯状体の幅端部(外側)に比較して溝部(内側)の周長が短くなり板余りが生じることになるが、その余り分に見合うだけ深く曲げ加工を施して溝部を設けることにより板の余り分が吸収される(板の余りが生じない)ため、切り欠き部を形成する必要がなく受金具の効率的な製造が可能になる。
【0020】
オーバーハング状の係止顎部についても、溝部がそのまま横断しているためその部位の強度も高まり、折板屋根を確実に係止することができ、正圧に対する強度のみならず負圧に対する強度も改善される。係止顎部は、曲げ加工によって外側に向けて膨出させた張り出し成型構造からなっているため、切り欠きはない。
【0021】
頂板部の長手方向の形状を、その中央部が最も高くなる凸形状(山型形状)とし、この部位で折板屋根を受けることにより、折板屋根そのものにハゼ締め部分から離れる向きに低くなる傾斜を付与することができ、該ハゼ締め部分からの雨の侵入を回避するのに有利となる(雨仕舞いがよくなる)。
【0022】
また、頂板部の長手方向の形状を凹形状(図14参照の符合10参照)とし、この凹形状に沿わせて折板屋根を受けるようにすると、該折板屋根を嵌め込むだけの簡単な作業で、該折板屋根を受金具に確実に係止、固定することが可能となる(この場合、折板屋根にも凹形状と同一形状の加工が施されていることが必要)。
【0023】
係止顎部の曲げ先端部のアール(r)を、長尺帯状体の厚さの二倍よりも小さくするには、該係止顎部の形成部位(溝部と縁部の境界)の板厚を、プレス加工機による圧下や圧延により薄くしてから曲げ加工を行えばよく、これにより、該曲げ加工に際して先端部に割れが生じるのを防ぐことができる。しかも、折板屋根の顎部に連係させる長さ(引っ掛かり長さ)を長くすることが可能となり負圧に対する強度が高まる。
【0024】
とくに、長尺帯状体の厚さの二倍よりも小さいアール(r)が形成された曲げ先端部は、尖った状態にあるので、例えば、折板屋根の裏面に断熱材が貼付されている場合にあっては、該曲げ先端部が断熱材に食い込むことになり、該断熱材の厚さの影響を受けて係止顎部の引っ掛かり長さが短くなることがない。
【0025】
前記底板部と前記傾斜側壁部との境界領域に、三角形状の側壁を備えた補強リブを設けてそれらを相互に連結することにより傾斜側壁部の立ち上がり部分が強化され、折板屋根を確実に固定、支持することが可能となる。
【0026】
長尺帯状体としては2.5mm程度の薄板(薄鋼板)を適用することが可能であり、該薄板に曲げ加工を施すだけで受金具を製作することができるので、コストの上昇を伴うことがなく効率的な製作が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に従う受金具の実施の形態を示した外観斜視図(一部断面表示)である。
【図2】図1に示した受金具の正面を示した図である。
【図3】図1に示した受金具の平面を示した図である。
【図4】図1に示した受金具の底面を示した図である。
【図5】図2のA視図(一部断面で表示)である。
【図6】本発明の変形例を示した図である。
【図7】係止顎部の成型要領の説明図である。
【図8】(a)は薄肉部を設けた係止顎部を拡大して示した図であり、(b)は薄肉部がない係止顎部を拡大して示した図である。
【図9】本発明に従う受金具を用いて折板屋根を固定、支持した状態を示した図である。
【図10】受金具と折板屋根の配置状況を示した図である。
【図11】建築構造物の屋根の完成状態を示した図である。
【図12】本発明に従う受金具の変形例を示した図である。
【図13】本発明に従う受金具の他の実施の形態を示した図である。
【図14】本発明に従う受金具の使用例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明に従う嵌合式折板屋根用の受金具の実施の形態を示した外観斜視図(一部断面で表示)である。また、図2はその正面を示した図であり、図3はその平面図、図4はその底面図、そして、図5は図2のA矢視図である。
【0029】
図1〜5における符号1は、建築構造物の梁等に溶接やボルトによって固定することができる二つで一組になる底板部、2は折板屋根を直接載せる単一の頂板部である。頂板部2はこの例では、長手方向の形状がその中央部でもっとも高くなる凸形状としたものを例として示している。
【0030】
また、3は底板部1と頂板部2とを相互につなぎ受金具の脚部として機能する傾斜側壁部、4は頂板部2と傾斜側壁部3との境界に設けられた係止顎部、5は一方の傾斜側壁部3からもう一方の傾斜側壁部3に向けて伸延する溝部である。
【0031】
溝部5は、底板5aと側壁5bからなる逆台形状のものを例として示したが(図1、図5参照)、該溝部5の形状は逆台形状に限定されることはなく、図6に示すような湾曲形状の溝部5を適用することもできる。
【0032】
上記係止顎部4は、先端部が横方向において互いに逆向きになる少なくとも二つから構成されており、溝部5を残したまま曲げ加工によりオーバーハング状の鋭角な膨出部として形成された、切り欠き代替の張り出し成型構造としたものであって、折板屋根に設けられている顎部に連係、嵌合して該折板屋根を抜け止め保持する。
【0033】
上記底板部1、頂板部2、傾斜側壁部3および係止顎部4は、長尺帯状体(平板)を、溝部5が設けられた耳付きの溝型断面になる部材に曲げ加工したのち、その長手方向に沿い所定の長さ毎に曲げ加工(谷折、山折)することによって形成されるものであって、これらはすべてつながった一体物として構成され、全体として山型形状をなしている。
【0034】
また、6は底板部1と傾斜側壁部3との境界領域に設けられ、その部位をつなぐことにより強度を高める補強リブである。この補強リブ6は、押し出し加工等により底板部1および傾斜側壁壁部3と一体成形されていて、外側に向けて突出したほぼ三角形状になる側壁6a、6bを備えている。
【0035】
本発明に従う受金具は、従来の受金具のような切り欠き部は一切ない。また、溝部5が、一方の傾斜側壁部3から係止顎部4、頂板部2を経てもう一方の傾斜側壁部3まで連続的に伸延しているため、溝部5の底板5a、側壁5bが補強のためのリブとして機能し、受金具の正圧、負圧に対する強度が著しく改善される。
【0036】
また、長尺帯状体に溝部5を形成したのちに曲げ加工を施すことにより底板部1、頂板部2、傾斜側壁部3を形成するため、効率的な製作が可能でありコストの軽減を図り得る。
【0037】
係止顎部4については、長尺帯状体を耳付きの溝型断面に成型する際に、該係止顎部4が形成される部位を、図7に示すように耳部7の付け根を含む領域に薄肉部d(長尺帯状体の厚さ(板厚)の20%程度)を形成するのがよい。これにより、曲げ加工に際して係止顎部4の先端を尖らせた曲げ先端部を設けても割れ等を起こすことがない。長尺帯状体の厚さの二倍よりも小さなアール(r)で形成すると、折板屋根の顎部に連係する有効長さ(引っ掛かり長さ)が長くなり確実な固定、支持が可能となる。図8(a)に薄肉部dを設けた係止顎部4の拡大図を示す。
【0038】
板厚が2.5mmの亜鉛めっき鋼板を用いて受金具を製作すべく、亜鉛めっき鋼板の耐食性に悪影響を与えない範囲で係止顎部4を形成する曲げ加工を行うとすると、先端のアール(r)は2×2.5mm=5mmとなる。ここで、先端のアール(r)が、折板屋根との連係には有効に作用していないと考えると、折板屋根との連係に寄与する長さL(有効長さ)は、8.36mm程度となる(図8(b)参照)。
【0039】
一方、耳付き7を圧下(圧延)してその部位の板厚を0.5mmとして係止顎部を形成すべく曲げ加工を施すと先端のアール(r)は2×0.5mm=1mmとなり、確実に係止可能な有効長さL1はほぼ10.08mm程度とすることが可能である(図8(a)参照)。本発明に従う受金具は、折板屋根との連係にかかわる長さを長くすることが可能で、とくに負圧に対して折板屋根が剥がれ難い安全な係止構造となる。
【0040】
なお、耳部7の全域を薄肉にすることができるが、強度の確保を図る観点から耳付き7の縁部から少し離れた箇所からその付け根の領域に薄肉部dを形成するのが好ましい。
【0041】
図9に、本発明に従う受金具を適用して折板屋根を固定、支持した状態を示す。図における符号8、9は折板屋根、10は折板屋根8の頂部に一体的に設けられた下ハゼ、11は折板屋根9の頂部に一体的に設けられた上ハゼである。折板屋根8、9には剛性を向上させるため、あるいは正圧、負圧に対する強度向上のために段付き8a、9aを設けてもよい。
【0042】
建築構造物の施工において屋根を施設するに当たっては下ハゼ10が上ハゼ11の内側に入り込むように折板屋根8、9をそれぞれ、建築構造物の支持部材である梁(母屋)に沿って横並びの突合せ状態で受金具の上に配置し、次いでハゼ締めを行う。
【0043】
ハゼ締めにより折板屋根8、9は相互に引き寄せられ係止顎部4に折板屋根8、9の顎部が連係、嵌合することになる。受金具と折板屋根の配列状況を図10に、建築構造物の屋根の完成状態を図 11にそれぞれ示す。
【0044】
折板屋根8、9の内側の全面には通常、断熱材(層)が設けられているが、とくに本発明に従う受金具は、係止顎部4の曲げ先端部が長尺帯状体の厚さの二倍よりも小さいアール(r)になる尖った形状を有しているため、折板屋根8、9を配置した際に、係止顎部4の先端が断熱材に深く食い込むこととなり受金具と折板屋根との連係が一層確実になる。
【0045】
本発明に従う受金具は、図12に示すように受金具同士を複数一体連結した複連式の受金具として使用することも可能(図12は2連式として表示)である。単一部材として使用するか、複連式として使用するかは施工現場に応じて使い分けられる。とくに、受金具を複連式とした場合には、該受金具を固定する作業の手間が省け効率的な施工が可能とであり、雨仕舞いもよくなる。
【0046】
図13に、受金具を3つ一体連結した3連式とし、この受金具に2山折板屋根13を配置した本発明に従う受金具の使用例を示す。
【0047】
この構造の受金具においても屋根材は、上掲図9において説明したように、下ハゼ14を上ハゼ15の内側に入れ込み、ハゼ締めを行うことにより連結される。使用する折板屋根13としては図9に示したような段付8a、9aの折板屋根を適用することも可能であり、この点は限定されない。
【0048】
図14は、本発明に従う受金具の他の実施の形態し示した図である。この例は、頂板部2の長手方向に沿う形状を凹形状とすべく、該頂板部2に、全幅にわたって曲げ加工を施しその内側に凹所16を設けたものである。
【0049】
かかる受金具において折板屋根を固定、支持するには、該折板屋根の縁部を、予め該凹所16に入り込む形状に加工しておき、該縁部を凹所16に入れ込むとともに、顎部を受金具の係止顎部4に連係させればよく、これによれば、簡単な作業で折板屋根を受金具に確実に固定、支持することができる。
【0050】
凹所16は、頂板部2の壁面につながる垂直壁16aと、底板16bと、該垂直壁16aおよび底板16bをつなぐ斜壁16cから形成されたU字形状をなすものを例として示したが、該凹所16の形状は折板屋根の連係形状に合わせて適宜変更できるものであって、図示のものには限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明によれば、正圧、負圧に対する強度が著しく改善され、簡単な作業のもとで折板屋根を確実に固定、支持し得る嵌合式折板屋根用受金具が提供できる。
【符号の説明】
【0052】
1 底板部
2 頂板部
3 傾斜側壁部
4 係止顎部
5 溝部
6 補強リブ
7 耳付き
8 折板屋根
8a 段付き
9 折板屋根
9a 段付き
10 下ハゼ
11 上ハゼ
12 梁(母屋)
13 2山折板屋根
14 下ハゼ
15 上ハゼ
16 凹所
【技術分野】
【0001】
本発明は、折板屋根を固定、支持するのに用いて好適な受金具(タイトフレーム)に関するものであり、板厚の増加を伴ったり補強用のフランジを形成することなしに該受金具の強度を高めるとともに、該折板屋根を簡便かつ、確実に固定、支持しようとするものである。
【背景技術】
【0002】
前記受金具は、一般に建築構造物の梁等に溶接あるいはねじ止めにより所定の間隔をおいて複数個並列に設置されて使用されるものである。
【0003】
普通、折板屋根を直接受ける頂板部と、この頂板部の両端部から下方に向けて延在させてなる一対の傾斜側壁部と、それぞれの傾斜側壁部の末端部に延在させて建築構造物の梁等に固定される底板部にて構成された、山型形状をなしている。
【0004】
また、前記受金具は、その頂板部と傾斜側壁部との間に形成されたオーバーハング状の顎部を、折板屋根に設けられた顎部に連係させて該折板屋根を抜け止め支持し、かつ、隣接配置される折板屋根同士をその重ね合わせ部分で相互にハゼ掛けして締めこむことによって接続するのが一般的な構造である。
【0005】
このような構造からなる受金具の先行技術としては、下記特許文献1〜3に開示されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−98710号公報
【特許文献2】特許第3850771号公報
【特許文献3】実開昭54−18018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来、この種の受金具については、風の負圧に対して折板屋根が浮き上がることがないように顎部によって抜け止めがなされているのみならず、積雪荷重や積載荷重を考慮した場合に正圧に対しても十分な強度を有している必要がある。
【0008】
また、折板屋根の抜け止めを司る顎部はその先端ができるだけ鋭角になっており、かつ、折板屋根の顎部に長い範囲にわたって連係していること、建築構造物の梁等(母屋)に直接固定される底板部(足元)の強度が積雪等の横荷重に対しても十分であること、さらに、コストが安価であること、等も求められている。
【0009】
しかしながら、上記特許文献1〜3に開示されている受金具においては、以下に述べるような不具合があり、かかる要求をすべて満足するものは今のところ存在しておらず、未だ改善の余地が残されていた。
【0010】
すなわち、特許文献1は、顎部を一体的に備えた構造からなっているが、強度を改善するためのフランジ部が顎部以外に設けられており、曲げ加工の難しい顎部については一枚板であることからその部位の強度が十分でなく、正圧や負圧に対する顎部の強度を高めるには板厚を増加させることによって対処せざるを得ず、重量増しやコストアップが避けられない。
【0011】
また、特許文献2は、ヘッド部および脚部に強度補償のためにフランジを屈曲形成した構造のものであるが、受金具を成型する際の曲げ加工において曲率半径の違いから板余りが生じ、その板余り部分が切り欠かれていることから、正圧に対しては、十分な剛性が確保されているとは言えず、風圧によるあおりや横方向の荷重(積載荷重)に対しては切り欠かれた部位からずれてしまうことが懸念される。
【0012】
さらに、特許文献3は、受金具の脚部を切り起こして顎部を形成しているため、脚部の強度が低下することが懸念され、そのためにその部位の板厚を増すことによって対応しており、重量増しやコストの上昇が避けられない。
【0013】
本発明は、板厚増加を伴ったり、補強のためのフランジ部(外フランジ)を設けることなしに強度を高めることが可能であり、かつ、折板屋根を簡便かつ確実に固定、支持できる受金具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、長尺帯状体の長手方向の複数個所に曲げ加工を施して折板屋根を直接受ける頂板部を形成するとともに建築構造物の梁に固定する底板部およびそれら頂板部、底板部を相互につなぐ傾斜側壁部をそれぞれ一体的に形成した山型形状からなり、前記頂板部に前記折板屋根を設置、相互に連係、嵌合させて該折板屋根を固定、支持する嵌合式折板屋根用受金具であって、
前記長尺帯状体は、前記底板部の形成部位を除いた幅方向の中央部に該長尺帯状体の長手方向に沿って延伸する溝部が形成された耳付きの溝型断面を有し、
前記頂板部と前記傾斜側壁部との境界のそれぞれに、前記溝部を残したまま曲げ加工され、前記折板屋根の顎部に連係、嵌合して該折板屋根を抜け止め保持するオーバーハング状の係止顎部を設けたことを特徴とする嵌合式折板屋根用受金具である。
【0015】
前記頂板部は、長手方向に沿う形状を凸形状または凹形状とするのが好ましい。
【0016】
前記係止顎部は、長尺帯状体の厚さの二倍よりも小さいアール(r)が形成された曲げ先端部を有するものが望ましく、また、該係止顎部は、切り欠きがない、切り欠き代替の張り出し成型構造からなるものが好ましい。前記底板部と前記傾斜側壁部との境界領域には、該底板部、傾斜側壁部とを相互につなぐ三角形状の側壁を備えた補強リブを設けるのが好ましい。
【0017】
さらに、前記係止顎部については、その部位の一部分の厚さを、予め、圧下(圧延)により薄くしてから曲げ加工を施すのが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
長尺帯状体(平板)に曲げ加工を施し、その幅方向の中央部に長手方向に沿って連続的に伸びる逆台形状あるいは湾曲形状からなる溝部(リブ)を設けた耳付きの溝形断面となし、この部材にさらに曲げ加工を施して受金具を成型することにより、該溝部の側壁、底壁が荷重を支える補強用のリブとして機能することとなり、板厚を増したり補強用のフランジを別途に形成せずとも受金具の強度が高められる。
【0019】
長尺帯状体の成型周長(長手方向に沿う寸法)は、曲率半径の違いから該帯状体の幅端部(外側)に比較して溝部(内側)の周長が短くなり板余りが生じることになるが、その余り分に見合うだけ深く曲げ加工を施して溝部を設けることにより板の余り分が吸収される(板の余りが生じない)ため、切り欠き部を形成する必要がなく受金具の効率的な製造が可能になる。
【0020】
オーバーハング状の係止顎部についても、溝部がそのまま横断しているためその部位の強度も高まり、折板屋根を確実に係止することができ、正圧に対する強度のみならず負圧に対する強度も改善される。係止顎部は、曲げ加工によって外側に向けて膨出させた張り出し成型構造からなっているため、切り欠きはない。
【0021】
頂板部の長手方向の形状を、その中央部が最も高くなる凸形状(山型形状)とし、この部位で折板屋根を受けることにより、折板屋根そのものにハゼ締め部分から離れる向きに低くなる傾斜を付与することができ、該ハゼ締め部分からの雨の侵入を回避するのに有利となる(雨仕舞いがよくなる)。
【0022】
また、頂板部の長手方向の形状を凹形状(図14参照の符合10参照)とし、この凹形状に沿わせて折板屋根を受けるようにすると、該折板屋根を嵌め込むだけの簡単な作業で、該折板屋根を受金具に確実に係止、固定することが可能となる(この場合、折板屋根にも凹形状と同一形状の加工が施されていることが必要)。
【0023】
係止顎部の曲げ先端部のアール(r)を、長尺帯状体の厚さの二倍よりも小さくするには、該係止顎部の形成部位(溝部と縁部の境界)の板厚を、プレス加工機による圧下や圧延により薄くしてから曲げ加工を行えばよく、これにより、該曲げ加工に際して先端部に割れが生じるのを防ぐことができる。しかも、折板屋根の顎部に連係させる長さ(引っ掛かり長さ)を長くすることが可能となり負圧に対する強度が高まる。
【0024】
とくに、長尺帯状体の厚さの二倍よりも小さいアール(r)が形成された曲げ先端部は、尖った状態にあるので、例えば、折板屋根の裏面に断熱材が貼付されている場合にあっては、該曲げ先端部が断熱材に食い込むことになり、該断熱材の厚さの影響を受けて係止顎部の引っ掛かり長さが短くなることがない。
【0025】
前記底板部と前記傾斜側壁部との境界領域に、三角形状の側壁を備えた補強リブを設けてそれらを相互に連結することにより傾斜側壁部の立ち上がり部分が強化され、折板屋根を確実に固定、支持することが可能となる。
【0026】
長尺帯状体としては2.5mm程度の薄板(薄鋼板)を適用することが可能であり、該薄板に曲げ加工を施すだけで受金具を製作することができるので、コストの上昇を伴うことがなく効率的な製作が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に従う受金具の実施の形態を示した外観斜視図(一部断面表示)である。
【図2】図1に示した受金具の正面を示した図である。
【図3】図1に示した受金具の平面を示した図である。
【図4】図1に示した受金具の底面を示した図である。
【図5】図2のA視図(一部断面で表示)である。
【図6】本発明の変形例を示した図である。
【図7】係止顎部の成型要領の説明図である。
【図8】(a)は薄肉部を設けた係止顎部を拡大して示した図であり、(b)は薄肉部がない係止顎部を拡大して示した図である。
【図9】本発明に従う受金具を用いて折板屋根を固定、支持した状態を示した図である。
【図10】受金具と折板屋根の配置状況を示した図である。
【図11】建築構造物の屋根の完成状態を示した図である。
【図12】本発明に従う受金具の変形例を示した図である。
【図13】本発明に従う受金具の他の実施の形態を示した図である。
【図14】本発明に従う受金具の使用例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明に従う嵌合式折板屋根用の受金具の実施の形態を示した外観斜視図(一部断面で表示)である。また、図2はその正面を示した図であり、図3はその平面図、図4はその底面図、そして、図5は図2のA矢視図である。
【0029】
図1〜5における符号1は、建築構造物の梁等に溶接やボルトによって固定することができる二つで一組になる底板部、2は折板屋根を直接載せる単一の頂板部である。頂板部2はこの例では、長手方向の形状がその中央部でもっとも高くなる凸形状としたものを例として示している。
【0030】
また、3は底板部1と頂板部2とを相互につなぎ受金具の脚部として機能する傾斜側壁部、4は頂板部2と傾斜側壁部3との境界に設けられた係止顎部、5は一方の傾斜側壁部3からもう一方の傾斜側壁部3に向けて伸延する溝部である。
【0031】
溝部5は、底板5aと側壁5bからなる逆台形状のものを例として示したが(図1、図5参照)、該溝部5の形状は逆台形状に限定されることはなく、図6に示すような湾曲形状の溝部5を適用することもできる。
【0032】
上記係止顎部4は、先端部が横方向において互いに逆向きになる少なくとも二つから構成されており、溝部5を残したまま曲げ加工によりオーバーハング状の鋭角な膨出部として形成された、切り欠き代替の張り出し成型構造としたものであって、折板屋根に設けられている顎部に連係、嵌合して該折板屋根を抜け止め保持する。
【0033】
上記底板部1、頂板部2、傾斜側壁部3および係止顎部4は、長尺帯状体(平板)を、溝部5が設けられた耳付きの溝型断面になる部材に曲げ加工したのち、その長手方向に沿い所定の長さ毎に曲げ加工(谷折、山折)することによって形成されるものであって、これらはすべてつながった一体物として構成され、全体として山型形状をなしている。
【0034】
また、6は底板部1と傾斜側壁部3との境界領域に設けられ、その部位をつなぐことにより強度を高める補強リブである。この補強リブ6は、押し出し加工等により底板部1および傾斜側壁壁部3と一体成形されていて、外側に向けて突出したほぼ三角形状になる側壁6a、6bを備えている。
【0035】
本発明に従う受金具は、従来の受金具のような切り欠き部は一切ない。また、溝部5が、一方の傾斜側壁部3から係止顎部4、頂板部2を経てもう一方の傾斜側壁部3まで連続的に伸延しているため、溝部5の底板5a、側壁5bが補強のためのリブとして機能し、受金具の正圧、負圧に対する強度が著しく改善される。
【0036】
また、長尺帯状体に溝部5を形成したのちに曲げ加工を施すことにより底板部1、頂板部2、傾斜側壁部3を形成するため、効率的な製作が可能でありコストの軽減を図り得る。
【0037】
係止顎部4については、長尺帯状体を耳付きの溝型断面に成型する際に、該係止顎部4が形成される部位を、図7に示すように耳部7の付け根を含む領域に薄肉部d(長尺帯状体の厚さ(板厚)の20%程度)を形成するのがよい。これにより、曲げ加工に際して係止顎部4の先端を尖らせた曲げ先端部を設けても割れ等を起こすことがない。長尺帯状体の厚さの二倍よりも小さなアール(r)で形成すると、折板屋根の顎部に連係する有効長さ(引っ掛かり長さ)が長くなり確実な固定、支持が可能となる。図8(a)に薄肉部dを設けた係止顎部4の拡大図を示す。
【0038】
板厚が2.5mmの亜鉛めっき鋼板を用いて受金具を製作すべく、亜鉛めっき鋼板の耐食性に悪影響を与えない範囲で係止顎部4を形成する曲げ加工を行うとすると、先端のアール(r)は2×2.5mm=5mmとなる。ここで、先端のアール(r)が、折板屋根との連係には有効に作用していないと考えると、折板屋根との連係に寄与する長さL(有効長さ)は、8.36mm程度となる(図8(b)参照)。
【0039】
一方、耳付き7を圧下(圧延)してその部位の板厚を0.5mmとして係止顎部を形成すべく曲げ加工を施すと先端のアール(r)は2×0.5mm=1mmとなり、確実に係止可能な有効長さL1はほぼ10.08mm程度とすることが可能である(図8(a)参照)。本発明に従う受金具は、折板屋根との連係にかかわる長さを長くすることが可能で、とくに負圧に対して折板屋根が剥がれ難い安全な係止構造となる。
【0040】
なお、耳部7の全域を薄肉にすることができるが、強度の確保を図る観点から耳付き7の縁部から少し離れた箇所からその付け根の領域に薄肉部dを形成するのが好ましい。
【0041】
図9に、本発明に従う受金具を適用して折板屋根を固定、支持した状態を示す。図における符号8、9は折板屋根、10は折板屋根8の頂部に一体的に設けられた下ハゼ、11は折板屋根9の頂部に一体的に設けられた上ハゼである。折板屋根8、9には剛性を向上させるため、あるいは正圧、負圧に対する強度向上のために段付き8a、9aを設けてもよい。
【0042】
建築構造物の施工において屋根を施設するに当たっては下ハゼ10が上ハゼ11の内側に入り込むように折板屋根8、9をそれぞれ、建築構造物の支持部材である梁(母屋)に沿って横並びの突合せ状態で受金具の上に配置し、次いでハゼ締めを行う。
【0043】
ハゼ締めにより折板屋根8、9は相互に引き寄せられ係止顎部4に折板屋根8、9の顎部が連係、嵌合することになる。受金具と折板屋根の配列状況を図10に、建築構造物の屋根の完成状態を図 11にそれぞれ示す。
【0044】
折板屋根8、9の内側の全面には通常、断熱材(層)が設けられているが、とくに本発明に従う受金具は、係止顎部4の曲げ先端部が長尺帯状体の厚さの二倍よりも小さいアール(r)になる尖った形状を有しているため、折板屋根8、9を配置した際に、係止顎部4の先端が断熱材に深く食い込むこととなり受金具と折板屋根との連係が一層確実になる。
【0045】
本発明に従う受金具は、図12に示すように受金具同士を複数一体連結した複連式の受金具として使用することも可能(図12は2連式として表示)である。単一部材として使用するか、複連式として使用するかは施工現場に応じて使い分けられる。とくに、受金具を複連式とした場合には、該受金具を固定する作業の手間が省け効率的な施工が可能とであり、雨仕舞いもよくなる。
【0046】
図13に、受金具を3つ一体連結した3連式とし、この受金具に2山折板屋根13を配置した本発明に従う受金具の使用例を示す。
【0047】
この構造の受金具においても屋根材は、上掲図9において説明したように、下ハゼ14を上ハゼ15の内側に入れ込み、ハゼ締めを行うことにより連結される。使用する折板屋根13としては図9に示したような段付8a、9aの折板屋根を適用することも可能であり、この点は限定されない。
【0048】
図14は、本発明に従う受金具の他の実施の形態し示した図である。この例は、頂板部2の長手方向に沿う形状を凹形状とすべく、該頂板部2に、全幅にわたって曲げ加工を施しその内側に凹所16を設けたものである。
【0049】
かかる受金具において折板屋根を固定、支持するには、該折板屋根の縁部を、予め該凹所16に入り込む形状に加工しておき、該縁部を凹所16に入れ込むとともに、顎部を受金具の係止顎部4に連係させればよく、これによれば、簡単な作業で折板屋根を受金具に確実に固定、支持することができる。
【0050】
凹所16は、頂板部2の壁面につながる垂直壁16aと、底板16bと、該垂直壁16aおよび底板16bをつなぐ斜壁16cから形成されたU字形状をなすものを例として示したが、該凹所16の形状は折板屋根の連係形状に合わせて適宜変更できるものであって、図示のものには限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明によれば、正圧、負圧に対する強度が著しく改善され、簡単な作業のもとで折板屋根を確実に固定、支持し得る嵌合式折板屋根用受金具が提供できる。
【符号の説明】
【0052】
1 底板部
2 頂板部
3 傾斜側壁部
4 係止顎部
5 溝部
6 補強リブ
7 耳付き
8 折板屋根
8a 段付き
9 折板屋根
9a 段付き
10 下ハゼ
11 上ハゼ
12 梁(母屋)
13 2山折板屋根
14 下ハゼ
15 上ハゼ
16 凹所
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺帯状体の長手方向の複数個所に曲げ加工を施して折板屋根を直接配置する頂板部を形成するとともに建築構造物の梁に固定する底板部およびそれら頂板部、底板部を相互につなぐ傾斜側壁部をそれぞれ一体的に形成した山型形状からなり、前記頂板部に折板屋根を設置、相互に連係、嵌合させて前記折板屋根を固定、支持する嵌合式折板屋根用受金具であって、
前記長尺帯状体は、前記底板部の形成部位を除く幅方向の中央部に該長尺帯状体の長手方向に沿って伸延する溝部が形成された耳付きの溝型断面を有し、
前記頂板部と前記傾斜側壁部との境界のそれぞれに、前記溝部を残したまま曲げ加工され、前記折板屋根の顎部に連係、嵌合して該折板屋根を抜け止め保持するオーバーハング状の係止顎部を設けたことを特徴とする嵌合式折板屋根用受金具。
【請求項2】
前記頂板部は、長手方向に沿う形状が凸形状または凹形状である、請求項1記載の嵌合式折板屋根用受金具。
【請求項3】
前記係止顎部は、長尺帯状体の厚さの二倍よりも小さいアール(r)が形成された曲げ先端部を有する、請求項1または2記載の嵌合式折板屋根用受金具。
【請求項4】
前記係止顎部は、切り欠き代替の張り出し成型構造からなる、請求項1〜3の何れかに記載の嵌合式折板屋根用受金具。
【請求項5】
前記底板部と前記傾斜側壁部との境界領域に、該底板部、傾斜側壁部を相互につなぐ三角形状の側壁を備えた補強リブを設けた、請求項1〜4の何れかに記載の嵌合式折板屋根用受金具。
【請求項1】
長尺帯状体の長手方向の複数個所に曲げ加工を施して折板屋根を直接配置する頂板部を形成するとともに建築構造物の梁に固定する底板部およびそれら頂板部、底板部を相互につなぐ傾斜側壁部をそれぞれ一体的に形成した山型形状からなり、前記頂板部に折板屋根を設置、相互に連係、嵌合させて前記折板屋根を固定、支持する嵌合式折板屋根用受金具であって、
前記長尺帯状体は、前記底板部の形成部位を除く幅方向の中央部に該長尺帯状体の長手方向に沿って伸延する溝部が形成された耳付きの溝型断面を有し、
前記頂板部と前記傾斜側壁部との境界のそれぞれに、前記溝部を残したまま曲げ加工され、前記折板屋根の顎部に連係、嵌合して該折板屋根を抜け止め保持するオーバーハング状の係止顎部を設けたことを特徴とする嵌合式折板屋根用受金具。
【請求項2】
前記頂板部は、長手方向に沿う形状が凸形状または凹形状である、請求項1記載の嵌合式折板屋根用受金具。
【請求項3】
前記係止顎部は、長尺帯状体の厚さの二倍よりも小さいアール(r)が形成された曲げ先端部を有する、請求項1または2記載の嵌合式折板屋根用受金具。
【請求項4】
前記係止顎部は、切り欠き代替の張り出し成型構造からなる、請求項1〜3の何れかに記載の嵌合式折板屋根用受金具。
【請求項5】
前記底板部と前記傾斜側壁部との境界領域に、該底板部、傾斜側壁部を相互につなぐ三角形状の側壁を備えた補強リブを設けた、請求項1〜4の何れかに記載の嵌合式折板屋根用受金具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−172355(P2012−172355A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34168(P2011−34168)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000200323)JFE鋼板株式会社 (77)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000200323)JFE鋼板株式会社 (77)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]